JPH10170275A - 振動型角速度センサ - Google Patents

振動型角速度センサ

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JPH10170275A
JPH10170275A JP8334336A JP33433696A JPH10170275A JP H10170275 A JPH10170275 A JP H10170275A JP 8334336 A JP8334336 A JP 8334336A JP 33433696 A JP33433696 A JP 33433696A JP H10170275 A JPH10170275 A JP H10170275A
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JP
Japan
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angular velocity
mass
vibration
velocity sensor
vibrators
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JP8334336A
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English (en)
Inventor
Yoshiteru Omura
義輝 大村
Motohiro Fujiyoshi
基弘 藤吉
Yutaka Nonomura
裕 野々村
Tokuo Fujitsuka
徳夫 藤塚
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤などを介すことなく簡単な構成で精度
よく角速度を検出する。 【解決手段】 X方向に励振されるマス部10のY方向
の側方に所定の周波数でその端部55が励振されるビー
ム振動体51及び52を設ける。このビーム振動体51
及び52は、マス部10からY方向に延びる第2ビーム
32によりマス部10に連結されている。Z方向回りに
角速度が発生した場合に、コリオリ力によってマス部1
0がY方向に振動(変位)すると、マス部10のY方向
への変位が第2ビーム32により各ビーム振動体51及
び52に伝達され、ビームの間隙(形状剛性)がマス部
のY方向への変位量に応じて変化する。このビーム間隙
の変化によりビーム振動体51及び52の端部を励振す
る振動モードの共振周波数が変化するため、Z方向回り
の角速度をビーム振動体の共振周波数の変化に基づいて
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や航空機の
ような輸送手段及び電子機器に作用する角速度を検知す
る角速度センサに関する。より具体的には、慣性質量で
あるマス部を励振させ、このマス部の励振方向と角速度
センサの回転軸方向との両方向に直交する方向に発生す
るコリオリ力によるマス部の変位に基づいて角速度を検
出する振動型角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、角速度センサは、物体に作用す
る角速度を計測して物体の回転量を検出する、あるいは
回転量を検出して物体の回転運動を制御することを目的
として用いられ、角速度センサはジャイロまたはレート
センサとも呼ばれている。
【0003】角速度センサの原理としては、レーザ光の
サグナック効果(光路差)を利用する光ジャイロ、核磁
気を利用する原子ジャイロ、コリオリ力を利用する回転
型ジャイロ及び振動型ジャイロに大きく区分される。
【0004】これらの角速度センサにおいて、特に、振
動子を用い、この振動子に発生するコリオリ力に起因し
た振動変位を検出する構成の振動型ジャイロは、他のジ
ャイロと比較して構造が簡単で比較的容易に製作でき、
特別な保守を必要としないことから自動車等の輸送手段
向けの量産化に適した低コストなジャイロとして注目を
集め、現在における開発ターゲットの主流となってい
る。
【0005】以下、この振動型ジャイロの構成について
説明する。図12は、従来の振動型ジャイロ500の構
造ならびに原理を示しており、図13は、この振動型ジ
ャイロ500の振動子501の断面を示している。
【0006】図12において、角柱状の振動子501
は、その一方の端面501a1がアンカー部600の壁面
600aに固定され、他方の端面501a2が拘束を受け
ない片持ち梁構造となっている。また、図13に示すよ
うに振動子501の端面501a1近傍における側面50
1b1と501b2には、一対の駆動用圧電素子801b1と
801b2がそれぞれ接着剤を用いて貼付され、残りの側
面501c1と501c2に一対の検出用圧電素子801c1
と801c2が接着剤を用いて貼付されている。なお、振
動子501は、振動体としての高い弾性特性ならびに耐
久性が要求されることから、恒弾性金属材料(例えばエ
リンバー材料)が用いられている。
【0007】振動子501は、X方向に対向した側面5
01b1及び501b2に、一対として貼付された駆動用圧
電素子801b1と801b2とに交流電圧が印加されるこ
とによる逆圧電効果に基づき、側面501b1と501b2
との間に発生する引っ張り力または圧縮力によって、X
方向に共振周波数約1.8kHzにて励振されている。
【0008】このような状態で、振動子501の長軸方
向(=Z方向)回りに角速度Ωが付与されると、振動子
501にはY方向にコリオリ力が発生し、同振動子50
1はY方向にも駆動共振周波数で振動をはじめる。そこ
で、この振動子501のY方向振動変位を、Y方向に対
向した側面501c1と501c2に一対として貼付した検
出用圧電素子801c1と801c2の圧電効果を利用して
電圧(または電流)変化として計測し、印加された角速
度Ωの大きさを検出するしくみとなっている。
【0009】なお、図12の振動型角速度センサ500
においては、印加された角速度Ωによって発生するコリ
オリ力によるY方向への振動変位を、圧電素子を利用し
て検出しているが、これに代えて、半導体歪みゲージ等
の抵抗変化の効果を利用してY方向への振動変位を応力
