JP3021808U - 竹材を圧縮成形した仮設用足場板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 仮設用足場板として、天候に左右されにく
く、軽量で作業性がよく、長期の反復使用に耐え、か
つ、該長期間の反復使用でも精度を維持することができ
る竹材を圧縮成形した仮設用足場板を提供することを目
的とするものである。 ［構成］ 内形が設定寸法の型枠内に、素材となる竹材
２の細片を編み込んでシート状２ａにしたものを設定強
度ならびに設定厚さが得られる枚数を積層して内装する
とともに、メラミン樹脂３の設定量を充填し、前記の竹
材２を含浸させ、これをプレス加工を施し、設定形状の
足場板となるように成形してなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、竹材の細片を骨材にし、これに接合剤としてメンミン樹脂を含浸 または混和したものをプレス成形し、竹材を圧縮成形した仮設用足場板に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より仮設用足場板として、木製の単板または合板をはじめとして金属製、 とくに鋼板製、アルミ板製のものを挙げることができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記に掲げた従前主要の仮設用足場板の各種は、そのそれぞれが素材特性に基 づく長所を備えているものの、概して重量が大で、かつ、長尺のため取り扱いに は不便を来している。また、素材的には金属製のものを除く木質系の場合は、天 候状況をそのまま受け、乾・湿作用によるところの変形、腐食等による耐久性の 低さ等が挙げられ、また、金属製のものにおいては、その耐久性が大であるとい う概念と、重量大である点に基づく作業性の低さから粗雑に扱う嫌いがあり、使 用後の取外し作業の後、高所からそのまま落下させる場合等もあり、これらによ る変形、破損がある。

【０００４】 以上のように、素材を異にした各種の足場板は、いずれの場合であっても重量 が大であるための作業性の低さを共存させ、かつ、材質ごとの特性による短所が 多いため、これを改善した仮設用足場板を提供しようとするものである。

【０００５】 本考案の目的とするところは、仮設用足場板として、天候に左右されにくく、 軽量で作業性がよく、長期の反復使用に耐え、該長期間の反復使用でも精度を維 持することができる竹材を圧縮成形した仮設用足場板を提供し得るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記の目的を達成させるための手段として、内形が設定寸法の型 枠内に、素材となる竹材の細片を編み込んでシート状にしたものを設定強度なら びに設定厚さが得られる枚数を積層して内装するとともに、メラミン樹脂の設定 量を充填し、前記の竹材を含浸させ、これをプレス加工を施し、設定形状の足場 板となるように成形してなるものである。

【０００７】 またこの考案は、素材となる竹材を擂砕あるいは切削して形成した竹材チップ と、該設定量の竹材チップに設定比率のメラミン樹脂を添加してこれを均等混和 したものを内形を設定寸法に形成した型枠内に充填し、これをプレス成形してな るものである。

【０００８】 さらにこの考案は、内形が設定寸法の型枠内に、素材となる竹材の細片を編み 込んで形成した複数のシート状間に竹材を擂砕あるいは切削して形成した竹材チ ップ介層し、これを設定強度ならびに設定厚さが得られる枚数を積層して内装す るとともに、メラミン樹脂の設定量を充填し、前記のシート状ならびに竹材チッ プとで層成した竹材層を含浸させ、これをプレス加工を施し、設定形状の足場板 となるように成形してなるものである。

【０００９】

【考案の実施の形態】

仮設用足場板は人命重視の点から特に強度においてきびしい規格を有し、該規 格以上の数値が満たされたものが現在使用されている。

【００１０】 したがって、反復使用による強度の低下度合いが規格を維持している場合であ っても、腐食、摩耗、変形等わずかでも不都合面が目視により認められたものは 、廃棄処分され、また、目視により再使用が可能と認められたものに限りその後 厳しい強度テストを行い、そして、反復使用されるものである。

【００１１】 これら第１条件としては、前記の強度面であるが、作業性の面においては何等 の規制がなく、したがって、安全面、すなわち、強度面と耐久性を重視すること が重量大に繋がり、これによって作業性の向上が後回しとなる嫌いがある。

【００１２】 そこでこの考案は、第１条件の強度、第２条件の耐久性、等の各要件を満たし 、かつ、作業性の面までを重視して、従前の足場板よりも軽量なものを開発した ものである。

【００１３】 この考案の仮設用の足場板１は複合材をもって形成される。すなわち、竹材２ を主骨材とし、これを固形化するメラミン樹脂３を副材とした２部材よりなるも のである。

【００１４】 竹材は従前より建築主材としてあまり大量に、かつ、工業的には活用されてい ない。それは、材質的、形状的に建築材として不適格であること、原材料の形状 が不特定であるので加工性が低い点にある。

