JPH1099040A - 冷凍できる豆腐及び冷凍豆腐の製造方法 - Google Patents

冷凍できる豆腐及び冷凍豆腐の製造方法

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JPH1099040A
JPH1099040A JP8277062A JP27706296A JPH1099040A JP H1099040 A JPH1099040 A JP H1099040A JP 8277062 A JP8277062 A JP 8277062A JP 27706296 A JP27706296 A JP 27706296A JP H1099040 A JPH1099040 A JP H1099040A
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JP
Japan
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tofu
frozen
soymilk
oligosaccharides
freezing
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JP8277062A
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English (en)
Inventor
Yasumatsu Nakai
康松 中井
Tetsuya Yoshimura
哲也 吉村
Hiroshi Fujiwara
浩 藤原
Masao Takatsuji
征夫 高辻
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Tajimaya Food Co Ltd
Original Assignee
Tajimaya Food Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍できる豆腐及び冷凍豆腐の製造方法を提
供する。 【解決手段】 本発明の冷凍できる豆腐の製造方法は、
ゲル化剤とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類を含有
する生呉希釈液を加熱した後、おからを分離して豆乳を
得、豆乳に豆腐凝固剤を添加して凝固させるからなり、
また本発明の冷凍豆腐は上記の豆腐を冷凍することから
なる。本発明の冷凍できる豆腐の製造方法においては、
ゲル化剤とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類を含有
する生呉希釈液を使用するので、製造作業が容易にな
り、また得られた豆腐が過剰の水を含有しないので豆腐
の耐凍性を向上できるなどの効果を奏する。また、本発
明で得られる冷凍豆腐は、ゲル化剤とデキストリン類及
び/又はオリゴ糖類の作用により、冷凍時の大豆蛋白の
冷凍変性が抑制されるので冷凍保存性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍できる豆腐及び
冷凍豆腐の製造方法に関する。より詳細には冷凍保存性
に優れた冷凍豆腐の製造方法並びにその素材である冷凍
可能な豆腐の製造方法及びその原料となる豆乳の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】豆腐はアミノ酸バランスに優れた大豆蛋
白を含んだ食品であり、食感及び風味が優れていること
から古くから食用に供されている。豆腐は、通常、水洗
いした大豆を水に一晩程度浸漬した後、少量の水を添加
しながら摩砕機にかけてドロドロの摩砕物(生呉と称
す)とし、これに適量の水を加えて生呉希釈液とした後
に加熱して呉とし、呉が熱いうちに濾過しておからを除
去して豆乳を得、この豆乳に豆腐凝固剤を加えて凝固さ
せることにより製造される。豆腐は食品としての優れた
特性を有するが、水分含量が高く日持ちの良くない食品
であり、冷蔵状態で保存しても長期間保存することは困
難である。そこで、豆腐の保存性を改良し、利便性を高
めるため、冷凍豆腐が研究されている。ところが、豆腐
を凍結すると蛋白質が凍結変性し、解凍した時にドリッ
プが多く生じ、また「ス」が入りスポンジ状の高野豆腐
