JPH09115114A - 磁気抵抗効果素子並びにそれを用いた磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子並びにそれを用いた磁気ヘッド及び磁気記録再生装置

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JPH09115114A
JPH09115114A JP7269721A JP26972195A JPH09115114A JP H09115114 A JPH09115114 A JP H09115114A JP 7269721 A JP7269721 A JP 7269721A JP 26972195 A JP26972195 A JP 26972195A JP H09115114 A JPH09115114 A JP H09115114A
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magnetic
magnetoresistive effect
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JP7269721A
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Chiaki Ishikawa
千明 石川
Yasutaro Kamisaka
保太郎 上坂
Kazuhisa Fujimoto
和久 藤本
Ken Sugita
愃 杉田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】縦バイアス磁界を印加しても、高い再生出力を
得ることのできる磁気抵抗効果型再生ヘッドを提供す
る。 【解決手段】 磁気抵抗効果膜の磁化容易軸の方向と、
バイアス磁界印加時の平均的な磁化方向のなす角度が、
60°〜120°の磁気抵抗効果型再生ヘッドにおい
て、磁気抵抗効果膜の異方性磁界Hkが7Oe以上とす
る。 【効果】 磁気抵抗効果型再生ヘッドにおける再生出力
を増大させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果素子
及びそれを用いた磁気ヘッド、磁気記録再生装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気抵抗効果(MR)センサまた
はヘッドと呼ばれる磁気読み取り変換器が知られてい
る。このMRセンサは、磁気抵抗効果材料から作った読
み取り素子の抵抗変化を利用して、磁気信号を素子が感
知する磁束の量及び方向の関数として検出するもので、
従来のインダクティブヘッドを用いた場合にくらべて、
より大きな再生出力を得ることができる。
【0003】MR素子の動作を最適化するためには、M
R素子に2種類のバイアス磁界をかける必要がある。第
1のバイアス磁界は横バイアス磁界と呼ばれるもので、
磁気記録媒体からの磁束に対する応答を線形にするため
に印加される。横バイアス磁界は、磁気記録媒体の面に
垂直で平坦なMR素子の表面に平行である。横バイアス
磁界印加法には電流バイアス法、シャントバイアス法、
ソフトバイアス法、ソフトアジェイセントレーヤ(SA
L)バイアス法等、種々の方法がある。これらの横方向
バイアス磁界は、MR素子をR−H特性曲線の最も直線
的な範囲にバイアスさせるのに十分なレベルで発生され
る。
【0004】MR素子の動作を最適化するための第2の
バイアス磁界は縦バイアス磁界と呼ばれるもので、磁気
記録媒体の表面に平行、かつ、MR素子の長手方向に平
行に印加される。縦バイアスの機能は、MR素子内の多
磁区構造から生じるバルクハウゼンノイズを抑えること
である。
【0005】縦バイアス磁界の印加方法には、特開昭6
2−40610号公報や特開昭63−117309号公
報あるいは特願平5−33036に示されている反強磁
性膜を用いる方法や、特開平2−220213号公報や
特開平4−78826号公報に示されている永久磁石膜
を用いる方法がある。日本応用磁気学会誌第16巻サプ
リメントS1号85ペ−ジ(1992年)に示されてい
