JPH10169661A - 転がり軸受用保持器 - Google Patents

転がり軸受用保持器

Info

Publication number
JPH10169661A
JPH10169661A JP8333590A JP33359096A JPH10169661A JP H10169661 A JPH10169661 A JP H10169661A JP 8333590 A JP8333590 A JP 8333590A JP 33359096 A JP33359096 A JP 33359096A JP H10169661 A JPH10169661 A JP H10169661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cage
rolling bearing
vacuum
oil
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8333590A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yamada
博 山田
Akinari Ohira
晃也 大平
Norihide Satou
則秀 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP8333590A priority Critical patent/JPH10169661A/ja
Publication of JPH10169661A publication Critical patent/JPH10169661A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/44Selection of substances
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication
    • F16C33/6637Special parts or details in view of lubrication with liquid lubricant
    • F16C33/664Retaining the liquid in or near the bearing
    • F16C33/6648Retaining the liquid in or near the bearing in a porous or resinous body, e.g. a cage impregnated with the liquid
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2208/00Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
    • F16C2208/20Thermoplastic resins
    • F16C2208/40Imides, e.g. polyimide [PI], polyetherimide [PEI]
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2300/00Application independent of particular apparatuses
    • F16C2300/40Application independent of particular apparatuses related to environment, i.e. operating conditions
    • F16C2300/62Application independent of particular apparatuses related to environment, i.e. operating conditions low pressure, e.g. elements operating under vacuum conditions

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低圧または真空で使用される転がり軸受用保
持器の回転中の発塵量を可及的に少量にし、高面圧の使
用条件においても潤滑油起源のガス発生がなく低発塵性
である転がり軸受用保持器とし、または同様に低発塵性
であると共に安定した低トルクで回転し、かつ耐久性に
も優れた真空用転がり軸受とすることである。 【解決手段】 体積比5〜25%の連通気孔を有するポ
リイミド樹脂からなる焼結体などの多孔質体で転がり軸
受用保持器を形成し、これに下記の化7で示されるアル
キル化したシクロペンタン系油を含浸した転がり軸受用
保持器またはこの保持器を取付けた真空用転がり軸受と
する。 【化7】 (式中、Rは炭素数4〜130の直鎖状または分岐を有
するアルキル基であり、m=3〜4である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、潤滑油を含浸し
