JPH10160183A - 天井埋込み形空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】送風機の機外静圧を容易に、かつ確実に調整で
き、かつ廉価であり、しかも送風機に対するメンテナン
スの容易化を得られる天井埋込み形空気調和機を提供す
る。 【解決手段】一側面に吸込み口体１ｂと、他側面に吹出
し口体１ａを備えたユニット本体１が天井板３内に配置
され、このユニット本体１内に互いに対向して熱交換器
８と送風機７が配置され、ユニット本体の天井板対向面
に、送風機の吹出し風の一部を吸込み側へバイパスし、
このバイパス風の風量を天井板を介して調整可能とした
機外静圧調整部１５を具備した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、天井板内部に配置
される天井埋込み形空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５に示すように、たとえばビルのワン
フロアなどの広い面積に対して冷暖房作用である空気調
和をなす空気調和機が配備される。すなわち、室内ユニ
ットａが天井板ｂ内部に配置される。室内ユニットａに
は、ダクトｃを介してプレナムチャンバｄと各空調空間
部位に配置される吹出しグリルｅが接続される。

【０００３】さらに室内ユニットａには、空気清浄ユニ
ットｆとリターンダクトｇを介して吸込みグリルｈが接
続される。上記空気清浄ユニットｆと、この空気清浄ユ
ニットにｆに連通される空調換気扇ｉは指定装置であ
る。

【０００４】なお、上記室内ユニットａは、冷媒配管ｊ
を介して室外に配置される室外ユニットｋとヒートポン
プ式の冷凍サイクルを構成するよう接続される。室内ユ
ニットａと吹出しグリルｅとは制御部ｍに電気的に接続
され、かつ吹出しグリルｅのみリモコン（遠隔操作盤）
ｎに電気的に接続されてなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、室内ユニッ
トａから各吹出しグリルｅまでのダクトｃの長さが相違
するところから、各ダクトにおけるダクト抵抗が相違す
る反面、空調空気を各吹出しグリルｅから均一な風量で
吹出すよう設定しなければならない。

【０００６】あるいは、店舗の場合で特定の販売商品に
おいては、その商品に適応する風量を確保しなければな
らないことがあり、また配置条件の変更にともなって吹
出しグリルの吹出し風量を変更することも要求される。

【０００７】従来、この種の天井埋込み形空気調和機の
ダクト抵抗に応じた風量調整は、 １） 吹出しダクトｃ内に、調整ダンパを設ける。 ２） 送風機のファン回転数を、ファンのプーリ径を変
えて調整する。 ３） 送風機のファンモータを、インバータあるいは位
相制御器で調速する。 などの方法が採用されている。

【０００８】しかしながらこれらの風量調整方法は、
１）のダンパによる調整では、余剰静圧の１０％程度し
か調整ができないので、コストの割りには得られる効果
が小さい。しかも、ダンパ部では風切り音が発生し易い
ものである。

【０００９】２）のプーリ交換では、手間がかかり、し
かも微調整が困難である。３）のインバータなどを用い
ると高価になり、たとえば初期設定用だけに調整するに
はあまりに高価になる。などの不具合がある。したがっ
て、機外静圧を容易に、かつ確実に調整可能とするとと
もに、廉価に提供でき得る別の新たな方法の開発が要望
されている。

【００１０】一方、この空気調和機は天井板ｂ内部に組
み込まれるものであるから、空気調和機を構成する送風
機に対するメンテナンスが、非常にし難いことが特徴と
なっている。

【００１１】すなわち、長期間の使用にともなって送風
機のファンを構成するブレードに塵埃が静電付着する。
そのまま塵埃の付着を放置すると、塵埃が滞積して層が
厚くなり、ついには吹出し風にのって空調空間へ飛散す
る恐れがある。

【００１２】そこで、所定期間毎に天井板を剥がしてユ
ニット本体を開放し、ここから送風機を取出す。さら
に、この送風機をファンケーシングとファンとに分解し
て、ファンブレードの掃除を行っていたので、手間がか
かっていた。

