JPH10142490A - 環境認識装置及びカメラ - Google Patents

環境認識装置及びカメラ

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JPH10142490A
JPH10142490A JP8318566A JP31856696A JPH10142490A JP H10142490 A JPH10142490 A JP H10142490A JP 8318566 A JP8318566 A JP 8318566A JP 31856696 A JP31856696 A JP 31856696A JP H10142490 A JPH10142490 A JP H10142490A
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distance
environment recognition
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JP8318566A
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Hitoshi Oonoda
仁 大野田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 距離差が少ない物体が存在する状況に於て
も、正確な環境認識を可能にする。 【解決手段】 例えば一部のみが近接する複数の物体1
1,12が存在する場合に於ても、個々の物体の平均的
な距離が異なりさえすれば、個々の物体の存在は頻度分
布の別々のピークとして現れる(peak−D,pea
k−E)ことが多いという点に着目し、被写界空間の距
離分布情報から該情報の頻度分布を作成し、この頻度分
布の情報に基づき領域分割を行うようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外界の距離分布情
報に基づいて画面を個々の物体毎に切り分けるが如く領
域分割し、各領域を評価することにより環境認識を行う
環境認識装置及び該環境認識装置を具備したカメラの改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の方向に存在する物体までの距離を
光学的に測定する技術として、本願出願人による特公平
4−67607号が開示されている。この技術によれ
ば、被写界に存在する物体の距離分布情報が得られ、そ
の分布情報から被写界の物体配置状況を認識することが
可能である。
【0003】従来行われていた典型的な環境認識方法に
ついて、以下に説明する。
【0004】図21(a)に示した様なシーンをCCD
等を用いたステレオカメラなどで撮影する。そして、該
ステレオカメラで得られる、互いに視差を持った2つの
画像をそれぞれ「m×n」個のブロックに分割し、一方
のカメラで撮影した画像のあるブロック内の信号と他方
のカメラで撮影した対応するブロック内の信号の間で公
知の相関演算を行うと、三角測量の原理により、前ブロ
ック内の物体までの距離やデフォーカスを測定すること
ができる。この測定をすべてのブロックに対して行うこ
とにより、図21(b)の様な「m×n」ブロックから
成る距離分布情報が得られる。
【0005】次に、被写界を構成する各物体を画面上で
分離するために領域分割(グルーピング)を行う。この
グルーピングが行われると、前述の「m×n」ブロック
からなる被写界空間は、図21(c)の様に物体毎に領
域分割される(図中の斜線部分は像信号のコントラスト
不足などで、相関演算結果の信頼性が低いと判断された
領域である)。
【0006】領域分割(グルーピング)の手法として、
被写界空間を構成するブロックとこれに隣接するブロッ
クに関する二つのパラメータの類似度を比較して、類似
度が高ければ同一物体、類似度が低ければ別の物体と判
断する方法が存在する。前記パラメータとして用いられ
る情報は、緻密な距離分布データが得られる場合には面
の法線ベクトルであることが多く、本従来例のように比
較的荒い距離分布データの場合には単純に距離値やデフ
ォーカス値などが用いられる。
【0007】例えば、図21(b)の各ブロックの距離
情報に対して、隣接する左右の二つのブロックの距離情
報を比較してこの距離の差が所定値以内であれば「二つ
のブロックを構成する物体は同一物体を形成する」と判
断し、また距離の差が所定値より大きければ「二つのブ
ロックを構成する物体は別物体である」と判断する。す
べてのブロックとその隣接関係にあるブロックとの間
で、前述の判断を行うことで、画面全体を物体毎に領域
分けすることができ、分割された各領域は一つの物体を
表すグループとして扱うことができる。
【0008】このように画面内を物体毎に領域分割して
環境を認識する技術は、例えば自らの進行方向を決定す
る自動走行ロボットや、前後の障害物を判断して自動的
に危険回避を行う車に利用可能である。
【0009】さらに、各領域を評価して画面内の主要物
体を検出することにより主被写体を自動認識し、該主被
写体に焦点を合せるカメラや、主被写体のみを測光して
逆光状況下に於ても主被写体に適正に露出を合せること
が可能なカメラ、または室内で人物が存在する方向を判
断して適切に送風制御するエアコンなど、幅広い技術分
野で利用可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来は、比較的荒い距
離分布情報に基づき領域分割を行う場合、隣接する二つ
の領域の距離(あるいはデフォーカス量)などの差が所
定値以下かどうかで、二つのブロックが同一物体である
かどうかを判定していたのは前述の通りである。しか
し、このような方法では正確な領域分割を行うことがで
きない場合があった。
【0011】例えば、二人の人間が体の一部が重なるよ
うに前後に並んでいる場合、たとえ二人の平均的な距離
差が前記の所定値以上存在する場合でも、体のごく一部
が接しているだけで、この部分の距離差が前述の所定値
以下になる場合があり、二つの物体を一つの領域として
まとめてしまう場合があった。
【0012】また、相関演算により距離を求めているの
で、同一演算ブロック内に遠近二つの物体像が映り込ん
でいる場合、二つの物体の間の距離が導出されることが
ある(必ずしも中間ではなく、どの距離になるかは像信
号のパターンに依存する)。このような「遠近競合」と
呼ばれる状態が生じた場合、二つの物体の距離差が前記
所定値以上であっても、境界の一部に中間的な距離値が
算出され、結果的に二つの物体を一つの物体としてまと
めて領域分けしてしまうことがあった。
【0013】以上のように従来の方法では、被写界の物
体配置を正確に認識できないことがあるため、主要物体
の認識を誤り、例えば、カメラの場合では焦点調節量の
算出や露光量の算出を正確に行えないことがあった。
【0014】(発明の目的)本発明の第1の目的は、距
離の頻度分布情報を領域分割に利用することにより、距
離差が少ない物体が存在する状況に於ても、正確な環境
認識を行える環境認識装置を提供することにある。
【0015】本発明の第2の目的は、距離の頻度分布情
報の極大値を検出し、極大値の前後に境界値を設定する
ことにより、正確な環境認識を行える環境認識装置を提
供することにある。
【0016】本発明の第3の目的は、距離の頻度分布情
報の極値の尖鋭度を評価し、所定の尖鋭度を有する極値
の情報のみを領域分割に利用することにより、さらに正
確な環境認識を行える環境認識装置を提供することにあ
る。
【0017】本発明の第4の目的は、距離の頻度分布情
報の極小値を領域分割に利用することにより、さらに正
確な環境認識を行える環境認識装置を提供することにあ
る。
【0018】本発明の第5の目的は、デフォーカスの頻
度分布情報を領域分割に利用することにより、正確な環
境認識を行える環境認識装置を提供することにある。
【0019】本発明の第6の目的は、デフォーカスの頻
度分布情報の極大値を検出し、極大値の前後に境界値を
設定することにより、さらに正確な環境認識を行える環
境認識装置を提供することにある。
【0020】本発明の第7の目的は、デフォーカスの頻
度分布情報の極値の尖鋭度を評価し、所定の尖鋭度を有
する極値の情報のみを領域分割に利用することにより、
さらに正確な環境認識を行える環境認識装置を提供する
ことにある。
【0021】本発明の第8の目的は、デフォーカスの頻
度分布情報の極小値を領域分割に利用することにより、
さらに正確な環境認識を行える環境認識装置を提供する
ことにある。
【0022】本発明の第9の目的は、環境認識装置によ