るように、反強磁性膜を用いる方法は永久磁石膜を用い
る方法に比べて大きな再生出力を得ることが出来るが、
バルクハウゼンノイズを充分抑えることができないとい
う問題がある。横バイアス磁界印加法としてソフトアジ
ェイセントレーヤバイアス法を用い、縦バイアス磁界印
加法として反強磁性膜を用い、しかもバルクハウゼンノ
イズを抑えるひとつの方法として、特開平3−1780
18号公報に示されているように、MR膜の磁化容易軸
を長手方向から所定の角度傾け、しかも横バイアス磁界
印加用軟磁性膜(SAL)の磁化容易軸をMR膜の磁化
容易軸方向とは反対側に傾ける方法がある。この方法は
バルクハウゼンノイズを抑える上である程度の有効性を
有するものの、MR膜の磁化容易軸方向とSALの磁化
容易軸方向を長手方向に対し、互いに逆向きにするとい
う点で、作製プロセス上の困難および歩留まりの悪さと
いう問題を残す。
【0006】さらに、SALの磁化容易軸を長手方向か
ら所定の角度傾け、さらにMR膜の磁化容易軸もSAL
の磁化容易軸方向と同じ回転方向に傾ける方法が特開平
6−166854号に記載されている。この方法も、バ
ルクハウゼンノイズを抑制するのに効果的であることが
示されている。
【0007】一方、再生出力を向上することを目的とし
て、縦バイアス磁界印加用の永久磁石膜の磁化方向を長
手方向から傾ける方法が、特開平7−44827号公報
に示されている。しかし、この方法においてはMR膜あ
るいはSALの磁化容易軸の方向についての配慮はなさ
れていない。
【0008】磁化容易軸を長手方向に向ける従来技術で
は、異方性磁界Hkを大きくしすぎると再生出力が低下
するため、Hkは5Oe前後が望ましいとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上示したように、M
R膜及びSALの磁化容易軸の方向を、膜の長手方向か
ら傾ける従来技術は、主としてバルクハウゼンノイズの
抑止を目的としたものであった。これらの従来技術にお
いては、バルクハウゼンノイズを抑止するために縦バイ
アス磁界を印加すると、再生出力が低下するという問題
があった。
【0010】本発明は、縦バイアス磁界を印加しても高
い再生出力を得ることのできるMRヘッドを提供するこ
とを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、MR膜の磁
化容易軸の方向と、バイアス磁界印加時のMR膜中の磁
化の方向のなす角度が、60°〜120°となるよう
に、MR膜の磁化容易軸の方向を傾けた時、MR膜の異
方性磁界の大きさを7Oe以上、望ましくは10Oe〜
30Oeとすることにより達成される。ここで、磁化容
易軸とは結晶磁気異方性等により生じるものを意味し、
形状異方性によるものは含んでいない。すなわち、MR
膜中の磁化容易軸の方向はMR膜作製時の磁界印加方向
を意味する。
【0012】本発明による磁気抵抗効果素子は、磁気抵
抗効果膜と、磁気抵抗効果膜に電流を流すための一対の
電極と、磁気抵抗効果膜に横バイアス磁界を印加するた
めの手段と、磁気抵抗効果膜に縦バイアス磁界を印加す
るための手段とを含み、磁気抵抗効果膜の磁化容易軸の
方向とバイアス磁界印加時の磁化方向のなす角度が60
°〜120°で、磁気抵抗効果膜の異方性磁界の大きさ
が7Oe以上、望ましくは10Oe〜30Oeであるこ
とを特徴とする。
【0013】横バイアス磁界は軟磁性膜を用いるSAL
バイアス法で印加するのが好ましく、縦バイアス磁界は
永久磁石又は反強磁性膜によって印加することができ
る。
【0014】磁気抵抗効果素子の具体的な構造として
は、(1)基板上に積層して設けられた横バイアス磁界
印加用の軟磁性膜、非磁性導電膜及び磁気抵抗効果膜、
前記磁気抵抗効果膜の長手方向両端部に設けられた縦バ
イアス磁界印加用の一対の永久磁石膜、並びに前記一対
の永久磁石膜上に設けられた一対の電極とを備える構
造、(2)基板上に積層して設けられた横バイアス磁界
印加用の軟磁性膜、非磁性導電膜及び磁気抵抗効果膜及
び前記磁気抵抗効果膜上に長手方向に離間して設けられ
た一対の反強磁性を含む多層膜と、前記多層膜の上に設
