JPH10130284A - メタンジホスホン酸化合物の製造法 - Google Patents

メタンジホスホン酸化合物の製造法

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JPH10130284A
JPH10130284A JP29164396A JP29164396A JPH10130284A JP H10130284 A JPH10130284 A JP H10130284A JP 29164396 A JP29164396 A JP 29164396A JP 29164396 A JP29164396 A JP 29164396A JP H10130284 A JPH10130284 A JP H10130284A
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carbon atoms
disulfide
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methanediphosphonate
methanediphosphonic
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JP29164396A
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Koichi Tsuruta
康一 鶴田
Takumi Uchiro
拓実 内呂
Norio Kawabe
紀雄 川辺
Ryuichi Haruta
隆一 春田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】一般反応式1によりメタンジホスホン酸テ
トラアルキルとジスルフィドを、−10〜20℃で塩基
を徐々にまたは分割して添加して反応させ、副生するチ
オラートを不溶性物質として除去するメタンジホスホン
酸化合物の製造法。 [R’はC1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
り同一または異なってもよく、Rは薬理学的に許容で
きる陽イオン、水素あるいはR’炭素と同様の基であ
り、RはC1〜10の直鎖、分岐鎖または環状の無置
換または置換アルキル基、あるいはC3〜10のヘテロ
原子を含みうる無置換または置換アリール基であり、R
は水素、C1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
る] 【効果】従来の方法と比較して工業的条件下で高収率、
低不純物量で目的生成物を得ることができ、副生するチ
オラートを良好な効率でろ過でき、工業的に有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は金属キレート剤あるいは抗炎症
剤、抗リウマチ剤、骨代謝疾患治療剤などの医薬品とし
て有用な、メタンジホスホン酸化合物の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のアルキルチオまたはアリールチオ
メタンジホスホン酸化合物の合成方法は例えば特公平4
−29676号公報に記載されている。ここに示されて
いる方法はメタンジホスホン酸テトラアルキルを水素化
ナトリウムなどにより対応する金属誘導体に変換した
後、ジスルフィドと反応させることにより、目的生成物
であるアルキルチオまたはアリールチオメタンジホスホ
ン酸テトラアルキルを合成するものである。
【0003】またWO96/06100に記載されてい
る方法はメタンジホスホン酸テトラアルキルとジスルフ
ィドを塩基の存在下反応させた後、目的生成物であるア
ルキルチオまたはアリールチオメタンジホスホン酸テト
ラアルキルに対して等モル量副生するチオラートを除去
することによって高収率で目的生成物を得る方法を示し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特公平4−29676
号公報に記載の合成方法は収率が低いため、目的生成物
の他に多量の未反応のメタンジホスホン酸テトラアルキ
ルとジスルフィドを含む反応混合物が得られ、目的生成
物を得るためにシリカゲルカラムクロマトグラフィーな
どの工業的に非常に高コストな精製操作が必要であっ
た。
【0005】WO96/06100に記載の方法は反応
で副生するチオラートを除去することによって上記の問
題を解決し、目的生成物を極めて高収率で得ることがで
きる。しかし工業スケールでの反応操作においてはいく
つかの問題が予想された。
【0006】メタンジホスホン酸テトラアルキル、ジス
ルフィド、塩基の3つの試薬を反応させる際には、第
1、第2の試薬から生成した活性反応中間体が第3の試
薬と反応するまでの時間が反応に影響を及ぼすと考えら
れる。一方工業スケールでは試薬の添加に時間がかか
る。実際に工業スケールの反応を想定し試薬を徐々に添
加して反応を行った場合、収率が低下するという問題が
判明した。
【0007】またこの反応で生成するチオラートの沈殿
粒子は非常に微細である。工業用反応装置のろ過器は反
応スケールに比較してろ過面積が小さい場合が多く、低
ろ過性が反応操作上の障害となる。工業スケールでこの
反応を行うと通常の装置では実用的な速度でろ過を行え
ないという問題が判明した。
【0008】つまりWO96/06100の合成方法に
おける問題点は、工業スケールの反応操作を想定して試
薬の添加を徐々に行うと収率が低下することと、工業用
反応装置ではチオラートのろ過による除去が困難である
ことである。これらの問題を解決できればアルキルチオ
メタンジホスホン酸化合物またはアリールチオメタンジ
ホスホン酸化合物の優れた工業的製造法となる。
【0009】従って本発明の目的は医薬品として極めて
