JPH10120739A - 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物

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JPH10120739A
JPH10120739A JP8294642A JP29464296A JPH10120739A JP H10120739 A JPH10120739 A JP H10120739A JP 8294642 A JP8294642 A JP 8294642A JP 29464296 A JP29464296 A JP 29464296A JP H10120739 A JPH10120739 A JP H10120739A
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Japan
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group
photocurable resin
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dimensional
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Application number
JP8294642A
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English (en)
Inventor
Junichi Tamura
順一 田村
Tsuneo Hagiwara
恒夫 萩原
Yasushi Ishihama
靖 石濱
Minoru Kashiwagi
實 栢木
Takayuki Nakamura
高之 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Nabtesco Corp
Original Assignee
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Teijin Seiki Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Nakamura Chemical Co Ltd, Teijin Seiki Co Ltd filed Critical Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Priority to JP8294642A priority Critical patent/JPH10120739A/ja
Publication of JPH10120739A publication Critical patent/JPH10120739A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F22/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof
    • C08F22/10Esters
    • C08F22/1006Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols, e.g. ethylene glycol dimethacrylate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 体積収縮率が小さくて寸法精度に優れ、熱変
形温度が高くて耐熱性に優れ、透明性、力学的特性等に
も優れる立体造形物や成形品を製造できる光硬化性樹脂
組成物の提供。 【解決手段】 下記の一般式(I); 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、aは1〜3の
整数であって、aが2のときは少なくとも1個のR1
メチル基であり、Aは非置換又は置換された炭化水素
基、Dは非置換又は置換された芳香族炭化水素基、R2
及びR3はアルキレン基を示す)で表されるウレタン化
アクリル化合物の少なくとも1種;他のラジカル重合性
単量体を80:20〜10:90の重量比で含有し、且つ光重合
開始剤を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物により上
記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性樹脂組成
物、該光硬化性樹脂組成物を用いる立体造形物の製造方
法、該光硬化性樹脂組成物で用いるウレタン化アクリル
化合物、および該ウレタン化アクリル化合物の製造に有
効に用い得るイソシアネート化合物に関する。より詳細
には、本発明は、高い熱変形温度を有していて耐熱性に
優れており、しかも体積収縮率が小さくて寸法精度に優
れており、しかも透明性や力学的特性にも優れる成形品
や立体造形物などを得ることのできる光硬化性樹脂組成
物、、該光硬化性樹脂組成物を用いる光学的立体造形物
の製造方法、該光硬化性樹脂組成物で用いるウレタン化
アクリル化合物、および該ウレタン化アクリル化合物の
製造に有効に用い得るイソシアネート化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液状の光硬化性樹脂組成物は被
