JPH10129230A - 車輌の駆動輪スリップ制御装置 - Google Patents

車輌の駆動輪スリップ制御装置

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JPH10129230A
JPH10129230A JP30746496A JP30746496A JPH10129230A JP H10129230 A JPH10129230 A JP H10129230A JP 30746496 A JP30746496 A JP 30746496A JP 30746496 A JP30746496 A JP 30746496A JP H10129230 A JPH10129230 A JP H10129230A
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wheel
vehicle height
slip
drive
vehicle
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JP30746496A
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Masaaki Tsuboi
正昭 坪井
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌の乗員が異和感を感じる虞れを低減しつ
つ駆動輪のスリップを低減する。 【解決手段】 左右の駆動輪のスリップ率Sl 、Sr を
演算し(ステップ10〜30)、スリップ率が基準値S
c を越えているか否かを判定し(ステップ40、5
0)、スリップ率が基準値Sc を越えているときには駆
動輪の車高を低減し従動輪の車高を増大させる(ステッ
プ90)。また駆動輪の車高が低減所定値以下に低減さ
れ従動輪の車高が増大所定値以上に増大されても駆動輪
のスリップ率が基準値を越えるときには、駆動輪の支持
荷重がその車高が所定値であるときの支持荷重よりも高
くなるよう比較的高い増大率にて駆動輪の車高を増大さ
せ、比較的高い低減率にて従動輪の車高を低減する(ス
テップ50〜160)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車輌の
車輪スリップ制御装置に係り、更に詳細には車高調整を
利用した駆動輪スリップ制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌に於いて車高調整を利用
して車輪のスリップを制御する装置の一つとして、例え
ば特開平5−338424号公報に記載されている如
く、車体と車輪との間に介装されたシリンダに圧力流体
を給排することにより車輌の姿勢制御を行うサスペンシ
ョン装置を具備する車輌に於いて、アンチロックブレー
キ装置又はトラクションコントロール装置の作動時に車
輪のスリップ率が所定値を越えると、サスペンション装
置によってシリンダの圧力を増加させることにより該車
輪の路面反力を増大させるよう構成された車輪スリップ
制御装置が従来より知られている。
【0003】かかる車輪スリップ制御装置によれば、路
面の摩擦係数の急激な低下等により車輪のスリップ率が
所定値を越えると、その車輪の路面反力が増大されるこ
とにより当該車輪と路面との間の摩擦力が増大されるの
で、アンチロックブレーキ装置又はトラクションコント
ロール装置のみにより車輪のスリップが制御される場合
に比して、車輪のスリップを効果的に抑制することがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記公開公報に
記載されている如き従来の車輪スリップ制御装置に於い
ては、車輪の路面反力の増大はシリンダの圧力を増加さ
せることにより行われるので、路面反力を十分に増大さ
せようとすると車高が不意に急激に増大し、そのため車
輌の乗員が異和感を感じるという問題がある。
【0005】本発明は、従来の車輪スリップ制御装置に
於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本
発明の主要な課題は、駆動輪の駆動スリップが高くなっ
たときには車輌重量の支持に関する駆動輪の分担比率を
高くすることにより、車高の急激な変動を防止し、もっ
