JPH10131100A - パルプモールド用成形型及びそれを用いたパルプモールド品の製造方法 - Google Patents

パルプモールド用成形型及びそれを用いたパルプモールド品の製造方法

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JPH10131100A
JPH10131100A JP29145696A JP29145696A JPH10131100A JP H10131100 A JPH10131100 A JP H10131100A JP 29145696 A JP29145696 A JP 29145696A JP 29145696 A JP29145696 A JP 29145696A JP H10131100 A JPH10131100 A JP H10131100A
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Kunio Nakajima
邦夫 中島
Katsumi Takanashi
勝美 高梨
Nobuhiro Suzuki
信博 鈴木
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Nihon Matai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 底面のみならず側面の機械的強度にも優れた
パルプモールド品を製造することができるパルプモール
ド用成形型及びパルプモールド品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 1対の凹型2及び凸型3からなるパルプ
モールド用成形型10は、凹型2は、その内面の断面形
状が2つの斜辺21と底辺22とを有する略台形の一部
をなし、凸型3は、凹型2に嵌合する部分の外面の断面
形状が凹型2に対応する略台形であって且つ凹型2の2
つの斜辺に対応する部分が、凹型2の各斜辺側に湾曲し
た曲線をなしているものである。この成形型の凹型2及
び凸型3の一方の型の上に、抄紙原液から抄紙成分4を
抄き取り、この抄紙成分を一方の型と他方の型との間で
押圧成形して抄造成形中間品を形成する。この押圧時に
凸型3の湾曲した部分が抄紙成分を凹型2の斜辺側に押
しつけ、側面に十分な押圧力で押圧する。この抄造成形
中間品を加熱プレスすることにより、側面強度が十分
で、水蒸気透過度が低いパルプモールド品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状等の抜き角
の少ない形状のパルプモールド品を製造するためのパル
プモールド用成形型及びそれを用いたパルプモールド品
の製造方法に係わり、特に側面の機械的強度に優れたパ
ルプモールド品を提供できるパルプモールド用成形型及
びパルプモールド品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からパルプモールド品の製造は、抄
紙成分から抄造成形中間品を成形するための成形型及び
この抄造成形中間品を加熱プレスするためのプレス型を
用いて行われている。これら成形型及びプレス型は、図
3に示すようにパルプモールド品の形状とほぼ同一の内
面形状を有する一対の凹型20及び凸型30から成る。
【0003】パルプモールド品の製造では、まずパルプ
原料液に各種添加剤を加えた抄紙成形原料液から成形型
100の一方の型に抄紙成分40を抄き取り、この抄紙成
分を他方の型との間で押圧して成形し、抄造成形中間品
を得る。この抄造成形中間品は水分を含んでおり、次い
でプレス型で加熱プレスを行い、乾燥する。加熱プレス
工程は複数段階で行う場合もある。このように何段階か
を経て製造するのは、抄紙した段階では抄紙成分が水分
を含んでいるため厚みがあり、一度に押圧、加熱するこ
とはできないからである。このような工程を経るため、
抄紙後最初に用いる成形型100は、凸型30と凹型20
との側面の隙間が、製品であるパルプモールド品の厚さ
よりも大きいものが使用される。例えば出来上がり厚1
mmの製品を得るには、凸型30と凹型20との隙間は均
一でしかも製品の厚さより大きい、少なくとも1.5mm
程度必要となる。
【0004】一方、このような成形型100を用いて例え
ば円筒状(カップ状)のものを成形する場合には、成形
型100の凸型30と凹型20は共にその断面が略台形の
形状から成り、その斜辺が底辺に対して直角よりも7゜
以上開いているものを用いる。この角度は抜き角θと呼
ばれ、成形時に押圧力が側面にかかるようにし、また成