覆剤、ホトレジスト、歯科用材料などとして広く用いら
れているが、近年、三次元CADに入力されたデータに
基づいて光硬化性樹脂組成物を立体的に光学造形する方
法が特に注目を集めている。光学的立体造形技術に関し
ては、液状の光硬化性樹脂に必要量の制御された光エネ
ルギーを供給して薄層状に硬化させ、その上に更に液状
光硬化性樹脂を供給した後に制御下に光照射して薄層状
に積層硬化させるという工程を繰り返すことによって立
体造形物を製造する光学的立体造形法が特開昭56−1
44478号公報によって開示され、そしてその基本的
な実用方法が更に特開昭60−247515号公報によ
って提案された。それ以来、光学的立体造形技術に関す
る多数の提案がなされており、例えば、特開昭62−3
5966号公報、特開平1−204915号公報、特開
平2−113925号公報、特開平2−145616号
公報、特開平2−153722号公報、特開平3−15
520号公報、特開平3−21432号公報、特開平3
−41126号公報などには光学的立体造形法に係る技
術が開示されている。
【0003】立体造形物を光学的に製造する際の代表的
な方法としては、容器に入れた液状光硬化性樹脂組成物
の液面に所望のパターンが得られるようにコンピュータ
ーで制御された紫外線レーザーを選択的に照射して所定
の厚みに硬化させ、次にその硬化層の上に1層分の液状
樹脂組成物を供給して同様に紫外線レーザーを照射して
前記と同じように硬化させて連続した硬化層を形成させ
るという積層操作を繰り返して最終的な形状を有する立
体造形物を製造する方法が挙げられ、一般に広く採用さ
れている。この方法による場合は、造形物の形状がかな
り複雑であっても簡単に且つ比較的短時間で目的とする
立体造形物を製造することが出来るために近年大きな注
目を集めている。
【0004】被覆剤、ホトレジスト、歯科用材料などに
用いられる光硬化性樹脂組成物としては、不飽和ポリエ
ステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーなどの硬化性樹脂に光重合開始剤を添加したものが広
く用いられている。また、光学的立体造形法で用いる光
硬化性樹脂組成物としては、光重合性の変性(ポリ)ウ
レタン(メタ)アクリレート系化合物、オリゴエステル
アクリレート系化合物、エポキシアクリレート系化合
物、エポキシ系化合物、ポリイミド系化合物、アミノア
ルキド系化合物、ビニルエーテル系化合物などの光重合
性化合物の1種または2種以上を主成分としこれに光重
合開始剤を添加したものが挙げられ、そして最近では、
特開平1−204915号公報、特開平1−21330
4号公報、特開平2−28261号公報、特開平2−7
5617号公報、特開平2−145616号公報、特開
平3−104626号公報、特開平3−114732号
公報、特開平3−1147324号公報などには各種の
改良技術が開示されている。
【0005】光学的立体造形法で用いられる光硬化性樹
脂組成物としては、取り扱い性、造形速度、造形精度な
どの点から、低粘度の液状物であること、硬化時の体積
収縮が小さいこと、光硬化して得られる立体造形物の力
学的特性が良好であることなどが必要とされている。し
かも、近年光学的立体造形物の需要および用途が拡大す
るのに伴って、用途によっては前記した諸特性と併せ
て、高い熱変形温度を有していて耐熱性に優れ、しかも
透明性にも優れる立体造形物が求められてようになって
きた。例えば、複雑な熱媒回路の設計に用いられる光学
的立体造形物、複雑な構造の熱媒挙動の解析に用いられ
る光学的立体造形物などでは、光硬化時の体積収縮が小
さく、熱変形温度が高く且つ透明性に優れるものが重要
視されている。
【0006】従来、耐熱性の向上した光学的立体造形物
を得ることを目的として、光硬化性樹脂の分子中にベン
ゼン環を導入する方法、光硬化性物における架橋密度を
増加させる方法などが検討されてきた。しかし、その場
合でも高荷重下における熱変形温度が高々70〜80℃
程度であり、その耐熱性は充分なものではない。しか
も、光硬化物の耐熱性を向上させようとすると、その一
方で硬化時の体積収縮が大きくなって寸法精度の低下を
招いており、耐熱性の向上および硬化時の体積収縮の低
減という両方の性質を同時に満足する光硬化性樹脂組成
物は未だ得られていない。一般的には、光硬化性樹脂組
成物における架橋密度を増加すれば耐熱性の向上が期待
できるが、同時に架橋密度を増すことによって硬化時の
体積収縮が大きくなるという傾向があり、耐熱性の向上
と硬化時の体積収縮の低減とは二律背反の関係にある。
したがって、高荷重下における熱変形温度が100℃以
上であるような高い耐熱性を有していて、しかも硬化時
の体積収縮が小さく、且つ透明性や力学的特性にも優れ
る成形品や立体造形物を形成することのできる光硬化性
樹脂組成物が強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低粘
度の液状を呈していて取り扱い性に優れ、短い光硬化時
間で硬化でき、光で硬化した際に体積収縮が小さくて寸
法精度に優れ、しかも熱変形温度が高くて耐熱性に優
れ、その上透明性や引張強度などの力学的特性にも優れ
る成形品、立体造形物、その他の硬化物を得ることので