様となる。このような豆腐は豆腐の有するテクスチャー
が失われており、単に豆腐を冷凍しただけでは豆腐本来
の味、食感を再現できる冷凍豆腐を得ることは困難であ
る。
【0003】このような問題から、従来、豆乳にトレハ
ロース、グアガム、ローカストビーンガム、アルギン酸
ソーダ、メチルセルロース、カードラン、タマリンドガ
ム、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、ラク
チトール、パラチニット、フラクトオリゴ糖等を添加す
る方法や豆乳をトランスグルタミナーゼ処理し、ドリッ
プの防止や食感の改良を図ることが提案されている(例
えば、特開平7−31399号公報、特開平7−510
17号公報、特開平7−231761号公報、特開平7
−265030号公報、特開平6−46784号公報、
特開平6−113777号公報、特開平6−15384
0号公報、特開平6−181729号公報、特開平6−
217729号公報、特開平6−217730号公報、
特開平6−245727号公報、特開平6−25379
8号公報、特開平6−26957号公報、特開平5−4
9430号公報、特開平5−18421号公報、特開平
5−316984号公報、特開平5−336916号公
報など参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、一般に
豆腐は冷凍すると、解凍時にドリップが多く発生し、い
わゆる「ス」の入ったスポンジ状になり、豆腐本来のテ
クチャーが失われてしまう。このため、ドリップ防止剤
や冷凍耐性を付与する物質を添加することにより、かか
る問題を解消する方法が多く提案されている。しかし、
従来の方法は豆腐の耐凍性にある程度の効果を奏するす
るが、解凍時の離水が多く、その結果豆腐が収縮した
り、弾力性のない硬い豆腐となることが多く、本来の豆
腐の食感とは異なっている。また、添加剤の種類によっ
ては高温で高粘性や凝固性を示すものもあり、豆乳に添
加剤を加える時期及び温度の調整や添加操作が煩雑にな
るという問題点がある。
【0005】更に、豆乳に添加剤を直接的に加えると、
ダマになったり、添加物が不均一に分散した状態となる
ので、通常、添加剤は水に溶解又は分散させた状態で豆
乳に添加されている。その結果、豆乳が希釈され、得ら
れた豆腐の含水量が多くなる。このような豆腐を冷凍す
ると、解凍時のドリップ量が著しく多くなり、良好なテ
クスチャーを有する豆腐を得ることができない。かかる
問題を解消するためには、生呉に添加する水の量を低減
して高濃度豆乳を調製する必要があるが、水の添加量が
少ないので豆乳の歩留まりが悪くなり、コストが上昇す
る問題がある。本発明者等はこれらの欠点を改良すべく
研究した結果、生呉又はその希釈液にゲル化剤とデキス
トリン類及び/又はオリゴ糖類を添加することにより、
操作の煩雑性及び豆乳の希釈化の問題を回避できるこ
と;また得られた豆腐は耐凍性に優れ、冷凍豆腐の素材
として好適に利用できることを見出した。本発明はかか
る知見に基づいてなされたもので、本発明の目的は、耐
凍性に優れた豆腐を簡便且つ効率的に製造できる方法並
びに当該豆腐を冷凍し冷凍豆腐を製造する方法及び当該
豆腐の製造に利用される豆乳の製造方法を提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の要旨は、 豆腐の製造方法において、ゲル化剤とデキストリン類
及び/又はオリゴ糖類を含有する生呉希釈液を加熱した
後、おからを分離して豆乳を得、豆乳に豆腐凝固剤を添
加して凝固させることを特徴とする冷凍できる豆腐の製
造方法; ゲル化剤が、ゼラチン、寒天、カラギーナン、キサン
タンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、タマリ
ンドガム、タラガム、サイリュウムシードガム及び/又
はペクチンである上記記載の冷凍できる豆腐の製造方
法; オリゴ糖類が、マルトース、イソマルトース、セロビ
オース、トレハロース、ラフィノース、マルトトリオー
ス、イソマルトトリオース及び/又はスタキオースであ
る上記又は記載の冷凍できる豆腐の製造方法; おからを分離して得た豆乳を冷却した後に豆腐凝固剤
を添加し、加熱して凝固させる上記〜の何れかに記
