JP2000076629A - 磁気抵抗効果型ヘッド及びその製造方法並びに磁気記憶装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド及びその製造方法並びに磁気記憶装置

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JP2000076629A
JP2000076629A JP24801098A JP24801098A JP2000076629A JP 2000076629 A JP2000076629 A JP 2000076629A JP 24801098 A JP24801098 A JP 24801098A JP 24801098 A JP24801098 A JP 24801098A JP 2000076629 A JP2000076629 A JP 2000076629A
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magneto
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pair
permanent magnet
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JP24801098A
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Nobuyuki Ishiwata
延行 石綿
Tsutomu Ishi
勉 石
Kiyokazu Nagahara
聖万 永原
Shigeru Mori
茂 森
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 挟トラック幅に対応した高出力な磁気抵抗効
果型ヘッドを提供する。かかる磁気抵抗効果型ヘッドを
容易にかつ確実に製造することができるな磁気抵抗効果
型ヘッドの製造方法を提供する。かかる磁気抵抗効果型
ヘッドを用いて、面記録密度で20ギガビット/平方イ
ンチを超える記録再生を行うことができる磁気記憶装置
を提供する。 【解決手段】 磁気抵抗効果型ヘッドを実効的な再生ト
ラック幅が0.5μm以下、感磁領域100にバイアス
を印加する一対の永久磁石膜23間の間隔が電流を供給
する一対の電極膜24間の間隔より0.3μm以上長く
する。永久磁石膜23と電極膜24を別のフォトマスク
を用いてイオンビームスパッタ法で成膜する。かかる磁
気抵抗効果型ヘッドを用いた記録再生ヘッドとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気媒体上に記録
された磁化を0.1μm〜0.5μmの挟幅で再生でき
る磁気抵抗効果型ヘッド、その製造方法、及び磁気記憶
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録装置の大容量化に伴って、Ni
Fe膜の異方性磁気抵抗効果を応用した磁気抵抗効果型
ヘッド(以下、AMRヘッドと記す)が実用化されてい
る。このAMRヘッドについては、「IEEE Tra
ns.On Magn,MAG7(1971)150」
において「A Magnetoresistivity
Read Out Transducer」として論じ
られている。
【0003】近年、磁気記録密度の向上に対応して、A
MRヘッドよりも更に大幅な高出力化が可能な巨大磁気
抵抗効果(以下、GMRと記す)を用いたGMRヘッド
が注目されている。このGMRに於いて、特に、抵抗の
変化が2枚の隣接する磁性層の磁化方向間の余弦と対応
する、一般にスピンバルブ効果と呼ばれる磁気抵抗効果
は、小さな動作磁界で大きな抵抗変化をすることから、
AMRヘッドの次世代のGMRヘッドとして期待されて
いる。
【0004】このスピンバルブ素子の積層構造を図7に
示す。このスピンバルブ積層膜10は、第1強磁性層1
1、非磁性層12、第2強磁性層13、反強磁性層14
の順序で薄膜が積層されている。このスピンバルブ積層
膜10では、第2強磁性層13の磁化が反強磁性層14
でピン止めされ、トラック幅方向と直交する方向(図中
16の方向)に一軸異方性が与えられている。一方、第
1強磁性層11はピン止めされていない磁化回転層であ
り、磁化はトラック幅方向と平行(図中15の方向)で
あり、第2強磁性層13と直交する方向である。これら
の第1強磁性層と第2強磁性層の磁化方向間の余弦に対
応する抵抗変化により、磁気媒体から漏洩する磁界を検
出できるようになっている。
【0005】このスピンバルブ効果を用いたGMRヘッ
ドについては「IEEE Trans.On Mag
n,.Vol.30,No.6(1994)3801」
において「Design,Fabri cation&
Testing of Spin Valve Rea
d Heads for High DensityR
ecording」として論じられている。
【0006】このスピンバルブ素子を用いた記録再生ヘ
ッドの一例を図8に示す。この記録再生ヘッドは、スラ
イダとなるセラミック基体20上に下シールド層21、
下ギャップ層22が順次積層され、その上にトラック幅
のスピンバルブ層10が形成されている。スピンバルブ
層10のトラック幅方向両端側にスピンバルブ層10の
磁化回転層11にバイアス磁界を印加して単磁区化する
永久磁石膜23が形成され、この永久磁石膜23の上に
スピンバルブ層10に電流を供給する電極膜24が形成
されている。これらの永久磁石膜23と電極膜24の積
層膜が、スピンバルブ層10をトラック幅方向両端部に
おいて挟むような構造になっている。これらの上に、上
ギャップ層25、記録磁極と兼用される上シールド層2
6、記録ギャップ層27を介して記録磁極28が形成さ
れている。更に、これらを覆う保護層29が設けられて
