JPH10159761A - スクロール型コンプレッサ - Google Patents

スクロール型コンプレッサ

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Publication number
JPH10159761A
JPH10159761A JP8332696A JP33269696A JPH10159761A JP H10159761 A JPH10159761 A JP H10159761A JP 8332696 A JP8332696 A JP 8332696A JP 33269696 A JP33269696 A JP 33269696A JP H10159761 A JPH10159761 A JP H10159761A
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JP
Japan
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drive shaft
balance weight
seal member
hole
shaft
Prior art date
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Application number
JP8332696A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kawai
智 川合
Keisuke Shingu
啓介 新宮
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バランスウェートカバーと駆動軸との間のシ
ール性を向上させる。 【解決手段】 バランスウェートカバーの貫通口の周縁
と対峙する部分に形成された環状溝に、遠心方向に拡径
可能なリング状のシール部材を嵌合させたことによっ
て、該シール部材が駆動軸の回転に伴う遠心力によって
径方向外方へ広がってバランスウェートカバーとの間を
シールすると共に、オイル溜側の圧力がバランスウェー
トカバー内側の圧力よりも高い場合には、この圧力によ
ってシール部材が環状溝の内側壁側へ押圧されるために
駆動軸との間がシールされ、これによってバランスウェ
ートと駆動軸の間を有効にシールすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、密閉ケースの上
部の高圧空間内にオイル溜が形成され、駆動軸に固着さ
れるバランスウェートの回動範囲に囲設されるバランス
ウェートカバーによって、バランスウェートカバーの内
部とオイル溜とを隔絶するようにしたスクロール型コン
プレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール型コンプレッサとし
て、例えば特開平8−189481号公報に開示される
ものは、密閉ケースと、この密閉ケースの上方に形成さ
れ、吐出口と連通する高圧空間と、この高圧空間に配さ
れた駆動手段、例えば、ブラシレスモータと、このブラ
シレスモータのロータに固着される駆動軸と、この駆動
軸を回動自在の保持するブロックと、この駆動軸の下端
端部から軸方向下方へ偏心して突出する偏心軸と、この
偏心軸に装着されると共に、自転を防止されて旋回する
旋回スクロール部材と、この旋回スクロール部材に噛合
して圧縮室を形成すると共に前記ブロックに固定される
固定スクロール部材とによって構成されている。
【0003】さらに、前記高圧空間の下方であってブロ
ックの上面にはオイル溜が形成されており、さらに、前
記バランスウェートの回動空間に囲設されるバランスウ
ェートカバーが取付られる。このバランスウェートカバ
ーは、オイル溜と回動空間とを隔絶して前記オイル溜の
オイルがバランスウェートの回動空間に入り込まないよ
うにするために設けられるものである。また、このバラ
ンスウェートカバーの脚部には、前記圧縮室と連通する
吐出通路が形成され、前記圧縮室で圧縮された気体は、
このバランスウェートカバー内部の回動空間を介して前
記高圧空間に至るものである。また、前記バランスウェ
ートカバーと、このバランスウェートカバーの底部を貫
通する駆動軸との間には、駆動軸の回動を円滑にするよ
うに所定のクリアランスが形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
クロール型コンプレッサにおいては、バランスウェート
の回転による吸引作用や、オイル溜に溜まるオイルの自
重によって、バランスウェートカバーの内部とオイル溜
との間の圧力差が生じた場合、前記クリアランスからバ
ランスウェートカバー内にオイルが流れ込むという不具
合が生じることがある。
【0005】このために、この発明の目的は、バランス
ウェートカバーと駆動軸との間のシール性を向上させた