【００１３】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、機外静圧を容易で、確
実に調整可能とするとともに廉価に提供でき、かつ送風
機に対するメンテナンスの容易化を得られる天井埋込み
形空気調和機を提供しようとするものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記目的を満足するため
の本発明の天井埋込み形空気調和機は、請求項１とし
て、一側面に吸込み口と、他側面に吹出し口を備え、天
井板内に配置される空気調和機本体と、この空気調和機
本体内に収容され、互いに対向して配置される熱交換器
および送風機とを具備した天井埋込み形空気調和機にお
いて、上記空気調和機本体の天井板対向面に設けられ、
上記送風機の吹出し風の一部を吸込み側へバイパスし、
このバイパス風の風量を上記天井板を介して調整可能と
した機外静圧調整部を具備したことを特徴とする。

【００１５】請求項２として、請求項１記載の天井埋込
み形空気調和機において上記送風機は、吸込み部と吹出
し部を備えたファンケーシングと、このファンケーシン
グ内に収容されるファンと、このファンに連結されファ
ンを回転駆動するファンモータとから構成され、上記機
外静圧調整部は、上記送風機のファンケーシング吹出し
部近傍に設けられる開口部と、この開口部に対して開口
量を調整可能な調整板とからなることを特徴とする。

【００１６】請求項３として、請求項２記載の天井埋込
み形空気調和機において上記ファンケーシングに設けら
れる開口部は、その一側部に、機外静圧に合わせた数値
目盛りが記されるスケール部が設けられることを特徴と
する。

【００１７】請求項４として、請求項２記載の天井埋込
み形空気調和機において上記調整板は、ファンケーシン
グに対して着脱自在であり、この調整板に対向する空気
調和機本体部位と、この空気調和機本体部位と対向する
天井板部位は開閉自在としたことを特徴とする。

【００１８】以上のような課題を解決するための手段を
備えることにより、請求項１ないし請求項３の発明で
は、機外静圧を容易に、かつ確実に調整できるととも
に、廉価な提供が可能となり。請求項４の発明では、送
風機に対するメンテナンスが容易になる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。図１および図２に示すような、
天井埋込み形空気調和機である室内ユニットの構成とな
っている。図中１は空気調和機本体であるユニット本体
であり、吊持具を介して梁部材から垂設される。

【００２０】ユニット本体１は、梁部材２とは所定間隔
を存して、梁部材から図示しない吊持具を介して垂設さ
れる天井板３内に収容され、少しの部分も天井板から露
出することはない。このユニット本体１は縦横矩形状に
形成されていて、その両側部にはダクト接続部１ａ，１
ｂが突設される。

【００２１】一方のダクト接続部１ａ（図の左側部）に
は吹出しダクト４が接続され、他方のダクト接続部１ｂ
（図の右側部）には吸込みダクト５が接続される。した
がって、一方のダクト接続部１ａは吹出し口体となり、
他方の接続部１ｂは吸込み口体となる。

【００２２】図２のみ示すように、ユニット本体１の背
面側には電気部品箱６が設けられ、後述する送風機７に
対する電気的な制御をなすための電気部品が収容され
る。ユニット本体１内には、室内熱交換器８と送風機７
とが相対向して配置される。上記室内熱交換器８は、そ
の上端部が、下端部の外側になるよう傾斜して立設され
ていて、下端部はドレン皿９上に配置される。

【００２３】上記送風機７は、側面部に吸込み部１０が
設けられ、周面部に吹出し部１１が設けられるファンケ
ーシング１２と、このファンケーシング１２内に収容さ
れるファン１３と、このファン１３を回転駆動するファ
ンモータ１４とから構成されている。

【００２４】上記吹出し部１１は、ユニット本体１に設
けられる吹出し口体であるダクト接続部１ａに対向して
配置され、ファンモータ１４は一方の吸込み部１０に対
向して配置される。

【００２５】また、上記送風機７を構成するファンケー
シング１２の一部には、後述する機外静圧調整部１５が
設けられる。図３および図４に示すように、ファンケー
シング１２の吹出し部１１手前には矩形状の開口部１６
が設けられる。この開口部１６の幅方向両側部には、ね
じ孔からなる取付け部１７が設けられ、一方の取付け部
１７のさらに側方には、機外静圧の実質的な数値を表す
目盛であるスケール部１８が設けられる。

【００２６】上記開口部１６に対して、この開口量を調
整可能な調整板２０が取付けられる。上記調整板２０も
また矩形状に形成されていて、両側部には上記取付け部
１７と同一のピッチで、かつ図の縦方向に沿って取付け
用長孔２１が設けられる。

