JPH10151133A - 医用画像診断装置 - Google Patents
医用画像診断装置Info
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- JPH10151133A JPH10151133A JP31082096A JP31082096A JPH10151133A JP H10151133 A JPH10151133 A JP H10151133A JP 31082096 A JP31082096 A JP 31082096A JP 31082096 A JP31082096 A JP 31082096A JP H10151133 A JPH10151133 A JP H10151133A
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Abstract
した部位を追従させ、高精度で高信頼性の生体計測を可
能にし、かつ操作上の労力を著しく軽減する。 【解決手段】被検体内の断面を超音波信号でスキャンし
て得た時系列の複数フレーム分の画像データを記憶する
手段15、17、41、任意フレームの画像データを表
示する手段5、15、16、41、画像上の参照部位の
運動情報を得る手段13、15、41、画像上に計測用
ROI(関心領域)を設定する手段20、41、42、
参照部位の運動情報に基づいて残りフレームの画像デー
タに対する前記ROIの位置の移動量を演算する手段1
9、41、この移動量を用いて残りフレームの画像デー
タの表示像上の前記ROIの位置を制御する手段20、
41、前記ROI内の画像データによる生体情報を計測
する手段18、41を備える。
Description
を時系列に超音波スキャンして得られた画像上にROI
を設定し、ROI内の生体計測情報を得るようにした医
用画像診断装置に係り、とくに、ROIの時系列的な移
動制御に関する。なお、この医用画像診断装置は、かか
る生体計測の機能を備えた超音波診断装置として形成さ
れることも多い。
画像など種々の形態の超音波画像が豊富に得られてお
り、この超音波画像を用いて画像診断を行うときに、そ
の画像情報の定量計測に対する重要性が増してきてい
る。この計測項目には例えば、生体の血流情報、画像信
号強度(輝度)、面積、容積など、種々のものがある。
項目の時間変化を観測することが多い。そのような場
合、画像全体を計測対象とすることは殆どなく、画像上
の関心のある特定領域を指示して、この特定領域の生体
情報の時間変化を観測・計測している。この特定領域を
指示するには、通常、画像上にROI(re- gion of in
terest:関心領域)を設定している。
の超音波診断装置により最初に被検体のBモード断層像
のフレーム毎の時系列画像データが得られ、この画像デ
ータが医用画像診断装置のイメージメモリに格納され
る。検査者は、この時系列の画像データのの内の関心時
相範囲(period of interest:POI)の画像データを
指示するとともに、生体計測用のROIをあるフレーム
の画像上に設定する。関心時相範囲の時系列の画像デー
タは適宜なフレームレートでモニタに表示されるととも
に、その各フレームの画像データについてROI内の画
像データに基づき生体情報(例えばタイムデンシティカ
ーブに供する輝度変化情報)が時系列に演算される。
た従来の生体計測法を実施する画像診断においては、画
像上に設定したROIの位置はモニタ画面上では固定で
あるものの、組織の運動(心筋の収縮や拡張)に因って
表示対象そのものの位置が相対的に移動することから、
画像の更新に伴って、ROIの位置が検査者が最初に意
図した表示対象上の特定場所からずれてしまうという事
態が頻発している。このような事態が発生すると、RO
I内の画像データに基づく時系列の生体情報を正確に測
定することができないか、または、計測結果に対する信
頼性が非常に低いものになってしまう。
するならば、その1つの対応策として、関心時相範囲の
フレーム毎にROIの位置をマニュアルで修正する必要
がある。しかし、これには、表示フレームのフリーズや
ROI移動のためのマウス操作を修正フレーム毎に繰り
返す必要があり、その操作量は画像診断にとって大きな
ウエイトを占め、かつ操作を繁雑化させてしまう。この
ため、操作時間が長期化し、すなわち画像診断の時間が
長くなって、画像診断のスループットが低下するととも
に、検査者(操作者)の操作上の労力も著しく大きくな
る。また、ROIの位置をマニュアルで修正するので、
修正し忘れのフレームが生じ易いことなどの理由から、
計測結果に対する信頼性も不十分であった。反対に、信
頼性の高い計測を行おうとすると、かかるマニュアル修
正に相当の熟練を要し、これがため操作者の適格性の面
で融通性に欠けるという問題もあった。
的な方法としては、生体計測用のROIの位置ずれを見
越して、ROIを予め広く設定しておくことが考えられ
る。しかし、そのように広く設定することは、格別に関
心な無い部位も予めROIに含んでしまう妥協的な部位
設定となり、計測結果の信頼性および精度の両面で物足
りないという問題がある。
問題に鑑みてなされたもので、とくに、組織運動があっ
ても、生体計測用のROIを精度良く最初に意図した部
位に追従させることができ、これにより、高精度で高信
頼性の生体計測が可能になるとともに、操作上の労力を
著しく軽減できる画像診断装置を提供することを、その
目的とする。
め、本発明の一つの態様に係る医用画像診断装置は、被
検体内の断面を超音波信号でスキャンして得た時系列の
複数フレーム分の画像データに基づき、この画像データ
による画像上に設定したROI(関心領域)の生体情報
を計測する装置であり、前記画像上の参照部位の運動情
報を得る運動情報取得手段と、前記運動情報に基づいて
フレーム毎の前記ROIの位置の移動量を演算する移動
量演算手段と、この移動量演算手段により演算された移
動量を用いてフレーム毎の前記ROIの位置を制御する
位置制御手段とを備えたことを特徴とする。
断装置は、被検体内の断面を超音波信号でスキャンして
得た時系列の複数フレーム分の画像データを記憶する記