スクロール型コンプレッサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】したがって、この発明
は、密閉ケースと、この密閉ケースの上方に位置する高
圧空間内に配された駆動手段と、この駆動手段による回
転力を伝達すると共にバランスウェートが固着される駆
動軸と、該駆動軸を回動自在に保持すると共に前記密閉
ケースに固定されるブロックと、前記駆動軸の下端から
該駆動軸に偏心して突出する偏心軸と、この偏心軸に装
着され、自転が防止されて旋回する偏心スクロール部材
と、該偏心スクロール部材に噛合して圧縮室を形成する
と共に、前記ブロックに固定される固定スクロール部材
とを具備し、さらに、前記高圧空間の下方の前記ブロッ
ク上面にオイル溜を有すると共に、前記駆動軸のバラン
スウェートの回動範囲を該オイル溜から隔絶するバラン
スウェートカバーを有し、前記旋回スクロール部材の旋
回に伴って前記圧縮室で圧縮された気体が該バランスウ
ェートカバーの内方を通過して高圧空間に至るスクロー
ル型コンプレッサにおいて、前記バランスウェートカバ
ーに形成された前記駆動軸の貫通口の周縁と対峙する駆
動軸の周囲に環状溝を形成すると共に、該環状溝に、遠
心方向に拡径可能なリング状のシール部材を嵌合させる
こと(請求項1)にある。
【0007】このために、この発明によれば、バランス
ウェートカバーの貫通口の周縁と対峙する部分に形成さ
れた環状溝に、遠心方向に拡径可能なリング状のシール
部材を嵌合させたことによって、該シール部材が駆動軸
の回転に伴う遠心力によって径方向外方へ広がってバラ
ンスウェートカバーとの間をシールすると共に、オイル
溜側の圧力がバランスウェートカバー内側の圧力よりも
高い場合には、この圧力によってシール部材が環状溝の
内側壁側へ押圧されるために駆動軸との間がシールさ
れ、これによってバランスウェートと駆動軸の間を有効
にシールすることができるために、上記課題を達成でき
るものである。
【0008】また、この発明は、前記シール部材を、外
周側面の幅が内周側面の幅よりも広くなるように軸方向
両側面が傾斜すること(請求項2)にある。これによっ
て、オイル溜のオイルによってシール部材の側面に係る
押圧力を、バランスウェートカバー側及び駆動軸との接
触側へ分力することができるので、上記シール力を更に
高めることができる。尚、この場合、シール部材の断面
は、径方向に平行な辺を有する略等脚台形形状と成って
いるが、シール部材の径方向中央側へ円弧状に突出する
半円弧でもよく、また径方向中央側に頂点を有する三角
形形状、或いは多角形状でもよいものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面により説明する。
【0010】図1において、本発明が実施されるスクロ
ール型コンプレッサの一例を示し、以下のこのスクロー
ル型コンプレッサ1について説明する。
【0011】このスクロール型コンプレッサ1は、冷媒
吸入パイプ2が形成された円筒形状のケース3と、この
ケース3の上端を閉塞する上蓋部4と、前記ケース3の
下端を閉塞する底蓋部5とによって形成された密閉ケー
ス6を有し、前記上蓋部4には冷媒吐出パイプ及び駆動
手段としての電動機8に電力を供給するために電源端子
9が設けられている。
【0012】駆動手段としての電動機8は、通常ブラシ
レスモータであり、回転力を伝達する駆動軸10と、こ
の駆動軸10に固着され、その周囲に交互に永久磁石が
配されたロータ11と、このロータ11と対面する位置
に配され、その周囲にコイル12が巻回されたステータ
13とによって構成される。そして、前記ステータ13
に回転磁界を発生させるように前記コイル12に電力を
供給し、前記ロータ11を回転させるようになっている
ものである。
【0013】前記駆動軸10の上端側は、前記密閉ケー
ス6のケース3に固着される支持プレート14にベアリ
ング15を介して回転自在に支持され、前記駆動軸10
の下端側はブロック16の中央を貫通する貫通孔17に
設けられたメイン軸受18によって回転自在に支持され
るものである。また、前記駆動軸10の下端面からは旋
回軸19が偏心して突出し、さらに駆動軸下端面の周縁
部分は、シールリング33を介してブロック16に支持
されている。
【0014】また、前記駆動軸10のロータの下方近傍
には、前記旋回軸19との回転バランスをとるためのバ
ランスウェート21が取付られ、またブロック16の上
端にはこのバランスウェート21を取り囲むようにバラ
ンスウェートカバー22が設けられている。
【0015】このバランスウェートカバー22は、脚部
23と周壁部24によって構成され、さらに前記駆動軸
10が貫通する貫通口22aが周壁部24の底部24a
に形成される。また、前記周壁部24によってバランス
ウェート21の旋回空間25が画成され、さらに脚部2
3には、一端が前記周壁部24の底部24aに開口する
冷媒通路26が形成されている。また、このバランスウ
