JPH10158537A - 赤色顔料、その製造方法およびそれを用いた化粧料 - Google Patents

赤色顔料、その製造方法およびそれを用いた化粧料

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JPH10158537A JP33143096A JP33143096A JPH10158537A JP H10158537 A JPH10158537 A JP H10158537A JP 33143096 A JP33143096 A JP 33143096A JP 33143096 A JP33143096 A JP 33143096A JP H10158537 A JPH10158537 A JP H10158537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コチニール色素を鮮やかな赤色を呈する状態で
安定的に固定化させた赤色顔料、このものを効率よく製
造する方法及び該赤色顔料を含有するメイクアップ化粧
料を提供する。 【解決手段】アルカリ金属の水酸化物または炭酸塩と水
溶性アルミニウム塩で処理した粉末の硫酸バリウム、酸
化チタン、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、セ
ルロースまたはナイロン樹脂を、アルカリ金属の水酸化
物または炭酸塩と水溶性アルミニウム塩から成る固着促
進剤の存在下で、コチニール色素のレーキ物を微分散さ
せた水性溶媒と接触させることにより、前記赤色顔料を
製造する方法、及び化粧料の基本組成100重量部に対
し、この赤色顔料0.01〜50重量部を配合して成る
メイクアップ化粧料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な赤色顔料、
その製造方法及びその赤色顔料を含有する化粧料に関す
るものである。さらに詳しくいえば、本発明は、コチニ
ール色素を特定の担体に強固に固着させた赤色顔料、そ
れを製造する方法及びその赤色顔料を含有するメイクア
ップ化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、メキシコ、中央アメリカ及び南ア
メリカの砂漠地帯に産するサボテンの類に寄生するエン
ジムシ(Coccus cacti L.)の雌の体内
には赤色の色素「コチニール色素(主成分:カルミン
酸)」が含まれていることが知られている。このコチニ
ール色素は、赤色の色調を安定して保つことが難しく、
鮮やかな赤色を呈する状態で固定化することは、これま
で容易ではなかった。
【0003】一方、粉末状の硫酸バリウム、酸化チタ
ン、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、セルロー
ス及びナイロン樹脂などは、化粧料の体質顔料や白色顔
料として使用されている。
【0004】体質顔料に染料を沈着させた「染め付け顔
料」が知られている。この染め付け顔料は、染料を溶解
した水溶液中に体質顔料を分散させ、これにタンニンと
酒石酸アンチモニルカリウムまたは樹脂セッケンあるい
は金属塩などの沈殿剤を加えることによって、体質顔料
の上に染料を沈着させたものである。しかし、この方法
で染着される染料は、塩基性染料や酸性染料であって、
コチニール色素のような媒染染料ではなく、得られる顔
料の色調は薄く鮮やかなものではない。また、コチニー
ル色素は、カリウムミョウバン(硫酸アルミニウムカリ
ウム)や石灰乳[微粉末の消石灰(水酸化カルシウ
ム)]などの沈殿剤で処理することによって、水に不溶
性のレーキ物となることが知られている。このことか
ら、コチニール色素を溶解した水溶液中に体質顔料や白
色顔料などの担体物質を分散させて、これにカリウムミ
ョウバンなどの沈殿剤を加えれば、コチニール色素は担
体物質に固着することが期待される。しかし、この従来
の方法を応用しても、コチニール色素を鮮やかな赤色を
呈する状態で担体物質に固定化することは困難であり、
その色調は紫色となる。このように、コチニール色素を
鮮やかな赤色を呈する状態で担体物質に安定的に固定化
させてなる赤色顔料は、これまで見出されていないのが
実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、コチニール色素を鮮やかな赤色を呈する
状態で安定的に固定化させて成る赤色顔料とし、このも
のを化粧料成分として用いるようにすることを目的とし
てなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コチニー
ル色素を鮮やかな赤色を呈する状態で安定的に固定化さ
せることについて鋭意研究を重ねた結果、アルカリ金属
の水酸化物または炭酸塩と水溶性アルミニウム塩で処理
した特定の担体物質を、固着促進剤の存在下に、コチニ
ール色素のレーキ物を微分散させた水性溶媒と接触させ
ることにより、コチニール色素は鮮やかな赤色を呈する
状態で、該担体物質に容易にかつ強固に固着することを
見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、粉末状の硫酸バリウ
