JPH10175364A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JPH10175364A
JPH10175364A JP8338122A JP33812296A JPH10175364A JP H10175364 A JPH10175364 A JP H10175364A JP 8338122 A JP8338122 A JP 8338122A JP 33812296 A JP33812296 A JP 33812296A JP H10175364 A JPH10175364 A JP H10175364A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性インクを用いて記録を行うカラーインク
ジェット記録方法において、記録用紙上に形成される最
小ドットの粒状性を目立ちにくくして高画質のカラー画
像を記録出来、しかも画像シャドー部の白抜けをなくし
高い鮮明度のカラー画像が得られるインクジェット記録
方法の提供。 【解決手段】 非吸水性支持体上にインク吸収性層を有
する記録用紙に、少なくともイエロー、マゼンタおよび
シアンの水溶性インクの小液滴を付着させてドットを形
成して記録を行うインクジェット記録方法において、該
記録用紙が親水性バインダーと30〜200nmの平均
粒径を有する2次粒子を含有する空隙層を支持体上に有
する記録用紙であって、かつ該小液滴を単独で吐出させ
た時の小液滴の直径(R)に対する記録用紙上に形成さ
れるドットの直径(D1)の比(D1/R)が1.8〜
2.2であることを特徴とするインクジェット記録方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性インクを用
いて記録を行うカラーインクジェット記録方法に関し、
特に画像のハイライト部のドットの粒状性を目立ちにく
くして高画質のカラー画像を記録出来、しかも画像シャ
ドー部の白抜けをなくし、高い鮮明度のカラー画像が記
録できるインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。この方式で従来から問題となっていたノ
ズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよ
び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンタ
ー、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな
分野に急速に普及している。
【0003】その詳細は例えば、「インクジェット記録
技術の動向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科
学情報株式会社発行)」に記載されている。
【0004】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
一般的には要求されている。
【0005】ところで、カラーインクジェット記録で得
られる画質を写真に近づけようとする試みが近年数多く
行われている。
【0006】これは大きくインク吸収性層に関係する特
性、記録用紙に形成されるドットに起因する画質の改良
に関する特性、及び支持体に関係する特性に大きく分け
られる。
【0007】インク吸収性層を改良する試みとしては、
インク吸収性層の透明性を高めて印字濃度を向上させ
る、インク表面の平滑性を高めて光沢性を高める、ある
いは最大インク吸収容量を十分確保して、最高濃度域で
インクが溢れないようにすること、更にはインク液滴の
インク吸収性層中への浸透を早めて液滴間でのビーディ
ングを減少させたりドットの真円度を改善してムラの少
ない画像を得ることであり、従来から広範な改良技術が
提案されてきている。
【0008】一方、ドットに起因する画質向上の最大の
ポイントはドット1個1個が目視で識別できないように
することであり、そのためにインク液滴をより小液滴化
すること、あるいは特にハイライト部でのドットの識別
が困難なようにするために反射濃度が低いドットが得ら
れる染料濃度として低濃度のインクを併用すること等が
ポイントであり、この点を改良するために従来から種々
の改良技術が提案されてきている。
【0009】また、記録用紙としてインクが比較的浸透
しやすい普通紙、上質紙、あるいは通常のコート紙やキ
ャストコート紙等では基材中にインクが浸透するため、
印字部でのみ記録後にしわが発生してプリント品質を大
きく低下させるのが一般的である。また、インクが紙繊
維中に浸透したり、不透明性の高い白色顔料含有コート
層中に浸透するために、最高濃度が出にくく鮮明な画像
が得られにくい欠点がある。
【0010】更に、ドットの真円度が紙繊維や比較的大
きなサイズの白色顔料が存在するために乱れ、これがイ
ンクジェット記録する際の画質の劣化の一因にもなって
いる。
【0011】以上の点から、インクジェット記録用紙と
して写真のような高級感のある画質を得るために、水性
インクが浸透しにくい、例えば写真用支持体、特に両面
をポリオレフィンで被覆した写真用の紙支持体上にイン
ク吸収性を塗布した記録用紙(たとえばIBM Tec
hnical Disclosure Bullete
in(Vol.21、No.6、1978年、2502
頁)、米国特許3889270号、特開平7−1790
32号、同7−179025号、同7−32723号及
び同8−174992号公報に記載されている)および
白色プラスチックフィルム上にインク吸収性層を塗布し
た記録用紙(たとえば、特開昭61−135783号に
記載されている)等が好ましく用いられるようになって
きている。
【0012】ところで、上記写真並の画質を達成するた
めには、低インク吸水性の支持体上に比較的透明性の高
いインク吸収性を設けることが特に好ましいことではあ
るが、インク吸収性層の表面がマット化して光沢が低下
したり、あるいはインク吸収性層自体がかなり大きなミ
クロ構造を有している場合などには、光沢の低下以外に
インク吸収性層の不透明性が上がり最高濃度が低下して
写真様の画質が達成しにくいことが多い。
【0013】支持体上に設けるインク吸収性層としては
従来から数多くのものが知られているが、大きく2つの
タイプに分類される。
【0014】その一つは膨潤型のインク吸収性層であ
り、親水性バインダーを主体とするインク吸収性層であ
る。これはインク液滴を親水性バインダーの主として膨
潤作用により一時的に保持し、印字後徐々にインク中の
水や高沸点有機溶媒を蒸発させていくものである。
【0015】この親水性バインダーを主体とするインク
吸収性層を支持体上の設けた膨潤型記録用紙の利点はイ
ンク溶媒(水及び高沸点有機溶媒)が完全に蒸発した後
では非常に高い光沢性と高い最高濃度が得られ、写真印
画紙に近似した質感のプリントが得られる。
【0016】しかしながら膨潤型記録用紙を用いたイン
クジェット記録方法においては、インク吸収速度が後述
する空隙型記録用紙に比べて著しく遅く、高インク領域
でビーディング等を起こして画質が低下しやすい問題が
ある。また、インク溶媒の中でもとりわけ高沸点有機溶
媒の蒸発が極めて遅いために、印字後しばらくは親水性
バインダーが膨潤した湿潤状態に長期間置かれることに
なり、印字後数時間、場合により数日間は印字表面を強
く擦ったり紙などを重ねることができない状況にある。
この問題は高湿条件下で保存した場合に特に大きい。
【0017】上記膨潤型とは別の型のインク吸収性層と
して、インク吸収性層が空隙構造を有する空隙型記録用
紙が多数知られている。この記録用紙はインクジェット
記録の際にインクをこの空隙に一時的に保持することに
よりインクを吸収するものであり、インク吸収速度に関
する膨潤が他に比べて早く、高インク領域においてイン
ク吸収速度に起因する画質の劣化が少ない。
【0018】また、この種のインク吸収性層は空隙容量
がインク量に対して十分あれば、空隙構造中に有機溶媒