きる光硬化性樹脂組成物を提供することである。そし
て、本発明の目的は、上記の光硬化性樹脂組成物を用い
て光学的立体造形法によって造形物を製造する方法を提
供することである。更に、本発明の目的は、上記の光硬
化性樹脂組成物で用いる新規なウレタンアクリル化合物
や該ウレタン化アクリル化合物の製造に有効に用い得る
化合物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく研究を重ねてきた。その結果、本発明者
らは、分子内に芳香族環とスピロ環の両方を有する特定
の化学構造を有する新規なウレタン化アクリル化合物を
合成することができた。そして、このウレタン化アクリ
ル化合物に他のラジカル重合性化合物および光重合開始
剤を加えると、粘度が低くて取り扱い性に優れる液状の
光硬化性樹脂組成物が得られること、そしてその光硬化
性樹脂組成物に光を照射すると短い時間で硬化させるこ
とができこと、硬化時の体積収縮が小さくて、所望の形
状および寸法を有する立体造形物を高い寸法精度で製造
することができること、しかも光硬化して得られるその
立体造形物は一般に100℃以上の高い熱変形温度を有
していて耐熱性に優れていること、その上透明性や力学
的特性にも優れることを見出した。そして、本発明者ら
は、前記した光硬化性樹脂組成物は光学的立体造形法だ
けではなく、光照射による硬化を伴う成形品の製造や他
の用途にも有効に使用できることを見出し、それらの知
見に基づいて本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、(i) 下記の一般
式(I);
【0010】
【化4】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、aは1〜3の
整数であって、aが2のときは少なくとも1個のR1
メチル基であり、Aは非置換のまたは置換された炭化水
素基、Dは非置換のまたは置換された芳香族炭化水素
基、R2およびR3はそれぞれ独立してアルキレン基を示
す)で表されるウレタン化アクリル化合物の少なくとも
1種;(ii) 前記のウレタン化アクリル化合物以外の
ラジカル重合性化合物;および、(iii) 光重合開始
剤;を含有する光硬化性樹脂組成物であって、(i)の
ウレタン化アクリル化合物:(ii)のラジカル重合性化
合物の含有割合が80:20〜10:90(重量比)で
あることを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
【0011】そして、本発明は、上記の光硬化性樹脂組
成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造形物を
製造する方法である。
【0012】さらに、本発明は、下記の一般式(I);
【0013】
【化5】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、aは1〜3の
整数であって、aが2のときは少なくとも1個のR1
メチル基であり、Aは非置換のまたは置換された炭化水
素基、Dは非置換のまたは置換された芳香族炭化水素
基、R2およびR3はそれぞれ独立してアルキレン基を示
す)で表されるウレタン化アクリル化合物である。
【0014】そして、本発明は、下記の一般式(II);
【0015】
【化6】 (式中、Aは非置換のまたは置換された炭化水素基、D
は非置換のまたは置換された芳香族炭化水素基、R2
よびR3はそれぞれ独立してアルキレン基を示す)で表さ
れるイソシアネート化合物である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の光硬化性樹脂組成物で用いる上記
の一般式(I)で表されるウレタン化アクリル化合物
[以下「ウレタン化アクリル化合物(I)」という]に
ついて説明する。上記した一般式(I)で表されるウレ
タン化アクリル化合物(I)において、R1は水素原子
またはメチル基であり、aは1〜3の整数であり、aが
2のときは2個の基;CH2=C(R1)−COO−のうち
の少なくとも1個における基R1がメチル基であること
が必要である。ウレタン化アクリル化合物(I)におい
てaが2のときに2個の基;CH2=C(R1)−COO
−の基R1が共に水素原子であると合成上極めて有毒
な、発癌性、皮膚刺激性のあるグリセリンジアクリレー
トを経由しなければならず、実質的に使用できず、好ま
しくない。ウレタン化アクリル化合物(I)において、
aが1または2であるのがウレタン化アクリル化合物の
製造の容易性、得られる光硬化性樹脂組成物の取り扱い
性などの点から好ましい。
【0017】また、ウレタン化アクリル化合物(I)に
おいて、基Aは2価の非置換のまたは置換された炭化水
素基であり、基Aは炭素原子数6〜20の非置換または
置換された脂肪族、芳香族または脂環式の2価の炭化水
素基であるのが好ましい。より具体的には、ウレタン化
アクリル化合物(I)における基Aの好ましい例として
は、イソホロン基、トリレン基、4,4’−ジフェニル
メタン基、ナフチレン基、キシリレン基、フェニレン
基、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメタン
基、トルイレン基、ヘキサメチレン基、4,4’−ジシ
クロヘキシルメタン基、水添化キシリレン基、水添化ジ