ム、酸化チタン、タルク、カオリン、マイカ、セリサイ
ト、セルロース及びナイロ樹脂の中から選ばれた担体物
質にコチニール色素を固着させることにより、得られる
顔料の色相がマンセル表色系で5.0RPから10.0
RPの範囲に固定された赤色顔料及び化粧料の基本組成
100重量部に対し、この赤色顔料0.01〜50重量
部を配合したことを特徴とするメイクアップ化粧料を提
供するものである。
【0008】また、本発明に従えば、前記赤色顔料は、
アルカリ金属の水酸化物または炭酸塩と水溶性アルミニ
ウム塩で処理した粉末の硫酸バリウム、酸化チタン、タ
ルク、カオリン、マイカ、セリサイト、セルロースまた
はナイロン樹脂を、さらにアルカリ金属の水酸化物また
は炭酸塩と水溶性アルミニウム塩から成る固着促進剤の
存在下で、コチニール色素のレーキ物を微分散させた水
性溶媒と接触させることにより製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、コチニール色
素を固着させる担体物質として、粉末状の硫酸バリウ
ム、酸化チタン、タルク、カオリン、マイカ、セリサイ
ト、セルロース及びナイロン樹脂の中から選ばれたもの
が用いられる。
【0010】ここで、硫酸バリウムとしては、例えば天
然の重晶石を粉砕し、空気中または水中で比重の違いに
よって分離して得られる平均粒径4〜10μmの「ひ性
硫酸バリウム」、または硫化バリウムの水溶液に硫酸ナ
トリウムを作用させるか、もしくは塩化バリウムの水溶
液に硫酸を作用させることによって沈殿させた平均粒径
0.1〜15μmの「沈降性硫酸バリウム」、あるいは
硫酸バリウムを沈降させる際に、板状結晶を形成させる
ように沈降させた板状径5〜10μm、厚さ0.1〜
0.4μmの「板状硫酸バリウム」,もしくは結晶形を
球状として0.1μmの微細な「球状微粒子硫酸バリウ
ム」などが挙げられる。
【0011】次に、酸化チタン(二酸化チタン)として
は、例えば平均粒径が0.1〜0.5μmのルチル型チ
タン微粉末、アナターゼ型チタン微粉末及び化学的純度
が高くルチル型とアナターゼ型の混合物で粒子が10〜
50nmと非常に微細な超微粒子酸化チタンなどが挙げら
れる。
【0012】次に、タルク、カオリン、マイカ及びセリ
サイトとしては、例えば平均粒子径が3〜15μmのタ
ルク粉末、平均粒子径が0.3〜5μmのカオリン粉
末、平均粒子径が4〜6μmのマイカ及び平均粒子径が
3〜7μmのセリサイト(絹雲母)およびセリサイトを
焼成して粉砕した焼成セリサイト(焼成絹雲母)などが
挙げられる。
【0013】次に、粉末のセルロースとしては、例えば
平均粒子径が5〜40μmの結晶セルロース及び酢酸セ
ルロースを加水分解して得られる平均粒子径が8〜10
μmの微粉末球状セルロースなどが挙げられる。
【0014】そして、粉末のナイロンとしては、例えば
ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン11及びナイロ
ン12などのポリアミド系ポリマー樹脂または繊維を微
粉砕して得られる平均粒子径が1〜40μmのナイロン
パウダー及び真球状に造られた平均粒径が5μm前後の
ナイロン微粒子などが挙げられる。
【0015】本発明においては、前記の粉末状担体物質
は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0016】一方、本発明において用いられるコチニー
ル色素のレーキ物は、アルミニウム、カルシウム又はア
ルミニウムとカルシウムのレーキ物であって、これはコ
チニール色素の水溶液にアルミニウム塩あるいはカルシ
ウム塩もしくはこの両方を加えることによって調製して
もよいし、既にコチニール色素のレーキ物として市販さ
れているものを使用してもよい。市販されているものと
しては、例えばカルミン[(株)マツモト交商及び岩瀬
コスファ(株)]、カルミンレーキ[(株)伊那貿易商
会]、カルミン“サンエイ”[三栄源エフ・エフ・アイ
(株)]などを挙げることができ、それぞれアルミニウ
ム又はカルシウムのレーキ物もしくはアルミニウムとカ
ルシウムのレーキ物である。
【0017】本発明の赤色顔料は、前記の粉末状担体物
質にコチニール色素を強固に固定化させたもであり、そ
の製造方法は、先ず[第1段の前処理工程]において、
前記の粉末状担体物質をアルカリ金属の水酸化物または
炭酸塩と水溶性アルミニウム塩で処理する。次に[第2
段の固着工程]において、固着促進剤の存在下、第1段
で処理した粉末状担体物質をコチニール色素のレーキ物
が微分散している水性溶媒と接触させることにより、所
望の赤色顔料を製造することができる。
【0018】本発明方法における[第1段の前処理工
程]においては、粉末状担体物質の処理剤として、アル
カリ金属の水酸化物または炭酸塩と水溶性アルミニウム
塩が用いられる。ここで、アルカリ金属の水酸化物とし
ては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが
挙げられ、アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。そして、
一方の水溶性アルミニウム塩としては、例えば硫酸アル
ミニウムカリウム・12水和物、硫酸アルミニウムナト
リウム・12水和物、硫酸アルミニウムアンモニウム・
12水和物、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、塩化アルミニウムナトリウムなどが挙
げられる。これらのアルカリ金属の水酸化物または炭酸
塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。また、水溶性アルミニウム塩において
も、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。さらに、アルカリ金属の水酸化物または炭
酸塩と水溶性アルミニウム塩の組み合わせは、自由に選
択して差し支えない。
【0019】この「第一段の前処理工程」の具体的な方
法としては、水溶性アルミニウム塩を溶解した水溶液に
前記の粉末状担体物質を分散させたのち、かき混ぜなが
らアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ金属の炭酸塩
を添加する方法が簡便である。ここで用いられるアルカ
リ金属の水酸化物または炭酸塩は、そのまま徐々に添加
してもよいし、水溶液の形で添加してもよい。この第1
段の処理は、室温で行ってもよいが、40〜80℃程度
の温度で30分ないし1時間程度行うのが有利である。
【0020】この[第1段の前処理工程]で前記粉末状
担体物質を処理するために用いる水溶性アルミニウム塩
の使用量は、担体物質に対して20〜30重量%を使用
し、この水溶液としては、0.3〜3.0%(W/V
%)程度の濃度が適当である。また、ここで添加するア
ルカリ金属の水酸化物または炭酸塩は、担体物質に対し
て1.0〜25.0重量%使用し、これを水溶液にして
用いる場合は、0.5〜5.0%(W/V%)程度の濃
度で使用するのが適当である。
【0021】この[第1段の前処理工程]を行ったの
ち、該粉末状担体物質は、ろ過や遠心分離などの公知の
手段で脱水して取り出され、次の[第2段の固着工程]
に用いられる。
【0022】次に、本発明方法における[第2段の固着
工程]においては、固着促進剤が用いられる。ここで用
いられる固着促進剤は、アルカリ金属の水酸化物または
炭酸塩と水溶性アルミニウム塩から成り、前記[第1段
の前処理工程]で用いられるアルカリ金属の水酸化物ま
たは炭酸塩及び水溶性アルミニウム塩と同様のものが用
いられる.この[第2段の固着工程]においてもアルカ
リ金属の水酸化物または炭酸塩及び水溶性アルミニウム
塩は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。さらに、前記[第1段の前処理
工程]とこの[第2段の固着工程]では、異なるアルカ
リ金属の水酸化物または炭酸塩及び水溶性アルミニウム
塩を用いてもよい。
【0023】また、この[第2段の固着工程]における
水性溶媒としては、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が
好適である。この水溶性有機溶剤として、例えばメチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
イソプロピルアルコールなどのアルコールが好ましく、
これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。また、水と水溶性有機溶剤との混合割合
は、水1容積に対し、水溶性有機溶剤が0.1〜0.6
容量部が適当である。
【0024】次にコチニール色素の使用量は、レーキ物
として第1段で処理した該粉末状担体物質に対して、1
重量%〜80重量%の範囲で任意に選択することがで
き、これを該担体物質に固着させることができる。
【0025】この[第2段の固着工程]の具体的な方法
としては、先ず水性溶媒にコチニール色素のレーキ物を
加え、ホモディスパーまたはホモミキサーなどの高速分
散機を用いて高速撹拌し、コチニール色素のレーキ物を
微分散する。そして、これに第1段で処理した粉末状担
体物質を撹拌しながら加えて分散させ、固着促進剤とし
てアルカリ金属の水酸化物または炭酸塩と水溶性アルミ
ニウム塩を添加する方法が簡便である。ここで水性溶媒
中に微分散されるコチニール色素のレーキ物は、0.1
〜3.0%(W/V%)程度の濃度に調製される。ま
た、ここで用いられるアルカリ金属の水酸化物または炭
酸塩及び水溶性アルミニウム塩は、そのまま徐々に添加
してもよいが、それぞれ水に溶解して用いることが好ま
しい。また、この第2段の固着工程は、室温で行っても
よいが、40〜60℃程度の温度で30分ないし1時間
程度おこなうのが有利である。
【0026】この[第2段の固着工程]において、固着
処理剤として用いられるアルカリ金属の水酸化物または
炭酸塩は、第1段で処理した該粉末状担体物質に対して
0.2〜8.0重量%使用し、また水溶性アルミニウム
塩は、第1段で処理した該粉末状担体物質に対して0.