憶手段と、前記複数フレーム分の画像データの内の任意
フレームの画像データをモニタに表示する表示手段と、
前記モニタに表示された画像上の参照部位の運動情報を
得る運動情報取得手段と、前記画像上に生体計測用のR
OI(関心領域)を設定するROI設定手段と、前記参
照部位の運動情報に基づいて前記複数フレーム分の残り
フレームの画像データに対する前記ROIの位置の移動
量を演算する移動量演算手段と、この移動量演算手段に
より演算された移動量を用いて前記残りフレームの画像
データの表示像上の前記ROIの位置を制御する位置制
御手段と、前記複数フレーム分の画像データに基づき前
記ROI内の画像データによる生体情報を計測する計測
手段とを備えたことを特徴とする。
表示手段、前記運動情報取得手段、前記ROI設定手
段、前記移動量演算手段、前記位置制御手段、および前
記計測手段は超音波診断装置に一体に搭載される。これ
により、通常は超音波診断装置として使用しながら、本
発明の医用画像診断装置としても使用できる。
前記参照部位の位置とが一致している。この場合、前記
生体計測用のROIと前記参照部位は共に心筋などの組
織の一部に共通に位置している。
体計測用のROIの位置とは独立して指定する参照部位
指定手段を備えている。この場合、前記参照部位は被検
体の心筋などの組織の一部であり、前記生体計測用のR
OIの位置は血流部位に在る。
像データの内の関心時相範囲のフレームの画像データを
指定するデータ指定手段を、前記2つの態様の装置に付
加的に備えることである。
フレーム分の残りフレームの内の時間的に隣接する2枚
のフレームの画像データから前記移動量を推定演算する
手段に形成することができる。また、この移動量演算手
段は、前記複数フレーム分の残りフレームにおける複数
枚のフレームの画像データから関数を媒介にして前記移
動量を推定演算する手段に形成してもよい。さらに、こ
の移動量演算手段は、前記超音波信号の方向と前記参照
部位の運動の方向との角度差に応じて前記画像データを
補正する補正手段を含むように形成してもよい。
制御された前記ROIの位置をマニュアルで調整可能な
マニュアル調整手段を備えてもよい。
前記ROIを複数個、設定するようにしてもよい。
音波画像上に設定した生体計測用のROIの位置を組織
の運動に応じて制御して、生体上の所望位置を常に追従
させることができる。したがって、的外れな画像データ
により生体計測が実施されるという自体を的確に排除で
き、高精度で信頼性の高い生体計測を実施できる。ま
た、検査者の操作上の労力も著しく軽減できる。
を添付図面を参照して説明する。
要を説明する。
波診断装置に一体に組み込まれ、その超音波診断装置に
おいて各種の超音波画像の取得と生体計測に代表される
医用画像診断との両方を行えるようになっている。以
下、この医用画像診断装置を機能的に搭載した超音波診
断装置について説明する。
と電気信号の間で双方向に信号変換可能な超音波プロー
ブ1と、この超音波プローブ1に接続された送信系回路
2および受信系回路3、この受信系回路3の出力側に装
備された画像データおよび生体計測情報の処理・演算系
回路4、この処理・演算系回路4の出力側に装備された
表示系回路5、および装置全体の演算および処理の動作
を制御する制御系回路6とを備える。
たアレイ型圧電振動子を備える。アレイ型振動子は複数
の圧電素子を並列に配置し、その配置方向を走査方向と
したもので、複数の圧電素子それぞれが送受信の各チャ
ンネルを形成する。
レートパルスを発生するパルス発生器と、このパルス発
生器から出力された基準レートパルスをチャンネル毎に
遅延して駆動パルスを発生させる送信回路とを備える。
送信回路から出力されたチャンネル毎の駆動パルスは、
超音波プローブ1の複数の振動子のそれぞれに供給され
る。駆動パルスの送信遅延時間は各チャンネル毎に制御
され、レート周波数毎に繰返し供給される。駆動パルス
の供給に応答して各振動子から超音波パルスが出射され
る。この超音波パルスは被検体内を伝搬しながら、制御
された送信遅延時間に因り送信ビームを形成し、音響イ
ンピーダンスの異なる境界面でその一部を反射してエコ
ー信号になる。戻ってきたエコー信号の一部または全部
は1つまたは複数の振動子で受信され、対応する電気信
号に変換される。
ーブ1の各振動子に接続されたチャンネル毎のプリアン
プと、このプリアンプのそれぞれに接続された遅延時間
変更可能な遅延回路と、その遅延回路の遅延出力を加算
する加算器とを備える。このため、プローブ1により受
信されたエコー信号は、その対応する電気量のアナログ
信号が受信系回路3に取り込まれ、チャンネル毎に増幅
された後、受信フォーカスのために遅延制御され、加算
される。これにより、受信遅延時間の制御に応じて決ま
るフォーカス点を有する受信ビームが演算上で形成さ
れ、所望の指向性が得られる。
路11、CFMモード処理回路12、TDIモード処理
回路13、およびPWDモード処理回路14に並列に接
続されている。これらの処理回路11〜14は処理・演
算系回路4の一部の構成要素を成す。処理・演算系回路
4は、かかる画像データの取得モード別の処理回路11
〜14のほか、これらの処理回路11〜14の出力側に
装備した電子式の切換スイッチ15、デジタルスキャン
コンバータ(DSC)16、イメージメモリユニット1
7、生体計測器18、移動量演算器19、ROI発生器
20、およびデータ合成器21を備える。
の白黒の断層像データの作成を担うもので、図示してい
ないが、対数増幅器、包絡線検波器、およびA/D変換
器を備えている。このため、受信系回路3で整相加算さ
れたエコー信号は対数増幅器で対数的に圧縮増幅され、
その増幅信号の包絡線が包絡線検波器で検波され、さら
にA/D変換器でデジタル信号に変換されてBモード画
像データとして出力される。
マッピング(CFM:カラードプラ断層法の一種)のモ
ードにより2次元的に血流情報の検出を行う従来周知の
回路で構成される。このCFMモード処理器12は具体
的には、図示してはいないが、直交位相検波器、A/D
変換器、MTIフィルタ、および自己相関器を備えると
ともに、この自己相関出力に基づく演算を行う平均速度