載の冷凍できる豆腐の製造方法; 上記〜の何れかで得られた豆腐を冷凍することを
特徴とする冷凍豆腐の製造方法; ゲル化剤とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類を含
有する生呉希釈液を加熱した後、おからを分離してゲル
化剤とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類を含有する
豆乳を得ることを特徴とする豆乳の製造方法;である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は上記の構成よりなり、本
発明の豆乳の製造方法は、ゲル化剤とデキストリン類及
び/又はオリゴ糖類を含有する生呉希釈液を加熱した
後、おからを分離してゲル化剤とデキストリン類及び/
又はオリゴ糖類を含有する豆乳を得ることからなり;ま
た本発明の冷凍できる豆腐の製造方法は、上記の豆乳に
豆腐凝固剤を添加して凝固させることからなり;更に本
発明の冷凍豆腐の製造方法は、上記で得られた豆腐を冷
凍することからなる。上記の生呉は、常法に準じて、一
晩程度水に浸漬した大豆(丸大豆、半割大豆、圧扁状の
脱脂大豆等)を少量の水を加えながら摩砕(又は粉砕)
することにより得ることができるが、これに限定される
ものではなく、全脂大豆粉、脱皮大豆粉などを水に分散
させた分散液を使用することもできる。
【0008】ゲル化剤としては、例えば、ゲル化性蛋白
質(例えば、ゼラチン、カゼイン等)、増粘性多糖類
(例えば、寒天、カラギーナン、キサンタンガム、ロー
カストビーンガム、グァーガム、アルギン酸、ジェラン
ガム、タマリンドガム、ペクチン、タラガム、サイリュ
ウムシードガム、コンニャク等)などが例示され、効果
の点からゼラチン、カラギーナン、キサンタンガム、ロ
ーカストビーンガムが好適に使用される。かかるゲル化
剤は、2種以上を併用してもよい。本発明において、ゲ
ル化剤は冷却するとゲルを形成し得る物質であり、豆腐
を冷凍した際に蛋白の変性を抑制すると共に豆腐に保水
性を付与し豆腐組織の結合を高めることにより効果を発
現すると考えられ、冷凍豆腐を解凍した際の食感の改善
及びドリップや「ス」の発生の防止を図ることができ
る。
【0009】また、デキストリン類とオリゴ糖類も豆腐
の凍結変性防止効果を有する物質であり、上記のゲル化
剤と併用すると豆腐の耐凍性が相乗的に向上する。デキ
ストリン類とオリゴ糖類は、その少なくとも一方が使用
され、両方を使用するのがより好ましい。上記のデキス
トリン類としては、各種分子量のデキストリン、シクロ
デキストリンなどが例示される。なお、デキストリン類
は2種上を併用してもよい。また、オリゴ糖類(オリゴ
糖アルコールも包含する)としては慣用のものを使用す
ることができ、例えば、乳糖、マルトース、イソマルト
ース、セロビオース、トレハロース、ラフィノース、マ
ルトトリオース、イソマルトトリオース、スタキオース
などが例示される。なお、オリゴ糖類は2種上を併用し
てもよい。
【0010】ゲル化剤とデキストリン類及び/又はオリ
ゴ糖類を含有する生呉希釈液の調製方法は特に限定され
ず、例えば、生呉に所定量の希釈水を加えた後にゲル化
剤とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類を添加する方
法;生呉にゲル化剤とデキストリン類及び/又はオリゴ
糖類を添加した後に所定量の希釈水を加える方法;ゲル
化剤とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類を所定量の
希釈水に加え、これを生呉に加える方法等が例示され
る。生呉に対する希釈水の使用量は、所望する豆乳濃度
などに応じて適宜調製できるが、生呉の3〜6重量倍程
度、通常5重量倍程度の水が使用される。
【0011】生呉希釈液におけるゲル化剤、デキストリ
ン類及びオリゴ糖類の濃度は、生呉希釈液中の蛋白濃
度、豆腐の冷凍温度及び速度などにより適宜調整される
が、ゲル化剤、デキストリン類及びオリゴ糖類の合計濃
度として0.5から10重量%(以下、特に明示のない
限り、%は重量%を示す)程度、好ましくは1から7
%、より好ましくは2から5%に調整される。これらの