て車輌の乗員が異和感を感じる虞れを低減することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き主要な課題
は、本発明によれば、駆動輪の駆動スリップを検出する
手段と、前記駆動スリップが基準値を越えるときには前
記駆動輪の車高を低減する車高調整手段と有する車輌の
駆動輪スリップ制御装置(請求項1の構成)、又は駆動
輪の駆動スリップを検出する手段と、前記駆動スリップ
が基準値を越えるときには前記駆動輪の車高を低減する
車高調整手段とを有し、前記車高調整手段は前記駆動輪
の車高が所定値以下に低減されても前記駆動スリップが
基準値を越えるときには、前記駆動輪の支持荷重が前記
駆動輪の車高が前記所定値であるときの支持荷重よりも
高くなるよう前記駆動輪の車高を一時的に増大させるこ
とを特徴とする車輌の駆動輪スリップ制御装置(請求項
2の構成)によって達成される。
【0007】一般に、自動車等の車輌の重心は各輪の接
地点よりも高く、また車高調整に際し車輪は車輌の前後
方向(長手方向)に対し実質的に垂直な方向に車体に対
し相対的に変位せしめられるので、各輪の車高変化によ
り車輌重量の支持に関する各輪の分担比率が変動し、車
高が低減された車輪の支持荷重は各輪の車高が標準車高
である場合に比して増大し、逆に車高が増大された車輪
の支持荷重は各輪の車高が標準車高である場合に比して
減少する。
【0008】請求項1の構成によれば、駆動輪の駆動ス
リップが基準値を越えるときにはその駆動輪の車高が低
減されることによって駆動輪の支持荷重が増大されるの
で、駆動輪と路面との間の摩擦力が増大され、これによ
り駆動輪のスリップが低減される。またこの場合の車高
の低減はゆっくりと行われてよいので、車輌の乗員が異
和感を感じることはない。
【0009】また請求項2の構成によれば、請求項1の
構成の場合と同様駆動輪のスリップが低減され、車輌の
乗員が異和感を感じる虞れが低減さけるだけでなく、駆
動輪の車高が所定値以下に低減されても駆動スリップが
基準値を越えるときには、駆動輪の支持荷重が駆動輪の
車高が所定値であるときの支持荷重よりも高くなるよう
駆動輪の車高が一時的に増大され、その反力により駆動
輪の支持荷重が駆動輪の車高が所定値であるときの支持
荷重よりも高くされるので、請求項1の構成の場合に比
して一層確実に駆動輪のスリップが低減される。
【0010】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、車高調
整手段は駆動スリップが基準値を越えるときには駆動輪
の車高を低減すると共に従動輪の車高を増大させるよう
構成される(好ましい態様1)。
【0011】同様に本発明の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、車高調整手段は駆動
スリップが基準値を越えるときには駆動輪の車高を低減
すると共に従動輪の車高を増大させるよう構成される
(好ましい態様2)。
【0012】また本発明の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、車高調整手段は駆動
輪の車高が所定値以下に低減されても駆動スリップが基
準値を越えるときには、駆動輪の支持荷重が駆動輪の車
高が所定値であるときの支持荷重よりも高くなるよう駆
動輪の車高を一時的に増大させると共に、従動輪の支持
荷重がその車高が標準車高であるときの支持荷重よりも
高くなるよう従動輪の車高を一時的に低減するよう構成
される(好ましい態様3)。
【0013】同様に本発明の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、車高調整手段
は駆動輪の車高が低減所定値以下に低減され従動輪の車
高が増大所定値以上に増大されても駆動スリップが基準
値を越えるときには、駆動輪の支持荷重が駆動輪の車高
が低減所定値であるときの支持荷重よりも高くなるよう
駆動輪の車高を一時的に増大させると共に、従動輪の支
持荷重がその車高が増大所定値であるときの支持荷重よ
りも高くなるよう従動輪の車高を一時的に低減するよう
構成される(好ましい態様4)。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0015】図1は後輪駆動車に適用された本発明によ
る駆動輪スリップ制御装置の一つの実施形態を示す概略