変化として検出することも行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように従来の角速度センサは、金属材料からなる振動子
を用い、角速度に対応した非常に微量な振動変位を、接
着剤を介した圧電素子の圧電効果や歪みゲージの抵抗変
化を利用して検出している。従って、以下の(i)〜
(iii)のような課題があった。
【0011】(i)従来の角速度センサは、振動子を機
械加工により製作し、また振動の励振と検出手段である
圧電素子や歪みゲージの貼付を接着手法にゆだねてい
た。この結果、振動子形状の非対称性や接着位置の微妙
なズレが存在し、これらが振動子の駆動振動と検出振動
の振動特性に悪影響を及ぼし、共振周波数が変動するこ
とはもちろん、振動変化の大きさと関連深い機械的Q
(Quality Factor)値にも影響し、これによりセンサの
感度ならびに検出分解能が大幅に低減していた。また接
着剤は、機械的あるいは電気的に非常に不安定な材料で
ある。従って、例えば、環境温度や湿度変化に対して接
着剤の機械的あるいは電気的な特性が変化し、これによ
り振動子を励振しその振動変位を検出する際の伝達効率
を変化させ、出力信号に大きな誤差をもたらす要因とな
っていた。
【0012】(ii)従来の角速度センサでは、角速度
が作用した時の微量な振動変位を、振動子に接着された
圧電素子の圧電効果や、歪みゲージの抵抗変化によって
アナログ量として変換・検出している。このため、この
ような検出手段では、振動子の形状のバラツキ、接着剤
の存在などにより、微量な振動変位を検出するための分
解能が悪いという問題があり、より高いセンサ感度が要
求されている。さらに、角速度演算処理などの処理の容
易化の観点より、直接的でより高効率であって、さらに
デジタル量としても振動変化を検出可能な構成も望まれ
ている。
【0013】(iii)図12、13に示すような振動
子501を製造するための機械加工や圧電素子等の接着
は、量産化に適した製作方法とは言えず、角速度センサ
の製造コストを増大させ、輸送用手段への応用や展開を
図るにおいては、これが大きな障害となっていた。よっ
て、例えば、半導体のシリコンウエハープロセスで代表
されるようなバッチプロセスをこのような角速度センサ
の製造に適用して、センサの製造コストを大幅に低減す
ることが期待されている。
【0014】本発明は上記課題を解決し、より高性能か
つ低コストで、しかも角速度がデジタル的に検出するこ
との容易な振動型角速度センサを提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の振動型角速度セ
ンサは、慣性質量となるマス部を励振させ、このマス部
の励振方向Xと角速度センサの回転軸方向Zとの両方向
に直交する方向Yに発生するコリオリ力によるマス部の
変位に基づいて角速度を検出するための振動型角速度セ
ンサであって、前記マス部を励振させるマス部励振手段
と、前記マス部と独立して振動可能に前記マス部のY方
向の側方に配置され、複数のビーム体が、少なくとも一
部においてY方向にそれぞれが所定の間隔を隔てるよう
に互いに連結されて構成されたビーム振動体と、前記ビ
ーム振動体を所定方向に振動させるためのビーム振動体
励振手段と、前記マス部と前記ビーム振動体とを連結し
て、前記マス部のY方向への変位を前記ビーム振動体に
伝達して前記ビーム体間の間隔を変化させるための接続
ビームと、前記ビーム振動体の振動の変化を検出するビ
ーム振動体変化検出手段と、を有し、回転軸方向Zにお
ける角速度を、前記ビーム振動体の間隔変化に起因した
前記ビーム振動体の振動変化に基づいて検出する。
【0016】このように、本発明の振動型角速度センサ
では、X方向に励振されるマス部のY方向の側方に所定
の周波数でその一部が振動するビーム振動体を設けてい
る。Z方向回りに印加された角速度によってマス部がY
方向に振動(変位)すると、このマス部のY方向への振
動が接続ビームによってビーム振動体に伝達され、ビー
ム振動体の各ビーム体の間隙(形状剛性)がマス部のY
方向への振動変化量に応じて変化する。そこで、本発明
では、このビーム振動体における間隔変化に基づくビー
ム振動体の共振周波数の変化として、Z方向回りに付与
された角速度を検出するのである。
【0017】[発明の概要]以下、本発明の振動型角速
度センサの概要について、センサの動作原理、作用及び
効果と併せて説明する。
【0018】本発明の振動型角速度センサでは、マス部
が常にX方向に励振されており、一方、ビーム振動体も
ビーム励振手段による励振力により、マス部の励振とは
独立して所定の共振周波数で常に励振している。
【0019】ここで、本発明の角速度センサにZ方向回
りの角速度が作用した場合、これと直交するX方向に振
動しているマス部には、Z方向及びX方向に直交するY
方向に作用するコリオリ力が発生し、マス部が駆動の共
振周波数でY方向に振動をはじめる。なお、マス部のX
方向の駆動周波数とY方向の検出周波数とは、ほぼ一致
するよう設計することができ、このようにすれば、コリ
オリ力に起因したマス部のY方向の振動変位を最大とす
ることが容易となる。
【0020】マス部のY方向の振動に伴う慣性力が、接
続ビームを介してビーム振動体に伝達されると、この結
果、両端部が励振されるビーム振動体をなすビーム体の
間隔が変化し、ビーム振動体の共振周波数が変化する。
また、マス部のY方向の両側方に、それぞれビーム振動
体を配置した場合には、マス部がY方向に変位すること
により、一方のビーム振動体の共振周波数が増加し、他
方のビーム振動体の共振周波数が減少する。
【0021】そこで、この増減するビーム振動体の共振
周波数を周波数カウンター等を用いて計測すれば、角速
度をデジタル信号的に検出することが可能となる。な
お、振動周波数の計測に関しては、1つのビーム振動体
における共振周波数の増減を計測により判別しても、角
速度を正確に計測できるが、2つのビーム振動体を同時
に励振させてその差動に基づく検出を行えばより高性能
に角速度を検出できる。
【0022】このように、本発明の振動型角速度センサ
は、ビーム振動体の共振周波数の変化に基づいて角速度
を検知する構成であり、コリオリ力によるマス部のY方
向への変位によるビーム振動体の共振周波数の変化(感
度)が非常に大きいことから高い分解能で角速度を検出