演算器、分散演算器、パワー演算器を備える。受信エコ
ー信号から直交位相検波器によりドプラ信号が検出さ
れ、そのドプラ信号はA/D変換器によりデジタルデー
タに変換された後、MTIフィルタのフレームメモリに
一次的に記憶される。
に、同一断面が複数回、超音波スキャンされるから、そ
のフレームメモリにはビームスキャン方向、超音波ビー
ム方向、スキャン回数方向の3つの次元を有するドプラ
データが格納される。MTIフィルタには、フレームメ
モリの読出し側にハイパスフィルタを備えている。この
ため、3つの次元を有する画像データの内、各ピクセル
位置に対応したスキャン回数方向の複数個のドプラデー
タ列それぞれに対して組織エコーのドプラ成分を除去し
て血流エコーのドプラ成分が良好に抽出される。
タ列は自己演算器でそのデータ列の平均ドプラ周波数が
解析される。この平均ドプラ周波数に基づき、平均速度
演算器でスキャン断面の各サンプル点の血流平均速度
を、分散演算器で血流速度分布の分散値を、さらにパワ
ー演算器で血流からのエコー信号のパワー値をそれぞれ
演算している。これらの演算情報はカラードプラ情報と
して出力される。
ドプライメージング(TDI:カラードプラ断層法の一
種)により2次元的に組織の運動情報の検出を行う。こ
のTDIモード処理回路13の構成は概略、上述したC
FMモード処理回路12と同一であるが、心筋などの組
織からのエコー信号のドプラ成分を抽出可能になるよう
にMTIフィルタに設けるフィルタ回路の特性を設定し
てある。すなわち、組織のエコー信号と血流のエコー信
号との間には、その強度およびドプラ偏移周波数(運動
速度)に相違があることを利用した特性になっている。
組織のエコー信号の強度は血流のそれに比して大きい
が、ドプラ偏移周波数(つまり速度)は通常小さい。こ
のため、MTIフィルタに搭載するフィルタ回路を、そ
の低域のドプラ偏移周波数を抽出できるローパースフィ
ルタに構成している。そのほかの構成はCFMモード処
理回路12と同等である。
スドプラ(PWD)法に基づいてドプラスペクトラムデ
ータを生成する機能を担う。具体的には、直交位相検波
器、サンプルホールド回路、帯域フィルタ、A/D変換
器、FFTなどを備える。
応答して装置の動作モード別に経路を切り換える電子ス
イッチング素子で成る接点を有して構成される。この接
点としては、オン・オフ動作する3つのノーマルオープ
ンの接点a−a′,b−b′,c−c′が設けられてい
る。接点a−a′は前述した4つの処理回路11〜14
とDSC16とを共通に接続すべく介挿されている。別
の接点b−b′は4つの処理回路11〜14とイメージ
メモリユニット17との間に介挿されている。残りの接
点c−c′はイメージメモリユニット17とDSC16
の間に介挿されている。
では、その動作モードとして、通常の超音波診断装置と
しての機能させる「通常表示モード」、超音波スキャン
に拠る画像データを一次記憶させる「データ記憶モー
ド」、および一次記憶した画像データを元にして生体情
報を計測する「計測モード」が用意されている。「通常
表示モード」を指令するときには、制御信号により、切
換スイッチ15の接点a−a′のみがオン、そのほかの
接点b−b′、c−c′がオフに切り換えられる。「デ
ータ記憶モード」を指令するときには、同様に、接点b
−b′のみがオン、そのほかの接点a−a′、c−c′
がオフに切り換えられる。「計測モード」を指令すると
きには、接点c−c′のみがオン、そのほかの接点a−
a′、b−b′がオフに切り換えられる。さらに好適に
は、「通常モード」下でも、最新の画像が常に自動的に
データ記憶されていることが望ましい。
ており、このフレームメモリ16aへの書込みおよび読
出しを制御することでスキャン方式を変更するようにな
っている。
得モードの画像データを1次的に記憶する複数枚のフレ
ームメモリを備えており、制御信号に呼応してその画像
データの書込みおよび読出しを行うようになっている。
を有して構成される。この生体計測器18は、供給され
る制御信号に呼応して、関心時相範囲における生体情報
をフレーム毎に計測するようになっている。この計測デ
ータはデータ合成器21に送られる。ここで言う「計
測」とは、血流速度情報、組織の運動速度情報、超音波
散乱強度(輝度)情報に基づく種々の生体の診断情報
(生体情報)の計測を指す。生体情報としては例えば、
距離、面積、容積、速度、血流量、タイムデンシティカ
ーブに供する輝度値などがある。
セッサとして形成される。これにより、移動量演算器1
9は、オペレータが画面上に設定した参照部位としての
参照用ROIの移動量(移動方向および移動距離)を関
心時相範囲(POI:Periodof interest)にてフレー
ム毎に(すなわち、経時的に)演算する。演算した移動
量は移動制御信号に変換され、ROI発生器20に出力
される。この移動量は、後述するように、設定した生体
情報計測のためのROIの画像上の(すなわち、フレー
ムメモリに記憶された2次元画像データ上の)位置を制
御する制御量となる。
明する。最も簡単な手法は図2に示すように、1フレー
ム前の参照部位の運動速度を利用して連続する2フレー
ム間の移動量を決めるものである。同図に示すように、
参照部位を示す参照用ROI:ROIref が画像の組織
上に設定されているものとする。参照用ROI:ROI
ref の1フレーム前の時間tでの速度がV(t)であっ
たとすると、移動量dxはこの速度V(t)にフレーム
間隔時間dTを乗じた値、すなわち
方向の成分Vdとして検出されるので、移動方向を加味
する場合、角度補正が必要になる。走査線の方向と参照
用ROI:ROIref の運動方向の成す角度をθ、実際
の運動速度をV(t)とすると、
いて説明する。心臓の運動は左室短軸像の場合、ある1
点の収縮中心を持つ略同心円状の動きとなる。この性質
を利用して角度補正を次のように行うことができる。第
1の方法は図3に示すような角度マーカ(例えば矢印か
線)を用いるもので、角度マーカを運動方向に向けて運
動方向の速度V(t)を求め、式(3a)から角度補正
された移動量dxを求める。第2の方法は、画像上で心