いる。記録磁極26、27間には図の奥行き方向にフォ
トレジストにより絶縁された図示しない励磁コイルが設
けられている。
【0007】以上のAMRヘッド、GMRヘッドにおい
ては、媒体磁界に対応して磁化変化する磁性層11を単
磁区化することが、バルクハウゼンノイズを抑制するた
めには必要不可欠である。これを実現するための素子構
造については、特公平3−125311号公報に記載さ
れている。図9を用いてこの素子構造を説明する。
【0008】図9では媒体磁界を感磁する感磁領域にス
ピンバルブ層を用いた場合を想定することとする。
(a)に素子を媒体対向面から見たときの層構成を示
す。スピンバルブ層である感磁領域100にバイアス磁
界とセンス電流を供給する端部領域として永久磁石膜2
3と電極膜24が形成されている。永久磁石膜24はス
ピンバルブ膜10の第1強磁性層11に接合されてい
る。(b)は媒体磁界がないときの、スピンバルブ膜中
の外部磁界に対して変化する第1強磁性層11の磁化の
様子、および、第1強磁性層11をバイアスする永久磁
石膜23の磁化の様子を示す。図9のように、永久磁石
膜23からのバイアス磁界によって、感磁領域100の
第1強磁性層11が単磁区化されている。
【0009】図9(c)は素子が媒体磁界を受けた場
合、(d)は(c)と反対方向の媒体磁界を受けた場合
であり、感磁領域100の第1強磁性層11の磁化が、
媒体磁界に応答して変化していることを示す。このと
き、感磁領域100の磁化は均一に変化するのではな
く、永久磁石からのバイアス磁化の影響の大きい接合領
域近辺では、その変化が小さくなる。このことが記録密
度の向上に伴い、感磁領域の幅が狭くなるにしたがっ
て、以下の問題を生じさせている。
【0010】即ち、図10を参照して説明すると、
(a)に示すように、トラック幅を規定する感磁領域1
00の幅が狭くなると、媒体磁化を感磁する、この場合
スピンバルブ層10中の第1強磁性層11の磁化の感度
が低下する。これは、(b)に示す媒体磁界がないとき
から変化した(c)、(d)に示すように、永久磁石膜
23からのバイアス磁界の影響の大きい接合領域近辺
の、磁界感度の低い領域の影響が相対的に大きくなるた
めである。このため、再生ヘッド出力は、トラック幅が
減少することに比例した減少量以上に、大幅に減少して
しまう。特に、トラック幅がサブミクロン、すなわち
0.5μm以下の超高密度領域では、まさに図10に示
した状況となるため、従来の再生素子構造では、0.5
μm以下の超高密度領域の再生は不可能であった。これ
によって、面記録密度で20ギガビット/平方インチを
超える記録再生を行う磁気記憶装置は実現されていなか
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
磁気記録密度の向上は著しく、0.5μm以下の超高密
度領域の再生が要望されている。そのため、再生ヘッド
のトラック幅を狭めていった場合、上記した、再生出力
がトラック幅が減少することに比例した減少量以上に大
幅に減少してしまうことを回避して、狭トラックでも高
出力な再生ヘッドが必要である。
【0012】したがって、本発明は、挟トラック幅に対
応した高出力な磁気抵抗効果型ヘッドを提供することを
目的とする。
【0013】また、本発明は、かかる磁気抵抗効果型ヘ
ッドを容易にかつ確実に製造することができるな磁気抵
抗効果型ヘッドの製造方法を提供することを目的として
いる。
【0014】更に、かかる磁気抵抗効果型ヘッドを用い
て、面記録密度で20ギガビット/平方インチを超える
記録再生を行うことができる磁気記憶装置を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッドは、媒体磁界
を感磁する磁気抵抗効果を有する感磁領域と、前記感磁
領域に電流を供給する互いに離間した一対の電極膜と、
前記感磁領域にバイアス磁界を印加する互いに離間した
一対の永久磁石膜とを備える磁気抵抗効果素子を有する
磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、実効的な再生トラック
幅が0.1μm〜0.5μmであり、かつ、前記一対の
永久磁石膜間の間隔が前記一対の電極膜間の間隔より
0.3μm〜10μm長い構成としてある。
【0016】図1に本発明の素子構造を示す。図1では
媒体磁界を感磁する感磁領域にスピンバルブ膜を用いた
場合を想定することとする。(a)に素子を媒体対向面
から見た時の層構成を示す。トラック幅より幅広の感磁
領域100であるスピンバルブ層即ち感磁領域100の
両端部にバイアス磁界を印加する永久磁石膜23とセン
ス電流を供給する電極膜24が積層され、永久磁石膜間
L2は電極膜間Llに比べ、小さく設定されている。こ
うすることにより、以下で述べるスピンバルブ膜中のフ
リー層(第1強磁性層)11中の、媒体磁界に対して高
感度な領域を再生トラックとすることが出来る。
【0017】図1(b)は媒体磁界がないときの、スピ
ンバルブ膜10中の外部磁界に対して磁化変化するフリ
ー層11の磁化の様子、および、フリー層11をバイア
スする永久磁石膜23の磁化の様子を示す。図1(b)
に示すように、永久磁石膜23からのバイアス磁界によ
って、感磁領域100の感磁膜11が単磁区化されてい
る。図1(c)は素子が媒体磁界を受けた場合、(d)
は(c)と反対方向の媒体磁界を受けた場合であり、フ
リー層11の磁化が、媒体磁界に応答して変化している
ことを示す。このとき、フリー層11の磁化は均一に変
化するのではなく、永久磁石膜23からのバイアス磁界
の影響の大きい接合領域近辺では、その変化が小さくな
る。そこで、電極膜24を、フリー層11中の磁化が大
きく変化している中心方向へ延ばし、電極間L1でトラ
ック幅を規定することにより、磁化変化の大きい領域の
みを実効的な再生トラック(図中のLl)とすることが