形後一方の型を抜き取りやすくするために必要であり、
通常抜き角θは7゜以上を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな成形型で成形する場合、7゜以上の抜き角を有する
ことにより、成形品の側面にもある程度の押圧力は付与
されるが、この押圧力は底面に作用する力に比べ弱く、
しかも上述したように凸型と凹型との隙間は製品よりも
大きく設定されているため、成形段階で側面に十分な押
圧力を付与することができない。このため成型品の側面
強度はかなり弱いものとなる。このような成形中間品を
プレスして得られたパルプモールド品は、側面の強度が
弱いのみならず、水蒸気透過度が大きくなるため、経時
的に紙繊維の中に水が吸収され、脆弱化する。一方、側
面の押圧強度を強めるために全体の押圧力を高めすぎる
と、底部にクラックが入る場合がある。
【0006】また従来の成形型では、抜き角を7゜より
小さくすることができないため、筒に近い形状の成型品
を作成できないという制限があった。
【0007】本発明の目的は上記の問題点を解決すべ
く、側面の強度が十分であり、クラックのないパルプモ
ールド品を提供するためのパルプモールド用成形型及び
パルプモールド品の製造方法を提供することにあり、ま
た、水蒸気透過度の小さなパルプモールド品を提供する
ためのパルプモールド用成形型及びパルプモールド品の
製造方法を提供することをも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明のパルプモールド用成形型は、凹型と凸
型とを備え、これら1対の型のいずれか一方の上で抄き
取った後の抄紙成分を押圧成形するものであって、凸型
の外側面が凹型の内側面側に湾曲した曲面を有している
ものであり、凹型の内側面と凸型の外側面との間隙が、
上端部及び底部では広く、中間部に向って漸減するよう
に構成されている。また本発明のパルプモールド用成形
型は、凹型は、その内側面の垂直方向断面の形状が直線
をなし、凸型は、凹型に嵌合する形状を有し、且つ外側
面の垂直方向断面の形状が直線側に湾曲した曲線をなし
ているものである。
【0009】また、このようなパルプモールド用成形型
を用いた本発明のパルプモールド品の製造方法は、上記
のパルプモールド用成形型の凹型及び凸型の一方の型の
上に、抄造成形原料液から抄紙成分を抄き取り、この抄
紙成分を一方の型と他方の型との間で押圧成形して抄造
成形中間品を形成し、この抄造成形中間品を加熱プレス
するものである。
【0010】このような本発明のパルプモールド用成形
型を用いると、凸型の、垂直方向に曲率をもった側面が
凹型との嵌合時に滑りがよくなり、厚みのある抄紙成分
を介して容易に嵌合し、凸型と凹型の間に介在する抄紙
成分が水分を含み比較的厚みのあるものであっても、下
側に押し下げられることなく押圧成形することができ
る。この際、凸型の側面が凹型側に湾曲した曲面になっ
ているので、この曲面により直線状の凹型の側面に強い
押圧力が加えられる。このように側面のパルプが押し下
げられずに強い押圧力で押圧されるので側面強度の十分
な成形中間品を得ることができ、また底部への過剰な押
圧力がかかることなくクラックの発生が防止される。こ
のような成形中間品を加熱プレスすることにより側面強
度の十分なパルプモールド品を製造することができる。
また、抜き角が7゜より小さくてもよく、具体的には5
゜程度以下、理論的には0°までにすることができるた
め、ほぼ円筒形状の成形品が得られるなど、成形可能な
形状の選択の範囲が広くなり、しかもこのように抜き角
を小さくしても型抜きは容易である。
【0011】更に本発明のパルプモールド用成形型は、
成形時に十分な押圧をかけることができるので、型間の
隙間が最終製品と同じ厚みのものも使用することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例につい
て、図1を参照して説明する。図1に示すパルプモール
ド用成形型(以下、「成形型」という)10は例えばカ
ップ形状のパルプモールド品を製造するためのものであ
り、図に示すように一対の型、凹型2と凸型3で構成さ
れ、凹型2、凸型3のいずれか一方を抄紙成分を抄き取
るための下型とし、他方を上型とする。ここでは、凸型
3が上型であるとして説明する。
【0013】下型として用いる凹型2は、その側面や底
面等に水が透過できる複数の貫通孔(図示せず)が設け
られている。この貫通孔は抄紙原液中の水分を効率よく
透過させると共に、抄紙成分は透過させないようにする
ため、孔の大きさは通常0.5mm〜2.0mmであるのが
