JPH10127247A - 冷凍もめん豆腐の製造方法 - Google Patents

冷凍もめん豆腐の製造方法

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JPH10127247A
JPH10127247A JP8307008A JP30700896A JPH10127247A JP H10127247 A JPH10127247 A JP H10127247A JP 8307008 A JP8307008 A JP 8307008A JP 30700896 A JP30700896 A JP 30700896A JP H10127247 A JPH10127247 A JP H10127247A
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tofu
soymilk
frozen
bean curd
soybean milk
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JP8307008A
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Makoto Nakajima
誠 中島
Kiyohiro Nagai
清宏 長井
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Tajimaya Food Co Ltd
Original Assignee
Tajimaya Food Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 解凍時にドリップの発生がなく、長期に冷凍
保存可能なもめん豆腐を効率良く製造する。 【解決手段】 75℃以上で高温下にある固形分10%
以上の濃厚豆乳に、その温度が下がらないうちにゲル化
剤と低重合度の糖類と豆乳凝固剤を混合して凝固し、
0.2〜2kg/cm2、5〜20分の条件で脱水成形
し、冷却し、急速冷凍して冷凍もめん豆腐を製造する。
濃厚豆乳から凝固物を得て、これを所定の緩やかな条件
で脱水成形するため、脱水に伴う豆腐からの処理剤の流
失を有効に抑制できる。ゲル化剤と低重合度の糖類の併
用により、豆腐の冷凍期間を長期に延ばせる。また、高
温状態の豆乳を冷却することなく即座に凝固するため、
もめん豆腐の生産性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍もめん豆腐の製
造方法に関し、解凍時にドリップを生じず、長期の冷凍
保存が可能なもめん豆腐を効率良く製造できる方法を提
供する。
【0002】
【発明の背景】一般に、もめん豆腐は、豆乳の凝固物を
適度に解砕してから、内側に布を敷いた型箱に移して脱
水成形して製造する。得られたもめん豆腐をそのまま冷
凍すると、解凍時にドリップが多く発生し、いわゆる
「ス」の入ったスポンジ状態になり、もめん豆腐本来のテ
クスチャーが失われて、品質を再現することは困難であ
る。
【0003】
【従来の技術】上記弊害の解消を目的として、例えば、
特開平6−217729号公報には、加工澱粉とオリゴ
糖のような甘味度の低い糖類とを豆乳に含有し、或はさ
らに、ゼラチンのようなタンパク成分とトランスグルタ
ミナーゼを追加混合して冷凍耐性のある豆腐を製造する
こと(以下、従来技術という)が記載されている。しかし
ながら、当該従来技術においては、加工澱粉と所定の糖
類で処理するだけでは、解凍時に離水のない冷凍豆腐を
製造することは容易でなく、また、これらの処理剤に加
えて、ゼラチンとトランスグルタミナーゼという特殊な
酵素との4成分を使用するのは処理が煩雑で、コストも
嵩む。
【0004】本発明者は、上記従来技術とは別個に、特
開平7−231761号公報で、酵素などを必要とせ
ず、ゼラチンなどのゲル化剤を基本処理成分とし、場合
によっては、デンプンを併用して、高温下の豆乳にこれ
らの処理剤と豆乳凝固剤を一挙に添加することにより、
豆乳の高熱を利用して豆乳を豆腐に迅速に凝固させて、
冷凍豆腐を製造する生産性の高い技術(以下、先行技術と
いう)を開示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術は基本的
に冷凍の絹こし豆腐を製造する技術が中心であり、本発
明の対象であるもめん豆腐を製造するためには、既述し
たように、豆乳の凝固物を解砕し、脱水成形処理を施す