できる。この効果はトラック幅の小さいときに、実質的
にはLlが0.5μm以下で、具体的には(0.1〜
0.5μm)より顕著となる。トラック幅Llと、スピ
ンバルブ10の幅、即ち永久磁石膜23の間隔L2との
位置関係は図2に示される結果から規定される。
【0018】図2は、図1で示す素子の感磁領域100
の中心に対して、LlおよびL2の中心を一致させ、か
つ、(L2−Ll)/2で示される永久磁石膜と電極膜
とのずれ量を変えて作製したヘッドの、規格化出力の変
化を示す。再生トラック幅は0.5μm弱である。電極
膜の位置に対して、磁石膜の位置が後退するに従って出
力が大きくなる。これは、図1に示したように、媒体磁
界を感磁する感磁領域100中の、磁界感度のより高い
部分をトラック幅とすることができることによる。図2
より、(L2−L1)/2≧0.15μmとすること
で、感磁領域100中の低感度の部分の影響のない、高
出力な挟トラック再生素子が得られることが認められ
る。したがって、電極膜24間の離間距離L2と永久磁
石膜23間の離間距離L1の差は0.3μm〜10μm
以上である必要がある。なお、図2中の(L2−L1)
/2=0は、図9に示した従来例に相当する。また、電
極膜24間の離間距離L2と永久磁石膜23間の離間距
離L1の差は10μm以下が適当である。これは、媒体
対向面に露出するパタン幅をむやみに大きくしないため
である。
【0019】なお、特開平7−307012号公報に
は、電極間距離を感磁領域より狭くすることにより、永
久磁石膜で磁化の動きが抑制されない感磁領域の中央部
を用いることが提案されているが、この公報の従来技術
では、トラック幅が0.5μmより大きい場合を示して
いて、それより小さい場合を想定していない。
【0020】本発明は、トラック幅が0.5μmより小
さい場合の最適な電極間幅を実験により求めたものであ
る。
【0021】また、請求項2記載の磁気抵抗効果型ヘッ
ドは、請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、
前記感磁領域が、電気抵抗の変化が非磁性層を介して対
向する2つの磁性層の磁化の方向間の余弦に比例するス
ピンバルブ層を有する構成としてある。
【0022】このような構成の発明によれば、感磁領域
をスピンバルブ層としたことにより、電極間幅と永久磁
石膜間隔を規定する効果が最大限に発揮される。
【0023】請求項3記載の磁気抵抗効果型ヘッドは、
請求項1又は2記載の磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、
前記スピンバルブ層を構成する2つの磁性層のうち、磁
化が変化する回転磁化層に対して前記一対の永久磁石膜
が接合してバイアス磁界を印加している構成としてあ
る。
【0024】このような構成の発明によれば、スピンバ
ルブ層の回転磁化層を単磁区化している永久磁石膜の悪
影響をなくして高感度にする本発明の目的を達成するこ
とができる。
【0025】請求項4記載の磁気抵抗効果型ヘッドの製
造方法は、実効的な再生トラック幅が0.1μm〜0.
5μmの磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法において、媒
体磁界を感磁する磁気抵抗効果を有する感磁領域となる
積層膜を形成する工程と、前記感磁領域となる積層膜の
上に第1フォトレジスト膜をパターニングする工程と、
前記第1フォトレジスト膜をマスクとして前記感磁領域
となる積層膜をパターニングして感磁領域を形成する工
程と、前記工程で用いた第1フォトレジスト膜をマスク
として前記感磁領域にバイアス磁界を印加する互いに離
間する一対の永久磁石膜を成膜した後、前記第1フォト
レジスト膜をリフトオフする工程と、前記第1フォトレ
ジスト膜よりトラック幅方向の幅が狭い第2フォトレジ
スト膜を形成する工程と、前記第2フォトレジスト膜を
マスクとして、前記一対の永久磁石膜間の間隔より0.
3μm〜10μmだけ互いの離間距離が狭い一対の電極
膜を成膜した後、前記第2フォトレジスト膜をリフトオ
フする工程とを有することを特徴とする。
【0026】このような発明によれば、電極間幅を永久
磁石膜間の幅より小さくして、感磁領域の中央部の感度
の良い領域を用いる挟トラックで高感度な磁気抵抗効果
型ヘッドを確実に製造することができる。
【0027】請求項5記載の磁気抵抗効果型ヘッドの製
造方法は、請求項4記載の磁気抵抗効果型ヘッドの製造
方法において、前記電極膜を形成する工程が、スパッタ
粒子の飛来の方向の指向性が高いスパッタリング法であ
ることを特徴とする。
【0028】このような発明によれば、挟トラック幅の
磁気抵抗効果型ヘッドに必要な正確な幅で電極膜を成膜
することができる。
【0029】請求項6記載の磁気抵抗効果型ヘッドの製
造方法は、請求項5記載の磁気抵抗効果型ヘッドの製造
方法において、前記スパッタリング法が、イオンビーム
スパッタリング法であることを特徴とする。
【0030】このような発明によれば、指向性の高いイ
オンビームスパッタリング法で電極間隔を正確に形成す
ることができる。
【0031】請求項7記載の磁気抵抗効果型ヘッドの製
造方法は、請求項6記載の磁気抵抗効果型ヘッドの製造
方法において、前記イオンビームスパッタリング法にお
けるガス圧力が1×10-5〜1×10-3Torrである
ことを特徴とする。
【0032】このような発明によれば、指向性に優れた
スパッタ粒子を得ることができ、電極間隔を正確に形成
することができる。
【0033】請求項8記載の磁気抵抗効果型ヘッドの製
造方法は、請求項6又は7記載の磁気抵抗効果型ヘッド
の製造方法において、前記イオンビームスパッタリング
法におけるターゲット面と基板との距離が20〜100
cmであることを特徴とする。
【0034】このような発明によれば、飛来方向の揃っ
たスパッタ粒子を得ることができ、電極間隔を正確に形