有用なアルキルチオメタンジホスホン酸化合物またはア
リールチオメタンジホスホン酸化合物の工業的に優れた
製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決すべく検討を行った結果、メタンジホスホン酸テ
トラアルキルとジスルフィドの溶液または懸濁液に塩基
を−10〜20℃で徐々に添加する方法により、高収
率、かつ含まれる不純物が非常に少ない生成物が得ら
れ、また予期せずチオラートのろ過速度が著しく向上す
ることを見いだした。塩基を最後に添加することが収率
の向上と不純物量の低下に重要であり、塩基を−10〜
20℃で徐々に添加することがチオラートのろ過速度の
向上に重要である。
【0011】すなわち本発明は、下記式(I)のメタン
ジホスホン酸テトラアルキル
【化4】 [式中、R’は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アル
キル基であり同一または異なっていてもよい、Rは水
素、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
る]と下記式(II)のジスルフィド
【化5】 [式中、Rは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖または環
状の無置換または置換アルキル基、あるいは炭素数3〜
10のヘテロ原子を含みうる無置換または置換アリール
基である]を、温度−10〜20℃で塩基を徐々にまた
は分割して添加することにより反応させ、副生するチオ
ラートを不溶性物質として除去することを特徴とする下
記一般式(III)で表されるメタンジホスホン酸化合
【化6】 [式中、Rは薬理学的に許容できる陽イオン、水素あ
るいは炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
り同一または異なっていてもよい、R、Rは前記定
義に同じ]の製造法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においてR、R’、R
で表される炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル
基とは特に限定されるものではないが、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n
−ヘキシルなどが挙げられる。これらの不飽和体、ある
いはフェニル、ナフチルなどのアリール基、フルオル、
クロル、ブロム、ヨードのハロゲン、メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ、t−ブトキシなどの炭素数1〜4
のアルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピ
ルチオ、t−ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキル
チオ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどの炭素数
1〜4のジアルキルアミノ基、ニトロ基などを置換基と
して有するもの(置換体)も含まれる。好ましくは、メ
チル、エチル、イソプロピルが挙げられる。
【0013】本発明においてRで表される炭素数1〜
10の直鎖、分岐鎖または環状の無置換または置換アル
キル基、あるいは炭素数3〜10のヘテロ原子を含みう
る無置換または置換アリール基とは特に限定されるもの
ではないが、例えば直鎖アルキル基としてはメチル、エ
チル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−
ヘキシル、分岐鎖アルキル基としてはイソプロピル、イ
ソブチル、s−ブチル、t−ブチル、環状アルキル基と
してはシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられ
る。これらの不飽和体、あるいは上記のアリール基、ハ
ロゲン、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルア
ミノ基、ニトロ基などを置換基として有するもの(置換
体)も含まれる。好ましくはメチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブ
チル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シク
ロヘキシルが挙げられる。
【0014】アリール基としてはフェニル、ナフチルの
他、酸素を含むフラン、ベンゾフラン、硫黄を含むチオ
フェン、窒素を含むピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、ベ
ンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、酸素、硫
黄、窒素複数種類を含むオキサゾール、イソオキサゾー
ル、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾー
ルなどが挙げられる。メチル、エチル、イソプロピル、
t−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基、フルオ
ル、クロル、ブロム、ヨードのハロゲン、メトキシ、エ
トキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシなどの炭素数1
〜4のアルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、イソプ
ロピルチオ、t−ブチルチオなどの炭素数1〜4のアル
キルチオ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどの炭