り得られる環境認識結果から主被写体領域を検出し、主
被写体領域の検出結果に基づき適切な撮影パラメータを
設定することのできるカメラを提供することにある。
【0023】本発明の第10の目的は、検出された主被
写体に対して焦点を調節することにより、撮影者が焦点
調節位置を意識することなく、正確に主被写体を判定し
て自動的に焦点を合わせることのできるカメラを提供す
ることにある。
【0024】本発明の第11の目的は、検出された主被
写体領域の光量に基づき、露出を調節することにより、
逆光などの悪条件下などに於ても、主被写体に正確に露
出を合せることのできるカメラを提供することにある。
【0025】本発明の第12の目的は、検出された主被
写体領域の情報に基づき、焦点距離を調節することによ
り、撮影者が焦点距離を調節することなく、主被写体に
対して適切な画角を自動的に設定することのできるカメ
ラを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1又は9記載の本発明は、外界の距離
分布情報に基づいて画面を個々の物体毎に切り分けるが
如く領域分割する領域分割手段を備え、該領域分割手段
の出力を基に環境認識を行う環境認識装置において、前
記領域分割手段は、前記距離分布情報に基づいて距離の
頻度分布情報を作成し、該頻度分布情報を領域分割の判
定要素の一つとして用いるようにしている。
【0027】更に詳述すると、被写界空間の距離分布情
報から該情報の頻度分布を作成する。この頻度の分布に
於ては、例えば一部のみが近接する複数の物体が存在す
る場合に於ても、個々の物体の平均的な距離が異なりさ
えすれば、個々の物体の存在は頻度分布の別々のピーク
として現れることが多いという点に着目し、頻度分布の
情報に基づき領域分割を行うようにしている。
【0028】上記第2の目的を達成するために、請求項
2又は9記載の本発明は、頻度分布情報の極大値を検出
し、該極大値の前後の所定分量だけ離れた距離に境界値
を設定し、この境界値の情報に基づいて領域分割を行う
ようにしている。
【0029】上記第3の目的を達成するために、請求項
3又は9記載の本発明は、検出したすべての極値に対し
てその尖鋭度を評価し、所定値以上の尖鋭度を有する極
値の情報のみを領域分割の判定要素の一つとして用いる
ようにしている。
【0030】上記第4の目的を達成するために、請求項
4又は9記載の本発明は、頻度分布情報の極小値を検出
し、極小値の距離をもって境界値と設定し、この境界値
の情報に基づいて領域分割を行うようにしている。
【0031】上記第5の目的を達成するために、請求項
5又は10記載の本発明は、被写界のデフォーカスの分
布情報に基づき、画面を個々の物体毎に切り分けるが如
く領域分割する前記領域分割手段を備え、該領域分割手
段の出力に基づいて環境認識を行う環境認識装置におい
て、前記領域分割手段は、前記デフォーカス分布情報に
基づいてデフォーカスの頻度分布情報を作成し、該頻度
分布情報を前記領域分割の判定要素の一つとして用いる
ようにしている。
【0032】更に詳述すると、被写界空間のデフォーカ
ス分布情報から該情報の頻度分布を作成する。この頻度
の分布に於ては、例えば一部のみが近接する複数の物体
が存在する場合に於ても、個々の物体の平均的なデフォ
ーカスが異なりさえすれば、個々の物体の存在は頻度分
布の別々のピークとして現れることが多いという点に着
目し、頻度分布の情報に基づき領域分割を行うようにし
ている。
【0033】上記第6の目的を達成するために、請求項
6又は10記載の本発明は、頻度分布情報の極大値を検
出し、該極大値の前後の所定分量だけ離れたデフォーカ
ス値に境界値を設定し、この境界値の情報に基づいて領
域分割を行うようにしている。
【0034】上記第7の目的を達成するために、請求項
7又は10記載の本発明は、検出したすべての極値に対
してその尖鋭度を評価し、所定値以上の尖鋭度を有する
極値の情報のみを領域分割の判定要素の一つとして用い
るようにしている。
【0035】上記第8の目的を達成するために、請求項
8又は10記載の本発明は、頻度分布情報の極大値と極
小値を検出し、極大値の前後に存在する極小値のデフォ
ーカス値をもって境界値と設定し、この境界値の情報に
基づいて領域分割を行うようにしている。
【0036】上記第9の目的を達成するために、請求項
11記載の本発明は、前述の請求項9又は10記載の環
境認識装置と、該環境認識装置の環境認識結果から主被
写体の領域を検出する主被写体検出手段と設けた構成に
している。
【0037】上記第10の目的を達成するために、請求
項12記載の本発明は、主被写体検出手段の出力結果に
基づいて主被写体に焦点を合わせる自動焦点調節手段を
備えた構成にしている。
【0038】上記第11の目的を達成するために、請求
項13記載の本発明は、主被写体検出手段の出力結果に
基づいて主被写体領域の光量を測定する測定手段と、そ
の光量に基づいて露光量を調節する自動露光量調節手段
とを備えた構成にしている。
【0039】上記第12の目的を達成するために、請求
項14記載の本発明は、主被写体検出手段の出力結果に
基づいて主被写体が適切な大きさになるようにレンズの
焦点距離を調節する自動焦点調節手段を備えた構成にし
ている。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0041】カメラの自動測距点選択機能を例に、被写
界の物体配置状況を認識する本発明の実施の第1の形態
について説明する。
【0042】図1は撮影画面内のデフォーカスあるいは
距離の分布を検出するためのカメラの光学構成要素の配
置図であり、図中、1は撮影レンズ、2はフィールドレ
ンズ、3は二次結像レンズ、4はエリアセンサである。
前記エリアセンサ4の2つの撮像画面4a,4b上には
各々撮影レンズ1のお互いに異なる瞳位置からの光束が
導かれ、フィールドレンズ2,二次結像レンズ3により
定まる結像倍率で再結像される。前記エリアセンサ4は
撮影レンズ1に対して撮影フィルム面と光学的に等価な
位置にあり、撮像画面4a,4bは各々撮影画面の一部
または撮影画面に等しい視野を有している。
【0043】図2は図1に示した検出光学系をカメラに
適用した場合のレイアウトを示したものであり、図中、
5はクイックリターンミラー、6はペンタプリズム、7
は分割プリズム、8は反射ミラーであり、他は図1と同
様である。
【0044】また、図3は図2のレイアウトをカメラ上
部方向より見た図である。
【0045】以上の様な構成により、所定の視差を持っ
た撮像画面4aと4bを得ることができる。
【0046】尚、前述の構成を有するカメラについて
は、特願平5−278433号等で詳細に開示されてい
る。
【0047】図4は上記の如き各装置を備えたカメラの
具体的な構成の一例を示す回路図であり、先ず各部の構
成について説明する。
【0048】図4において、PRSはカメラの各種の制
御を司る、例えば、内部にCPU(中央処理装置),R
OM,RAM,A/D変換機能を有する1チップのマイ
クロコンピュータ(以下、マイコンと記す)である。該
マイコンPRSはROMに格納されたカメラのシーケン
ス・プログラムに従って、自動露出制御機能,自動焦点
調節機能,フィルムの巻き上げ・巻き戻し等のカメラの
一連の動作を行っている。その為にマイコンPRSは、
通信用信号SO,SI,SCLK、通信選択信号CLC
M,CDDR,CICCを用いて、カメラ本体内の周辺
回路および後述のレンズ内制御装置と通信を行って、各
々の回路やレンズの動作を制御する。
【0049】SOはマイコンPRSから出力されるデー
タ信号、SIはマイコンPRSに入力されるデータ信
号、SCLKは前記データ信号SO,SIの同期クロッ
クである。
【0050】LCMはレンズ通信バッファ回路であり、
カメラが動作中のときにはレンズ用電源端子VLに電力
を供給するとともに、マイコンPRSからの選択信号C
LCMが高電位レベル(以下、“H”と略記し、低電位
レベルは“L”と略記する)のときには、カメラとレン
ズ間の通信バッファとなる。
【0051】マイコンPRSが選択信号CLCMを
“H”にして、クロックSCLKに同期して所定のデー
タをSOとして送出すると、レンズ通信バッファ回路L
CMはカメラ・レンズ間通信接点を介して、前記SCL
K,SOの各々のバッファ信号LCK,DCLをレンズ
へ出力する。それと同時にレンズからの信号DLCのバ
ッファ信号をSIとして出力し、マイコンPRSはSC
LKに同期してレンズのデータをSIとして入力する。
【0052】DDRは各種のスイッチSWSの検知及び
表示用回路であり、信号CDDRが“H”のとき選択さ
れ、SO,SI,SCLKを用いてマイコンPRSから
