JP3561864B2 - 記録用紙およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録において高いインク吸収性、高光沢性および高い皮膜の強度を有し、しかも皮膜の欠陥の少ないインクジェット記録用紙とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。この方式で従来から問題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよび装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな分野に急速に普及している。
【0003】
その詳細は例えば、インクジェット記録技術の動向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科学情報株式会社発行)に記載されている。
【0004】
このインクジェット記録方式で使用される記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が一般的には要求されている。
【0005】
インクジェット記録用紙としては従来から種々の記録用紙が用いられている。例えば、普通紙、紙支持体上に親水性バインダーと無機顔料から成る層を塗設した各種の塗工紙(アート紙、コート紙、キャストコート紙等)、更にはこれらの紙、透明または不透明の各種のプラスチックフィルム支持体あるいは紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した各種の支持体上に記録層としてインク吸収性層を塗設した記録用紙が用いられている。
【0006】
上記インク吸収性層としては、親水性バインダーを主体に構成されるいわゆる膨潤型のインク吸収性層と、空隙層を記録層中に持つ空隙型のインク吸収層に大きく分けられる。
【0007】
膨潤型インク吸収性層の利点はインク溶媒(水及び高沸点有機溶媒)が完全に蒸発した後では非常に高い光沢性と高い最高濃度が得られる点にあるが、反面、インク吸収速度が後述する空隙型記録用紙に比べて遅く、高インク領域でビーディング等を起こしてザラツキの発生による画質が低下しやすい問題があり、更にインク溶媒、特に高沸点有機溶媒の蒸発が極めて遅いために印字後しばらくは親水性バインダー中に高沸点有機溶媒が残存して親水性バインダーが膨潤した湿潤状態に長期間置かれることに伴う問題がある。
【0008】
具体的には印字後数時間、場合により数日間は印字表面を強く擦ったり紙などを重ねることができない状況にある。
【0009】
一方、空隙型のインク吸収性層は、記録層中に空隙を有するために高いインク吸収性を示す。このため、膨潤型に比較して高インク領域における画像のビーディングが起こりにくく高濃度域において画質の劣化が少ない。
【0010】
また、空隙型のインク吸収性層は空隙容量がインク量に対して十分あれば、空隙構造中に有機溶媒が残存していたとしても、少なくとも表面は印字直後に見かけ上乾いた状態になり、表面に触れたりプリント同士を重ね合わせること等も一応可能となる。
【0011】
この種のインク吸収性層としては、比較的透明性の高い層が形成される点から低屈折率(特に約1.6以下の屈折率が好ましい)でしかも粒径の小さな微粒子(特に200nm以下が好ましい)が好ましく用いられ、中でもかかる条件を満たすシリカ微粒子が空隙を効率良く形成し、しかも比較的高い光沢性が得られ、高い最高濃度の画像が得られることなどから特に好ましく用いられる。
【0012】
そのような粒径の小さな無機微粒子をインクジェット記録用紙に使用する従来技術として、例えば、特開昭57−14091号、同60−219083号、同60−219084号、特開平2−274857号、同4−93284号、同5−51470、同7−179029号、同7−137431号、同8−25800号、同8−67064号および同8−118790号等の各公報に記載されているコロイダルシリカ、特公平3−56552号、特開昭63−170074号、特開平2−113986号、同2−187383号、同7−276789号、同8−34160号、同8−132728号、及び8−174992号の各公報に記載されている気相法により合成された微粒子シリカ、例えば特公平3−24906号、同3−24907号、同6−98844号、同7−2430号、同121609号、特開昭60−245588号、特開平2−43083号、同2−198889号、同2−263683号、同8−112964号、同8−197832号および同8−258397号等に記載されている多孔質アルミナまたはその水和物、例えば、特開昭57−120486号、同57−129778号、同58−55283号、同61−20792号、同63−57277号、特開平4−250091号、同3−251487号、同4−250091号、同4−260092号および同7−40648号等に記載された微粒子炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0013】
上記空隙型のインク吸収層を支持体上に有する記録用紙は、特に高い光沢性、高空隙率、高い最高濃度が得られる点で優れており、しかも比較的高い平面性の支持体を使用した場合に高い光沢面を持つ記録用紙が得られる。
【0014】
そして、空隙層の親水性バインダーに対する無機微粒子の重量比を増加させるほど空隙率が上昇し、より少ない塗布量で良好なインク吸収性が達成しやすくなるが、一方で、皮膜の柔軟性が低下し、塗布面に微少のひび割れが生じやすくなる。特に親水性バインダーに対して無機微粒子の比率が重量比で5倍を超えるとこの問題が顕著に成りやすい。
【0015】
このひび割れは、親水性バインダーと架橋し得る硬膜剤を添加することで大きく改善されるが、点状の塗布面の欠陥が僅かではあるが依然として残る問題があった。この原因について種々検討を行った結果、この問題は空隙層の剛性と、支持体表面の平面性が関係していることがわかった。
【0016】