フェニルメタン基、トリフェニレンメタン基、テトラメ
チルキシレン基などを挙げることができる。そのうちで
も、基Aがイソホロン基、水添化キシリレン基、水添化
ジフェニルメタン基であるのがより好ましく、その場合
にはウレタン化アクリル化合物(I)を含む本発明の光
硬化性樹脂組成物から得られる立体造形物や成形品など
の光硬化物は、引張伸度が大きく、かつ柔軟可撓性に優
れるものとなる。
【0018】また、ウレタン化アクリル化合物(I)に
おいて、基Dは非置換のまたは置換された芳香族炭化水
素基、すなわちフェノール類などのような芳香族性水酸
基を有する非置換のまたは置換された芳香族炭化水素化
合物から誘導される2価の芳香族炭化水素残基である。
基Dの例としては、置換されていないか、またはアルキ
ル基、ハロゲン、ニトロ基、スルホン基、その他の置換
基で置換されているフェニレン基、ナフチレン基などを
挙げることができ、より具体的には、フェニレン基、メ
チルフェニレン基、エチルフェニレン基、プロピルフェ
ニレン基、t−ブチルフェニレン基、メチル−t−ブチ
ルフェニレン基、ナフチレン基、メチルナフチレン基、
エチルナフチレン基、プロピルナフチレン基、t−ブチ
ルナフチレン基などを挙げることができる。基Dに対し
てはその一方のウレタン結合ともう一方の基R2との結
合がパラの位置で行われているのがウレタン化アクリル
化合物(I)の製造の容易性や安定性などの点から好ま
しいが、それに限定されるものではなく、基Dに対する
ウレタン結合と基R2との結合がオルトまたはメタの位
置でなされていてもよい。本発明においては、ウレタン
化アクリル化合物(I)における基Dが下記の化学式
(III);
【0019】
【化7】 で表される基、すなわちウレタン結合を形成している酸
素原子に対する両方のオルトの位置にメチル基とt−ブ
チル基を有する置換フェニレン基であることが、ウレタ
ン化アクリル化合物(I)の製造の容易性、得られる光
硬化性樹脂組成物の耐熱性などの点から好ましい。
【0020】また、ウレタン化アクリル化合物(I)に
おいて、基R2および基R3はそれぞれ独立して鎖状また
は分岐状のアルキレン基を表す。基R2および基R3は炭
素数1〜8の鎖状または分岐状のアルキレン基であるの
が好ましく、炭素数2〜5の鎖状または分岐状のアルキ
レン基であるのがより好ましい。基R2および基R3の具
体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレ
ン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレ
ン基などを挙げることができ、基R2がエチレン基で且
つ基R3がイソブチレン基であるのが、ウレタン化アク
リル化合物(I)の製造の容易性などの点から好まし
い。
【0021】限定されるものではないが、本発明の光硬
化性樹脂組成物で好ましく用いられるウレタン化アクリ
ル化合物(I)としては、例えば、下記の化学式(IV)
で表されるウレタン化アクリル化合物を挙げることがで
きる。
【0022】
【化8】
【0023】何ら限定されるものではないが、本発明の
光硬化性樹脂組成物で用いるウレタン化アクリル化合物
(I)は、好ましくは、例えば次のようにして製造する
ことができる。 [ウレタン化アクリル化合物(I)の好ましい製造法] (1) 下記の一般式(V);
【0024】
【化9】 (式中、D、R2およびR3は上記と同じ基を示す)で表
される化合物[以下これを「化合物(V)」という]に、
下記の一般式(VI);
【0025】
【化10】OCN−A−NCO (VI) (式中、Aは上記と同じ基を示す)で表されるジイソシ
アネート化合物を反応させて、上記の一般式(II)で表
されるイソシアネート基化合物[以下これを「イソシア
ネート化合物(II)」という]をつくり;次に、(2)
上記(1)で得られるイソシアネート化合物(II)
に、下記の一般式(VII);
【0026】
【化11】 (式中、R1は上記と同じ基、aは上記と同じ数を示
す)で表されるアクリル化合物[以下これを「アクリル
化合物(VII)」という]を反応させることによって製
造することができる。
【0027】上記の化合物(V)は公知の化合物であ
り、該化合物(V)に上記の一般式(VI)で表されるジ
イソシアネート化合物を反応させて得られるイソシアネ
ート化合物(II)、および該イソシアネート化合物(I
I)にアクリル化合物(VII)を反応させて得られるウレ
タン化アクリル化合物(I)はいずれも新規な化合物で
ある。
【0028】そして、上記の(1)の工程においては、
従来既知のウレタン化触媒(例えば有機錫触媒、3級ア
ミンなど)を用いて、40〜90℃の温度で、化合物
(V)と有機ジイソシアネート(OCN−A−NCO)
を、特にモルフォリンアクリルアミド、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−ビニルカプロラク
トンなどのような塩基性媒体中で反応させることによっ
て、イソシアネート化合物(II)を円滑に製造すること
ができる。この(1)の反応で用いる有機ジイソシアネ
ート(OCN−A−NCO)の種類は特に制限されず、
ウレタン化反応を行い得る有機ジイソシアネートであれ
ばいずれも使用でき、例えば、イソホロンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシ
アネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメ
タンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジ
イソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、トリフェニレンメタンジイソシアネート、テトラ
メチルキシレンジイソシアネートなどを挙げることがで
き、これらのジイソシアネートは単独で使用しても、ま
たは2種以上を併用してもよい。そのうちでも、イソホ
ロンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネ
ートおよび/または水添化ジフェニルメタンジイソシア
ネートが好ましく用いられる。
【0029】そして、上記の工程(2)においては、イ
ソシアネート化合物(II)とアクリル化合物(VII)
を、好ましくは1:1〜1.2のモル比で用いて、必要
に応じてカチオン触媒、アニオン触媒、有機錫触媒など
の存在下に、80〜90℃で反応させると、目的とする
ウレタン化アクリル化合物(I)を円滑に得ることがで
きる。
【0030】また、反応の妨げにならない場合は、上記
の工程(1)および/または工程(2)を、本発明の光
硬化性樹脂組成物で用いる、他のラジカル重合性化合物
[ウレタン化アクリル化合物(I)以外のラジカル重合
性化合物]を希釈剤などとして用いてその存在下で行っ
てもよい。
【0031】ウレタン化アクリル化合物(I)における
基R1、A、a、D、R2およびR3の種類や数などによ
ってその性状等が異なってくるが、ウレタン化アクリル
化合物(I)は一般に常温では低粘度の液状〜高粘度の
液状を呈しており、他のラジカル重合性化合物として適
当なものを選んで組み合わせることによって、取り扱い
性に優れる低粘度の光硬化性樹脂組成物を調製すること
ができる。
【0032】そして、本発明の光硬化性樹脂組成物は、
上記したウレタン化アクリル化合物(I)と共に、ウレ
タン化アクリル化合物(I)以外のラジカル重合性化合
物(他のラジカル重合性化合物)(以下単に「ラジカル
重合性化合物」ということがある)を含有する。ラジカ
ル重合性化合物としては、光照射を行った際にウレタン
化アクリル化合物(I)と反応して、またラジカル重合
性化合物同士が反応して硬化物を形成することのできる
炭素−炭素間不飽和結合を有するラジカル重合性化合物
であればいずれも用いることが可能であるが、アクリル
系化合物、アリル系化合物および/またはビニルラクタ
ム類が好ましく用いられる。また、ラジカル重合性化合
物は単官能性化合物または多官能性化合物のいずれであ
ってもよく、或いは単官能性化合物と多官能性化合物の
両方を併用してもよい。さらに、ラジカル重合性化合物
は低分子量のモノマーであっても、オリゴマーであって
も、また場合によってはある程度分子量の大きいもので
あってもよい。
【0033】限定されるものではないが、本発明の光硬
化性樹脂組成物で用い得るラジカル重合性化合物の例と
しては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル
(メタ)メタアクリレート、ジシクロペンテニル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)ア
クリレート類、モルホリン(メタ)アクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド類、N−ビニルカプロラクト
ン、スチレンなどの単官能性ラジカル重合性化合物;ト
リメチロープロパントリ(メタ)アクリレート、エチレ
ンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メ
タ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマ
レート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジア
クリレートなどの多官能性ラジカル重合性化合物を挙げ
ることができる。
【0034】また、上記したラジカル重合性化合物以外
にも、光学的立体造形用樹脂組成物などで従来から用い
られているエポキシ化合物、ウレタン化アクリル化合物
(I)以外のウレタン化アクリル化合物、エポキシ(メ
タ)アクリレート化合物、他のエステル(メタ)アクリ
レートなどをラジカル重合性化合物として用いることが
できる。
【0035】本発明の光硬化性樹脂組成物では、上記し
たラジカル重合性化合物を単独で用いてもまたは2種以
上併用してもよい。そして、上記した種々のラジカル重
合性化合物のうちでも、本発明の光硬化性樹脂組成物で
は、モルホリン(メタ)アクリルアミド、ジシクロペン
テニルジ(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、そ
の場合には、光で硬化した際に、体積収縮率がより小さ
くて寸法精度により優れ、熱変形温度が高く、高弾性率
の成形品や立体造形物、更にはその他の硬化物を形成す
ることのできる光硬化性樹脂組成物が得られる。
【0036】そして、本発明の光硬化性樹脂組成物で
