JPH10149514A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド

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JPH10149514A
JPH10149514A JP30468496A JP30468496A JPH10149514A JP H10149514 A JPH10149514 A JP H10149514A JP 30468496 A JP30468496 A JP 30468496A JP 30468496 A JP30468496 A JP 30468496A JP H10149514 A JPH10149514 A JP H10149514A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭トラック化しても振幅が大きく、且つ波形
の上下対称性が良い出力信号が得られる磁気抵抗効果型
磁気ヘッドを提供する。 【構成】 MR膜の磁化容易軸方向と永久磁石膜による
長手方向の磁界とを直交させることにより、MR膜にバ
イアス磁界を印加する。このバイアス方法の磁気抵抗効
果型磁気ヘッドでは、狭トラックでも充分なバイアス磁
界が印加でき、且つ従来の磁気抵抗効果型磁気ヘッドよ
り出力信号の振幅が大きく波形の上下対称性が良好な出
力が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録媒体から磁気信号を
読み取るための磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関するもの
であって、特に高感度特性を有する横バイアス型のMR
素子に係わる。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MR
ヘッドと称する)は、記録媒体に高密度で記録されてい
る磁気信号を読み取ることのできる磁気ヘッドとして従
来から知られている。このヘッドは、記録時と再生時と
でそれぞれ専用のヘッドを使用する録再分離型磁気ヘッ
ドの再生専用ヘッドとして広く用いられている。
【0003】このヘッドは磁気抵抗効果を示す材料で作
られた磁気抵抗効果膜(以下、MR膜と称する)の電気
抵抗が、外部磁界の強度及び方向の関数として変化する
ことを利用して記録媒体からの磁気信号を検出するもの
である。様々な検出方法を用いるMRヘッドが開発され
ており、これらは従来用いられて記録再生装置の要件を
満たしていた。
【0004】MR膜が最適に動作するためには、方向の
異なる2種類のバイアス磁界が与えられなければならな
い。一つは外部磁界に対する応答が線形性を有するよう
に、MR膜の磁化を傾斜させるために印加する横バイア
ス磁界である。MRヘッドの出力信号は、センス電流と
MR膜の磁化とのなす角(バイアス角)が45°程度の
場合に、出力振幅が最大となり波形の上下対称性が最も
良好となる。
【0005】他のバイアス磁界は、MR膜における多磁
区構造によって生ずるバルクハウゼンノイズを抑止する
ための縦バイアス磁界である。MR膜は異方性磁界が弱
く磁区構造が不安定で、多磁区構造を取りやすい薄膜で
ある。MR膜の磁区構造を安定化させるためには、MR
膜の異方性磁界を強めるようにMR膜の磁化容易軸方向
に縦バイアス磁界を印加する。縦バイアス磁界を印加す
る代わりに、MR膜の形状異方性磁界を強めるように磁
化容易軸方向の寸法を他の寸法よりも大きくしても、M
R膜の多磁区は抑制される。
【0006】横バイアス磁界を印加する手段として、特
開昭52−062417号公報には、図6のようにSA
Lバイアス法を用いたMRヘッドが開示されている。S
ALバイアス法はもっとも一般的に使用されているバイ
アス法である。図6では、MR膜1に非磁性膜21を介
して配置したSAL膜22の飽和磁化を利用してMR膜
1に横バイアス磁界を印加してMR膜1の磁化4を傾斜
させている。さらに、MR膜1に隣接する永久磁石膜2
からMR膜1の磁化容易軸方向に縦バイアス磁界を印加
して、MR膜の磁区構造を安定化させている。電極3は
永久磁石膜2を介してMR膜にセンス電流を供給する手
段である。このような構造で記録媒体9からの磁気信号