成することができる。
【0035】請求項9記載の磁気記憶装置は、情報を磁
気的に記録する磁気記録媒体と、電気信号に応じた磁界
を発生し、この磁界により情報を前記磁気記録媒体に記
録させる記録ヘッドと、前記磁気記録媒体から漏洩する
磁界の変化を電気信号に変換する再生ヘッドとをそなえ
る磁気記憶装置において、前記再生ヘッドが、媒体磁界
を感磁する磁気抵抗効果を有する感磁領域と、前記感磁
領域に電流を供給する互いに離間した一対の電極膜と、
前記感磁領域にバイアス磁界を印加する互いに離間した
一対の永久磁石膜とを備える磁気抵抗効果素子を有し、
実効的な再生トラック幅が0.1μm〜0.5μm、か
つ、前記一対の永久磁石膜間の離間距離が前記一対の電
極膜間の間隔より0.3μm〜10μm長い磁気抵抗効
果型ヘッドである構成としてある。
【0036】このような構成の発明によれば、前述した
本発明の磁気抵抗効果型ヘッドを再生ヘッドに用いてい
るので、挟トラック幅でも高出力で再生できる。
【0037】請求項10記載の磁気記憶装置は、請求項
9記載の磁気記憶装置において、前記磁気記録媒体が保
磁力2500Oe〜4000Oeであるときに、面記録
密度が20ギガビット/平方インチ〜100ギガビット
/平方インチの記録再生を行う構成としてある。
【0038】このような発明によれば、これまで達成す
ることができなかった高面記録密度を達成することがで
きる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0040】図1(a)は、本発明の磁気抵抗効果型ヘ
ッドの主要部を示す構成図である。トラック幅より幅広
の感磁領域100の両側面に感磁領域100の図7に示
した回転磁化層11と接合している互いに離間する一対
の永久磁石膜23が配置され、回転磁化層11にバイア
ス磁界を印加して単磁区化している。永久磁石膜23の
上には互いに離間している一対の電極膜24が積層さ
れ、対向する電極膜24の端部は感磁領域100の上に
もオーバーラップしている。電極膜24の間隙の中心
は、感磁領域100のトラック幅方向の中心とほぼ一致
している。
【0041】電極膜24の離間距離L1は、実質的にト
ラック幅となっており、0.1μm〜0.5μmであ
る。また、永久磁石膜23のトラック幅方向先端間の離
間距離L2よりも、一端側が0.15μm〜5μm短
く、両端合計で0.3μm〜10μm短くなっている。
このように電極膜24間幅を永久磁石膜23の離間距離
より0.15μm〜5μmずつ短くすることにより、図
2に示したように、トラック幅が0.1μm〜0.5μ
mの挟トラック幅であっても、高出力を得ることができ
る。
【0042】感磁領域100は、図7に示したスピンバ
ルブ層10とすることが、本発明の構成を最も生かすこ
とになる。このスピンバルブ層10は、自由層としての
第1強磁性層11は、例えばNiFe、CoFe、Co
NiFeなどを用いて膜厚2〜15nmであり、非磁性
層12は、例えば銅を1〜5nm、第2強磁性層13
は、固定層として、例えばNiFeが1〜5nmの厚さ
で用いられる。反強磁性層14には例えばPtMn、N
iOが用いられ、20〜80nmの膜厚である。
【0043】また、永久磁石膜23として、例えばCo
CrPt系の合金が用いられ4〜30nmの膜厚であ
る。この永久磁石膜23は、自由層11の磁区制御層と
して自由層11と接合されている。また、一対の電極膜
24は、例えばAu,Cu、Ta等の金属で構成されて
いる。
【0044】図2は、このような磁気抵抗効果素子を用
いた再生記録複合ヘッドの断面図を示す。この記録再生
ヘッドは、スライダとなるセラミック基体20上に下シ
ールド層21、下ギャップ層22が順次積層され、その
上にトラック幅のスピンバルブ層10が形成されてい
る。スピンバルブ層10のトラック幅方向両端側にスピ
ンバルブ層の磁化回転層にバイアス磁界を印加して単磁
区化する永久磁石膜23が形成され、この永久磁石膜の
上にスピンバルブ層に電流を供給する電極膜24が形成
されている。これらの永久磁石膜23と電極膜24の積
層膜がスピンバルブ層10をトラック幅方向両端部にお
いて挟むような構造になっている。電極膜24の離間距
離L1は実質的にトラック幅であり、永久磁石膜23の
離間距離L2より0.3μm〜10μm狭くなってい
る。これらの上に、上ギャップ層25、記録磁極と兼用
される上シールド層26、記録ギャップ層27を介して
記録磁極28が形成されている。更に、これらを覆う保
護層29が設けられている。記録磁極26、27間には
図の奥行き方向にフォトレジストにより絶縁された図示
しない励磁コイルが設けられている。
【0045】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法
を図5を参照して説明する。まず、図5(a)に示すよ
うに、媒体磁界を感磁するための感磁領域を形成するス
ピンバルブ膜10aを成膜する。このスピンバルブ膜1
0aは、図5では図示していないが、下シールド層と下
ギャップ層を積層した基板上に形成される。また、スピ
ンバルブ膜10aの構造は、図7に示したものと同じで
ある。
【0046】次に、図5(b)に示すように、スピンバ
ルブ膜10aの上にこのスピンバルブ膜10aをパタン
化するための第1フォトレジストパタンR1を形成す
る。この第1フォトレジストパタンR1は、基端側が細
くなっている2段型形状又は逆テーパー状に形成され
る。
【0047】次に、図5(c)に示すように、第1フォ
トレジストR1をマスクとして、イオンビームエッチン
グによりスピンバルブ膜10aをパタン化して感磁領域
100を形成する。このエッチングでは、第1フォトレ
ジストR1の形状から、感磁領域100の端部が傾斜を
有するように行われる。
【0048】次に、図5(d)に示すように、感磁領域
