JPH10122130A - 斜板式液圧回転機 - Google Patents

斜板式液圧回転機

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Publication number
JPH10122130A
JPH10122130A JP8297526A JP29752696A JPH10122130A JP H10122130 A JPH10122130 A JP H10122130A JP 8297526 A JP8297526 A JP 8297526A JP 29752696 A JP29752696 A JP 29752696A JP H10122130 A JPH10122130 A JP H10122130A
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JP
Japan
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cylinder
piston
swash plate
sliding
end side
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Application number
JP8297526A
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English (en)
Inventor
Shigetaka Nakamura
重孝 中村
Haruo Kokubu
晴雄 国分
Akira Nakayama
中山  晃
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンとシリンダとの摺動面間に生じる摺
動抵抗を低減でき、ピストンの摺動特性を向上できる上
に装置の小型化を図ることができるようにする。 【解決手段】 ピストン8の基端側を円筒部9として形
成し、円筒部9をシリンダ7内に摺動可能に挿嵌する。
また、ピストン8の先端側を円筒部9からテーパ状に縮
径したテーパ部10として形成し、テーパ10とシリン
ダ7との間を非接触の状態の保持する。そして、ピスト
ン8が最大伸長位置まで摺動変位した場合でも、円筒部
9とテーパ部10との境界部11がシリンダ7内に位置
するように円筒部9の軸方向寸法を設定する。また、ピ
ストン8のテーパ部10には境界部11の近傍に位置し
てピストンリング12を取付け、ピストン8がシリンダ
7内を摺動変位する間、このピストンリング12をシリ
ンダ7の摺動面に常時摺接させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板型の液圧ポン
プや液圧モータ等に好適に用いられる斜板式液圧回転機
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、斜板が設けられたケーシング
と、該ケーシング内に回転軸を介して設けられ、前記斜
板と対向して回転するシリンダブロックと、該シリンダ
ブロックの軸方向に穿設された複数のシリンダと、基端
側が該各シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、先端側が該
各シリンダ外に突出する複数のピストンと、該各ピスト
ンの突出端側に揺動可能に設けられ、前記シリンダブロ
ックが回転するときに前記斜板に対して摺動する複数の
シューとからなる斜板式液圧回転機は、例えば実開昭6
2−180677号公報等により知られている。
【0003】そして、この種の従来技術による液圧回転
機を、例えば油圧モータとして用いる場合には、外部か
らの圧油をケーシング側に設けた給排ポート等を介して
各シリンダ内に順次供給する。この結果、各ピストンは
各シリンダ内から順次伸長すると共に、該各ピストンの
先端側に設けたシューが順次斜板に押付けられる。そし
て、このときに各シリンダに作用する該各ピストンを介
した斜板からの反力を利用することにより、シリンダブ
ロックと共に回転軸に回転力を与え、これをモータ出力
として取出すようにしている。
【0004】一方、上記液圧回転機を斜板型の油圧ポン