けられた一対の電極とを備え、前記一対の反強磁性膜は
電極の下方領域に設けられている構造、あるいは、
(3)基板上に積層して設けられた反強磁性膜、前記反
強磁性膜に長手方向両端部が接触するようにして積層さ
れた磁気抵抗効果膜、その上に積層された非磁性導電膜
及び横バイアス磁界印加用の軟磁性膜を含む多層膜と、
前記多層膜の上に設けられた一対の電極とを備える構造
等を採用することができる。
【0015】本発明の磁気抵抗効果素子は磁気ヘッドに
組み込むことができる。また、本発明の磁気抵抗効果型
再生ヘッドは、磁気記録用誘導型薄膜ヘッドと組み合わ
せて記録再生分離型磁気ヘッドを構成することができ
る。
【0016】MRヘッドの再生出力は、MR膜内の磁化
回転角θに対してcos2θに比例する。従って、媒体
からの磁界がMRヘッドに印加された時に変化するMR
膜内の磁化の回転角が大きいほど、再生出力は大きい。
【0017】バイアス磁界印加時のMR膜の磁化の方向
と、磁化容易軸の方向のなす角度をほぼ90°とする
と、MR膜の磁化はほぼ磁化困難軸方向を向くことにな
るので、不安定な状態になる。この状態に媒体からの磁
界が印加されると、磁化は磁化容易方向へ向こうとする
ので、磁化の回転角が増加する。MR膜の異方性磁界を
大きくするほど、磁化が磁化容易方向へ向こうとする力
が大きくなるので、さらに回転角が増加して、再生出力
が上がる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について詳
細に説明する。
【0019】(実施例1)図1は、本発明による磁気抵
抗効果(MR)素子を備える磁気ヘッドの一実施例の断
面図である。この磁気ヘッドの作製に当たっては、基板
5上に、厚さ2μmの下部シ−ルド膜(NiFe膜)1
0、厚さ0.2μmの磁気ギャップ形成用絶縁膜(Al
23膜)20、厚さ20nmの軟磁性膜(CoZrTa
膜)30、厚さ15nmの非磁性導電膜(Ta膜)4
0、厚さ20nmの磁気抵抗効果膜(NiFeCo膜)
50を積層した。次に、有機レジスト膜を積層した後、
所望の形状にパタ−ニングを行った。さらに、厚さ30
nmの永久磁石膜(CoCrPt膜)60を積層し所望
の形状に加工した後、Nb/Au/Nbを積層、加工し
電極70とした。さらに、厚さ0.155μmの磁気ギ
ャップ形成用絶縁膜(Al23膜)80、厚さ2μmの
上部シ−ルド膜(NiFe膜)90を積層し所望の形状
に加工して磁気ヘッドとした。
【0020】MR膜を作製する際には、図2に示すMR
膜平面の長手方向xから−45°傾けた、矢印eで示す
方向に30Oeの磁界を印加して磁化容易軸をつけた。ま
たSALを作製する際にも、MR膜の磁化容易軸方向と
同方向に30Oeの磁界を印加して磁化容易軸をつけた。
さらに永久磁石膜を作製した後、矢印xの方向に着磁の
ための磁界を1000Oe印加した。
【0021】また、磁気抵抗効果膜の異方性磁界はCo
の添加量によって調節した。本実施例の磁気抵抗効果膜
は、Coを18%添加して異方性磁界を20Oeとし
た。
【0022】このMRヘッドに、MR膜に流れる電流が
1.5×107A/cm2となるようにセンス電流を流し、
バイアス磁界印加時の磁化Mの方向が長手方向xから約
+45°傾くようにした(第2図)。すなわち、磁化容
易軸の方向eとMのなす角θdが約90°になるように
した。ここで、バイアス磁界印加時の磁化方向の長手方
向xからの傾き角をバイアス角度θbとし、バイアス角
度は以下に示すように測定した。第3図は、横バイアス
磁界印加時のMRヘッドに外部から一様な磁界Hを印加
した時の、電圧の変化ΔVを測定した結果である。バイ
アス角度θbは、外部磁界がゼロの時の電圧変化ΔV
0と、電圧変化の最大値ΔVmaxをもとに、次の関係式か
ら求めた。
【0023】ΔV0/ΔVmax=cos2θb このヘッドの再生出力を測定し、MR膜の異方性磁界H
kが5Oeの従来ヘッドの再生出力と比較した結果、出
力が約2倍に向上するこが確かめられた。
【0024】さらに、MR膜の異方性磁界Hkを5Oe
から50Oeまで変えて、図1に示す構造のヘッドを作
製して、再生出力を測定した。このとき、MRヘッドに