好ましい。孔が大きすぎる場合には、孔を通過する抄紙
成分が多くなってしまい抄紙成形に支障をきたしたり、
或は孔中に抄紙成分が入り込んでしまい、その結果得ら
れる抄造成形品に孔の後が残って外観を低下させるおそ
れがある。また、孔が小さすぎる場合には目詰まりが生
じやすくなり、水分の透過効率が低下する。
【0014】この凹型2には必要に応じて真空ポンプ等
を設け、真空吸引して凹型2の全面或いは底部を減圧
し、抄紙成形原料液中の水分を脱水する構成としてもよ
い。また、凹型2の上には、特に図示しないが、必要に
応じて凹型2の表面形状に略適合した形状、即ち容器の
外面形状或いは内面形状に略合致した形状の水分透過性
の抄紙用ネットを載置することもできる。この抄紙用ネ
ットは水の排水を促進するものであり、抄紙原液中の水
分を透過させてパルプ等の抄紙成分を抄き取るこのとの
できるものであれば何でもよく、例えば金網等であり、
メッシュサイズは15メッシュ〜80メッシュ程度のも
のが好ましい。尚、このネットを用いた場合には凹型2
に設けられる貫通孔は、前述した0.5mm〜2.0mmよ
りも多少大きくてもよい。
【0015】上型として用いられる凸型3は、空気や水
蒸気の透過が可能な微細孔が多数設けられており、その
材質は特に限定されないが、例えばアルミニウム、ニッ
ケル、ステンレス、真ちゅう等の金属が好ましい。
【0016】次に本発明の特徴である、これら凹型2及
び凸型3の形状について説明する。
【0017】凹型2は、その内面形状は成形品であるカ
ップの形状とほぼ同じで底面に対し側面が垂直よりやや
大きい角度(90+θ)を有する略円筒状である。即
ち、その垂直方向の断面形状はカップの断面形状に対応
して2つの直線からなる斜辺21、21と底辺22とを
有する略台形の一部をなしている。
【0018】これに対し凸型3は、凹型2に嵌合する部
分の外面形状が凹型2に対応した略円筒形であるが、そ
の断面形状を拡大した図2(a)に示すように、凹型2
の2つの斜辺に対応する部分(以下、「斜辺部分」とい
う)31が、凹型2の各斜辺21側に湾曲した曲線をな
している。これにより凹型2の側面と凸型3の側面との
隙間は、最も狭い部分で、最終製品であるパルプモール
ド品の厚みと同じ程度かそれより狭く、最も広い部分
で、最終製品の1.5倍程度から同程度となるようにす
る。このような斜辺部分31は図2(a)に示したよう
に上端部Aから底部Bまでの斜辺全体が曲線であっても
よいが、同図(b)に示すように少なくとも凸型3の底
辺32に隣接した部分Cが曲線状になっていればよい。
このように凸型3の側面を凹型2側に湾曲した曲面とす
ることにより、凹型2の上に抄紙成分4を積層した状態
で凸型3を嵌合させる際に、側面の抄紙成分を押し下げ
ることなくスムーズに挿入でき、しかも凹型2と凸型3
とを嵌合させる際に、この曲面が厚みのある抄紙成分4
を押圧しながら嵌合することになるので、側面にも押圧
力の一部(矢印)が作用し、側面押圧強度に優れた成形
中間品を得られる。
【0019】尚、図2では理解を容易にするために凸型
3を上型として凹型2上の抄紙成分4を押圧する図を用
いたが、凸型3と凹型2の関係が逆であっても全く同様
に抄紙成分4に側面押圧力が作用する。
【0020】このような成形型は、垂直な面に対する側
面の角度(抜き角θ)を7゜以下とすることができる。
例えば5゜〜0°とすることができ、これにより従来よ
り円筒により近い形状を有し、しかも側面強度の優れた
パルプモールド品を得ることができる。
【0021】次にこのような成形型を用いたパルプモー
ルド品の製造方法について説明する。まず、抄紙成分と
してパルプと内添剤を適宜含有した抄紙原料液を用意
し、この抄紙原料液中に凹型2を浸漬して、必要に応じ
て凹型2下方から真空吸引して、抄紙原料液中の抄紙成
分を凹型2上に抄き取る。尚、凸型3が下型の場合に
は、この原料液槽中に凸型3を浸漬した後、凸型3を上
昇させて抄紙原料液中の抄紙成分を凸型3上に抄き取っ
てもよい。この抄紙工程において、凹型2の上に抄き取
られる抄紙成分の量は、パルプ原料中に分散させた抄紙
成分の濃度や凹型2上に抄き取る際に必要に応じて行わ
れる真空吸引の時間等によって調整することができる。
【0022】次いで、凸型3と凹型2とを合わせて抄紙
成分を押圧成形する。このとき、更に必要に応じて凹型
2の下方から又は凸型3の上側から真空吸引する。この
押圧の条件は、押圧前の抄紙成分の厚みを100とした
場合に10〜40程度の厚みとなるように押圧すること
が好ましい。また、凸型3の下側面を減圧する場合の減
圧条件は、700〜10mmHg程度が好ましい。