が残存していたとしても、少なくとも表面は印字直後に
見かけ上乾いた状態になり、表面に触れたりプリント同
士を重ね合わせること等も一応可能となる。
【0019】この種のインク吸収性層としては、通常は
無機微粒子を親水性バインダーと共に使用して皮膜中に
微小な空隙を形成するのが一般的である。この場合、低
屈折率(特に約1.6以下の屈折率が好ましい)でしか
も粒径の小さな微粒子(特に200nm以下が好まし
い)を使用するのが、皮膜中の光散乱を防止して高い最
高濃度を得、しかも光沢性を劣化させないことから好ま
しい。中でも皮膜中で200nm以下の微粒子状態が得
られるシリカを使用した場合、インク吸収性層の透明
性、光沢性、そして適切な空隙率が得られることから好
ましい。
【0020】そのような微粒子シリカをインクジェット
記録用紙に使用する従来技術として、例えば特公平3−
56552号には、1次粒径が10〜30nmの気相法
により得られた微粒子シリカを2次凝集させ、BET法
による表面積が80〜200m2/gの微粒子を形成さ
せて含有するインク吸収性層を有する記録用紙が記載さ
れている。
【0021】また、前記特開平8−174992号には
ポリオレフィン被覆紙支持体上に、平均粒径が10nm
以下の無機微粒子と親水性バインダーを使用し、高い光
沢度を得るインクジェット記録用紙が記載されている。
【0022】上記の微粒子を用いた空隙層を非吸水性支
持体上に設けた記録用紙で得られる画像は、従来よりは
画質が改善されているとは言え、必ずしも十分であると
は言い難い。
【0023】特に、かかる微粒子を含有させた空隙構造
を非吸水性支持体上に有する記録用紙に水溶性インクを
用いてインクジェット記録する際に、高インク吸収性と
高光沢性、更には早い乾燥性が達成されるものの、イン
ク液滴が形成するドットのサイズを適切に制御しないと
必ずしも良好な画像が得られないことが判明した。
【0024】すなわち、上記微粒子を用いた空隙層を形
成した場合、インク吸収性が早すぎて記録用紙に微小液
滴が着弾して形成されるドットの拡がりが不十分にな
り、その結果、画像のシャドー部でドット同士の完全な
重なり合いが少なくなり最高濃度付近で白抜けが生じや
すい。最高濃度部ではほんのわずかの白抜けの発生で
も、濃度低下を生じやすい。
【0025】この問題は支持体が吸水性支持体の場合、
あるいは支持体が非吸水性支持体の場合であってもイン
ク吸収性層の透明度が低くい場合等には、元々十分高い
最高濃度が得られず画像の鮮明度が低いものしか得にく
いのであまり大きな課題にはなりにくいが、非吸水性支
持体上に透明性が高く、空隙構造を有するインク吸収性
を塗設した記録用紙を用いたインクジェット記録方法に
おいては画質上最も大きな問題である。
【0026】このような最高濃度部付近の白抜けを防止
するためには、小液滴の吐出間隔を白抜けが出ない程度
に狭める必要があるが、この場合には単位面積当たりの
インク吐出量が増大し、支持体が非吸水性であるのでイ
ンクを完全に保持するのに十分な量の空隙量が必要にな
る。しかしながら、上記空隙層の膜厚を増大させて空隙
容量を増加させた場合には、製造コストの上昇による高
価格化、空隙層のひび割れの起き易すくなり光沢性が低
下する、支持体との接着性の低下しやすくなる不都合が
生じる。また、空隙層を必要以上に厚くすることで印字
後高湿下で保存した場合に滲みが低下するなどの種々の
不都合が生じる。
【0027】以上の点より、上記記録用紙を用いたイン
クジェット記録方法においてはドットサイズを適切なも
のに設定することが特に大きな課題となる。
【0028】この問題は、低吸水性支持体上に、低い不
透明度を有するインク吸収層が得られる上記微粒子シリ
カを用いた空隙層を設けた記録用紙の場合、ドットの拡
大した分余計に鮮明に識別しやすくなり、写真並の画質
を目指すためには適切な拡大率に抑制する必要がある。
【0029】前記特開平8−174992号および特公
平3−56552号には、かかる微粒子シリカを用いて
比較的高いインク吸収性と光沢性を有する記録用紙が得
られることは記載されているが、上記の課題に対する解
決策が与えられていない。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとす
る課題は、水性インクを用いて記録を行うカラーインク
ジェット記録方法において、記録用紙上に形成される最
小ドットの粒状性を目立ちにくくして高画質のカラー画
像を記録出来、しかも画像シャドー部の白抜けをなくし
高い鮮明度のカラー画像が得られるインクジェット記録
方法を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0032】(1) 非吸水性支持体上にインク吸収性
層を有する記録用紙に、少なくともイエロー、マゼンタ
およびシアンの水溶性インクの小液滴を付着させてドッ
トを形成して記録を行うインクジェット記録方法におい
て、該記録用紙が親水性バインダーと30〜200nm
の平均粒径を有する2次粒子を含有する空隙層を支持体
上に有する記録用紙であって、かつ該小液滴を単独で吐
出させた時の小液滴の直径(R)に対する記録用紙上に
形成されるドットの直径(D1)の比(D1/R)が
1.8〜2.2であることを特徴とするインクジェット
記録方法。
【0033】(2) 前記小液滴が形成するドットの
内、最小ドットの直径が60μm以下であることを特徴
とする前記1記載のインクジェット記録方法。
【0034】(3) 前記2次粒子がシリカであること
を特徴とする前記1または2記載のインクジェット記録
方法。
【0035】(4) 前記親水性バインダーがポリビニ
ルアルコールであることを特徴とする前記1〜3のうち
のいずれか1項記載のインクジェット記録方法。
【0036】(5) 前記空隙層がアニオン性界面活性
剤を含有することを特徴とする前記1〜4のうちのいず
れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0037】(6) 前記空隙層がカチオン性界面活性
剤、カチオン性ポリマー、または表面がカチオン性であ
る無機微粒子から選ばれる少なくとも1種を含有するこ
とを特徴とする前記1〜5のうちのいずれか1項記載の
インクジェット記録方法。
【0038】(7) 前記非吸水性支持体が両面をポリ
オレフィンで被覆した紙支持体であることを特徴とする
前記1〜6のうちのいずれか1項記載のインクジェット
記録方法。
【0039】以下本発明を詳細に説明する。本発明の記
録用紙に用いられる非吸水性支持体としては、プラスチ
ックフィルムや両面をポリオレフィンで被覆した紙支持
体が好ましく用いられる。
【0040】プラスチックフィルム支持体としては、た
とえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリイ
ミド、ポリカーボネート、セロファンなどのプラスチッ
クフィルム支持体等が好ましい。
【0041】これらのプラスチックフィルムは透明なも
の、半透明なものおよび不透明なものを用途に応じて適
宜使い分けることが出来る。
【0042】白色フィルムとする場合、少量の硫酸バリ
ウム、酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料をプラスチ
ックフィルム支持体に含有させて得られた支持体をその
まま用いてもよく、また、透明なフィルム支持体の裏面
側またはインク吸収性層側の支持体に近い側に白色顔料
(酸化チタン、硫酸バリウムなど)を有する層を設けた
支持体であっても良い。
【0043】また、両面をポリオレフィンで被覆した紙
支持体としては従来写真用印画紙で通常用いられている
ポリエチレンで両面を被覆した紙支持体が好ましい。こ
の場合、インク吸収性層側のポリエチレン樹脂層中には
アナターゼ型またはルチル型の酸化チタンをポリエチレ
ンに対して3〜20重量%含有させるのが、支持体の不
透明度や白色度の向上、あるいは得られる画像の鮮鋭性