2〜20.0重量%を使用する。また、これらを水溶液
にして用いる場合は、それぞれ0.2〜5.0%(W/
V%)程度の濃度で使用するのが適当である。
【0027】このようにして、コチニール色素のレーキ
物が微分散して赤色を呈していた水性溶媒は、固着処理
が進むにしたがい無色透明となり、前記の粉末状担体物
質に、コチニール色素が鮮やかな赤色を呈する状態で強
固に固着される。固着処理後、色素が固着し固定化した
担体を、ろ過や遠心分離などの公知の手段で取り出し、
乾燥したのち、必要ならば粉砕(解砕)処理することに
より、所望の堅牢度に優れた微粉末状の色相がマンセル
表色系で5.0RPから10.0RPの赤色顔料が得ら
れる。
【0028】コチニール色素は、食品の着色料などにも
使用されており、また前記の粉末状担体物質は、それぞ
れ安全性が高く、該担体物質にコチニール色素を固着さ
せた本発明の赤色顔料は、化粧料の着色料として極めて
好適に用いることができる。
【0029】本発明のメイクアップ化粧料は、前記赤色
顔料を着色剤として配合したものであり、その配合量
は、化粧料の基本組成100重量部に対し、0.01〜
50重量部の範囲で選ばれる。この赤色顔料の最適な配
合量は、化粧料の種類に応じて、前記範囲で選ばれる。
【0030】本発明のメイクアップ化粧料における基本
組成としては、特に制限はなく、従来各種メイクアップ
化粧料、例えばアイシャドウ、ほほ紅、ファンデーショ
ン、口紅、美爪料などに慣用されている基本組成を挙げ
ることができる。また、本発明のメイクアップ化粧料に
は、必要に応じ、無機顔料や有機顔料などの他の着色剤
を適宜配合してもよい。本発明のメイクアップ化粧料の
調製方法については特に制限はなく、従来メイクアップ
化粧料の調製に慣用されている方法を用いることができ
る。
【0031】
【発明の効果】本発明の赤色顔料は、特定の粉末状担体
物質に、コチニール色素を深赤色から濃色の鮮やかな赤
色を呈する状態で強固に固着させたものであって、水や
水溶性の有機溶剤が存在する条件下でも固着した色素は
溶出せず、皮膚への伸展性に優れ、化粧料などの着色剤
として好適に用いられる。また、本発明のメイクアップ
化粧料は前記赤色顔料を含有するのもであって、鮮やか
な色調をもち、かつ肌への付着性と、のびやなじみなど
の良好な使用感を持つものであり、例えばアイシャド
ウ、ほほ紅、ファンデーション、口紅、美爪料などとし
て好適に用いられる。
【0032】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって限定されるもの
ではない。なお、得られた顔料の物性は次のようにして
求めた。 (1)外観 目視観察による。 (2)色相H、明度V、彩度C 積分球を用いた分光光度計[日本分光工業(株)製、分
光光度計「Ubest50」]によって、波長380〜
780nmの反射スペクトル測定し、C光源(青空を含
む昼光)を標準光源とし、国際照明委員会(CIE)の
定めた2度視野に基づく表色系に従ってマンセル座標を
求める色彩計算プログラム[日本分光工業(株)製、T
SV−433型色彩計算プログラム]を用いて測定し
た。なお、Rは赤の色相領域、Pは紫の色相領域、Bは
青の色相領域、Yは黄の色相領域を表す。 (3)色素溶出性試験 調製された顔料0.5gを試験管に採り、エタノールと
水との容量比1:9の混合物10mlを加え、室温で3
0分間振とうしたのち、放置し、上澄液の着色状態を目
視により観察して、色素の溶出性を確認した。
【0033】実施例1 (1) 精製水600mlに硫酸アルミニウムカリウム
・12水和物10gを加えて溶解し、次いでかき混ぜな
がら、これに硫酸バリウム粉末[堺化学工業(株)製:
板状硫酸バリウム「板状硫酸バリウムH」、純度98
%、粒径5〜10μm×0.2μm、メジアン径7.4
16μm]10gを投入し分散させ、この水溶液の温度
を50℃に昇温し、撹拌を続けながら1%(W/V%)
水酸化カリウム水溶液50mlを加えて、さらに50℃
で30分間かき混ぜた。その後、硫酸バリウム粉末をろ
過して取り出し、風乾した。 (2) 精製水480mlにエチルアルコール120m
lを加えて水性溶媒とし、これにコチニール色素のアル
ミニウム・カルシウム・レーキ[三栄源エフ・エフ・ア