プとして用いる場合には、回転軸をシリンダブロックと
共に回転源となるエンジンやモータ等によって回転駆動
し、シリンダブロックの各シリンダ内で各ピストンを往
復動させることにより、給排ポートを介して各シリンダ
内に吸込んだ油液を順次圧油として外部に吐出させるよ
うにしている。
【0005】ここで、前記ピストンは、シリンダ内に摺
動可能に挿嵌された摺動部としての円筒部と、該円筒部
側からテーパ状に縮径し該円筒部よりも小径になったテ
ーパ部とから一体に形成されている。そして、ピストン
の円筒部はシリンダの穴径に対応する外径寸法をもって
形成され、シリンダとの摺動面間で該シリンダ内を液密
にシールしている。
【0006】一方、ピストンのテーパ部はシリンダの穴
径よりも小径に形成され、該シリンダに対しては常に非
接触の状態に保持されている。そして、このテーパ部
は、シリンダに常時接触する円筒部の長さ寸法を短縮さ
せることにより、シリンダに対するピストンの接触(摺
動)面積を減少させ、この摺動面間で生じる摺動抵抗を
低減するようにしている。また、シリンダ内の圧油の一
部はピストンとシリンダとの間の摺動面に浸入すること
により、両者の摺動面を潤滑状態に保持し、ピストンの
摺動特性等を向上させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による斜板型液圧回転機では、ピストンにテーパ
部を設けることにより、ピストンのうち円筒部のみをシ
リンダに摺動可能に挿嵌させる構成とし、シリンダに対
するピストンの接触(摺動)面積を前記テーパ部の分だ
け小さくして、シリンダとピストンの円筒部との間で作
用する摺動抵抗を低減させるようにしている。
【0008】しかし、このようにシリンダとピストンの
円筒部との摺動面積を小さくすると、逆に両者の摺動面
におけるシール性が低下してしまい、シリンダ内の圧油
の一部が摺動面を介してシリンダの外部に漏洩し易くな
るという問題がある。
【0009】一方、このような問題点を解決するため
に、ピストンの円筒部を軸方向に長く形成し、該円筒部
とシリンダとの間の摺動面積を大きくする方法が考えれ
るが、この場合には、液圧回転機全体の軸方向寸法が大
きくなってしまい、装置の大型化を招くという問題があ
る。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、ピストンとシリンダとの摺動
面に生じる摺動抵抗を低減できる上に、この摺動面側か
らシリンダ内の油液が外部に漏洩するのを防止でき、全
体をコンパクトに形成して装置の小型化を図ることがで
きるようにした斜板型液圧回転機を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、斜板が設けられたケーシングと、該ケ
ーシング内に回転軸を介して設けられ前記斜板と対向し
て回転するシリンダブロックと、該シリンダブロックの
軸方向に穿設された複数のシリンダと、基端側が該各シ
リンダ内に摺動可能に挿嵌され先端側が該各シリンダ外
に突出する複数のピストンと、該各ピストンの突出端側
に揺動可能に設けられ前記シリンダブロックが回転する
ときに前記斜板に対して摺動する複数のシューとからな
る斜板式液圧回転機に適用される。
【0012】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記ピストンは、前記シリンダ内に挿嵌
され該シリンダ内を摺動変位する摺動部と、該摺動部よ
りも少なくとも小径に形成され先端側に前記シューが設
けられる縮径部とからなり、該縮径部には前記摺動部と
の境界部近傍に位置し、前記シリンダとの間をシールす
る環状のシール部材を設けたことにある。
【0013】上記構成によれば、ピストンのうち摺動部
をシリンダ内に摺動可能に挿嵌させることができると共
に、該摺動部よりも少なくとも小径に形成された縮径部
をシリンダ内に隙間をもって配設することができ、これ
により前記シリンダに対するピストン全体の接触(摺
動)面積を前記縮径部の分だけ小さくでき、シリンダと
ピストンとの間で作用する摺動抵抗を低減することがで
きる。また、ピストンの縮径部には摺動部との境界部近