構成図である。
【0016】図1に於いて、10fl及び10frはそれぞ
れ従動輪である左前輪及び右前輪を示し、10rl及び1
0rrはそれぞれ駆動輪である左後輪及び右後輪を示して
いる。これらの車輪に対応する位置にはそれぞれ流体圧
アクチュエータとしてのショックアブソーバ12fl、1
2fr、12rl、12rrが設けられている。ショックアブ
ソーバ12fl〜12rrは上端にて車体14に枢支され、
下端にてサスペンションアーム16fl〜16rrに枢着さ
れている。
【0017】ショックアブソーバ12fl〜12rrの内圧
はそれぞれ給排導管18fl〜18rrを介して油圧制御装
置20により制御されるようになっており、油圧制御装
置20は途中に油圧ポンプ22を有し図には示されてい
ないアキュムレータが接続された供給導管24及び排出
導管26によりリザーバ28に接続されている。油圧制
御装置20は各車輪に対応する圧力制御弁又は流量制御
弁の如き制御弁を含む周知の構成のものであってよい。
各制御弁は対応する給排導管18と供給導管24又は排
出導管26とを選択的に接続して各ショックアブソーバ
に対しオイルを給排することにより各ショックアブソー
バの内圧を増減し、これにより各輪の車高Hi (i=f
l、fr、rl、rr)を最高車高Himaxと最低車高Himinと
の間の値に制御するようになっている。
【0018】油圧制御装置20は電気式制御装置30に
より制御されるようになっており、電気式制御装置30
は実際には例えばCPU、ROM、RAM、入出力装置
を含む一つの周知の構成のマイクロコンピュータ及び駆
動回路にて構成されていてよい。電気式制御装置30の
入出力装置には各輪に対応して設けられた車輪速度セン
サ32i よりそれぞれ図には示されていないA/D変換
器を介して各輪の車輪速度Vwiを示す信号が入力され,
また車高センサ34i よりそれぞれ図には示されていな
いA/D変換器及びローパスフィルタを介して各輪の車
高Hi を示す信号が入力されるようになっている。
【0019】かくしてショックアブソーバ12fl〜12
rr、油圧制御装置20、油圧ポンプ22、電気式制御装
置20等は互いに共働して左右前輪及び左右後輪の車高
を個別に増減する車高調整手段を構成している。
【0020】次に図2に示されたゼネラルフローチャー
トを参照して図示の実施形態に於ける駆動輪スリップ制
御のメインルーチンについて説明する。
【0021】まずステップ10に於いては車輪速度Vwi
を示す信号の読み込みが行われ、ステップ20に於いて
は下記の数1に従って左右前輪の平均車輪速度Vwaf が
演算される。
【数1】Vwaf =(Vwfr +Vwfl )/2
【0022】ステップ30に於いては下記の数2及び数
3に従ってそれぞれ左後輪及び右後輪の駆動スリップ率
Sl 及びSr が演算され、ステップ40に於いては下記
の数4に従って制御用スリップ率Sが演算される。尚数
4はSl 、Sr 、0のうち最も大きい値を選択すること
を意味する。
【0023】
【数2】Sl =(Vwrl −Vwaf )/Vwaf
【数3】Sr =(Vwrr −Vwaf )/Vwaf
【数4】S=MAX(Sl ,Sr ,0)
【0024】ステップ50に於いては制御用スリップ率
Sが基準値Sc (正の定数)を越えているか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ60に
於いてカウンタのカウント値jが0にリセットされると
共に、油圧制御装置20が制御されることにより、Hoi
(正の定数)を各輪の標準車高として各輪の車高が標準
車高域Hoi−α〜Hoi+α(αは定数)の車高になるよ
う車高フィードバック制御が行われ、肯定判別が行われ
たときにはステップ70に於いてカウント値jが1イン
クリメントされる。
【0025】ステップ80に於いてはカウント値jが基
準値Nj (正の一定の整数)であるか否かの判別、即ち
ステップ50に於ける肯定判別がNj 回連続して行われ
たか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには
ステップ90に於いて図3に示されたフローチャートに
従ってA制御、即ち左右前輪の車高をゆっくりと増大さ
せると共に左右後輪の車高をゆっくりと低減する制御が
行われ、肯定判別が行われたときにはステップ100に