素数1〜4のジアルキルアミノ基、ニトロ基などを置換
基として有するもの(置換体)も含まれる。好ましくは
フェニル、ナフチル、あるいはそれらに上記のハロゲ
ン、アルコキシ基、アルキルチオ基を置換基として有す
るもの(置換体)が挙げられる。
【0015】本発明のRとして許容される陽イオンと
は、金属陽イオン、アンモニウムイオンN(R
を表し(Rは水素または炭素数1〜7の直鎖または分
岐鎖アルキルである)、特に好ましい金属陽イオンは、
アルカリ金属類、例えばリチウム、ナトリウム、カリウ
ムなどおよびアルカリ土類金属類、例えばマグネシウ
ム、カルシウムなどの陽イオンが挙げられる。しかし他
の金属、例えばアルミニウム、亜鉛、鉄などの陽イオン
も本発明に含まれる。アンモニウムとしては、アンモニ
ア、1級アミン、2級アミン、3級アミンのアンモニウ
ムおよび4級アンモニウムである。これらとしてはアン
モニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピル
アミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチ
ルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミンなどのアンモニウムおよびテトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウムなどが挙げられる。
特にナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルア
ンモニウムの陽イオンが好ましい。
【0016】塩基としては、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属のヒドリド、アミド、アルキル、アルコキシ
ドからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが
好ましく、特にナトリウム、カリウム、リチウムのヒド
リド、アミド、アルキル、アルコキシドなどが用いられ
る。より具体的には、ナトリウムヒドリド、ナトリウム
アミド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ド、メチルリチウム、ブチルリチウム、カリウムt−ブ
トキシドなどが挙げられる。
【0017】本発明はメタンジホスホン酸テトラアルキ
ルとジスルフィドの溶液または懸濁液に塩基を−10〜
20℃で徐々に添加する方法により高収率、低不純物量
で目的生成物を得ることができ、かつ副生するチオラー
トを良好な効率でろ過できるようにするものである。
【0018】メタンジホスホン酸テトラアルキルと塩基
の溶液または懸濁液にジスルフィドを徐々に添加、また
はジスルフィドと塩基の溶液または懸濁液にメタンジホ
スホン酸テトラアルキルを徐々に添加した場合は収率が
低下すると共に、不純物量が増加し、チオラートのろ過
速度は小さくなる。
【0019】またメタンジホスホン酸テトラアルキルと
ジスルフィドの溶液または懸濁液に塩基を20℃以上で
添加したり急速に添加するとチオラートのろ過速度が小
さくなる。塩基を最後に添加することが収率の向上と不
純物量の低下に重要であり、塩基を−10〜20℃でか
つ徐々に添加することがろ過速度の向上に重要である。
【0020】ジスルフィドのメタンジホスホン酸テトラ
アルキルに対する当量は1〜5当量が好ましく、特に1
〜2当量が好ましい。塩基のメタンジホスホン酸に対す
る当量は2〜5当量が好ましく、特に2〜3当量が好ま
しい。反応温度は−10〜20℃が好ましく、特に0〜
10℃が好ましい。塩基は必要当量を2分割以上で添加
するか連続的に添加するのが好ましく、添加時間は20
分〜6時間が好ましく、特に1〜4時間が好ましい。反
応時間は30分〜6時間が好ましく、特に1〜4時間が
好ましい。
【0021】WO96/06100に記載されていると
おり、反応で副生するチオラートを不溶性物質として除
去することは収率向上のために重要である。チオラート
の溶解度は反応溶媒とチオラートの性質、チオラートと
塩を形成する陽イオンによって影響される。
【0022】反応溶媒としては非極性または低極性の非
プロトン性溶媒が好ましい。このような溶媒としてはベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ペンタンなどの炭化水素系溶媒が挙げられる。
【0023】このようにして得られたアルキルチオまた
はアリールチオメタンジホスホン酸テトラアルキルから
対応するジホスホン酸が加水分解によって得られる。こ
れは一般的な公知の方法によって可能であるが、例えば
ジホスホン酸エステルを塩酸で通常は常温から100℃
で処理することによって行うことができる。得られたジ
ホスホン酸はその塩の1種に公知の方法により転化され
る。
【0024】
【実施例】以下の実施例は本発明を説明するために挙げ
るものであって、本発明を制限するものではない。
【0025】実施例1(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R=iP
r、R=4−MeSPh、R=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を0〜
10℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド9.4
3gを3分割して20分間隔で添加し、さらに1時間反
応させた。得られた反応液中の沈殿を直径60mmのろ
過器とGA200グラスウールフィルターで減圧ろ過し
た。ろ別した沈殿をトルエン100mlで洗浄した。洗
浄液とろ液を合わせ、2N塩酸40mlで3回洗浄し、
溶媒を留去すると表題の化合物が粗生成物として21.