を低下させないことから好ましい。
【0044】本発明においては、高品位なカラー画像を
得る観点より、白色フィルム支持体、あるいは両面をポ
リエチレンなどのポリオレフィン樹脂で被覆した紙支持
体などが好ましく、特に低コストで高級感のあるポリオ
レフィン樹脂で両面を被覆した紙支持体が最も好まし
い。
【0045】以下、特に好ましく用いられるポリエチレ
ンで両面を被覆した紙支持体について説明する。
【0046】紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステ
ルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとし
てはLBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LD
P,NDP,LUKP、NUKPのいずれも用いること
が出来るが短繊維分の多いLBKP,NBSP、LBS
P,NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSPおよび/またはLDPの比率は10重量
%以上、70重量%以下が好ましい。
【0047】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0048】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことが出来る。
【0049】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500ccが好ましく、また、叩解後の
繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシ
ュ残分重量%と42メッシュ残分の重量%との和が30
乃至70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の重量%
は20重量%以下であることが好ましい。
【0050】原紙の坪量は60乃至250gが好まし
く、特に90乃至200gが好ましい。原紙の厚さは5
0乃至250μmが好ましい。
【0051】原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は
0.7乃至1.2g/m2(JIS−P−8118)が
一般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に
規定される条件で20乃至200gが好ましい。
【0052】原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるサイ
ズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。
【0053】原紙のpHはJIS−P−8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、5〜9である
ことが好ましい。
【0054】原紙表面および裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)およ
び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが
他の線状低密度のポリエチレン(LLDPE)やポリプ
ロピレン等も一部使用することが出来る。
【0055】特にインク受容層側のポリエチレン層は写
真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナ
ターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透
明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタ
ン含有量はポリエチレンに対して概ね3〜20重量%、
好ましくは5〜15重量%である。
【0056】ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いる
ことも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出
してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って
通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を
形成した物も本発明で使用できる。
【0057】原紙の表裏のポリエチレンの使用量はイン
ク受容層やバック層を設けた後で低湿および高湿下での
カールを最適化するように選択されるが、概ねインク受
容層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側
が10〜30μmの範囲である。
【0058】更に上記ポリエチレン被覆紙支持体は以下
の特性を有していることが好ましい。
【0059】引っ張り強さ:JIS−P−8113で
規定される強度で縦方向が2乃至30kg、横方向が1
乃至20kgであることが好ましい。
【0060】引き裂き強度:JIS−P−8116に
よる規定方法で縦方向が10乃至300g,横方向が2
0乃至400gが好ましい。
【0061】クラーク剛度:20〜400g/100
が好ましい。
【0062】圧縮弾性率≧103kgf/cm2 表面平滑度:JIS−P−8119に規定されるベッ
ク平滑度が500秒以上、特に1000秒以上が光沢面
としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以下で
あっても良い。
【0063】表面粗さ:JIS−B−0610に規定
された方法で測定された断面曲線から、カットオフ値
0.8mmの条件で導かれるろ波うねり曲線について、
基準調2.5mmとしてろ波最大うねりを測定したとき
に、その任意の測定点100個で最大うねりが6μm以
上の点が5個以内であること、また、10点平均粗さが
4μm以内であるのが好ましい。
【0064】表面光沢度:JISZ−8741に規定
された方法で60度の角度で測定した時、30%以上、
好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上。
【0065】表面白色度:JIS−Z−8722に記
載された方法で測定し、JIS−Z−8729に従って
表示したとき、
【0066】
【外1】
【0067】不透明度:JIS−P−8138に規定
された方法で測定したときに50%以上、特に90%以
上、最も好ましくは94%以上が好ましい。
【0068】前記支持体の厚みは100〜300μm、
好ましくは130〜250μmである。
【0069】上記各種支持体とインク受像層の接着強度
を大きくする等の目的で、インク吸収性層の塗布に先立
って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うこと
が好ましい。
【0070】本発明においては、支持体上に親水性バイ
ンダーと30〜200nmの平均粒径を有する2次粒子
をインク吸収性層中に含有する。
【0071】支持体上に親水性バインダーと平均粒径が
30〜200nmの1次粒子を用いた場合には、この粒
子内部には全く空隙が形成されず、空隙はもっぱらこの
粒子間隙にのみよるために乾燥膜厚が著しく増大して、
後述する皮膜脆弱性が悪化しやすくなるだけでなく印字
後の経時での滲みが劣化しやすい。
【0072】また、200nmを越える平均粒径を有す
る2次粒子を用いた場合、空隙層の光沢度が低下し、鮮
明な画像が得られなくなる。
【0073】一方、30nm未満の平均粒径を有する2
次粒子を用いることは1次粒子自体の取り扱い性や安定
性が低下したり、あるいは安定な2次凝集体の形成が困
難に成りやすい。
【0074】ここで2次粒子とは、通常は、2次粒子の
粒径の1/5〜1/20の粒径を有する1次粒子を凝集