筋の収縮中心Oを指定し、参照用ROI:ROIref を
通る走査線と、参照用ROI:ROIref と収縮中心O
を結ぶ運動方向との成す角度θを決定し、式(2)から
参照用ROI:ROIref の運動速度V(t)を求め
る。これにより、式(3a)から角度補正された移動量
dxを求めることができる。移動方向は参照部位ROI
ref と収縮中心Oを結ぶ運動方向である。
位(組織)としての参照用ROI:ROIref の運動速
度V(t)=100mm/sとすれば、フレーム間の参
照用ROI:ROIref の移動距離は、25msec×
100mm/s=2.5mmとなる。
ームの速度情報を用いるものである。例えばサンプリン
グ間隔(フレーム間隔時間dT)で参照用ROI:RO
Iref 内の(平均)速度が過去の複数フレームにわたり
得られていたとする。この経時的な過去複数個の速度値
を用いて現フレームにおける参照部位ROIrefの運
動速度を例えばスプライン関数により推定する。スプラ
イン関数は3階までの導関数が各サンプリング点で連続
となる関数である。このようにして得られた現フレーム
の推定速度を前記式(3a)に適用して、より高精度に
移動距離dxを推定することができる。
器20には、オペレータから制御系回路6を通してRO
I設定信号が供給されるとともに、移動量演算器19か
らフレーム毎のROI(関心領域)の2次元的な移動量
(移動方向および移動距離)を表す移動制御信号が供給
される。この供給に応答して、ROI設定器20は、表
示画像上に設定したいROIのグラフィックデータをR
OI設定信号に応じて発生するとともに、その画面上の
位置を移動制御信号に応じて調整する。この位置調整さ
れたROIのグラフィックデータはデータ合成器21に
送られる。
ら送られてくるROIのグラフィックデータと生体計測
器18から送られてくる計測データ(グラフィックデー
タ)とを、画面上の各指定位置に表示可能なフレームデ
ータに変換する。
および表示ユニット32を備える。フレーム合成器31
は、DSC16から供給される画像データのフレームと
データ合成器21から供給されるグラフィックデータの
フレームとをピクセル毎に合成して、画像データにグラ
フィックデータが重畳したフレーム画像データを形成す
る。この画像データは表示ユニット32に送られ、カラ
ー処理され、アナログデータに変換されて、カラーモニ
タに表示される。
制御系回路6は、装置全体の制御/処理の中枢としての
CPU(コントローラ)41、検査者が必要な情報を与
えるコンソール42、および時相検出器43を備える。
CPU41はコンソール42とインターラクフィブに、
送受信に関わる遅延制御などの必要な制御のほか、例え
ば図4〜図6に例示する処理を実行してROIの移動を
制御する機能を担っている。コンソール42はここで
は、キーボードKY、マウスMU、調整つまみNB、メ
モリスタートボタンMR、再生開始ボタンDS、および
計測開始ボタンMSを備える。キーボードKYやマウス
MUは主に、ROIの形状や大きさ、関心時相範囲、生
体計測情報の種別などを入力に使われる。調整つまみN
Bは表示フレームレートの調整信号をCPU41に与え
る機能を有する。メモリスタートボタンMRはイメージ
メモリユニット17への画像データの書込み指示用に、
再生開始ボタンDSはイメージメモリユニット17に記
憶してある画像データを表示ユニット32のモニタに表
示させる指令用に、および計測開始ボタンMSは生体計
測器18に生体計測開始の指示用にそれぞれ設置されて
いる。
るECGで構成され、心時相を検出するために設けられ
ている。この検出器43は心音検出器であってもよい。
使用する場合、操作者はコンソール42の例えばキーボ
ードKYから「スキャン・表示モード」の動作モードを
指令する。この指令に応答し、CPU41は切換スイッ
チ15に制御信号を送り、その接点a−a′をオンに、
そのほかの接点はオフに切り換えさせる。その結果、
B,CFM,TDI,およびPWDのモード処理回路1
1〜14がDSC16に電気的に繋がるとともに、イメ
ージメモリユニット17側は切り離される。
て、送信系回路2はプローブ1を駆動し、超音波ビーム
による例えば電子セクタスキャンを実行させる。このス
キャンにより得られた被検体内部からのエコー信号は再
びプローブ1を介して電気量の信号として受信系回路3
に入力する。エコー信号は受信系回路3でCPU41か
らの遅延時間制御により受信フォーカスが掛けられた
後、各モードの処理回路11〜14に送らる。
により、Bモード処理回路11では前述した構成および
機能により超音波散乱強度のBモード断層像データが生
成される。CFMモード処理回路12ではスキャン断面
の血流の2次元分布像データが、またTDIモード処理
回路13ではスキャン断面の組織の2次元分布像データ
がそれぞれ生成される。PWDモード処理回路14から
はドプラスペクトラルデータが出力される。
れる。検査者はCPU41を介して観測画像をDSC1
6に指令している。これにより、DSC16はスキャン
方式を超音波方式から標準TV方式に変更すると共に、
観測画像に沿ったフレーム画像を合成する。この画像は
表示ユニット32のモニタで表示される。この結果、B
モード断層像に血流分布像が重畳した画像や、組織分布
像単独の画像などが得られる。
置として動作させる「データ記憶モード」および「計測
モード」を説明する。CPU41は図4〜図6に分けて
記載の一連の処理を順に実行する。
御信号を送り、このスイッチ15の接点b−b′のみを
オンに、ほかの接点をオフに切り換えさせる(図4のス
テップS1)。これにより、処理回路11〜14とイメ
ージメモリユニット17とが接続され、DSC16側の
回路は切り離される。次いで、CPU41はキーボード
KYなどからの操作信号を読み込んで計測対象画像の種
類および計測項目などを決め、その情報をイメージメモ
リユニット17に通知する(ステップS2)。イメージ
メモリユニット17は通知された計測対象画像の種類に
応じて、後述の処理において一次記憶させる画像の種類
を変えることができる。
どの組織上の部位に定めるため、後述するデータ格納処