【００２７】取付け用長孔２１は、上端部を除いて取付
け部１７の直径とほぼ同一の幅寸法をなし、上端部はこ
れよりも大きな直径の円形をなす、いわゆるダルマ孔状
に形成されるダルマ孔部２１ａとなっている。

【００２８】上記ファンケーシング１２の外面側に調整
板２０を当接し、かつ取付け用長孔２１を取付け部１７
に対向して、この長孔２１を介して取付け部１７に固定
ねじである固定具２２を螺挿することにより、調整板２
０はファンケーシング１２に取付けられる。

【００２９】取付け部１７に対する取付け用長孔２１の
位置を調整することで、開口部１６に対する調整板２０
の上端縁の位置が変動する。すなわち、調整板２０は開
口部１６の開口量を調整可能であり、この開口量は後述
するように機外静圧であって、その数値は上記スケール
部１８に記されている。

【００３０】また、固定具２２を取付けた状態で調整板
２０を同図の下端部まで移動すると、取付け用長孔２１
のダルマ孔部２１ａに固定具２２が対向する。この固定
具２２の頭部直径よりもダルマ孔部２１ａの直径が大に
形成されていて、固定具２２を取外さずに調整板２０の
取外しが可能である。

【００３１】実際には、調整板２０はユニット本体１の
下面に対向するよう水平に配置されているので、上記調
整板２０を水平方向にスライドして、先に述べた作用を
なすことになる。

【００３２】このようにして構成される機外静圧調整部
１５であって、再び図１および図２に示すように、上記
ユニット本体１の機外静圧調整部１５と対向する部位
は、サービス用開口部２３が開口され、このユニット本
体外面側にはサービスパネル２４が回動自在に枢着され
る。

【００３３】すなわち、サービスパネル２４を回動して
サービス用開口部２３を開放すれば、上記機外静圧調整
部１５に対する調整が行えるようになっている。そし
て、サービスパネル２４に対向する天井板３部位には、
化粧パネル２５が開閉自在に取付けられていて、ここを
開放することによりサービスパネル２４に対する取扱い
が可能になる。

【００３４】しかして、天井埋込み形空気調和機の各構
成装置を所定の部位に配置し、作動可能な状態に組立て
たあと、空調空間に特別な事情による室内ユニットの配
置条件や、先に説明した吹出しグリルの配置条件に対応
して、送風機７に対する余剰静圧の初期設定をなす。

【００３５】それには、天井板３に設けられる化粧パネ
ル２５を開放し、ユニット本体１に設けられるサービス
パネル２４を回動して、サービス用開口部２３を開放す
る。そして、これらの開口部から手を差し込んで、送風
機７に設けられる機外静圧調整部１５を調整する。

【００３６】実際には、調整板２０を固定する固定具２
２を緩めて、調整板２０を移動可能な状態とする。そし
て、スケール部１８の設定された数値目盛りに調整板２
０の端縁が合うよう、調整板を移動する。しかる後、固
定具２２を締めて調整板２０を固定し、サービスパネル
２４と化粧パネル２５をそれぞれ閉成すればよい。

【００３７】この状態で送風機７を駆動すると、風がフ
ァンケーシング１２の吹出し部１１から吹出される直前
で、風の一部は機外静圧調整部１５に開口する開口部１
６から吐出される。この開口部１６から吐出される風
は、ファンケーシング１２に開口する吸込み部１０へ直
ちに吸込まれる。

【００３８】すなわち、送風機７から吹出しダクト４へ
吹出される風のほかに、機外静圧調整部１５の開口部１
６と吸込み部１０とをバイパスして循環する風がある。
このバイパス風の風量は、上記機外静圧調整部１５の調
整板２０を移動することにより調整可能であり、いわゆ
る余剰静圧の調整が、容易に、かつ確実に行えることと
なる。

【００３９】しかも、機外静圧調整部１５は、ファンケ
ーシング１２に設けた開口部１６と、この開口部の開口
量を調整する調整板２０および、この調整板を取付ける
固定具２２で構成されるから、廉価に提供できる。

【００４０】また、所定期間毎に送風機７に対するメン
テナンスが必要である。このときは、化粧パネル２５と
サービスパネル２４を開放して機外静圧調整部１５の調
整板２０を覗けるようにする。