することができる。しかも、周波数カウンター等を用い
た周波数計測を利用すれば、デジタル量として共振周波
数の変化を計測することが容易であり、簡単な構成で角
速度を正確に検出することができる。
【0023】(本発明の他の態様1)本発明の振動型角
速度センサにおいては、さらに以下のような態様をとる
ことができる。
【0024】まず、上記振動型角速度センサの2つを1
組として、この2つのセンサをX軸に対して対称配置し
て、2つの角速度センサをY方向に並列配置する。そし
て、この1組の角速度センサの各マス部をそれぞれX方
向に逆位相で励振する。すなわち、各マス部の振動が1
80度の位相差を持つように2つのマス部にそれぞれ励
振力を付与する構成とする。このような構成とすれば、
各角速度センサの各マス部のY方向の側方に設けられた
ビーム振動体において、例えば、2つのマス部の外側に
位置するビーム振動体同士(あるいはマス部の内側のビ
ーム振動体同士)の各共振周波数を差動検出することに
より、角速度検出にあたってのY方向の加速度の影響等
を簡単に相殺することが可能となる。
【0025】単一の振動型角速度センサの場合には、こ
のセンサのマス部にY方向の加速度が作用した場合、マ
ス部のY方向のビーム振動体の共振周波数は、あたかも
角速度が印加された場合と同様に増減する。この場合
は、加速度による共振周波数変化を周波数分離により除
去するための回路手段を用いる。
【0026】上述のように、1組の振動型角速度センサ
を用い、2つのマス部をそれぞれ180度の位相差でX
方向に振動させる構成とすると、角速度が印加された時
には、2つのマス部にそれぞれ発生するコリオリ力がY
方向において正反対の方向に発生し、マス部はY方向で
互いに逆方向に変位する。よって、各センサのビーム振
動体の共振周波数変化も対称的、つまり正負が逆方向と
なる。また、各マス部のY方向の両側方に一対としてビ
ーム振動体を設けた場合、各マス部の+Y方向同士また
は−Y方向同士に位置するビーム振動体の共振周波数の
変化が逆となる。さらに、各センサのビーム振動体にお
ける共振周波数の変化量の絶対値は、付与された角速度
に対応して各角速度センサで同じ量となる。
【0027】一方、このような構成において、Y方向に
加速度が発生すると、2つのマス部は両方ともY方向の
同じ向きに変位する。つまり、各マス部の例えば+Y方
向の側方に配置されたビーム振動体の共振周波数の変化
の方向は同一となる(−Y方向の側方にそれぞれ設けら
れたビーム振動体同士も同一方向にその共振周波数が変
化する)。従って、このような少なくとも角速度センサ
に対応してそれぞれ1づつ設けられたビーム振動体の共
振周波数の変化を差動検出して除外すれば、Y方向の加
速度影響を簡単に相殺でき、さらに高い信頼性が保証さ
れる。
【0028】(本発明の他の態様2)本発明の角速度セ
ンサにおいて、マス部やビーム振動体等の主要なパート
をアンカー部やビームによって、X方向とY方向に、そ
れぞれその両側からフローティング支持すれば、マス部
などを支持するビームのZ方向の剛性を高くすることが
可能となる。つまり、マス部のZ方向(マス部の厚み方
向)への変位を小さくすることができ、このような構成
とすることにより、Z方向への加速度作用に伴うクロス
トークの影響を低減できる。
【0029】また、ビーム振動体の共振周波数をビーム
振動体モニター手段などによってモニターすれば、マス
部振動影響を受けずにビーム振動体を常時一定の共振周
波数で振動させるように制御することが容易となる。
【0030】さらに、本発明の振動型角速度センサにお
いて、マス部、マス部励振手段、ビーム振動体、ビーム
励振手段などの各センサのパートは、SOI(silicon
on insulator)基板、または基板上に形成した多結晶シ
リコン層及び金属膜を加工して一体として形成すること
ができる。また、これらのセンサの各パートは、SOI
基板を加工して一体として形成することが可能である。
あるいは、振動型角速度センサを構成する全てのパート
を基板上に形成した多結晶シリコン層を加工して一体と
して形成することができる。
【0031】このように本発明の振動型角速度センサ
は、振動型角速度センサを構成するマス部やビーム振動
体等のセンサパートを、SOI基板または基板上に形成
した多結晶シリコン層からなるウエハーを用いて、表面
からエッチングしてフローティング構造としてくり抜
き、一体として形成することができる。なお、センサ製
造の際に、マス部やビーム振動体等の主要なパートは、
Z方向への剛性を高めるためにアンカーとこれに接続さ
れる接続ビーム部により、X方向とY方向に対して両端
支持する構成とすることが容易である。
【0032】従って、本発明の振動型角速度センサは、
約1mm平方(厚みは0.01mm程度)と非常に小型
化することを可能としている。この製作プロセスには、
周知のシリコンウエハープロセスと同様に、バッチ処理
による量生技術が適用でき、この結果、センサ製造コス
トが大幅に低減し、自動車等の輸送用手段への展開が十
分期待される。また、上記のシリコンウエハープロセス
と同様の製作手段を採用するので、従来の機械加工のよ
うな形状の非対称性が低減され、また本質的に接着ズレ
による悪影響がないことから、付与された角速度をより
高性能に検出することができる。
【0033】また、本発明の振動型角速度センサは、マ
ス部及びビーム振動体をそれぞれ静電引力を利用して励
振させることができ、マス部やビーム振動体等の振動検
出にあたっては、静電容量の変化を利用することができ
る。このようにセンサの重要なパートを電気的に制御
し、変位を電気的に検出すれば、従来の角速度センサで
用いた圧電素子や歪みゲージのように、接着剤を介して
振動体に励振力を付与する、あるいは接着剤を介して振
動変化を検出することによる悪影響を受けることがな
く、角速度に対応した出力信号を高い信頼性で正確に検
出できる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、添付した図面を参照して
本発明の好適な実施の形態(以下実施形態という)を詳
細に説明する。
【0035】[実施形態1]図1は、本実施形態1に係
る振動型角速度センサ100(以下、単に角速度センサ
100と呼ぶ)を示している。