た転がり軸受用保持器およびこの保持器を取付けた真空
用転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、転がり軸受の内部には、潤滑グリ
ースなどの潤滑剤が保持されており、この潤滑剤で内・
外輪と転動体および保持器との摩擦係数を低減させて軸
受の耐久性を向上させている。
【0003】このような潤滑剤としては液体のものばか
りでなく、固体潤滑剤も使用されており、例えば半導体
の製造設備などにおける閉された清浄な雰囲気、特に真
空などの低圧の清浄雰囲気で使用される真空用転がり軸
受においては、前記した潤滑グリースから発生する蒸気
や飛散する微粒子が精密部品の性能に悪影響を及ぼす場
合があり、低蒸気圧の潤滑油や固体潤滑剤が使用されて
いる。
【0004】上記使用の固体潤滑剤としては、二硫化モ
リブデン等の層状物質、金、銀、鉛などの軟質金属、ま
たはポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略
記する。)などの高分子系固体潤滑剤が知られている。
【0005】しかし、上記した従来の固体潤滑剤を用い
た真空用転がり軸受であっても、近年の精密部品の高性
能化に伴う低発塵性の要求を満足させることはできず、
例えば導電パターンの線幅が極めて微細となった高密度
パターンの半導体を製造する技術に充分に対応すること
は困難であった。
【0006】上記した低発塵性の要求にも比較的よく対
応する真空用転がり軸受としては、潤滑油として低蒸気
圧のフッ素化油を使用したものがあり、フッ素化油をポ
リアミドイミド樹脂製の多孔質体からなる保持器に含浸
する技術が特開昭61−6429号公報に開示され、ポ
リアミドイミドより優れた耐熱性がある多孔質ポリイミ
ド製保持器にフッ素化油を含浸する技術が、特開平8−
177866号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の低発塵性の真空用転がり軸受では、摩擦面が0.7G
Pa程度の低い面圧での使用条件では問題はないが、2
GPa程度の高面圧に耐えることが要求される転がり軸
受では、その使用中に発塵やガス発生量が多くなるとい
う問題点がある。
【0008】また、潤滑油としてフッ素化油を多孔質性
保持器に含浸すると、回転時の保持器にかかる遠心力が
大きくなり軸受の回転効率が低下し、トルク変動も大き
くなるという問題点もある。
【0009】そして、このような従来の転がり軸受は、
前記したような高い面圧での使用条件では耐久性につい
ても充分に信頼性があるとはいえない。
【0010】上記したガス発生の原因については、軌道
輪と転動体の材質がステンレス鋼などの鋼である場合
に、それらの表面に存在するFeとフッ素油中のFとの
反応によりFeF3 が発生し、これが触媒となってフッ
素化油の分解がさらに進行したことによると推定され
る。
【0011】そこで、この発明の課題は上記した問題点
を解決して、低圧または真空で使用される転がり軸受用
保持器の回転中の発塵量を可及的に少量にし、高面圧の
使用条件においても潤滑油起源のガス発生がなく低発塵
性である転がり軸受用保持器とし、または同様に低発塵
性であると共に安定した低トルクで回転し、かつ耐久性
にも優れた真空用転がり軸受とすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、連通気孔を有する多孔質体で
形成され、アルキル化したシクロペンタン系油を含浸し
たものからなる転がり軸受用保持器、またはこの保持器
を取付けた真空用転がり軸受としたのである。
【0013】また、上記多孔質体が、体積比5〜25%
の連通気孔を有する多孔質体である転がり軸受用保持器
とする構成を採用し、またはこの保持器を取付けた真空
用転がり軸受としたのである。
【0014】また、上記多孔質体が、ポリイミド樹脂か
らなる焼結体である転がり軸受用保持器とする構成を採
用し、またはこの保持器を取付けた真空用転がり軸受と
したのである。
【0015】この発明の転がり軸受用保持器は、保持器
に含浸したアルキル化シクロペンタン系油が不活性であ
り、軌道輪と転動体の表面に存在するFeが触媒を生成
するような反応を起こさない。またアルキル化シクロペ
ンタン系油は、フッ素化油と比べると鋼に対し不活性で
あるので、分子鎖が切断されずガスが発生しない。また
アルキル化シクロペンタン系油は、蒸気圧が同程度の場
合にはフッ素化油に比べて低粘度であるので、優れた低
トルク回転性を発揮できる。
【0016】また、アルキル化したシクロペンタン系油
の比重は、フッ素化油の比重(1.85g/cc)より
小さいので、このような油を含浸した保持器は、遠心力
の影響を受け難く、軸受の回転効率を向上させる。
【0017】所定気孔率の連通気孔を有する多孔質体に
所定の潤滑油を含浸した発明では、潤滑油を効率よく多