制御される。即ち、マイコンPRSから送られてくるデ
ータに基づいてカメラの表示部材DSPの表示を切り換
えたり、カメラの各種操作部材のオン,オフ状態を通信
によってマイコンPRSに報知する。OLCはカメラ上
部に位置する外部液晶表示装置であり、ILCはファイ
ンダ内液晶表示装置である。
【0053】SW1,SW2は不図示のレリーズボタン
に連動したスイッチであり、レリーズボタンの第1段階
の押下によりスイッチSW1がオンし、引き続いて第2
段階の押下でスイッチSW2がオンする。マイコンPR
Sは、前記スイッチSW1のオンで測光,自動焦点調節
を行い、スイッチSW2のオンをトリガとして露出制御
とその後のフィルムの巻き上げを行う。
【0054】尚、スイッチSW2はマイコンPRSの
「割り込み入力端子」に接続され、スイッチSW1のオ
ン時のプログラム実行中でも、該スイッチSW2のオン
によって割り込みがかかり、直ちに所定の割り込みプロ
グラムへ制御を移すことができる。
【0055】MTR1はフィルム給送用の、MTR2は
ミラーアップ・ダウン及びシャッタばねチャージ用の、
それぞれモータであり、各々のモータ駆動回路MDR
1,MDR2により正転,逆転の制御が行われる。マイ
コンPRSからモータ駆動回路MDR1,MDR2に入
力されている信号M1F,M1R,M2F,M2Rは、
モータ制御用の信号である。
【0056】MG1,MG2は各々シャッタ先幕用及び
後幕走行開始用マグネットで、信号SMG1,SMG2
により増幅トランジスタTR1,TR2を介して通電さ
れ、マイコンPRSによりシャッタ制御が行われる。
【0057】尚、前記モータ駆動回路MDR1,MDR
2や、シャッタ制御に関しては、本発明と直接関りがな
いので、詳しい説明は省略する。
【0058】レンズ内制御回路(以下、レンズ内マイコ
ンと記す)LPRSにLCKと同期して入力される信号
DCLは、カメラからレンズLNSに対する命令のデー
タであり、命令に対するレンズLNS側での動作は予め
決められている。レンズ内マイコンLPRSは所定の手
続きに従ってその命令を解析し、焦点調節や絞り制御の
動作や、DLCによりレンズの各部動作状況(焦点調節
光学系の駆動状況や、絞りの駆動状態等)や各種パラメ
ータ(開放Fナンバー,焦点距離,デフォーカス量対焦
点調節光学系の移動量の係数,各種ピント補正量等)の
出力を行う。
【0059】この実施の形態では、ズームレンズの例を
示しており、カメラから焦点調節の命令が送られた場合
には、同時に送られてくる駆動量・方向に従って焦点調
節用モータLTMRを信号LMF,LMRによって駆動
して、光学系を光軸方向に移動させて焦点調節を行う。
光学系の移動量は光学系に連動して回動するパルス板の
パターンをフォトカプラにて検出し、移動量に応じた数
のパルスを出力するエンコーダ回路ENCFのパルス信
号SENCFでモニタし、レンズ内マイコンLPRS内
のカウンタで計数しており、所定の移動が完了した時点
でレンズ内マイコンLPRS自身が信号LMF,LMR
を“L”にして,前記焦点調節用モータLMTRを制動
する。
【0060】このため、一旦カメラから焦点調節の命令
が送られた後は、カメラ側のマイコンPRSはレンズの
駆動が終了するまで、レンズ駆動に関して全く関与する
必要がない。また、カメラから要求があった場合には、
上記カウンタの内容をカメラに送出することも可能な構
成になっている。
【0061】カメラから絞り制御の命令が送られた場合
は、同時に送られてくる絞り段数に従って、絞り駆動用
としては公知のステッピングモータDMTRを駆動す
る。
【0062】尚、前記ステッピングモータはオープン制
御が可能なため、動作をモニタするためのエンコーダを
必要としない。
【0063】ENCZはズーム光学系に付随したエンコ
ーダ回路であり、レンズ内マイコンLPRSは該エンコ
ーダ回路ENCZからの信号SENCZを入力してズー
ム位置を検出する。レンズ内マイコンLPRS内には各
ズーム位置におけるレンズ・パラメータが格納されてお
り、カメラ側のマイコンPRSから要求があった場合に
は、現在のズーム位置に対応したパラメータをカメラに
送出する。
【0064】ICCはCCD等から構成される焦点検出
と露出制御(測光)用のエリアセンサ及びその駆動部を
具備したセンサ・駆動回路であり、信号CICCが
“H”のときに選択され、信号SO,SI,SCLKを
用いてマイコンPRSにて制御される。
【0065】φV,φH,φRは二つのエリアセンサ出
力の読み出しの為の信号やリセット信号であり、マイコ
ンPRSから信号に基づいてセンサ・駆動回路ICC内
の駆動部によりセンサ制御信号が生成される。センサ出
力はセンサ部からの読み出し後増幅され、出力信号IM
AGEとしてマイコンPRSのアナログ入力端子に入力
され、マイコンPRSはこの信号をA/D変換した後、
そのデジタル値をRAM上の所定のアドレスへ順次格納
してゆく。そして、これらデジタル変換された信号を用
いて被写界の環境認識と焦点調節あるいは測光を行うこ
とになる。
【0066】尚、上記図4ではカメラとレンズが別体
(レンズ交換が可能)となるもので表現されているが、
カメラ・レンズ一体なるものでも何等問題なく、これ等
に限定されるものではない。
【0067】図5は、被写界空間の距離の頻度分布を利
用して物体配置状況を認識し、主要被写体を検出した
後、該主要被写体にレンズの焦点を合せる機能を有する
カメラの動作、特に環境を認識して主被写体を判断する
測距点選択の動作を示すフローチャートであり、以下こ
れに従って説明する。
【0068】撮影者がレリーズボタンを押すとスイッチ
SW1がオンになり、マイコンPRS内のCPUはRO
Mに記録されているプログラムに従い、図5のフローチ
ャートに従った制御を開始する。
【0069】ステップ(101)においては、センサ画
像の取り込みを行う。センサ画像の取り込みは次のよう
にして実行される。
【0070】まず、センサのリセットを行う。具体的に
は、制御信号φV,φH,φRをマイコンPRSにて同
時に一定時間“H”にすることで、センサ・駆動回路I
CC内部でリセット動作が行われる。次に、マイコンP
RSから蓄積開始命令を送り蓄積を開始し、後に蓄積終
了を検知する。そして、制御信号φV,φHを駆動して
センサ出力IMAGEを順次読み出し、マイコンPRS
にてA/D変換してRAMに格納する。これにより、こ
のステップ(101)でのセンサ画像の取り込みが完了
する。尚、二つのセンサの出力信号データはRAM上の
所定領域IMG1,IMG2に格納される。
【0071】次のステップ(102)においては、「m
×n」ブロック(m,nは1以上の整数)で構成される
距離分布情報(距離マップ)の作成を行う。ここで実行
される距離マップ作成について、図6のフローチャート
を用いて説明する。
【0072】図6のステップ(201)においては、ブ
ロックの座標を指示する変数x,yを初期化する。そし
て、次のステップ(202)において、ブロック(x,
y)の距離演算に必要な信号をRAM上の画像データI
MG1の中から抽出し、RAM上の所定アドレスAにコ
ピーする。続くステップ(203)においては、ブロッ
ク(x,y)の距離演算に必要なもう一方の信号をIM
G2の中から抽出し、RAM上の所定アドレスBにコピ
ーする。次いでステップ(204)において、アドレス
AとアドレスBに記録された輝度分布信号に対して公知
の相関演算COR(A,B)を実行し、二つの像信号の
ずれ量δを算出する。
【0073】次のステップ(205)においては、上記
の像ずれ量δからデフォーカス又は距離値の算出を公知
の関数f(δ)により実行し、RAM上の距離分布記録
用に確保された所定のアドレスD(x,y)に距離値又
はデフォーカスを格納する。ここでは、距離値を算出す
る場合について説明を行う。
【0074】次のステップ(206)においては、xの
値を一つ増加して、処理対象を隣接ブロックに移す。そ
して、ステップ(207)において、xと距離マップの
x方向の解像度mとの比較を行い、「x<m」が真(こ
の関係に有ることを意味する)と判定した場合は先のス
テップ(202)に戻り、x方向の隣のブロックに対し
て前述と同様に距離値の演算と格納を繰り返す。
【0075】一方上記ステップ(207)において、
「x<m」が偽(この関係に無いことを意味する)と判
定した場合はステップ(208)へ移り、xを初期化
し、yを1増加する。そして、次のステップ(209)
において、yの値を評価し、「y<n」が真と判定した
ときは再びステップ(202)に戻り、次のブロック列
に対する演算を開始する。また、「y<n」が偽と判定