3g得られた。ろ過時間は40秒であり、得られた表題
化合物のHPLC分析による純度は90.8%、収率は
96.8%であった。
【0026】実施例2(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R=iP
r、R=4−MeSPh、R=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を0〜
10℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド9.4
3gを1時間かけて連続的に添加し、さらに1時間反応
させた。得られた反応液を実施例1と同様に処理すると
表題の化合物が粗生成物として21.3g得られた。ろ
過時間は1分であり、得られた表題化合物のHPLC分
析による純度は90.2%、収率は96.4%であっ
た。
【0027】実施例3(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸
(一般式(III)中、R =H、R=4−MeSP
h、R=H) 実施例1と同様の方法により得られた(4−メチルチオ
フェニルチオ)メタンジホスホン酸テトライソプロピル
の粗生成物21.3gを200mlの濃塩酸中で5時間
加熱還流した後、反応水溶液を1.5N塩酸で2倍に希
釈する。この水溶液をトルエン80mlで3回洗浄する
ことによって残存するジスルフィドを除去してから水溶
液を濃縮乾固すると白色固体が得られる。これをアセト
ン−ジクロルメタンから再結晶すると表題の化合物1
2.4gが得られる[収率94%、m.p.215〜2
16℃(dec)]。また得られた白色固体を水に溶解
し炭酸ナトリウムにより2ナトリウム化し、活性炭処
理、ろ過、濃縮乾固した後、エタノール−水から再結晶
すれば対応するジホスホン酸の2ナトリウム塩を調製で
きる[HPLC分析による純度99.8%、収率93
%、m.p.300℃以上]。
【0028】2Na塩H NMR(DO、ppm) 2.49(s,3H),3.23(t,J=20Hz,
1H),7.25〜7.32(m,2H),7.51〜
7.58(m,2H) 2Na塩IR(KBr、cm−1) 1479,1197,1158,1110,1071,
928 2Na塩MASS(FAB) m/z 375(M+H) 2Na塩元素分析(C10Naとし
て) 計算値:C 25.68% H 2.70% 実測値:C 25.81% H 2.75%
【0029】比較例1(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R=iP
r、R=4−MeSPh、R=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、カリウムt−ブトキシド9.43gの
トルエン120ml懸濁液を加熱還流し、これにビス
(4−メチルチオフェニル)ジスルフィド13.7gの
トルエン溶液を1時間かけて添加し、さらに加熱還流下
1時間反応させた。得られた反応液を常温に冷却後、実
施例1と同様に処理すると表題の化合物が粗生成物とし
て20.0g得られた。ろ過時間は4分50秒であり、
得られた表題化合物のHPLC分析による純度は80.