すなわち、空隙層の塗布後の乾燥時に皮膜が収縮する過程で、皮膜は徐々に固い皮膜となっていくが、この時の皮膜の剛性が高すぎるために、支持体表面の微少なうねりや凹凸により局所的に皮膜に微小なクラックが入るためであることがわかった。
【0017】
上記の問題点は皮膜が実質的に親水性バインダーからなる記録層を塗布する場合や、無機微粒子を使用した場合であっても、親水性バインダーに対して5重量%未満の場合にはあまり大きな問題になりにくい。
【0018】
上記問題は乾燥過程で塗布面の乾燥速度の局所的なムラが生じやすい場合にいっそう発生しやすく、また、無機微粒子として平均1次粒径が100nm以下の微粒子を主体として使用し、高い平滑度を有し高光沢の記録面を有する記録用紙でいっそう起きやすいことも判明した。
【0019】
前記特開平8−174992号には鏡面光沢度が80%以上のポリオレフィン被覆紙支持体上に、平均粒径が10nm以下の無機微粒子と親水性バインダーを使用し、高い光沢度を得るインクジェット記録用紙が記載されている。しかしながら、単に支持体表面の光沢度を規定しただけでは必ずしも上記課題は解決されない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実態に鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、支持体上に空隙層を記録層として有するインクジェット記録用紙の製造の際の塗布面の点状故障やひび割れを改良し、高いインク吸収性、光沢性、および皮膜強度を有するインクジェット記録用紙とその製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
【0022】
(1) 原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体上に、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールまたはその誘導体を含有し、かつ無機微粒子として平均粒径が0.03〜0.003μmの平均1次粒子径を有する気相法により合成された微粒子シリカを含有し、更に親水性バインダーを架橋し得る硬膜剤を含有する空隙を持つ記録層を少なくとも1層有し、該記録層の親水性バインダーに対する無機微粒子の比率が重量比で5倍以上であるインクジェット記録用紙において、該原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体の記録層側の表面特性が、JIS−B−0610に従って測定された断面曲線からカットオフ値0.8mmの条件で導かれる濾波うねり曲線について基準長さ2.5mmとして濾波最大うねりを測定したときに、最大うねりが4μm以下であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0023】
(2) 前記記録層の乾燥膜厚が30μm以上であることを特徴とする前記1記載のインクジェット記録用紙。
【0024】
(3) 前記記録層の表面の光沢度が、JIS−Z−8741に規定された75度鏡面光沢度が50%以上であることを特徴とする前記1または2記載のインクジェット記録用紙。
【0025】
(4) インクジェット記録用紙が水溶性インクで記録可能なインクジェット記録用紙であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0029】
(5) 原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体上に、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールまたはその誘導体を含有し、かつ無機微粒子として平均粒径が0.03〜0.003μmの平均1次粒子径を有する気相法により合成された微粒子シリカを含有し、更に親水性バインダーを架橋し得る硬膜剤を含有する空隙を持つ記録層を少なくとも1層有し、該記録層の親水性バインダーに対する無機微粒子の比率が重量比で5倍以上であって、該原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体の記録層側の表面特性が、JIS−B−0610に従って測定された断面曲線からカットオフ値0.8mmの条件で導かれる濾波うねり曲線について基準長さ2.5mmとして濾波最大うねりを測定したときに、最大うねりが4μm以下であるインクジェット記録用紙の製造方法において、該記録層を形成する塗布液を前記原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体上に塗布した後に、一旦冷却してから乾燥することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
【0031】
以下本発明を詳細に説明する。本発明の記録用紙に用いられる支持体としては、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体が好ましい。
【0035】
また、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体としては従来カラー印画紙で通常用いられているポリエチレンで両面を被覆した紙支持体が好ましい。この場合、インク吸収性層側のポリエチレン樹脂層中にはアナターゼ型またはルチル型の酸化チタンをポリエチレンに対して7〜15重量%含有させるのが、支持体の不透明度や白色度の向上、あるいは得られる画像の鮮鋭性を低下させないことから好ましい。
【0036】
本発明においては、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体を使用するので、本発明の効果、すなわち、製造段階での塗布面の点状欠陥の発生を抑制する観点から好ましい。
【0037】