イ(株)製:カルミン“サンエイ”]6gを加え、これ
をホモディスパーを用い回転数を5,000回転(R/
M)にセットし10分間高速回転させ微分散させて染浴
を調製した。次い染浴を撹拌しながら、これに(1)で
調製した硫酸バリウム粉末の全量を投入し分散させ、染
浴の温度を50℃に昇温し、撹拌を続けながら固着促進
剤として0.6%(W/V%)硫酸アルミニウムカリウ
ム・12水和物水溶液90mlを滴下し、次いで1%
(W/V%)水酸化カリウム水溶液8mlを滴下して、
さらに50℃で1時間かき混ぜた。その後、赤色化した
硫酸バリウム粉末をろ別し、50℃で乾燥し、乳鉢で粉
砕して深赤色の外観を有する微粉末状の顔料9.9gを
得た。ろ液は無色透明であり、pHは5であった。ま
た、50℃で乾燥したにもかかわらず、強固に固着され
たコチニール色素は退色せず鮮やかな深赤色を呈してお
り、得られた顔料は耐熱性に優れていることが確認され
た。このようにして得られた赤色顔料の分光反射スペク
トルを図1に示す。また、このスペクトルから求められ
た色相Hは8.4RP(紫味を帯びた赤色)、明度Vは
4.4、彩度Cは6.6であった。さらに色素溶解性試
験の結果、得られた顔料から色素の溶出は全くなく、良
好であった。
【0034】比較例 実施例1におけるコチニール色素のアルミニウム・カル
シウム・レーキ6gの代わりにレーキ化されていないエ
ンジムシの乾燥虫体から抽出したコチニール色素[アル
プス薬品工業(株)製“コチニール末”:色価E:54
4.1(10%、1cm、吸収波長495nm)]3g
を用いた以外は、全く実施例1と同様にして顔料の製造
を行った。このようにして得られた顔料は、“くすみ
(濁った)”のある紫色を呈していた。この分光反射ス
ペクトルを図2に示す。また、このスペクトルから求め
られた色相Hは8.6P(紫色)、明度Vは4.2、彩
度Cは3.8であった。さらに色素溶解性試験の結果、
得られた顔料から赤色の色素が多量に溶出した。このよ
うに、レーキ化されていないコチニール色素では、赤色
の顔料を得ることが出来ず、また固定化することもでき
ないことが確認された。
【0035】実施例2〜8 担体物質として粉末状の酸化チタン(実施例2)、タル
ク(実施例3)、カオリン(実施例4)、マイカ(実施
例5)、セリサイト(実施例6)、セルロース(実施例
7)及びナイロン樹脂(実施例8)を用い、コチニール
色素のレーキ物としてアルミニウム・カルシウム・レー
キ[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製:カルミン“サン
エイ”]を用いて、表1〜4に示す条件で実施例1と同
様にして実施し、鮮やかな深赤色を呈した顔料をそれぞ
れ得た。実施例2〜8で得られた顔料の分光反射スペク
トルを図3(実施例2)、図4(実施例3)、図5(実
施例4)、図6(実施例5)、図7(実施例6)、図8
(実施例7)及び図9(実施例8)に示す。また、これ
らの実施例によって得られた顔料の各色素溶解性試験の
結果は、全て良好であり、得られた各顔料からは色素の
溶出が全くなかった。なお、表1〜4中に記載した、酸
化チタンは石原産業(株)製:超微粒子酸化チタン「T
TO−55(A)(平均粒子径0.04μm)」を示
し、タルクは東色ピグメント(株)製:「タルクS(平
均粒子径18μm)」を示し、カオリンは東色ピグメン
ト(株)製:「カオリンA(平均粒子径0.5μm)」
を示し、マイカは東色ピグメント(株)製:「マイカM
(平均粒子径20μm)」を示し、セリサイトは東色ピ
グメント(株)製:「セリサイトJ(平均粒子径4.3
μm)」を示し、セルロースはチッソ(株)製:球状セ
ルロース「セルフローC−25(平均粒子径8〜10μ
m)」を示し、ナイロン樹脂は東レ(株)製:真球状ナ
イロン微粒子「SP−500(平均粒子径5μm)」を
示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】[化粧料の製造] 実施例9 口紅の製造 (A)成分 実施例1の赤色顔料 7重量部 ヒマシ油 45重量部 (B)成分 キャンデリラロウ 9重量部 固形パラフィン 8重量部 ミツロウ 5重量部 カルナウバロウ 5重量部 ラノリン 11重量部 イソプロピルミリステート 10重量部 前記(A)成分を三本ローラーで混練りし、これを