【0036】(角速度センサ100の構成) 「マス部及びマス部励振機構の構成」本実施形態1の角
速度センサ100は、まず、シリコン等の基板から後述
するようにしてフローティングに支持されたマス部10
を備えている。マス部10は、慣性質量としての機能を
備えており、例えば、実質的な厚み方向がZ方向として
定義され、1辺が400μm平方程度の板状形状を有
し、このマス部10を挟むX方向に、マス部10をX方
向に励振するためのプレート21及び22が配置されて
いる。
【0037】各プレート21及び22は、マス部10と
同様に基板からフローティングに支持され、これらのプ
レート21、22には、それぞれ櫛歯部201a,20
1bが形成されている。なお、本実施形態1において、
プレート21及び22は、例えば、そのX方向における
幅が約20μm、Y方向への長さが約400μmのサイ
ズでフローティング支持されている。
【0038】また、各プレート21及び22の櫛歯部2
01a,201bとX方向において対向する位置には、
それぞれマス部励振手段41のマス部励振電極411と
マス部振動モニター手段42のマス部振動モニター電極
421とが配置されている。そして、これらの電極41
1及び421には、そのプレート21及び22との対向
面側に、上記櫛歯部201a,201bとかみ合うよう
に櫛歯部401、402がそれぞれ形成されている。
【0039】上記プレート21及びプレート22は、第
1ビーム31(31a、31b、31c、31d)によ
ってマス部10にそれぞれ接続されている。また、各プ
レート21及び22は、それぞれそのY方向の両側から
第3ビーム33(33a、33b、33c、33d)を
介して、基板上に固定されているアンカー部90(90
a、90b、90e、90f)に接続されている。そし
て、この第3ビーム33は、プレート21及び22のY
方向への位置を固定しつつ、X方向へのプレート21及
び22の励振運動を許容するようにこれらのプレートを
支持している。
【0040】ここで、マス部励振電極411とプレート
21との間に、図示しない交流電源より周期的な電圧が
印加されると、これらの間に静電引力(励振力)が誘起
され、プレート21にX方向の励振力(静電引力)が付
与される。さらに、この励振力は、ビーム幅2μm、X
方向のビーム長さ150μmの第1ビーム31(31
a,31b)に伝達され、マス部10がX方向に振動す
ることとなる。また、マス部10のX方向への振動数と
変位は、プレート22を介してこれと対向するマス部振
動モニター手段42のモニター電極421にてモニター
される。
【0041】Z軸回りに角速度が印加されると、X方向
に励振されているマス部10はコリオリ力を受け、コリ
オリ力の発生方向(本実施形態1においては、励振方向
Xと回転軸方向Zの両方に直交する方向、つまり図1の
Y方向に相当)に変位する。なお、プレート21及び2
2は、アンカー部90から延びる第3ビーム33(33
a、33b、33c、33d)によってY方向から支持
されており、このプレート21及び22からX方向に延
びる第1ビーム31(31a、31b、31c、31
d)が、マス部10をそのコリオリ力発生方向への変位
を許容するように支持している。
【0042】「ビーム振動体およびその励振・検出機構
の構成」マス部10を挟むY方向には、本発明において
特徴的な構成であるビーム振動体として、一対のビーム
振動体51及び52が配置されている。本実施形態1に
おいては、このビーム振動体51及び52は、X方向に
延びる複数本(ここでは、2本)のビーム体501及び
502(図2参照)が、そのX方向の両端部55(55
a、55b、55c、55d)においてY方向に一定の
間隔Hを持つように連結されて構成されている。
【0043】これらビーム振動体51及び52とマス部
10とは、第2ビーム32(32a、32b)によって
接続されており、マス部10におけるY方向への振動変
位がこの第2ビーム32によってビーム振動体51及び
52に伝達され、振動変位に応じてビーム振動体51及
び52の中央部の間隔Hが変化するように構成されてい
る。
【0044】また、ビーム振動体51及び52は、基板
に固定されたアンカー部90c及び90dからこのビー
ム振動体51及び52に向かって延びる第4ビーム34
(34a、34b)により、基板上にフローティング支
持されている。
【0045】ここで、接続ビームを成す上記第2ビーム
32(32a、32b)は、それぞれビーム振動体5
1、52のX方向における中央部に連結されており、ま
た、アンカー部90c及び90dから延びる第4ビーム
34(34a、34b)も、ビーム振動体51、52の
X方向のほぼ中央部に連結されている。
【0046】第2ビーム32(32a、32b)は、例
えば、本実施形態1においては、そのビーム幅が約2μ
m(但し、マス部10側のビーム体501との接続部近
傍は幅4μm)で形成され、また、Y方向のビーム長さ
は約150μmとなっている。また、第4ビーム34
(34a、34b)は、そのビーム幅が約4μmであ
り、アンカー部90c、90dからビーム振動体51及
び52まで延びるビーム長さは約10μmとなってい
る。
【0047】ビーム振動体51及び52のX方向の各端
部55(55a、55b、55c、55d)には、この
端部55をY方向に励振させるためのビーム励振電極6
1、63、65、67が対応して設けられている。さら
に、ビーム振動体51及び52の各端部55を挟んで、
上記ビーム励振電極61、63、65、67と対向する
ように、ビーム振動モニター電極62、64、66、6
8がそれぞれ設けられている。
【0048】次に、ビーム振動体51を例にとり、図1
及び図2を用いてビーム振動体の端部55付近の構成を
説明する。なお、図2は、図1に示すビーム振動体51
の端部55b領域の拡大図である。
【0049】ビーム振動体51及び52は、そのY方向
のビーム幅が約1.5μm、X方向の長さが400μm
の2本のビーム体501及び502を備え、このビーム
体501と502とが、その端部55(図2では55
b)で連結され、Y方向に約20μmの間隔Hを保ち平
行となるよう構成されている。但し、ビーム振動体51
及び52は、必ずしも2本のビーム体が一定の間隔(こ
こでは間隔H)で平行に配置されて構成されるものに限