必要がある。ところが、この脱水成形を行うと、豆乳に
添加したゲル化剤やデンプンなどの処理剤が、冷却によ
り豆腐組織がゲル化固定される前に、水分とともに凝固
物から多く流失してしまう恐れが大きい。このため、当
該先行技術をもめん豆腐にそのまま適用しただけでは、
冷凍のもめん豆腐を製造することは容易でないのが実情
である。
【0006】本発明は、絹こし豆腐を基本とする冷凍豆
腐の上記先行技術を改良して、長期冷凍保存が可能で、
解凍時に離水がなく、優れたテクスチャーを有する新規
の冷凍もめん豆腐を開発しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、冷凍豆腐を
継続して鋭意研究した結果、豆乳にゼラチンなどのゲル
化剤とオリゴ糖などの重合度の低い糖類を添加するとと
もに、豆乳濃度を濃くし、解砕した豆乳凝固物を所定の
緩やかな条件下で脱水成形することで、処理剤の豆腐か
らの流失を抑制できることを見い出し、本発明を完成し
た。
【0008】即ち、本発明1は、75℃以上で高温下に
ある固形分10%以上の高濃度の豆乳にゲル化剤と低重
合度の糖類と豆乳凝固剤を混合して豆腐に凝固する工程
と、凝固した豆腐を解砕する工程と、解砕した豆腐を
0.2〜2kg/cm2、5〜20分の条件下で脱水成形
する工程と、成形した豆腐を冷却してゲル化する工程
と、冷却した豆腐を急速冷凍する工程とから成ることを
特徴とする冷凍もめん豆腐の製造方法である。
【0009】本発明2は、上記本発明1において、高温
下にある豆乳が、磨砕大豆を熱水抽出した後の未だ冷め
ずに75℃以上の高温状態にある豆乳であることを特徴
とするものである。
【0010】本発明3は、上記本発明1又は2におい
て、ゲル化剤がゼラチン、寒天、天然ガムなどの少なく
とも一つであることを特徴とするものである。
【0011】本発明4は、上記本発明1〜3のいずれか
において、低重合度の糖類がマルトオリゴ糖、キシロオ
リゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリ
ゴ糖、単糖類、デキストリン、デキストリン誘導体など
であることを特徴とするものである。
【0012】本発明5は、上記本発明1〜4のいずれか
において、豆乳に対するゲル化剤の混合率が0.3重量
%〜7重量%であることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】上記豆乳は、磨砕大豆から常法に
より製造する豆乳と、市販の大豆蛋白粉又は豆乳粉末か
ら調製した豆乳の両方を含む。尚、当該豆乳は豆乳単独
を始め、豆乳にゆず、山菜、グリンピース、ほうれんそ
う等の粉末や各種の風味液を混入したものを排除するも
のではない。
【0014】上記高温下にある豆乳は、磨砕大豆を加熱
処理した後の未だ冷めずに高温状態にある豆乳や、大豆
蛋白粉又は豆乳粉末から調製した豆乳を加熱して高温下
にあるものなどをいう。高温とは、一般には75〜95
℃程度、好ましくは85〜95℃をいう。上記磨砕大豆
を熱水抽出して得られる高温の豆乳とは、常法により
磨砕大豆を熱水抽出した豆乳、即ち、磨砕大豆に水を加
えて沸騰させ、大豆滓(いわゆるオカラ)を濾過した後の
豆乳や、磨砕大豆の呉汁から予め大豆滓を分離した後
にこの呉汁を加熱した豆乳などをいう。
【0015】上記豆乳の濃度は、一般的には固形分10
%以上の濃厚なものであり、好ましくは固形分10〜1
8%、より好ましくは固形分12〜14%である。豆乳
濃度が10%より下がると解砕した豆腐の脱水成形時に
ゲル化剤や糖類の処理剤が流失し易くなる。一方、豆乳
濃度を18%より高めることは大豆蛋白粉又は豆乳粉末
から豆乳を調製する場合を除き、通常の大豆の熱水抽出
では容易でない。
【0016】上記ゲル化剤は、冷却するとゲル化凝固性
を有して、豆腐組織をゲル化固定できるものであり、具
体的には下記のものを指し、単独で使用しても併用して
も良い。 (1)ゼラチン、カゼインなどのタンパク類 (2)寒天、カラギーナン、ファーセルラン、アルギンなどの
海藻多糖類 (3)キサンタンガム、タマリンドガム、アラビアガム、
グアーガム、ローカストビーンガムなどの樹液多糖類や
種子多糖類(これらを総称して天然ガムとする)、或は、ペ
クチン質、コンニャクマンナンなどの他の多糖類
【0017】上記ゲル化剤の豆乳に対する混合率は、一
般的には0.3〜7.0重量%程度であるが、好ましくは
0.5〜2.0重量%であり、より好ましくは0.5〜1.