記録層を形成する塗布液を支持体上に塗布した後、乾燥する過程では、通常は塗布体を高温状態にある領域を通過させながら必要に応じて塗布表面に風を吹き付けることにより行われるが、この場合、塗布表面温度は水分の蒸発熱のために雰囲気温度より低くなるのが通常であり、乾燥のための熱エネルギーの供給は表面よりは支持体の裏面から記録層への熱伝達により主として行われる。
【0038】
支持体がプラスチックフィルムから成る場合には、多孔質層がないために、支持体の裏面が接触する各種のローラー等の部分的な不均一さに起因する熱エネルギーの分布がそのまま塗布面に現れやすい為、不均一な乾燥を経由しやすくなり、その結果として点状の欠陥も生じやすい。
【0039】
これに対して、支持体が多孔質層を有する両面をポリオレフィン樹脂で被覆した紙支持体などの場合には、熱のばらつきが紙層中で横方向に緩和され易いためにこうした欠陥がより生じにくい。
【0040】
本発明の記録用紙に用いられる支持体は、記録層側の表面特性が、JIS−B−0610に従って測定された断面曲線からカットオフ値0.8mmの条件で導かれる濾波うねり曲線について基準長さ2.5mmとして濾波最大うねりを測定したときに、最大うねりが4μm以下であることを特徴とする。
【0041】
ここで、断面曲線は、記録紙の表面に直角な平面で切断した時、その切り口に現れる曲線であり、濾波うねり曲線とは上記の断面曲線から低域フィルターを用いて波長の短い表面粗さ成分を除去して得られる曲線である。またカットオフ値は濾波うねり曲線を求めるために減衰率−12dB/octの低域フィルターを用いたとき、その利得が70%になる周波数に対応する波長であり、最大うねりとは濾波最大うねり曲線の基準長さ内における最大波高(WCM)をμm単位で表したものである。
【0042】
なお、本発明では、上記最大うねりは、任意の10カ所についてその最大うねりを測定し、その平均値として求めた値を使用する。
【0043】
本発明においては、上記表面うねりは、触針式表面粗さ計(サーフコム1500A、東京精密株式会社製)を使用して行った。
【0044】
上記において、支持体の平滑度を濾波最大うねりで表すことは、支持体の平滑性を表す方法が、本発明の効果を得るのに必要である支持体表面の、より短い波長の凹凸によってはあまり影響を受けにくいためである。
【0045】
空隙を有する記録層の乾燥膜厚が厚いほど、より波長の長い凹凸の方が点状欠陥に対する影響がより大きくなる。特に乾燥膜厚が30μmを超えると支持体表面の微小な凹凸の寄与は殆どなくなり、より波長の長いうねりの寄与が一般には顕著になる。
【0046】
乾燥膜厚の下限は被膜の空隙率や要求される空隙量により決まるが、一般には15μm以上、好ましくは20μm以上である。
【0047】
支持体の表面の上記WCMが4μmを超えると空隙層の塗布乾燥時に点状の故障が生じやすくなる。好ましくはWCMが3μm以下であり、特に好ましくは2μm以下である。
【0048】
本発明の構成に近い技術として、前記特開平8−174992号公報には、鏡面光沢度が80%以上のポリオレフィン被覆紙支持体上に、平均粒径が10nm以下の無機微粒子と親水性バインダーを使用し、高い光沢度を得るインクジェット記録用紙が記載されているが、高い光沢度として要求される平面特性は、本発明の如き比較的波長の長い凹凸ではなく、波長の短い凹凸であり本願とは明確に異なるものである。
【0049】
また、光沢度に及ぼす支持体の平面性の影響は、記録層の乾燥膜厚は大きくなるほど支持体の平面性の影響を受けにくくなり専ら空隙層自体の光沢性に依存してくるようになるが、本発明の効果である点状故障は乾燥膜厚の増大に伴い一般に増加し、乾燥膜厚が増加するほど支持体の影響が出やすいという特徴がある。
【0050】
前記の波長の短い微小な凹凸は上記のごとき測定機で、高域カットオフを行わないで条件で測定することにより求められる(例えばJIS−B−0601に記載された方法)が、この場合波長の短い凹凸も全て測定される。
【0051】
本発明の効果は上記うねりの条件が本発明の範囲内に入っていれば得ることが出来るが、上記波長の短い成分を入れて測定した場合JIS−B−0601に従って求められる基準長さ2.5mm当たりの最大高さが6μm以下であるのが好ましく、特に4μm以下が最も好ましい。
【0052】
次に、特に好ましく用いられるポリオレフィンで両面を被覆した紙支持体について説明する。
【0053】
紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LDP,NDP,LUKP、NUKPのいずれも用いることが出来るが短繊維分の多いLBKP,NBSP、LBSP,NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10重量%以上、70重量%以下が好ましい。
【0054】
上記パルプは不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
【0055】
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することが出来る。
【0056】
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500ccが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分重量%と42メッシュ残分の重量%との和が30乃至70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の重量%は20重量%以下であることが好ましい。
【0057】
原紙の坪量は60乃至250gが好ましく、特に90乃至200gが好ましい。原紙の厚さは50乃至250μmが好ましい。
【0058】
原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は0.7乃至1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20乃至200gが好ましい。
【0059】