らず、マス部10のY方向への変位によりビームの変形
が起こってその形状剛性が変化すような構成であればよ
い。
【0050】図2に拡大して示しているように、ビーム
振動体51の端部55b(但し、他の端部55a、55
c、55dも同様)からは、X方向に櫛歯基部56が延
びており、この櫛歯基部56からそれぞれY方向に櫛歯
部57a、57bが延びている。さらに、この櫛歯部5
7a,57bにそれぞれ対向するように、櫛歯状のビー
ム励振電極61(63、65、67)およびビーム振動
モニター電極62(64、66、68)が櫛歯基部56
を挟んで配置されている。
【0051】櫛歯状のビーム励振電極61は、その櫛歯
61aがビーム振動体51の櫛歯部57aとかみ合うよ
うに配置されており、このビーム励振電極61により付
与される励振力によってビーム振動体51の端部55b
がY方向に励振される。つまり、ビーム励振電極61と
ビーム振動体51の端部55bに設けた櫛歯部57aと
の間に、交流電源110による周期的な静電引力が誘起
されると、これによりビーム振動体51(及び52)
は、その中央部を振動の節(非振動点)として、Y方向
への曲げモードで共振振動する。但し、ビーム振動体5
1及び52をY方向に振動させるにあたり、このように
最大変位部分となる端部55を励振させる構成に限ら
ず、例えば、端部55よりアンカー部90c、90d側
に位置する所定の位置を励振させる構成としてもよい。
しかし、図1及び図2に示すように、端部55を励振す
る構成とすれば、励振時において、ビーム振動体51及
び52の端部55は、振動の最大変位部分となり、効率
的にその振動の変位と振動数を知ることが容易である。
【0052】また、櫛歯状のビーム振動モニター電極6
2は、その櫛歯62aがビーム振動体51の櫛歯部57
bとかみ合うように配置されており、ビーム振動体51
(52)の櫛歯基部56を挟んでビーム励振電極61
(63、65、66)と相対する側に形成されている。
そして、このビーム振動モニター電極62(64、6
6、68)は、端部55における振幅の変化と振動数を
モニター検出するために設けられている。
【0053】ビーム振動体51(52)とビーム振動モ
ニター電極62(64、66、68)との間には、定電
圧源120より一定の電圧が抵抗130を介して印加さ
れている。ビーム振動体51(52)の端部55がビー
ム励振電極61によってY方向に振動すると、これによ
り、ビーム振動モニター電極62との間の領域に発生す
る電荷量(電流)が変化し、抵抗130での両端電圧が
変化する。そこで、本実施形態1では、この抵抗130
の両端電圧を電圧検出器140にて検出することによ
り、ビーム振動体51(52)における振動数(共振周
波数)の変化を電圧変化のサイクルとしてモニターして
計測できるよう構成されている。
【0054】なお、共振状態におけるビーム振動体51
及び52の振動は、上記ビーム振動モニター電極62
(64、66、68)での検出結果に基づいて常に振幅
が最大となる励振周波数を選択するか、またはビーム振
動体51及び52の振幅と、これを駆動する駆動力(付
与される静電引力)との位相が、互いに90度ズレるよ
うな励振周波数を選択することによって実現される。
【0055】(角速度センサ100の動作)図3は、マ
ス部10がX方向に励振された時の角速度センサ100
の各部の状態を模式的に示しており、図4は、コリオリ
力が発生した場合における角速度センサ100の各部の
状態を模式的に示している。
【0056】角速度が作用していない状態において、一
対のビーム振動体51及び52は、例えば、振動数約5
9kHzにてその両端部55がY方向に励振されてい
る。さらに、マス部10は、振動数約15kHzにてX
方向に振幅約5μm(最大振動速度4.7×105 μm
/s)で振動している。図3は、このように、マス部1
0がX方向に約15kHzで、ビーム振動体51及び5
2がY方向に約59kHzで振動している状態を同時に
表現している。
【0057】マス部10及びビーム振動体51、52が
それぞれ振動している場合に、Z軸回りの角速度Ωが印
加されると、X方向に振動しているマス部にはコリオリ
力がY方向に作用する。これにより、マス部10は、図
4に示すように、コリオリ力によってY方向に変位し、
マス部10は、Y方向にも共振周波数15kHzで振動
しはじめる。マス部10がY方向に変位するとこれが第
2ビーム32a、32bを介してビーム振動体51、5
2に伝達され、マス部10のY方向の変位量に応じてビ
ーム振動体51、52の中央部の間隙Hが変化する。図
4においては、コリオリ力の発生に伴うマス部10のY
方向の振動と、ビーム振動体51及び52の振動及び変
形を同時に表現している(但し、マス部10のX方向の
振動は割愛)。
【0058】マス部10に発生するコリオリ力Fcは、
次の(1)式で示され、印加された角速度Ωに対応して
変化する。このコリオリ力自体は非常に微量な力学量で
あるが、後述するように本角速度センサ100を真空パ
ッケージすることにより、Y方向に共振振動するマス部
10に作用する励振力は、機械的Q値(約10000と
推定される)によって十分に増幅される。
【0059】
【数1】 Fc=2×m×V×Ω …(1) Fc:コリオリ力 m:マスの質量 V:マス部のY方向の振動速度 Ω:角速度 また、端部が励振されるビーム振動体の共振周波数f
は、以下の(2)式によって示される。
【0060】
【数2】 (2)式により、共振周波数fは、ビーム振動体51お
よび52の形状剛性Iの大きさによって変化することが
わかる。
【0061】本実施形態の角速度センサ100におい
て、マス部10がY方向に振動することに伴う励振力
(振動変位)は、第2ビーム32を介して一対のビーム
振動体に伝達され、これにより、平行なビームの間隔H
が変化する。そして、形状剛性Iは、このビーム振動体
の形状変化、つまりビームの間隔Hによって変化する。
従って、形状剛性Iは、角速度Ωに比例し、マス部10
を介して伝達される力学量に対応して変化することとな
る。
【0062】例えば、図4に示すように、マス部10に
コリオリ力が作用してマス部10が図中の右方向に変位
したとすると、一対のビーム振動体のうち、一方のビー
ム振動体51では間隔Hが広くなり、もう一方のビーム
振動体52では間隔Hが狭くなるように変化する。この