添加物の濃度が0.5%未満であると得られた豆腐に耐
凍性を付与することが困難であり、また10%を超える
と豆腐の食感が損なわれることがあるので好ましくな
い。
【0012】かくして調製されたゲル化剤とデキストリ
ン類及び/又はオリゴ糖類を含有する生呉希釈液は、次
いで常法に準じて、釜で煮たり、加熱蒸気の吹き込みな
どの方法で、通常5〜40分間程度加熱されて呉が調製
される。この加熱処理により、ゲル化剤とデキストリン
類及び/又はオリゴ糖類は呉に溶解するので、ゲル化剤
とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類が均一に溶解し
た呉を得ることができる。従って、本発明の方法におい
ては、ダマが生じたり、添加剤が不均一に分布すること
を防止でき、添加剤の添加作業が容易になる利点を有す
る。生成した呉は熱いうちに綿布などの慣用の濾材を用
いて濾過し、おから分を除去することにより、ゲル化剤
とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類を含む豆乳が得
られる。なお、当該豆乳中の蛋白含量は豆腐の用途に応
じて適宜調整されるが、通常1〜15%程度に調整され
る。
【0013】ついで、得られた豆乳に豆腐凝固剤を添加
して凝固させることにより豆腐が調製される。ここで使
用される豆腐凝固剤としては慣用の豆腐凝固剤を用いる
ことができ、例えば、グルコノデルタラクトン(以下、
GDLという)、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、
硫酸カルシウム、ニガリなどが例示される。豆乳に対す
る豆腐凝固剤の添加量は、豆乳中の蛋白含量などに応じ
て適宜調整されるが、0.1〜1%、好ましくは0.2
〜0.7%、より好ましくは0.3〜0.5%程度に調
整される。
【0014】豆乳への豆腐凝固剤の添加方法及び豆腐の
形成方法としては、呉を濾過して得られた熱い豆乳に豆
腐凝固剤を添加して凝固させて豆腐を得る方法;豆乳を
一旦冷却して冷却豆乳とし、そこに豆腐凝固剤を添加
し、ついで加熱して豆乳を凝固させて豆腐を得る方法な
どが例示される。上記の冷却豆乳を使用する方法におい
て、冷却豆乳の温度は、豆乳に豆腐凝固剤を加えても直
ちに凝固反応が進行しない程度に調整され、一般に15
〜50℃程度、好ましくは20〜40℃程度に冷却す
る。また、冷却豆乳に豆腐凝固剤を添加した後の加熱
は、豆腐凝固剤により豆乳の凝固が起る温度以上に加熱
すればよく、70〜90℃程度、一般に80〜85℃程
度に加熱される。加熱時間は、豆乳中の蛋白濃度、豆腐
凝固剤使用量、加熱温度などに応じて適宜調整される
が、10〜60分間程度、通常25〜45分間程度で凝
固は終了する。
【0015】なお、上記の加熱に際して、冷却豆乳は脱
気した後に加熱するのが好ましい。脱気処理を行わない
場合には、冷却豆乳中に溶存している気体成分がガス化
し、加熱凝固に際して豆乳中に気泡が生じることがあ
り、ひいては「ス」を有する豆腐が得られるおそれがあ
る。上記の脱気処理は、冷却豆乳への豆腐凝固剤の添加
の前後の何れで行ってもよい。また、必要に応じて、豆
乳には他の成分を添加してもよく、かかる成分として
は、例えば、澱粉類(例えば、コーンスターチ、ワキシ
ースターチ、馬鈴薯澱粉、サツマイモ澱粉、タピオカ澱
粉、小麦澱粉などの天然物由来の澱粉、澱粉を化学的、
物理的又は酵素的に処理して得られた澱粉加工品等)、
大豆蛋白類(例えば、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白
等)、豆類粉末(例えば、えんどう豆粉末、いんげん豆
粉末、きんとき豆粉末、そら豆粉末等)、柚子、レモ
ン、紫蘇、抹茶、ホウレンソウ、モロヘイヤ等の果物や
野菜の粉末、果汁エキス、香料、調味料などが例示され
る。かくして凝固して得られた豆腐は放冷又は冷却槽を
使用した強制冷却により冷却(好ましくは5℃程度)
し、本発明の冷凍できる豆腐が製造される。
【0016】上記で得られた豆腐は耐凍性を有するの
で、冷凍豆腐の素材として好適に利用できる。豆腐の冷
凍工程は豆腐を冷凍し得るものであれば特に限定され
ず、種々の方法で行うことができる。例えば、凝固容器
内で凝固した豆腐を適当な大きさの小塊に切断し、それ