原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。
【0060】
原紙のpHはJIS−P−8113で規定された熱水抽出法ににより測定された場合、5〜9であることが好ましい
原紙表面および裏面を被覆するポリオレフィンとしてはポリエチレンが特に好ましく、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のLLDPE(線状低密度ポリエチレン)やポリプロピレン等も一部使用することが出来る。
【0061】
特にインク受容層側のポリエチレン層は写真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリエチレンに対して概ね3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%である。
【0062】
原紙の表裏のポリエチレンの使用量はインク受容層やバック層を設けた後で低湿および高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、概ねインク受容層側のポリエチレン層が20〜50μm、バック層側が10〜40μmの範囲である。
【0063】
更に上記ポリエチレン被覆紙支持体は以下の特性を有していることが好ましい。
【0064】
▲1▼引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で縦方向が2乃至30kg、横方向が1乃至20kgであることが好ましい。
【0065】
▲2▼引き裂き強度はJIS−P−8116による規定方法で縦方向が10乃至300g,横方向が20乃至400gが好ましい。
【0066】
▲3▼クラーク剛度:20〜400g/100が好ましい。
【0067】
▲4▼圧縮弾性率≧103kgf/cm2
▲5▼表面平滑度:JIS−P−8119に規定されるベック平滑度が500秒以上、特に1000秒以上が好ましい。
【0068】
▲6▼表面光沢度:JISZ−8741に規定された方法で75度の角度で測定した時、30%以上、好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上。
【0069】
▲7▼表面白色度:JIS−Z−8722に記載された方法で測定し、JIS−Z−8729に従って表示したとき、
【0070】
【外1】
【0071】
▲8▼不透明度:JIS−P−8138に規定された方法で測定したときに50%以上、特に90%以上、最も好ましくは94%以上が好ましい。
【0072】
上記支持体と記録層の接着強度を大きくする等の目的で、記録層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。
【0073】
本発明においては、支持体上に親水性バインダーとしてポリビニルアルコールまたはその誘導体を含有し、かつ無機微粒子として平均粒径が0.03〜0.003μmの平均1次粒子径を有する気相法により合成された微粒子シリカを含有し、更に親水性バインダーを架橋し得る硬膜剤を含有する空隙層を記録層として少なくとも1層有する。
【0075】
シリカ微粒子は製造法により乾式法と湿式法に大別され、乾式法微粒子シリカとしてはハロゲン化珪素の高温での気相法加水分解による方法、およびケイ砂とコークスを電気炉でアーク法により加熱還元気化しこれを空気酸化する方法が知られている。また、湿式法シリカとしては珪酸塩の酸分解により活性シリカを生成した後、適度に重合させて凝集・沈殿させて得られる。
【0076】
本発明においてはシリカ微粉末の中でも、特に気相法により合成された無水シリカが特に空隙率と強い皮膜強度が得られる点で好ましい。
【0077】
上記無機微粒子の平均粒径は、その1次粒子として0.1μm以下のものが好ましい。
【0078】
無機微粒子が気相法シリカである場合には1次粒子の平均粒径が0.003〜0.03μmであり、特に0.006〜0.02μmが最も好ましい。気相法シリカは塗布液中で2次凝集してより大きな粒子を形成することができるが、この場合、2次凝集粒子の平均粒径は0.03〜0.2μmが好ましい。
【0079】
上記において無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定したときのその直径で表したものである。
【0080】
本発明の記録用紙において、上記無機微粒子と組み合わせて用いられる親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコールおよびその誘導体を用いるので、インクが含有する高沸点有機溶媒や水に対する膨潤性や溶解性が低く印字直後の皮膜強度の点から好ましい。
【0081】
本発明で用いることができるポリビニルアルコールまたはその誘導体は、中でも平均重合度が1000以上、最も好ましくは平均重合度が2000以上のポリビニルアルコールまたはその誘導体である。また、ケン化度は70〜100%が好ましく、特に80〜100%が最も好ましい。
【0082】
上記親水性バインダーは2種以上併用することもできるが、この場合であってもポリビニルアルコールまたはその誘導体を少なくとも50重量%以上含有してるのが好ましい。
【0083】
上記ポリビルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコールまたはノニオン変性ポリビニルアルコールが上げられる。
【0084】
カチオン変性ポリビニルアルコールは、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0085】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0086】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0087】
カチオン変性ポリビニルアルコールの重合度は通常500〜4000、好ましくは1000〜4000が好ましい。
【0088】