【0023】この結果、抄き取り後の抄紙成分中に残存
する水分の大部分は凸型3の貫通孔を通して外部に流出
し、凸型3の上には含水量が30重量%程度の抄造成形
中間品が形成される。この抄造成形中間品の厚みは、場
所によっても異なるが側面部では最終的なパルプモール
ド品の厚さを100とした場合約150である。この抄
造成形工程では、側面が垂直方向に対し外側に湾曲した
形状の凸型3を用いることにより、型の嵌合時の滑りが
よく、また嵌合時に凸型3の側面が凹型2側面との間に
介在する抄紙成分4を強く押しつけることができ、結果
として抄造成形中間品の底面だけでなく、側面にも十分
な押圧力が作用し、従来品よりも側面強度に優れた抄造
成形中間品を得ることができる。また、このような凸型
3を用いることにより、従来必要とされてきた7゜以上
の抜き角よりも小さい、即ち円筒に近い形状の成形品を
製造することも可能とする。
【0024】このようにして得られた抄造成形中間品
は、更に圧縮、乾燥するため、加熱プレスが施される。
この加熱プレス工程は、好適には2組のプレス型により
2段階で行われる。これらプレス型の凹型及び凸型はそ
れぞれ成形品の外面形状及び内面形状に略合致するよう
に形成されており、その隙間は最終製品の厚みとほぼ同
じ大きさに設定されている。また凹型、凸型共に空気や
水蒸気の透過が可能な微細孔が多数設けられており、共
に電熱加熱装置が設けられている。更に、この微細孔か
ら金型内を吸引できる構造としてもよい。
【0025】第1段階の加熱プレス工程は、主として抄
造成形中間品の圧縮を目的とする工程で、60〜300
℃の加熱温度、1〜10kg/cm2・Gの押圧力、30〜
100秒程度のプレス時間で行うことが好ましく、最終
的なパルプモールド品の厚さを100とした場合5〜3
0程度になるように加熱プレスすることが好ましい。第
2段階の加熱プレス工程は、主として加熱プレス後の成
形品を完全に乾燥すること及び製品のサイズを最終製品
の規格に戻すことを目的として行われる。第2段階の加
熱プレス条件は、第1段階の加熱プレスとほぼ同じであ
るが、加熱温度は第1段階の加熱温度と同じかそれより
高い加熱温度(170〜200℃)でプレスする。
【0026】このように加熱プレス工程を行った後、最
終的なパルプモールド品が得られる。こうして得られた
パルプモールド品は、側面のパルプの密度が高く、また
十分な押圧力が作用されているため、側面強度が十分で
あり、また水蒸気透過度も低い。更に従来の抜き角(7
゜以上)の制限を受けることがなく、円筒に近い形状の
パルプモールド品を製造できる。
【0027】尚、上記実施例では凹型2及び凸型3の底
面が平面の場合を図示したが、底面は平面に限らず、曲
面や所望の凹凸があってもよい。従って、パルプモール
ド製品の機能性や装飾性を高めるような形状にすること
も可能である。
【0028】また、加熱プレス工程は、2段階のみなら
ず1段階でも又3以上の工程で行ってもよい。
【0029】
【実施例】
実施例1 下記の抄紙成形原料液を用意し、この原料液から図1及
び図2に示す成形型を用いて凸型3の上に抄紙成分を抄
紙した後、凸型3の下方から真空吸引しながら、押圧し
(押圧力3kg/cm2・G、プレス時間40秒)抄造成形中間
品を得た。尚、原液に添加するサイズ剤は固形分30%
の水溶液として、撥水剤は固形分33%の水溶液とし
て、また湿潤紙力増強剤は固形分30%の水溶液として
添加したものであり、下記処方における原料液中の内添
剤の含有量(%)は、原料パルプ100重量%に対する
重量%を表し、サイズ剤、撥水剤及び湿潤紙力増強剤に
ついては溶液の重量%を表す。 パルプ(純パルプ+古紙パルプ) 100% サイズ剤 2% 硫酸バンド 2% 撥水剤 9% 湿潤紙力増強剤 9% バリア性付与剤 3% 得られた中間品を更に加熱温度170℃、押圧力3kg/c
m2・Gの条件で、プレス時間60秒で加熱プレスした後、
更に加熱温度170℃、押圧力3kg/cm2・G、プレス時間
60秒で加熱プレスして乾燥し、パルプモールド品を得
た。得られたパルプモールド品の重量は約10.20
g、厚みは底面1.20mm、側面1.25mmであった。
またこのパルプモールド品について下記のように透気
度、水蒸気透過度及び圧縮強度を測定した。結果を表1
に示した。尚、参考として従来のパルプモールド品(抄
紙成形後、乾燥させたもの)についての同様の測定を行
った結果を併せて示した。
【0030】透気度:側面の一部を切取り試料として、
JIS−P8117により透気度を測定した。
【0031】圧縮強度:試料を23℃、実効湿度50%
で24時間調湿した後、ロードセル式引張試験機を用い