したときは、すべてのブロックに対する距離演算が完了
したとして、距離マップの作成を終了する。
【0076】図5の説明に戻り、次のステップ(10
3)においては、頻度分布の作成を行う。以下、この頻
度分布作成について、図7のフローチャートを用いて説
明する。
【0077】ステップ(301)においては、頻度分布
データを作成するためにRAMに確保されている変数H
(0)〜H(tnum −1)の内容を0クリアする。ここ
で、H(t)(但し、0<t<tnum )は、tで表現さ
れる所定の距離範囲内に存在するデータの個数を表し、
num は頻度分布データの個数を表す。
【0078】この距離範囲の設定方法の一例を説明す
る。
【0079】演算対象とする距離検出範囲が例えば10
cm〜100mである場合、この距離範囲を等間隔、例
えば1m毎に区切って領域を100分割する方法が考え
られる(この場合、tnum =100)。
【0080】また、距離に逆比例してレンズの焦点深度
は深くなるので、この特性を反映するために、距離範囲
を対数空間に変換して、例えば10cm〜100mを−
2.0〜2.0 (=log100.01〜log10100)として
この範囲を0.1 毎に区切って領域を20分割する方法が
考えられる(この場合、tnum =20)。
【0081】他にも、装置の特性や用途に合せて、何等
かの非線形分割を施すことも、もちろん可能である。
【0082】この実施の形態では、前述の様に対数空間
で等間隔となるように領域を分割する場合について説明
する。
【0083】次のステップ(302)においては、ブロ
ックの座標を指示する変数x,yを初期化し、続くステ
ップ(303)において、ブロック(x,y)の距離値
D(x,y)が含まれる距離範囲を検索して、その範囲
を表す番号tを決定する。距離範囲が複雑な非線形特性
を有する場合などは、距離範囲を一つ一つ検索して調べ
ていくが、本実施の形態の場合は、前述のように距離範
囲は対数空間で等間隔になるように分割しているので、
tは t=INT(log10(D(x,y)/dmin )/s) で直接求めることができる。ここで、INTは少数以下
切り捨ての関数、sは対数空間での範囲幅(前述の例だ
と、s=0.1)である。また、dmin は距離検出範囲の最
小値(前述の場合、dmin =10cm)であり、最至近
の範囲番号を0とするための調整に用いている。
【0084】次のステップ(304)においては、tに
対応する頻度分布の値を1つ増加する。そして、ステッ
プ(305)において、xの値を1つ増加して隣接ブロ
ックに処理を移す。続くステップ(306)において
は、xと距離マップx方向の解像度mとの比較を行い、
「x<m」が真と判定した場合はステップ(303)に
戻り、次のブロックに対して前述と同様に頻度分布作成
を続ける。
【0085】一方、上記ステップ(306)において
「x<m」が偽と判定した場合はステップ(307)に
移り、xを初期化し、yを1増加する。そして、ステッ
プ(308)において、yの値を評価し、ここで「y<
n」が真と判定したときは再びステップ(303)に戻
り、次のブロック例に対する演算を開始する。また、
「y<n」が偽と判定したときは、すべてのブロックの
データを頻度分布データに反映する作業が完了して、頻
度分布の作成を終了する。
【0086】尚、図7のフローチャートでは明記してい
ないが、低コントラストなどの原因により相関演算の信
頼性が低いと判定されたブロックの場合には、当然その
演算結果の距離値の信頼性も低いため、こうしたブロッ
クのデータは頻度分布に加える必要は全くない。
【0087】こうした処理は、距離マップを作成する
際、各ブロックの演算結果の信頼性を配列変数に記録し
ておき、頻度分布作成の際にその配列変数の値を参照し
て、信頼性の低いブロックであれば頻度分布へのデータ
登録(図7ではステップ(303)と(304))をパ
スするようにすれば良く、容易に実現可能であるが、本
発明の本質ではないのでこの部分のフローは省略してい
る。
【0088】再び図5の説明に戻り、ステップ(10
4)においては、頻度分布中の極値、本実施の形態の場
合は特に極大値の検出を行う。例えば、図8のようなヒ
ストグラムが得られた場合、その極大値である図中のp
eak−Aやpeak−B,peak−Cの距離値を検
出する。
【0089】この検出の方法を、図9のフローチャート
を用いて説明する。
【0090】ステップ(401)において、極大値の番
号を表す数値uを初期化する。次のステップ(402)
においては、頻度分布のデータ番号を表す数値tを1に
初期化する。続くステップ(403)においては、頻度
分布の値H(t)と、前後の頻度分布の値H(t−
1),H(t+1)とを比較し、H(t)が頂点を形成
しているかどうか調べる。この結果、H(t)>H(t
−1) かつ H(t)>H(t+1)であれば、H
(t)は極大値を形成していると判定することができ、
ステップ(404)に移る。そして、このステップ(4
04)において、RAM上に確保された極値記憶用の変
数P(u)にtが表す距離の代表値を記憶する。代表値
は、tが表す距離範囲の中央の値が適当であり、例えば
「10s(t+0.5)・dmin 」で与えられる。
【0091】次のステップ(405)においては、頂点
の番号を表す数値uを1だけ増加させ、続くステップ
(405)において、検出対象頻度分布のデータ番号を
表す数値tを1だけ増加させ、検出対象の頻度分布を変
更する。そして、ステップ(406)において、tが頻
度分布データの範囲内であるかどうか、すなわち「t<
num 」であるかどうかを調べ、「t<tnum 」が真で
あれば、極値の検索途中であるのでステップ(403)
に戻り、「t<tnum 」が偽であれば、検索は終了した
ものとして次のステップ(407)に移る。
【0092】ステップ(407)においては、後の処理
のために実際に登録された頂点の数を変数unum に保存
して頂点検出処理は終了する。
【0093】再び図5の説明に戻り、上述の様にして極
大点の検出が終了すると、ステップ(105)の境界値
設定に移る。この境界値とは、次のステップ(106)
で領域分割を行う際に参照される値である。
【0094】本実施の形態における境界値設定の概念に
ついて説明する。
【0095】ヒストグラムにおいて、ピーク部分の距離
周辺にはある物体が存在する可能性が高い。したがっ
て、ピークの前後の所定距離範囲を一つのグループとし
て認識するのが妥当である。すなわち、二つの所定値R
f,Rb(ともに正の実数)を設定しておき、ピーク位
置の距離dに対して近距離側の境界値として「d−R
f」、遠距離側の境界値として「d+Rb」を設定する
と、前記物体に対して領域分割を適切に行うことができ
るようになる。例えば、主要物体の検出対象を人間と限
定した場合、特にカメラなどの場合には人間はカメラに
正対することが多いので奥行きはせいぜい50cm程度
と考えられ、Rf,Rbをそれぞれ30cm程度に設定
することが考えられる。
【0096】また、物体毎に領域を分割するという観点
から考察すると、近距離の物体は距離に対する分割を細
かく、遠距離の物体は分割の幅を大きくとるなどの非線
型性を持たせることが効果的であり、この効果を実現す
るためには対数空間で所定値を加減算して境界値を決定
するのが妥当である。例えば、「log10(d)−R
f」と「log10(d)+Rb」として対数空間で境界
値を設定する方法が考えられる。これは実距離では境界
値を「d×10-Rf 」,「d×10Rb」に設定すること
に相当し、前述の効果が得られる。もちろん実距離で直
接「d×10-Rf」,「d×10Rb」を求めて境界値と
して設定可能であるのは明らかである。
【0097】前述のように極大点の前後に境界値を設定
することにより、極大点に反映された物体を一つのグル
ープとして領域分割を行うことが可能となる。
【0098】例を示す。図10(a)に示すシーンに対
してこれまでの処理を施すと、図10(b)のように3
つの極大点peak−D,peak−E,peak−F
を有するヒストグラムが生成される。peak−Dとp
eak−Eは、それぞれ被写体11と12により形成さ
れ、peak−Fは背景により形成される。peak−
D,peak−E,peak−Fに対して境界値を設定
すると、図中のborder−Df,border−D
r,border−Ef,border−Er,bor
der−Ff,border−Frで表される距離が境
界値になる。後の領域分割では、隣接ブロックの二つの
距離の間にこれらの境界値が存在する場合には隣接ブロ
ックの間が物体の境界であると判断する。この処理を画