ように、一対のビーム振動体51及び52の各ビーム間
隔が反対方向に変化したことで、(2)式に示される形
状剛性Iが変化し、その結果、各共振周波数がビーム間
隔Hの増減に対応して変化する。
【0063】そこで、前記のビーム振動体51及び52
における共振周波数の変化をビーム振動モニター電極6
2(64、66、68)を利用して計測することで、印
加された角速度Ωを検出することができる。
【0064】図5に、図1の角速度センサ100の特性
図を示す。同図から、例えば、角速度50deg/sが
付与された時、一方のビーム振動体51(または52)
の共振周波数がそれぞれ約5%程度(約3kHz)と顕
著に変化していることがわかる。この共振周波数変化の
大きさは、ビーム振動体の形状やマス部の形状を設計変
更することで調整できる。このように、本実施形態1に
示す角速度センサ100は、周波数検出のため図12に
示すような従来の変位検出型の角速度センサと比較する
と、非常に高精度に角速度を検出できる。
【0065】ところで、ビーム振動モニター電極62
(64、66、68)を利用した共振周波数の計測は、
一対のビーム振動体51、52のうちの一方のみの共振
周波数変化を計測してもよい。また、この場合、1つの
ビーム振動体(例えば51)の両端部55(55a、5
5b)を励振させ、両端部の内のいずれか一方のみの端
部55において共振周波数の変化を検出してもよい。
【0066】さらに、一対のビーム振動体51及び52
の増減する双方の共振周波数の変化を差動出力として検
出してもよく、このように一対のビーム振動体51及び
52の差動を検出すれば、より高精度に角速度を検出す
ることが可能となる。
【0067】また、ビーム振動体51及び52の端部5
5の励振駆動については、本実施形態1では、両方の振
動体の両端部55を同一周波数で、かつ同一位相でY方
向に振動させている。しかし、これには限らず、ビーム
振動体51とビーム振動体52の端部55a、55b
と、55c、55dとを互いに異なる位相で振動させる
など、様々な駆動方法が採用可能である。
【0068】(角速度を検出するための回路構成)図6
は、図1に示す角速度センサ100の一対のビーム振動
体51及び52の共振周波数の変化を、差動出力として
演算して表示する場合における回路構成例を示してい
る。
【0069】図6において、マス部励振電極及びマス部
駆動側の励振回路410は、マス部励振手段41を構成
し、マス部駆動側の励振回路410より供給される電圧
がマス部励振電極411に印加されることによってプレ
ート21に静電引力が付与され、これによりマス部10
がX方向に励振される。
【0070】マス部振動モニター電極421及びマス部
駆動側の容量検出回路420は、マス部振動モニター手
段42を構成し、マス部10の振動は、プレート22を
介してマス部振動モニター電極421に静電容量変化と
して伝達される。モニター電極421に接続された容量
検出回路420は、この容量変化量を検出し、その変化
量に基づいて、マス部駆動側の励振回路410に対して
所定のフィードバック制御信号を供給する。よって、こ
のようなフィードバック制御により、マス部10は一定
の共振周波数で安定にX方向に励振されることとなる。
【0071】一対のビーム振動体51及び52は、ビー
ム励振回路430及び431が有する交流電源110よ
り供給される電圧が、ビーム励振電極61(63、6
5、67)に印加されることによって、その両端部55
がY方向に振動する。また、このビーム振動体51及び
52の振動は、図2中に示した定電圧源120や抵抗1
30及び電圧検出器140を含むビーム容量検出回路4
40及び441によって一定の共振周波数で振動するよ
うモニターされている。
【0072】ここで、角速度センサ100にZ軸回りの
角速度が印加された場合は、図4を引用して説明したよ
うに、一対のビーム振動体51及び52の共振周波数が
それぞれ増加または減少する。そこで、周波数差検出回
路450は、例えば周波数カウンタ等によって、2つの
ビーム振動体51及び52の共振周波数の差をカウント
数などとして検出する。演算部460は、得られた共振
周波数差(差動出力)に基づいて共振周波数の変化量を
求めて角速度を演算し、演算結果が表示部470に出力
され、この表示部470にて角速度について所望の表示
が行われる。
【0073】なお、必ずしもデジタル量として周波数変
化量を算出する回路構成には限られず、例えば周波数差
検出回路450はアナログ信号として共振周波数差を検
出してもよく、また、演算部はアナログ信号の演算部で
あってもデジタル信号の演算部であってもよい。
【0074】(製造方法)図7は、本角速度センサ10
0の製造方法の一例を示している。角速度センサ100
は、SOI基板5をエッチング加工して製造することが
でき、センサの単位面積サイズは、約1mm平方と非常
に小型とすることができる。
【0075】なお、図7(a)は、複数の角速度センサ
100が形成されたウエハを示しており、図7(b)は
角速度センサ100の概略平面構造を示し、さらに図7
(c)は図7(b)のA−A’線に沿った断面を示して
いる。
【0076】SOI基板5は、例えば、厚み約500μ
mのシリコン基板3、厚み1μmの酸化シリコン(Si
2 )接合層2、厚さ10μmのシリコン層1の3層構
造から構成される。さらに、このようなSOI基板5を
表面から角速度センサ100の各構成部分のパターン部
分をマスクしてエッチングすると共に、基板5の酸化シ
リコン接合層2部分をくり抜き加工する。
【0077】振動部であるマス部10及びビーム振動体
51、52と、マス部10やビーム振動体51、52を
支持する第1〜第4ビーム31、32、33、34と
は、主としてシリコン層1により形成されており、これ
らの形成領域においては、そのシリコン層1の下層の酸
化シリコン接合層2が選択的に除去される。
【0078】一方、アンカー部90の形成領域では、酸
化シリコン接合層2は除去されず、アンカー部90は、
シリコン基板3に酸化シリコン接合層2を介して固定さ
れている。また、マス部励振手段41、マス部振動モニ
ター手段42、ビーム励振電極61(63、65、6
7)、ビーム振動モニター電極62(64、66、6
8)についても、例えばその櫛歯部を除いて、アンカー