0重量%である。豆乳の混合率が0.3重量%より低い
と、保水能が低下して解凍時にドリップが生じ易くな
り、逆に、7.0重量%より多くなると、豆腐のテクス
チャーが変質したり、豆乳液がかなり増粘して撹拌操作
に支障が出る虞れがあるので、注意を要する。
【0018】上記低重合度の糖類は、単位重合度が2〜
10程度の糖類を中心とするオリゴ糖(従って、二糖類を
含む)、単糖類、デキストリン、或はデキストリン誘導
体などの重合度が比較的低く、基本的に水溶性を有する
糖類を指し、単用しても併用しても差し支えない。上記
オリゴ糖は、マルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、フラク
トオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、トレハロース、ラフィ
ノースなどが好ましい。上記単糖類は、グルコース、キ
シロース、リボース、フルクトース、ガラクトースなど
をいう。上記デキストリン誘導体は、シクロデキストリ
ン、マルトデキストリン、還元デキストリンなどをい
う。
【0019】上記糖類の豆乳に対する混合率は、一般的
には0.3〜10.0重量%程度であるが、好ましくは
0.5〜7.0重量%であり、より好ましくは0.5〜4.
0重量%である。上記糖類の混合率が0.3重量%より
低いと、冷凍保存期間が充分でなく長期冷凍保存の実効
性が低下し易くなり、逆に、10.0重量%より多くな
ると、豆腐のテクスチャーが変質し、特に、食味の点で
甘くなる傾向があるので、注意を要する。
【0020】上記豆乳凝固剤は、塩化カルシウム、塩化
マグネシウムや硫酸カルシウム等の2価金属塩、或はグ
ルコノデルタラクトン、乳酸、リンゴ酸やクエン酸等の
酸類などのように、常法で使用する豆乳凝固用の処理剤
をいう。豆乳への混合率も常法の範囲でよい。
【0021】高温下の豆乳にゲル化剤と糖類と豆乳凝固
剤を混合する場合、三つの処理剤を時間差を設けて混合
しても良いが、同時に混合しても差し支えない。時間差
を設けて混合する場合には、予めゲル化剤と糖類の溶解
液又は分散液を調製し、これを豆乳に混合・撹拌しなが
ら、次いで豆乳凝固剤を混合する。例えば、ゲル化剤が
ゼラチンの場合、ゼラチンの粉末をそのまま豆乳に添加
しても良いが、ゼラチン粉末を溶解した冷水又は温水を
豆乳に加えても良い。上記糖類を添加する場合も、ゲル
化剤と同様で良い。一方、三つの処理剤を同時に混合す
る場合には、予めゲル化剤と糖類と豆乳凝固剤の混合液
を調製して豆乳に加えても良いし、別々の処理液又は処
理粉を豆乳に同時に加えるようにしても良い。
【0022】高温下で得た上記豆乳の凝固物はもめん豆
腐を製造するために一旦解砕されるが、この解砕により
次の脱水成形が容易になる。解砕した豆乳凝固物を脱水
成形する工程は比較的緩やかな条件下で行い、一般的に
は0.2〜2kg/cm2、5〜20分の条件下で行い、
好ましくは0.5〜1.5kg/cm2、5〜8分の条件
下で脱水成形する。この脱水成形はもめん豆腐のテクス
チャーを得るために重要な工程であり、解砕した豆腐を
型箱に投入してエアプレスなどの自動成形機で(或は、重
しなどの手動で)脱水成形するが、プレス圧は初期には
緩めにして次第に許容範囲内で増加して行くのが基本で
ある。プレス時間はプレス圧に応じて適宜変化させるこ
とになる。
【0023】上記冷却工程は、脱水成形したもめん豆腐
を冷却して組織をゲル化固定するための工程であり、1
0℃以下の冷蔵温度域で冷却するのが一般的である。脱
水成形した豆腐の冷蔵温度域への冷却は、冷水浸漬の
外、冷風吹き付け、放冷などでも良い。
【0024】上記豆腐の急速冷凍は、冷風を対流させる
エアブラスト凍結方式や液化窒素噴霧方式を始め、公知
の凍結方式で行う。冷凍時に、豆腐組織はゲル化剤及び
糖類でゲル化固定されるが、一旦冷蔵温度域を経て冷凍
するため、豆腐を充分にゲル化固定できる(即ち、もめん
豆腐の保水性が増す)。即ち、豆腐は、0℃〜10℃の
冷蔵温度域まで冷却した後に冷蔵域を越えて略―18〜