て、圧縮速度100mm/分で圧縮したときの強度(kg)
を測定した。
【0032】水蒸気透過度:JIS−Z−0208法
(透湿カップ法)により、24時間に試料を通過する水
蒸気の質量(g)を試料1m2当りに換算して求めた。
【0033】
【表1】 比較例1 実施例1と同様の抄紙成形原料液を用い、図3に示すよ
うな従来の成形型を用いて実施例1と同様の押圧条件で
抄造成形中間品を製造した後、実施例1と同様に加熱プ
レスを行い、パルプモールド品を得た。このパルプモー
ルド品についても実施例1と同様に透気度、水蒸気透過
度及び圧縮強度を測定した。結果を併せて表1に示し
た。
【0034】表1の結果からわかるように本発明による
成形型を用いて製造したパルプモールド品は、機械的強
度に優れ、水及び気体に対する透過度が共に小さく、プ
ラスチック容器に代る収納容器として用いることがで
き、しかも資源の再利用、焼却等が容易である。特に本
発明により製造されるパルプモールド品は、従来のパル
プモールド品に比べ、透気度、水蒸気透過度が抑制され
ているので、芳香剤や防虫剤等の揮発性材料の揮散量を
調節して収納する容器として好適である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明のパルプモー
ルド用成形型は、凹型の内側面の垂直方向断面の形状が
直線をなし、また凹型に嵌合する外面形状を有する凸型
は、その外側面の垂直方向断面の形状が直線側に湾曲し
た曲線をなしているものであり、このような成形型を用
いることにより、抄紙成分の成形時に側面の抄紙成分を
押し下げることなく滑らかに凹型及び凸型が嵌合し、成
形品の側面にも十分な押圧力を付与することができる。
従って、側面のパルプ密度が大きく、側面強度が十分で
あり、クラックの無い抄造成形中間品を得ることがで
き、更にこの抄造成形中間品を加熱プレスすることによ
り、機械的強度に優れ、水蒸気透過度が低いパルプモー
ルド品を製造することができる。また、水蒸気透過度が
低いため経時的な紙繊維への水の吸収による劣化が無
く、耐久性のある製品を得ることができる。
【0036】更に、抜き角を小さくできるので、円筒状
或いは円筒に極めて近い形状のパルプモールド製品を製
造でき、デザイン面でも選択の幅が広げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパルプモールド用成形型の一実施例
の断面図。
【図2】 本発明のパルプモールド用成形型の要部断面
を示す図。
【図3】 従来のパルプモールド用成形型の断面図。
【符号の説明】
10・・・・パルプモールド用成形型 2・・・・・・凹型 21・・・・斜辺 22・・・・底辺 3・・・・・・凸型 31・・・・斜辺部分 4・・・・・・抄紙成分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹型と凸型とを備え、これら1対の型のい
    ずれか一方の上で抄き取った後の抄紙成分を前記一対の
    型間で押圧成形するパルプモールド用成形型において、 前記凹型の内側面と前記凸型の外側面との間隙が、上端
    部及び底部では広く、中間部に向って漸減するように、
    前記凸型の外側面が前記凹型の内側面側に湾曲した曲面
    を有していることを特徴とするパルプモールド用成形
    型。
  2. 【請求項2】凹型と凸型とを備え、これら1対の型のい
    ずれか一方の上で抄き取った後の抄紙成分を前記一対の
    型間で押圧成形するパルプモールド用成形型において、 前記凹型は、その内側面の垂直方向断面の形状が直線を
    なし、前記凸型は、前記凹型に嵌合する外面形状を有
    し、且つ外側面の垂直方向断面の形状が前記直線側に湾
    曲した曲線をなしていることを特徴とするパルプモール
    ド用成形型。
  3. 【請求項3】前記直線は、垂線との角度が5゜以下であ
    ることを特徴とする請求項2記載のパルプモールド用成
    形型。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載のパルプモールド用成
    形型の凹型及び凸型の一方の型の上に、抄紙成形原料液
    から抄紙成分を抄き取り、この抄紙成分を前記一方の型
    と他方の型との間で押圧成形して抄造成形中間品を形成
    し、この抄造成形中間品を加熱プレスすることを特徴と
    するパルプモールド品の製造方法。
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