量に保持できると共に、潤滑油の滲出量および滲出速度
が安定し、長期間極めて安定した潤滑性を発揮する。
【0018】また多孔質体として、ポリイミド樹脂焼結
体を採用すると、樹脂製の軸受用保持器として優れた耐
熱性、耐薬品性、機械的性質、電気絶縁性が備わる。
【0019】
【発明の実施の形態】本願の各発明に用いる転がり軸受
用保持器を形成する連通気孔を有する多孔質体は、セラ
ミックス、金属または耐熱性樹脂を焼結または発泡させ
る周知の方法で得られるものであり、前記の樹脂として
は耐熱性に優れたポリイミド樹脂を採用することが好ま
しい。また、前記の金属としては、鉄系または銅系の焼
結合金、セラミックスとしては、窒化ケイ素、酸化アル
ミニウム、炭化ケイ素などが挙げられる。
【0020】前記したポリイミド樹脂(以下、PI樹脂
と略記する。)は、芳香族カルボン酸と芳香族アミンを
縮重合して得られる樹脂であって、優れた耐熱性と共に
耐薬品性、保持器として充分な機械的強度および電気絶
縁性を有する周知の化学構造を有するもの(熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂の何れであってもよい)である。な
お、本願の発明においていうPI樹脂とは、主鎖にイミ
ド結合およびアミド結合を有するポリアミドイミド樹脂
(以下、PAI樹脂と略記する)と呼ばれる樹脂を含ま
ない。
【0021】市販のPI樹脂であって、この発明に使用
できるものとしては、オーストリア国レンジング社製:
P84−HT、東レ社製:TI−3000、宇部興産社
製:UIP−S.R、デュポン社製:ベスペル、三井東
圧化学社製:オーラム、米国フューロン社製:メルディ
ンなどが挙げられる。
【0022】このようなPI樹脂は、耐熱性が高く、真
空中のように放熱がない場合でも溶融しないので、広い
温度範囲条件で良好な摩擦・摩耗特性を示し、また成形
時にも熱可塑性樹脂のように溶融せずその粒界の気孔率
をコントロールして連通気孔を有する成形体を得ること
ができる。このようにしてPI樹脂製多孔質体は、潤滑
油の含油量や滲み出し速度を任意に調節でき、軸受の長
寿命化を図ることができる。
【0023】なお、PI樹脂の成形性や摺動特性を改良
するためには、PTFE、グラファイト、二硫化モリブ
デン、窒化ホウ素などの固体潤滑剤を添加してもよい。
【0024】多孔質PI樹脂からなる保持器の製造方法
としては、室温(または常温)で粉末状樹脂を加圧成形
した後、不活性ガスまたは加圧雰囲気の下で焼成する方
法、または加熱圧縮成形、ラム押出し成形、CIPなど
による成形方法を採用することができる。
【0025】本願の各発明に用いる保持器は、体積比5
〜25容量%の気孔率で連通気孔を有する多孔質体から
形成することが好ましい。なぜなら、気孔率5容量%未
満では、含浸油の保持率が低くなって長期間潤滑性を発
揮させることが難しくなり、25容量%を越える気孔率
では、滲出量の制御および保持器の機械的強度の点で好
ましいものが得られないからである。上記した体積比の
気孔率の成形体は、原料の樹脂粉末の粒径(平均粒
径)、成形圧力、焼成温度等を適宜に調整することによ
って製造可能である。
【0026】以上述べたような所定気孔率の連通気孔を
有する多孔質成形体に含浸するアルキル化したシクロペ
ンタン系油は、下記の化1に示す構造の潤滑油である。
【0027】
【化1】
【0028】(式中、Rは、炭素数4〜130の直鎖状
または分岐を有するアルキル基であり、m=3〜4であ
る。) このようなシクロペンタン系油の具体例としては、下記
の化2に示されるトリ(2−オクチルドデシル)シクロ
ペンタンであって、米国 NYE LUBICANTS社製のNYE SYNT
HETIC OIL 2001A (商品名)がある。
【0029】
【化2】
【0030】(式中、R2 は、炭素数19で分岐を有す
るアルキル基である。分子式C65130 ) このものは、25℃の蒸気圧8.5×10-13 Torr
であり、真空環境下での使用に充分耐える潤滑油であ
る。そして、この潤滑油は比重が0.85g/ccであ
って、フッ素化油のそれの半分以下である。また、この
潤滑油は不活性であり、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性に
優れており、また分子鎖の結合力が強いので耐荷重性に
優れ、分解ガス(アウトガス)の発生量も少ないもので
ある。
【0031】多孔質成形体に、前述した所定の潤滑油を
含浸するには、減圧の雰囲気下で含浸することが気孔内
の空気や水分を排除するために好ましく、含浸した後に
過剰の潤滑油を拭って取り除けば軸受用保持器が得られ
る。含浸を効率よく行なうには潤滑油や保持器を加熱す
ることが好ましい。
【0032】また、本願の発明における転がり軸受は、
軌道輪の転がり摩擦面、滑り摩擦面および転動体が、転
がり軸受の構成材料として周知のものからなり、例えば
ステンレス鋼材(例えばSUS440C等)、タングス
