JPH1015127A

JPH1015127A - パターヘッド

Info

Publication number: JPH1015127A
Application number: JP8193876A
Authority: JP
Inventors: Norio Sumitomo; 教郎住友
Original assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date: 1996-07-03
Filing date: 1996-07-03
Publication date: 1998-01-20
Anticipated expiration: 2016-07-03
Also published as: JP3143588B2

Abstract

(57)【要約】【課題】パターの打球感を改善し、距離感を出し易く
する。【解決手段】フェース面１の壁肉厚Ｔを、 0.5mm〜
2.0mmと薄くする。ヘッド背面６の周囲には突隆部を残
す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブとし
てのパター用の金属製ヘッドに関する。

【０００２】

【発明の背景】ゴルフクラブの中で、パターは他のウッ
ドやアイアンとは異なった機能が要求される。即ち、飛
距離と方向性が重視される（パター以外の）他のクラブ
に対して、パターの場合は、方向性と共に“微妙な距離
感の出し易さ”が非常に重要である。

【０００３】グリーン上において最もよくみられ、かつ
プレーヤーに大きなショックと動揺を与えるミスが、い
わゆる「スリーパット」をはじめとする３打以上をパッ
ティングに費やしてしまうことである。そしてこのミス
の最大の原因は、ファーストパットの距離感が合わない
ためであるといえる。

【０００４】パッティングの距離感を合わすためには、
非常に繊細な感覚を必要とするが、この感覚を創出する
のに欠かせないのが“ソフトな打球感”である。

【０００５】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】そのた
めに、最近、パターヘッドの素材として比較的柔らかい
アルミ系の金属を使用したパターが開発され、注目を集
めているが、充分な効果があがっていない。その原因の
ひとつとして、アルミヘッドの場合、素材の比重が非常
に小さいため、ヘッド重量を確保するため、ヘッド体積
を大きくする必要から、いわゆるマレットタイプ（カマ
ボコ型）と呼ばれる形状のものが多く、打球面の肉厚が
大であったためと考えられる（図７と図８参照）。

【０００６】また、金属製パターのフェース面（打球部
位）に、軟質の樹脂を埋め込んで、ソフトな打球感を得
ようとしたパターも提案されているが、異種素材を埋め
込む構造のため、製作に手間とコストを要し、かつ、樹
脂の部分は傷が付き易く、耐久性に劣るという問題、及
び、温度変化による変形等の問題もあった。

【０００７】さらに、近年の傾向として、使用するボー
ルに関しては、従来の糸巻き構造のものから、ツーピー
ス構造のものに変更するプレーヤーが多くなりつつある
が、ツーピースボールは糸巻きボールに比べて、打球感
が硬く、フィーリングが出しにくいものが多く、プレー
ヤーはパッティングで距離感を合わせることが一層困難
となっていた。

【０００８】本発明の目的は、このような従来の問題を
解決して、打球感を改善し、微妙な距離感を出し易いパ
ターを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係るパ
ターヘッドは、フェース面の少なくとも一部の壁肉厚
を、 0.5mm〜 2.0mmに設定した。

【００１０】また、ヘッド背面側の中央部に凹窪部を形
成して、フェース面の中央部の壁肉厚を、 0.5mm〜 2.0
mmに設定した。

【００１１】また、全体がブロック型であって、フェー
ス面から 0.5mm〜 2.0mmの後方にスリット部を切欠形成
して、フェース面の少なくとも一部の壁肉厚が、 0.5mm
〜 2.0mmであるように形成した。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態に基づき
本発明を詳説する。

【００１３】図１は本発明の実施の一形態を示す金属製
パターヘッドの背面（裏面）図であって、図２又は図３
はそのＡ−Ａ断面図である。この図１と図２，図３に於
て、フェース面１の中央部の壁肉厚Ｔを、 0.5mm〜 2.0
mmとして、（従来よりも十分に）薄肉に形成する。

【００１４】２はヘッド本体部であり、トウ３とヒール
４を除く中央部に凹窪部５を（ヘッド背面６側に於て）
形成し、フェース面１の中央部の壁肉厚Ｔを、薄く形成
している。つまり、ヘッド背面６側では、凹窪部５は上
下左右の突隆壁部に包囲形成されている。特に、ソール
７側は十分な厚さとして後方へ突出している。

【００１５】なお、図２は壁肉厚Ｔが約２mmの場合、図
３は約 0.5mmの場合を示している。上述の図１〜図３の
形状では、その材質は、ステンレス鋼、軟鋼、チタン、
その他の金属とする。

【００１６】次に、図４と図５は本発明の実施の他の形
態を示し、パターヘッド全体がカマボコ型等のブロック
型であって、フェース面１から、 0.5mm〜 2.0mmの後方
に、上下に開口するスリット部８を切欠形成して、フェ
ース面１の少なくとも中央部の壁肉厚Ｔを、 0.5mm〜
2.0mmに形成する。

【００１７】即ち、シャフト９が連結されるヒール４
側、及び、（先端の）トウ３側を残して、左右方向に十
分な幅寸法で、かつ、間隔寸法が、 1.0mm〜 7.0mmのス
リット部８を切欠形成する。

【００１８】特に、アルミニウムやアルミ合金等の軽金
属製の場合に、パターヘッド全体の重量を確保しつつ、
フェース面１の壁肉厚Ｔを十分に薄く製作できて、外観
上も異和感のない形状となる利点がある。

【００１９】なお、このスリット部８を上下一方側にの
み開口させるも好ましい（図示省略）。また、図４に於
て、トウ３とヒール４でのみフェース面１の肉薄壁が後
方残部と連結されているが、左右中間で部分的に、リブ
状に連結を追加しても良い（図示省略）。