させて形成されるものであるが、本発明においては1次
粒子として3〜15nmの1次粒子を凝集させるのが好
ましい。
【0075】また、2次粒子の凝集体を形成するのは、
記録用紙を製造するどの段階で1次粒子を2次凝集させ
てもよく、たとえば、あらかじめ凝集している2次粒子
の分散物を親水性バインダーと混合して支持体上に塗布
してもよく、また、1次粒子の分散液を親水性バインダ
ー水溶液と混合して塗布液を調液する際に2次粒子を形
成してもよく、さらには1次粒子の状態で分散されてい
る親水性バインダーを支持体上に塗布し、乾燥過程また
は乾燥後の熱処理などにより2次粒子の形成をしても良
い。
【0076】本発明においては、2次粒子の平均粒径は
支持体上に形成された空隙層における2次粒子の平均粒
径を言う。そのような2次粒子の平均粒径は、空隙層の
断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の2
次粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)とし
て求められる。
【0077】ここで、個別の2次粒子の粒径は、その粒
子を電子顕微鏡で観察してその投影像の面積を測定し、
その面積に等しい円を仮定した時の直径として求められ
る。
【0078】本発明に使用できる2次凝集で形成された
微粒子としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化
亜鉛、合成ヘクトライトおよびシリカ等の無機微粒子等
が挙げられるが、特にシリカが好ましい。又シリカの表
面をアルミナで処理したアルミナ変性シリカも好ましく
使用できる。
【0079】シリカ微粒子は表面のシラノール基による
水素結合により粒子自身が凝集しやすく、特に本発明の
様に親水性バインダーの存在下で凝集を行わせた場合に
は比較的緩い凝集(軟凝集)が形成され高い空隙率が達
成される。
【0080】シリカ微粒子は製造法により乾式法と湿式
法に大別される。乾式法微粒子シリカとしてはハロゲン
化珪素の高温での気相法加水分解による方法、およびケ
イ砂とコークスを電気炉でアーク法により加熱還元気化
しこれを空気酸化する方法が知られている。また、湿式
法シリカとしては珪酸塩の酸分解により活性シリカを生
成した後、適度に重合させて凝集・沈殿させて得られ
る。
【0081】本発明の記録用紙においては皮膜の造膜
性、すなわち皮膜の塗布乾燥時のひび割れがなく膜付き
性が良好である点から気相法シリカが最も好ましい。
【0082】本発明においては15nm以下の平均粒径
の1次粒子であることが好ましいが、特に10nm以下
の1次粒子が光沢性と空隙率の高さから最も好ましい。
【0083】上記1次粒子を凝集させて30〜200n
mの平均粒径を有する2次粒子を形成するには種々の方
法がある。例えば、均一な1次粒子の分散液のpHを変
えたり無機イオンを添加して粒子の凝集を起こす方法、
微粒子と水素結合などの弱い結合をし得る親水性バイン
ダー水溶液を添加して凝集を起こさせる方法、1次粒子
の均一皮膜をいったん形成した後に凝集促進剤を塗布し
たり含浸させたり、熱処理などにより凝集を起こす方
法、あるいはこれらの方法を組み合わせる方法等があ
る。
【0084】また、2次凝集粒子の形成時点は前述のご
とく、親水性バインダーとの混合前や混合後、塗布乾燥
時、あるいは乾燥後のいずれでも最適な方法を選択して
行うことができる。
【0085】本発明の記録用紙において、上記微粒子と
組み合わせて用いられる親水性バインダーとしては、ポ
リビニルアルコールおよびその誘導体、ポリアルキレン
オキサイド、ポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびゼ
ラチン誘導体、ヒドロキシルエチルセルロース、カルボ
キシルメチルセルロース、プルラン、カゼイン、デキス
トラン等を用いることができるが、インクが含有する高
沸点有機溶媒や水に対する膨潤性や溶解性が低い親水性
バインダーを使用するのが印字直後の皮膜強度の点から
好ましい。
【0086】本発明では特にポリビニルアルコールが好
ましく、中でも平均重合度が1000以上、最も好まし
くは平均重合度が2000以上のポリビニルアルコール
である。また、好ましいポリビニルアルコールのケン化
度は70〜100%、特に80〜100%が好ましい。
【0087】本発明の記録用紙の空隙層を形成するため
の微粒子と親水性バインダーの比率は親水性バインダー
の種類や微粒子の種類や粒径、親水性バインダーと無機
微粒子との相互作用の大きさ等により変わり得るが、一
般には親水性バインダーに対して微粒子が重量比で4〜
10倍である。
【0088】特にインク中の高沸点有機溶媒の比率が3
0容量%を越えるインクや、インクの最大吐出量が記録
用紙1m2当たり25mlを越えるような場合には親水
性バインダーに対する無機微粒子の比率は重量比で5〜
10が好ましい。
【0089】上記記録用紙の空隙層中には前記親水性バ
インダーと架橋し得る硬膜剤を添加するのが空隙層の造
膜性の改良、皮膜の耐水性、および本発明の目的である
印字後の皮膜強度を改善する点で好ましい。そのような
硬膜剤としてはエポキシ基、エチレンイミノ基、活性ビ
ニル基等を含有する有機硬膜剤、クロムみょうばん、ほ
う酸、あるいはほう砂等の無機硬膜剤が挙げられる。
【0090】親水性バインダーがポリビニルアルコール
である場合には特に、分子中に少なくとも2個のエポキ
シ基を有するエポキシ系硬膜剤、ほう酸またはほう砂が
好ましい。硬膜剤の添加量は上記親水性バインダー1g
当たり1〜200mg、好ましくは2〜100mgであ
る。
【0091】本発明のインクジェット記録用紙のインク
受容性層側の任意の層中には、必要に応じて各種の添加
剤を含有させることが出来る。
【0092】例えば、特開昭57−74193号公報、
同57−87988号公報及び同62−261476号
公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192
号、同57−87989号公報、同60−72785号
公報、同61−146591号公報、特開平1−950
91号公報及び同3−13376号公報等に記載されて
いる退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの
各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同5
9−52689号公報、同62−280069号公報、
同61−242871号公報および特開平4−2192
66号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン
酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコ
ール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット
剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0093】本発明のインクジェット記録方法において
は、水溶性インクが酸性染料または直接染料である場合
が特に好ましいが、この場合、アニオン系界面活性剤を
空隙層中に含有せしめておくことがインク液滴が記録用
紙に着弾してドットを形成する際にドットの直径を拡大
させる方向に作用するために好ましい。
【0094】そのようなアニオン系界面活性剤としては
従来公知の殆どのアニオン系界面活性剤を本発明では使
用する事ができる。
【0095】以下に本発明で使用することのできるアニ
オン系界面活性剤の具体例を示す。
【0096】
【化1】
【0097】上記の中でも、特に表面張力の低下能の大
きな界面活性剤が好ましく、0.1重量%水溶液の25
℃における表面張力が40dyne/cm以下になるよ
うな界面活性剤が好ましく用いられる。
【0098】上記アニオン系界面活性剤は2種類以上を
