JPH10126993A - 工作機用モータの巻線切替装置 - Google Patents
工作機用モータの巻線切替装置Info
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- JPH10126993A JPH10126993A JP8278467A JP27846796A JPH10126993A JP H10126993 A JPH10126993 A JP H10126993A JP 8278467 A JP8278467 A JP 8278467A JP 27846796 A JP27846796 A JP 27846796A JP H10126993 A JPH10126993 A JP H10126993A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 永久磁石同期電動機のリード線数を減らした
巻線構成で広範囲の定出力制御ができる工作機用モータ
の巻線切替装置を提供する。 【解決手段】 工作機用モータの固定子巻線の各相を複
数の巻線で構成し、高速回転時と低速回転時で巻線をコ
ンタクタにより切り替える工作機用モータの巻線切替装
置において、固定子巻線の各相の巻線を巻回数の多い第
１の巻線ｗaと巻回数の少ない第２の巻線ｗbとで構成
し、各相の第２の巻線ｗb同志は巻終わりを結線してス
ター結線し、各相の第１の巻線ｗaの巻始めをそれぞれ
各相の電源に接続し、各相の第２の巻線ｗbの巻始めと
第１の巻線ｗaの巻終わり各相の電源との間に、第１の
巻線ｗaと第２の巻線ｗbを直列接続にするか、第１の巻
線ｗaを各相の電源にスター接続するか、または各相の
電源に第２の巻線ｗbをスター接続するかの選択的切替
を行うコンタクタＣ1，Ｃ2を設置した工作機用モータの
巻線切替装置。
巻線構成で広範囲の定出力制御ができる工作機用モータ
の巻線切替装置を提供する。 【解決手段】 工作機用モータの固定子巻線の各相を複
数の巻線で構成し、高速回転時と低速回転時で巻線をコ
ンタクタにより切り替える工作機用モータの巻線切替装
置において、固定子巻線の各相の巻線を巻回数の多い第
１の巻線ｗaと巻回数の少ない第２の巻線ｗbとで構成
し、各相の第２の巻線ｗb同志は巻終わりを結線してス
ター結線し、各相の第１の巻線ｗaの巻始めをそれぞれ
各相の電源に接続し、各相の第２の巻線ｗbの巻始めと
第１の巻線ｗaの巻終わり各相の電源との間に、第１の
巻線ｗaと第２の巻線ｗbを直列接続にするか、第１の巻
線ｗaを各相の電源にスター接続するか、または各相の
電源に第２の巻線ｗbをスター接続するかの選択的切替
を行うコンタクタＣ1，Ｃ2を設置した工作機用モータの
巻線切替装置。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機の主軸を駆
動する工作機用モータの巻線切替装置に関するものであ
る。
動する工作機用モータの巻線切替装置に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】工作機の主軸を駆動する工作機用モータ
においては、近年、変速機構をなくして直接主軸をドラ
イブするものが各種提案されているが、このようなモー
タ制御装置には高速から低速までの広域の速度範囲にわ
たって、出力一定制御が要求される。特に、主軸に割り
出し（インデックス）機能を持たせた場合、低速時の大
トルク、高精度のサーボ性能も必要となる。これを実現
するために、交流モータを工作機用モータとして使用し
たドライブ装置においては、低速時と高速時で異なる二
つの出力特性を得る巻線切替制御が行われている。
においては、近年、変速機構をなくして直接主軸をドラ
イブするものが各種提案されているが、このようなモー
タ制御装置には高速から低速までの広域の速度範囲にわ