傍に環状のシール部材を設けているから、このシール部
材によりピストンとシリンダとの間を液密にシールする
ことができる。そして、シリンダ内の油液は少なくとも
一部がシール部材の位置まで達することにより、ピスト
ンの摺動部とシリンダとの間を常に潤滑状態に保持する
ことができる。
【0014】また、請求項2に記載の発明が採用する構
成の特徴は、前記ピストンは、前記シリンダ内に挿嵌さ
れ該シリンダ内を摺動変位する円筒部と、該円筒部から
テーパ状に漸次縮径し先端側に前記シューが設けられる
テーパ部とからなり、該テーパ部には前記円筒部との境
界部近傍に位置して前記シリンダとの間をシールする環
状のシール部材を設け、該シール部材は前記ピストンの
円筒部がシリンダ内を摺動変位する間にシリンダの周面
に常時摺接する構成としたことにある。
【0015】上記構成によれば、前記ピストンのうち前
記シリンダ内に摺動可能に挿嵌された円筒部を該シリン
ダに対し常時摺動変位せることができる。一方、前記円
筒部からテーパ状に漸次縮径したテーパ部をシリンダ内
に隙間をもって配設することができ、これにより前記シ
リンダに対するピストン全体の接触(摺動)面積を請求
項1の発明と同様に前記テーパ部の分だけ小さくでき、
シリンダとピストンとの間で作用する摺動抵抗を低減す
ることができる。
【0016】また、ピストンのテーパ部には円筒部との
境界部近傍に環状のシール部材を設け、ピストンの円筒
部がシリンダ内を摺動変位する間、シール部材をシリン
ダの周面に常時摺接させるようにしたから、このシール
部材によりシリンダ内を液密にシールすることができ
る。そして、シリンダ内の油液は少なくとも一部がシー
ル部材の位置まで達することにより、ピストンの円筒部
とシリンダとの間を請求項1の発明と同様に常に潤滑状
態に保持することができる。
【0017】さらに、請求項3の発明では、前記シール
部材を拡縮可能なピストンリングにより形成している。
これにより、ピストンとシリンダとの間をピストンリン
グでシールでき、シリンダ内の油液が外部に漏洩するの
を防止できる。
【0018】さらにまた、請求項4の発明では、前記シ
ール部材をOリングにより形成している。これにより、
ピストンとシリンダとの間をOリングでシールでき、シ
リンダ内の油液が外部に漏洩するのを防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づき説明する。
【0020】ここで、図1ないし図4は本発明の第1の
実施例による斜板式液圧回転機を斜板式油圧ポンプに適
用した場合を例に挙げて示している。
【0021】図において、1は当該油圧ポンプの外殻を
なすケーシングを示し、該ケーシング1は軸方向一端側
に閉塞部2Aを有する筒状のケーシング本体2と、該ケ
ーシング本体2の開口端側を閉塞するリアケーシング3
とからなっている。そして、該ケーシング1内にはその
軸方向に回転軸4が挿通され、該回転軸4は閉塞部2A
側とリアケーシング3側との間で回転可能に支持されて
いる。
【0022】また、前記リアケーシング3の内側面には
弁板5が固着され、該弁板5には、リアケーシング3に
設けた一対の流出入通路(図示せず)と常時連通し、図
2に示す如く眉形状をなす吸入ポート5Aと吐出ポート
5Bとが穿設されている。
【0023】6はケーシング1内で回転軸4と一体に回
転するシリンダブロックを示し、該シリンダブロック6
はその内周側に回転軸4がスプライン結合され、後述の
斜板16と回転軸4の軸方向で対向するように配設され
る。また、シリンダブロック6には、回転軸4の周囲に
位置して軸方向に複数のシリンダ7,7,…(2個のみ
図示)が穿設されている。そして、該各シリンダ7の一
端側にはそれぞれ各シリンダポート7Aが形成され、他
端側は斜板16に向けて開口した各開口端7Bとなって
いる。
【0024】ここで、シリンダ7はその内周面が後述す
るピストン8の円筒部9に対する摺動面7Cとなってい
る。そして、シリンダブロック6は、各シリンダポート
7A側の端面が弁板5に摺接し、シリンダ7を各シリン
ダポート7Aを介して図2に示す吸入ポート5Aと吐出
ポート5Bとに間欠的に連通させる。
【0025】8,8,…は基端側が各シリンダ7内に摺