は、ウレタン化アクリル化合物(I):ラジカル重合性
化合物の含有割合が、重量比で、80:20〜10:9
0であることが必要であり、65:35〜25:75で
あるのが好ましく、60:40〜35:65であるのが
より好ましい。光硬化性樹脂組成物において、ウレタン
化アクリル化合物(I)の割合がウレタン化アクリル化
合物(I)とラジカル重合性化合物の合計重量に基づい
て10重量%未満であると、光で硬化した際に耐熱性お
よび剛性に優れる成形品や立体造形物などの硬化物が得
られなくなり、一方80重量%を超えると光硬化時の体
積収縮率が大きくなって寸法精度が低下し、しかも光硬
化性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、取り扱い性、
成形性、造形性が低下し、特に光学的立体造形法で用い
る場合に目的とする立体造形物を円滑に製造できなくな
る。
【0037】本発明の光硬化性樹脂組成物の調製に当た
っては、他のラジカル重合性化合物がウレタン化アクリ
ル化合物(I)の製造を妨害しない場合には、ウレタン
化アクリル化合物(I)の製造を他のラジカル重合性化
合物の存在下で行って、ウレタン化アクリル化合物
(I)と他のラジカル重合性化合物の両方を含有する組
成物を調製しても、またはあらかじめウレタン化アクリ
ル化合物(I)を製造し、それを他のラジカル重合性化
合物と混合して両者を含有する組成物を調製してもよ
い。
【0038】さらに、本発明の光硬化性樹脂組成物は、
上記したウレタン化アクリル化合物(I)および他のラ
ジカル重合性化合物と共に、光重合開始剤を含有してい
る。光重合開始剤としては光硬化性樹脂組成物において
従来から用いられている光ラジカル重合開始剤であれば
いずれも使用でき特に制限されない。限定されるもので
はないが、本発明の光硬化性樹脂で用い得る光重合開始
剤の例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、ジエトキシアセトフェノン、アセトフェノン、
3−メチルアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−
2−ヒドロキシ−2−プロピオフェノン、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミ
ノアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェ
ノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−
アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトノ、ベンゾフェノン、o−ベンゾ
イル安息香酸メチル、ミヒラースケトン、4,4’−ビ
スジエチルアミノベンゾフェノン、キサントン、フルオ
レノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、アントラキノ
ン、トリフェニルアミン、カルバゾールなどを挙げるこ
とができる。
【0039】また、ラジカル重合性化合物として、ラジ
カル重合性の基と共にエポキシ基などのカチオン重合性
の基を有する化合物を用いる場合は、上記した光ラジカ
ル重合開始剤と共に光カチオン重合開始剤を併用しても
よく、その場合の光カチオン重合開始剤の種類も特に制
限されず、従来既知のものを使用することができる。
【0040】光重合開始剤の使用量は、ウレタン化アク
リル化合物(I)およびラジカル重合性化合物の種類、
光重合開始剤の種類などに応じて変わり得るが、一般
に、ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重
合性化合物の合計重量に基づいて、0.1〜10重量%
であるのが好ましく、1〜5重量%であるのがより好ま
しい。光重合開始剤は、一般に、ウレタン化アクリル化
合物(I)と他のラジカル重合性化合物を混合した後に
系に混合される。
【0041】そして、本発明は、上記した成分以外に
も、必要に応じて、レベリング剤、界面活性剤、有機高
分子改質剤、可塑剤、有機または無機の固体微粒子など
を含有していてもよい。前記した有機固体微粒子の例と
しては、架橋ポリスチレン系微粒子、架橋型ポリメタク
リレート系微粒子、ポリエチレン系微粒子、ポリプロピ
レン系微粒子などを挙げることができ、また無機固体微
粒子の例としては、ガラスビーズ、タルクビーズ、酸化
ケイ素ビーズなどを挙げることができる。本発明の光硬
化性樹脂組成物中に有機固体微粒子および/または無機
固体微粒子を含有させる場合は、アミノシラン、エポキ
シシラン、アクリルシランなどのシラン系カップリング
剤で処理したものを用いると、光硬化して得られる硬化
物の機械的強度が向上する場合が多く好ましい。シラン
カップリング剤処理を施したポリエチレン系固体微粒子
および/またはポリプロピレン系固体微粒子を含有させ
る場合は、アクリル酸系化合物を1〜10重量%程度共
重合させたポリエチレン系固体微粒子および/またはポ
リプロピレン系固体微粒子を用いるとシランカップリン
グ剤との親和性が高くなるので好ましい。
【0042】本発明の光硬化性樹脂組成物の粘度は、用
途や使用態様などに応じて調節し得るが、一般に、回転
式B型粘度計を用いて測定したときに、常温(25℃)