ェートカバー22は、オイル溜27に収容された潤滑油
がバランスウェート21の回転を阻害しないように設け
られたもので、前記旋回空間25とオイル溜27とを隔
絶しているものである。
【0016】さらに、前記駆動軸10のメイン軸受17
との当接摺動側面28には、螺旋状に立ち上がるスパイ
ラル溝29が少なくとも一つ(図面においては2本)形
成される。また、駆動軸10の下端側面から前記旋回軸
19の下端面にかけてオイル導引孔30が貫通形成され
ている。
【0017】ブロック16は、中央に前記貫通孔18が
形成され、さらに、旋回スクロール部材40に形成の旋
回軸受41が旋回可能な旋回空間31が前記貫通孔18
から連設されている。また、ブロック16の上面には、
オイル溜27と前記貫通孔18の下端部分とを連通する
オイル供給孔32が放射状に形成され、前記貫通孔18
の下端部分は、駆動軸10の下端面、シールリング3
3、及びブロック16によってオイル空間34が画成さ
れる。尚、オイル供給孔32にはフィルタ35が配され
ている。
【0018】旋回スクロール部材40の軸方向の一方の
側面(上側面)には、前記旋回軸19が旋回自在に挿入
される旋回軸受41が延設され、この旋回軸受41に前
記旋回軸19が挿入されることにより、前記旋回軸受4
1内に軸受空間42が画成される。また、前記旋回スク
ロール部材30の下側面には、渦巻き状の溝を形成する
旋回スクロール43が下方へ突出する。この旋回スクロ
ール43は、前記ブロック16に固定される固定スクロ
ール部材50から上方へ突出する渦巻き状の溝を形成す
る固定スクロール53と噛合して圧縮室55を形成す
る。
【0019】また、固定スクロール部材50には、側部
に前記冷媒吸入パイプ2と連通する吸入空間51が形成
され、前記圧縮室55の最外周側端部がこの吸入空間5
1に開口する。また前記圧縮室55の中央側端部は、前
記固定スクロール部材50の中央に軸方向に貫通して形
成された吐出孔52と連通するものである。これによっ
て、前記旋回スクロール部材40が前記固定スクロール
部材50に対して旋回運動を行うことによって、前記圧
縮室55は最外周端部の吸入側から中央側端部の吐出側
にかけて順次容積を減少させて圧縮作用を行うと同時
に、吸入側の容積を増大させて吸入作用を行うものであ
る。尚、旋回スクロール部材40は、旋回スクロール部
材40とブロック16との間に配されたオルダムリング
38によってその自転が防止され、前記固定スクロール
部材50に対して自転をしない旋回運動を行うものであ
る。
【0020】そして、前記圧縮室55において圧縮され
た冷媒は、吐出孔52から吐出側空間56に吐出され、
冷媒通路57から冷媒通路26、さらに前記旋回空間2
5を経て高圧空間39に至り、吐出パイプ7から次ぎな
る工程に送りだされるものである。
【0021】また、前記吐出孔52には、逆止弁60が
挿着される弁挿着空間54が形成され、この弁挿着空間
54の周縁には逆止弁保持部92が挿着される。これに
よって、吐出側空間56から冷媒が逆流した場合、この
弁挿着空間54に挿着された逆止弁60が、前記吐出孔
52を塞ぐことによって、吐出側空間56からの冷媒の
逆流を防止するようになっているものである。
【0022】さらに、前記固定スクロール部材50に
は、前記圧縮室55と前記吐出側空間56とを連通する
バイパス孔58が形成され、リリーフ弁70によって開
閉されるものである。これによって、液圧縮等によって
圧縮室55の圧力が所定以上になった場合、リリーフ弁
71がバイパス孔58を開放し、圧縮室55内の圧力を
吐出側空間56に逃がすようになっている。
【0023】以上の構成のスクロール型コンプレッサ1
において、前記バランスウェートカバー22の貫通口2
2aの周縁に対峙する駆動軸10の周面には、この周面
から所定の幅で前記貫通口22a側へ突出する環状の突
出部10aが形成され、さらにこの突出部10aには、
周面に沿って環状の溝部10bが形成される(図3参
照)。
【0024】さらに、この環状の溝部10bには、図2
に示される環状のシール部材80が嵌合される。この環
状のシール部材80は、テフロン系の材料から成形され
たもので、一部に装着用の切れ目80eが形成される。
この実施の形態においてこの切れ目80eは斜めに形成
されている。また、このシール部材80の径方向の幅
は、前記貫通口22aの内周面と前記駆動軸10の突出
部10aとの間の隙間よりも大きい幅に形成され、シー
ル部材80が拡径し、前記シール部材80の外周側面8
0bが前記貫通孔22aの内周側面に当接した場合でも
前記溝部10bの上側面10cと前記貫通孔22aとの
間シールすることができるものである。尚、前記溝部1
0bの側面部10c及び10dは、前記シール部材80
の側面80c,80dが当接可能なように同様の形状に
形成されているものである。
【0025】また、この実施の形態において、シール部