テン系高速度工具鋼(例えばSKH4等)などの金属材
料、セラミックス(例えば窒化ケイ素系、炭化ケイ素系
のもの等)などがその構成材料として挙げられる。
【0033】また、軌道輪の転がり摩擦面、滑り摩擦面
および転動体の表面には、チタン(Ti)層を下地層と
して、その上に窒化チタン(TiN)層および炭窒化チ
タン(TiC1-x x )層からなる複合被膜をイオンプ
レーティング法などの周知の手法によって形成してもよ
い。このようにすると表面の硬度が高まって耐久性がよ
り増すことになり、また鋼表面が不活性になって潤滑油
の分解を抑制することができる。
【0034】
【実施例】
〔実施例1〕下記の化3の式で示される繰り返し単位構
造のPI樹脂粉末(宇部興産社製:UIP−R、平均粒
径9μm)を成形圧力4000kgf/cm2 で成形
し、さらに窒素雰囲気下に400℃で2時間の焼結し、
得られた焼結体を切削加工して気孔率15%の連通気孔
を有する多孔質焼結体からなる転がり軸受用保持器(6
08型番:外径16mm、内径131mm、長さ6.2
2mm)を得た。
【0035】
【化3】
【0036】得られた多孔質焼結体からなる保持器を、
シクロペンタン系オイル(米国NYELUBICANTS 社製:NYE
SYNTHETIC OIL 2001A )に浸漬し、1Torrまで減
圧して前記潤滑油を含浸した。含浸後は保持器表面の余
剰のオイルを清浄な布で拭い取り、この保持器をSUS
440C製の試験軸受(608型番相当)に組み込ん
だ。
【0037】この軸受の所定環境下での発塵量、トルク
変動および耐久性を調べるため、以下の試験を行ない、
それらの結果を表1中に示した。
【0038】(1)発塵量試験 室温、真空度1.0×10-6Torr以下、スラスト荷
重9.8N(面圧0.7GPa)またはスラスト荷重9
8N(面圧1.5GPa)、回転数50rpmの条件下
で前記の試験軸受を回転させ、その直下に配置した発塵
検出器(レーザービームを使用したセンサにより塵の個
数を計測する方式の検出器)によって0.3μm以上の
塵を150時間検出して塵の総数を調べた。
【0039】(2)トルク変動試験 室温、真空度1.0×10-6Torr以下、回転数20
0rpm、スラスト荷重9.8Nまたはスラスト荷重9
8Nの条件下でトルク変動幅を測定した。その評価は、
トルク変動幅が2×10-3N・mを越えるものを「トル
ク変動大」とし、トルク変動幅が1×10-3N・m以下
のものを「トルク変動小」と2段階に評価した。
【0040】(3)耐久試験 室温、真空度1.0×10-6Torr以下、回転数25
00rpm、スラスト荷重9.8Nまたはスラスト荷重
98Nの条件下で、軸受の振動幅が試験当初の3倍にな
るまでの時間を測定する耐久試験を測定した。測定限度
は700時間とした。
【0041】
【表1】
【0042】〔実施例2〕実施例1において化3に示し
たPI樹脂に代えて、下記の化4の繰り返し単位構造の
PI樹脂(東レ社製:TI−3000、フリーシンター
品、気孔率7%)を用いたこと以外は全く同様にしてシ
クロペンタン系オイルを含浸した転がり軸受用保持器を
製造し、この保持器をSUS440C製の試験軸受(6
08型番相当)に組み込んだ。
【0043】
【化4】
【0044】この軸受の所定環境下での発塵量、トルク
変動および耐久性を調べるため、前記した試験(1)〜
(3)を行ない、それらの結果を表1中に併記した。
【0045】〔比較例1〕ステンレス鋼材(SUS44
0C)製の軌道輪および同材料製の転動体を用いた試験
軸受(608型番相当)に、ステンレス鋼材(SUS3
04)からなる非多孔質の保持器をいかなる潤滑油も接
触させることなく組み込んだ。
【0046】この軸受に対しても前記した試験(1)〜
(3)を行ない、それらの結果を表1中に併記した。
【0047】〔比較例2〕下記の化5の式で示される繰
り返し単位構造のPI樹脂粉末(LENZING社製:
P84−HT、平均粒径25μm)を成形圧力2000
kgf/cm2 で成形し、さらに窒素雰囲気下に350
℃で2時間の焼結し、得られた焼結体を切削加工して気
孔率25%の連通気孔を有する多孔質焼結体からなる転
がり軸受用保持器(608型番)を得た。
【0048】
【化5】
【0049】得られた多孔質焼結体からなる保持器に対
して、フッ素化油(アウジモント社製:フォンブリンZ
25)を1Torrまで減圧して含浸した。含浸後は保
持器表面の余剰のオイルを清浄な布で拭い取り、試験用
保持器とした。
【0050】また、この試験用保持器を組み込むSUS
440C製の軸受(608型番相当)の内・外輪の転動
面および転動体の全表面には、イオンプレーティング法
によってTi層、TiN層およびTiCN層を順に重ね
て複合被膜を形成した。この複合被膜の膜厚は、内・外
輪の転動面部分を0.5μm、転動体の全表面の膜厚
0.2μmとした。
【0051】そして、上記軸受に前記した転動体を組み
込んで前記した試験(1)〜(3)を行ない、それらの