於いてカウント値jが0にリセットされる。
【0026】ステップ110に於いては左右後輪の駆動
スリップ率Sl 及びSr の偏差の絶対値が基準値So
(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、否定判
別が行われたときにはステップ120に於いて図4に示
されたフローチャートに従ってB制御、即ち左右後輪の
ショックアブソーバ12rl及び12rr内の圧力が可能な
最大の増圧率にて増圧されると共に、左右前輪のショッ
クアブソーバ12fl及び12fr内の圧力が可能な最大の
減圧率にて減圧され、肯定判別が行われたときにはステ
ップ130へ進む。
【0027】ステップ130に於いては、左後輪の駆動
スリップ率Sl が右後輪の駆動スリップ率Sr を越えて
いるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときに
はステップ140に於いて図5に示されたフローチャー
トに従ってC制御、即ち右後輪のショックアブソーバ1
2rr内の圧力が可能な最大の増圧率にて増圧され、左前
輪のショックアブソーバ12fl内の圧力が可能な最大の
減圧率にて減圧され、左後輪及び右前輪の車高が標準車
高域に調整される制御が行われ、肯定判別が行われたと
きにはステップ160に於いて図6に示されたフローチ
ャートに従ってD制御、即ち左後輪のショックアブソー
バ12rl内の圧力が可能な最大の増圧率にて増圧され、
右前輪のショックアブソーバ12fr内の圧力が可能な最
大の減圧率にて減圧され、右後輪及び左前輪の車高が標
準車高域に調整される制御が行われる。尚ステップ9
0、120、140、160が完了した後にはステップ
50へ戻る。
【0028】次に図3乃至図6に示されたフローチャー
トを参照してそれぞれA制御乃至D制御のサブルーチン
について説明する。
【0029】まず図3に示されたA制御のフローチャー
トのステップ91に於いては、油圧制御装置20の左右
前輪の制御弁が小さいデューティ比にて制御されること
により、左右前輪の車高Hfl及びHfrがゆっくりと増大
される前輪車高増大制御が開始され、ステップ92に於
いては油圧制御装置20の左右後輪の制御弁が小さいデ
ューティ比にて制御されることにより、左右後輪の車高
Hrl及びHrrがゆっくりと低減される後輪車高低減制御
が開始される。
【0030】ステップ93に於いては各輪の車高Hi を
示す信号の読み込みが行われ、ステップ94に於いては
それぞれ下記の数5及び数6に従って左右前輪の平均車
高Hf 及び左右後輪の平均車高Hr が演算される。
【0031】
【数5】Hf =(Hfl+Hfr)/2
【数6】Hr =(Hrl+Hrr)/2
【0032】ステップ95に於いては左右前輪の平均車
高Hf が高車高基準値Hfa(前輪の最高車高Hflmax =
Hfrmax よりも小さく且つこれに近い正の定数)以上で
あるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときに
はステップ96に於いて左右前輪の車高増大制御が停止
され、否定判別が行われたときにはステップ97へ進
む。
【0033】ステップ97に於いては左右後輪の平均車
高Hr が低車高基準値Hrb(左右後輪の最低車高Hrlmi
n =Hrrmin よりも大きく且つこれに近い正の定数)以
下であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたと
きにはステップ98に於いて左右後輪の車高低減制御が
停止され、否定判別が行われたときにはステップ93へ
戻る。
【0034】また図4に示されたB制御のフローチャー
トのステップ121に於いては、油圧制御装置20の左
右後輪の制御弁が最大のデューティ比にて制御されるこ
とにより、左右後輪のショックアブソーバ12rl及び1
2rr内の圧力が可能な最大の増圧率にて増圧される増圧
制御が開始され、ステップ122に於いては油圧制御装
置20の左右前輪の制御弁が最大のデューティ比にて制
御されることにより、左右前輪のショックアブソーバ1
2fl及び12fr内の圧力が可能な最大の減圧率にて減圧
される減圧制御が開始される。
【0035】ステップ123に於いては各輪の車高Hi
を示す信号の読み込みが行われ、ステップ124に於い
ては上記数5及び数6に従って左右前輪の平均車高Hf
