JPH10176221A - 磁気特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH10176221A JPH10176221A JP8338016A JP33801696A JPH10176221A JP H10176221 A JPH10176221 A JP H10176221A JP 8338016 A JP8338016 A JP 8338016A JP 33801696 A JP33801696 A JP 33801696A JP H10176221 A JPH10176221 A JP H10176221A
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Abstract
を含有する方向性電磁鋼板を製造する。 【解決手段】 方向性電磁鋼板の製造方法において、脱
炭焼鈍後の1次再結晶粒径Dを5〜30μm に制御し、最
終仕上げ焼鈍での800 ℃から1100℃までの温度間の昇温
速度Hを、0.6 D(μm )+2≦H(℃/h)≦0.4 D
(μm )+18の範囲内に制御する。
Description
心に用いられる高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法に
関するものである。
にトランスその他の電気機器の鉄心材料に使用されてお
り、磁気特性としては、B8(磁化力800 A/m における磁
束密度) に代表される励磁特性とW17/50(周波数50Hzで
1.7Tまで磁化したときのエネルギー損失) に代表される
鉄損特性の良好なものが要求される。
は、最終仕上げ焼鈍工程で2次再結晶現象を起させ、鋼
板面に{110 }面、圧延方向に<001 >軸をもったいわ
ゆるゴス組織を発達させることにより得ることがてき
る。したがって、良好な磁気特性を得るためには、磁化
容易軸である<001 >軸を圧延方向に高度に揃えること
が重要である。
粒成長を抑制する効果のあるMnS 、MnSeおよびAlN など
の析出物やSb、Sn等の粒界に偏析する成分、いわゆるイ
ンヒビターが不可欠であり、これらのインヒビターを用
い、2次再結晶前の脱炭焼鈍後の平均粒径すなわち1次
再結晶粒径を適正化することが重要である。
径を適正範囲とし、かつその他の工程条件を規定した手
段が多数開示されている。これらは、それぞれ脱炭焼鈍
後の1次再結晶粒径を制御した上でさらに、特開平5-12
5445号公報、特開平6-145801号公報、特開平6-145802号
公報、特開平6-145803号公報、特開平7-300620号公報お
よび特開平7-310124号公報等ではAlおよびN含有量を規
定する方法、特開平5-156361号公報、特開平5-295438号
公報および特開平6-17129 号公報等では2次再結晶直前
までに窒化処理を行う方法、特開平7-118744号公報では
AlおよびN含有量を規定しかつ2次再結晶直前までに窒
化処理を行う方法、特開平6-306474号公報にはMnとSま
たはSeの比を規定する方法、特開平7-118745号公報、特
開平7-118747号公報および特開平7-138641号等では仕上
げ熱間圧延条件を規定する方法、特開平5-295443号公
報、特開平6-179916号公報、特開平6-179917号公報およ
び特開平7-138642号公報等では熱間圧延後の焼鈍条件を
規定する方法がそれぞれ提案されている。
158165号公報では粒径分布から平均粒径を求める方法、
特開平6-33141 号公報、特開平6-73509 号公報および特
開平7-268469号公報には1次再結晶粒の変動系数を制御
する方法などがそれぞれ提案されている。
せるためには2次再結晶直前の1次再結晶粒径に最適な
範囲が存在すると考えられる。しかし、この最終仕上げ
焼鈍中の2次再結晶直前の1次再結晶粒径を測定する有
効な手段が存在しないため、これまでのように脱炭焼鈍
後の1次再結晶粒径をもって制御を行わなければならな
くなる。ところが、1次再結晶粒は最終仕上げ焼鈍中の
2次再結晶直前までにかなりの粒成長が起っており、こ