をベルトコンベヤ上に載せ、コンベヤを移動させて冷凍
室内を通過させて冷凍する方法;切断された豆腐小塊を
バットに入れ、冷凍室内で冷凍する方法などが例示され
る。切断した豆腐の形状、大きさは、解凍した冷凍豆腐
の用途などに応じて適宜調整することができ、解凍した
豆腐をそのまま食したり、食品素材として利用する場合
には適当な大きさのサイコロ状又は直方体状に、また解
凍した豆腐を厚揚げや油揚げ素材として利用する場合に
は適当な大きさの片状にカットすればよい。また、豆腐
の製造に際にして、ポリエチレンなどのプラスチック袋
に前記の冷却豆乳と豆腐凝固剤の混合物を充填し、これ
を加熱、冷却して袋豆腐を製造し、この袋豆腐を冷凍室
内で冷凍して冷凍豆腐を得る方法であってもよい。
【0017】豆腐の冷凍温度は豆腐を冷凍できる温度で
あればよく、−20〜−80℃程度、好ましくは−40
℃程度の冷凍室で冷凍する。冷凍時間は、冷凍温度、冷
凍する豆腐の大きさなどに応じて適宜調整することがで
きる。かくして得られた本発明の冷凍豆腐は、解凍して
も「ス」やドリップを生じることなく、豆腐本来の風味
・食感を維持しているという特長を有している。従っ
て、本発明の冷凍豆腐を解凍して得た豆腐は、そのまま
食したり、調理素材として用いることができ、また厚揚
げ、油揚げの生地として利用することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明は実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 常法により水浸漬大豆80kgに少量ずつの水(計80
リットル)を添加しながら摩砕して生呉とし、この生呉
に水70リットルを加えて生呉希釈液を調製した。この
生呉希釈液に、ゼラチンを2kg/100リットル、デ
キストリンを1kg/100リットル、イソマルトース
を1kg/100リットルとなるように添加した後、9
8℃で10分間加熱して呉とし、直ちに綿布で濾過し、
豆乳を得た(蛋白含量約7.5%)。得られた豆乳を約
30℃に冷却して冷却豆乳とした後、冷却豆乳100リ
ットルを凝固容器に入れ、これにGDLを0.3%とな
るように添加し、85℃で40分間加熱して凝固させた
後、5℃の冷却槽で冷却し、本発明の豆腐を得た。
【0019】冷却された豆腐を、一片約2cmのサイコ
ロ状に切断し、それをバットに入れ、−40℃の冷凍室
に移して冷凍し、本発明の冷凍豆腐を得た。なお、対照
品として、ゼラチン2kg、デキストリン1kg及びイ
ソマルトース1kgを水8リットルに加温溶解させた液
を調製し、これを常法により製造した冷却豆乳(蛋白含
量約5%)100リットルに添加し、上記と同様な方法
で豆腐を得、次いで冷凍豆腐を調製した。
【0020】得られた本発明の冷凍豆腐及び対照品の冷
凍豆腐を、−18℃の冷凍庫で1ヵ月保存した後、温湯
にて解凍し豆腐とし、その風味・食感及びドリップ量を
調べた。その結果を表1に示す。表1に示されるよう
に、本発明の冷凍豆腐を解凍して得た豆腐においては
「ス」はほとんど認められず、常法により製造された豆
腐と同様な食感を有していた。また、解凍に際し、ドリ
ップの発生は著しく低下していた。一方、対照品を解凍
して得た豆腐はドリップ量が多く、そのため解凍した豆
腐にはやや変形が認められた。この結果から、対照品の
ように過剰の水を含有する豆腐から製造した冷凍豆腐
は、本発明品に比べ冷凍保存性に劣ることが明らかにな
った。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2 実施例1で得た生呉希釈液にゼラチンを2kg/100
リットル、マルトースを1.5kg/100リットルと
なるように添加した後、98℃で10分間加熱して呉と
し、直ちに綿布で濾過し、豆乳を得た。得られた豆乳を
約15℃に冷却して冷却豆乳とした後、冷却豆乳100
リットルにGDLを0.3%となるように添加し、減圧
脱気した後、85℃で40分間加熱して凝固させ、次い
で5℃の冷却槽で冷却し、本発明の豆腐を得た。冷却さ
れた豆腐を、一片約2cmのサイコロ状に切断し、ベル
トコンベヤにのせ、コンベヤを移動させて−40℃の冷
凍室を通過させて冷凍し、本発明の冷凍豆腐を得た。