をMR膜1で読みとっている。
【0007】一方、特開昭52−100217号公報に
は、図7のような永久磁石バイアス法によるMRヘッド
が開示されている。図7では、非磁性膜21を介してM
R膜1に積層させた永久磁石膜2の磁石磁界を利用して
横バイアス磁界を印加してMR膜1の磁化4を傾斜させ
ている。さらに、MR膜1に隣接する永久磁石膜2から
MR膜1の磁化容易軸方向に縦バイアス磁界を印加し
て、MR膜の磁区構造を安定化させている。
【0008】記録再生装置には更に高い記録密度が要求
され、トラック幅がますます狭くなっている。しかし、
図6の従来SALバイアス法MR素子の立面図や図7の
従来永久磁石バイアス法MR素子の立面図に示す従来の
バイアス法ではより狭いトラック幅を有するMRヘッド
を得ることが困難になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以下に従来のバイアス
法の問題点を述べる。図6のSALバイアス法は、セン
ス電流によってSAL膜の磁化を飽和させ、SAL膜か
らの漏洩磁界によりMR膜にバイアス磁界を印加する法
である。このため、センス電流の大きさによりバイアス
角が変化する。バイアス角とは、センス電流とMR膜の
磁化とのなす角である。従って、センス電流の大きさに
より出力の上下対称性が変動する。
【0010】しかし、高記録密度化に伴いMR膜高さが
低くなると、MR膜高さ方向の反磁界が増加し、充分な
横バイアス磁界の印加のためにより大きなセンス電流を
流す必要がある。一方、より大きなセンス電流を流す
と、ジュール発熱によりMR素子の素子温度が上昇しM
R膜の抵抗変化率が減少し、MRヘッドの出力信号も減
少してしまう。以上の理由により、高記録密度ではSA
Lバイアス法を用いて線形応答に必要なバイアス磁界を
印加することが困難となる。
【0011】一方、温度上昇抑制のために2×107
/cm2程度のセンス電流を流した場合、トラック幅が
狭くなる程バイアス磁界が不十分となり、出力信号が減
少する。MRヘッドの出力信号としては、振幅が大きい
だけでなく波形の上下対称性が良いことが要求される。
バイアス角が45°からはずれると記録媒体の磁界に対
するMRヘッドの応答が非線形になり、正負いずれかの
信号に対応する振幅が他方より大きくなり、上下対称性
が悪化する。MRヘッドの出力信号検出以後の電気回路
による増幅処理などで信号として処理するためには、こ
の正負の振幅差が平均振幅の20%程度以内であること
が必要である。ところが、温度上昇抑制のために2×1
7A/cm2程度のセンス電流を流した場合、トラック
幅が狭くなる程バイアス磁界が不十分となり、上下対称
性が悪化してしまう。
【0012】先行技術に開示されているもう一つのバイ
アス法は、図7のように非磁性膜21を介してMR膜1
に積層させた永久磁石膜2の磁石磁界を利用して横バイ
アス磁界を印加する永久磁石バイアス法である。狭トラ
ック化しても上述のSALバイアス法のようなジュール
発熱による素子温度上昇の問題が生じないという利点が
ある。
【0013】ただし、従来の永久磁石バイアス法はSA
Lバイアス法に比べて出力信号が小さいという問題点が
あった。図7では、MR膜1の磁化容易軸方向がほぼト
ラック幅方向に、永久磁石膜の磁化容易軸がほぼMR膜
高さ方向に向くように成膜される。そのため、記録媒体
磁界の最も大きい浮上面近傍でのMR膜の磁化4が、永
久磁石膜2によって強く固定され、SALバイアス法に
比べて出力信号が小さくなってしまう。
【0014】したがって、本発明は、狭トラック化して
も、線形応答に必要なバイアス磁界を充分に印加でき、
出力信号波形の上下対称性が良好な出力信号が得られる
MRヘッドを提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のMRヘッドは、
MR膜高さ方向の寸法をトラック幅より大きくして、M
R膜のトラック幅方向両端部に配置する永久磁石膜によ
り、MR膜に横バイアス磁界を印加することを特徴とす
る。
【0016】また、本発明のMRヘッドは、前記MR膜
の磁化容易軸をほぼMR膜高さ方向、前記永久磁石膜の
磁化容易軸をほぼトラック幅方向とすることにより、M
R膜に横バイアス磁界を印加することを特徴とする。