たって、出力一定制御が要求される。特に、主軸に割り
出し（インデックス）機能を持たせた場合、低速時の大
トルク、高精度のサーボ性能も必要となる。これを実現
するために、交流モータを工作機用モータとして使用し
たドライブ装置においては、低速時と高速時で異なる二
つの出力特性を得る巻線切替制御が行われている。
【０００３】特開平４−１０５５８７号公報には、図４
に示すような巻線切替方法の例が記載されている。図４
の例は、三相電源Ｒ，Ｓ，Ｔを印加すべきＵ，Ｖ，Ｗ相
の各固定子巻線をそれぞれ直列の２つの巻線Ｃ1U，
Ｃ2U、Ｃ1V，Ｃ2V、Ｃ1W，Ｃ2Wとし、これらを多相コン
タクタＭ1U，Ｍ1V，Ｍ1W及びＭ2U，Ｍ2V，Ｍ2Wの群をい
ずれかオン・オフすることにより、低速時に２つの巻線
を直列に接続し鎖交磁束数を増やして大トルクを出せる
ようにし、高速時には、コンタクタの接続を変えて１つ
の巻線にして鎖交磁束を減らし高速回転ができるように
制御するものである。また、特開平４−２４４７７１号
公報には、図５に示すような例が開示されている。これ
は同期電動機の巻線切替による工作機主軸駆動方式の例
であり、三相の各相を直列の３巻線にして、低速時には
固定子巻線の巻回数を多くし、高速時には固定子巻線の
巻回数を少なくするように３巻線のタップ切り替えをす
るものである。
に示すような巻線切替方法の例が記載されている。図４
の例は、三相電源Ｒ，Ｓ，Ｔを印加すべきＵ，Ｖ，Ｗ相
の各固定子巻線をそれぞれ直列の２つの巻線Ｃ1U，
Ｃ2U、Ｃ1V，Ｃ2V、Ｃ1W，Ｃ2Wとし、これらを多相コン
タクタＭ1U，Ｍ1V，Ｍ1W及びＭ2U，Ｍ2V，Ｍ2Wの群をい
ずれかオン・オフすることにより、低速時に２つの巻線
を直列に接続し鎖交磁束数を増やして大トルクを出せる
ようにし、高速時には、コンタクタの接続を変えて１つ
の巻線にして鎖交磁束を減らし高速回転ができるように
制御するものである。また、特開平４−２４４７７１号
公報には、図５に示すような例が開示されている。これ
は同期電動機の巻線切替による工作機主軸駆動方式の例
であり、三相の各相を直列の３巻線にして、低速時には
固定子巻線の巻回数を多くし、高速時には固定子巻線の
巻回数を少なくするように３巻線のタップ切り替えをす
るものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
特開平４−１０５５８７号公報に示すコンタクタの挿入
方法では、リード線が１２本必要となり、接続作業も複
雑であり、また電機子巻線のリード線処理時、結線側の
コイルエンド部が大きくなり、モータの軸方向寸法が長
くなるという問題があった。また前記の特開平４−２４
４７７１号公報に示す例の場合は、３コイルの直列接続
のタップ出しの例については、特開平４−１０５５８７
号公報に示す例の場合に比べて、リード線数が９本と少
なくて済むが、３つの巻線を切替制御するには、コンタ
クタ接点数が必要となり、また電機子巻線の巻線作業も
複雑になるという問題があった。また、特開平４−２４
４７７１号公報記載の従来例では、最高回転速度時、何
かのトラブルで無制御状態になったとき、本従来例はタ
ップ出し構成であるため、各端子には、磁石の磁束によ
り大電圧が誘起し、巻線絶縁の信頼性、また安全性に問
題があった。このため、上記従来例では主軸モータの必
須機能である（１）割り出し機能、（２）低速重切削機
能、（３）高速仕上げ機能の３モード切替えを行うの
に、リード線数が多くなるか、コンタクタの接点数が増
え、制御アルゴリズムが複雑になり、さらに絶縁の信頼
性、安全性に欠けるという問題があった。そこで本発明
が解決すべき課題は、永久磁石同期電動機のリード線数
を減らした巻線構成で広範囲の定出力制御ができる工作
機用モータの巻線切替装置を提供することにある。