35℃以下の冷凍雰囲気まで急速に冷却される。
【0025】
【作用及び発明の効果】
(1)本発明はゲル化剤と重合度の低い糖類の二種類の処
理剤を併用し、濃厚豆乳から得た凝固物を所定の緩やか
な条件下で脱水成形することを特長とする。豆乳凝固物
は一旦解砕された後に成形されてもめん豆腐になるが、
豆乳濃度が高く、且つ、緩やかな条件下で脱水成形する
ため、脱水成形に伴う処理剤の流失が抑制され、もめん
豆腐の冷凍性能を高く保持できる。即ち、後述の試験例
1に示すように、緩やかな脱水成形に加えて豆乳濃度を
濃厚にすることで、豆乳凝固物内での大豆タンパク成分
の保水能が高まり、処理剤の流失を有効に防止できるも
のと推定できる。
【0026】これに対して、冒述したように、先行技術
での脱水成形では、混入したゲル化剤などの処理剤が冷
却により豆腐組織がゲル化固定される前に、脱水に伴っ
て豆乳凝固物から流失し易い。豆腐内の処理剤濃度が低
下すると、冷凍保存期間が短くなるうえ、冷凍時に豆腐
の中央部が緩慢凍結して膨張し、いわゆる「へそ」が出た
状態になり易い。また、冷凍保存したもめん豆腐を解凍
したときに、多量のドリップが出て、豆腐本来の品質が
損なわれ、冷凍保存性自体が失われる恐れもある。
【0027】一方、上記先行技術において、この流失の
弊害を抑制するために、予め上記処理剤や豆乳凝固剤を
豆乳に過剰に混入することも考えられるが、最終的な豆
腐内の含有率を適正に調整することが困難であるうえ、
製造した豆腐のテクスチャーが固くなり過ぎて食感が損
なわれることが多い。
【0028】(2)ゲル化剤と低重合度の糖類の併用によ
り、冷凍保存可能なもめん豆腐を新規に提供できるう
え、もめん豆腐の冷凍保存期間を略半年、或はそれ以上
の長期に亘り保持できる。因みに、もめん豆腐を冷凍す
ると、豆腐組織はゲル化剤でゲル化固定されて保水性が
高まり、糖類がさらにこの保水性を促進する。このた
め、冷凍変性を抑制するとともに、解凍時のドリップの
発生を円滑に防止できると推定できる。さらに、豆腐組
織の水分活性の低下により、微生物による腐敗等が抑制
されると推定できるので、冷凍保存によりもめん豆腐の
品質を長く保持できる。
【0029】(3)高温状態にある豆乳にそのままゲル化
剤と糖類と豆乳凝固剤を混合し、豆乳の有する高熱を利
用して即座に凝固し、固まった豆腐を脱水、冷却及び冷
凍するだけなので、冒述の従来技術の実施例2(当該公
報の第4頁参照)のように、高温の豆乳を一旦冷却して
ゲル化剤とトランスグルタミナーゼを加え、再び加熱し
て豆乳を凝固するという煩雑な手間が要らず、製造工程
を簡略にして、冷凍もめん豆腐の生産性を良好に高めら
れる。また、上記従来技術とは異なり、トランスグルタ
ミナーゼのような酵素を必要とせず、ゼラチンのような
ゲル化剤と糖類を併用するだけなので、生産コストを低
減でき、安価に冷凍もめん豆腐を製造できる。
【0030】(4)冷凍前のもめん豆腐の両面をバーナー
であぶるなどの加熱処理を施すと、焼き豆腐を製造でき
る。殊に、もめん豆腐は内側に布を敷いた型箱内で脱水
成形するため、豆腐の表面に付く布目の作用で、厚く、
きれいな焼き目が容易に施せる。また、上記冷凍前のも
めん豆腐を油で揚げると(例えば、180℃で2〜5分程
度)、豆腐表面の布目により適正な色合いの厚揚げが円
滑に製造できる。従って、本発明は通常の冷凍もめん豆
腐だけではなく、冷凍焼き豆腐、冷凍厚揚げ、田楽、ガ
ンモドキなどの製造にも適用できる。
【0031】
【実施例】以下、冷凍もめん豆腐の製造実施例を順次述
べるとともに、冷凍保存した場合の試験結果を併記す
る。 《製造実施例1》ゲル化剤にゼラチンを、糖類にオリゴ
糖を夫々使用した実施例を述べる。即ち、常法に従い、
磨砕大豆に水を加えて沸騰させ、煮熟の終わった呉汁を
圧搾濾過して濃度12%の濃厚豆乳を得た。そして、豆
乳が上記煮熟処理に伴って未だ冷めずに85℃程度の高
温に保持されている間に、粉末状のゼラチン50gとオ
リゴ糖50gを豆乳10lに直接混合し、泡立ちに注意