の成長の度合いは最終仕上げ焼鈍条件により変化するこ
とが考えられる。従来技術では、上記のように、脱炭焼
鈍後の1次再結晶粒径の制御と脱炭焼鈍以前の工程条件
の制御を組み合わせることにより磁気特性の改善もしく
は2次再結晶の安定化を意図した技術が多く開示されて
いて、1次再結晶粒径を制御し脱炭焼鈍以降の工程条件
を最適化する技術は少なく、そのほとんどが、脱炭焼鈍
後の1次再結晶粒径を所定の条件に整えたのちに、仕上
げ焼鈍中のN2 分圧調整により窒化制御する方法(特開
平5-295438号公報、特開平6- 17129号公報等) や脱炭焼
鈍後に窒化処理を行う方法等(特開平7-118744号公報、
特開平7-138642号公報等) である。
が、これらの方法に開示されている適正粒径範囲にある
場合でも、2次再結晶不良等が発生し良好な磁気特性が
得られない場合が発生するという問題があった。
ち請求項1の発明は、脱炭焼鈍後の1次再結晶粒径を制
御した上で最終仕上げ焼鈍条件を最適化することによ
り、極めて高い磁束密度が安定して得られるAlN を含有
する方向性電磁鋼板の製造方法を提案することを目的と
するものであり、加えて、請求項2の発明は素材にSbを
含有させることにより磁束密度のさらなる向上をはかる
ことを目的とするものである。
次再結晶粒径を制御し、焼鈍分離剤のMgO 中にSb系、B
系等の添加物を含有させた場合、添加物が低温溶融型で
あるか高温溶融型であるかを分けて最終仕上げ焼鈍での
昇温速度を限定する技術が開示されているが、これは、
より早く確実にフォルステライトの生成を行うことを目
的とするものであり、この発明の技術とは本質的に異な
るものである。
検討を重ね、脱炭焼鈍後の鋼板を最終仕上げ焼鈍する際
に様々な速度で昇温した結果、脱炭焼鈍後の1次再結晶
粒径が前記従来技術に開示されている適正範囲内にあっ
ても、2次再結晶粒方位の劣化あるいは2次再結晶不良
が発生して良好な磁気特性が得られない場合があること
を確かめ、良好な2次再結晶を生成させるためには、脱
炭焼鈍後の1次再結晶粒径を制御し調整した上で、最終
仕上げ焼鈍時の昇温条件についても厳密に制御する必要
があることを新たに見出し、この発明を達成したもので
ある。すなわち、この発明の要旨とするところは以下の
通りである。
5 wt%、Mn:0.05〜0.15wt%、Sol.Al:0.0050〜0.040
wt%、N:0.0010〜0.0150wt%および.SもしくはSeの
うちの1種または2種の合計:0.010 〜0.040 wt%を含
有するけい素鋼スラブを素材とし、該スラブを熱間圧延
し、熱延板焼鈍後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上
の冷間圧延を施し、ついで、脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤を
塗布してから最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程からなる
方向性電磁鋼板の製造方法において、脱炭焼鈍後の1次
再結晶粒径Dを5〜30μmの範囲内に制御し、最終仕上
げ焼鈍の昇温過程での800 ℃の温度から1100℃の温度ま
での昇温速度H(℃/h)を脱炭焼鈍後の1次再結晶粒
径D(μm )との関係下記式(1) を満たす範囲に制御す
ることを特徴とする磁気特性に優れる方向性電磁鋼板の
製造方法。 〔記〕 0.6 D+2≦H≦0.4 D+18 ---(1) (第1発明)である。
ことを特徴とする第1発明に記載の磁気特性に優れる方
向性電磁鋼板の製造方法(第2発明)である。
た実験例について以下に述べる。
す)、Si:3.2%、sol.Al:0.028%、N:0.0080%、Se:
0.024%、Sb:0.029%およびCu:0.05 %を含有する鋼塊
を用意し、該鋼塊を1300℃の温度に加熱したのち熱間圧
延し板厚:2.3mmの熱延板とした。ついで1000℃・3分間
の熱延板焼鈍後、950 ℃および1100℃の加熱温度でそれ
ぞれ2分間の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延で最終冷延