併用することもできる。
【0099】アニオン系界面活性剤の使用量は、界面活
性剤の種類、空隙層の空隙容量、微粒子の粒径、親水性
バインダーの種類、微粒子と親水性バインダーとの比
率、インクの粘度や表面張力、およびインク液滴の容量
などにより変化し得るが、一般には記録用紙1m2当た
り0.002〜1g、好ましくは0.01〜0.5gの
範囲である。
【0100】本発明の記録用紙のインク吸収性側の任意
の構成層中には、画像の滲み防止の目的で、各種のカチ
オン性物質を含有することが好ましい。
【0101】そのようなカチオン性物質としては、カチ
オン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、および表面が
カチオン性の微粒子が挙げられる。
【0102】カチオン性界面活性剤としては例えば以下
の化合物を挙げることができる。
【0103】
【化2】
【0104】
【化3】
【0105】カチオン性ポリマーとしては、4級アンモ
ニウム基を有するポリマーが好ましく、このポリマーは
それ自身が水溶性であっても、また、例えば、特開昭5
7−36692号公報に記載されているような塩基性の
カチオン性ラテックスポリマーであってもよい。
【0106】カチオン性ポリマーの具体例を以下に示
す。(各モノマーの比率はモル比を表す。)
【0107】
【化4】
【0108】
【化5】
【0109】上記カチオン性ポリマーの添加量は、記録
用紙1m2当たり0.2〜10g、好ましくは0.5〜
5gの範囲である。
【0110】更に、表面がカチオン性である微粒子とし
ては、カチオン変性シリカあるいはアルミナ微粒子が挙
げられる。これらの微粒子は平均粒径が10〜100n
mのものが好ましく用いられる。
【0111】上記カチオン性物質の添加量は、記録用紙
1m2当たり0.1〜10g、好ましくは2〜5gの範
囲である。
【0112】本発明のインクジェット記録用紙における
インク記録面側の塗布固形分の量は概ね5〜40g/m
2が好ましく、10〜30g/m2がより好ましい。
【0113】また、記録用紙のインク吸収性層の空隙容
量は20〜30ml/m2が好ましい。ここで空隙容量
は本発明においては、J.TAPPI紙パルプ試験方法
No.51−87(紙及び板紙の液体吸収性試験方法
(ブリストー法))に記載された方法で記録用紙のイン
ク吸収性側を測定した時、吸収時間が2秒における液体
転移量(ml/m2)で表される。なお、この時使用する
液体は純水(イオン交換水)であるが、測定面積の判別
を容易にするために2%未満の水溶性染料を含有してい
ても良い。
【0114】記録用紙のインク吸収容量は、単にインク
を吸収させてインクの溢れが生じたり乾燥性が問題にな
らないようにする観点からは、できるだけ多いことが望
ましい。
【0115】しかしながら、本発明においてはインク吸
収性層が実質的に非膨潤性であるために上記空隙容量が
インクの吸収容量に実質的に等しい。従って空隙容量を
増加させることは必然的にインク吸収性層の膜厚を増加
させることになるが、これは本願のごとく非吸水性支持
体を使用した記録用紙を用いる場合には後述のごとく種
々の問題を生じる。
【0116】そのために一般には空隙容量が30ml以
下が好ましい。下限は特に限定されず、液滴が少なくな
れば一般には必要とされる空隙容量も減少する。
【0117】しかし、一般的にオンデマンド型インクジ
ェット記録において液滴直径として20μm程度が安定
に液滴形成できる条件であることを考慮すると空隙容量
は20ml/m2以上である。
【0118】本発明の記録用紙のインク吸収性側とは反
対側にはカール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっ
つきやインク転写を更に向上させるために種々の種類の
バック層を設けることが好ましい。
【0119】バック層の構成は支持体の種類や厚み、イ
ンク吸収性層の構成や厚みによっても変わるが一般には
親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バ
ック層の厚みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
【0120】また、バック層には他の記録用紙とのくっ
つき防止、筆記性改良、さらにはインクジェット記録装
置内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この
目的で好ましく用いられるのは粒径が2〜20μmの有
機または無機の微粒子である。
【0121】次に本発明のインクジェット記録方法に用
いられる水溶性インクについて以下に説明する。
【0122】水溶性インクとして、通常イエロー、マゼ
ンタおよびシアンのインクを用いて記録されるが、これ
に加えてブラックのインクを使用することもできる。
【0123】また、各色のインクは単一のものであって
もよくそれぞれ濃度の異なるインクを2種以上組み合わ
せて用い、特に低濃度部でドットをより目立ちにくくす
るために低濃度部用に染料濃度を低めた低濃度インクを
高濃度インクと併用することもできる。
【0124】本発明に用いられる水溶性インクは、通常
は水溶性染料及び液媒体、その他の添加剤から成る記録
液体である。水溶性染料としてはインクジェットで公知
の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるい
は食品用色素等の水溶性染料が使用できるが直接染料、
または酸性染料が好ましく、従来インクジェットで公知
の各種の水溶性染料を使用することができる。
【0125】水溶性インクの溶媒は水を主体としてなる
が、インク液が乾燥した際に染料が析出してノズル先端
やインク供給経路での目詰まりを防止するために、通常
沸点が約120℃以上で室温で液状の高沸点有機溶媒が
使用される。高沸点有機溶媒は水が蒸発した際に染料な
どの固形成分が析出して粗大析出物の発生を防止する作
用を持つために室温で水よりはるかに低い蒸気圧を有す
ることが要求される一方で水に対して混和性が高い必要
がある。
【0126】そのような目的で高沸点有機溶媒としては
高沸点の有機溶媒が通常多く使用されるが、具体例とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセ
リン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレング
リコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエ
ーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(平均
分子量が約300以下)等のアルコール類が挙げられ
る。また、上記した以外にも、ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン等も使用できる。
【0127】これらの多くの高沸点有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコールやグリ
セリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類、
トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アル
コールの低級アルキルエーテル等は好ましいものであ
る。
【0128】上記高沸点有機溶媒は、通常インク中に1
0〜40容量%の範囲で用いられる。10容量%未満の
場合には染料の乾燥時の析出防止効果が一般に小さくな
り、また、40容量%を超える場合には染料の溶解性が
低下したり印字後の有機溶媒の蒸発に時間を要して皮膜
強度が低下したり滲みが悪化しやすい。好ましくは15
〜35容量%の範囲で含有される。
【0129】ここでインク中の高沸点有機溶媒比率は、
インクが含有する高沸点有機溶媒の容量%で表され、例
