JPH05240251A - 焼結含油軸受 - Google Patents
焼結含油軸受Info
- Publication number
- JPH05240251A JPH05240251A JP4340192A JP4340192A JPH05240251A JP H05240251 A JPH05240251 A JP H05240251A JP 4340192 A JP4340192 A JP 4340192A JP 4340192 A JP4340192 A JP 4340192A JP H05240251 A JPH05240251 A JP H05240251A
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- JP
- Japan
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- bearing
- oil
- low
- molding
- sintered
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、低圧力条件下で使用される軸受
を、その摺動面が油膜により完全に分離される流体軸受
によって潤滑し得るものとして、このような条件下での
焼結含油軸受の潤滑特性の安定化および軸受寿命の長期
化を図ることを目的とする。 【構成】 焼結した軸受成形品に、パーフルオロポリエ
ーテル油またはこれと他の潤滑油とを配合した混成油を
含浸した焼結含油軸受とする。
を、その摺動面が油膜により完全に分離される流体軸受
によって潤滑し得るものとして、このような条件下での
焼結含油軸受の潤滑特性の安定化および軸受寿命の長期
化を図ることを目的とする。 【構成】 焼結した軸受成形品に、パーフルオロポリエ
ーテル油またはこれと他の潤滑油とを配合した混成油を
含浸した焼結含油軸受とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、焼結した軸受成形品
に潤滑油を含浸した焼結含油軸受に関し、更に詳しく
は、低圧力条件下で用いられる焼結含油軸受に関する。
に潤滑油を含浸した焼結含油軸受に関し、更に詳しく
は、低圧力条件下で用いられる焼結含油軸受に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に、焼結含油軸受は、焼結した軸受
成形品の気孔中に潤滑油を含浸保持させ、その使用時に
潤滑油を摺動面に滲出させることによって、長時間安定
した滑り摩擦特性を得るようにしたものである。
成形品の気孔中に潤滑油を含浸保持させ、その使用時に
潤滑油を摺動面に滲出させることによって、長時間安定
した滑り摩擦特性を得るようにしたものである。
【０００３】このような焼結軸受の成形品は、通常、
鉄、銅、亜鉛、錫、黒鉛、ニッケル、鉛等もしくはこれ
らを組み合わせた合金製の微粉粒を、混合、圧縮成形、
焼成、サイジング等の処理を施して得られ、このもの
は、均一な多孔質組織を有する。
鉄、銅、亜鉛、錫、黒鉛、ニッケル、鉛等もしくはこれ
らを組み合わせた合金製の微粉粒を、混合、圧縮成形、
焼成、サイジング等の処理を施して得られ、このもの
は、均一な多孔質組織を有する。
【０００４】一方、焼結した軸受成形品に含浸する潤滑
油としては、鉱油またはジエステル油等の合成潤滑油が
用いられていた。
油としては、鉱油またはジエステル油等の合成潤滑油が
用いられていた。
【０００５】ところが、上記した焼結含油軸受は、低真
空（大気圧〜１０2 Ｐａ）または中真空（１０2 〜１０
-1Ｐａ）の条件下で用いると、潤滑油が、蒸発してトル
クの上昇を招いたりする。したがって、低圧力使用条件
に係る航空機用機器や人工衛生用機器等に用いる軸受
は、その摺動面を四フッ化エチレン樹脂、ポリイミド等
の自己潤滑性高分子材料で成形もしくは被覆するか、ま
たは、金、銀もしくは二硫化モリブデン等の固体潤滑剤
を被覆して潤滑性を高めていた。
空（大気圧〜１０2 Ｐａ）または中真空（１０2 〜１０
-1Ｐａ）の条件下で用いると、潤滑油が、蒸発してトル
クの上昇を招いたりする。したがって、低圧力使用条件
に係る航空機用機器や人工衛生用機器等に用いる軸受
は、その摺動面を四フッ化エチレン樹脂、ポリイミド等
の自己潤滑性高分子材料で成形もしくは被覆するか、ま
たは、金、銀もしくは二硫化モリブデン等の固体潤滑剤
を被覆して潤滑性を高めていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した自己
潤滑性の高分子材料または固体潤滑剤を用いた軸受は、
その潤滑特性が固体表面の形状に対応して変化し易く、
また潤滑膜の耐久性の面でも流体潤滑の軸受に比べてそ
の寿命が劣るという問題点がある。
潤滑性の高分子材料または固体潤滑剤を用いた軸受は、
その潤滑特性が固体表面の形状に対応して変化し易く、
また潤滑膜の耐久性の面でも流体潤滑の軸受に比べてそ
の寿命が劣るという問題点がある。
【０００７】そこで、この考案は、上記した問題点を解
決し、低圧力の条件下で使用される軸受を、その摺動面
が油膜により完全に分離される流体潤滑によって潤滑し
得るものとして、このような条件下での軸受の潤滑特性
の安定化を図ると共に軸受寿命の長期化を図ることを課