また、酢酸ビニル基のケン化度は通常60〜100モル%、好ましくは70〜99モル%である。
【0089】
アニオン変性ポリビニルアルコールは例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号、および同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0090】
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
【0091】
本発明の記録用紙の空隙層の親水性バインダーに対する無機微粒子の比率は重量比で5倍以上であることが、高い空隙率と高い皮膜強度を得る上で必要である。5倍未満である場合には、空隙率が低下して十分なインク吸収容量が得られにくくなり、また、インクジェット記録後に、親水性バインダー中に残存する高沸点有機溶媒により皮膜の強度が低下しやすい。好ましい無機微粒子の親水性バインダーに対する比率は6以上である。
【0092】
親水性バインダーに対する無機微粒子の比率の上限は、皮膜のひび割れ性能から概ね20以下である。
【0093】
本発明の記録用紙の空隙層中には前記親水性バインダーと架橋し得る硬膜剤を添加するが空隙層の造膜性の改良、皮膜の耐水性、および本発明の目的である印字後の皮膜強度を改善する。そのような硬膜剤としてはエポキシ基、エチレンイミノ基、活性ビニル基等を含有する有機硬膜剤、クロムみょうばん、ほう酸、あるいはほう砂等の無機硬膜剤が挙げられる。
【0094】
親水性バインダーがポリビニルアルコールであるので、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ系硬膜剤、ほう酸またはその塩、ほう砂が好ましい。ほう酸としてはオルトほう酸だけでなく、メタほう酸や次ほう酸等も使用出来る。
【0095】
上記硬膜剤の添加量は上記親水性バインダー1g当たり1〜200mg、好ましくは2〜100mgである。
【0096】
本発明のインクジェット記録用紙のインク受容性層側の任意の層中には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
【0097】
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0098】
本発明の記録用紙のインク吸収性側の任意の構成層中には、画像の耐水化剤として特開昭56−84992号公報のポリカチオン高分子電解質、特開昭57−36692号公報の塩基性ラテックスポリマー、特公平4−15744号公報、特開昭61−58788号公報、同62−174184号公報等記載のポリアリルアミン、特開昭61−47290号公報記載のアルカリ金属弱酸塩等を一種以上用いることができる。
【0099】
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク記録面側の塗布固形分の量は概ね5〜40g/m2が好ましく、10〜30g/m2がより好ましい。
【0100】
本発明の記録用紙をインクジェット用記録用紙として使用する場合には、空隙容量として記録用紙1m2当たり10〜40ml、好ましくは15〜30mlになる範囲に調整されることが好ましい。
【0101】
但し、空隙容量はJ.TAPPI 紙パルプ試験方法 No.51−87紙及び板紙の液体吸収性試験方法(ブリストー法)に記載された方法で記録用紙のインク吸収性側を測定した時、吸収時間が2秒における液体転移量(ml/m2)で表される。なお、この時使用する液体は純水(イオン交換水)であるが、測定面積の判別を容易にするために2%未満の水溶性染料を含有していても良い。
【0102】
本発明の記録用紙は、前記した空隙層を有する記録層を2層以上有していても良く、この場合、2層以上の空隙層の無機微粒子の親水性バインダーに対する比率はお互いに異なっていてもよい。
【0103】
また、上記空隙層以外に、空隙層を有さず、インクに対して膨潤性の層を有していても良い。
【0104】
このような膨潤層は空隙層の下層(支持体に近い側)あるいは空隙層の上層(支持体から離れた側)に設けても良く、更には空隙層が2層以上有る場合には空隙層の間に設けられても良い。かかる膨潤性層には通常親水性バインダーが用いられ、ここに用いられる親水性バインダーの例としては、前記空隙層に用いられる親水性バインダーが挙げられる。
【0105】
本発明の記録用紙のインク吸収性層を有する側とは反対側にはカール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるために種々の種類のバック層を設けることが好ましい。
【0106】
バック層の構成は支持体の種類や厚み、インク吸収性層の構成や厚みによっても変わるが一般には親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バック層の厚みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
【0107】
また、バック層には他の記録用紙とのくっつき防止、筆記性改良、さらにはインクジェット記録装置内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この目的で好ましく用いられるのは粒径が2〜20μmの有機または無機の微粒子である。
【0108】
次に本発明の記録用紙を製造する方法について説明する。
【0109】
本発明の記録用紙は、支持体上に少なくとも空隙層を有する記録層を塗布乾燥して得られる。空隙層を形成する塗布液(親水性バインダー、無機微粒子および必要に応じて適宜添加される前記添加剤を含有する)を支持体上に塗布し、乾燥されるが、この際、塗布液の温度は通常は30〜50℃の範囲のものが用いられ、支持体上に塗布後にいったん冷却させてから乾燥させると乾燥時の点状故障が軽減される。
【0110】