特開平４−１０５５８７号公報に示すコンタクタの挿入
方法では、リード線が１２本必要となり、接続作業も複
雑であり、また電機子巻線のリード線処理時、結線側の
コイルエンド部が大きくなり、モータの軸方向寸法が長
くなるという問題があった。また前記の特開平４−２４
４７７１号公報に示す例の場合は、３コイルの直列接続
のタップ出しの例については、特開平４−１０５５８７
号公報に示す例の場合に比べて、リード線数が９本と少
なくて済むが、３つの巻線を切替制御するには、コンタ
クタ接点数が必要となり、また電機子巻線の巻線作業も
複雑になるという問題があった。また、特開平４−２４
４７７１号公報記載の従来例では、最高回転速度時、何
かのトラブルで無制御状態になったとき、本従来例はタ
ップ出し構成であるため、各端子には、磁石の磁束によ
り大電圧が誘起し、巻線絶縁の信頼性、また安全性に問
題があった。このため、上記従来例では主軸モータの必
須機能である（１）割り出し機能、（２）低速重切削機
能、（３）高速仕上げ機能の３モード切替えを行うの
に、リード線数が多くなるか、コンタクタの接点数が増
え、制御アルゴリズムが複雑になり、さらに絶縁の信頼
性、安全性に欠けるという問題があった。そこで本発明
が解決すべき課題は、永久磁石同期電動機のリード線数
を減らした巻線構成で広範囲の定出力制御ができる工作
機用モータの巻線切替装置を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の工作機用モータの巻線切替装置は、工作機
用モータの固定子巻線の各相を複数の巻線で構成し、高
速回転の主軸制御時は各相の巻線の巻回数が少なくなる
ように、低速回転の主軸割り出し制御時は各相の巻線の
巻回数が多くなるように、前記巻線をコンタクタにより
切り替える工作機用モータの巻線切替装置において、前
記固定子巻線の各相の巻線を巻回数の多い第１の巻線と
巻回数の少ない第２の巻線とで構成し、前記各相の第２
の巻線同志は巻終わりを結線してスター結線し、前記各
相の第１の巻線の巻始めをそれぞれ各相の電源に接続
し、前記各相の第２の巻線の巻始めと第１の巻線の巻終
わりと各相の電源との間に、第１の巻線と第２の巻線を
直列接続にするか、第１の巻線を前記各相の電源にスタ
ー接続するか、または前記各相の電源に第２の巻線をス
ター接続するかの選択的切替を行うコンタクタを設置し
たものである。そして、前記主軸の割り出し、高速仕上
げ、低速重切削の３モードで、割り出し機能は第１の巻
線のみ、高速仕上げ加工は第２の巻線のみ、低速重切削
は第１及び第２の巻線を直列に用いるように切り替え
る。前記工作機用モータの基底回転速度と最高回転速度
との比が１：ｍの場合、前記第１の巻線と第２の巻線の
巻回数の比をおよそ（（√ｍ）−１）：１に設定するこ
とが望ましい。使用する工作機用モータとして、永久磁
石をロータコア内部に内装し、モータのｄ軸方向インダ
クタンスＬdとｑ軸方向インダクタンスＬqの関係がＬd
＜Ｌqとなる突極性を有する永久磁石同期機形モータを
用いることができる。
に、本発明の工作機用モータの巻線切替装置は、工作機
用モータの固定子巻線の各相を複数の巻線で構成し、高
速回転の主軸制御時は各相の巻線の巻回数が少なくなる
ように、低速回転の主軸割り出し制御時は各相の巻線の
巻回数が多くなるように、前記巻線をコンタクタにより
切り替える工作機用モータの巻線切替装置において、前
記固定子巻線の各相の巻線を巻回数の多い第１の巻線と
巻回数の少ない第２の巻線とで構成し、前記各相の第２
の巻線同志は巻終わりを結線してスター結線し、前記各
相の第１の巻線の巻始めをそれぞれ各相の電源に接続
し、前記各相の第２の巻線の巻始めと第１の巻線の巻終
わりと各相の電源との間に、第１の巻線と第２の巻線を
直列接続にするか、第１の巻線を前記各相の電源にスタ