【００４１】つぎに、固定具２２を緩めて調整板２０に
設けられるダルマ孔部２１ａが固定具２２に対向するよ
う、調整板２０を移動する。対向した時点で、固定具２
２に対してダルマ孔部２１ａを介挿して、調整板２０を
ファンケーシング１２から取外す。

【００４２】開口部１６からファン１３が露出するの
で、ブラシなどの掃除具をもってファンブレードに付着
する塵埃を除去する。除去したあとは、逆の手順で作業
することによりメンテナンスを終了できる。

【００４３】したがって、従来のようにユニット本体か
ら送風機を取外し、さらに送風機を分解してファンブレ
ードに付着する塵埃を除去する作業と比較して、極めて
容易に行えることとなる。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したように請求項１の発明は、
空気調和機本体の天井板対向面に、上記送風機の吹出し
風の一部を吸込み側へバイパスし、このバイパス風の風
量を上記天井板を介して調整可能とした機外静圧調整部
を設けた。

【００４５】請求項２の発明は、機外静圧調整部は、送
風機のファンケーシング吹出し部近傍に設けられる開口
部と、この開口部に対して開口量を調整可能な調整板と
からなる。

【００４６】請求項３の発明は、ファンケーシングに設
けられる開口部は、その一側部に機外静圧に合わせたス
ケール部が設けられる。したがって請求項１ないし請求
項３の発明によれば、ダクト接続後の余剰静圧である機
外静圧を容易に、かつ確実に調整できるとともに、廉価
な構成で提供できるなどの効果を奏する。

【００４７】請求項４の発明は、調整板はファンケーシ
ングに対して着脱自在であり、調整板に対向する空気調
和機本体部位と、天井板部位は開閉自在としたから、天
井埋込み形でありながら、送風機を取外すことなく、そ
のままの状態でメンテナンスが行え、容易で作業性の向
上を図れるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す、天井埋込み形空
気調和機の概略の縦断面図。

【図２】同実施の形態の、天井埋込み形空気調和機内部
の概略の斜視図。

【図３】同実施の形態の、送風機に設けられる機外静圧
調整部の分解した斜視図。

【図４】同実施の形態の、送風機に設けられる機外静圧
調整部の正面図。

【図５】天井埋込み形空気調和機を備えた空調システム
全体の斜視図。

【符号の説明】

１ｂ…吸込み口体、 １ａ…吹出し口体、 ３…天井板、 １…空気調和機本体（ユニット本体）、 ８…熱交換器、 ７…送風機、 １５…機外静圧調整部、 １０…吸込み部、 １１…吹出し部、 １２…ファンケーシング、 １３…ファン、 １６…開口部、 ２０…調整板、 １８…スケール部、 ２４…サービスパネル、 ２５…化粧パネル。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一側面に吸込み口と、他側面に吹出し口を
   備え、天井板内に配置される空気調和機本体と、 この空気調和機本体内に収容され、互いに対向して配置
   される熱交換器および送風機とを具備した天井埋込み形
   空気調和機において、 上記空気調和機本体の天井板対向面に設けられ、上記送
   風機の吹出し風の一部を吸込み側へバイパスし、このバ
   イパス風の風量を上記天井板を介して調整可能とした機
   外静圧調整部を具備したことを特徴とする天井埋込み形
   空気調和機。
2. 【請求項２】上記送風機は、吸込み部と吹出し部を備え
   たファンケーシングと、このファンケーシング内に収容
   されるファンと、このファンに連結されファンを回転駆
   動するファンモータとから構成され、 上記機外静圧調整部は、上記送風機のファンケーシング
   吹出し部近傍に設けられる開口部と、この開口部に対し
   て開口量を調整可能な調整板とからなることを特徴とす
   る請求項１記載の天井埋込み形空気調和機。
3. 【請求項３】上記ファンケーシングに設けられる開口部
   は、その一側部に、機外静圧に合わせた数値目盛りが記
   されるスケール部が設けられることを特徴とする請求項
   ２記載の天井埋込み形空気調和機。
4. 【請求項４】上記調整板は、ファンケーシングに対して
   着脱自在であり、この調整板に対向する空気調和機本体
   部位と、この空気調和機本体部位と対向する天井板部位
   は開閉自在であることを特徴とする請求項２記載の天井
   埋込み形空気調和機。