において、その粘度が100〜100000センチポイ
ズ(cp)程度であるのが取り扱い性、成形性、立体造
形性などの点から好ましく、300〜50000cp程
度であるのがより好ましい。特に、本発明の光硬化性樹
脂組成物を光学的立体造形に用いる場合は、上記した常
温における粘度を300〜5000cpの範囲にしてお
くのが、光学的に立体造形物を製造する際の取り扱い性
が良好になり、しかも目的とする立体造形物を高い寸法
精度で円滑に製造することができる点から望ましい。光
硬化性樹脂組成物の粘度の調節は、ウレタン化アクリル
化合物(I)およびラジカル重合性化合物の種類の選
択、それらの配合割合の調節などによって行うことがで
きる。
【0043】本発明の光硬化性樹脂組成物は、光を遮断
し得る状態に保存した場合には、通常、10〜40℃の
温度で、約6〜18ケ月の長期に亙って、その変性や重
合を防止しながら良好な光硬化性能を保ちながら保存す
ることができる。本発明の光硬化性樹脂組成物は、その
特性、特に光で硬化した際に体積収縮率が小さくて寸法
精度に優れ、しかも高い熱変形温度を有していて耐熱性
に優れ、かつ透明性に優れる成形品、立体造形物、その
他の硬化物が得られるという特性を活かして種々の用途
に使用することができ、例えば、光学的立体造形法によ
る立体造形物の製造、流延成形法や注型などによる膜状
物や型物などの各種成形品の製造、被覆用などに用いる
ことができる。
【0044】そのうちでも、本発明の光硬化性樹脂組成
物は、上記した光学的立体造形法で用いるのに適してお
り、その場合には、光硬化時の体積収縮率を小さく保ち
ながら、寸法精度に優れ且つ耐熱性、剛性および透明性
に優れる立体造形物を円滑に製造することができる。本
発明の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行
うに当たっては、従来既知の光学的立体造形方法および
装置のいずれもが使用できる。そのうちでも、本発明で
は、樹脂を硬化させるための光エネルギーとして、Ar
レーザー、He−Cdレーザー、キセノンランプ、メタ
ルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯などからは発生され
る活性エネルギー光線を用いるのが好ましく、レーザー
光線が特に好ましく用いられる。活性エネルギー光線と
してレーザー光線を用いた場合には、エネルギーレベル
を高めて造形時間を短縮することが可能であり、しかも
レーザー光線の良好な集光性を利用して、造形精度の高
い立体造形物を得ることができる。
【0045】上記したように、本発明の光硬化性樹脂組
成物を用いて光学的立体造形を行うに当たっては、従来
既知の方法や従来既知の光造形システム装置のいずれも
が採用でき特に制限されないが、本発明で好ましく用い
られる光学的立体造形法の代表例としては、光エネルギ
ー吸収剤を含有する液状の光硬化性樹脂組成物に所望の
パターンを有する硬化層が得られるように活性エネルギ
ー光線を選択的に照射して硬化層を形成し、次いでその
硬化層に未硬化液状の光硬化性樹脂組成物を供給し、同
様に活性エネルギー光線を照射して前記の硬化層と連続
した硬化層を新たに形成する積層する操作を繰り返すこ
とによって最終的に目的とする立体的造形物を得る方法
を挙げることができる。それによって得られる立体造形
物はそのまま用いても、また場合によっては更に光照射
によるポストキュアや熱によるポストキュアなどを行っ
て、その力学的特性や形状安定性などを一層高いものと
してから使用するようにしてもよい。
【0046】立体造形物の構造、形状、サイズなどは特
に制限されず、各々の用途に応じて決めることができ
る。そして、本発明の光学的立体造形法の代表的な応用
分野としては、設計の途中で外観デザインを検証するた
めのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデ
ル、鋳型を制作するための樹脂型、金型を制作するため
のベースモデル、試作金型用の直接型などの作製などを
挙げることができる。より具体的には、精密部品、電気
・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容
器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モ
デルなどの製作を挙げることができる。本発明の光硬化
性樹脂組成物は、特に光で硬化した際に体積収縮率が小
さくて寸法精度に優れ、しかも高い熱変形温度を有して
いて耐熱性に優れ、かつ透明性に優れるという特性を活
かして、光沢的立体造形法による立体造形物の製造、流
延成形法や注型などによる膜状物や型物などの各種成形
品の製造、被覆用などに用いることができる。
【0047】
【実施例】以下で実施例等によって本発明について具体
的に説明するが、本発明は以下の例によって何ら限定さ
れない。
【0048】《実施例1》[ウレタン化アクリル化合物
(I)の製造] (1) 攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備え
た内容積4リットルの四つ口フラスコに、下記の化学式
(VIII);
【0049】
【化12】 で表される化合物(住友化学株式会社製「スミライザー