材80は、外周側面80bの軸方向の幅が、内周側面8
0aの軸方向の幅よりも広くなるように傾斜した軸方向
両側面80c,80dを有する断面が等脚台形となるよ
うな形状に形成されているものである。
【0026】これによって、前記電動機8が稼働し、駆
動軸10が回転すると、旋回スクロール部材40が固定
スクロール部材50に対して自転をしない旋回運動を行
ない、これによって旋回スクロール部材40及び固定ス
クロール部材50によって画成される圧縮室55は外側
から内側にかけて漸次その容積を減少させる圧縮運動を
繰り返すものである。この圧縮運動において、吸入空間
51から冷媒を吸引し、前記圧縮室55にて圧縮した
後、吐出口52から高圧となった冷媒を吐出するもので
ある。この冷媒は、吐出空間56から冷媒通路57,2
6を通過してバランスウェート21の回動空間25から
高圧空間39を通過し、吐出口7から吐出されるもので
ある。
【0027】また、オイル溜27に滞留するオイルは、
オイル供給孔32から、オイル空間34に至り、スパイ
ラル溝29を上昇してオイル溜27に回帰するルート
と、オイル導引孔30から、偏心軸受19、ブロック1
6と旋回スクロール部材40との当接摺動面、さらにオ
ルダムリング38の各部を潤滑しながら吸入空間51に
至り、冷媒と共に圧縮室内55に吸引され、旋回スクロ
ール部材40及び固定スクロール部材50の当接摺動部
分の潤滑とシールを行ない、冷媒と共に吐出空間56か
ら冷媒通路57,26を通過してバランスウェート21
の回動空間25及び高圧空間39に至り、バランスウェ
ート21及びロータ11によって攪拌されると共に、バ
ランスウェートカバー22の周壁部24や密閉ケース6
の内壁に衝突して、冷媒と分離され、オイル溜27に回
帰するルートの2つのルートを循環するものである。
【0028】以上の構成のスクロール型コンプレッサに
おいて、通常、バランスウェートカバー22内の旋回空
間25の圧力と、オイル溜27の圧力とは冷媒の吐出圧
力がかかるために略同一であるが、バランスウェート2
1の回転による吸引作用や、オイル溜27に収容される
オイルの自重による圧力によって圧力差が生じることが
あり、この圧力差によって、バランスウェートカバー2
2の底面部24aに形成された貫通口22aと、駆動軸
10に形成された突出部10aとの間のクリアランスか
らオイル溜27に収容されたオイルが前記旋回空間25
内に流れ出ようとする場合がある。
【0029】この流れでようとするオイルを阻止するた
めに、前述したように、前記駆動軸10の吐出部10a
に、前記溝部10bを形成し、この溝部10bに環状の
シール部材80を装着するものである。これによって、
駆動軸10が回転した場合、前記シール部材80も前記
駆動軸10の回転に追随して回転し、その回転による遠
心力f1 によって拡径し、前記シール部材80が前記貫
通口22aの周縁側面に当接することとなる。またオイ
ル溜27側の圧力が上述した理由によって高くなった場
合には、軸方向下方からオイルの押圧力が働くために、
シール部材80が上方へ付勢されることから、前記溝部
10bの側面10cにシール部材80の上側側面80c
が当接するようになるため、前記貫通口22aと駆動軸
10の突出部10aの間をシールすることができるもの
である。
【0030】尚、シール部材80は、遠心力によって拡
径した場合、切れ目80eの開きは拡径前に比べて大き
くなるが、前記切れ目80eを回転方向に対して下方に
ポンプ作用が働くように傾斜させることによって、オイ
ルの漏れを防止することができるものである。また、切
れ目80eを縦に形成した場合においても、オイルの粘
性、シール部材80が回転している点等からオイルの漏
れはほとんど無視できる程度であることが実験により明
らかである。
【0031】さらに、この環状のシール部材80を、図
3及び図4に示すように、断面が内周側面の幅から外周
側面の幅にかけて漸次幅が広くなるいわゆる等脚台形形
状に形成してもよいものである。
【0032】これによって、このシール部材80には、
図4に示すように、上記記載の駆動軸10の回転よる遠
心力による力f1 、前記クリアランスから吐出しようと
するオイルFによって内周側面80aにかかる力f
2 に、さらに前記クリアランスから吐出しようとするオ
イルFによって傾斜する下側側面80dにかかる力f3
の分力f31、f32が働くことによって、径方向外方へ付
勢される力としてf1 、f2 及びf32の合成された力が
働き、軸方向上方ヘはf31で示される力が働く。尚、f
4 は、拡径したシール部材80の復元力を示すもので、
この復元力f4 は、駆動軸10の回転時には前記遠心方
向にかかる力よりも小さいものであり、駆動軸10の回
転が停止した場合には、前記溝部10b内に収容された
状態となるものである。
【0033】したがって、前述した力の合成によって、
前記シール部材80は、径方向外方に拡径されると共に