題としている。
決し、低圧力の条件下で使用される軸受を、その摺動面
が油膜により完全に分離される流体潤滑によって潤滑し
得るものとして、このような条件下での軸受の潤滑特性
の安定化を図ると共に軸受寿命の長期化を図ることを課
題としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、焼結した軸受成形品に、パー
フルオロポリエーテル油を含浸した構成を採用したので
ある。
め、この発明においては、焼結した軸受成形品に、パー
フルオロポリエーテル油を含浸した構成を採用したので
ある。
【０００９】
【作用】この発明に係る焼結含油軸受は、焼結した軸受
成形体に、従来使用の鉱油、種々のエステル油、ポリα
オレフィン油等に比べて著しく蒸気圧の低いパーフルオ
ロポリエーテル油を含浸したものであるから、例えば１
×１０5 〜１×１０-1Ｐａといった大気圧以下の低圧条
件下で使用しても、摺動面に滲出した潤滑油が殆ど蒸発
することなく、長期間安定した潤滑特性を発揮する。
成形体に、従来使用の鉱油、種々のエステル油、ポリα
オレフィン油等に比べて著しく蒸気圧の低いパーフルオ
ロポリエーテル油を含浸したものであるから、例えば１
×１０5 〜１×１０-1Ｐａといった大気圧以下の低圧条
件下で使用しても、摺動面に滲出した潤滑油が殆ど蒸発
することなく、長期間安定した潤滑特性を発揮する。
【００１０】
【実施例】この発明に用いる焼結した軸受成形品は、特
にその材料を限定するものでなく、従来の場合と同様
に、所要の金属材料を圧縮成形工程、焼成工程及び圧縮
成形（サイジング）工程を順次経て成形したものであっ
てよく、通常５０μｍ以下の細孔（大多数の孔径は１０
μｍ以下）が均等に分布する。
にその材料を限定するものでなく、従来の場合と同様
に、所要の金属材料を圧縮成形工程、焼成工程及び圧縮
成形（サイジング）工程を順次経て成形したものであっ
てよく、通常５０μｍ以下の細孔（大多数の孔径は１０
μｍ以下）が均等に分布する。
【００１１】また、軸受成形品の形状も、特に限定され
るものではなく、平面軸受・スラスト軸受・ジャーナル
軸受等、軸と軸受とが機構学的に面接触していて、軸受
の回転に伴って滑りを生ずる軸受であればいずれでも良
い。なお、ここでいう軸受は、主として滑り軸受をいう
が、ころがり軸受の保持器に多孔質焼結剤を用いる場合
には、上記の滑り軸受と同様の処理を施したものを用い
ても良い。
るものではなく、平面軸受・スラスト軸受・ジャーナル
軸受等、軸と軸受とが機構学的に面接触していて、軸受
の回転に伴って滑りを生ずる軸受であればいずれでも良
い。なお、ここでいう軸受は、主として滑り軸受をいう
が、ころがり軸受の保持器に多孔質焼結剤を用いる場合
には、上記の滑り軸受と同様の処理を施したものを用い
ても良い。
【００１２】また、この発明に用いるパーフルオロポリ
エーテル油は、主鎖に−ＣＦ2 −Ｏ−ＣＦ2 −のエーテ
ル結合を有する完全フッ素化油であって、たとえば次に
〔化１〕で示すような構造のものであってよい。
エーテル油は、主鎖に−ＣＦ2 −Ｏ−ＣＦ2 −のエーテ
ル結合を有する完全フッ素化油であって、たとえば次に
〔化１〕で示すような構造のものであってよい。
【００１３】
【化１】
【００１４】上記のパーフルオロポリエーテルは、２，
２，３，３，−テトラフルオロオキセタンをフッ素イオ
ン触媒で開環重合し、得られたオリゴマーをフッ素ガス
で直接フッ素化してパーフルオロ体に変換したのち、末
端を安定化してパーフルオロトリメチレンオキサイドの
繰り返し単位を有するポリエーテルとしたものである。
２，３，３，−テトラフルオロオキセタンをフッ素イオ
ン触媒で開環重合し、得られたオリゴマーをフッ素ガス
で直接フッ素化してパーフルオロ体に変換したのち、末
端を安定化してパーフルオロトリメチレンオキサイドの
繰り返し単位を有するポリエーテルとしたものである。
【００１５】このようなパーフルオロポリエーテル油
は、主鎖中にエーテル結合を多数有しており、分子屈曲
性が大きいため、低圧条件下で以下に示すような優れた
潤滑特性を示す。すなわち、ガラス転移温度が低く、従
って液体温度範囲（凝固点〜沸点）が極めて広い。一
方、化学的にはフッ素の持つ電気吸引効果のために本来
のエーテル性を示さず、耐熱性、耐薬品性、耐酸化性に
優れたものとなる。粘度指数は１５０〜２１０で鉱物油
等に比べ相当優れており、分子量が大きくかつ流動点が
低いため、低温から高温まで非常に低い蒸気圧を示す。
また潤滑特性も良好で、一般的な潤滑油と比べても摩擦
係数が低く、耐荷重性が高いなどの特性がある。
は、主鎖中にエーテル結合を多数有しており、分子屈曲
性が大きいため、低圧条件下で以下に示すような優れた
潤滑特性を示す。すなわち、ガラス転移温度が低く、従
って液体温度範囲（凝固点〜沸点）が極めて広い。一
方、化学的にはフッ素の持つ電気吸引効果のために本来
のエーテル性を示さず、耐熱性、耐薬品性、耐酸化性に
優れたものとなる。粘度指数は１５０〜２１０で鉱物油
等に比べ相当優れており、分子量が大きくかつ流動点が
低いため、低温から高温まで非常に低い蒸気圧を示す。
また潤滑特性も良好で、一般的な潤滑油と比べても摩擦
係数が低く、耐荷重性が高いなどの特性がある。
【００１６】パーフルオロポリエーテル油を焼結軸受成