塗布液をいったん冷却する事により、塗布液の粘度が著しく増大し、塗膜の流動性が低下して搬送時の振動や風の影響による塗膜のムラが大幅に減少する。塗膜のムラが有る場合には、膜厚が増大した箇所での点状故障が増大するだけでなく、部分的に空隙容量にムラが生じて画像品質に重大な影響を起こしかねない。
【0111】
塗膜の温度は塗布液の温度より10℃以上、好ましくは20℃以上低下させてその状態で水分や低沸点有機溶媒を一部蒸発させる。この状態に達すると塗膜の粘度はいっそう急速に増大しゲル化状態に近づくために、これを過ぎると乾燥温度を増加させても塗膜が動かなくなり高温の風を送り急速に乾燥してもムラや点状故障のない良好な塗膜面が得られる。
【0112】
いったん冷却する温度は塗布液の無機微粒子の粒径、濃度、親水性バインダーの種類や濃度、硬膜剤の種類や量、更には無機微粒子と親水性バインダーとの相互作用など種々の因子により変わりうるが、通常は0〜20℃、好ましくは5〜15℃である。
【0113】
冷却時間は冷却温度や湿潤膜厚などにより変わりうるが通常は5〜200秒、好ましくは10〜60秒である。
【0114】
冷却後の乾燥は、通常は徐々に乾燥温度を挙げるのが好ましい。通常は室温付近の温度で一定時間乾燥後、最終的には40〜60℃の温風で乾燥される。
【0115】
上記の目的のために、塗布液の粘度特性は特に重要である。好ましくは塗布温度で5〜500cp程度の塗布液であり、冷却時に1000cp以上、特に好ましくはゲル化状態に成るように調整される。
【0116】
特に塗布液温度と冷却時の温度の粘度比が100倍以上になるようにするのが好ましい。
【0117】
上記空隙層を支持体上に塗布する方法は公知の方法から適宜選択して行うことが出来る。塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号公報記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
【0118】
次に本発明で用いることができる水性インクについて以下に説明する。
【0119】
水性インクは、通常は水溶性染料及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。水溶性染料としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染料が使用できるが直接染料、または酸性染料が好ましい。
【0120】
水性インクの溶媒は水を主体としてなるが、インク液が乾燥した際に染料が析出してノズル先端やインク供給経路での目詰まりを防止するために、通常沸点が約120℃以上で室温で液状の高沸点有機溶媒が使用される。高沸点有機溶媒は水が蒸発した際に染料などの固形成分が析出して粗大析出物の発生を防止する作用を持つために水よりはるかに低い蒸気圧を有することが要求される一方、水に対して混和性が高い必要がある。
【0121】
そのような目的で高沸点有機溶媒としては高沸点の有機溶媒が通常多く使用されるが、具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(平均分子量が約300以下)等のアルコール類が挙げられる。また、上記した以外にも、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等も使用できる。
【0122】
これらの多くの高沸点有機溶媒の中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
【0123】
水性インクが含有するその他の添加剤としては、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤、等が挙げられる。
【0124】
水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を良好にするため及びインクジェットノズルからの吐出を安定化させる目的で、25℃において、25〜50dyne/cm、好ましくは28〜40dyne/cmの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。
【0125】
また、水性インクの粘度は通常25℃において2〜8cp、好ましくは2.5〜5cpである。
【0126】
水性インクのpHは通常4〜10の範囲である。
【0127】
インクノズルから吐出される最小インク液滴としては1〜30×10−3nlの容量の場合、記録紙上で約20〜60μmの直径の最小ドット径が得られるので好ましい。このようなドット径で印字されたカラープリントは高画質画像を与える。好ましくは2〜20×10−3nlの容積を有する液滴が最小液滴として吐出される場合である。
【0128】
また、前記水性インクが、少なくともマゼンタおよびシアンについて、各々濃度が2倍以上異なる2種類のインクで記録する方式において、ハイライト部では低濃度のインクが使用されるためにドットの識別がしにくくなるが、本発明はかかる記録方式を採用した場合も適用できる。
【0129】
インクジェット記録方法において、記録方法としては、従来公知の各種の方式を用いることができ、その詳細はたとえば、インクジェット記録技術の動向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科学情報株式会社発行)に記載されている。
【0130】
本発明のインクジェット記録方法において、最大インク量における高沸点有機溶媒量に対する空隙容量を3倍以上にする方法は高沸点有機溶媒のインク中の比率を下げる、最大吐出インク量を出来るだけ少なくする、記録用紙の空隙容量を膜厚を出来るだけ多くする等の方法を適宜組み合わせて最適な条件を設定し選択される。
【0132】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0133】
実施例1