結果を表1中に併記した。
【0052】〔比較例3〕実施例1において化3に示し
たPI樹脂に代えて、下記の化6の繰り返し単位構造の
PI樹脂粉末(宇部興産社製:UIP−S、平均粒径8
μm)を成形圧力4000kgf/cm2 で成形し、さ
らに窒素雰囲気下に400℃で2時間の焼結し、得られ
た焼結体を切削加工して気孔率20%の連通気孔を有す
る多孔質焼結体からなる転がり軸受用保持器(608型
番)を得た。
【0053】
【化6】
【0054】得られた多孔質焼結体からなる保持器に対
して、フッ素化油(アウジモント社製:フォンブリンZ
25)を1Torrまで減圧して含浸し、その後は保持
器表面の余剰のオイルを清浄な布で拭い取り、試験用保
持器とした。
【0055】この保持器をSUS440C製の試験軸受
(608型番相当で前記したような複合被膜処理がなさ
れていないもの)に組み込み、前記した試験(1)〜
(3)を行ない、それらの結果を表1中に併記した。
【0056】表1の結果からも明らかなように、軌道輪
および転動体をSUS440C、保持器をSUS304
で形成し、潤滑油を使用しなかった比較例1の転がり軸
受は、発塵量およびトルク変動が共に大きく、耐久時間
も短いものであった。
【0057】また、軌道輪および転動体の表面にチタン
系の複合被膜を形成し、保持器にフッ素化油を含浸した
比較例2は、軽荷重(スラスト荷重9.8N)の場合
は、発塵量は50個と少なく、耐久時間は700時間以
上あったが、重荷重(スラスト荷重98N)の場合は、
発塵量は1000個に急増し、耐久時間も100時間に
まで短くなった。また、軌道輪および転動体の表面にチ
タン系の複合被膜を形成せずに保持器にフッ素化油を含
浸した比較例3についても上記した比較例2と同様に、
軽荷重(スラスト荷重9.8N)の場合は発塵量が45
個と少なく、耐久時間は700時間以上あったが、重荷
重(スラスト荷重98N)の場合は発塵量は2500個
に急増し、耐久時間も150時間にまで短くなった。
【0058】これに対して、アルキル化したシクロペン
タン系油をPI製の所定の連通気孔率の多孔質体からな
る保持器に含浸した実施例1および2は、発塵量および
トルク変動が比較例に比べて顕著に小さく、耐久時間7
00時間を越える優れた耐久性を示した。
【0059】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、連通
気孔を有する多孔質体にアルキル化したシクロペンタン
系油を含浸した転がり軸受用保持器またはこの保持器を
取付けた真空用転がり軸受としたので、低圧または真空
で使用される転がり軸受用保持器の回転中の発塵量が可
及的に少量になり、特に高面圧の使用条件においても潤
滑油起源のガス発生がなく低発塵性である転がり軸受用
保持器、または同様の利点がある真空用転がり軸受とな
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連通気孔を有する多孔質体で形成され、
    アルキル化したシクロペンタン系油を含浸したものから
    なる転がり軸受用保持器。
  2. 【請求項2】 多孔質体が、体積比5〜25%の連通気
    孔を有する多孔質体である請求項1記載の転がり軸受用
    保持器。
  3. 【請求項3】 多孔質体が、ポリイミド樹脂からなる焼
    結体である請求項1または2に記載の転がり軸受用保持
    器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の転
    がり軸受用保持器を取付けた真空用転がり軸受。
JP8333590A 1996-12-13 1996-12-13 転がり軸受用保持器 Pending JPH10169661A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8333590A JPH10169661A (ja) 1996-12-13 1996-12-13 転がり軸受用保持器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8333590A JPH10169661A (ja) 1996-12-13 1996-12-13 転がり軸受用保持器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10169661A true JPH10169661A (ja) 1998-06-23

Family

ID=18267747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8333590A Pending JPH10169661A (ja) 1996-12-13 1996-12-13 転がり軸受用保持器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10169661A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005351373A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Ntn Corp 転がり軸受用保持器および転がり軸受