動可能に挿嵌され、先端側が各シリンダ外へと突出した
ピストン(2個のみ図示)を示し、該各ピストン8は図
1および図3に示す如く、シリンダ7に対応した外径を
有して一定の長さに形成され、シリンダ7内に摺動可能
に挿嵌された摺動部としての円筒部9と、該円筒部9の
先端側から軸方向に突出形成され、後述のシュー13側
に向けてテーパ状に漸次縮径した縮径部としてのテーパ
部10とから構成され、円筒部9とテーパ部10との間
は円形状の境界部11となっている。
【0026】ここで、前記円筒部9は、その外周面がシ
リンダ7の摺動面7Cに対する摺動面9Aとなり、該摺
動面7C,9A間にはシリンダ7内の圧油の一部が潤滑
油となって補給される。また、円筒部9はシリンダポー
ト7Aと対向した端面が、図3中に示すシリンダ7から
の圧力Pを受圧する受圧面9Bとなっている。
【0027】一方、ピストン8のテーパ部10は、シリ
ンダ7の摺動面7Cに接触することがないように摺動面
7Cとの間に環状の隙間を介してシリンダ7内に配設さ
れている。そして、テーパ部10はシリンダ7に対する
ピストン8の接触(摺動)面積を減少させ、摺動面7
C,9A間で生じる摺動抵抗を低減させるものである。
【0028】また、テーパ部10はシリンダ7から突出
した突出端側が各球状凹部10Aとして形成され、該各
球状凹部10A内には後述する各シュー13の継手部1
3Bが揺動可能に連結されている。そして、該球状凹部
10Aの底側には、円筒部9内からシリンダ7内へと連
通する給油孔10Bが形成されている。さらに、テーパ
部10には、前記境界部11の近傍に位置して周方向に
断面略凹状をなしたリング溝10Cが形成され、該リン
グ溝10C内には後述のピストンリング12が取付けら
れる。
【0029】そして、ピストン8は後述するように、外
部からの圧油が前記流出入通路およびシリンダポート7
A等を介してシリンダ7内に給排されることにより、シ
リンダ7から伸縮し、図1中に示す最大伸長位置(上側
のピストン8の状態)と最縮小位置(下側のピストン8
の状態)との間で円筒部9が各シリンダ7内を摺動変位
(往復動)するものである。
【0030】ここで、図4に示す如くピストン8が最大
伸長位置まで変位した状態では、ピストン8は寸法Lだ
けシリンダ7内に進入するようになる。これに対して円
筒部9はその軸方向寸法L1 が寸法Lよりも一定寸法だ
け短め(L>L1 )に設定されている。この結果、円筒
部9とテーパ部10との境界部11はリング溝10Cと
共に開口端7Bよりもシリンダ7内に常に位置し、これ
らの境界部11およびリング溝10Cが開口端7Bから
外部にはみ出してしまうことはない。
【0031】12はピストン8の境界部11近傍に位置
してテーパ部10側に一体に設けられたシール部材とし
てのピストンリングを示し、該ピストンリング12はば
ね性を有する金属材料または硬質の樹脂材料等により
「C」字形状をなす縮拡径可能なリングとして形成され
ている。そして、ピストンリング12は予め縮径方向に
弾性変形した状態で、図3および図4に示す如く、テー
パ部10のリング溝10C内に装着され、その外周面は
シリンダ7の摺動面7Cに締代をもって摺接している。
【0032】ここで、ピストンリング12は前述したよ
うに、ピストン8が最大伸長状態のときでも、ピストン
8のリング溝10Cと共に開口端7Bよりもシリンダ7
の軸方向内側に配設されるものである。そして、ピスト
ンリング12はピストン8がシリンダ7内を摺動変位す
る間、シリンダ7の摺動面7Cに常時摺接し、シリンダ
7内の圧油が摺動面7C,9A間から外部に漏洩するの
を防止すると共に、該摺動面7C,9A間に常時圧油を
滞留させ、両者間を常時潤滑状態に保持する構成になっ
ている。
【0033】13,13,…は各ピストン8に揺動自在
に設けられたシュー(2個のみ図示)を示し、該各シュ
ー13は図1および図3に示す如く、段付円板状をなし
た台座部13Aと、該台座部13Aの一側に一体形成さ
れた略球形状の継手部13Bとからなっている。そし
て、シュー13は継手部13Bがピストン8の球状凹部
10A内に抜止め状態で嵌合され、ピストン8の先端側
に揺動可能に連結されている。また、シュー13には油