160g/m2の写真用原紙の両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(記録面側の厚さ40μmのポリエチレン層中にアナターゼ型二酸化チタンを13重量%含有。裏面側のポリエチレン層の厚みは25μmでポリエチレン層の上にTg=65℃のアクリル径ラテックス樹脂を固形分として0.6g/m2および平均粒径が約13μmのシリカをマット剤として0.3g/m2含有するバック層を有する)を用意した。
【0134】
上記ポリエチレン被覆紙の特性として、光沢度、WCM、最大高さ(JIS−0601に従って求められる基準長さが2.5mm当たりの最大高さ、μm単位)を求め、表1に示した。
【0135】
次に平均粒径が約7nmの1次微粒子シリカ粉末150gを純水1000ml中に添加し、高速ホモジナイザーで分散して青白い澄明な分散液を得た。次にこのシリカ水分散液(I)中に、平均重合度が3500でケン化度が88%の2%ポリビニルアルコール水溶液(II)(酢酸エチルを6重量%含有)1000mlを徐々に添加した。ついで硬膜剤として4%ほう砂水溶液40mlを添加し、高速ホモジナイザーにて分散して白色半透明状の塗布液を得た。この液はシリカをポリビニルアルコールに対して重量比で7.5倍含有している。また、上記塗布液の粘度はB型粘度計で測定したときに、40℃で60cp、15℃で測定したとき5万cpであった。
【0136】
ついで上記のようにして得られた40℃の塗布液を、上記のポリエチレン被覆紙の記録面側に塗布し、塗布皮膜温度が15℃以下に成るようにいったん冷却させた(20秒間)。ついで20℃の風を30秒間、25℃の風を30秒間、35℃の風を60秒間、更に45℃の風を120秒間順次吹き付けて乾燥し、さらに25℃、相対湿度50%の雰囲気を30秒間通過させて調湿して記録用紙−1を作製した。
【0137】
次に、記録用紙−1において、支持体の原紙として平滑性の異なる種々の原紙を使用し記録用紙−1と同じポリエチレン層を表裏に被覆した記録用紙−2〜4を記録用紙−1と同様にして作製した。記録用紙−1〜4のポリエチレン被覆後の光学的特性および平滑性を表1に示した。
【0138】
記録用紙−1〜4は塗布乾燥後、ロール状に巻いた状態で39℃で3日間保存した。
【0139】
得られた記録用紙について以下の項目について評価した。
【0140】
(1)空隙容量
熊谷理機工業株式会社製、Bristow試験機II型(加圧式)を使用し、接触時間2秒間における転移量(ml/m2)を空隙容量として求めた。
【0141】
(2)インク吸収性
空隙容量を測定したのと同じ試験機を用い、接触時間が0.5秒における転移量(ml/m2)からインク吸収性を求めた。
【0142】
(3)光沢度
日本電色工業株式会社製変角光度計(VGS−101DP)で75度鏡面光沢を測定した。
【0143】
(4)故障欠陥
10×10cmの塗布試料について、表面の点状欠陥個数を調べた。
【0144】
(5)皮膜強度
セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンター、MJ−5100Cでベタ印字後、23℃、相対湿度が80%で24時間保存してから同じ環境で引っ掻き強度試験機(ヘイドン・トライボギア、新東科学株式会社製)を用い、先端が0.3mmφのサファイヤ針に、0〜100gの連続荷重をかけて皮膜強度を試験し、皮膜が破壊される強度を皮膜強度とした。
【0145】
この評価方法で概ね30g以上であれば実用上十分高い皮膜強度を有していると言える。
【0146】
なお、(1)(2)において、使用したインクはジエチレングリコールを20重量%、水溶性マゼンタ染料を1重量%含有するインクを使用した。結果を表1に示す。
【0147】
【表1】
【0148】
表1の結果から、原紙の種類を変えてポリエチレン樹脂で被覆後の表面特性を変化させた場合、WCMが4μm以下である記録用紙−1〜3は、WCMが4μmを超える記録用紙−4に比べて故障欠陥が少ないことがわかる。
【0149】
特にWCMが2μm以下である支持体を使用した場合には故障欠陥が0で好ましい。
【0150】
また、支持体の差により、空隙容量や、インク吸収性は殆ど影響を受けず、乾燥膜厚が30μm以上で、高い空隙率(大凡63%)を有しているために通常のインクジェット記録でほぼ十分な空隙容量を保持している。
【0151】
実施例2
実施例1で作製した記録用紙−1において、記録面側のポリエチレン層の厚みを表2に示すように変化させたポリエチレン被覆紙支持体を用意し実施例1で作製した空隙層を形成する塗布液を実施例1と同様に塗布して記録用紙−21〜24を作製した。一方、実施例1で作製した記録用紙−1において、表側のポリエチレン層を原紙上に塗設直後に表面を種々の片づけ処理を行い、表面特性の異なる記録用紙−25〜27を記録用紙−1と同様にして作製した。
【0152】
記録用紙−25の支持体はいわゆる絹目面と称されるようなピッチの長さが数百μm単位の片付けであり、記録用紙−27の支持体は片づけはいわゆるマット面と称されるような微細な無光沢面である。記録用紙−26はこれらの中間である。
【0153】
更に、記録用紙−28の支持体は記録用紙−1の支持体表面を40℃のアセトン溶液で処理して粗面化したものである。通常これらの粗面かは支持体と記録層の接着性の増大に効果がある。
【0154】
記録用紙−21〜28のポリエチレン被覆紙の表面特性および記録層を塗布後の特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0155】
【表2】
【0156】
表2の結果から、WCMが4μm以下である本発明の記録用紙−21、22、および23は、比較の記録用紙−24に比較して故障欠陥が少ないことがわかる。また、実施例1と同様に特にWCMが2μm以下の記録用紙−21が特に優れていることがわかる。
【0157】
一方、ポリエチレン樹脂層の表面を片付け処理したり粗面化して支持体の光沢性が低いものを使用した場合であっても、WCMが4μm以下である記録用紙−27、28は故障欠陥が少ないことがわかる。また片付け支持体の中でもWCMが4μmを超える場合には故障欠陥が急速に増加することがわかる。
【0158】
比較例1