ー接続するか、または前記各相の電源に第２の巻線をス
ター接続するかの選択的切替を行うコンタクタを設置し
たものである。そして、前記主軸の割り出し、高速仕上
げ、低速重切削の３モードで、割り出し機能は第１の巻
線のみ、高速仕上げ加工は第２の巻線のみ、低速重切削
は第１及び第２の巻線を直列に用いるように切り替え
る。前記工作機用モータの基底回転速度と最高回転速度
との比が１：ｍの場合、前記第１の巻線と第２の巻線の
巻回数の比をおよそ（（√ｍ）−１）：１に設定するこ
とが望ましい。使用する工作機用モータとして、永久磁
石をロータコア内部に内装し、モータのｄ軸方向インダ
クタンスＬdとｑ軸方向インダクタンスＬqの関係がＬd
＜Ｌqとなる突極性を有する永久磁石同期機形モータを
用いることができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】図１は本発明の実施の形態を示す
ものである。図において、２分割する１相の巻線を、巻
回数の多いコイルｗaと少ないコイルｗbとに分割し、 １）低速回転領域の場合は ｗa＋ｗb（直列接続） ２）高速回転領域の場合は ｗb ３）主軸割り出し制御の場合は ｗa に電流が流れるように、コンタクタＣ1，Ｃ2を用いて巻
線切替制御を行う。
ものである。図において、２分割する１相の巻線を、巻
回数の多いコイルｗaと少ないコイルｗbとに分割し、 １）低速回転領域の場合は ｗa＋ｗb（直列接続） ２）高速回転領域の場合は ｗb ３）主軸割り出し制御の場合は ｗa に電流が流れるように、コンタクタＣ1，Ｃ2を用いて巻
線切替制御を行う。
【０００７】
【実施例】以下本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。ここで使用するモータは、図３に示すような永久磁
石をロータに有する永久磁石同期機形モータで、かつ永
久磁石４ａをロータコア１内部の磁石挿入穴２に内装
し、モータのｄ軸方向インダクタンスＬd、ｑ軸方向イ
ンダクタンスＬqの関係がＬd＜Ｌqとなる突極性を有し
た内磁形モータ（ＩＰＭＭ）を対象にしている。このＩ
ＰＭＭは、インダクションモータが出せる定出力特性と
ほぼ同等の特性を有し、工作機として嫌われるロータ
（２次側）の損失が無いというメリットがある反面、イ
ンダクタンスが大きく、特に割り出し機能モードの巻線
接続を低速重切削モードと同一（ｗa＋ｗb）にした場
合、インダクタンスが特に大きくなり、割り出し機能モ
ードの制御において、電流ループ、速度ループの周波数
特性を著しく低下させるものである。本発明は、このよ
うなＩＰＭＭを対象として巻線切換を行うものである。
る。ここで使用するモータは、図３に示すような永久磁
石をロータに有する永久磁石同期機形モータで、かつ永
久磁石４ａをロータコア１内部の磁石挿入穴２に内装
し、モータのｄ軸方向インダクタンスＬd、ｑ軸方向イ
ンダクタンスＬqの関係がＬd＜Ｌqとなる突極性を有し
た内磁形モータ（ＩＰＭＭ）を対象にしている。このＩ
ＰＭＭは、インダクションモータが出せる定出力特性と
ほぼ同等の特性を有し、工作機として嫌われるロータ
（２次側）の損失が無いというメリットがある反面、イ
ンダクタンスが大きく、特に割り出し機能モードの巻線
接続を低速重切削モードと同一（ｗa＋ｗb）にした場
合、インダクタンスが特に大きくなり、割り出し機能モ
ードの制御において、電流ループ、速度ループの周波数
特性を著しく低下させるものである。本発明は、このよ
うなＩＰＭＭを対象として巻線切換を行うものである。
【０００８】図１に、本発明における巻線とコンタクタ
の接続の関係を示す。使用する３相電動機の交流電機子
巻線の各相を巻回数の多い第１の巻線ｗaと巻回数の少
ない第２の巻線ｗbに分割し、第１の巻線ｗaと第２の巻
線ｗbの巻回数を、ｎ1：ｎ2（ｎ1≧ｎ2）の比率とす