しながら緩やかに略5分間撹拌した。当該オリゴ糖は市
販のオリゴ糖製剤(フジオリゴ;日本食品化工(株)製)を
使用した。この場合、上記ゼラチンは予め略40℃の温
湯に添加してゼラチン液を調製し、液体の状態で高温下
の豆乳に混合しても良く、オリゴ糖の場合も、同様に液
で混合しても差し支えない。
【0032】上記撹拌終了後、80℃強の高温を保持し
ている豆乳に対して、さらに硫酸カルシウム、塩化マグ
ネシウム及びグルコノデルタラクトンを主成分とする豆
乳凝固剤60gを加え、凝固バケット内に移して速やか
に凝固させ、次いで5分〜10分程度熟成させた。但
し、上記豆乳凝固剤は硫酸カルシウムと塩化マグネシウ
ムの2価金属塩の混合製剤を使用しても良く、添加形態
としては、予め温湯に溶解させたものを豆乳に加えても
差し支えない。
【0033】凝固した豆腐を一旦解砕し、砕いた豆腐を
内側に布を張った型箱に投入し、エアプレスで脱水成形
処理した。この脱水成形処理はプレス圧0.2〜1kg
/cm2、プレス時間5〜7分の条件下でプレス圧を漸
次増加させながら行い、離水率を適度に抑えるととも
に、ゲル化剤と糖類などの処理剤が脱水に際して流失す
るのを抑制した。
【0034】得られたもめん豆腐を4〜5cmの矩形で
厚さ3cmの小ブロック状にカットし、略2℃〜3℃の
冷水に接触させて品温が10℃以下、好ましくは8〜5
℃程度になるように30分程度冷却して、豆腐組織をゲ
ル化固定した。次いで、急速凍結機で−35℃以下にま
で急速冷凍した。急速凍結機はエアブラスト凍結方式、
液体窒素吹き付ける方式などその凍結方式は問わない。
【0035】本実施例では、磨砕大豆から得られた豆乳
が煮熟後の高温にあるうちに、その高熱を利用して迅速
にゼラチンとオリゴ糖と豆乳凝固剤を加えて豆腐に凝固
し、脱水成形と冷凍処理を施したので、凝固前に豆乳を
一旦冷却するなどの工程が要らず、製造時間が短縮化さ
れて生産性が向上した。また、豆腐を小ブロックにカッ
トして表面積を増大させた後に冷却したので、速やかに
冷蔵域まで品温を下げられた。尚、急速冷凍前に一旦冷
蔵温度域に保持するため、もめん豆腐の組織を充分にゲ
ル化固定でき、豆腐の保水能力を高めることが期待でき
る。
【0036】《試験例1》上記実施例1で製造したもめ
ん豆腐(以下、試料1という)を−35℃以下で30日間
冷凍保存した後に解凍し、再現したもめん豆腐のテクス
チャーや食味などを調べた。
【0037】また、上記実施例1を基本として、ゼラチ
ンと糖類を添加しないで通常のもめん豆腐を製造し、こ
れを冷凍保存して解凍した場合を比較例1とした。上記
実施例1を基本として、豆乳濃度を固形分12%から5
%に薄くし、この薄い豆乳10lにゼラチン50gと糖
類50gを混合して、実施例1と同様の条件で脱水成形
処理を施したもめん豆腐を比較例2とした。上記実施例
1を基本として、10lの豆乳にゼラチンだけを100
g混合し、糖類を省略して製造したもめん豆腐を比較例
3とした。
【0038】その結果、試料1では、解凍してもスポン
ジ状のスが入らず、ドリップの発生もなかった。また、
もめん豆腐特有のテクスチャーが復元し、適正な固さの
食感と舌触りを有するとともに、優れた食味と風味のも
めん豆腐を再現できた。
【0039】これに対して、比較例1では、いわば連続
気泡状のスが無数に入るとともに、ドリップが大量に出
て、豆腐組織と水分との分離が進み、もめん豆腐として
の体裁をなさなかった。また、冷凍期間中には、「へそ」
の出た状態を通り越してさらに劣化し、全体がスポンジ
状に膨張した。ゼラチンのみを使用した比較例3では、
解凍時にドリップの発生はあまり認められず、豆腐のテ
クスチャー及び食味などもほとんど変化がなかった。ま
た、薄い豆乳を使用した比較例2では、解凍時にドリッ
プの発生があり、弾力性が一部失われて、食味も後退し
ていた。冷凍期間中には若干「へそ」の出た状態が見られ
た。これは、比較例2が薄い豆乳を用いて凝固物を生成
したことにより、豆乳凝固物の緩やかな脱水成形だけで
は、ゼラチンと糖類から成る処理剤の流失を抑制するに