及び左右後輪の平均車高Hr が演算される。
【0036】ステップ125に於いては左右後輪の平均
車高Hr が高車高基準値Hra(左右後輪の最高車高Hrl
max =Hrrmax よりも小さく且つこれに近い正の定数)
以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われた
ときにはステップ126に於いて左右後輪の増圧制御が
停止され、否定判別が行われたときにはステップ127
へ進む。
【0037】ステップ127に於いては左右前輪の平均
車高Hf が低車高基準値Hfb(左右前輪の最低車高Hfl
min =Hfrmin よりも大きく且つこれに近い正の定数)
以下であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われた
ときにはステップ128に於いて左右前輪の減圧制御が
停止され、否定判別が行われたときにはステップ123
へ戻る。
【0038】更に図5に示されたC制御のフローチャー
トのステップ141に於いては、油圧制御装置20の右
後輪の制御弁が最大のデューティ比にて制御されること
により、右後輪のショックアブソーバ12rr内の圧力が
可能な最大の増圧率にて増圧される増圧制御が開始さ
れ、ステップ142に於いては油圧制御装置20の左前
輪の制御弁が最大のデューティ比にて制御されることに
より、左前輪のショックアブソーバ12fl内の圧力が可
能な最大の減圧率にて減圧される減圧制御が開始され、
ステップ143に於いては左後輪及び右前輪の車高がそ
れぞれ標準車高域Horl −α〜Horl +α、Hofr −α
〜Hofl +αになるよう車高フィードバック制御が行わ
れる。
【0039】ステップ144に於いては各輪の車高Hi
を示す信号の読み込みが行われ、ステップ145に於い
ては右後輪の車高Hrrが高車高基準値Hrc(左右後輪の
最高車高Hrlmax =Hrrmax よりも小さく且つこれに近
い正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、肯定判
別が行われたときにはステップ146に於いて右後輪の
車高が比較的ゆっくりと低減される車高低減制御が開始
され、否定判別が行われたときにはステップ147へ進
む。
【0040】ステップ147に於いては左前輪の車高H
flが低車高基準値Hfd(左右前輪の最低車高Hflmin =
Hfrmin よりも大きく且つこれに近い正の定数)以下で
あるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときに
はステップ148に於いて左前輪の車高が比較的ゆっく
りと増大される車高増大制御が開始され、否定判別が行
われたときにはステップ144へ戻る。
【0041】ステップ149に於いては各輪の車高Hi
を示す信号の読み込みが行われ、ステップ150に於い
ては右後輪の車高Hrrが基準値としての標準車高Horr
以下であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われた
ときにはステップ151に於いて右後輪の車高低減制御
が停止され、否定判別が行われたときにはステップ15
2へ進む。ステップ152に於いては左前輪の車高Hfl
がその標準車高Hofl以上であるか否かの判別が行わ
れ、肯定判別が行われたときにはステップ153に於い
て左前輪の車高増大制御が停止され、否定判別が行われ
たときにはステップ149へ戻る。
【0042】尚図6に示されている如く、D制御のステ
ップ161〜173は左右が逆である点を除き、それぞ
れ図5に示されたC制御のステップ141〜153と同
様に実行される。
【0043】かくして図示の実施形態に於いて、車輌の
加速が適正に行われ、これにより左右後輪のスリップ率
Sl 及びSr の何れも基準値Sc 以下であるときには、
ステップ50に於いて否定判別が行われ、ステップ60
に於いて各輪の車高が標準車高域に制御される。従って
この場合には左右後輪についても実質的な車高の増減調
整は行われない。
【0044】これに対し車輌の加速が過剰になり、左右
後輪のスリップ率Sl 若しくはSrが基準値Sc を越え
ると、ステップ50に於いて肯定判別が行われステップ
80に於いて否定判別が行われることにより、ステップ
90に於いて上記A制御が実行され、これにより前輪の