100にバイアス磁界を印加する永久磁石膜を成膜し、
リフトオフして永久磁石膜23を形成する。
【0049】従来の素子構造では、永久磁石膜と電極膜
は同じ離間距離で形成されていたため、図11(a)〜
(e)に示すように、スピンバルブ膜10aの上にフォ
トレジスト膜R3を形成し、スピンバルブ膜をエッチン
グして感磁領域100を形成した後、フォトマスクR3
を用いて永久磁石膜231と電極膜241とを連続的に
成膜し、リフトオフする。
【0050】一方、本発明では、永久磁石膜23を成膜
しリフトオフした後、第1フォトマスクR1を除去し、
図5(e)に示すように、新たに第1フォトマスクR1
よりも幅の狭い第2フォトマスクR2を形成した後、図
5(f)に示すように、イオンビームスパッタ法で電極
膜24を成膜する。
【0051】この永久磁石膜成膜23と電極膜24成膜
時には、本実施形態ではイオンビームスパッタ法を用い
る。従来の素子では、トラック幅が広いため、永久磁石
膜や電極膜を成膜する際には、通常のRFスパッタ法や
マグネトロンスパッタ法で十分であった。しかし、トラ
ック幅が0.5μm以下の本発明では、これらの方法で
は不十分である。
【0052】図12(a)〜(g)は、図5と同じ工程
で、第1フォトマスクR4を用いてスピンバルブ膜10
aをエッチングし、永久磁石膜232をスパッタで形成
し、第2フォトマスクR5をマスクとして通常のRFス
パック法やマグネトロンスパッタ法を用いて電極膜24
2を成膜した場合、トラック幅の狭い素子であるため
に、電極膜242がフォトマスクR5に回り込む影響が
大きくなり、マスクR5を壁としたバリが発生している
ことを示す。このバリが素子の絶縁抵抗の減少などの問
題を発生させる原因となる。
【0053】また、図13(a)〜(g)は、図5と同
じ工程で、第1フォトマスクR6を用いてスピンバルブ
膜10aをエッチングし、永久磁石膜233をスパッタ
で形成した後、第2フォトマスクR7を成膜すると、第
2フォトマスクR7の幅が狭くなることによって、フォ
トマスクR7の茎部が消失し、紙面前後方向のブリッジ
状にフォトマスクR7が形成された例を示す。この場
合、通常のRFスパッタ法やマグネトロンスパック法を
用いて電極膜243を成膜すると、電極膜243の回り
込みによって短絡が発生する。
【0054】以上のように、狭い再生幅を電極膜間隔で
規定するためには、通常のRFスパッタ法やマグネトロ
ンスパッタ法とは異なる、膜を堆積させる飛来粒子の、
即ちスパック粒子の基板入射角度の分散の少ない、つま
り、指向性の高い特殊な成膜技術が必要である。
【0055】本発明では、この指向性の高い成膜技術と
して、イオンビームスパッタ法が最適であることを発見
し、この方法を本発明の製造工程に適用することによ
り、挟トラックで高出力な素子を確実に製造することが
可能となった。イオンビームスパッタ法では、成膜時の
アルゴンなどのガス圧力を1×10-5〜1×10-3To
rrと低くできることから、スパック粒子のガスによる
散乱を抑制でき、さらにスパッタ粒子を発散させる母材
(ターゲット)と、膜を堆積させる基体との距離を20
cm〜100cmと長くすることが容易であることか
ら、飛来方向の揃ったスパッタ粒子を堆積させて膜を形
成することが可能となる。
【0056】さらに、成膜時の基板の温度が低く抑えら
れるため、フォトレジストマスクの熱による変形が発生
しないため、電極間隔を正確に形成できる。成膜時のア
ルゴンなどのガス圧が1×10-3(Torr)を超える
と、スパッタ粒子のガスによる散乱が大きくなり、スパ
ッタ粒子の飛来方向の分散が著しくなること、1×10
-5(Torr)を下回るとイオンビームの安定性が低下
すること、ターゲットと基板の距離が20cm以下と短
くなると、スパック粒子の飛来方向を揃えにくくなるこ
と、ターゲットと基板の距離が100cm以上となると
設備が大規模になりすぎるといった問題が顕著となる。
イオンビームスパック法を導入した本発明の工程によ
り、初めて、再生トラック幅が0.5μm以下の素子を
簡便に実現することが可能となった。なお、本方法によ
るトラック幅の下限は、電極膜のリフトオフの限界から
0.1μm程度とすることが好ましい。
【0057】本発明により再生トラック幅が0.5μm
以下の高密度ヘッドが実現したことから、これを搭載す
ることによって、面記録密度が20ギガビット/平方イ
ンチ以上の磁気記憶装置が実現する。磁気記憶装置の構
成を図6に示す。
【0058】図6に示す磁気記憶装置は、駆動用のモー
タ101で回転する磁気媒体102の、磁気記憶面に対
向して図3に示したような本発明の記録再生ヘッド10
3が、サスペンション104、アーム105により取り
付けられ、ヴォイスコイルモータ(VCM)106でト
ラッキングされる。記録再生動作は、ヘッド103ヘの
記録再生チャネル107からの信号により行われる。こ
の記録再生チャネル107、ヘッド103の位置決めを
行うVCM106、及び磁気媒体102を回転させる駆
動モータ101は、制御ユニット108で制御される。
【0059】以上の磁気記憶装置において、磁気媒体1
02の保磁力を2500Oe〜4000Oeとすること
によって、20ギガビット/平方インチ〜100ギガビ
ット/平方インチの記録が可能となった。さらに、本発
明による狭トラックな磁気ヘッド103と組み合わせる
と、面記録密度が20ギガビット/平方インチ以上の磁
気記憶装置が実現した。
【0060】
【実施例】以下、図を用いて、本発明の実施例を説明す
る。
【0061】[実施例1]図3に、本発明によるスピン
バルブ再生、インダクテイブ記録複合ヘッドを媒体対向
面(ABS)から観察した構造を示す。スライダとなる
Al23−TiCセラミック基体20上に、CoTaZ
r膜からなる膜厚1μmの下シールド層21、膜厚80
nmのアルミナ膜からなる下ギャップ層22を形成した