JP2007056913A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Nsk Ltd 転がり軸受
JP2007064299A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Ntn Corp 転がり軸受用保持器および転がり軸受
US7771125B2 (en) 2004-06-07 2010-08-10 Ntn Corporation Retainer for rolling bearing, and rolling bearing

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7771125B2 (en) 2004-06-07 2010-08-10 Ntn Corporation Retainer for rolling bearing, and rolling bearing
EP2275698A1 (en) 2004-06-07 2011-01-19 NTN Corporation Retainer for rolling bearing, and method of manufacturing a rolling bearing retainer
US8011833B2 (en) 2004-06-07 2011-09-06 Ntn Corporation Retainer for roller bearing, and rolling bearing
JP2005351373A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Ntn Corp 転がり軸受用保持器および転がり軸受
JP4541769B2 (ja) * 2004-06-10 2010-09-08 Ntn株式会社 転がり軸受用保持器および転がり軸受
JP2007056913A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Nsk Ltd 転がり軸受
JP2007064299A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Ntn Corp 転がり軸受用保持器および転がり軸受

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7188542B2 (en) Liner motion device, rolling device and separator for rolling device
KR101081808B1 (ko) 슬라이딩 베어링의 제조방법
JP3002957B2 (ja) 転がり軸受および転がり軸受の潤滑膜形成方法
GB2345095A (en) Sliding bearing including a resin layer consisting of soft metal particles dispersed in a thermosetting resin
US6808310B2 (en) Rolling bearing
JPH05240251A (ja) 焼結含油軸受
US7101087B2 (en) Sliding member
KR100281621B1 (ko) 무리테이너형 구름 베어링
JPH08173453A (ja) ハンドピース用転がり軸受装置
JP2004036788A (ja) 転動装置及び転動装置用セパレータ
JPS616429A (ja) 軸受保持器
KR100374388B1 (ko) 구름베어링
JPH10169661A (ja) 転がり軸受用保持器
JP2002357225A (ja) 転がり軸受
JP3422994B1 (ja) 潤滑剤、摺動部材及び固形潤滑剤
JP2003049841A (ja) 転動装置および転動装置用保持器
CN101657647B (zh) 轴承
JPH08177866A (ja) 低発塵性転がり軸受
JP2931868B2 (ja) ころがり軸受用保持器
JP2007146260A (ja) 含窒素化合物混合金属摺動部材
Lawrowski Polymers in the construction of serviceless sliding bearings
JPH10267104A (ja) ボールねじ用シール
JPH11344036A (ja) 転がり軸受
JP2006046373A (ja) 転がり軸受
JP2000205277A (ja) 転がり軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060110