面すべての隣接関係を構成するブロック間に実施するこ
とにより、前述のケースにおいて三つの被写体11,1
2と背景は明確に分離することができる。
【0099】さらに、二つの物体の一部が接近している
場合、従来方法では隣接ブロックの単に距離差に基づい
て領域分割を行ってために誤判断が生じていたが、この
実施の形態では、距離差が少ないブロックは図10
(b)のarea−Aの分布内に存在することになるの
で、二つの物体を明確に分離できる。つまり、二つの物
体の一部が接近している場合においても、個々の物体の
平均的な距離が異なりさえすれば、個々の物体の存在は
頻度分布の別々のピークとして現れることが多いという
点に着目し、頻度分布の情報に基づき領域分割の境界値
を決定する様にしている為、距離差が少ない物体が存在
する状況であっても、又遠近競合が生じる状況に於て
も、正確に二つの物体を分離できる。
【0100】このステップ(105)で行われる境界値
設定について、図11のフローチャートを用いて説明す
る。
【0101】ステップ(501)において、極大値の番
号を表す数値uを初期化し、次のステップ(502)に
おいて、極大値の近距離側の境界値として「P(u)・
10-Rf 」を演算して、境界値を記録するメモリS(2
u)に記録する。続くステップ(503)においては、
極大値の遠距離側の境界値として「P(u)・10Rb
をメモリS(2u+1)に記録する。そして、ステップ
(504)において、次の極大値の処理に移るために数
値uの値を1だけ増加させる。
【0102】次のステップ(505)においては、uの
値を、前処理で求めた極大値の数unum と比較して、す
べての極大値に対する処理が完了したかどうかを調べ
る。この結果、「u<unum 」であれば、完了していな
いのでステップ(502)に戻り、「u<unum 」が偽
であれば、すべての極値に対する処理が完了する。
【0103】以上の処理により、すべての境界値が、R
AM上に確保されたメモリS(0)〜S(2unum
1)に記憶される。
【0104】再び図5の説明に戻り、上記の様にして境
界値の設定が完了すると、次はステップ(106)にお
いて、実際に領域分割を行う。
【0105】例えば、図12の様に、画面の左上のブロ
ックから図中の矢印のようにラスタ・スキャンしながら
分割処理を行う場合、注目ブロックG(x,y)の上の
ブロックG(x,y−1)と、左ブロックG(x−1,
y)との間で、同じグループかどうかの判定を行えば、
結果的にすべての隣接ブロック間で同一ブロックかどう
かの判定を行うことができる。このとき、画面の上辺
(y=0)と左辺(x=0)のブロックは、それぞれ上
のブロックと左のブロックが存在しないので、それらに
対する処理は行わない。
【0106】また、判定の結果はRAM上のメモリG
(0,0)〜G(m−1,n−1)に記録する。まず、
(x,y)=(0,0)のブロックはグループ番号g=
1として登録して、領域が異なるグループが検出されれ
ばgの数を一つ増やしてそのブロックのグループ番号と
する。
【0107】この処理により、例えば図10(a)のよ
うな撮影シーンは、図13のように各グループ毎に番号
が与えられる。
【0108】こうした、番号付けの処理自体は「ラベリ
ング法」と呼ばれる公知技術であるので、領域分け全体
のフローチャートは省略するが、本実施の形態のキーポ
イントの一つであり、領域分け処理の中で行われる「隣
接ブロックが同一グループかどうかを判定するアルゴリ
ズム」を以下に説明する。
【0109】図14は、スキャン中のある注目ブロック
G(x,y)とその左のブロックG(x−1,y)との
ブロックの間で、二つのブロックが同一物体であるか別
物体であるか判定する場合のフローチャートである。
【0110】ステップ(601)においては、注目ブロ
ックG(x,y)の距離値D(x,y)をワーク用の変
数d1 に、次のステップ(602)においては、比較ブ
ロックG(x−1,y)の距離値D(x−1,y)をワ
ーク用の変数d2 に、それぞれコピーする。
【0111】次のステップ(603)においては、境界
値の番号を表す数値uと、二つのブロックが同一か否か
を表すフラグFlagを初期化する。「Flag=0」
で二つの物体が同一であることを表し、「Flag=
1」で二つの物体が別個であることを表すものとする。
【0112】続くステップ(604)においては、比較
する二つの距離の間に境界値S(u)が存在するかどう
かを調べる。「d1 <S(u)and S(u)<d2 」は
「d1 <d2 」の場合の条件であり、d2 <S(u)an
d S(u)<d1 」は「d2<d1 」の場合の条件であ
る。
【0113】これらの論理和をとった結果が真であれ
ば、二つのブロックは別個の物体であると判定すること
ができるので、次のステップ(605)にて、フラグを
立てて終了する。
【0114】一方、論理和が偽であれば、次の境界値と
の比較を行うためにステップ(606)でuの値を一つ
増やす。そして、次のステップ(607)において、u
が境界値の個数をオーバーしていないかどうか調べ、オ
ーバーしていなければステップ(604)に戻り、次の
境界値でのチェックを行う。また、オーバーしていれ
ば、Flag=0のままチェックは終了したことにな
り、二つのブロックは同一物体であるとして終了する。
【0115】以上の判定をすべてのブロックのすべての
隣接関係について行い、領域分割(グルーピング)が完
了する。
【0116】再び図5の説明に戻り、次のステップ(1
07)においては、撮影空間を構成する各領域(各グル
ープ)の特性を評価して、すべてのグループの中から主
被写体を表すグループを決定する。
【0117】例えば図21(c)の場合、図示した11
〜17の各グループすべてについて、平均的な距離や、
領域の幅,高さ、画面上の位置などの特性をそれぞれ演
算して、それらを総合評価して主被写体と考えられる領
域を判定する。
【0118】例えば、以下の(1)式の様な主被写体度
評価関数が考えられる。
【0119】 (主被写体度)=W1 ×(幅)×(高さ)+W2 /(画面中心からの距離) +W3 /(平均距離) ………(1) 上記(1)式に於て、W1 ,W2 ,W3 は重み付けの定
数、画面中心からの距離は画面中心と領域の重心位置と
の距離であり、また平均距離は領域内の全ブロックの平
均距離を表している。この主被写体度をすべての領域に
対して演算して、この主被写体度が最も大きい被写体を
主要被写体として判定する。
【0120】主被写体を表す領域が、例えば図10
(a)の11と判定した後、ステップ(108)に於て
この領域内の距離情報に基づき「合焦距離」を決定し、
この距離に焦点が合うようにレンズ駆動を行う。合焦距
離の決定方法は、前記領域に含まれるすべてのブロック
の距離平均や、領域内で最至近のブロックの距離などが
考えられる。
【0121】以上、ステップ(102)からステップ
(108)までの演算は、マイコンPRS内で行われ
る。
【0122】続くステップ(109)においては、上記
ステップ(108)で決定した距離に焦点が合うように
マイコンPRSからレンズLNSに対して焦点調節の命
令が送られ、レンズ内マイコンLPRSが焦点調節用モ
ータLMTRを制御して主被写体に焦点を合せ主被写体
への焦点調節が完了する。
【0123】以上のように、距離の頻度分布情報を利用
して画面を領域分割し、物体毎のグループに分け、さら
にすべてのグループの中から主被写体と考えられるグル
ープを選択して、その物体に対して合焦するようにレン
ズを駆動することで、撮影者は主被写体の位置を意識す
ることなく構図に専念するだけで、主被写体に焦点があ
った写真を得ることが可能である。
【0124】さらに本実施の形態では、距離の頻度分布
の極大値の前後に、領域分割の境界値を設定することに
より、従来の方法では分離できなかった複数の物体を分
離することが可能となり、環境を正確に認識することが
できる。この結果、実施の形態のようにカメラの場合、
合焦距離の正確な判断を行うことができるようになる。
【0125】また、本実施の形態では、環境認識の結果
を焦点検出に利用したが、主被写体と考えられる領域の
輝度情報に基づき露出を決定することにより、逆光状態
などの悪条件下に於ても主被写体に露出があった写真を
得ることができる。
【0126】また、主被写体領域が判れば、例えば主被
写体が画面内で50%の面積を占めるように、ズームモ
ータZMF,ZMRを駆動することにより焦点距離を調
整して、主被写体に自動的に画角を合せるオートズーム
機能も容易に実現できる。
【0127】尚、以上の説明では距離の分布情報を利用
した場合の説明を行ったが、分布情報の要素として距離