流す電流は一定で、MR膜の電流密度が1.5×107
A/cm2となるようにセンス電流を流した。図4に示す
ように、Hkを大きくするほど、再生出力は増加し、H
kが50Oeのヘッドの再生出力は従来の約4倍になっ
た。ただし、Hkが30Oeより大きいヘッドでは、再
生波形の変動が起こる場合があり、ヘッドの安定性に問
題があった。Hkが10Oe〜30Oeのヘッドは再生
出力が従来の1.5〜2.5倍になり、しかも安定に動
作する。
【0025】(実施例2)図5に、本発明によるMR素
子を備える磁気抵抗効果型ヘッドの他の実施例の断面図
を示す。このヘッドの作製に当たっては、基板5上に、
厚さ2μmの下部シ−ルド膜(NiFe膜)10、厚さ
0.2μmの磁気ギャップ形成用絶縁膜(Al23膜)
20、厚さ20nmの軟磁性膜(CoTaZr膜)3
0、厚さ15nmの非磁性導電膜(Ta膜)40、厚さ
20nmの磁気抵抗効果膜(NiFeCo膜)50、厚
さ20nmの磁区制御用FeMn膜100を積層した
後、所望の形状に加工する。つぎに電極用Nb/Au/
Nb70を積層し、所望の形状に加工した後、厚さ0.
155μmの磁気ギャップ形成膜(Al23膜)80、
厚さ2μmの磁気シ−ルド膜(NiFe膜)90を積層
し所望の形状に加工して磁気ヘッドとした。このヘッド
のMR膜の磁化容易軸の方向eと、横バイアス磁界によ
って傾く平均的な磁化方向Mは、図2に示すようにθe
≒−45°、θd≒90°に設定した。また、MR膜の
Hkは20Oeとした。このヘッドで得た再生出力も、
MR膜の異方性磁界Hkが5Oeの従来ヘッドに比べ
て、約2倍向上した。
【0026】(実施例3)図6に、本発明によるMR素
子を備える磁気抵抗効果型ヘッドの他の実施例の断面図
を示す。このヘッドの作製に当たっては、基板5上に、
厚さ2μmの下部シ−ルド膜(NiFe膜)10、厚さ
0.2μmの磁気ギャップ形成用絶縁膜(Al23膜)
20、厚さ20nmの磁区制御用NiO膜100、厚さ
10nmの絶縁用Al23膜110を積層した後、厚さ
20nmの磁気抵抗効果膜(NiFeCo膜)50、厚
さ15nmの非磁性導電膜(Ta膜)40、厚さ20n
mの軟磁性膜(CoTaZr膜)30を積層して、所望
の形状に加工した。次に電極用Nb/Au/Nb70を
積層し、所望の形状に加工した後、厚さ0.155μm
の磁気ギャップ形成膜(Al23膜)80、厚さ2μm
の磁気シ−ルド膜(NiFe膜)90を積層し所望の形
状に加工して磁気ヘッドとした。
【0027】MR膜の磁化容易軸の方向eと横バイアス
磁界によって傾く磁化方向Mは、図2に示すようにθe
≒−45°、θd≒90°に設定した。また、MR膜の
Hkは20Oeとした。このヘッドで得た再生出力も、
MR膜の異方性磁界Hkが5Oeの従来ヘッドに比べ
て、約2倍向上した。
【0028】(実施例4)本発明の磁気抵抗効果素子を
再生用ヘッドに用い、従来公知の誘導型薄膜ヘッドを記
録用ヘッドとして用いる記録再生分離型磁気ヘッドを作
製した。図7に、本実施例による記録再生分離型ヘッド
の一部分を切断した斜視図を示す。
【0029】Al23・TiCを主成分とする焼結体を
スライダ用の基板5とした。前記実施例1に示した方法
により下部シ−ルド膜10形成し、その上に磁気ギャッ
プ形成用絶縁膜(Al23膜)、厚さ20nmの軟磁性
膜(NiFeNb膜)30、非磁性導電膜(Ta膜)4
0、磁気抵抗効果膜(NiFeCo膜)50、有機レジ
スト膜を積層した後、所望の形状にパタ−ニングを行
う。さらに、厚さ30nmの永久磁石膜(CoCrPt
膜)を積層し所望の形状に加工した後、Nb/Au/N
b70を積層、加工して電極とした。さらにその上に、
磁気ギャップ形成膜(Al23膜)、磁気シールド膜
(NiFe膜)90を形成した。以上の部分が再生ヘッ
ドとして働く。MR膜およびSALの磁化容易軸の方向
eは、図2に示すように、ほぼ−45°に設定し、永久
磁石膜の着磁方向は長手方向xに設定した。また、MR
膜のHkは20Oeとした。
【0030】次に、磁気記録用ヘッドとして、厚さ3μ
mのAl23からなる絶縁膜を形成した後、下部磁極1
20、上部磁極130およびコイル140からなる誘導