えば高沸点有機溶媒単独で測定した時の量が10mlで
ある溶媒をインク100ml中に含有している場合に1
0%として表示したものとする。また、高沸点有機溶媒
が2種類以上である場合、それぞれの高沸点有機溶媒の
比率を加算して表す。
【0130】水溶性インクが含有するその他の添加剤と
しては、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘
度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び
防錆剤、等が挙げられる。
【0131】水溶性インク液は記録用紙に対する濡れ性
を良好にするため及びインクジェットノズルからの吐出
を安定化させる目的で、25℃において、25〜50d
yne/cm、好ましくは28〜40dyne/cmの
範囲内の表面張力を有するのが好ましい。
【0132】また、水性インクの粘度は通常25℃にお
いて2〜8cp、好ましくは2.5〜5cpである。
【0133】水性インクのpHは通常4〜10の範囲で
ある。
【0134】次に本発明のインクジェット記録する方法
について記す。本発明のインクジェット記録方法では、
特定の色についてインク用ノズル先端より小液滴を単独
で吐出させた時の小液滴の直径(R)に対する記録用紙
上に形成されるドットの直径(D1)の比(D1/R)
が1.8〜2.2であることが必要である。
【0135】ここで、小液滴の直径は以下の方法により
求められる直径を言う。
【0136】すなわち、23℃で相対湿度が85%±2
%に管理された環境条件下に、A4サイズの上質紙を2
4時間以上放置して紙の含水量を平衡状態にさせたもの
を準備し、その重量(W1g)を精秤する。
【0137】ついでインクジェット記録に使用するイン
クジェット記録装置を用いて、同じ環境条件で既知の液
滴数(n×106個)だけ、インクが溢れて流れない様
に紙を搬送しながらベタ印字し、印字直後に紙の重量
(W2g)を測定する。
【0138】別にインクの比重(d)を求めておき、こ
れから小液滴径R(μm)を以下の式に従って求める。
【0139】R(μm)=100×((6/π)×(W
2−W1)/(n×d))1/3 この時、(W2−W1)が0.1g以上になるように液
滴数として適切な条件を設定して行う。
【0140】一方記録用紙上に得られたドットの直径は
以下の方法で算出されるものを言う。すなわち、各液滴
が他の液滴と重なり合わない条件でまばらに印字する。
記録用紙上に得られたドットについて、顕微鏡などによ
り拡大して投影し、それぞれの投影像の面積を求める。
次にこの面積に等しい円を仮定した時にその直径を各ド
ットの直径とする。これを任意の100個のドットにつ
いて行いその単純平均値をドット径(D1)とする。
【0141】本発明のインクジェット記録方法におい
て、D1/Rは単一液滴がドットに成る時の直径の拡大
率(α)であるが、この拡大率が本発明においては、
1.8〜2.2であることが必要である。
【0142】αが1.8未満の時には、最小ドットサイ
ズが白抜けをなくすために吐出間隔を密にしなければな
らず、このため、記録紙単位面積当たりの吐出量が増え
て空隙層中の染料と有機溶媒量が増加する。そのために
印字後の滲みが悪化しやすい。特に印字後、高沸点有機
溶媒が完全に蒸発しない状態で高湿状態で保存した場合
に滲みが起きやすい。
【0143】一方、αが2.2を超える場合には、最高
濃度部での白抜けは発生しにくいが液滴を最小化しても
ドットのサイズが大きくなるために、特にハイライト部
でドット粒状性が目立ちやすくなる。
【0144】αとして特に好ましいのは1.9〜2.1
である。
【0145】αを上記の範囲内にすることは、種々の手
段を単独もしくは組み合わせて行うことができる。以下
にドットサイズをコントロールする方法の例を示す。
【0146】界面活性剤:アニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤は一般にドットサイズを拡大する方
向に作用するが、これらの界面活性能によりその程度が
変わる。また、カチオン界面活性剤は一般にドットサイ
ズの拡がりを抑制する方向に作用するものが多い。これ
らの両者の界面活性剤を併用して適切なドットサイズを
得るのは好ましい手段の一つである。
【0147】微粒子のサイズ:一般に微粒子化するこ
とでドットサイズは拡がらなくなる傾向がある。
【0148】親水性バインダーに対する微粒子の比
率:この比率が小さくなると、ドットサイズが縮小する
傾向がある。
【0149】油滴の添加:空隙層中に油滴を含有させ
ておくとサイズは拡大される傾向がある。油滴のサイズ
は0.1〜0.5μmが好ましく、添加量は空隙層の空
隙容量に対して5〜30容量%が好ましい。
【0150】表面層に実質的に親水性バインダーから
なる層または親水性バインダーに対する微粒子の比率が
極端に低い層(例えば2倍以下)を薄層(乾燥膜厚で2
μm以下)塗設することでドットサイズは縮小する傾向
がある。
【0151】この場合表層の乾燥膜厚はインクの吸収速
度が低下し、高濃度域での画像ムラが発生しやすくなら
ないよう2μm以下、好ましくは1μm以下にする必要
がある。
【0152】空隙層中にカチオン性ポリマーまたはカ
チオン性微粒子を添加:ドットサイズは抑制される方向
になる。
【0153】空隙層の親水性バインダーの硬膜:親水
性バインダーと反応し得る硬膜剤を添加し硬膜度を上げ
ることによりドット径は拡大する傾向にある。
【0154】空隙層の塗布後の乾燥時にいったん冷却
してゲルに近い状態を経由してから乾燥するとドットサ
イズが拡大する傾向がある。
【0155】上記の各種の方法は2以上を組み合わせて
適用することもできる。
【0156】本発明のインクジェット記録方法におい
て、記録用紙の空隙層は一般に厚くすれば厚くするほど
インク吸収容量が増加して微細に吐出しても、高インク
領域でインクが溢れることが少なくなるが、一方で、画
像のハイライト部位では余分な空隙が多すぎるために、
経時での滲みが劣化しやすい。
【0157】また、空隙層の膜厚が厚くなるに従って、
皮膜のヘイズが増加し、特に最高濃度域で白抜けが発生
しない割に最高濃度が出にくいといった問題を生じやす
い。
【0158】このヘイズの問題は主として使用するバイ
ンダーの種類や2次粒子の種類や粒径にも依存するが膜
厚にも大きく依存する。このためできるだけ薄くするの
が好ましい。また、皮膜の脆弱性や支持体との接着性の
観点からもインク保持量が維持できさえすれば可能な限
り薄くするのが好ましい。
【0159】この観点より空隙層の容量は前述のごとく
記録用紙1m2当たり20〜30mlにするのが好まし
く、従ってこの空隙容量で完全にインクを吸収しきれる
インクの液滴径や吐出条件を決める必要がある。
【0160】この観点から特に好ましいのは、液滴径が
30μm以下の液滴径で最小ドット、すなわちハイライ
トの画像を形成するドットが吐出されることである。
【0161】この場合、概ね60μm以下の最小ドット
がハイライト部に形成されるために実質的なドットに起
因する粒状性が目立ちにくくなる。
【0162】本発明のインクジェット記録方法におい
て、前記水溶性インクが、少なくともマゼンタおよびシ
アンについて、各々濃度が2倍以上異なる2種類のイン
クで記録する方式において、ハイライト部では低濃度の
インクが使用されるためにドットの識別がしにくくなる
が、本発明はかかる記録方式を採用した場合も適用でき
る。この場合更にハイライト部のドットの識別性が目立
ちにくくなり好ましい。
【0163】本発明のインクジェット記録方法におい
て、記録方法としては、従来公知の各種の方式を用いる
ことができ、その詳細はたとえば、インクジェット記録
技術の動向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科
学情報株式会社発行)に記載されている。