後、以下に示すスピンバルブ素子を形成した。
【0062】感磁領域100となるスピンバルブパタン
は、膜厚3nmのTa下地膜、反強磁性層14として膜
厚25nmのPtMn膜、第2強磁性層13として膜厚
4nmのCoFe膜、非磁性層12として膜厚2.7n
mのCu膜、第1強磁性層11として膜厚1nmのCo
Fe膜及び膜厚8nmのNiFe膜、膜厚3nmのTa
保護膜からなる。感磁領域100の幅L2を0.4μ
m、0.6μm、0.7μm、0.8μm、1.0μ
m、1.2μmの6通りとし、その端部に感磁領域にバ
イアス磁界を印加する永久磁石膜23を配置した。この
永久磁石膜23はCoPtを主成分とし膜厚は30nm
である。この下地膜として膜厚10nmのCr膜を挿入
することによってCoPt膜の保磁力を大きくすること
ができる。感磁領域100上に0.4μmの間隔L1を
介して膜厚50nmのAu膜からなる電極膜24を配置
した。L1及びL2の中心点はほぼ一致させた。
【0063】上記のスピンバルブ素子10上に、膜厚6
0nmのアルミナ膜からなる上ギャップ層25、記録磁
極と兼用される膜厚3μmのNiFe膜からなる上シー
ルド膜26を形成し、さらに膜厚0.2μmのアルミナ
膜からなる記録ギャップ27を介して、膜厚2.5μm
のCoFeNi膜からなる記録磁極28を形成した。記
録磁極26,27間には図3の奥行き方向にフォトレジ
ストにより絶縁された図示しない励磁コイルを形成し
た。更に、記録磁極28を覆って保護層29を形成し
た。
【0064】以上のヘッドを、保磁力2500OeのC
oCrPt磁性膜からなる磁気媒体を用いて、記録再生
特性を評価した。その結果、実効的な再生トラック幅と
して0.5μm以下が得られた。また、再生出力は、図
2に示すように、スピンバルブパタン幅L2(すなわち
永久磁石膜幅)、この場合、0.4μm、0.6μm、
0.7μm、0.8μm、1.0μm、1.2μmと、
電極間隔L1、この場合0.4μmとの差の半分の値
((L2−L1)/2)が0.15μm以上となると、
ほぼ一定な高出力が得られた。
【0065】[実施例2]図4に、本発明によるスピン
バルブ再生、インダクテイブ記録複合ヘッドを媒体対向
面(ABS)から観察した構造を示す。スライダとなる
A1203〜TiCセラミック基体20上に、CoTa
ZrCr膜からなる膜厚1μmの下シールド層21、膜
厚80nmのアルミナ膜からなる下ギャップ層22を形
成した後、以下に示す感磁領域100'を形成した。
【0066】感磁領域100'はスピンバルブ膜を含
み、膜厚3nmのZr下地膜、膜厚30nmのPtMn
膜、膜厚3.5nmのCoFe膜、膜厚2.5nmのC
u膜、膜厚1nmのCoFe膜、膜厚7nmのNiFe
膜、膜厚3nmのTa保護膜からなる。この感磁領域1
00'はパターニングを行わなかった。
【0067】この感磁領域100'上に、バイアス磁界
を印加する永久磁石膜23'を配置した。この永久磁石
膜23'はCoPtを主成分とし膜厚は30nmであ
る。この下地膜として膜厚10nmのCr膜を挿入する
ことによって、CoPt膜の保磁力を大きくすることが
出来る。永久磁石膜間隔L2を0.4μm、0.6μ
m、0.7μm、0.8μm、1.0μm、1.2μm
の6通りとした。さらに、0.4μmの間隔Llを介し
て、膜厚75nmのAu膜からなる電極膜24'を配置
した。LlおよびL2の中心点はほぼ一致させた。
【0068】上記の感磁領域100'上に、膜厚60n
mのアルミナ膜からなる上ギャップ層25、記録磁極と
兼用される膜厚3μmのNiFe膜からなる上シールド
膜26を形成し、さらに膜厚0.2μmのアルミナ膜か
らなる記録ギャップ27を介して、膜厚2.5μmのC
oFeNi膜からなる記録磁極28を形成した。記録磁
極26,27間には図4の奥行き方向に、フォトレジス
トにより絶縁された図示しない励磁コイルを形成した。
以上のヘッドを、保磁力2500OeのCoCrPt磁
性膜からなる磁気媒体を用いて、記録再生特性を評価し
た。
【0069】その結果、実効的な再生トラック幅として
0.1μm〜0.5μmが得られた。また、再生出力は
図2に示すように、永久磁石膜幅L2、この場合0.4
μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、1.0μ
m、1.2μmと、電極間隔L1、この場合0.4μm
との差の半分の値((L2−Ll)/2)が0.15μ
m以上となると、ほぼ一定な高出力が得られた。
【0070】[実施例3]図2に示す本発明の磁気抵抗
効果型ヘッドの製造方法の実施例を、図5を参照して説
明する。
【0071】(a)に示すように、まず、スピンバルブ
膜10aを成膜する。成膜はマグネトロンスパッタ法を
用いているが、高周波(RF)スパッタ法やイオンビー
ムスパック法でも可能である。
【0072】次に、(b)に示すように、このスピンバ
ルブ膜10aをパタン化するためのフォトレジストパタ
ンR1を形成する。フォトレジスト材料は、パタンR1
の茎部を形成するレジスト材料と上頭部を形成するそれ
との材質を変えることによって、(b)に示す茎部より
上頭部が大きく広がったR1に示す形状を得た。
【0073】次に、(c)に示すように、はフォトレジ
ストパタンR1を用いてイオンビームエッチングにより
スピンバルブ膜10aをパタン化する。
【0074】次に、(d)に示すように、感磁領域のス
ピンバルブ10にバイアス磁界を印加する永久磁石膜2
3成膜しリフトオフする。本工程はイオンビームスパッ
ク法により成膜を行った。また、本工程は、マグネトロ
ンスパッタ法や高周波(RF)スパッタ法でも可能であ
る。
【0075】次に、(e)に示すように、新たにフォト
マスクR1よりも幅の狭いフォトマスクR2を形成す
る。このときフォトマスクR2の中心は、フォトマスク
R1の中心に出来るだけ一致させた。
【0076】次に、(f)に示すように、電極膜23を