板厚:0.23mmに仕上げたのち、湿水素雰囲気中にて820
℃および860 ℃の均熱温度でそれぞれ4分間保持する脱
炭・1次再結晶焼鈍を行った。
径を光学顕微鏡および画像解析装置で測定した。このと
き、中間焼鈍を950 ℃の温度でかつ脱炭焼鈍を820 ℃の
温度で行った脱炭焼鈍板の平均1次再結晶粒径D(以下
単に粒径Dであらわす)は6.8 μm であり、中間焼鈍を
1100℃の温度でかつ脱炭焼鈍を860 ℃の温度で行った脱
炭焼鈍板の粒径Dは25.3 μm であった。
MgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、最終仕上げ焼
鈍を行い製品とした。この最終仕上げ焼鈍は、焼鈍開始
から800 ℃の温度までを30℃/sの昇温速度で急速加熱
後、800 ℃から1100℃の温度までの昇温速度H(以下単に
昇温速度Hであらわす)を5,10, 15, 20, 25および30
℃/hとそれぞれ変化させた。かくして得られた製品の
磁束密度B8 を測定した。これらの測定結果を図1に示
す。
速度Hと磁束密度B8 との関係を示すグラフである。図
1から明らかなように、昇温速度Hが変化するにつれて
磁束密度B8 が変化し、昇温速度Hがある値で磁束密度
B8 が最大となるピークを有することがわかった。しか
もB8 が最も高くなる昇温速度Hは、粒径Dが6.8 μm
のときは昇温速度Hが11℃/hであり、粒径Dが25.3μ
m のときは昇温速度Hが23℃/hであることから、最も
高い磁束密度B8 を与える昇温速度Hは粒径Dによって
異なることが明確になった。また、これに伴い、磁束密
度B8 が1.92T を超える高磁束密度が得られる昇温速度
Hの範囲も粒径Dにより変化することがわかった。
0 ℃から880 ℃の範囲での脱炭焼鈍温度を組合せた以外
は上記実験1と同様にしてそれぞれ脱炭焼鈍板とし、そ
の結果得られた平均粒径Dが4〜35μm の範囲の脱炭焼
鈍板について、昇温速度Hを5,10, 15, 20, 25, 30お
よび35℃/hと変化させて最終仕上げ焼鈍を行いそれぞ
れ製品とした。かくして得られた各製品について、それ
ぞれ測定した磁束密度B8 を整理し図2に示す。
束密度B8 を示すグラフである。この図において、磁束
密度B8 が1.92T を超える磁気特性が良好なものを○
印、2次再結晶は起ったがB8 が1.92T に満たないもの
を△印そして2次再結晶不良となったものを×印として
それぞれ示した。
が得られる昇温速度Hの範囲は、粒径Dが5〜30μm の
範囲でかつこの粒径Dによって定まり、その昇温速度H
の範囲は、0.6 D(μm )+2≦H(℃/h)≦0.4 D
(μm )+18であらわされることがわかる。
1100℃の温度までの昇温速度Hについては、最も高い磁
束密度B8 が得られる昇温速度Hは脱炭・1次再結晶板
の平均1次再結晶粒径Dによって異なること、および、
昇温速度Hが0.6 D(μm )+2≦H(℃/h≦0.4 D
(μm )+18の範囲において高磁束密度の製品を得るこ
とができることを新規に見い出したものである。
の成分組成や製造方法について、この発明の効果を得る
ための要件とその作用などについて以下に述べる。
造においては、従来用いられている製鋼法で得られた溶
鋼を連続鋳造法あるいは造塊法で鋳造し、必要に応じて
分塊工程を挟んで素材とするスラブを得たのち、熱間圧
延を行う。この時の素材の成分組成の限定理由を以下に
述べる。
ヒビターとしてsol.AlおよびNを含有させることを必須
とする。 sol.Al:0.0050 〜0.040 %、N:0.0010〜0.0150% sol.AlおよびNは、AlN として2次再結晶前に微細に分
散し、1次再結晶粒の成長に対し強い抑制作用を有す
る。この作用を発揮させるためにはAl:0.0050〜0.040
%の範囲およびN:0.0010〜0.0150%の範囲で含有させ
ることが必要である。この上限を超えると析出物が粗大
化して抑制力が減少し、下限未満ではAlN の量が不足し
抑制力が不十分となる。
ぎると脱炭が困難となるため、その含有量は0.0030〜0.