路13Cが軸方向に貫通して形成され、該油路13Cは
ピストン8の給油孔10Bを介してシリンダ7内に連通
している。
【0034】また、シュー13は台座部13Aの表面が
斜板16に対する摺動面13Dとなり、該摺動面13D
の中央には斜板16との間で静圧ポケット14が形成さ
れている。そして、該静圧ポケット14内には前記油路
13Cが開口し、シリンダ7からの圧油が給油孔10B
および油路13C等を介して供給されることにより、こ
の圧油がピストン8を斜板16側に押圧するときの油圧
反力をシュー13に与えると共に、前記摺動面13D側
を潤滑状態に保持するようになっている。
【0035】15はシュー押えとなる環状の押え板で、
該押え板15はシリンダブロック6の回転に伴って各シ
ュー13が斜板16上を摺動するように、各シュー13
の摺動面13D側を斜板16上に向けて押付けるもので
ある。
【0036】16はケーシング1の閉塞部2A側に設け
られた斜板を示し、該斜板16はその表面側に各シュー
13の摺動面13Dが摺接し、前記各シリンダ7内で各
ピストン8をそれぞれシュー13を介して往復動させる
ものである。
【0037】本実施例による斜板式油圧ポンプは上述の
如く構成を有するもので、次にその作動について説明す
る。
【0038】まず、回転軸4をシリンダブロック6と共
に回転源となるエンジンやモータ等によって矢示A方向
に回転駆動させると、この回転軸4の回動に伴って各ピ
ストン8に設けたシュー13が斜板16上を摺動しつ
つ、シリンダブロック6の各シリンダ内7で各ピストン
8が往復動する。
【0039】この結果、シリンダ7は、各シリンダポー
ト7Aを介して吸入ポート5Aと吐出ポート5Bとに間
欠的に連通し、各シリンダポート7Aを介して各シリン
ダ7内に吸込んだ油液を順次圧油として外部に吐出させ
る。
【0040】このように油圧ポンプの作動時には、回転
軸4をシリンダブロック6と共に回転させることによ
り、各シュー13を斜板16に案内させつつ各シリンダ
7内で各ピストン8を往復動させ、吸込行程と吐出行程
とを繰返してポンプ作用を行うものである。
【0041】ここで、図3に示すようにピストン8はシ
リンダ7内の圧油からの圧力Pを受圧面9Bで受圧し、
テーパ部10に設けたシュー13が斜板16に押付けら
れることにより、シュー13には斜板16からの反力N
が前記圧力Pに対して傾斜した方向に作用する。そし
て、ピストン8とシリンダ7との摺動面7C,9A間に
は実質的に微小な隙間が形成されるから、ピストン8は
前記圧力Pと反力Nとの合力によりシリンダ7の軸方向
に対し若干傾斜した状態で配設される。
【0042】この結果、ピストン8の円筒部9は受圧面
9B側の部位および境界部11側の部位がシリンダ7の
摺動面7Cに強く押付けられるようになり、これらの部
位には、それぞれ摺動面7Cからのラジアル反力F1 ,
F2 が大きく作用してしまう。このため、シリンダ7と
円筒部9との摺動面7C,9Aを潤滑状態に保持してピ
ストン8の摺動特性を高める必要がある。
【0043】かくして、本実施例では、ピストン8を円
筒部9とテーパ部10とから一体に形成し、該テーパ部
10をシリンダ7内に隙間を介して配設すると共に、ピ
ストン8のテーパ部10には境界部11の近傍に位置し
てピストンリング12をリング溝10Cを介して取付け
る構成としたから、ピストン8のシリンダ7に対する接
触(摺動)面積を減少させることができ、摺動面7C,
9A間で生じる摺動抵抗を低減できる上に、ピストン8
がシリンダ7内を摺動変位する間、ピストンリング12
をシリンダ7の摺動面7Cに常時摺接させることがで
き、テーパ部10と摺動面7Cとの間の隙間をピストン
リング12により液密状態でシールし続けることができ
る。
【0044】従って本実施例では、シリンダ7とピスト
ン8との摺動面7C,9Aからシリンダ7内の圧油が外
部に漏洩するのをピストンリング12により効果的に防
止でき、シリンダ7からの圧油の吐出量を増やしてポン
プとしての性能を確実に向上させることができる。
【0045】また、シリンダ7内の圧油の一部は少なく
とも境界部11を越えてピストンリング12の位置まで
達するから、前記摺動面7C,9A全体を常時潤滑状態