型薄膜ヘッドを形成した。下部磁極120、上部磁極1
30には、スパッタリング法で形成した膜厚3.0μm
のNi−20at%Fe合金を用いた。下部磁極120
および上部磁極130の間のギャップ層には、スパッタ
リング法で形成した膜厚0.2μmのAl23を用い
た。コイル140には、膜厚3.0μmのCuを使用し
た。下部磁極120と上部磁極130は磁気的に結合さ
れて磁気回路を構成し、コイル140はその磁気回路に
鎖交している。
【0031】以上述べた構造の磁気ヘッドを用い、磁気
抵抗効果膜の平均的な磁化方向が、図2の矢印Mとほぼ
同じ方向(θd≒90°)になるように、センス電流
(MR膜の電流密度が1.5×107A/cm2)を流し
て記録再生実験を行った。この結果、MR膜の磁化容易
軸の方向が膜の長手方向に平行な従来の磁気ヘッドを用
いた場合に比べて、約2倍大きな出力値を得た。
【0032】(実施例5)前記実施例4で述べた磁気ヘ
ッドを用い、磁気ディスク装置を作製した。図8(a)
に磁気ディスク装置の概略平面図を、図8(b)にその
A−A’断面図を示す。
【0033】磁気記録媒体150には、残留磁束密度
0.75TのCo−Ni−Pt−Ta系合金からなる材
料を用いた。磁気記録媒体150は駆動部160によっ
て回転駆動される。磁気ヘッド170の記録ヘッドのト
ラック幅は2μm、再生ヘッドのトラック幅は1.5μ
mとした。磁気ヘッド170は、駆動部180によって
回転駆動されて磁気記録媒体150上のトラックを選択
できる。磁気ヘッド170による記録再生信号は記録再
生信号処理系190で処理される。
【0034】磁気ヘッド170に用いた磁気抵抗効果素
子は、従来の構造の磁気抵抗効果素子の2.0倍の出力
を出すため、さらにトラック幅が狭く、記録密度の高い
磁気ディスク装置を作製することもできる。
【0035】
【発明の効果】本発明によると、磁気抵抗効果型再生ヘ
ッドにおける再生出力を増大させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気抵抗効果素子の一実施例を示す断
面図である。
【図2】本発明の磁気抵抗効果膜の磁化容易軸eの方向
と、バイアス磁界印加時の磁化方向Mとの関係を示す説
明図である。
【図3】外部磁界Hと磁気ヘッドの電圧変化ΔVとの関
係を示す線図である。
【図4】磁気抵抗効果膜の異方性磁界Hkと再生出力と
の関係を示す線図である。
【図5】本発明の磁気抵抗効果素子のその他の一実施例
を示す断面図である。
【図6】本発明の磁気抵抗効果素子のその他の一実施例
を示す断面図である。
【図7】本発明の記録再生分離型磁気ヘッドの構造を示
す斜視図である。
【図8】本発明の磁気記録再生装置の概略図である。
【符号の説明】
5…基板、10…下部シ−ルド膜、20…下部磁気ギャ
ップ形成用絶縁膜、30…軟磁性膜、40…非磁性導電
膜、50…磁気抵抗効果膜、60…永久磁石膜、70…
電極、80…上部磁気ギャップ形成用絶縁膜、90…上
部シ−ルド膜、100…磁区制御用反強磁性膜、110
…絶縁用Al23膜、120…記録ヘッド用下部磁極、
130…記録ヘッド用上部磁極、140…コイル、15
0…磁気記録媒体、160…磁気記録媒体駆動部、17
0…磁気ヘッド、180…磁気ヘッド駆動部、190…
記録再生信号処理系、x…磁気抵抗効果膜の長手方向、
e…磁化容易軸方向、M…磁化の平均的な方向、θe …
xとeのなす角、θd …eとMのなす角
フロントページの続き (72)発明者 杉田 愃 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜
    に電流を流すための一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜
    に横バイアス磁界を印加するための手段と、前記磁気抵
    抗効果膜に縦バイアス磁界を印加するための手段とを含
    み、前記磁気抵抗効果膜の磁化容易軸の方向とバイアス
    磁界印加時の磁化方向のなす角度が60°〜120°
    で、前記磁気抵抗効果膜の異方性磁界の大きさが7Oe