090 %の範囲とする。
欠の成分であるが、多すぎると冷間圧延が困難になるの
で、その含有量は2.0 〜4.5 %の範囲とする。
ター形成成分として含有させる。これらはMnS, MnSe 等
のインヒビターを形成し、AlN を補強するインヒビター
として有効に作用する。 Mn:0.05 〜0.15% Mnは、上記の通りインヒビター形成成分として必要であ
るが、多すぎると溶体化が困難となるため、その含有量
は0.05〜0.15%の範囲とする。 SもしくはSeのうちの1種または2種の合計:0.010 〜
0.040 % Sおよび/またはSeは、上記と同様にインヒビター形成
成分として必要であり、MnS, MnSe を析出させるために
単独または併用のいずれの場合も、前記実験の通りその
含有量は0.01〜0.04%の範囲がよい。
加することがよく、磁気特性のさらなる向上に有効であ
る。 Sb:0.005〜0.20% Sbは、粒界に偏析し、最終仕上げ焼鈍中に1次粒成長の
抑制力を補うことにより磁気特性をさらに改善させるも
のと考えられる。ただし多すぎると加工が困難になるの
で、その含有量は0.005 〜0.20%の範囲がよい。
%、Sn:0.02 〜0.30%、Ge:0.01 〜0.30%、Ni:0.02 〜
0.20%およびMo:0.01 〜0.05%のそれぞれの範囲で単独
または複合して含有させることも磁気特性を改善する上
で好ましい。
しくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終冷
延板厚とする。このとき、最終の冷間圧延下率は80%未
満では2次再結晶粒の方位が悪くなり、95%を超えると
2次再結晶が困難となるので、その圧下率は80〜95%の
範囲とすることが好ましい。
は、脱炭焼鈍後の粒径Dを5〜30μmの範囲にすること
がこの発明の一つの必要条件である。脱炭焼鈍板の粒径
Dが小さくなると粒界面積が増加し粒界エネルギーが増
すため、2次再結晶粒が成長する際の駆動力が大きくな
り、再結晶しやすくなる。しかしながら、成長しにくい
と考えられる2次再結晶粒すなわちゴス方位からのずれ
が大きい方位の結晶粒の成長が可能となり、鋼板全体の
平均結晶方位が悪くなることが考えられ、磁気特性が劣
化する。また、粒径Dが大きくなると、逆に2次再結晶
粒が成長する際の駆動力が小さくなり、この駆動力の低
下により、ある程度の粒径Dまでは結晶方位の悪い成長
しにくい2次再結晶粒に対して結晶方位の良い成長しや
すい2次再結晶粒の成長が優位になるが、さらに粒径D
が大きくなると2次再結晶が困難になることが考えられ
る。以上り粒径Dには最適な範囲があり、その範囲が5
〜30μm となる。
焼鈍分離剤を塗布したのち、最終仕上げ焼鈍を行う。こ
の最終仕上げ焼鈍において、800 ℃から1100℃の温度ま
での昇温速度Hが粒径Dの関係式0.6 D(μm )+2≦
H(℃/h)≦0.4 D(μm )+18を満たす範囲に制御
することがこの発明の特徴とするところである。
の温度域にては、前記実験の通り、粒径Dにより適切な
昇温速度Hは変化する。粒径Dがおおきくなるほど磁気
特性が良好となる昇温速度Hは全体として速くなり、粒
径Dとの関係で昇温速度Hが、0.6 D(μm )+2≦H
(℃/h)≦0.4 D(μm )+18を満たす範囲で磁気特
性が良好となる。
者らは次のように考えている。2次再結晶直前での1次
再結晶粒径には最適な範囲があり、初期の1次再結晶粒
径(粒径D)が最終仕上げ焼鈍中の2次再結晶直前まで
に最適な1次再結晶粒径範囲へと成長することによって
2次再結晶が良好に起るものと考えられる。したがっ