【００２０】なお、上述の（図１〜図５の）いずれの実
施の形態に於ても、壁肉厚Ｔが 0.5mm未満では、強度が
不足して、打球時の衝撃で破損する虞があり、逆に、
2.0mmを越えると、ソフトな打球感が損なわれ、かつ、
微妙な距離感を出し難くなる。

【００２１】ところで、パター以外のクラブの場合、打
球時の衝撃が大きいので打球面の強度的に肉厚をそれほ
ど薄くすることはできず、例えばアイアンヘッドで用い
られるステンレスや軟鉄等の金属の場合でも 2.5mm以上
の肉厚が必要である。しかしながら幸いにして、パター
の場合はこれらのクラブに比べて打球時のヘッドスピー
ドが格段に遅いので、従来品のヘッド素材と同じである
ステンレスや軟鉄、アルミ等の素材で肉厚を薄くしても
強度的に充分耐えることができた。

【００２２】

【実施例】次に、本発明の実施例を、従来例と共に、表
１に示す。

【００２３】

【表１】

【００２４】ここで、従来例１は図６に示した形状であ
り肉厚Ｔが 3.0mmであり、従来例２は図７と図８に示し
たカマボコ型であって、肉厚Ｔ′が50.0mmと大きいもの
である。従来例３は図６に示した形状であって肉厚Ｔが
5.0mmのものである。

【００２５】また、実施例１〜４については、全て基本
形状が図１と同様であり、素材及びフェース面の壁肉厚
Ｔを変化させたものであって、実施例１と実施例３は図
２に対応し、実施例２と実施例４は図３に対応する。さ
らに、実施例５は図４と図５に示した形状のものであ
る。

【００２６】上記表１に於て、「打球感評価」とは、テ
スターとしてハンディキャップ５〜25の10名のゴルファ
ーを選び、打球感の柔らかさを５点満点で評価させた点
数の平均値である（５点が最良を示す）。他方、距離感
評価については、同じく10名のテスターに、グリーン上
の、カップから15ｍ〜20ｍの地点５ケ所から各１回ず
つ、練習無しでパッティングを行ってもらい、残り距離
の平均値が、１ｍ未満ならば５点、 1.0ｍ〜 1.5ｍなら
ば４点、以下、 0.5ｍ毎に３点、２点、１点とし、３ｍ
以上残った場合は０点としたときのテスター10名分の全
点数の平均値を示す。

【００２７】上記表１から次のことが分かる。従来例１
は、従来品としては最も肉厚Ｔの薄いタイプであるが、
これに対し、実施例１では、同じヘッド素材でも肉厚Ｔ
を薄くすることで、打球感評価及び距離感評価がいずれ
も著しく向上している。

【００２８】また、実施例２のようにさらに肉厚Ｔを減
少して 0.5mmとすることで、各評価は更に良くなってい
ることが分かる。

【００２９】従来例３と実施例３，４との比較でも、同
様の結果が得られ、フェース面の壁肉厚Ｔの減少によっ
て、打球時のフィーリングが柔らかくなり、距離感が合
わせ易くなっている。

【００３０】実施例５は、従来例２と比較すれば明白な
如く、スリット部８によって肉厚Ｔを減少することで、
打球感・距離感が向上していることが分かる。

【００３１】なお、いずれの金属の場合も、肉厚Ｔを
0.5mm未満にすると、強度が不足して、打球時の衝撃で
破損してしまった。

【００３２】また、実施例１〜５のいずれについても、
従来からの製法にて、容易に製作できる。即ち、実施例
１，２は鋳造、実施例３，４は鍛造、実施例５はインゴ
ットからの削り出しによって製造したが、従来の方法と
何ら変わらず製作でき、かつコストも従来と大差ない。

【００３３】

【発明の効果】本発明は上述の構成にて次のような著大
な効果を奏する。

【００３４】（請求項１，２又は３によれば、）打
球感が柔らかくなり（ソフトなフィーリングとなり）、
パッティングの距離感が合わせ易い。また、製造は従来
と変わらず容易であり、コストも（ほとんど）アップし
ない。

【００３５】（請求項２によれば、）フェース面の
周縁の強度と剛性が適度に維持され、慣性モーメントも
大きくて打球時のフィーリングが良好である。

【００３６】（請求項３によれば、）従来のカマボ
コ型のパターヘッドの重量が維持可能であり、かつ、外
観上も異和感が無い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態を示す背面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】図２に代わる他の実施例の断面図である。

【図４】本発明の実施の他の形態を示す正面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ断面図である。

【図６】従来例を示す背面図である。

【図７】従来例を示す正面図である。

【図８】図７のＤ−Ｄ断面図である。

【符号の説明】

１フェース面５凹窪部６ヘッド背面８スリット部Ｔ（壁）肉厚

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フェース面１の少なくとも一部の壁肉厚
Ｔを、 0.5mm〜 2.0mmに設定したことを特徴とするパタ
ーヘッド。
【請求項２】ヘッド背面６側の中央部に凹窪部５を形
成して、フェース面１の中央部の壁肉厚Ｔを、 0.5mm〜
2.0mmに設定したことを特徴とするパターヘッド。
【請求項３】全体がブロック型であって、フェース面
１から 0.5mm〜 2.0mmの後方にスリット部８を切欠形成
して、フェース面１の少なくとも一部の壁肉厚Ｔが、
0.5mm〜 2.0mmであるように形成したことを特徴とする
パターヘッド。