成膜する。電極材料としてはAu膜を用いたが、WやT
aなどごも可能である。本発明ではこの工程を実施する
ために、指向性の高い成膜技術として、イオンビームス
パック法が最適であることを発見し、適用した。イオン
ビームスパック法では、成膜時のアルゴンなどのガス圧
力を1×10-4(Torr)以下と低くできることか
ら、スパック粒子のガスによる散乱を抑制できること、
さらにスパック粒子を発散させる母材(ターゲット)
と、膜を堆積させる基体との距離を20cm以上と長く
することが容易であることから、飛来方向の揃ったスパ
ッタ粒子を堆積させて膜を形成することが可能であっ
た。さらに、成膜時の基板の温度が低く押さえられるた
め、フォトレジストマスクR2の熱による変形が発生し
ないため、電極間隔を正確に形成できた。また、このと
き、成膜時のアルゴンなどのガス圧が1×10-3(To
rr)を超えると、スパッタ粒子のガスによる散乱が大
きくなり、スパッタ粒子の飛来方向の分散が著しくなる
こと、ターゲットと基板の距離が20cmよりと短くな
ると、スパッた粒子の飛来方向を揃えにくくなること、
といった問題が顕著であった。このことから、イオンビ
ームスパッタ法を用いるとともに、さらに好ましくは、
成膜時のアルゴンガス圧力を1×10-4(Torr)以
下と低くすること、ターゲットと膜を堆積させる基体と
の距離を20cm以上と長くすることが好ましいといえ
る。
【0077】次に、(g)に示すように、フォトレジス
トマスクR2を除去し素子を完成させた。以上のイオン
ビームスパッタ法を導入した本発明の工程により、初め
て、再生トラック幅が0.5μm以下の素子を簡便に実
現することが可能となった。なお、本方法によるトラッ
ク幅の下限は0.1μmであった。
【0078】本発明の製造方法の比較例として、(f)
の工程で、従来からの素子作製時に用いられてきた通常
のRFスパッタ法やマグネトロンスパッタ法を用いた際
に確認された問題点を、以下に述べる。
【0079】図12は、通常のRFスパッタ法やマグネ
トロンスパッタ法を用いて電極膜を成膜した場合であ
る。トラック幅の狭い素子であるために、電極242が
フォトマスクに回り込む影響が大きくなり、マスクを壁
としたバリが発生していることが確認された。このバリ
が素子の絶縁抵抗の減少などの問題を発生させる原因と
なった。
【0080】また、図12はフォトマスクR7の幅が狭
いために、フォトマスクR7の茎部が消失し、紙面前後
方向のブリッジ状にフォトマスクR7が形成された場合
である。この場合、通常のRFスパック法やマグネトロ
ンスパッタ法を用いて電極膜を成膜すると、電極膜の回
り込みによって電気的な短絡が発生した。以上のよう
に、狭い再生幅を電極間隔で規定するためには、通常の
RFスパッタ法やマグネトロンスパッタ法では実現不可
能であった。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気抵抗
効果型ヘッドによれば、高密度記録再生を行うために、
再生ヘッドのトラック幅を狭めていった場合、再生出力
がトラック幅が減少することに比例した減少量以上に大
幅に減少してしまうことが回避され、0.5μm以下の
狭トラックでも高出力な再生ヘッドを実現することがで
きる。
【0082】また、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドの製
造方法によれば、かかる挟トラック幅でも高出力で再生
できる磁気抵抗効果型ヘッドを確実に製造することがで
きる。
【0083】更に、本発明の磁気記憶装置によれば、本
発明の磁気抵抗効果型ヘッドを再生ヘッドに用いている
ので、磁気媒体の保磁力を2500Oe以上とすること
により、面記録密度を20ギガビット/平方インチ以上
とすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドの素
子構成を示す断面図であり、(b)〜(d)は磁性膜の
磁化挙動を示す模式図である。
【図2】規格化出力の電極膜間隔による変化の様子を示
すグラフである。
【図3】本発明による記録再生ヘッドの一実施形態の構
成を示す断面図である。
【図4】本発明による記録再生ヘッドの一実施形態の構
成を示す断面図である。
【図5】(a)〜(g)は、本発明の磁気抵抗効果型ヘ
ッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明による磁気記憶装置構成を示す構成図で
ある。
【図7】スピンバルブ膜の構成を示す模式図である。
【図8】従来の磁気記録再生ヘッドの構成を示す断面図
である。
【図9】(a)は、従来の磁気抵抗効果型ヘッドの素子
構成を示す断面図であり、(b)〜(d)は磁性膜の磁
化挙動を示す。
【図10】従来の磁気抵抗効果型ヘッドにおけるトラッ
ク幅が狭くなったときの素子構造を示す断面図であり、
(b)〜(d)は磁性膜の磁化挙動を示す。
【図11】(a)〜(e)は従来の磁気抵抗効果型ヘッ
ドの製造方法を示すフローチャートである。
【図12】(a)〜(g)は、従来の磁気抵抗効果型ヘ
ッドの製造方法におけるバリの発生を説明するフローチ
ャートである。
【図13】(a)〜(g)は、従来の磁気抵抗効果型ヘ
ッドの製造方法における問題点を説明するフローチャー
トである。
【符号の説明】
100 感磁領域 10 スピンバルブ層 11 (第1強磁性層)回転磁化層 23 永久磁石膜 24 電極膜 L1 電極膜間の離間距離 L2 永久磁石膜間の離間距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永原 聖万 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 森 茂 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5D034 BA03 BA05 BA09 CA04 DA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体磁界を感磁する磁気抵抗効果を有す