る。第１の巻線ｗaの巻始め、巻終わりは双方ともリー
ドとして出し、その端子は［Ｕ1，Ｘ1］［Ｖ1，Ｙ1］
［Ｗ1，Ｚ1］とし、第２のコイルｗbは、巻終わりを３
相スター結線し、巻始めはリード出しとし、その端子は
Ｘ2，Ｙ2，Ｚ2とする。これによりモータからは、計９
本のリードが出されることになる。そして、リード端Ｕ
1−Ｕ2間、Ｘ1−Ｕ2間はそれぞれにコンタクタＣ1のａ
接点，Ｃ1のｂ接点を入れ、他の２相も同様に接続す
る。さらに、それぞれの相の第２巻線ｗbの巻始めとリ
ード端子間にコンタクタＣ2のａ接点を入れ、Ｕ2−Ｖ2
間、Ｗ2−Ｕ2間にそれぞれコンタクタＣ2のｂ接点を入
れた巻線切替方式をとる。主軸の特性を図２に示すよう
な定出力特性とし、０から巻線切替速度Ｎcontまでを低
速、巻線切替速度Ｎcontから最高回転速度Ｎtopまでを
高速と称し、さらには前記主軸割り出し制御と、これら
の３つの切替モードのシーケンスを表１のように行う。
の接続の関係を示す。使用する３相電動機の交流電機子
巻線の各相を巻回数の多い第１の巻線ｗaと巻回数の少
ない第２の巻線ｗbに分割し、第１の巻線ｗaと第２の巻
線ｗbの巻回数を、ｎ1：ｎ2（ｎ1≧ｎ2）の比率とす
る。第１の巻線ｗaの巻始め、巻終わりは双方ともリー
ドとして出し、その端子は［Ｕ1，Ｘ1］［Ｖ1，Ｙ1］
［Ｗ1，Ｚ1］とし、第２のコイルｗbは、巻終わりを３
相スター結線し、巻始めはリード出しとし、その端子は
Ｘ2，Ｙ2，Ｚ2とする。これによりモータからは、計９
本のリードが出されることになる。そして、リード端Ｕ
1−Ｕ2間、Ｘ1−Ｕ2間はそれぞれにコンタクタＣ1のａ
接点，Ｃ1のｂ接点を入れ、他の２相も同様に接続す
る。さらに、それぞれの相の第２巻線ｗbの巻始めとリ
ード端子間にコンタクタＣ2のａ接点を入れ、Ｕ2−Ｖ2
間、Ｗ2−Ｕ2間にそれぞれコンタクタＣ2のｂ接点を入
れた巻線切替方式をとる。主軸の特性を図２に示すよう
な定出力特性とし、０から巻線切替速度Ｎcontまでを低
速、巻線切替速度Ｎcontから最高回転速度Ｎtopまでを
高速と称し、さらには前記主軸割り出し制御と、これら
の３つの切替モードのシーケンスを表１のように行う。
【０００９】
【表１】
【００１０】また、定出力範囲（Ｎbase：Ｎtop）が
１：１２以下の場合は、前記第１の巻線ｗaと第２の巻
線ｗbの比を、ｎ1：ｎ2＝２：１に設計している。これ
について以下に説明する。第１の巻線と第２の巻線の巻
数比、いわゆる定出力比が１：ｍ程度の場合、 低速巻線で、約１：√ｍ 高速巻線で、約１：√ｍ の定出力特性を出すことになる。駆動対象となるＩＰＭ
Ｍは、一般的な誘導電動機とは異なり、回転時、磁石磁
束による誘起電圧が発生する。インバータ駆動時、非常
停電が生じ、モータが無制御状態になった場合モータ端
子には、この誘起電圧が発生することになり、その値
は、下記の各巻線での最高回転速度で最大値となる。基
底回転速度をＮbaseとした場合、 １）低速巻線での最高回転速度：ＮLmax＝（√ｍ）・Ｎ
base ２）高速巻線での最高回転速度：ＮHmax＝ｍ・Ｎbase となり、２００Ｖインバータの場合、その最大許容値
は、２８０Ｖ（ｒ．ｍ．ｓ．）となる。つまり、 １）低速巻線での最高回転速度時の誘起電圧：ＥLmax＝
（√ｍ）・Ｎbase×ＫeL（ＫeL：低速巻線での誘起電圧
定数） ２）高速巻線での最高回転速度時の誘起電圧：ＥHmax＝
ｍ・Ｎbase×ＫeH（ＫeH：高速巻線での誘起電圧定数） である。 ＥLmax＝ＥHmax＝２８０Ｖ（ｒ．ｍ．ｓ） であるので、この条件を満たすには、 （低速巻線巻数ＷL）：（高速巻線巻数ＷH）＝ｍ：１ となり、従って、 （第１の巻線ｗa）：（第２の巻線ｗb）＝（（√ｍ）−
１）：１ というように決める。実際に数値を当てはめると、定出