ではなくデフォーカス量を用いて、同様の処理を行うこ
とが可能である。
【0128】また、本実施の形態では、距離マップは
「m×n」の桝目上のブロックに対して作成したが、距
離測定ブロックの分布は必ずしも桝目状である必要はな
く、例えば千鳥配置などであっても問題なく、同様の処
理が可能である。
【0129】(実施の第2の形態)本発明の実施の第2
の形態は、上記実施の第1の形態に対して、極大値の検
出の精度をさらに高めたものであり、全体の処理の流れ
は図5に準ずる。
【0130】この実施の第2の形態では、図5のステッ
プ(104)の極大値検出の方法が異なる。
【0131】極大値として検出すべき点は、図15のp
eak−Gやpeak−H,peak−Jのようにある
程度の尖鋭度のあるピークが望ましく、peak−Iの
様に僅かな変動により生じた極大値は、そこに特定の物
体が存在することにより生じたピークではないことが多
いので、極大値として検出しないことが望ましい。
【0132】そこで、本発明の実施の第2の形態では、
極大値の尖鋭度を評価して、所定値以上の尖鋭度を有す
る極値のみを後の領域分割点の決定に用いるようにす
る。
【0133】この極大値評価について、図16のフロー
チャートを用いて説明する。
【0134】ステップ(701)において、極大値の番
号を表す数値uを初期化し、次のステップ(702)に
おいて、頻度分布のデータ番号を表す数値tを1に初期
化する。そして、ステップ(703)において、頻度分
布の値H(t)と、前後の頻度分布の値H(t−1),
H(t+1)とを比較し、H(t)が頂点を形成してい
るかどうか調べる。この結果、H(t)>H(t−1)
かつ H(t)>H(t+1)であれば、H(t)は
極大値を形成していると判断することができ、ステップ
(704)に移る。また、極大値を形成していない場合
にはステップ(709)へ移る。
【0135】ステップ(704)とステップ(705)
においては、検出された極大値と前後に所定値eだけ離
れた頻度分布の値の差をRAM上に確保した変数a,b
にコピーする。そして、ステップ(706)において、
これらの値をしきい値Tと比較して、いずれかの値がし
きい値を上回っていればこのピークは所定の尖鋭度を有
するものと判定して、ステップ(707)以降の極大値
登録へ移る。上記ステップ(706)で、a,bのいず
れの値も所定値を上回っていない場合、極大値の尖鋭度
は低いものと判定して、ステップ(709)へ移る。
【0136】ステップ(707)においては、RAM上
に確保された極値記憶用の変数P(u)にtが表す距離
の代表値を記憶する。tが表す距離の代表値は、tが表
す距離範囲の中央の値が適当であり、例えば10
s(t+0.5)・dmin で与えられる。次のステップ(70
8)においては、頂点の番号を表す数値uを1だけ増加
させ、続くステップ(709)において、検出対象頻度
分布のデータ番号を表す数値tを1だけ増加させ、検出
対象の頻度分布を変更する。
【0137】次のステップ(710)においては、頻度
分布のデータ番号を表す数値tが頻度分布データの範囲
内であるかどうか、すなわち「t<tnum 」であるかど
うかを調べ、「t<tnum 」が真であれば、極値の検索
途中であるのでステップ(703)に戻る。また、「t
<tnum 」が偽であれば、検索は終了したものとしてス
テップ(711)に移る。
【0138】ステップ(711)においては、後の処理
のために実際に登録された頂点の数を変数unum に保存
して頂点検出処理は終了する。
【0139】以上のフローにより、後の領域分割の境界
値として利用される極大値は所定値以上の尖鋭度を有す
る極大値に限定されることになるので、微細な極大値に
影響されることがなく実施の第1の形態に比べてさらに
精度良く環境を認識することが可能となる。
【0140】また、本実施の形態においても利用データ
は距離に限るものではなく、デフォーカスの情報や像ず
れ量に基づいて同様の判定を行うことも可能である。
【0141】(実施の第3の形態)本発明の実施の第3
の形態は、頻度分布の極小値を利用して、領域分割に利
用する境界値を設定するものである。
【0142】全体の処理の流れは、実施の第1の形態に
準ずるが、図5のステップ(104)の極値検出と、ス
テップ(105)の境界値設定の内容が異なる。
【0143】本実施の形態では、図5のステップ(10
4)の極値検出において、極大値と極小値の位置を記憶
する。この処理について、図17のフローチャートを用
いて説明する。
【0144】ステップ(801)において、極大値の番
号を表す変数uを初期化し、次のステップ(802)に
おいて、頻度分布のデータ番号を表す数値tを1に初期
化する。次のステップ(803)においては、処理の開
始を表すフラグFirstの値を1とする。そして、ス
テップ(804)において、頻度分布の値H(t)と、
前後の頻度分布の値H(t−1),H(t+1)とを比
較し、H(t)が極大値を形成しているかどうか調べ
る。この結果、H(t)>H(t−1) かつ H
(t)>H(t+1)であれば、H(t)は極大値を形
成していると判定することができ、ステップ(805)
に移る。
【0145】ステップ(805)においては、極値が最
初に検出されたものであるかどうか調べ、最初の極値で
あればステップ(806)に移り、最初の極値が極大値
であることを表すフラグを立てる。そして、次のステッ
プ(807)において、最初の極値登録が完了したの
で、処理の開始を表すフラグFirstの値を0とする。
【0146】また、上記ステップ(804)にて極大値
ではないと判定した場合は、ステップ(808)に移
り、H(t)が極小値を形成しているかどうか調べる。
この結果、H(t)<H(t−1) かつ H(t)<
H(t+1)であれば、H(t)は極小値を形成してい
ると判定することができ、ステップ(809)に移る。
【0147】ステップ(809)においては、極値が最
初に検出されたものであるかどうか調べ、最初の極値で
あればステップ(810)に移り、最初の極値が最小値
であることを表すフラグを立てる。そして、次のステッ
プ(811)において、最初の極値登録が完了したの
で、処理の開始を表すフラグFirstの値を0とする。
【0148】極大値か極小値が検出された場合、ステッ
プ(812)において、RAM上に確保された極値記憶
用の変数P(u)にtが表す距離の代表値を記憶する。
tが表す距離の代表値は、tが表す距離範囲の中央の値
が適当であり、例えば10s(t+0.5)・dmin で与えられ
る。
【0149】次に、ステップ(813)において、極値
の番号を表す数値uを1だけ増加させ、続くステップ
(814)において、検出対象頻度分布のデータ番号を
表す数値tを1だけ増加させ、検出対象を変更する。そ
して、ステップ(815)において、tが頻度分布デー
タの範囲内であるかどうか、すなわち「t<tnum 」で
あるかどうかを調べ、「t<tnum 」が真であれば、極
値の検索途中であるのでステップ(804)に戻る。
【0150】このループを繰り返した場合、P(u)に
は極大値と極小値が交互に記録される。従って、フラグ
FirstMAX が1であれば、奇数と偶数のuに対してP
(u)はそれぞれ極大値と極小値、フラグFirstMAX が
0であれば、その逆を表すことになる。
【0151】また、上記ステップ(815)にて「t<
num 」が偽であれば、検索は終了したものとしてステ
ップ(816)に移り、後の処理のために、実際に登録
された頂点の数を変数uunm に保存して頂点検出処理は
終了する。
【0152】次に、ステップ(105)の境界値設定に
ついて説明する。
【0153】本実施の形態では、極大値の前後に存在す
る極小値に、領域分割の境界値を設定する。また、極大
値と極小値が所定距離より離れている場合には、極小値
ではなく極大値から前所定距離だけ離れた距離に境界値
を設定する。この境界値の設定のフローを図18を用い
て説明する。
【0154】ステップ(901)において、境界値の番
号を表す変数vを初期化し、次のステップ(902)に
おいて、上記ステップ(104)で設定したフラグFir
stMAX が1かどうかを調べる。もし、「FirstMAX =
1」であれば、最初の極値が極大値であり、0であれば
最初の極値は極小値である。そこで、極大値であれば、
ステップ(904)にて極大値の番号を表す数値uを最
初の極大値の番号0とし、最初が極小値であれば、ステ
ップ(905)にて上記数値uを最初の極大値の番号1
に設定する。
【0155】次にステップ(905)においては、極大
値の番号を表す数値uが1以上かどうか調べ、1以上で