(B)成分の溶解混合物中に添加して再度三本ローラー
で混練りしたのち、再溶解して金型に流し込み、冷却し
て口紅を得た。本発明の赤色顔料は分散性も良好で、得
られた口紅の色調、付着性、伸び、触感は極めて良好で
あった。
【0041】 実施例10 口紅の製造 (A)成分 実施例2の赤色顔料 7重量部 ヒマシ油 45重量部 (B)成分 キャンデリラロウ 9重量部 固形パラフィン 8重量部 ミツロウ 5重量部 カルナウバロウ 5重量部 ラノリン 11重量部 イソプロピルミリステート 10重量部 前記(A)成分を三本ローラーで混練りし、これを
(B)成分の溶解混合物中に添加して再度三本ローラー
で混練りしたのち、再溶解して金型に流し込み、冷却し
て口紅を得た。本発明の赤色顔料は分散性も良好で、得
られた口紅の色調、付着性、伸び、触感は極めて良好で
あった。
【0042】 実施例11 ほほ紅の製造 (A)成分 実施例1の赤色顔料 3重量部 タルク 80重量部 カオリン 9重量部 ミリスチン酸亜鉛 5重量部 (B)成分 流動パラフィン 3重量部 前記(A)成分をブレンダーでよくかき混ぜて混合し、
そこに(B)成分を噴霧し、さらにブレンダーでかき混
ぜて混合し、粉砕機で処理したのち、金型に打型してほ
ほ紅を得た。得られたほほ紅の色調、付着性、伸び、触
感及び耐水性(耐汗性)は極めて良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた赤色顔料の分光反射スペク
トル図。
【図2】比較例で得られた紫色顔料の分光反射スペクト
ル図。
【図3】実施例2で得られた赤色顔料の分光反射スペク
トル図。
【図4】実施例3で得られた赤色顔料の分光反射スペク
トル図。
【図5】実施例4で得られた赤色顔料の分光反射スペク
トル図。
【図6】実施例5で得られた赤色顔料の分光反射スペク
トル図。
【図7】実施例6で得られた赤色顔料の分光反射スペク
トル図。
【図8】実施例7で得られた赤色顔料の分光反射スペク
トル図。
【図9】実施例8で得られた赤色顔料の分光反射スペク
トル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 裕子 神奈川県厚木市上荻野5396番地2 デン マテリアル株式会社色材科学研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末状の硫酸バリウム、酸化チタン、タル
    ク、カオリン、マイカ、セリサイト、セルロース及びナ
    イロン樹脂の中から選ばれた担体物質にコチニール色素
    を固着させることにより、得られる顔料の色相がマンセ
    ル表色系で5.0RPから10.0RPの範囲に固定さ
    れた赤色顔料。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属の水酸化物または炭酸塩と
    水溶性アルミニウム塩で処理した粉末の硫酸バリウム、
    酸化チタン、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、
    セルロースまたはナイロン樹脂を、アルカリ金属の水酸
    化物または炭酸塩と水溶性アルミニウム塩から成る固着
    促進剤の存在下で、コチニール色素のレーキ物を微分散
    させた水性溶媒と接触させることを特徴とする赤色顔料
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 コチニール色素のレーキ物がアルミニウ
    ム、カルシウムまたはアルミニウムとカルシウムのレー
    キ物である請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水性溶媒が水とアルコールの混合溶媒で
    ある請求項2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 化粧料の基本組成100重量部に対し、
    請求項1記載の赤色顔料0.01〜50重量部を配合し
    たことを特徴とするメイクアップ化粧料。
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