【0017】また、本発明のMRヘッドは、前記MR膜
の全面もしくは一部に反強磁性膜を配置することによ
り、MR膜の磁区構造を安定化しつつ、横バイアス磁界
を印加することを特徴とする。
【0018】また、本発明のMRヘッドは、MR膜高さ
を電極高さより高くすることにより、磁区構造が安定で
波形の上下対称性のよい出力信号が得られることを特徴
とする。
【0019】以下に本発明の作用を説明する。本発明に
よる永久磁石バイアス法は、MR膜のトラック幅方向両
端部に永久磁石膜を配置して横バイアス磁界を印加する
ことにより、MR膜の浮上面近傍部分の磁化を回転しや
すくして、従来の永久磁石バイアス法に比べて振幅の大
きな出力信号が得られる。
【0020】MR膜の磁区構造は、磁化容易軸方向の寸
法(ここではMR膜高さ7)が他の寸法(ここではトラ
ック幅6と膜厚)よりも大きい程安定となる。一方、記
録媒体の磁界はMR膜高さ方向に急激に減衰するので、
MR膜1の抵抗変化が出力信号電圧の差として検出され
る領域のMR膜高さ(ここでは電極高さ8)が小さい方
が、より高い出力信号電圧が得られる。従って、図1の
ようにMR膜高さ7を電極高さ8より高くすると、磁区
構造が安定で出力信号の高いMRヘッドが得られる。
【0021】よって、本発明では図1のようにMR膜高
さ7をトラック幅6に比べて充分大きくするとMR膜1
の磁区構造が安定となり、磁区構造安定化のための縦バ
イアス磁界は不要である。
【0022】以下では、本発明による永久磁石バイアス
法と従来例のSALバイアス法との特性を比較した。
【0023】図3に、本発明による永久磁石膜を用いた
バイアス法、及び従来のSALバイアス法について、ト
ラック幅Twを変化させた場合のバイアス角のシミュレ
ーション結果を示す。ここで、電極高さは各トラック幅
の60%として計算した。線形応答に望ましいバイアス
角は、図にグレー領域で示したように45°程度であ
る。
【0024】従来のSALバイアス法は○印で示す。S
AL膜の飽和磁化等の条件によって異なるが、MR膜高
さ1.0μm程度以下ではMR膜高さ方向の反磁界が急
増し、線形応答に必要なバイアス磁界を印加するために
流すセンス電流も急増してしまう。例えば、10GB/
in2相当(トラック幅0.5μm、MR膜高さ0.3
μm)のMR膜に必要なバイアス磁界を印加するために
は、SALバイアス法では2×108A/cm2程度のセ
ンス電流を流さなければならない。
【0025】MRヘッドに流すセンス電流を増加した場
合、ジュール発熱により素子温度が上昇しMR膜の抵抗
変化率が減少し、MRヘッドの出力信号も抵抗変化率に
比例して減少してしまうという問題点がある。ジュール
発熱はセンス電流密度の2乗に比例し、一般に温度上昇
を摂氏15度程度以下に抑えるために、センス電流の上
限は2×107A/cm2、望ましくは1×107A/c
2程度とされている。従って、SALバイアス法で1
0GB/in2相当のMR膜に必要バイアスを印加する
と、発熱に依る出力信号低下に加え、摂氏1000度近
い温度上昇によるMR素子の溶断を招く。
【0026】一方、温度上昇抑制のために2×107
/cm2程度のセンス電流を流した場合、トラック幅が
狭くなる程横バイアス磁界が不十分となり、10GB/
in2相当では10°程度しかバイアスを印加できな
い。
【0027】これに対し、●印で示す本発明は10GB
/in2相当のMR膜に必要なバイアス磁界を印加でき
る。本発明は永久磁石膜による磁界で横バイアスを印加
する法であり、図3から明らかなようにバイアス角はセ
ンス電流の大きさに依らない。従って、SALバイアス
法ではセンス電流の大きさに依り出力信号波形の上下対
称性が変動するが、本発明では上下対称性がセンス電流
に依存しないという特長を持つ。
【0028】また、SALバイアス法ではジュール熱が
主として膜厚方向にのみ放熱するのに比べ、本発明では
MR膜のMR膜高さが大きいためMR膜高さ方向にも放
熱できる。このため、5×107A/cm2という高セン
ス電流密度で使用しても素子の温度上昇は摂氏15度弱
に抑えられた。
【0029】ただし、本発明ではトラック幅が広くなる
程MR膜中央付近への磁石膜による漏洩磁界は減少し、