    以上であることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜
    に電流を流すための一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜
    に横バイアス磁界を印加するための手段と、前記磁気抵
    抗効果膜に縦バイアス磁界を印加するための手段とを含
    み、前記磁気抵抗効果膜の磁化容易軸の方向とバイアス
    磁界印加時の磁化方向のなす角度が60°〜120°
    で、前記磁気抵抗効果膜の異方性磁界の大きさが10O
    e〜30Oeであることを特徴とする磁気抵抗効果素
    子。
  3. 【請求項3】 基板上に積層して設けられた横バイアス
    磁界印加用の軟磁性膜、非磁性導電膜及び磁気抵抗効果
    膜、前記磁気抵抗効果膜の長手方向両端部に設けられた
    縦バイアス磁界印加用の一対の永久磁石膜、並びに前記
    一対の永久磁石膜上に設けられた一対の電極とを備える
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気抵抗効果素
    子。
  4. 【請求項4】 基板上に積層して設けられた横バイアス
    磁界印加用の軟磁性膜、非磁性導電膜及び磁気抵抗効果
    膜、前記磁気抵抗効果膜の長手方向に離間して設けられ
    た一対の反強磁性を含む多層膜と、前記多層膜の上に設
    けられた一対の電極とを備え、前記一対の反強磁性膜は
    電極の下方領域に設けられていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】 基板上に積層して設けられた反強磁性
    膜、前記反強磁性膜に長手方向両端部が接触するように
    して積層された磁気抵抗効果膜、その上に積層された非
    磁性導電膜及び横バイアス磁界印加用の軟磁性膜を含む
    多層膜と、前記多層膜の上に設けられた一対の電極とを
    備えることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気抵抗
    効果素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の磁気
    抵抗効果素子を備えることを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 積層方向に離間して設けられた一対の磁
    気シールド膜をさらに備え、前記磁気抵抗効果素子は前
    記一対の磁気シールド膜の間に配置されていることを特
    徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 一対の磁極、該一対の磁極を磁気的に結
    合する磁気回路手段及び前記磁気回路に鎖交するコイル
    を含む磁気記録用誘導型薄膜ヘッドと、前記請求項6又
    は7記載の磁気ヘッドとを備えることを特徴とする記録
    再生分離型磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 磁気記録媒体と、請求項6、7又は8の
    いずれか1項に記載の磁気ヘッドと、前記磁気記録媒体
    と前記ヘッドとを相対的に駆動する駆動手段と、前記磁
    気ヘッドに接続された記録再生信号処理系とを含むこと
    を特徴とする磁気記録再生装置。
JP7269721A 1995-10-18 1995-10-18 磁気抵抗効果素子並びにそれを用いた磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 Pending JPH09115114A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004311686A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子およびその製造方法

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