    る感磁領域と、前記感磁領域に電流を供給する互いに離
    間した一対の電極膜と、前記感磁領域にバイアス磁界を
    印加する互いに離間した一対の永久磁石膜とを備える磁
    気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果型ヘッドにおい
    て、実効的な再生トラック幅が0.1μm〜0.5μm
    であり、かつ、前記一対の永久磁石膜間の間隔が前記一
    対の電極膜間の間隔より0.3μm〜10μmであるこ
    とを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッドに
    おいて、前記感磁領域が、電気抵抗の変化が非磁性層を
    介して対向する2つの磁性層の磁化の方向間の余弦に比
    例するスピンバルブ層を有することを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の磁気抵抗効果型ヘ
    ッドにおいて、前記スピンバルブ層を構成する2つの磁
    性層のうち、磁化が変化する回転磁化層に対して前記一
    対の永久磁石膜が接合してバイアス磁界を印加している
    ことを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】 実効的な再生トラック幅が0.1μm〜
    0.5μmの磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法におい
    て、媒体磁界を感磁する磁気抵抗効果を有する感磁領域
    となる積層膜を形成する工程と、前記感磁領域となる積
    層膜の上に第1フォトレジスト膜をパターニングする工
    程と、前記第1フォトレジスト膜をマスクとして前記感
    磁領域となる積層膜をパターニングして感磁領域を形成
    する工程と、前記工程で用いた第1フォトレジスト膜を
    マスクとして前記感磁領域にバイアス磁界を印加する互
    いに離間する一対の永久磁石膜を成膜した後、前記第1
    フォトレジスト膜をリフトオフする工程と、前記第1フ
    ォトレジスト膜よりトラック幅方向の幅が狭い第2フォ
    トレジスト膜を形成する工程と、前記第2フォトレジス
    ト膜をマスクとして、前記一対の永久磁石膜間の間隔よ
    り0.3μm〜10μmだけ互いの離間距離が狭い一対
    の電極膜を成膜した後、前記第2フォトレジスト膜をリ
    フトオフする工程とを有することを特徴とする磁気抵抗
    効果型ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の磁気抵抗効果型ヘッドの
    製造方法において、前記電極膜を形成する工程が、スパ
    ッタ粒子の飛来の方向の指向性が高いスパッタリング法
    であることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の磁気抵抗効果型ヘッドの
    製造方法において、前記スパッタリング法が、イオンビ
    ームスパッタリング法であることを特徴とする磁気抵抗
    効果型ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の磁気抵抗効果型ヘッドの
    製造方法において、前記イオンビームスパッタリング法
    におけるガス圧力が1×10-5〜1×10-3Torrで
    あることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッドの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の磁気抵抗効果型ヘ
    ッドの製造方法において、前記イオンビームスパッタリ
    ング法におけるターゲット面と基板との距離が20cm
    〜100cmであることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘ
    ッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 情報を磁気的に記録する磁気記録媒体
    と、電気信号に応じた磁界を発生し、この磁界により情
    報を前記磁気記録媒体に記録させる記録ヘッドと、前記
    磁気記録媒体から漏洩する磁界の変化を電気信号に変換
    する再生ヘッドとをそなえる磁気記憶装置において、前
    記再生ヘッドが、媒体磁界を感磁する磁気抵抗効果を有
    する感磁領域と、前記感磁領域に電流を供給する互いに
    離間した一対の電極膜と、前記感磁領域にバイアス磁界
    を印加する互いに離間した一対の永久磁石膜とを備える
    磁気抵抗効果素子を有し、実効的な再生トラック幅が
    0.1μm〜0.5μm、かつ、前記一対の永久磁石膜
    間の離間距離が前記一対の電極膜間の間隔より0.3μ
    m〜10μm長い磁気抵抗効果型ヘッドであることを特
    徴とする磁気記憶装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の磁気記憶装置におい
    て、前記磁気記録媒体が保磁力2500Oe〜4000
    Oeであるときに、面記録密度が20ギガビット/平方
    インチ〜100ギガビット/平方インチの記録再生を行
    うことを特徴とする磁気記憶装置。
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