て、まず粒径Dが小さいとき、最終仕上げ焼鈍中に最適
1次再結晶粒径に成長させるには、適切な温度で十分な
時間を要するので、昇温速度Hは比較的緩やかにする必
要があり、逆に粒径Dが大きいときは、最適1次再結晶
粒に成長するまでの時間が短くなり、昇温速度Hは比較
的早くする必要があるものと考えられる。
の1次再結晶粒径が最適範囲から外れた場合に磁気特性
が劣化する理由については、以下のように推察される。
すなわち、最適粒径範囲より小さい場合は、2次再結晶
粒成長の駆動力は1次再結晶粒径の逆数に比例するの
で、駆動力が大きくなり方位がゴス方位(110) 001 か
らはずれた核の成長する余地を与えてしまい、このため
2次再結晶はするが磁束密度は劣化する。逆に最適粒径
範囲より大きい場合は、2次再結晶粒成長の駆動力が低
下してしまい、2次再結晶させること自体が困難となり
2次再結晶不良を起こすことになる。
張力を付与するコーティングを施してもよく、これによ
り鉄損が一段と低下し、さらなる低鉄損の製品を得るこ
とが可能となる。
よりなる鋼塊を用意した。
℃の温度に加熱したのち熱間圧延し板厚:2.3 mmの熱延
板とした。これらの熱延板にそれぞれ1000℃・3分間の
加熱後急冷する熱延板焼鈍を施したのち、板厚:1.6 mm
までの冷間圧延を行い、ついで、1000〜1100℃の温度範
囲で2分間の加熱後急冷する中間焼鈍ののち、最終冷延
板厚:0.23mmとする冷間圧延をそれぞれ行った。
晶焼鈍を施すにあたり、均熱温度を700 〜880 ℃の間で
変化させ1次再結晶粒径すなわち粒径Dをそれぞれ変化
させた。このとき均熱時間は全て4分間とした。また、
各脱炭焼鈍板についてそれぞれ粒径Dを測定した。
%添加したMgO を焼鈍分離剤として塗布してから最終仕
上げ焼鈍を行いそれぞれ製品とした。この最終仕上げ焼
鈍では、800 〜1100℃の温度間の昇温速度Hをそれぞれ
5、10、15、20、25および35℃/hとして行った。
結晶状況および磁束密度B8を調査した。粒径D、昇温速
度H、2次再結晶状況および磁束密度B8の調査結果を表
2にまとめて示す。
がこの発明に適合する適合例は、2次再結晶が安定して
おり、磁束密度B8が1.92Tを超える良好な磁気特性が得
られている。
に加熱した後、熱間圧延し板厚:2.5 mmの熱延板とし
た。これらの熱延板にそれぞれ900 〜1100℃の温度範囲
で3分間の加熱後急冷する熱延板焼鈍を施したのち、最
終冷延板厚:0.35mmとする冷間圧延をそれぞれ行った。
その後、これらの冷延板に脱炭・1次再結晶焼鈍を施す
にあたり、均熱温度を700 〜880 ℃の温度間で変化させ
1次再結晶粒径すなわち粒径Dをそれぞれ変化させた。
このときの均熱時間はすべて4分間とした。また、各脱
炭焼鈍板についてそれぞれ粒径Dを測定した。
5%添加したMgO を焼鈍分離剤として塗布してから最終
仕上げ焼鈍を行いそれぞれ製品とした。この最終仕上げ
焼鈍では、800 〜1100℃の温度間の昇温速度Hをそれぞ
れ5,10, 15, 20, 25および35℃/hとして行った。か
くして得られた各製品について、2次再結晶状況および
磁束密度B8 を調査した。粒径D、昇温速度H、2次再
結晶状況および磁束密度B8 の調査結果を表3にまとめ
て示す。
板を製造した場合においても、粒径Dおよび昇温速度H
がこの発明に適合する適合例は、2次再結晶が安定して
おり、磁束密度B8 が1.92Tを超える良好な磁気特性が
得られている。
れ1350℃の温度に加熱したのち熱間圧延し板厚:2.3 mm
の熱延板とした。これらの熱延板にそれぞれ1000℃・3