に保持することができ、摺動面7C,9A間で生じる摺
動抵抗を大幅に低減することができ、これによって摺動
面7C,9Aのうち受圧面9B側の部位および境界部1
1側の部位にそれぞれラジアル反力F1 ,F2 が大きく
作用するような場合でも、このような部位等に焼付け等
が生じるのを確実に防止することができる。そして、ピ
ストン8の摺動特性を良好に維持でき、当該油圧ポンプ
の機械効率等を大幅に向上することができ、装置の信頼
性や耐久性等を確実に高めることができる。
【0046】さらに、ピストンリング12をテーパ部1
0側に設けることにより、前記ラジアル反力F1 ,F2
からの影響がピストンリング12に及ぶのを阻止するこ
とができ、これによってピストンリング12の耐久性を
高めて寿命等を大幅に延ばすことができ、当該油圧ポン
プの信頼性や耐久性等を一層高めることができる。
【0047】さらにまた、従来技術で述べたようにシリ
ンダ7とピストン8との摺動面7C,9A間のシール性
を高めるために、円筒部7の軸方向寸法L1 を延ばして
摺動面7C,9Aの全体面積を大きくする必要がなくな
り、これにより回転軸4の軸方向に対して当該油圧ポン
プのコンパクトに形成することができ、装置全体の小型
化等を容易に図ることができる。
【0048】次に、図5は本発明の第2の実施例を示
し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に
は同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
しかし、本実施例の特徴は、ピストン21を円筒部22
とテーパ部23とから構成し、ピストン21のテーパ部
23には円筒部22との境界部24近傍に位置して環状
のシール部材としてのOリング25を設けると共に、テ
ーパ部23の先端側にはシュー26の継手部26Bに合
わせて球状凸部23Cとして形成することにより、シュ
ーの継手部26Bを球状凸部23Cを介してテーパ部2
3に対し揺動可能に連結する構成としたことにある。
【0049】ここで、前記ピストン21は前記第1の実
施例で述べたピストン8と同様に円筒部22とテーパ部
23とから構成されている。そして、円筒部22は摺動
面22Aおよび受圧面22Bを有し、テーパ部23は給
脂孔23Aおよびリング溝23Bを有している。しか
し、該テーパ部23の先端側は、シュー26の継手部2
6B内に嵌着される球状凸部23Cとして形成されてい
る点で前記第1の実施例のものとは異なっている。
【0050】そして、前記テーパ部23のリング溝23
B内には、前記第1の実施例で述べたピストンリング1
2に替えてOリング25が装着され、該Oリング25は
シリンダ7の摺動面7Cに締代をもって弾性的に当接
(摺接)することにより、摺動面7Cとテーパ部23と
の間を常に液密にシールしている。
【0051】また、前記シュー26は前記第1の実施例
で述べたシュー13とほぼ同様に形成され、台座部26
A、継手部26B、油路26C、摺動面26Dおよび静
圧ポケット27等を有してるものの、該シュー26のう
ち継手部26Bは、テーパ部23の球状凸部23Cに対
応して台座部26Aの中央に球状の凹面部として形成さ
れている。
【0052】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例と同様にピストン21がシリン
ダ7内を摺動変位する間、Oリング25をシリンダ7の
摺動面7Cに常時摺接させることができ、シリンダ7内
の圧油が該シリンダ7と円筒部22との摺動面7C,2
2Aから外部に漏洩するのをOリング25により確実に
防止することができ、前記第1の実施例とほぼ同様の作
用効果を得ることができる。
【0053】なお、前記各実施例では、ピストン8(2
1)のテーパ部10(23)を円筒部9(22)の先端
側からテーパ状に漸次縮径させるものとして述べたが、
これに替えて、例えば円筒部9(22)よりも小さい一
定の外径を有した円筒状の縮径部をピストンに設ける構
成としてもよい。
【0054】また、ピストンリング12およびOリング
25をそれぞれテーパ部10(23)に1個のみ設ける
ものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えばこ
のようなピストンリング12(Oリング25)をテーパ
部10(23)の軸方向に離間して2個以上設けるよう
にしてもよい。
【0055】さらに、前記各実施例では、斜板式油圧ポ
ンプを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るもの
ではなく、例えば斜板式油圧モータ等にも適用できるも
のである。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、前記ピストンを、シリンダ内に挿嵌された摺動部
と、該摺動部よりも少なくとも小径に形成された縮径部
とから一体に形成し、該縮径部には前記摺動部との境界
部近傍に位置して、前記シリンダとの間をシールする環
状のシール部材を設ける構成としたから、シリンダに対
するピストン全体の接触(摺動)面積を低減できる上
に、シリンダ内の油液が該シリンダとピストンの摺動部
との摺動面間から外部に漏洩するのをシール部材により
効果的に防止することができ、これによりシリンダ内か
らの圧油の洩れ損失を抑えて当該液圧回転機の機械効率
を大幅に向上することができ、装置の性能を確実に高め
ることができる。
【0057】また、シリンダとピストンの摺動部との間
をシリンダ内の圧油により常時潤滑状態に保持して、両
者間で生じる摺動抵抗を大幅に低減することができ、こ
れによってピストンの摺動特性を良好に維持することが
でき、当該液圧回転機の機械効率等をさらに向上させる
ことができる。また、前記シリンダとピストンの摺動部
との間に焼付け等が生じるのを確実に防止することがで
き、当該液圧回転機の寿命等を大幅に延ばして装置の信
頼性や耐久性等を確実に高めることができる。
【0058】さらに、当該液圧回転機の作動時に、ピス
トンの摺動部とシリンダとの間で作用する応力が縮径部
側に設けたシール部材に直接作用するのを防止すること
ができ、これによってシール部材の耐久性を高めて寿命
等を大幅に延ばすことができ、当該液圧回転機の信頼性
や耐久性等を一層高めることができる。
【0059】また、請求項2の発明では、ピストンを、
前記シリンダ内に挿嵌された円筒部と、該円筒部からテ
ーパ状に漸次縮径したテーパ部とから一体に形成すると
共に、該テーパ部には前記円筒部との境界部近傍に位置
して、前記シリンダとの間をシールする環状のシール部
材を設ける構成としたから、請求項1の発明と同様にし
てシリンダに対するピストンの接触(摺動)面積を小さ
くできる上に、シリンダ内をシール部材を介して液密に
シールでき、シリンダ内の油液が該シリンダとピストン
の摺動部との摺動面間から外部に漏洩するのを確実に防
止することができ、これにより請求項1の発明とほぼ同
様の効果を得ることができる。
【0060】しかも、従来技術で述べたようにシリンダ
とピストンの円筒部との摺動面間のシール性を高めるた
めに、円筒部の軸方向寸法を延ばして前記摺動面の全体
面積を大きくする必要がなくなり、これにより円筒部の
軸方向に対して当該液圧回転機をコンパクトに形成で
き、装置の小型化等を容易に図ることができる。
【0061】さらにまた、請求項3の発明では、前記シ
ール部材を拡縮可能なピストンリングにより形成したか
ら、ピストンの縮径部(テーパ部)とシリンダとの間で
形成される環状の隙間をピストンリングにより確実にシ
ール状態に保持することができ、油洩れ等を確実に防止
できる。
【0062】一方、請求項4の発明では、前記シール部
材はOリングにより形成したから、請求項3の発明と同
様にして該Oリングによりシリンダからの油洩れ等を確
実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による斜板式油圧ポンプ
を示す縦断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた断面図であ
る。
【図3】図1中の要部を拡大して示す部分拡大断面図で
ある。
【図4】図3中のシリンダ、ピストンおよびピストンリ
ング等を拡大して示す要部拡大図である。
【図5】本発明の第2の実施例による斜板型油圧ポンプ