理において、計測対象画像が組織像のときは、TDIモ
ード処理回路13から組織の運動情報データおよびBモ
ード処理回路11からBモード断層像を記憶させる。ま
た、計測対象画像がBモード断層像や血流像のときは、
「参照部位」としての「組織上の指定部位」の運動速度
を検出するために、Bモード処理回路11および/また
はCFMモード処理回路12からBモード断層像および
/または血流像の画像データを記憶させると同時に、T
DIモード処理回路13から組織の運動情報データも記
憶させる。
MRの信号を読み込み(ステップS3)、画像データの
イメージメモリユニット17への記憶(格納)が指令さ
れているか否かを判断しながら(ステップS4)待機す
る。画像データの記憶指令を判断できたとき、CPU4
1は送信系回路2、受信系回路3、および各モード処理
回路11〜14に所望の診断部位の断層面の超音波スキ
ャンを指令し(ステップS5)、さらに、一定時間分の
画像データのイメージメモリユニット17への記憶を指
令する(同図ステップS6)。この画像データの記憶に
は種々の態様がある。その一つに、時相検出器43の検
出時相信号を用いて、予め決めた一定時間分(例えば1
0心拍分)の画像データをフレーム毎に記憶させる方法
がある。また別の方法としては、一定時間を過ぎたデー
タはオーバフローさせながら、常に一定時間分の画像デ
ータを更新しながら記憶するもので、イメージメモリユ
ニット17に記憶ストップを指令した時点で記憶してい
る一定時間内の最新データを採用する方法である。
の信号を読み込み(ステップS7)、再生開始か否かを
判断しながら待機する(ステップS8)。この判断で再
生開始(YES)を判断できると、CPU41は切換ス
イッチ15の接点c−c′をオンに、それ以外の接点を
オフにするべく指令する(ステップS9)。これによ
り、イメージメモリユニット17の読出し側とDSC1
6とが接続される。さらに、CPU41はその時点の調
整つまみNBの信号を読み込む(ステップS10)。こ
の信号は、イメージメモリユニット17から画像データ
を読み出すときのフレームレートなどの調整に使用され
る。つまり、検査者が調整つまみNBを調整すること
で、スロー再生、コマ送り再生、静止などの再生状態を
指令できる。
はイメージメモリユニット17およびDSC16にルー
プ再生表示を指令する(ステップS11)。イメージメ
モリユニット17に記憶されている一定時間分の画像デ
ータは調整されたフレームレートでDSC16のフレー
ムメモリ16aに読み出され、表示ユニット32のモニ
タに表示される。この表示はループ再生であるから、例
えば10心拍目の最後のフレームが表示されると再び1
心拍目の最初のフレームに戻る。一例として図7(a)
に示すように、Bモード断層像が例えば1心拍目から1
0心拍目までの一定時間、エンドレスに表示される。
画面を見ながら、次に関心時相範囲(POI)の設定に
入る。関心時相範囲は、生体計測の情報収集範囲を診断
的に関心のある時間領域(フレーム範囲)に絞るために
設定する。このため、イメージメモリユニット17に記
憶している全フレームの画像データの内、通常、任意の
時間範囲のフレーム時相が指定される。具体的には、C
PU41はキーボードKYからの操作信号を読み込みな
がら、関心時相範囲の設定信号が入力したかどうかを判
断する(ステップS12,S13)。この設定信号が入
力したとき(YES)は、CPU41はイメージメモリ
ユニット17に画像データに対する関心時相範囲の設定
を指示する(ステップS14)。この関心時相範囲によ
り、例えば図7(a)(b)に示すt=a1〜amの特
定フレーム範囲の画像データに絞り込まれる。関心時相
範囲は通常、「ある心拍の収縮期」といった具合に診断
目的に基づいて設定される。
生体情報の計測領域を定める計測用のROI(関心領
域):ROImea と、このROI:ROImea の移動制
御のパラメータとして使用する移動量を知るための参照
用のROI:ROIref (参照部位)との設定に入る。
Yなどからの信号を読み込み、ROI設定の指令が出さ
れているかどうかを判断する(図5ステップS15,S
16)。ROIの設定指令が出されている場合、その操
作信号に基づいて計測用および参照用のROIの形状、
大きさを表すROI設定信号がROI発生器20に送ら
れる(ステップS17)。
定信号で指定された、例えば矩形状のROIのグラフィ
ックデータをその初期位置に発生する。このROIデー
タはデータ合成器21、フレーム合成器31を介して表
示ユニット32に送られ、モニタに表示されている現在
の任意フレーム(最初のフレーム)のBモード断層像上
に重畳される。つまり、関心時相範囲の任意フレームの
画像上に計測用および参照用のROI:ROIref 、R
OImea が初期設定される。
いて、検査者はさらにROIの位置を自動的に表示され
た初期位置から所望位置に移動させる。操作者がROI
の位置を移動させる操作をマウスMUなどから行うと、
この操作内容がCPU41からROI発生器20に伝え
られ、現フレーム画像に重畳表示されている2つのRO
Iをそれぞれ所望位置まで移動できる。
ROI:ROIref とは必ずしも別々に設定する必要は
ない。血流計測の場合、計測用ROI:ROImea を血
流上に設定し、かつ参照用ROI:ROIref を組織上
に設定することが望ましいが、組織計測や輝度計測の場
合、両者とも組織上に設定し、しかもその位置を一致さ
せて同一ROIにまとめることができる(図2、3、7
参照)。
再生開始ボタンDSの信号を読み込み(ステップS1
8)、その読込み信号に基づいて再生開始か否かを判断
する(ステップS19)。再生開始の場合、CPU41
は再びその時点の調整つまみNBの調整信号を読込み、
指令されているフレームレートを記憶する(ステップS
20)。次いで、いま表示しているフレームがROIを
設定した最初のフレームか否かを判断する(ステップS
21)。ROIを設定したばかりで、まだROIを設定
した最初のフレームからの更新がなされていないとき
(YES)には、調整されたフレームレートに拠るルー