【0164】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0165】実施例1 平均粒径が気相法により合成された約7nmの1次粒子
シリカ粉末150gを純水1000ml中に添加し、高
速ホモジナイザーで分散して青白い澄明な分散液を得
た。次にこのシリカ水分散液(I)中に、平均重合度が
4000でケン化度が88%の2%ポリビニルアルコー
ル水溶液(II)(例示界面活性剤AS−4を0.1重量
%、酢酸エチルを8重量%含有)1000mlを徐々に
添加した。ついで硬膜剤として4%ほう砂水溶液28m
lを添加し、高速ホモジナイザーにて分散して白色半透
明状の塗布液を得た。(この液はシリカをポリビニルア
ルコールに対して重量比で7.5倍である) 次に、175g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被
覆した紙支持体(厚さ245μm、記録面側の35μm
の厚みのポリエチレン層中にアナターゼ型二酸化チタン
を14重量%含有。裏面のポリエチレン層は厚みは25
μm)を用意した。
【0166】上記ポリエチレン被覆紙の不透明度は9
6.8%、表面光沢度(75度鏡面光沢度)は90.9
%、インク吸収性層側の面をJIS−B−0610に従
って測定した時の断面曲線から得られるカットオフ値
0.8mmの条件で導かれるろ波うねり曲線について基
準長2.5mmとしてろ波最大うねりを測定したときの
任意の測定点100個で最大ウネリが6μm以上の点が
1個であり10点平均粗さが1.2μm、インク吸収性
層側の面のベック平滑度は2200秒であった。
【0167】裏面側にTg=65℃のアクリル系ラテッ
クス樹脂を固形分として0.6g/m2と平均粒径が約
2μmのシリカを0.04g/m2を含有するバック層
を塗設した。
【0168】上記のようにして得られた40℃の塗布液
を、上記のポリエチレン被覆紙の記録面側に塗布し、塗
布皮膜温度が15℃以下に成るようにいったん冷却して
塗布液をゲル化させた(20秒間)。ついで23℃の風
を20秒間、30℃の風を40秒間、40℃の風を60
秒間、更に45℃の風を90秒間順次吹き付けて乾燥
し、さらに25℃、相対湿度50%の雰囲気を30秒間
通過させて調湿して記録用紙−1を作製した。
【0169】次に、記録用紙−1において、以下の通り
変更した記録用紙−2〜10を記録用紙−1と同様にし
て作製した。
【0170】記録用紙−2:平均粒径が7nmの1次粒
子に変え、平均粒径が13nmの1次粒子のシリカに変
更した以外は記録用紙−1と同様にして作製した。
【0171】記録用紙−3:平均粒径が7nmの1次粒
子に変え、平均粒径が20nmの1次粒子のシリカに変
更した以外は記録用紙−1と同様にして作製した。
【0172】記録用紙−4:例示アニオン系界面活性剤
AS−4を除去した以外は記録用紙−1と同様にして作
製した。
【0173】記録用紙−5:例示アニオン界面活性剤A
S−4を例示アニオン界面活性剤AS−1に変更(濃度
は同一)した以外は記録用紙−1と同様にして作製し
た。
【0174】記録用紙−6:ポリビニルアルコール水溶
液(II)のポリビニルアルコール濃度を0.8%に変更
した以外は記録用紙−1と同様にして作製した。(この
液はシリカをポリビニルアルコールに対して重量比で
3.0倍である) 記録用紙−7:記録用紙−1の硬膜剤をほう砂から1,
4−ブタンジオールジグリシジルエーテルに変更(添加
量は同一)した以外は記録用紙−1と同様にして作製し
た。
【0175】記録用紙−8:記録用紙−1のアニオン系
界面活性剤AS−4に加えて、例示カチオン系界面活性
剤KS−2をAS−4の50%(重量比率)添加した以
外は記録用紙−1と同様にして作製した。
【0176】記録用紙−9:記録用紙−1において、カ
チオン系の例示ポリマーKP−1を親水性バインダーに
対して20重量%添加した以外は記録用紙−1と同様に
して作製した。
【0177】記録用紙−10:記録用紙−1において、
流動パラフィンの乳化分散物(オイルの平均粒径は約
0.2μm)を流動パラフィンが親水性バインダーの5
重量%に成るように添加した以外は記録用紙−1と同様
にして作製した。
【0178】上記の様にして得られた記録用紙を38
℃、相対湿度40〜60%で5日間保存した。
【0179】上記記録用紙の各々について、2次粒子の
平均粒径、空隙容量、および光沢度を測定し、表1に示
す結果を得た。
【0180】なお、2次粒子の平均粒径は各記録用紙の
表面を電子顕微鏡で観察し、各々の記録用紙の任意の1
00個の粒子について、それぞれその投影面積を求めて
その面積に等しい円を仮定した時の直径として個々の粒
子の粒径を求め、100個の粒子の粒径の単純平均とし
て各記録用紙の2次粒子の平均粒径を求めた。
【0181】また、空隙容量は、熊谷理機工業株式会社
製、Bristow試験機II型(加圧式)を使用し、接
触時間2秒間における転移量を空隙容量として求めた。
【0182】光沢度は、日本電色工業株式会社製変角光
度計(VGS−101DP)で75度鏡面光沢を測定し
た。
【0183】一方、インクジェット記録液−1用として
以下の組成のインクを調整した。
【0184】 イエローインク Y−1(高沸点有機溶媒比率:26.7%) C.I.ダイレクトイエロー 86 2.0g ジエチレングリコール 22.3ml グリセリン 4.4ml 純水(イオン交換水)で100mlに仕上げる。
【0185】 マゼンタインク M−1(高沸点有機溶媒比率:25.2%) 下記マゼンタ染料−1 1.9g ジエチレングリコール 17.1ml グリセリン 8.1ml 純水(イオン交換水)で100mlに仕上げる。
【0186】 シアンインク C−1(高沸点有機溶媒比率:23.3%) C.I.ダイレクトブルー 199 2.4g ジエチレングリコール 16.1ml グリセリン 7.2ml 純水(イオン交換水)で100mlに仕上げる。
【0187】マゼンタ染料−1
【0188】
【化6】
【0189】上記インク液を使用して、ピエゾ振動子に
よってインクを吐出させるオンデマンド型インクジェッ
ト記録ヘッド(ノズル径=22μm。各インクとも液滴
直径=約23μm、液滴容積=約6.4×10-6μlに
なるように吐出条件をそれぞれ調整した。)によって吐
出密度を変化させながら各インク単独でのベタ印字を行
い、白抜けが生じない吐出密度(最低吐出密度)を調べ
た。
【0190】また、その時の3つの各インクを組み合わ
せてベタ印字した時のインク量を最大吐出量として調べ
た。
【0191】一方、各インクの液滴をそれぞれ単独で
0.5mm間隔で吐出した試料を作製し、そのドットの
直径を調べた。
【0192】ドットの直径は以下の手順で測定した。
【0193】印字されたプリントサンプルをキーエンス
株式会社製のビデオマクロスコープ(コントローラーV
H−5910)と長焦点レンズ(VH−W200)を組
み合わせてドットの拡大像をCCDカメラで撮影し、こ
のデータをパソコンに取り込んで画像処理を行って直径
を求めた。ここで直径は前述のごとく1個のドットにつ
いてその面積を測定し、その面積に等しい円を仮定した
ときに直径として求め、任意の100個のドットについ
て単純平均してドットの直径として求めた。
【0194】また、上記のサンプルの各々について、2
0人の被験者に、観察距離60cmの距離で観察しても
らいドットの識別ができない人数を調べた。得られた結
果を表1に示す。
【0195】更に、各インク単独で、各々印字後の反射
濃度が0.5になるように吐出させたサンプルを40
℃、相対湿度80%の状態で1週間保存し、保存後の反
射濃度を再度測定した。保存前と保存後の滲みによる反
射濃度変化(ΔD)を求めた。以上の結果を表1にまと
めて示す。表中、Y、M、Cはそれぞれイエロー、マゼ
ンタ、およびシアンの各インク単独で吐出した時の測定
値を表す。
【0196】
【表1】
【0197】表1に示す結果から、2次粒子径が30〜
200nmであり、かつドットの拡大率(α)が1.8
〜2.2の範囲内にある記録方法に従がっている記録用