MR膜の磁化は磁化容易軸であるMR膜高さ方向を向き
易くなる。図3からはトラック幅4μm以上で、この傾
向が見られる。従って、本発明によるヘッドで線形応答
に望ましいバイアス角を得るためには、トラック幅が狭
い領域(図3からはトラック幅2μm以下)で用いるこ
とが望ましい。
【0030】本発明の構造に対し、MR膜の一部に反強
磁性膜を図2のように積層させると、トラック幅やセン
ス電流密度に依らず線形応答に望ましいバイアス角が得
られた。これは、上述の永久磁石膜による磁界に加え
て、反強磁性膜とMR膜との交換相互作用により横バイ
アス磁界が印加されたためである。
【0031】図4に、従来SALバイアス法及び本発明
による実施例のMRヘッドによる再生出力信号振幅のト
ラック幅Tw依存性を示す。ここで、センス電流は従来
法、本発明法についてそれぞれ5×107A/cm2、2
×107A/cm2とした。
【0032】両法とも、出力信号はトラック幅にほぼ比
例している。トラック幅4μmの場合を除いて、本発明
の方が従来例より出力信号が大きい。また、従来例はト
ラック幅2μm未満で出力信号が急減した。
【0033】出力信号は磁気抵抗変化を示すMR膜に流
れるセンス電流に比例する。本発明ではMR膜単層でバ
イアスを印加することが可能であるため、SALバイア
ス法のような(SAL膜及び非磁性膜への)センス電流
の分流に起因する効率の低下がなく、高感度なヘッドが
実現できる。また、本発明ではMR膜のMR膜高さが高
いため放熱性が良く、SALバイアス法の2.5倍の高
センス電流密度で使用しても温度上昇は同程度に抑制で
きる。さらに、MRヘッドの出力信号はバイアス角が4
5°程度の場合に出力信号振幅が最大となるが、従来例
ではトラック幅が0.5μmまで狭くなるとバイアスが
10°程度しか印加できない。この3点から、本発明は
従来のSALバイアス法より出力信号が大きくなる。
【0034】永久磁石膜のみを用いた実施例1でトラッ
ク幅3μm以上で出力信号が減少したのは、図3に示し
たように、トラック幅が広くなるとバイアスがかかり過
ぎてしまうためである。これに対し反強磁性膜も併用し
た実施例2は、従来SALバイアス法および実施例1よ
り出力信号が大きく、トラック幅3μm以上でもほぼト
ラック幅に比例して出力信号が増加する。
【0035】これは、反強磁性膜も併用した実施例2で
は図3に示したように、反強磁性膜とMR膜との交換相
互作用により、広いトラック幅でも線形応答に望ましい
バイアス角が得られるためである。また、永久磁石膜の
みの実施例1では、永久磁石膜近傍でのMR膜の磁化が
永久磁石膜によって強く固定され、出力信号が小さくな
ってしまう。これに対し、反強磁性膜も併用した実施例
2は、実施例1より弱い永久磁石膜でも充分横バイアス
磁界が印加でき、実施例1より出力信号が増加した。反
強磁性膜をMR膜の全面に積層させた場合には、さらに
弱い永久磁石膜でも充分横バイアス磁界が印加できる。
しかし全面に積層させると、記録媒体の磁界の最も大き
い浮上面近傍でもMR膜の磁化が反強磁性膜によって強
く固定され、実施例1に比べて出力信号が小さくなって
しまう。このため、反強磁性膜を併用する場合には、図
2のようにセンス電流のほとんど流れない領域、あるい
は浮上面から離れていて記録媒体の磁界が弱い領域にパ
ターニング積層させることが望ましい。
【0036】MRヘッドの出力信号としては、振幅が大
きいだけでなく波形の上下対称性が良いことが要求され
る。MRヘッドの信号検出以後の電気回路による増幅処
理などで信号として処理するためには、この正負の振幅
差が平均振幅の20%程度以内であることが必要であ
る。この上下対称性の基準を満たすトラック巾の範囲
は、永久磁石膜のみを用いた実施例1では3μm以下、
反強磁性膜も併用した実施例2では検討した全範囲、S
ALバイアス法では2μm以上であった。この範囲は図
3にグレー領域で示した範囲にほぼ対応し、バイアス角
45°程度でMRヘッドは磁界に対しての線形応答性が
良好である。
【0037】また、上下対称性のセンス電流依存性を調
べるために、各法についてセンス電流を0.2×107
A/cm2増加させて上下対称性の変動を測定した。そ
の結果、本発明法ではいずれも変動が2%以内であった