形品に含浸するには、これを単独で軸受成形品に含浸す
ることがこの発明の所期の目的を達成する上で好ましい
が、実用性または経済的観点から、他の潤滑油と配合し
た混成油を含浸することもできる。この場合、パーフル
オロポリエーテル油に配合する他の潤滑油としては、ジ
エステル油、ポリオールエステル油又はポリαオレフィ
ン油等が挙げられる。
形品に含浸するには、これを単独で軸受成形品に含浸す
ることがこの発明の所期の目的を達成する上で好ましい
が、実用性または経済的観点から、他の潤滑油と配合し
た混成油を含浸することもできる。この場合、パーフル
オロポリエーテル油に配合する他の潤滑油としては、ジ
エステル油、ポリオールエステル油又はポリαオレフィ
ン油等が挙げられる。
【００１７】なお、この発明の効果を害しない範囲にお
いて、パーフルオロポリエーテル油または他の潤滑油と
の混成油に対し、ヒンダードフェノール、芳香族アミン
などの酸化防止剤、ポリアルキルメタクリレート、スチ
レン−ジエン共重合体水素化物などの粘度指数向上剤ま
たは高級脂肪酸（オレイン酸、ステアリン酸など）、高
級アルコール（オレイルアルコールなど）その他の油性
向上剤を添加してもよいのはもちろんである。
いて、パーフルオロポリエーテル油または他の潤滑油と
の混成油に対し、ヒンダードフェノール、芳香族アミン
などの酸化防止剤、ポリアルキルメタクリレート、スチ
レン−ジエン共重合体水素化物などの粘度指数向上剤ま
たは高級脂肪酸（オレイン酸、ステアリン酸など）、高
級アルコール（オレイルアルコールなど）その他の油性
向上剤を添加してもよいのはもちろんである。
【００１８】〔実験例〕パーフルオロポリエーテル油
（モンテフロス社製フォンブリンＺ）に、細孔径１〜１
０μｍの焼結銅合金製ブッシュ状滑り軸受成形体を浸漬
し、減圧条件下で軸受成形体の連通気孔内にパーフルオ
ロポリエーテル油を含浸させた。次いで軸受成形体の表
面に付着した余剰の油を清浄な布で取り除いて焼結含油
軸受を得た。
（モンテフロス社製フォンブリンＺ）に、細孔径１〜１
０μｍの焼結銅合金製ブッシュ状滑り軸受成形体を浸漬
し、減圧条件下で軸受成形体の連通気孔内にパーフルオ
ロポリエーテル油を含浸させた。次いで軸受成形体の表
面に付着した余剰の油を清浄な布で取り除いて焼結含油
軸受を得た。
【００１９】得られた軸受を装着した家電用モータを中
真空の雰囲気下で使用したが、蒸発による減量は非常に
少なく、安定した摩擦特性で長寿命であった。
真空の雰囲気下で使用したが、蒸発による減量は非常に
少なく、安定した摩擦特性で長寿命であった。
【００２０】
【効果】この発明は、以上説明したように、蒸気圧の非
常に小さいパーフルオロポリエーテル油を含浸した焼結
含油軸受としたので、低圧の条件下でも摺動面が油膜に
より完全に分離される流体潤滑によって安定して潤滑で
き、真空モータ等に用いられる焼結含油軸受を安定して
優れた潤滑特性のあるものとして長期寿命化を達成でき
る利点がある。
常に小さいパーフルオロポリエーテル油を含浸した焼結
含油軸受としたので、低圧の条件下でも摺動面が油膜に
より完全に分離される流体潤滑によって安定して潤滑で
き、真空モータ等に用いられる焼結含油軸受を安定して
優れた潤滑特性のあるものとして長期寿命化を達成でき
る利点がある。
Claims (1)
- 【請求項１】 焼結した軸受成形品に、パーフルオロポ
リエーテル油を含浸してなる焼結含油軸受。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4340192A JPH05240251A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 焼結含油軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4340192A JPH05240251A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 焼結含油軸受 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05240251A true JPH05240251A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=12662754
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4340192A Pending JPH05240251A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 焼結含油軸受 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05240251A (ja) |
Cited By (24)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1992
- 1992-02-28 JP JP4340192A patent/JPH05240251A/ja active Pending
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