プ再生表示がイメージメモリユニット17およびDSC
16に指令される(ステップS22)。これにより、R
OIを設定したフレーム(最初のフレーム)からエンド
レスのループ再生表示が開始されていく。なお、ステッ
プS21でYESと判定した最初のフレームが、後述す
る手動によるROI位置修正直後の最初のフレームに該
当するときは、ステップS22の表示指令はスキップさ
れる。
開始ボタンMSの信号を読み込み、生体計測の開始が指
令されたか否かを判断する(図6ステップS23,S2
4)。計測開始が指令されていないときは(NO)、キ
ーボードKYなどからの操作信号を判読して、検査者が
マニュアルでROI位置の修正を欲しているかどうかを
判断する(ステップS25)。
OIの位置を自動的に参照部位(参照用ROI)に追従
させる。しかし、なんらかの理由により計測用ROIの
位置が予期している追従コースから大幅にずれたような
場合や、途中でROIの所望位置を訂正したい場合に、
このマニュアル修正を活用できる。
ュアル修正)となった場合、CPU41はループ再生表
示を一時ストップさせ(ステップS26)、計測用およ
び参照用ROIの位置を修正する(ステップS27)。
この処理もCPU41がマウスMUからの操作信号を読
み込み、修正位置を判読して、それをROI発生器20
に伝えることで実施される。マニュアル修正が終わる
と、再生開始ボタンDSからの操作信号に基づきループ
再生表示の再スタートが指令される(ステップS2
8)。この後、CPU41の処理は再びステップS20
に戻される。
がROIを所望位置に設定した最初のフレームの表示が
終わると、CPU41の処理はステップ20、21を通
ってステップ29に至る。ここでは、調整されているフ
レームレートに従う次フレームのタイミングまで待機す
る。2枚目のフレーム表示のタイミングが到来すると、
ステップ29でYESと判断され、次いで2枚目のフレ
ーム表示か否かが判断される(ステップS30)。
2枚目フレーム表示の場合、ステップS30の判断はY
ESとなるから、以下、ステップS31〜S33に係る
自動追従の処理が順に実行される。
速度の読込みが移動量演算器19に指令される(ステッ
プS31)。この指令に応答し、移動量演算器19は、
イメージメモリユニット17に記憶されている複数のフ
レームの組織分布像の中から、上記2枚目フレームと同
一の時刻におけるフレームの組織速度分布像の画像デー
タを指定し、その画像データの中の参照用ROI:RO
Iref の部位の対応する領域の画像データ、すなわち速
度データを読み込む。
び記憶が移動量演算器19に指令される(ステップS3
2)。これにより、この演算器19は、読込んだ速度デ
ータに基づき参照用ROI:ROIref の部位の例えば
平均速度を演算し、その演算値を参照部位(組織部位)
の速度として認識するとともに、この速度に基づき参照
用ROI:ROIref の前(最初の)フレームから今回
(2枚目)フレームにわたる2枚のフレーム間の移動量
を演算する。この移動量は例えば前述した図2の手法な
どで演算される。
的な移動制御が移動量演算器19およびROI発生器2
0に指令される(ステップS33)。このため、移動量
演算器19は、演算した移動量をROI発生器20に送
る。ROI発生器20はその移動量に応じた分だけ位置
修正した計測用ROI:ROImea および参照用RO
I:ROIref のグラフィックデータを発生させ、デー
タ合成器21に送る。これにより、表示ユニット32の
モニタの例えば断層像に重畳されている計測用ROI:
ROImea および参照部位として参照用ROI:ROI
ref 自体の2次元位置が2枚目(次)フレームにおいて
自動的に修正される。
は、「最初のフレーム」から数えて3枚目以降のフレー
ムの表示となるときである。この場合は、ステップS3
1の処理をスキップして直接ステップS32に移行す
る。3枚目移行のフレーム表示の場合、前フレーム表示
のときの参照用ROI:ROIref の部位の速度を記憶
しているので、この速度を読み出して図2で説明した手
法などを用いて移動量を演算する(ステップS32)。
そして、この移動量を基に、計測用および参照用ROI
の自動的な移動をフレーム毎に指令する(ステップS3
3)。
のフレームレートでループ再生される中で、設定した計
測用ROIおよび参照用ROIが組織の運動に自動的に
追従して移動する。
テップS23,S24の生体計測を行うか否かの判断に
付される。このため、検査者が計測開始ボタンMSを操
作しない限り、関心時相範囲のフレームの画像データが
エンドレスにループ再生されている。この間に、検査者
は再生画像を観察しながら計測用ROIが所望位置を自
動追従しているかどうかを目視で確認でき、必要に応じ
てマニュアルでその位置を修正できる(ステップS25
〜S28)。このとき、参照用ROIも合わせてマニュ
アル修正することもできる。さらに、この目視観察の間
に、ループ再生のフレームレートを任意に調整できる
(ステップS20)。
自動追従していることが確認できたならば、検査者は計
測開始ボタンMSを操作して計測開始を知らせる。これ
により、CPU41の処理はステップS24から抜けて
ステップS34に移行する。ステップ34では、CPU
41から生体計測器18に対して所定の生体計測実行が
指令される。生体計測器18はその指令に応答し、イメ
ージメモリユニット17から関心時相範囲のフレームの
画像データ(例えば断層像データ)を読み込むととも
に、移動量演算器19から計測用ROI:ROIref の
移動量データを読み込む。そして、移動制御された計測
用ROI:ROIref の部位の画像データをフレーム毎
に特定し、その部位に関して所望の生体計測項目(例え
ばタイムデンシティカーブに供する輝度変化データ)を
フレーム毎(すなわち時系列)に演算する。
測器18に計測結果の表示を指令する(ステップS3
5)。これにより、計測結果のデータがデータ合成器2
1を介してフレーム合成器31、表示ユニット32への
送られる。この結果、例えば、計測項目が輝度情報であ
り、関心時相範囲が1心拍であれば、その1心拍内の輝
度変化曲線(TDC)が得られ、その結果が例えばBモ