分間の加熱後急冷する熱延板焼鈍を施したのち、板厚:
1.6 mmまでの冷間圧延を行い、ついで、1050℃・2分間
の加熱後急冷する中間焼鈍ののち、最終冷延板厚:0.23
mmとする冷間圧延をそれぞれ行った。
晶焼鈍を施すにあたり、粒径Dが約12μm (脱炭焼鈍板
1)および約25μm (脱炭焼鈍板2)となるように、均
熱時間を4分間として均熱温度を780 〜880 ℃の間で変
化させた。
%添加したMgO を焼鈍分離剤として塗布してからそれぞ
れ最終仕上げ焼鈍を施し製品とした。この最終仕上げ焼
鈍では、800 〜1100℃の温度間の昇温速度Hを、脱炭焼
鈍板1については15℃/h、脱炭焼鈍板2ついては25℃
/hとして行った。
磁束密度B8を測定した。これらの磁束密度B8の測定結果
を素材のSb含有量で整理して図3に示す。図3は素材中
のSb含有量に対する磁束密度B8の変化を示すグラフであ
る。
Hがこの発明に適合し、素材のSb含有量がこの発明の第
2発明に限定する範囲にある場合2次再結晶がさらに安
定し、磁束密度B8がより良好となる磁気特性が得られて
いる。
焼鈍後の粒径Dを5〜30μm に制御し、最終仕上げ焼鈍
での800 ℃から1100℃までの温度間の昇温速度Hを、0.
6 D(μm )+2≦H(℃/h)≦0.4 D(μm )+18
の範囲内に制御するものであり、請求項1の発明によれ
ば、2次再結晶が安定であり磁束密度の高い方向性電磁
鋼板を安定して製造することができる。また、請求項2
の発明は、素材にSbを0.005 〜0.20wt%の範囲で含有さ
せたうえで、上記の条件に制御するものであり、請求項
2の発明によればさらに高い磁束密度を安定して得るこ
とができる。
密度B8との関係を示すグラフである。
示すグラフである。
示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.0030〜0.090 wt%、 Si:2.0 〜4.5 wt%、 Mn:0.05〜0.15wt%、 Sol.Al:0.0050〜0.040 wt%、 N:0.0010〜0.0150wt%および SもしくはSeのうちの1種または2種の合計:0.010 〜
0.040 wt%を含有するけい素鋼スラブを素材とし、該ス
ラブを熱間圧延し、熱延板焼鈍後、1回または中間焼鈍
を挟む2回以上の冷間圧延を施し、ついで、脱炭焼鈍
後、焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上げ焼鈍を施す一
連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、 脱炭焼鈍後の1次再結晶粒径Dを5〜30μmの範囲内に
制御し、最終仕上げ焼鈍の昇温過程での800 ℃の温度か
ら1100℃の温度までの昇温速度H(℃/h)を脱炭焼鈍
後の1次再結晶粒径D(μm )との関係下記式(1) を満
たす範囲に制御することを特徴とする磁気特性に優れる
方向性電磁鋼板の製造方法。 〔記〕 0.6 D+2≦H≦0.4 D+18 ---(1) - 【請求項2】 素材が、Sb:0.005〜0.20wt%含有するこ
とを特徴とする請求項1に記載の磁気特性に優れる方向
性電磁鋼板の製造方法。
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JP33801696A JP4075088B2 (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
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