紙−1、2、5、7〜10では、白抜けが出ない吐出密
度で印字した場合、高光沢で、各色の最大記録インク量
で印字しても空隙容量以内に収まっており画像のどの部
分でもインクが溢れることのない鮮明な画像が得られる
ことがわかる。
【0198】また上記の記録方法による記録画像のハイ
ライトのドットも良好で60cmの観察距離で見た場合
のシアン単独ドットの識別性も良好であることがわか
る。
【0199】これに対して、200nmを超える2次粒
子からなる記録用紙−3を使用した場合には光沢性が大
きく低下して鮮明な画像が得られなくなり、ドット拡大
率が2.2を超えてドットの粒状性も悪化していること
がわかる。
【0200】また、ドット拡大率が1.8未満である記
録用紙−4および6を使用した場合には、ドットの拡大
率が不十分で最高濃度域でインク吸収容量が不足する。
【0201】比較例1 実施例1で作製した記録用紙−4および−6で塗布の際
の湿潤膜厚を増加させて、それぞれ空隙容量が35ml
/m2にした記録用紙−4A、および記録用紙−6Aを
作製した。実施例1と同様に評価し、表2に示す結果を
得た。
【0202】
【表2】
【0203】これらはベタ印字で白抜けがなく、かつ3
色の最大印字部でもインク吸収容量を持っているが、高
湿度の保存による滲みが本発明の記録方法に従った場合
より劣化している。
【0204】実施例2 実施例1で使用したインクジェット記録装置においてイ
ンクジェット記録ヘッドをノズル径=31μm、各イン
クの吐出される液滴径が約32μm、液滴容積=約17
×10-6μlになるように吐出条件をそれぞれ調整した
ヘッドに変えた。
【0205】また記録用紙は、実施例1で作製した記録
用紙−1〜10において湿潤膜厚をそれぞれ1.2倍に
して塗布して得られた記録用紙−1B〜10Bを使用し
た。実施例1と同様にして評価し、表3に示す結果を得
た。
【0206】
【表3】
【0207】表3の結果から、液滴径を31μmになる
ようなノズルを使用した場合でも本発明のインクジェッ
ト記録方法に関わる記録用紙−1B、2B、5B、7B
〜10Bを使用した場合には、実施例1同様、白抜けが
ない条件で印字した場合、滲みがあまり劣化しない範囲
で最大インクを吸収できることがわかる。
【0208】これに対して、αが1.8未満である記録
用紙−4B、6Bでは最大インク量を吸収しきれないこ
とがわかる。
【0209】比較例1で作製した記録用紙−4Aおよび
6Aを使用して繰り返したが、最大インク吸収領域での
インク吸収量はほぼ十分であるが、比較例1と同様に高
湿度での保存による滲みが悪化していた。
【0210】実施例3 実施例1で使用したインクジェット記録装置においてイ
ンクジェット記録ヘッドをノズル径=36μm、各イン
クの吐出される液滴径が約36μm、液滴容積=約24
×10-6μlになるように吐出条件をそれぞれ調整した
ヘッドに変えた。
【0211】また記録用紙は、実施例1で作製した記録
用紙−1〜6において湿潤膜厚をそれぞれ1.3倍にし
て塗布して得られた記録用紙−1C〜6Cを使用した。
実施例1と同様に評価し、表4に示す結果を得た。
【0212】
【表4】
【0213】表4に示す結果から、液滴径を36μmに
増した場合、本発明の記録方法に関わる記録用紙−1C
および5Cを使用した場合には実施例2と同様に、高光
沢で最大吐出時にも十分なインク吸収容量を持つことが
わかる。
【0214】ドット径の増大に伴い実施例1や2に比べ
てハイライトの粒状性が悪化しているが記録用紙−1C
および−5Cならば半数以上の人が粒状度を許容してい
る。
【0215】比較例2C及び3Cではドットの粒状性が
低下し、又比較例4C及び6Cではドットの粒状性は良
好なものの必要とされる最大吐出インク量に対して、空
隙容量が不足し、最大インク量でインクの溢れが起きて
しまう。
【0216】比較例2 実施例1で作製した記録用紙において、支持体をポリエ
チレンで両面を被覆した紙支持体から以下の支持体に変
化した以外は記録用紙−1と同様にして記録用紙−1
D,1E,および1Fを作製した。
【0217】記録用紙−1D:坪量が100gの上質紙 記録用紙−1E:坪量が140gの上質紙の上に、塗布
液1L当たりゼラチン70gと硫酸バリウム350gを
含有する液を乾燥膜厚が35μmになるように塗布した
いわゆる写真用バライタ紙。
【0218】記録用紙−1F:坪量が120gでコッブ
吸水度が40g/m2であるキャストコート紙。
【0219】得られた記録用紙について各インク単独で
それぞれ840dpiでベタ印字して得られた試料の反
射濃度を測定した。また、実施例1に記載した方法と同
様の方法で滲みの評価を行った。得られた結果を表5に
示す。
【0220】
【表5】
【0221】表5に示す結果から、吸水性支持体を用い
た場合には、最高反射濃度が低下して高い鮮明な画像が
得られにくいことがわかる。また、高湿状態で保存する
ことで、染料が支持体中に徐々に浸透し反射濃度が低下
することがわかる。
【0222】
【発明の効果】以上、本発明のインクジェット記録方法
を用いれば、高い最高濃度と鮮明度を有し、ハイライト
部の粒状性を目立ちにくくした高画質のカラー画像が得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 27/00 D21H 5/00 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非吸水性支持体上にインク吸収性層を有
    する記録用紙に、少なくともイエロー、マゼンタおよび
    シアンの水溶性インクの小液滴を付着させてドットを形
    成して記録を行うインクジェット記録方法において、該
    記録用紙が親水性バインダーと30〜200nmの平均
    粒径を有する2次粒子を含有する空隙層を支持体上に有
    する記録用紙であって、かつ該小液滴を単独で吐出させ
    た時の小液滴の直径(R)に対する記録用紙上に形成さ
    れるドットの直径(D1)の比(D1/R)が1.8〜
    2.2であることを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  2. 【請求項2】 前記小液滴が形成するドットの内、最小
    ドットの直径が60μm以下であることを特徴とする請
    求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 前記2次粒子がシリカであることを特徴
    とする請求項1または2記載のインクジェット記録方
    法。
  4. 【請求項4】 前記親水性バインダーがポリビニルアル
    コールであることを特徴とする請求項1〜3のうちのい
    ずれか1項記載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記空隙層がアニオン性界面活性剤を含
    有することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか
    1項記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記空隙層がカチオン性界面活性剤、カ
    チオン性ポリマー、または表面がカチオン性である無機
    微粒子から選ばれる少なくとも1種を含有することを特
    徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項記載のイン
    クジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 前記非吸水性支持体が両面をポリオレフ
    ィンで被覆した紙支持体であることを特徴とする請求項
    1〜6のうちのいずれか1項記載のインクジェット記録
    方法。
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