部90と同様にシリコン基板3上に固定されている。
【0079】このようにしてSOI基板5を加工し、図
7(a)に示すように同一のウエハに複数の角速度セン
サ部を形成した後において、ウエハはダイシング分離さ
れる。その後、分離されたセンサ部を真空封止雰囲気で
パッケージングすることにより、最終的な角速度センサ
100が得られる。
【0080】以上のように、角速度センサ100は、振
動部(マス部10、ビーム振動体51、52)が、アン
カー部90によってシリコン基板3からフローティング
に支持されて構成される。そして、上記振動部と、この
振動部を励振する電極や振動を検出する電極などは、S
OI基板5に一体として形成されている。
【0081】ここで、上記角速度センサ100は、特に
マス部10をそのY方向およびX方向において、ビーム
によってそれぞれ両側から支持する構成としているた
め、角速度センサ100のZ方向の機械的剛性が高めら
れており、Z方向に対するクロストーク影響を受けにく
い構造となっている。
【0082】また、角速度センサ100は、上述のよう
にSOI基板5をもとに1mm平方の面積サイズとし、
周知のシリコンウエハープロセスにて大量に製作でき
る。従って、その製作コストを大幅に低減することがで
きる。また、このようなプロセスを適用することによ
り、従来のように機械加工のような形状の非対称性に起
因する振動特性への悪影響が改善され、角速度センサと
しての感度ならびに分解能を大幅に向上させることが可
能となる。
【0083】ところで、図1に示すマス部10の内側に
設けた孔部11及びプレート21と22の内側に設けた
孔部25は、SOI基板5の酸化シリコン接合層2をエ
ッチング除去して、主要部分が形成されたシリコン層1
をシリコン基板3よりフローティング支持する際のエッ
チングのために設けている。そして、この孔部11及び
25によって、酸化シリコン接合層2のエッチング除去
に際する作業性と確実性を向上させている。但し、孔部
11及び25の形状大きさなどは、図示されるものに限
られず、酸化シリコン接合層2のエッチング条件などに
よって選択することができる。
【0084】なお、本角速度センサ100は、必ずしも
SOI基板をもとに製造するものには限定されず、基板
上に形成した多結晶シリコン層をエッチング加工しても
同様の効果が期待できる。またこの他にも、メッキ等の
方法で形成した金属膜を利用しても、低コストなセンサ
が同様に製作できる。
【0085】以上説明したように、本実施形態1におい
ては、マス部の励振手段として静電引力を利用し、さら
に角速度が付与されたことに伴うマス部の振動変位を静
電容量の変化を利用して検出するように角速度センサが
構成されている。また、これと併せて、センサ全体が真
空封止パッケージングされている。よって、簡易な製造
プロセスで角速度センサ100を製造することができ、
また、非常に高精度に角速度を検出することが可能とな
っている。
【0086】従って、従来の角速度センサのように接着
剤で固定された圧電素子を利用して振動子を励振し、さ
らにその他の圧電素子によって振動変位を検出する構成
で問題となっていた接着に起因する特性への悪影響が本
質的に存在せず、より耐久性・信頼性の高い角速度セン
サが得られる。
【0087】[実施形態2]以下、本実施形態2の振動
型角速度センサ200について説明する。
【0088】実施形態1に示す本角速度センサ100
は、マス部を両端支持していることからZ方向の加速度
影響を受けにくい構造となってはいる。しかし、マス部
をX方向およびY方向に振動させて用いていることか
ら、これらの方向に対する剛性は小さく、特にY方向に
大きな加速度が作用した場合は、ビーム振動体の共振周
波数変化が角速度作用の場合と同様に生じてしまうこと
が懸念される。
【0089】そこで、本実施形態2においては、このよ
うな加速度のクロストーク影響に鑑みて、以下のように
振動型角速度センサ200を構成している。図8は、こ
の振動型角速度センサ200(以下、単に角速度センサ
200という)の平面構造を示している。
【0090】図示されるように、角速度センサ200
は、実施形態1の角速度センサ100(角速度センサ素
子210及び220)を1組用い、これを平行配置(X
軸に対称に配置)し、アンカー部90dを共通とする構
成としている。
【0091】また、図8において左側の角速度センサ素
子210のプレート211と、右側の角速度センサ素子
220のプレート221には、それぞれ図示しないマス
部励振手段(図1の励振手段41が相当)によって、1
80度の位相差をもってマス部が振動するよう静電引力
が付与される。このため、マス部230とマス部240
とは、それぞれ逆方向(+X方向と−X方向)に励振さ
れる。
【0092】一方、角速度センサ素子210及び220
がそれぞれ対として有するビーム振動体251と25
2、及びビーム振動体253と254については、実施
形態1に示した角速度センサ100と同様に、Y方向へ
の曲げモードで共振振動している。
【0093】ここでZ軸回りの角速度Ωが印加される
と、図9に示すように、2つのマス部230および24
0には、それぞれY方向に逆向きのコリオリ力が発生
し、この結果、外側同士(または内側同士)に位置する
ビーム振動体251と253(またはビーム振動体25
2と254)は、同じ量だけビームの間隔Hが変化し
て、その共振周波数が角速度に対応して減少(または増
加)する。
【0094】よって、ビーム振動モニター手段(図示せ
ず)を介して、2組中のビーム振動体のうちの少なくと
も1組のビーム振動体の共振周波数変化を実施形態1と
同様な回路構成によって計測することにより、センサに
印加された角速度を高精度に検出することができる。
【0095】さらに、本実施形態2の角速度センサ20
0は、Y方向の加速度が作用した場合でもこのクロスト
ーク影響を相殺できる特徴を有している。図10は、角
速度が付与されていない状態における角速度センサ20
0に、+Y方向の加速度が付与された場合の各ビーム振
動体の形状変化を示している。
【0096】図10に示されるように、本角速度センサ
200において、Y方向の加速度が付与された時、1組
の角速度センサ素子210及び220における左側のビ
ーム振動体251と254は、ともにそのビーム間隔H