が、SALバイアス法では20%近く変動した。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例を参照しながら詳細に
説明する。 (実施例1)図1に本発明による永久磁石バイアス法の
MR素子の立面図を示す。MR膜1はMR膜高さ方向に
磁化容易軸方向をあわせて、且つトラック幅より長く形
成する。MR膜1のトラック幅方向の両側に永久磁石膜
1を配置して、MR膜高さ方向を向いているMR膜の磁
化4を前記永久磁石膜により傾斜させる。MR膜1にセ
ンス電流を供給するために永久磁石2上に電極3を配置
する。以上の構造からなるMR素子で記録媒体9からの
磁気信号を読みとることができる。尚、図1にかかるM
R素子のMRヘッドにおける配置を図5に示す。図5に
録再分離型ヘッドの立面図、およびMR素子の拡大図2
0とを示す。録再分離型ヘッドは、基板19上に薄膜誘
導型記録ヘッド15と磁気抵抗効果型再生ヘッド16と
を積層したものである。薄膜誘導型記録ヘッド15は上
部磁極17と連結する下部磁極兼上部シールド膜12を
コイル18で励磁して記録媒体に磁気情報の書き込みを
行う。また、磁気抵抗効果型再生ヘッド16は下部磁極
兼上部シールド膜12と下部シールド膜13の間に本発
明のMR素子20を有する。各部位の間には絶縁膜14
を設けるが図5では記載を省略する。
【0039】MR素子20は、MR膜1のトラック幅方
向の両端に永久磁石膜2を配置して、前記永久磁石膜2
上に電極Mo3を配置して、MR膜の膜面に反強磁性膜
10を配置構造からなる。ここでMR膜1はNiFe
で、永久磁石膜2はCoPtで、電極3はMoで形成す
る。
【0040】この時、トラック幅、即ち電極間隔は0.
5〜4.0μmになるように形成する。MR膜のMR膜
高さ7は20μm膜厚は25nmとした。上下のシール
ド膜の間隔(ギャップ長)は、従来法、本発明それぞれ
0.25μm、0.23μmとした。磁石膜の膜厚は、
従来法、本発明それぞれ50nm、25nmである。磁
石膜の飽和磁化はいずれも0.7Tである。センス電流
を流す領域はトラック両端の電極の高さ8で規定する。
MR素子20の抵抗は図8のような素子抵抗の電極高さ
依存性を示すので、MR素子とは別に設けたRLG素子
(Resistance Lapping Guide
素子、抵抗をモニターして素子高さを規制してラッピン
グするための素子)を使用して素子抵抗を測定し、電極
高さがトラック幅の60%となるように加工した。
【0041】実際にMR素子上に形成した誘導型ヘッド
15を用いて記録媒体に記録し、MR素子20の再生特
性を検討した。このとき、誘導型ヘッドとしてはトラッ
ク幅3μm幅のヘッドを用いた。センス電流密度は、従
来ヘッドは2×107A/cm2に本発明ヘッドは5×1
7A/cm2とした。各トラック幅に対してサンプルヘ
ッドを20セット作製し、薄膜誘導型記録ヘッドに記録
電流0.3ATを印加して測定を行い、平均値を図4に
示した。
【0042】この結果、図4に示すように、両法とも出
力信号はトラック幅にほぼ比例している。トラック幅4
μmの場合を除いて、本発明ヘッドの方が従来法より出
力信号が大きい。また、従来法はトラック幅2μm未満
で出力信号が急減した。
【0043】出力信号は磁気抵抗変化を示すMR膜に流
れるセンス電流に比例する。本発明法ではMR膜単層で
バイアスを印加することが可能であるため、SALバイ
アス法のような(SAL膜及び非磁性膜への)センス電
流の分流に起因する効率の低下がなく、高感度なヘッド
が実現できる。また、本発明法ではMR膜のMR膜高さ
が高いため放熱性が良く、SALバイアス法の2.5倍
の高センス電流密度で使用しても温度上昇は同程度に抑
制できる。さらに、MRヘッドの信号はバイアス角が4
5°程度の場合に出力信号振幅が最大となるが、従来法
ではトラック幅が0.5μmまで狭くなるとバイアスが
10°程度しか印加できない。この3点から、本発明法
は従来SALバイアス法より出力信号が大きくなった。
【0044】本発明で、トラック幅3μm以上で出力信
号が減少したのは、図3に示したように、トラック幅が
広くなるとバイアスがかかり過ぎてしまったためであ
る。
【0045】MRヘッドの出力信号としては、振幅が大
きいだけでなく波形の上下対称性が良いことが要求され