【００１５】 しかしながら、竹材自体には周知のように軽量、耐腐食性があり、また、成熟 に達する期間が短いことから大量に供給できる点等の長所がある。

【００１６】 そこで、本考案は竹材としての材質的特性の長所に着眼して、これを主素材と して活用する技術を開発したものである。

【００１７】 本考案は、主素材として用いる竹材２の使用素材を２種に分類した。すなわち 、その特性である繊維質を重視し、該繊維方向に準じた長尺の薄細片に加工し、 これを編み込んで一枚のシート状２ａにしたもの、または、竹材２における皮質 部あるいは肉質部の個々、また、これらを区別せずに一体のものを擂砕あるいは 切削して竹片チップ２ｂとしたものを主素材とするものである。

【００１８】 前記前者の竹材２をシート状２ａとしたものを主素材とする場合には、内形を 所望する足場板１の形状とする型枠の内部に足場板１の骨材として所望する強度 が得られるまで複数枚を積層し、しかる後にメラミン樹脂３を充填し、足場板１ としての所望形状となるように加圧して圧縮成形するものである。

【００１９】 なお、前記の圧縮成形加工の際の成形方法において、必要に応じての加熱なら びにその雰囲気等については、本考案は製造方法を要旨とするものではないので 、その詳細については省略する。

【００２０】 また、素材となる竹材２を擂砕あるいは切削して形成した竹材チップｂと、該 設定量の竹材チップ２ｂに設定比率のメラミン樹脂３を添加してこれを均等混和 したものを内形を設定寸法に形成した型枠内に充填し、これをプレス成形して足 場板１としての所望形状となるように加圧して圧縮成形するものである。

【００２１】 さらにまた、内形が設定寸法の型枠内に、素材となる竹材２の細片を編み込ん で形成した複数のシート状２ａ間に竹材２を擂砕あるいは切削して形成した竹材 チップ２ｂ介層し、これを設定強度ならびに設定厚さが得られる枚数を積層して 内装するとともに、メラミン樹脂３の設定量を充填し、前記のシート状２ａなら びに竹材チップ２ｂとで層成した竹材２層を含浸させ、これをプレス加工を施し 、設定形状の足場板１となるように成形してなるものである。

【００２２】

【考案の効果】

この考案は前記したように、仮設用足場板をその骨材を竹材に求め、これをメ ラミン樹脂を接合剤として、竹材のシート状または竹材チップの個々、あるいは これら双方を併合した骨材を結合材として成形したことにより、竹材固有の軽量 、剛性、ならびに耐腐食性とメラミン樹脂とによる成形性により従前の木質系製 足場板、金属製の足場板よりも軽量で、かつ、強度ならびに剛性度、耐久性度の 高い仮設用足場板を廉価に提供できる効果あるものである。

【図面の簡単な説明】

図１ 竹材のシート状を骨材とした仮設用足場板の拡
大断面図、図２ 竹材チップを骨材とした仮設用足場
板の拡大断面図、図３ 竹材のシート状と竹材チップ
とを骨材とした仮設用足場板の拡大断面図。

【符号の説明】

１ 足場板、 ２ 竹材、 ２ａ シート状、 ２ｂ 竹材チップ、 ３ メラミン樹脂。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内形が設定寸法の型枠内に、素材となる
   竹材２の細片を編み込んでシート状２ａにしたものを設
   定強度ならびに設定厚さが得られる枚数を積層して内装
   するとともに、メラミン樹脂３の設定量を充填し、前記
   の竹材２を含浸させ、これをプレス加工を施し、設定形
   状の足場板となるように成形してなることを特徴とする
   竹材を圧縮成形した仮設用足場板。
2. 【請求項２】 素材となる竹材２を擂砕あるいは切削し
   て形成した竹材チップｂと、該設定量の竹材チップ２ｂ
   に設定比率のメラミン樹脂３を添加してこれを均等混和
   したものを内形を設定寸法に形成した型枠内に充填し、
   これをプレス成形してなることを特徴とする竹材を圧縮
   成形した仮設用足場板。
3. 【請求項３】 内形が設定寸法の型枠内に、素材となる
   竹材２の細片を編み込んで形成した複数のシート状２ａ
   間に竹材２を擂砕あるいは切削して形成した竹材チップ
   ２ｂ介層し、これを設定強度ならびに設定厚さが得られ
   る枚数を積層して内装するとともに、メラミン樹脂３の
   設定量を充填し、前記のシート状２ａならびに竹材チッ
   プ２ｂとで層成した竹材２層を含浸させ、これをプレス
   加工を施し、設定形状の足場板となるように成形してな
   ることを特徴とする竹材を圧縮成形した仮設用足場板。