が増加し、共振周波数もこれに対応して増加する。一
方、右側のビーム振動体252及び253では、ともに
ビーム間隔Hが減少し、共振周波数もこれに対応して減
少する。
【0097】このように、Y方向の加速度が付与された
場合は、図9に示すように検出対象であるZ軸回りの角
速度が付与された場合と異なり、外側同士のビーム振動
体251と253(または内側同士のビーム振動体25
2と254)の共振周波数は、正反対の変化を呈する。
よって、1組の角速度センサが有する2組のビーム振動
体の外側同士(または内側同士)の共振周波数変化を差
動出力として演算し、これを角速度の作用による出力か
ら差し引くことでY方向の加速度の影響を相殺すること
ができる。
【0098】従って、本実施形態2に係る角速度センサ
200は、輸送用手段(車両)に搭載された場合におい
ても、加速度を伴って印加される角速度をより高精度に
確実に検出できるばかりでなく、加速度成分と分離した
信号を得ることができるので、角速度信号と加速度信号
の双方を検出できることになる。
【0099】[実施形態3]以上説明した角速度センサ
100及び200においては、励振力をマス部に伝達す
る第1ビーム31(31a、31b)は、マス部10に
接続される2本のビームにより構成されている。しか
し、この構成には限らず、第1ビーム31が、励振力を
マス部に確実に伝達し、マス部のY方向の振動に伴う慣
性力に対向してY方向への振動変位を支持する役割を満
足する限りにおいてはその断面形状や本数は特に限定さ
れない。
【0100】図11は、上記第1ビームを片側1本とし
た角速度センサ300を示している。具体的には、マス
部励振手段41の電極に対向して配置されるプレート2
1とマス部10の間は、プレート21の励振をマス部1
0に伝達するための1本の第1ビーム331aによって
接続されている。また、マス部10とプレート22との
間は、マス部10のX方向の励振をプレート22に伝達
するための一本の第1ビーム331bによって接続され
ている。なお、他の構成については、実施形態1と同様
である。
【0101】このような角速度センサ300によって
も、実施形態1の角速度センサ100のように、付与さ
れた角速度を高精度に検出できる。なお、この角速度セ
ンサ300を1組用いて図8に示すような角速度センサ
200を構成すれば、実施形態2と同様に角速度と加速
度とを区別して、これらを検出することが可能となる。
【0102】また、以上、実施形態1〜3においては、
励振源となる交流電圧源として、DCバイアスを加えた
場合を例にとって説明したが、マス部の励振、ビーム振
動体の励振のそれぞれについて、DCバイアスを加えな
い交流電圧源を用いてもよい。このようにすれば、印加
電圧の周波数は静電引力の誘起周波数の1/2となり、
用いる交流電圧源の発生周波数帯に関する負担を低減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の振動型角速度センサを
示す平面図である。
【図2】 図1の振動型角速度センサ100のビーム振
動体の端部55bを示す拡大図である。
【図3】 本実施形態1の振動型角速度センサの動作原
理を示す説明図である。
【図4】 本実施形態1の振動型角速度センサの動作原
理を示す説明図である。
【図5】 本実施形態1の振動型角速度センサの検出特
性を示す図である。
【図6】 本実施形態1の振動型角速度センサにおける
回路ブロック図である。
【図7】 本実施形態1の振動型角速度センサの製造方
法を説明するための図である。
【図8】 本発明の実施形態2の振動型角速度センサを
示す平面図である。
【図9】 図8の振動型角速度センサ200の動作を示
す平面図である。
【図10】 図8の振動型角速度センサ200の動作を
示す平面図である。
【図11】 本発明の実施形態3の振動型角速度センサ
を示す平面図である。
【図12】 従来の角速度センサの構成を示す斜視図で
ある。
【図13】 図12の振動子501の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 シリコン層、2 酸化シリコン接合層、3 シリコ
ン基板、5 SOI基板、10,230,240 マス
部、21,22,211,221 プレート、31,3
31 第1ビーム、32 第2ビーム、33 第3ビー
ム、34 第4ビーム、41 マス部励振手段、42
マス部振動モニター手段、51,52,251,25
2,253,254 ビーム振動体、61,63,6
5,67 ビーム励振電極、62,64,66,68
ビーム振動モニター電極、100,200,300 振
動型角速度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野々村 裕 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 藤塚 徳夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 慣性質量となるマス部を励振させ、この
    マス部の励振方向Xと角速度センサの回転軸方向Zとの
    両方向に直交する方向Yに発生するコリオリ力によるマ
    ス部の変位に基づいて角速度を検出する振動型角速度セ
    ンサであって、 前記マス部を励振させるマス部励振手段と、 前記マス部と独立して振動可能に前記マス部のY方向の
    側方に配置され、複数のビーム体が、少なくとも一部に
    おいてY方向にそれぞれが所定の間隔を隔てるように互
    いに連結されて構成されたビーム振動体と、 前記ビーム振動体を振動させるためのビーム振動体励振
    手段と、 前記マス部と前記ビーム振動体とを連結して、前記マス
    部のY方向への変位を前記ビーム振動体に伝達して前記
    ビーム体間の間隔を変化させるための接続ビームと、 前記ビーム振動体の振動の変化を検出するビーム振動体
    変化検出手段と、 を有し、 回転軸方向Zにおける角速度を、前記ビーム振動体の間
    隔変化に起因した前記ビーム振動体の振動変化に基づい
    て検出することを特徴とする振動型角速度センサ。
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