【0023】実施例3〜8 実施例1で得た生呉希釈液に表2に示されるゲル化剤、
デキストリン類及びオリゴ糖類を所定濃度となるように
添加すると共に、所望に応じて冷却豆乳に表2に示され
る他の成分を所定濃度となるように添加する以外は実施
例2と同様な方法にて冷凍豆腐を製造した。得られた冷
凍豆腐は何れも冷凍保存性に優れており、また解凍時の
ドリップ量は少なく、更に「ス」もほとんど認められな
かった。
【0024】
【表2】
【0025】実施例9 実施例1と同様にして呉を調製し、直ちに綿布で濾過し
て熱豆乳(約90℃)を得た。得られた熱豆乳100リ
ットルを凝固容器に入れ、これにGDLを0.3%とな
るように添加し、静置して凝固させた後、5℃の冷却槽
で冷却し、本発明の豆腐を得た。冷却された豆腐を、一
片約2cmのサイコロ状に切断し、それをバットに入
れ、−40℃の冷凍室に移して冷凍し、本発明の冷凍豆
腐を得た。
【0026】
【発明の効果】本発明の冷凍できる豆腐の製造方法によ
れば、ゲル化剤とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類
を含有する生呉希釈液を加熱しており、当該添加剤を均
一に溶解させることができるので、添加剤の添加操作が
容易である。また、豆乳が希釈されることがないので得
られた豆腐が過剰な水分を含有することない。更に、高
濃度豆乳を必要としないので、豆乳の歩留まりを低下さ
せることがない。そして得られる豆腐は、豆腐に耐凍性
を付与する作用を有するゲル化剤とデキストリン類及び
/又はオリゴ糖類を含有するので極めて良好な耐凍性を
有する。本発明の冷凍豆腐の製造方法は、上記の豆腐を
冷凍としたもので、ゲル化剤とデキストリン類及び/又
はオリゴ糖類により冷凍時の大豆蛋白の冷凍変性が抑制
されるので冷凍保存性に優れ、また解凍してもドリップ
の発生や「ス」の生成が少ないので、豆腐本来の食感及
び風味を有する解凍豆腐を得ることができる。従って、
本発明によれば、良好な食感及び風味を維持したまま、
長期間保存できる冷凍豆腐を得ることが可能となり、豆
腐の流通及び管理コストの著しい低減を図ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高辻 征夫 兵庫県伊丹市池尻7丁目139番地 但馬屋 食品株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豆腐の製造方法において、ゲル化
    剤とデキストリン類及び/又はオリゴ糖類を含有する生
    呉希釈液を加熱した後、おからを分離して豆乳を得、豆
    乳に豆腐凝固剤を添加して凝固させることを特徴とする
    冷凍できる豆腐の製造方法。
  2. 【請求項2】 ゲル化剤が、ゼラチン、寒天、カ
    ラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、
    グァーガム、タマリンドガム、タラガム、サイリュウム
    シードガム及び/又はペクチンである請求項1記載の冷
    凍できる豆腐の製造方法。
  3. 【請求項3】 オリゴ糖類が、マルトース、イソ
    マルトース、セロビオース、トレハロース、ラフィノー
    ス、マルトトリオース、イソマルトトリオース及び/又
    はスタキオースである請求項1又は2記載の冷凍できる
    豆腐の製造方法。
  4. 【請求項4】 おからを分離して得た豆乳を冷却
    した後に豆腐凝固剤を添加し、加熱して凝固させる請求
    項1〜3の何れかに記載の冷凍できる豆腐の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかで得られた
    豆腐を冷凍することを特徴とする冷凍豆腐の製造方法。
  6. 【請求項6】 ゲル化剤とデキストリン類及び/
    又はオリゴ糖類を含有する生呉希釈液を加熱した後、お
    からを分離してゲル化剤とデキストリン類及び/又はオ
    リゴ糖類を含有する豆乳を得ることを特徴とする豆乳の
    製造方法。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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