力比が１：１２（ｍ＝１２）の場合、 （第１の巻線ｗa）：（第２の巻線ｗb）＝２．５：１ となるが、小数点以下を切り捨てて、（第１の巻線
ｗa）：（第２の巻線ｗb）＝２：１とする。小数点以下
を切り捨てるのは、四捨五入したのでは、五入時、低速
巻線接続の時、 ＥLmax＞２８０Ｖ となり、インバータが壊れる恐れがあるからである。一
般的には、（第１の巻線ｗa）：（第２の巻線ｗb）＝
ｎ：１、ただしｎ＜（（√ｍ）−１）とし、低速巻線接
続時の安全のための余裕を持たせる。上記手段により、
ロータに発熱がない特徴を持つ永久磁石同期電動機であ
るＩＰＭＭで、リード線数を少なくし、Ｓ軸動作モード
（低速、高速）では広範囲の定出力制御が行え、かつ主
軸割り出し制御に必要十分条件となる速度ループの応答
周波数特性を上げることができる。
１：１２以下の場合は、前記第１の巻線ｗaと第２の巻
線ｗbの比を、ｎ1：ｎ2＝２：１に設計している。これ
について以下に説明する。第１の巻線と第２の巻線の巻
数比、いわゆる定出力比が１：ｍ程度の場合、 低速巻線で、約１：√ｍ 高速巻線で、約１：√ｍ の定出力特性を出すことになる。駆動対象となるＩＰＭ
Ｍは、一般的な誘導電動機とは異なり、回転時、磁石磁
束による誘起電圧が発生する。インバータ駆動時、非常
停電が生じ、モータが無制御状態になった場合モータ端
子には、この誘起電圧が発生することになり、その値
は、下記の各巻線での最高回転速度で最大値となる。基
底回転速度をＮbaseとした場合、 １）低速巻線での最高回転速度：ＮLmax＝（√ｍ）・Ｎ
base ２）高速巻線での最高回転速度：ＮHmax＝ｍ・Ｎbase となり、２００Ｖインバータの場合、その最大許容値
は、２８０Ｖ（ｒ．ｍ．ｓ．）となる。つまり、 １）低速巻線での最高回転速度時の誘起電圧：ＥLmax＝
（√ｍ）・Ｎbase×ＫeL（ＫeL：低速巻線での誘起電圧
定数） ２）高速巻線での最高回転速度時の誘起電圧：ＥHmax＝
ｍ・Ｎbase×ＫeH（ＫeH：高速巻線での誘起電圧定数） である。 ＥLmax＝ＥHmax＝２８０Ｖ（ｒ．ｍ．ｓ） であるので、この条件を満たすには、 （低速巻線巻数ＷL）：（高速巻線巻数ＷH）＝ｍ：１ となり、従って、 （第１の巻線ｗa）：（第２の巻線ｗb）＝（（√ｍ）−
１）：１ というように決める。実際に数値を当てはめると、定出
力比が１：１２（ｍ＝１２）の場合、 （第１の巻線ｗa）：（第２の巻線ｗb）＝２．５：１ となるが、小数点以下を切り捨てて、（第１の巻線
ｗa）：（第２の巻線ｗb）＝２：１とする。小数点以下
を切り捨てるのは、四捨五入したのでは、五入時、低速
巻線接続の時、 ＥLmax＞２８０Ｖ となり、インバータが壊れる恐れがあるからである。一
般的には、（第１の巻線ｗa）：（第２の巻線ｗb）＝
ｎ：１、ただしｎ＜（（√ｍ）−１）とし、低速巻線接
続時の安全のための余裕を持たせる。上記手段により、
ロータに発熱がない特徴を持つ永久磁石同期電動機であ
るＩＰＭＭで、リード線数を少なくし、Ｓ軸動作モード
（低速、高速）では広範囲の定出力制御が行え、かつ主
軸割り出し制御に必要十分条件となる速度ループの応答
周波数特性を上げることができる。
【００１１】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、永
久磁石同期電動機のリード線数を減らした巻線構成で広
範囲の定出力制御ができ、コイル数も１相当たり２つの
コイルで構成されるので巻線作業性も良好となる。さら
には、絶縁の信頼性、使用上の安全性も確保できる。ま
た、リード線数、コンタクタ接点を少なくして、低速重
切削、高速仕上げ加工、さらには、本発明の最重要課題
であるＩＰＭＭ主軸モータでの主軸割り出し制御の際、
多巻線ｗaのみスター結線されるようにコンタクタを切
替制御することで、同モータでの従来方式の切替制御の