あれば、極大値の手前の極小値を境界値に設定するため
にステップ(906)に移り、極大値と極小値の間の距
離差が所定距離Tより大きいかどうかを調べる。この結
果、所定距離より小さければ、次のステップ(907)
において、境界値を表す変数S(v)に極小値の値を設
定し、一方、所定距離より大きければステップ(90
8)へ移り、極大値から所定距離だけ手前の位置に境界
値を設定する。そして、次のステップ(909)におい
ては、境界値の番号を表す変数vの値を一つ増加させ
る。
【0156】また、ステップ(905)にて極大値の番
号を表す数値uが1より小さいとき(すなわちu=0の
とき)は、最初の極大値の前に極小値は存在しないこと
になるので、そのままステップ(910)へ移る。
【0157】ステップ(910)では、極大値の番号を
表す数値uが「umax −1」より小さいかどうか調べ、
小さければ極大値の後ろ側の極小値を境界値として設定
するためにステップ(911)に移る。そして、このス
テップ(911)において、極大値と極小値の間の距離
差が所定距離Tより大きいかどうかを調べる。この結
果、所定距離より小さければ、ステップ(912)にお
いて、境界値を表す変数S(v)に極小値の値を設定
し、一方、所定距離より大きければ、ステップ(91
3)へ移り、極大値から所定距離だけ遠方の位置に境界
値を設定する。そして、次のステップ(914)におい
て、境界値の番号を表す変数vの値を一つ増加させる。
【0158】上記ステップ(910)にて極大値の番号
を表す数値uがumax 以上である場合は、極大値の後ろ
に極小値が存在しなかったことになり、そのままステッ
プ(915)へ移る。
【0159】ステップ(915)においては、次の極大
値に処理を移すために極大値の番号を表す数値uの値を
2だけ増加させる。そして、次のステップ(916)に
おいて、上記数値uの値がunum より小さいかどうか調
べ、小さければ未だデータが存在するので、次の境界値
を設定するためにステップ(905)に戻る。また、上
記数値uの値がunum 以上の場合、すべての極値につい
て境界値設定が完了したことになり処理は終了する。
【0160】以上の処理により、境界値は図19の点1
4,15の様に、極大値の前後の極小値に境界値が設定
される。また、極大値と極小値の間の距離が長すぎる場
合には、点13のように極大値から所定量離れた位置に
境界値が設定され、適切な境界値が設定できることにな
る。
【0161】極大値と極小値の距離差のしきい値Tを単
に実距離で設定した例を示したが、距離を対数空間に変
換した状態で差をとる方法も可能である。
【0162】以上のフローにより、後の領域分割の境界
値として利用される境界値は、物体と物体の間に設定さ
れる事になり、適切に環境を認識することが可能とな
る。
【0163】また、本実施の形態においても利用データ
は距離に限るものではなく、デフォーカスの情報に基づ
いて同様の判定を行うことも可能である。
【0164】(実施の第4の形態)本発明の実施の第4
の形態は、従来の方法にさらに頻度分布データによる手
法を組合せたものであり、領域分割の手法として非常に
精度が高いものである。全体の処理の流れは図5に準ず
る。
【0165】この実施の第4の形態では、図5のステッ
プ(106)の領域分割の判定手法が異なり、他は処理
は、前述の実施の第1の形態に準ずる。
【0166】領域分割の判定方法について、図20の境
界判定フローチャートを用いて説明する。
【0167】ステップ(1001)において、注目ブロ
ックG(x,y)の距離値D(x,y)をワーク用の変
数d1 に、次のステップ(1002)において、比較ブ
ロックG(x−1,y)の距離値D(x−1,y)をワ
ーク用の変数d2 に、それぞれコピーする。
【0168】次のステップ(1003)においては、境
界値の番号を表す数値uと、二つのブロックが同一か否
かを表すフラグFlagを初期化する。「Flag=
0」で二つの物体が同一であることを表し、「Flag
=1」で二つの物体が別個であることを表すものとす
る。
【0169】次のステップ(1004)においては、二
つのブロックの距離の差が所定値Tsより小さいかどう
か調べる。小さければ、二つの物体は同一物体である可
能性が高いものとしてステップ(1005)に移る。ま
た、距離差がTs以上であれば、二つの物体は別物体と
してステップ(1006)に移る。
【0170】ステップ(1005)においては、比較す
る二つの距離の間に境界値S(u)が存在するかどうか
を調べる。「d1 <S(u)and S(u)<d2 」は
「d1<d2 」の場合の条件であり、「d2 <S(u)a
nd S(u)<d1 」は「d2<d1 」の場合の条件であ
る。
【0171】これらの論理和をとった結果が真であれ
ば、二つのブロックは別個の物体であると判定すること
ができるので、ステップ(1006)でフラグを立てて
終了する。
【0172】一方、論理和が偽であれば、次の境界値と
の比較を行うためにステップ(1007)で極大値の番
号を表す数値uの値を一つ増やす。そして、次のステッ
プ(1008)において、極大値の番号を表す数値uが
境界値の個数をオーバーしていないかどうか調べ、オー
バーしていなければステップ(1005)に戻り、次の
境界値でのチェックを行う。また、オーバーしていれ
ば、「Flag=0」のままチェックは終了したことに
なり、二つのブロックは同一物体であるとして終了す
る。
【0173】以上の判定をすべてのブロックのすべての
隣接関係について行い、領域分割(グルーピング)が完
了する。
【0174】以上の方法で領域分割を行うことにより、
従来一つの領域としてまとめて分割してしまう一部のみ
が近接する複数物体でも、頻度分布により設定した境界
値でさらにチェックを行うことにより、正しく領域分割
を行うことができる。
【0175】(変形例)本発明は、一眼レフカメラに適
用した例を述べているが、ビデオカメラや電子スチルカ
メラ等の映像装置にも適用可能である。更には、以下の
様な装置にも適用可能である。
【0176】例えば、自らの進行方向を決定する自動走
行ロボットや、前後の障害物を判断して自動的に危険回
避を行う車に利用可能である。さらには、室内で人物が
存在する方向を判断して適切に送風制御するエアコンな
ど、幅広い技術分野で利用可能である。
【0177】また、本発明は、以上の実施の各形態、又
はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよ
い。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び9記
載の本発明によれば、距離の頻度分布情報の極値の情報
を領域分割に利用することにより、従来誤判定が多かっ
た距離差が少ない物体が存在する状況においても、正し
く領域分割を行うことができるようになり、正確な環境
認識を実現することができる。
【0179】また、請求項2及び9記載の本発明によれ
ば、距離の頻度分布情報の極大値を検出し、極大値の前
後に、領域分割の判定要素として用いる境界値を設定す
ることにより、正しく領域分割を行うことができるよう
になり、正確な環境認識を実現することができる。
【0180】また、請求項3及び9記載の本発明によれ
ば、距離の頻度分布情報の極値の尖鋭度を評価し、所定
の尖鋭度を有する極値の情報のみを領域分割に利用する
ことにより、さらに正しく領域分割を行うことができる
ようになり、正確な環境認識を実現することができる。
【0181】また、請求項4及び9記載の本発明によれ
ば、距離の頻度分布情報の極小値を領域分割に利用する
ことにより、正しく領域分割を行うことができるように
なり、正確な環境認識を実現することができる。
【0182】また、請求項5及び10記載の記載の本発
明によれば、デフォーカスの頻度分布情報の極値の情報
を領域分割に利用することにより、従来誤判定が多かっ
た距離差が少ない物体が存在する状況においても、正し
く領域分割を行うことができるようになり、正確な環境
認識を実現することができる。
【0183】また、請求項6及び10記載の本発明によ
れば、デフォーカスの頻度分布情報の極大値を検出し、
極大値の前後に、領域分割の判定要素として用いる境界
値を設定することにより、正しく領域分割を行うことが
できるようになり、正確な環境認識を実現することがで
きる。
【0184】また、請求項7及び10記載の本発明によ
れば、デフォーカスの頻度分布情報の極値の尖鋭度を評
価し、所定の尖鋭度を有する極値の情報のみを領域分割
に利用することにより、さらに正しく領域分割を行うこ
とができるようになり、正確な環境認識を実現すること
ができる。