は充分でなかったためと推定できる。処理剤の流失の有
効な抑止には、豆乳凝固物の緩やかな脱水成形に加え
て、豆乳濃度の濃厚化が必要なことが判った。
【0040】《試験例2》そこで、上記試料1、並びに
比較例2〜3のもめん豆腐を―35℃以下で8カ月間冷
凍保存し、1カ月ごとに冷凍品を解凍して、各経過月の
冷凍もめん豆腐の経時変化を調べた。
【0041】その結果、試料1では、8カ月経過時点で
も解凍時にドリップの発生がなく、もめん豆腐本来のテ
クスチャーを再現でき、食味や風味の低下も認められな
かった。従って、本発明の冷凍もめん豆腐は、豆腐ステ
ーキ、或はみそ汁の具材などそのまま料理に使用しても
問題がないし、焼き豆腐、厚揚げの外、熱湯や油ちょう
で揚げ出し豆腐などに加工調理しても差し支えないこと
はいうまでもない。
【0042】薄い豆乳を使用した比較例2では、2カ月
経過時点では解凍時のドリップ量が大幅に増え、豆腐の
テクスチャー及び食味などは、もめん豆腐本来のものと
は大きく変質していた。
【0043】また、ゼラチンのみを単独添加した比較例
3では、6カ月経過時点で若干のドリップの発生が認め
られ、そのテクスチャーも豆腐本来のものとは少し異な
っていた。食味、風味も後退していた。そして、7カ月
目からはドリップの量が増え、テクスチャー、食味など
もさらに後退し、以後の経過に伴い豆腐の商品価値は急
速に低下した。これは、比較例3が処理剤にゼラチンを
単独使用したために、ゼラチンとオリゴ糖を併用した試
料1に比べて豆腐組織の保水能が充分でなかったため
と、成形に際して脱水に伴う処理剤成分の流失を充分に
は抑止できなかったためと推定できる。
【0044】以上のように、上記試料1には充分な冷凍
保存性が備わっており、冷凍もめん豆腐としての実用性
(即ち、市販品としての能力)はきわめて高いことが判っ
たが、実際の流通では、2カ月程度の在庫ができれば充
分なので、比較例3は試料1に準じるものということも
できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 75℃以上で高温下にある固形分10%
    以上の高濃度の豆乳にゲル化剤と低重合度の糖類と豆乳
    凝固剤を混合して豆腐に凝固する工程と、凝固した豆腐
    を解砕する工程と、解砕した豆腐を0.2〜2kg/c
    2、5〜20分の条件下で脱水成形する工程と、成形
    した豆腐を冷却してゲル化する工程と、冷却した豆腐を
    急速冷凍する工程とから成ることを特徴とする冷凍もめ
    ん豆腐の製造方法。
  2. 【請求項2】 高温下にある豆乳が、磨砕大豆を熱水抽
    出した後の未だ冷めずに75℃以上の高温状態にある豆
    乳であることを特徴とする請求項1に記載の冷凍もめん
    豆腐の製造方法。
  3. 【請求項3】 ゲル化剤がゼラチン、寒天、天然ガムな
    どの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の冷凍もめん豆腐の製造方法。
  4. 【請求項4】 低重合度の糖類がマルトオリゴ糖、キシ
    ロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等の
    オリゴ糖、単糖類、デキストリン、デキストリン誘導体
    などであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の冷凍もめん豆腐の製造方法。
  5. 【請求項5】 豆乳に対するゲル化剤の混合率が0.3
    重量%〜7重量%であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の冷凍もめん豆腐の製造方法。
JP8307008A 1996-10-31 1996-10-31 冷凍もめん豆腐の製造方法 Pending JPH10127247A (ja)

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