車高が漸次増大されると共に後輪の車高が漸次低減され
ることによって車体はゆっくりと後傾姿勢に制御され
る。
【0045】従って図示の実施形態によれば、駆動輪の
駆動スリップが過大になると、駆動輪の支持荷重が増大
されることにより駆動輪と路面との間の摩擦力が増大さ
れるので、駆動輪の駆動スリップを低減し良好なトラク
ションを達成することができ、また車高の増減はゆっく
りと行われるので、車輌の乗員が異和感を覚えることを
防止することができる。
【0046】また図示の実施形態によれば、ステップ9
0のA制御により後輪の平均車高Hr がその低減所定値
であるHra以下に低減され、また前輪の平均車高Hf が
その増大所定値であるHfa以上に増大されても、左右後
輪の何れかのスリップ率が基準値Sc よりも高い状態が
継続するときには、ステップ100〜160により駆動
輪のショックアブソーバ内の圧力が可能な最大の増圧率
にて増圧されると共に、従動輪のショックアブソーバ内
の圧力が可能な最大の減圧率にて減圧され、従ってA制
御の場合に比して駆動輪の支持荷重を高くして駆動輪の
駆動スリップを効果的に低減することができる。
【0047】またこの場合ステップ90が実行されるこ
となくステップ110〜160が実行されるわけではな
いので、換言すればそれぞれステップ120、140、
160のB〜D制御が実行されるときにはそれに先だっ
て必ずA制御が実行され、従って駆動輪の車高はA制御
により低減された状態にて増大されるので、A制御が実
行されることなくB〜D制御が行われる場合に比して、
B〜D制御に於ける駆動輪のショックアブソーバ内の圧
力の増圧率及び従動輪のショックアブソーバ内の圧力の
減圧率を高く設定することができ、これによりA制御が
行われない場合に比して一層確実に駆動輪の駆動スリッ
プを低減することができる。
【0048】特に図示の実施形態によれば、ステップ9
0に於けるA制御に於いては、後輪の車高が漸次低減さ
れると共に前輪の車高が漸次増大されるので、後輪の車
高の低減のみが行われる場合に比して、車輌の乗員の位
置に於ける車高の変化を低減することができ、従ってこ
のことによっても車輌の乗員が異和感を覚える虞れを低
減することができ、また同一の車体後傾姿勢を達成する
に必要な後輪の車高低減量を小さくすることができるこ
とにより、駆動輪の近傍の車体と路面との間の距離が小
さくなり過ぎることを防止することができる。
【0049】また図示の実施形態によればそれぞれステ
ップ120、140、160に於けるB制御、C制御、
D制御に於いては、駆動輪のショックアブソーバ内の圧
力が増圧されると共に従動輪のショックアブソーバ内の
圧力が低減されるので、駆動輪のショックアブソーバ内
の圧力の増圧のみが行われる場合に比して、車輌の乗員
の位置に於ける車高の変化を低減することができ、また
従動輪の転がり抵抗を低減して車輌の加速性能や発進性
能を一層向上させることができる。
【0050】更に図示の実施形態によれば、左右後輪の
駆動スリップ率Sl 、Sr の偏差が大きいときには、ス
テップ110に於いて肯定判別が行われ、ステップ13
0〜160が実行され、これにより駆動スリップ率が高
い側の後輪のショックアブソーバ内の圧力が増圧され、
これに対し対角線上にある従動輪のショックアブソーバ
内の圧力が減圧されるので、ステップ110、130〜
160が行われない場合に比して、一方の駆動輪の駆動
スリップ率が高い状況に於いてもその駆動輪のスリップ
を効果的に低減することができる。
【0051】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0052】例えば上述の実施形態に於いては、左右後
輪の駆動スリップ率Sl 、Sr は左右前輪の平均車輪速
度Vwaf を基準車輪速度として演算されるようになって
いるが、これらの駆動スリップ率は車輌の対地車速を基
準に演算されてもよく、また左後輪及び右後輪の駆動ス
リップ率がそれぞれ左前輪及び右前輪の車輪速度を基準
車輪速度として演算されてもよい。
【0053】また上述の実施形態に於いては、車輌は後
輪駆動車であるが、本発明は前輪駆動車に適用されても
よく、その場合ステップ20及び30に於いて左右前輪
の駆動スリップ率が演算され、またそれぞれステップ9
0、120、140、160のA〜D制御に於ける前輪