軸方向上方へ移動するように付勢される。これによっ
て、シール部材80の外周側面80bは前記貫通口22
aの内周側面と当接し、シール部材80の上側側面80
cは前記溝部10bの上側の傾斜側面10cにその一部
が当接するために、貫通口22及び駆動軸10の突出部
10aとの間をシールすることができるものである。
【0034】尚、前記シール部材80は、オイルの粘性
等により駆動軸10の回転に追随する形で回転するもの
で、この回転により所定の遠心力f1 を得ることができ
るものである。また、この実施の形態において、シール
部材80の断面形状を等脚台形形状としたが、内周側面
から外周側面に向かって漸次幅が広くなるような形状で
あり、前記オイルによる圧力による力が遠心方向及び軸
方向に分力される形状であればよいものであり、例え
ば、半円形状、三角形状、多角形状であってもよいもの
である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、バランスウェートの回動空間に囲設されたバランス
ウェートカバーと駆動軸との間の隙間(クリアランス)
に、駆動軸の回転時に拡径するシール部材を設け、この
シール部材が駆動軸の回転時の遠心力及びバランスウェ
ート内外に生じた圧力差によって前記クリアランスをシ
ールするようにしたことから、オイルがバランスウェー
トカバー内部に流入して冷媒と共に吐出口から外部に吐
出したり、バランスウェートの回転を阻害したりするこ
とを防止できるので、オイル溜のオイル量を確保するこ
とができる、バランスウェートの回転の阻害を防止する
ことができる、さらにシール部材に強い荷重がかからな
いために小さい摩擦でシールを行なうことができるので
電力損失を抑制することができる、等の効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクロール型コンプレッサの概略
断面図である。
【図2】本発明に係るシール部材の斜視図である。
【図3】本発明に係るスクロール型コンプレッサの一部
拡大概略断面図である。
【図4】シール部材に係る力の様子を示した説明図であ
る。
【符号の説明】
1 スクロール型コンプレッサ 8 電動機 11 ロータ 10 駆動軸 10a 突出部 10b 溝部 16 ブロック 21 バランスウェート 22 バランスウェートカバー 25 旋回空間 27 オイル溜 32 偏心軸 39 高圧空間 40 旋回スクロール部材 50 固定スクロール部材 55 圧縮室 80 シール部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ケースと、この密閉ケースの上方に
    位置する高圧空間内に配された駆動手段と、この駆動手
    段による回転力を伝達すると共にバランスウェートが固
    着される駆動軸と、該駆動軸を回動自在に保持すると共
    に前記密閉ケースに固定されるブロックと、前記駆動軸
    の下端から該駆動軸に偏心して突出する偏心軸と、この
    偏心軸に装着され、自転が防止されて旋回する偏心スク
    ロール部材と、該偏心スクロール部材に噛合して圧縮室
    を形成すると共に、前記ブロックに固定される固定スク
    ロール部材とを具備し、さらに、前記高圧空間の下方の
    前記ブロック上面にオイル溜を有すると共に、前記駆動
    軸のバランスウェートの回動範囲を該オイル溜から隔絶
    するバランスウェートカバーを有し、前記旋回スクロー
    ル部材の旋回に伴って前記圧縮室で圧縮された気体が該
    バランスウェートカバーの内方を通過して高圧空間に至
    るスクロール型コンプレッサにおいて、 前記バランスウェートカバーに形成された前記駆動軸の
    貫通口の周縁と対峙する駆動軸の周囲に環状溝を形成す
    ると共に、該環状溝に、遠心方向に拡径可能なリング状
    のシール部材を嵌合させることを特徴とするスクロール
    型コンプレッサ。
  2. 【請求項2】 前記シール部材は、外周側面の幅が内周
    側面の幅よりも広くなるように軸方向両側面が傾斜する
    ことを特徴とする請求項1記載のスクロール型コンプレ
    ッサ。
JP8332696A 1996-11-28 1996-11-28 スクロール型コンプレッサ Pending JPH10159761A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018034268A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 ファナック株式会社 関節構造およびロボット
CN109642570A (zh) * 2016-07-29 2019-04-16 日立江森自控空调有限公司 涡旋压缩机

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