実施例1で作製した記録用紙−4用のポリエチレン被覆紙支持体上に、実施例1で作製した塗布液を湿潤膜厚を変化させて表3に示すような乾燥膜厚を有する記録用紙−31〜34を記録用紙−4と同様にして作製した。
【0159】
実施例1と同様に評価して表3に示す結果を得た。
【0160】
【表3】
【0161】
表3の結果から、WCMが4μmを超える支持体を使用しても、乾燥膜厚を減少させていくと故障欠陥は低下してくるが、これに伴い空隙容量が徐々に低下してくるので、記録用紙−31〜34は実用的に使用する事は出来ない。
【0162】
実施例3
実施例1で作製した記録用紙−1〜4において、微粒子シリカを1次粒子の平均粒径が約20nmの気相法シリカに変えた以外は記録用紙−1〜4と同様にして記録用紙−41〜44を作製した。実施例1と同様に評価し、表4に示す結果を得た。
【0163】
【表4】
【0164】
表4の結果から、実施例1と同様の効果が得られることがわかる。但し、シリカの1次粒子の粒径の増大に伴い記録面の光沢性が実施例1より僅かに低下し、また、空隙容量は若干増加している。
【0165】
比較例2
平均粒径が約7nmの1次微粒子シリカ粉末150gを純水1000ml中に添加し、高速ホモジナイザーで分散して青白い澄明な分散液を得た。次にこのシリカ水分散液(I)中に、平均重合度が3500でケン化度が88%の2%ポリビニルアルコール水溶液(II)(酢酸エチルを6重量%含有)2000mlを徐々に添加した。ついで硬膜剤として4%ほう砂水溶液40mlを添加し、高速ホモジナイザーにて分散して白色半透明状の塗布液を得た。この液はシリカをポリビニルアルコールに対して重量比で3.75倍含有している。
【0166】
実施例1において使用した記録用紙−1〜4のポリエチレンで被覆紙上に上記の塗布液を乾燥膜厚が実施例1と同じ様になるように湿潤膜厚が170μmになるように塗布し、実施例1に記載された方法で乾燥して記録用紙−51〜54を作製した。実施例1と同様に評価し、表5に示す結果を得た。
【0167】
【表5】
【0168】
表5に示す結果から、無機微粒子の親水性バインダーに対する比率を5以下にした場合には、故障欠陥は支持体としてWCMが4μmを超えるものを使用してもほとんど生ぜず、記録面の光沢性も非常に高いが、空隙容量が低下し、また、皮膜の強度が大きく低下することがわかる。
【0169】
【発明の効果】
以上、本発明に従えば、高インク吸収性、高光沢性、高塗膜強度を有し、しかも点状故障を大きく減少させたインクジェット記録用紙が得られる。
Claims (5)
- 原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体上に、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールまたはその誘導体を含有し、かつ無機微粒子として平均粒径が0.03〜0.003μmの平均1次粒子径を有する気相法により合成された微粒子シリカを含有し、更に親水性バインダーを架橋し得る硬膜剤を含有する空隙を持つ記録層を少なくとも1層有し、該記録層の親水性バインダーに対する無機微粒子の比率が重量比で5倍以上であるインクジェット記録用紙において、該原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体の記録層側の表面特性が、JIS−B−0610に従って測定された断面曲線からカットオフ値0.8mmの条件で導かれる濾波うねり曲線について基準長さ2.5mmとして濾波最大うねりを測定したときに、最大うねりが4μm以下であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
- 前記記録層の乾燥膜厚が30μm以上であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
- 前記記録層の表面の光沢度が、JIS−Z−8741に規定された75度鏡面光沢度が50%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録用紙。
- インクジェット記録用紙が水溶性インクで記録可能なインクジェット記録用紙であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
- 原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体上に、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールまたはその誘導体を含有し、かつ無機微粒子として平均粒径が0.03〜0.003μmの平均1次粒子径を有する気相法により合成された微粒子シリカを含有し、更に親水性バインダーを架橋し得る硬膜剤を含有する空隙を持つ記録層を少なくとも1層有し、該記録層の親水性バインダーに対する無機微粒子の比率が重量比で5倍以上であって、該原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体の記録層側の表面特性が、JIS−B−0610に従って測定された断面曲線からカットオフ値0.8mmの条件で導かれる濾波うねり曲線について基準長さ2.5mmとして濾波最大うねりを測定したときに、最大うねりが4μm以下であるインクジェット記録用紙の製造方法において、該記録層を形成する塗布液を前記原紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した紙支持体上に塗布した後に、一旦冷却してから乾燥することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
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JPH10203006A (ja) | 1998-08-04 |
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