及び後輪が相互に入れ換えられる。
【0054】また上述の実施形態に於いては、ステップ
50に於いて否定判別が行われると、それまでステップ
90のA制御が実行されていても、ステップ60に於い
て各輪の車高が標準車高域に制御されるようになってい
るが、一旦ステップ90のA制御が実行されると、ステ
ップ50に於いて否定判別が行われても所定の時間A制
御の車体姿勢が維持されるよう修正されてもよい。
【0055】更に本発明の駆動輪スリップ制御装置は、
図1に於いて仮想線にて示されている如く、駆動輪の駆
動スリップ率が基準値を越えるとエンジン制御装置36
によりエンジン38の出力を駆動スリップ率に応じて低
減するトラクションコントロール装置が組み込まれた車
輌に適用されてもよい。
【0056】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、駆動輪の駆動スリップが
基準値を越えるときには駆動輪の車高が低減されること
により駆動輪の支持荷重が増大されるので、駆動輪と路
面との間の摩擦力を増大させ、これにより駆動輪のスリ
ップを低減しトラクションを増大させることができ、ま
た車高の低減はゆっくりと行われてよいので、車輌の乗
員が異和感を感じることを防止することができる。
【0057】また請求項2の構成によれば、請求項1の
構成の場合と同様駆動輪のスリップを低減し、車輌の乗
員が異和感を感じる虞れを低減することができるだけで
なく、駆動輪の車高が所定値以下に低減されても駆動ス
リップが基準値を越えるときには、駆動輪の支持荷重が
駆動輪の車高が所定値であるときの支持荷重よりも高く
なるよう駆動輪の車高が一時的に増大され、その反力に
より駆動輪の支持荷重が駆動輪の車高が所定値であると
きの支持荷重よりも高くされるので、請求項1の構成の
場合に比して一層確実に駆動輪のスリップを低減するこ
とができ、また駆動輪の車高は低減された状態より増大
されるので、駆動輪の車高が低減されることなく増大さ
れる場合に比して車高の増大率を高くし、これにより駆
動輪の支持荷重の増大量を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】後輪駆動車に適用された本発明による駆動輪ス
リップ制御装置の一つの実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】図1に示された実施形態に於ける駆動輪スリッ
プ制御のメインルーチンを示すゼネラルフローチャート
である。
【図3】図1に示されたステップ90に於けるA制御の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図1に示されたステップ120に於けるB制御
のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図1に示されたステップ140に於けるC制御
のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図1に示されたステップ160に於けるD制御
のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
12fl〜12rr…ショックアブソーバ 20…油圧制御装置 26…電気式制御装置 32i …車輪速度センサ 34i …車高センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪の駆動スリップを検出する手段と、
    前記駆動スリップが基準値を越えるときには前記駆動輪
    の車高を低減する車高調整手段と有する車輌の駆動輪ス
    リップ制御装置。
  2. 【請求項2】駆動輪の駆動スリップを検出する手段と、
    前記駆動スリップが基準値を越えるときには前記駆動輪
    の車高を低減する車高調整手段とを有し、前記車高調整
    手段は前記駆動輪の車高が所定値以下に低減されても前
    記駆動スリップが基準値を越えるときには、前記駆動輪
    の支持荷重が前記駆動輪の車高が前記所定値であるとき
    の支持荷重よりも高くなるよう前記駆動輪の車高を一時
    的に増大させることを特徴とする車輌の駆動輪スリップ
    制御装置。
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