る。MRヘッドの信号検出以後の電気回路による増幅処
理などで信号として処理するためには、この正負の振幅
差が平均振幅の20%程度であることが必要である。こ
の上下対称性の基準を満たすトラック巾の範囲は、本発
明法では3μm以下SALバイアス法では2μm以上で
あった。バイアス角をシミュレーションで予測した図3
と比較すると、この範囲はグレー領域で示した範囲にほ
ぼ対応し、バイアス角45°程度でMRヘッドは磁界に
対しての線形応答性が良好である。
【0046】次に、上下対称性のセンス電流依存性を調
べるために、各法についてセンス電流を0.2×107
A/cm2増加させて上下対称性の変動を測定した。そ
の結果、本発明法では変動は2%以内であったが、SA
Lバイアス法では20%近く変動した。
【0047】また、本発明法でもMR素子における多磁
区構造に起因するバルクハウゼンノイズは観測されなか
った。これは、磁化容易軸方向の寸法であるMR膜高さ
が20μmと他の寸法(トラック巾0.5〜4μm、M
R膜厚25nm)よりも充分大きく、MR膜が単磁区状
態に保たれたためである。
【0048】このように、本実施例では狭トラック化し
ても、線形応答に必要なバイアスが充分印加でき、従来
のヘッドに比べ出力信号の振幅が大きく波形の上下対称
性が良好な出力信号が得られる。これは、本発明法では
MR膜単層でバイアスを印加することが可能であるた
め、SALバイアス法のようなセンス電流の分流に起因
する効率の低下がなく、高感度なヘッドが実現できる。
【0049】(実施例2)図2に本発明による永久磁石
バイアス法のMR素子の立面図を示す。実施例1に対し
て、図2はMR膜1の一部に反強磁性膜10をパターニ
ング積層させたMR素子を作成した。ここで、永久磁石
膜2は飽和磁化0.4TのCoNi系磁石膜を用いた。
また、反強磁性膜としてFeMnを用いた。
【0050】この結果、図3に示したように反強磁性膜
も併用した実施例2は、従来SALバイアス法および実
施例1より出力信号が増加した。また、永久磁石膜のみ
を用いた実施例1ではトラック幅3μm以上で出力信号
が減少したが、反強磁性膜も併用した実施例2ではトラ
ック幅3μm以上でもほぼトラック幅に比例して出力信
号が増加した。
【0051】これは、図3に示したように、反強磁性膜
10とMR膜1との交換相互作用により、広いトラック
幅でも線形応答に望ましいバイアス角が得られるためで
ある。また、永久磁石膜2のみを用いた実施例1では、
永久磁石膜近傍でのMR膜の磁化が永久磁石膜によって
強く固定され、出力信号が小さくなってしまう。これに
対し、反強磁性膜10も併用した実施例2は、実施例1
より弱い永久磁石膜でも充分横バイアス磁界が印加で
き、実施例1より出力信号が増加した。
【0052】反強磁性膜をMR膜の全面に積層させた場
合には、さらに弱い永久磁石膜でも充分横バイアス磁界
が印加できる。しかし全面に積層させると、記録媒体の
磁界の最も大きい浮上面近傍でもMR膜の磁化が反強磁
性膜によって強く固定され、実施例1に比べて出力信号
が小さくなってしまう。このため、反強磁性膜を併用す
る場合には、図2のようにセンス電流の流れない領域に
パターニング積層させることが望ましい。
【0053】MRヘッドの出力信号としては、振幅が大
きいだけでなく波形の上下対称性が良いことが要求され
る。MRヘッドの信号検出以後の電気回路による増幅処
理などで信号として処理するためには、この正負の振幅
差が平均振幅の20%程度以内であることが必要であ
る。この上下対称性の基準を満たすトラック巾の範囲
は、永久磁石膜のみを用いた実施例1では3μm以下、
反強磁性膜も併用した実施例2では検討した全範囲、S
ALバイアス法では2μm以上であった。この範囲は図
3にグレー領域で示した範囲にほぼ対応し、バイアス角
45°程度でMRヘッドは磁界に対しての線形応答性が
良好である。
【0054】また、上下対称性のセンス電流依存性を調
べるために、各法についてセンス電流を0.2×107
A/cm2増加させて上下対称性の変動を測定した。そ
の結果、本発明法ではいずれも変動が2%以内であった
が、SALバイアス法では20%近く変動した。これ
は、SALバイアス法は、センス電流によってSAL膜