場合に比べてモータのインダクタンスを約１／２以下に
することができ、電流ループの応答周波数特性を２倍以
上に向上でき、速度ループもこれにならい改善できる。
この結果、外乱トルクに対する制御性能が向上し、主軸
割り出し機能を利用した加工の精度を向上させる効果が
ある。
久磁石同期電動機のリード線数を減らした巻線構成で広
範囲の定出力制御ができ、コイル数も１相当たり２つの
コイルで構成されるので巻線作業性も良好となる。さら
には、絶縁の信頼性、使用上の安全性も確保できる。ま
た、リード線数、コンタクタ接点を少なくして、低速重
切削、高速仕上げ加工、さらには、本発明の最重要課題
であるＩＰＭＭ主軸モータでの主軸割り出し制御の際、
多巻線ｗaのみスター結線されるようにコンタクタを切
替制御することで、同モータでの従来方式の切替制御の
場合に比べてモータのインダクタンスを約１／２以下に
することができ、電流ループの応答周波数特性を２倍以
上に向上でき、速度ループもこれにならい改善できる。
この結果、外乱トルクに対する制御性能が向上し、主軸
割り出し機能を利用した加工の精度を向上させる効果が
ある。
【図１】 本発明を示す巻線およびコンタクタ接続図で
ある。
ある。
【図２】 主軸モータの定出力特性図である。
【図３】 内磁形モータのロータの正断面図である。
【図４】 従来の巻線及びコンタクタの接続図である。
【図５】 従来の巻線及びコンタクタの接続図である。
１ ロータコア、２ 磁石挿入穴、４ａ 永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 栄治 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石２番１号 株式会社安川電機内 (72)発明者 沢村 光次郎 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石２番１号 株式会社安川電機内 (72)発明者 熊谷 彰 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石２番１号 株式会社安川電機内
Claims (3)
- 【請求項１】 工作機用モータの固定子巻線の各相を複
数の巻線で構成し、高速回転の主軸制御時は各相の巻線
の巻回数が少なくなるように、低速回転の主軸割り出し
制御時は各相の巻線の巻回数が多くなるように、前記巻
線をコンタクタにより切り替える工作機用モータの巻線
切替装置において、 前記固定子巻線の各相の巻線を巻回数の多い第１の巻線
と巻回数の少ない第２の巻線とで構成し、前記各相の第
２の巻線同志は巻終わりを結線してスター結線し、前記
各相の第１の巻線の巻始めをそれぞれ各相の電源に接続
し、 前記各相の第２の巻線の巻始めと第１の巻線の巻終わり
各相の電源との間に、第１の巻線と第２の巻線を直列接
続にするか、第１の巻線を前記各相の電源にスター接続
するか、または前記各相の電源に第２の巻線をスター接
続するかの選択的切替を行うコンタクタを設置したこと
を特徴とする工作機用モータの巻線切替装置。 - 【請求項２】 前記工作機用モータの基底回転速度と最
高回転速度との比が１：ｍの場合、前記第１の巻線と第
２の巻線の巻回数の比をｎ：１（ただし、ｎ＜（√ｍ）
−１）に設定したことを特徴とする請求項１記載の工作
機用モータの巻線切替装置。 - 【請求項３】 使用する工作機用モータとして、永久磁
石をロータコア内部に内装し、モータのｄ軸方向インダ
クタンスＬdとｑ軸方向インダクタンスＬqの関係がＬd
＜Ｌqとなる突極性を有する永久磁石同期機形モータを
用いたことを特徴とする請求項１または２記載の工作機
用モータの巻線切替装置。
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