ード断層像上への重畳画像としてモニタに表示され、検
査者、医師に供される。
返して実施できる(ステップS36参照)。したがっ
て、画像データ記憶から再計測することもできるし、イ
メージメモリユニット17に一度取り込んだ画像データ
を使って別項目の生体計測を行うこともできる。
OIの追従例を図7に示す。
計測項目が散乱強度(輝度)計測であるとする。この場
合、イメージメモリユニット17にはBモード断層像と
組織の2次元分布像の2種類の画像データが一定時間の
複数フレーム分、それぞれ取り込まれる。この一定時間
の時相をt=11〜t=nnのn心拍分とすると、この
n心拍分のBモード断層像が同図(a)に示すようにル
ープ再生される。
心時相範囲が、例えば「ある1心拍の収縮期」の時相t
=a1〜amの如く設定される。次いで、この関心時相
範囲の特定フレーム上に計測用および参照用のROIが
設定される。いまの場合、計測項目が輝度情報であるの
で、計測用ROI:ROImea と参照用ROI:ROI
ref とを一つのROIで代用できる。それは、計測部位
が組織上に在り、また参照部位としても組織上の部位を
採用できるからである。
ープ再生しながら、参照部位としてのROI(=ROI
ref の意味として関心領域)の移動量が推定され、この
推定量を使って計測部位としてのROI(=ROImea
の意味としての関心領域)が図7(b)に示す如く追従
制御される。この追従制御により得られるROIの位置
データを基に、例えば輝度変化データの計測が実施され
る。
室は収縮拡張運動をしており、図3に示すように収縮中
心に向かって組織が動く。このため従来の場合、あるフ
レームで設定した計測用ROIは別のフレームでは被写
体に対して相対的に移動してしまい、所望位置での生体
計測が困難であるか、または計測精度の著しい低下を招
いていたが、上述した構成および処理により、そのよう
な不都合を回避できる。検査者が特定の表示フレーム上
で計測用および参照用の、または両者を兼ねるROIを
設定するだけで、ほとんどの場合、計測用ROIは所望
部位を自動的に追従する。しかも、この追従状態をモニ
タ画面で確認でき、なんらかの理由によりROI設定に
不具合があれば、それをマニュアルで修正または変更で
きる。したがって、関心時相範囲内の全フレームについ
て計測用ROIは常に検査者の意図した位置に置かれる
から、その後に実行される生体計測の精度は従来計測に
比べて格段に向上する。これにより、計測データの信頼
性も非常に上がる。
従来のように1フレーム毎に修正する必要は無いから、
検査者(観察者)の操作量が激減する。操作が簡単にな
り、画像診断そのものの時間短縮化も図られ、画像診断
のスループット向上に寄与する。マニュアル修正が実際
上ほとんど不要になるので、操作上の熟練度に対する要
件も緩和される。
ずれを見越して、ROIを予め広く設定しておくとこと
も不要になる。真に診断的に関心のある特定部位のみを
ROI設定できるから、これによっても計測結果の信頼
性および精度を向上させることができる。
と生体計測を別々に行うシステム構成になっているの
で、それぞれの作業に専念できる。
ほかに実施形態を説明する。
1つであったが、計測用ROIとして複数個を設定する
こともできる。例えば図8に示すように、2個の計測用
ROI:ROImea1、ROImea2を設定(各ROIは参
照用ROI:ROIref1(ROIref2)と共通)しても
よい。この複数の計測用ROIについて前述した図4〜
図6の処理を適用すれば、計測用ROIそれぞれから与
えられた項目の生体計測を行うことができる。また、複
数の計測用ROIの各計測結果から別の特徴量(例えば
輝度比、輝度差、血流量の入出比)を同時に計算でき
る。
照用ROI(参照部位)とを1つのROIで兼用する手
法を採用しているが、これを独立のROIに分けて設定
することもできる。この形態はとくに血流計測の場合に
必要である。この例を図9、図10に示す。
合で、計測項目がその流出路での速度プロファイルであ
るとする。図9に示すように、Bモード断層像に血流分
布像を重畳させた画像上で、速度プロファイルを計測す
べき細長い計測用ROI:ROImea を左室流出路に設
定する。同時に、このROI:ROImea を周囲の心筋
組織の動きに追従させるため、周囲の運動速度の解析に
供する別の参照用ROI:ROIref を例えば図示の如
く、大動脈弁輪部に設定する。
推定は、例えば図10の幾何学的関係に基づき以下のよ
うに行う。演算を簡単化するには、計測用ROIは超音
波走査線方向に動くものと仮定する。前述した実施形態
と同様に組織の運動速度をvとすると、ドプラ速度vd
はvd=v・cosθである。計測用ROIの移動速度
をv′とすれば、v′=v・cosαである(αは、速
度vとv′の成す角度である)。故に計測用ROIの移
動距離dxは、dx=v′・dTで求められる(dTは
フレーム間時間)。この移動量(移動距離はdxで、移
動方向は走査線方向)を用いて計測用ROIをフレーム
毎に移動させることで、周囲組織との相対的な位置関係
が変わらないように計測用ROIを自動追従させること
できる。この一連の追従制御は前述した図4〜図6と同
等の処理によって実現できる。
に左室流出路をカバーするから、確実にかつ正確に速度
プロファイルを計測でき、この計測値を用いて、例えば
日本国特許第1926682号に示されている如く拍出
量を演算できる。
ては以下のような変形が可能である。前述した実施形態
では関心のある時相範囲をループ再生画像を見ながらマ
ニュアルで指定する構成を説明した。これについては、
時相検出器43の検出信号をそのまま用いて、例えばC
PU41に収縮期と拡張期とを自動判定させ、時相範囲
を自動的に指定させるようにしてもよい。これにより、
検査者は計測用、参照用のROIのみを指定すればよ
く、操作がさらに簡単になる。このとき、どの辺りの時
相が自動設定されたかを検査者が認識できるように、例
えば心電波形と併せて表示する。この表示法としては、
設定時相範囲を始点と終点のマーカで示す方法や、設定
時相範囲全体をカラーや模様で強調表示する方法を採用