7%、収率は80.9%であった。
【0030】比較例2(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R=iP
r、R=4−MeSPh、R=H) アルゴン雰囲気下、ビス(4−メチルチオフェニル)ジ
スルフィド13.7g、カリウムt−ブトキシド9.4
3gのトルエン120ml懸濁液を50℃に加熱し、こ
れにメタンジホスホン酸テトライソプロピル13.8g
を1時間かけて添加し、さらに1時間反応させた。得ら
れた反応液を常温に冷却後、実施例1と同様に処理する
と表題の化合物が粗生成物として20.9g得られた。
ろ過時間は10分20秒であり、得られた表題化合物の
HPLC分析による純度は85.1%、収率は89.1
%であった。
【0031】比較例3(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R=iP
r、R=4−MeSPh、R=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を40
℃に加熱し、これにカリウムt−ブトキシド9.43g
を6分割して10分間隔で添加し、さらに1時間反応さ
せた。得られた反応液を実施例1と同様に処理すると表
題の化合物が粗生成物として20.8g得られた。得ら
れた表題化合物のHPLC分析による純度は92.1
%、収率は96.0%であったが、ろ過時間は7分10
秒を要した。
【0032】比較例4(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R=iP
r、R=4−MeSPh、R=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を0〜
10℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド9.4
3gを一括して添加し、さらに1時間反応させた。得ら
れた反応液を実施例1と同様に処理すると表題の化合物
が粗生成物として21.3g得られた。得られた表題化
合物のHPLC分析による純度は91.5%、収率は9
7.6%であったが、ろ過時間は7分10秒を要した。
【0033】
【発明の効果】本発明の提供する、メタンジホスホン酸
テトラアルキルとジスルフィドの溶液または懸濁液に塩
基を−10〜20℃で徐々に添加することを特徴とする
アルキルチオメタンジホスホン酸化合物またはアリール
チオメタンジホスホン酸化合物の製造法は、従来の方法
と比較して工業的条件の下でも高収率、低不純物量で目
的生成物を得ることができ、かつ副生するチオラートを
良好な効率でろ過できる方法であり、工業的に極めて有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/00 106 C09K 3/00 106 (72)発明者 春田 隆一 静岡県三島市4845番地 東レ株式会社三島 事業場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)のメタンジホスホン酸テトラ
    アルキル 【化1】 [式中、R’は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アル
    キル基であり同一または異なっていてもよい、Rは水
    素、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
    る]と下記式(II)のジスルフィド 【化2】 [式中、Rは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖または環
    状の無置換または置換アルキル基、あるいは炭素数3〜
    10のヘテロ原子を含みうる無置換または置換アリール
    基である]を、温度−10〜20℃で塩基を徐々にまた
    は分割して添加することにより反応させ、副生するチオ
    ラートを不溶性物質として除去することを特徴とする下
    記一般式(III)で表されるメタンジホスホン酸化合
    物 【化3】 [式中、Rは薬理学的に許容できる陽イオン、水素あ
    るいは炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
    り同一または異なっていてもよい、R、Rは前記定
    義に同じ]の製造法。
  2. 【請求項2】塩基を20分以上かけて添加することを特
    徴とする請求項1記載のメタンジホスホン酸化合物の製
    造法。
  3. 【請求項3】塩基がアルカリ金属またはアルカリ土類金
    属のヒドリド、アミド、アルキル、アルコキシドからな
    る群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項1または2記載のメタンジホスホン酸化合物の
    製造法。
  4. 【請求項4】反応溶媒として非極性または低極性の非プ
    ロトン性溶媒を用いることを特徴とする請求項1〜3記
    載のメタンジホスホン酸化合物の製造法。
JP29164396A 1996-11-01 1996-11-01 メタンジホスホン酸化合物の製造法 Pending JPH10130284A (ja)

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JP29164396A Pending JPH10130284A (ja) 1996-11-01 1996-11-01 メタンジホスホン酸化合物の製造法

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JP (1) JPH10130284A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6670343B1 (en) * 1999-07-19 2003-12-30 Toray Industries, Inc. Drugs for periodontal disease

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US6670343B1 (en) * 1999-07-19 2003-12-30 Toray Industries, Inc. Drugs for periodontal disease

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