の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 4 回転軸 6 シリンダブロック 7 シリンダ 8,21 ピストン 9,22 円筒部(摺動部) 10,23 テーパ部(縮径部) 11,24 境界部 12 ピストンリング(シール部材) 13,26 シュー 16 斜板 25 Oリング(シール部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜板が設けられたケーシングと、該ケー
    シング内に回転軸を介して設けられ前記斜板と対向して
    回転するシリンダブロックと、該シリンダブロックの軸
    方向に穿設された複数のシリンダと、基端側が該各シリ
    ンダ内に摺動可能に挿嵌され先端側が該各シリンダ外に
    突出する複数のピストンと、該各ピストンの突出端側に
    揺動可能に設けられ前記シリンダブロックが回転すると
    きに前記斜板に対して摺動する複数のシューとからなる
    斜板式液圧回転機において、 前記ピストンは、前記シリンダ内に挿嵌され該シリンダ
    内を摺動変位する摺動部と、該摺動部よりも少なくとも
    小径に形成され先端側に前記シューが設けられる縮径部
    とからなり、該縮径部には前記摺動部との境界部近傍に
    位置し、前記シリンダとの間をシールする環状のシール
    部材を設けたことを特徴とする斜板式液圧回転機。
  2. 【請求項2】 斜板が設けられたケーシングと、該ケー
    シング内に回転軸を介して設けられ前記斜板と対向して
    回転するシリンダブロックと、該シリンダブロックの軸
    方向に穿設された複数のシリンダと、基端側が該各シリ
    ンダ内に摺動可能に挿嵌され先端側が該各シリンダ外に
    突出する複数のピストンと、該各ピストンの突出端側に
    揺動可能に設けられ前記シリンダブロックが回転すると
    きに前記斜板に対して摺動する複数のシューとからなる
    斜板式液圧回転機において、 前記ピストンは、前記シリンダ内に挿嵌され該シリンダ
    内を摺動変位する円筒部と、該円筒部からテーパ状に漸
    次縮径し先端側に前記シューが設けられるテーパ部とか
    らなり、該テーパ部には前記円筒部との境界部近傍に位
    置して前記シリンダとの間をシールする環状のシール部
    材を設け、該シール部材は前記ピストンの円筒部がシリ
    ンダ内を摺動変位する間にシリンダの周面に常時摺接す
    る構成としたことを特徴とする斜板式液圧回転機。
  3. 【請求項3】 前記シール部材は拡縮可能なピストンリ
    ングにより形成してなる請求項1または2に記載の斜板
    式液圧回転機。
  4. 【請求項4】 前記シール部材はOリングにより形成し
    てなる請求項1または2に記載の斜板式液圧回転機。
JP8297526A 1996-10-18 1996-10-18 斜板式液圧回転機 Pending JPH10122130A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7635255B2 (en) 2002-08-28 2009-12-22 Torvec, Inc. Long piston hydraulic machines
US10167855B2 (en) 2013-04-26 2019-01-01 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Piston included in liquid-pressure rotating device and liquid-pressure rotating device

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US7635255B2 (en) 2002-08-28 2009-12-22 Torvec, Inc. Long piston hydraulic machines
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