し、その認識度を上がることができる。これらの表示に
要する処理は、例えば図1のCPU41およびROI発
生器20に実行させればよい。
イッチ15を設けず、処理回路11〜14、DSC1
6、およびイメージメモリユニット17の3者間の読込
み、書込みをCPU41が制御することで、3方向のデ
ータのやり取りを制御するようにしてもよい。
画像診断装置は、1)超音波画像上の参照部位の運動情
報に基づいてフレーム毎の関心領域の位置の移動量を演
算し、この移動量を用いてフレーム毎の生体計測用のR
OIの位置を制御する構成や、2)被検体内の断面を超
音波信号でスキャンして得た時系列の複数フレーム分の
画像データを記憶し、その複数フレーム分の画像データ
の内の任意フレームの画像データをモニタに表示し、表
示画像上の参照部位の運動情報を得るとともに、画像上
に生体計測用の関心領域(ROI)を設定し、前記参照
部位の運動情報に基づいて前記複数フレーム分の残りフ
レームの画像データに対する前記関心領域の位置の移動
量を演算して前記ROIの位置を制御し、前記複数フレ
ーム分の画像データに基づき前記関心領域内の画像デー
タによる生体情報を計測することを、主要部としてい
る。これにより、組織の運動に影響されずに、生体計測
用のROIの位置を常に精度良く最初に意図した部位を
追従させることができる。したがって、従来のROI設
定に比べて、比較的簡単な追従制御により、高精度で信
頼性の高い生体計測を可能にするとともに、操作上の労
力を著しく軽減でき、操作能率を向上させ、操作の熟練
度に対する制限も緩和された医用画像診断装置を提供す
ることができる。
機能的に搭載した超音波診断装置のブロック図。
図。
ついての一例を示す模式図。
を示すフローチャート。
を示すフローチャート。
を示すフローチャート。
図。
の設定の一例を示す図。
明する図。
得手段) 16 DSC(表示手段) 17 イメージメモリユニット(記憶手段) 18 生体計測器(計測手段) 19 移動量演算器(移動量演算手段) 20 ROI発生器(ROI設定手段/位置制御手段/
マニュアル調整手段) 41 CPU(記憶手段/表示手段/運動情報取得手段
/ROI設定手段/移動量演算手段/位置制御手段/計
測手段/データ指定手段/マニュアル調整手段) 42 コンソール(ROI設定手段/データ指定手段/
マニュアル調整手段)
Claims (13)
- 【請求項1】 被検体内の断面を超音波信号でスキャン
して得た時系列の複数フレーム分の画像データに基づ
き、この画像データによる画像上に設定したROI(関
心領域)の生体情報を計測する医用画像診断装置におい
て、 前記画像上の参照部位の運動情報を得る運動情報取得手
段と、前記運動情報に基づいてフレーム毎の前記ROI
の位置の移動量を演算する移動量演算手段と、この移動
量演算手段により演算された移動量を用いてフレーム毎
の前記ROIの位置を制御する位置制御手段とを備えた
ことを特徴とする医用画像診断装置。 - 【請求項2】 被検体内の断面を超音波信号でスキャン
して得た時系列の複数フレーム分の画像データを記憶す
る記憶手段と、前記複数フレーム分の画像データの内の
任意フレームの画像データをモニタに表示する表示手段
と、前記モニタに表示された画像上の参照部位の運動情
報を得る運動情報取得手段と、前記画像上に生体計測用
のROI(関心領域)を設定するROI設定手段と、前
記参照部位の運動情報に基づいて前記複数フレーム分の
残りフレームの画像データに対する前記ROIの位置の
移動量を演算する移動量演算手段と、この移動量演算手
段により演算された移動量を用いて前記残りフレームの
画像データの表示像上の前記ROIの位置を制御する位
置制御手段と、前記複数フレーム分の画像データに基づ
き前記ROI内の画像データによる生体情報を計測する
計測手段とを備えたことを特徴とする医用画像診断装
置。 - 【請求項3】 前記記憶手段、前記表示手段、前記運動
情報取得手段、前記ROI設定手段、前記移動量演算手
段、前記位置制御手段、および前記計測手段は超音波診
断装置に一体に搭載してある請求項2に記載の医用画像
診断装置。 - 【請求項4】 前記生体計測用のROIの位置と前記参
照部位の位置とが一致している請求項1または2に記載
の医用画像診断装置。 - 【請求項5】 前記生体計測用のROIと前記参照部位
は共に心筋などの組織の一部に共通に位置している請求
項4に記載の医用画像診断装置。 - 【請求項6】 前記参照部位の位置を前記生体計測用の
ROIの位置とは独立して指定する参照部位指定手段を
備えている請求項1または2に記載の医用画像診断装
置。 - 【請求項7】 前記参照部位は被検体の心筋などの組織
の一部であり、前記生体計測用のROIの位置は血流部
位に在る請求項6に記載の医用画像診断装置。 - 【請求項8】 前記複数フレーム分の画像データの内の
関心時相範囲のフレームの画像データを指定するデータ
指定手段を備えた請求項1または2に記載の医用画像診
断装置。 - 【請求項9】 前記移動量演算手段は、前記複数フレー
ム分の残りフレームの内の時間的に隣接する2枚のフレ
ームの画像データから前記移動量を推定演算する手段で
ある請求項1または2に記載の医用画像診断装置。 - 【請求項10】 前記移動量演算手段は、前記複数フレ
ーム分の残りフレームにおける複数枚のフレームの画像
データから関数を媒介にして前記移動量を推定演算する
手段である請求項1または2に記載の医用画像診断装
置。 - 【請求項11】 前記移動量演算手段は、前記超音波信
号の方向と前記参照部位の運動の方向との角度差に応じ
て前記画像データを補正する補正手段を含む請求項1ま
たは2に記載の医用画像診断装置。 - 【請求項12】 前記位置制御手段により制御された前
記ROIの位置をマニュアルで調整可能なマニュアル調
整手段を備えた請求項1または2に記載の医用画像診断
装置。 - 【請求項13】 前記ROI設定手段により設定される
前記ROIの数は複数個である請求項2記載の医用画像
診断装置。
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