を飽和させ、SAL膜からの漏洩磁界によりMR膜にバ
イアスを印加する法であり、センス電流の大きさにより
バイアス角が変化するためである。この結果、図4に示
すように、両法とも出力信号はトラック幅にほぼ比例し
ている。トラック幅4μmの場合を除いて、本発明ヘッ
ドの方が従来法より出力信号が大きい。また、従来法は
トラック幅2μm未満で出力信号が急減した。
【0055】また、本発明法でもMR素子における多磁
区構造に起因するバルクハウゼンノイズは観測されな
い。これは、磁化容易軸方向の寸法であるMR膜高さが
20μmと他の寸法(トラック巾0.5〜4μm、MR
膜厚25nm)よりも充分大きく、MR膜が単磁区状態
に保たれたためである。
【0056】このように、本実施例では狭トラック化し
ても、線形応答に必要なバイアスが充分印加でき、従来
のヘッドに比べ出力信号の振幅が大きく波形の上下対称
性が良好な出力信号が得られる。これは、本発明法では
MR膜単層でバイアスを印加することが可能であるた
め、SALバイアス法のような多層膜におけるセンス電
流の分流に起因する効率の低下がなく、高感度なヘッド
が実現できる。
【発明の効果】本発明によれば、狭トラック化しても、
線形応答に必要なバイアスが充分印加でき、従来のヘッ
ドに比べ出力信号の振幅が大きく波形の上下対称性が良
好な出力信号が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による永久磁石バイアス法のMR素子の
立面図
【図2】本発明による永久磁石バイアス法のMR素子の
立面図
【図3】本発明による永久磁石膜を用いたバイアス法、
及び従来のSALバイアス法について、トラック幅Tw
を変化させた場合のバイアス角
【図4】本発明による実施例のMRヘッドによる再生出
力信号振幅のトラック幅Tw依存性
【図5】録再分離型ヘッドの立面図、およびMR素子の
拡大図
【図6】従来SALバイアス法MR素子の立面図
【図7】従来永久磁石バイアス法MR素子の立面図
【図8】素子抵抗の電極高さ依存性
【符号の説明】
1 MR膜、2 永久磁石膜、3 電極、4 MR膜の
磁化方向、6 MR素子のトラック幅、7 MR膜高
さ、8 電極高さ、9 記録媒体、10 反強磁性膜、
11 反強磁性膜の磁化容易軸 12 下部磁極兼上部
シールド膜、13 下部シールド膜、14 絶縁膜、1
5 薄膜誘導型記録ヘッド、16 磁気抵抗効果型再生
ヘッド、17 上部磁極、18 コイル、19 基板、
20 MR素子、21 非磁性膜、22 SAL膜。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MR膜のトラック幅方向両端部に永久磁
    石膜を配置する構成の磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおい
    て、MR膜高さ方向の寸法をトラック幅より大きくし
    て、前記永久磁石膜を用いて横バイアス磁界を印加する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘ
    ッドにおいて、前記MR膜の磁化容易軸はほぼMR膜高
    さ方向であり、前記永久磁石膜の磁化容易軸はほぼトラ
    ック幅方向であることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1および2のいずれかに記載の磁
    気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記MR膜の全面も
    しくは一部に反強磁性膜を配置することを特徴とする磁
    気抵抗効果型磁気ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7441324B2 (en) * 2003-03-21 2008-10-28 Headway Technologies, Inc. Method for preventing magnetic damage to a GMR head during back-end processing

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