【0185】また、請求項8及び10記載の本発明によ
れば、デフォーカスの頻度分布情報の極小値を領域分割
に利用することにより、正しく領域分割を行うことがで
きるようになり、正確な環境認識を実現することができ
る。
【0186】また、請求項11記載の本発明によれば、
距離またはデフォーカス情報を利用した環境認識装置を
備えており、主被写体に対して適切な撮影パラメータを
自動的に設定することができるカメラを実現することが
できる。
【0187】また、請求項12記載の本発明によれば、
距離またはデフォーカス情報を利用した環境認識装置を
備えており、主被写体に対して自動的に焦点調節を行う
カメラを実現することができる。
【0188】また、請求項13記載の本発明によれば、
距離またはデフォーカス情報を利用した環境認識装置を
備えており、逆光などの悪条件下等においても、正確に
主被写体に露出を合せることが可能なカメラを実現する
ことができる。
【0189】また、請求項14記載の本発明によれば、
距離またはデフォーカス情報を利用した環境認識装置を
備えており、撮影者がレンズの焦点距離の調節を行うこ
となく、主被写体に適切に画角を調節することが可能な
カメラを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの光学
系配置図である。
【図2】図1の光学系の更に詳細な構造を示した斜視図
である。
【図3】図2の光学系の平面図である。
【図4】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの電気
的構成を示すブロック図である。
【図5】図4のカメラの主要部分の動作を示すフローチ
ャートである。
【図6】図5のステップ(102)における距離マップ
作成時の動作を示すフローチャートである。
【図7】図5のステップ(103)における頻度分布作
成時の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7の動作により作成されるヒストグラム例で
ある。
【図9】図5のステップ(104)における極値検出時
の動作を示すフローチャートである。
【図10】図11の境界値設定の動作説明を助ける為の
図である。
【図11】図5のステップ(105)における境界値設
定時の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の第1の形態における領域分割
方法を説明する為の図である。
【図13】同じく本発明の実施の第1の形態におけるラ
ベリング結果の一例を示す図である。
【図14】同じく本発明の実施の第1の形態における境
界判定時の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの検
出すべきピークを説明する為の図である。
【図16】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの境
大値検出時の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの境
値検出時の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの境
界値設定時の動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施の第3の形態に係るカメラにお
いて境界値設定例を示す図である。
【図20】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの境
界判定時の動作を示すフローチャートである。
【図21】カメラでの撮影シーンの一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 撮影レンズ 4 エリアセンサ 4a,4b 撮像画面 11〜17 距離マップから抽出した被写体例 PRS マイコン ICC エリアセンサ LNS レンズ LPRS レンズ内マイコン

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写界の距離分布情報に基づいて画面を
    個々の物体毎に切り分けるが如く領域分割する領域分割
    手段を備え、該領域分割手段の出力を基に環境認識を行
    う環境認識装置において、前記領域分割手段は、前記距
    離分布情報に基づいて距離の頻度分布情報を作成し、該
    頻度分布情報を領域分割の判定要素の一つとして用いる
    ことを特徴とする環境認識装置。
  2. 【請求項2】 前記領域分割手段は、前記頻度分布情報
    の極大値を検出し、該極大値の前後の所定分量だけ離れ
    た距離に境界値を設定し、この境界値の情報に基づいて
    領域分割を行うことを特徴とする請求項1記載の環境認
    識装置。
  3. 【請求項3】 前記領域分割手段は、検出したすべての
    極値に対してその尖鋭度を評価し、所定値以上の尖鋭度
    を有する極値の情報のみを領域分割の判定要素の一つと
    して用いることを特徴とする請求項1記載の環境認識装
    置。
  4. 【請求項4】 前記領域分割手段は、前記頻度分布情報
    の極小値を検出し、極小値の距離をもって境界値と設定
    し、この境界値の情報に基づいて領域分割を行うことを
    特徴とする請求項1記載の環境認識装置。
  5. 【請求項5】 被写界のデフォーカスの分布情報に基づ
    き、画面を個々の物体毎に切り分けるが如く領域分割す
    る前記領域分割手段を備え、該領域分割手段の出力に基
    づいて環境認識を行う環境認識装置において、前記領域
    分割手段は、前記デフォーカス分布情報に基づいてデフ
    ォーカスの頻度分布情報を作成し、該頻度分布情報を前
    記領域分割の判定要素の一つとして用いることを特徴と
    する環境認識装置。
  6. 【請求項6】 前記領域分割手段は、前記頻度分布情報
    の極大値を検出し、該極大値の前後の所定分量だけ離れ
    たデフォーカス値に境界値を設定し、この境界値の情報
    に基づいて領域分割を行うことを特徴とする請求項5記
    載の環境認識装置。
  7. 【請求項7】 前記領域分割手段は、検出したすべての
    極値に対してその尖鋭度を評価し、所定値以上の尖鋭度
    を有する極値の情報のみを領域分割の判定要素の一つと
    して用いることを特徴とする請求項5記載の環境認識装
    置。
  8. 【請求項8】 前記領域分割手段は、前記頻度分布情報
    の極大値と極小値を検出し、極大値の前後に存在する極
    小値のデフォーカス値をもって境界値と設定し、この境
    界値の情報に基づいて領域分割を行うことを特徴とする
    請求項5記載の環境認識装置。
  9. 【請求項9】 複数の方向の距離を測定する距離測定手
    段を有し、前記領域分割手段は、前記距離測定手段によ
    り得られる距離分布情報に基づいて領域分割を行うこと
    を特徴とする請求項1,2,3又は4記載の環境認識装
    置。
  10. 【請求項10】 撮影光学系の焦点位置に対する複数の
    方向のデフォーカスを測定するデフォーカス測定手段を
    有し、前記領域分割手段は、前記デフォーカス測定手段
    により得られるデフォーカス分布情報に基づいて領域分
    割を行うことを特徴とする請求項5,6,7又は8記載
    の環境認識装置。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載の環境認識装置
    と、該環境認識装置の環境認識結果から主被写体の領域
    を検出する主被写体検出手段と設けたことを特徴とする
    カメラ。
  12. 【請求項12】 前記主被写体検出手段の出力結果に基
    づいて主被写体に焦点を合わせる自動焦点調節手段を具
    備したことを特徴とする請求項11記載のカメラ。
  13. 【請求項13】 前記主被写体検出手段の出力結果に基
    づいて主被写体領域の光量を測定する測定手段と、その
    光量に基づいて露光量を調節する自動露光量調節手段と
    を具備したことを特徴とする請求項11記載のカメラ。
  14. 【請求項14】 前記主被写体検出手段の出力結果に基
    づいて主被写体が適切な大きさになるようにレンズの焦
    点距離を調節する自動焦点調節手段を具備したことを特
    徴とする請求項11記載のカメラ。
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