AG−80」)741g、トリレンジイソシアネート3
48gおよびモルホリンアクリルアミド(新中村化学工
業株式会社製「NKエステルA−MO」)650g、ヒ
ドロキノンモノメチルエーテル0.998gおよびジラ
ウリル酸n−ブチル錫0.68gを添加して、撹拌下に
温度100〜150℃で8時間反応させた。 (2) 次に、グリセリンアクリル酸メタクリル酸エス
テル[上記の化合物(VII)においてa=2で、1個の
1が水素でもう1個R1がメチル基であるグリセリンの
ジエステル](新中村化学工業株式会社製「NKエステ
ル701A」)428gを加えて、40〜50℃で30
分間反応させた後、さらに80〜90℃の温度で3時間
加熱反応させた。その結果、無色で常温(25℃)で粘
稠な液状を呈する生成物が得られた。 (3) 上記の(2)で得られた生成物の化学構造の決
定を行ったところ、NMR測定により1.45ppm、
2.2ppmに特性メチル基に基づく吸収、2.8〜
3.7ppmにスピロ環に基づく吸収、8.1ppmに
フェノール基に基づく基、5.8〜6.5ppmにアク
リレート二重結合に基づく吸収がみられた。また、IR
測定により、1700cm-1、1540cm-1にウレタ
ン結合の特性吸収が認められ、上記の一般式(IV)にお
いて、n=2、2個のR1のうちの一方が水素でもう一
方がメチル基であり、Aがトリレン基であるウレタン化
アクリル化合物(I)が上記の(2)の生成物中に含ま
れることが確認された。なお、この実施例1で得られた
生成物中には、ウレタン化アクリル化合物(I)と共に
反応媒体として用いたモルホリンアクリアミドが含まれ
ている。
【0050】《実施例2》[光硬化性樹脂組成物の調
製] 攪拌機、冷却管および側管付き滴下ロートを備えた内容
積5リットルの三つ口フラスコに、実施例1で得られた
生成物[ウレタン化アクリル化合物(I)とモルホリン
アクリアミドを含む生成物]2000g、およびモルホ
リンアクリルアミド(新中村化学工業株式会社製「NK
エステルA−MO」)800gを仕込み、減圧脱気窒素
置換した。次いで、紫外線を遮断した環境下に、2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバガイ
ギー社製「イルガキュアー651」;光ラジカル重合開
始剤)93gを添加し、完全に溶解するまで温度25℃
で混合攪拌して(混合撹拌時間約1時間)、無色透明な
粘稠液体である光硬化性樹脂組成物(常温における粘度
約30000cp)を得た。
【0051】《実施例3》[光硬化性樹脂組成物の調
製] 攪拌機、冷却管および側管付き滴下ロートを備えた内容
積5リットルの三つ口フラスコに、実施例1で得られた
生成物[ウレタン化アクリル化合物(I)とモルホリン
アクリアミドを含む生成物]2000g、モルホリンア
クリルアミド(新中村化学工業株式会社製「NKエステ
ルA−MO」)800gおよびジシクロペンタニルジア
クリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル
A−DCP」)700gを仕込み、減圧脱気窒素置換し
た。次いで、紫外線を遮断した環境下に、実施例1で使
用したのと同じ2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン177gを添加し、完全に溶解するまで温度
25℃で混合攪拌して(混合撹拌時間約1時間)、無色
透明な粘稠液体である光硬化性樹脂組成物(常温におけ
る粘度約9400cp)を得た。
【0052】《実施例4》[光硬化性樹脂組成物の調
製] 攪拌機、冷却管および側管付き滴下ロートを備えた内容
積5リットルの三つ口フラスコに、実施例1で得られた
生成物[ウレタン化アクリル化合物(I)とモルホリン
アクリアミドを含む生成物]2000g、モルホリンア
クリルアミド(新中村化学工業株式会社製「NKエステ
ルA−MO」)800gおよびジシクロペンタニルジア
クリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル
A−DCP」)1068gを仕込み、減圧脱気窒素置換
した。次いで、紫外線を遮断した環境下に、実施例1で
使用したのと同じ2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン177gを添加し、完全に溶解するまで温
度25℃で混合攪拌して(混合撹拌時間約1時間)、無
色透明な粘稠液体である光硬化性樹脂組成物(常温にお
ける粘度約5200cp)を得た。
【0053】《実施例5》[モールド成形法による光硬
化成形品の製造] (1) JIS 7113に準拠するダンベル試験片形
状の型キャビテーを有する透明なシリコン型に、上記の
実施例2で調製した光硬化性樹脂組成物を注入した後、
30Wの紫外線ランプを用いてシリコン型の全面から1
5分間紫外線照射して樹脂組成物を硬化させて光硬化し
たダンベル試験片形状の成形品を製造したところ、透明
性に優れる成形品(ダンベル形状試験片)が得られた。
その成形品を型から取り出して、JIS K 7113に
準拠して、その引っ張り特性(引張強度および引張弾性
率)を測定したところ、下記の表1に示すとおりであっ
た。 (2) また、上記(1)で得られたダンベル形状試験
片の熱変形温度をJISK7207に準拠してA法(荷
重18.5kg/mm2)で測定したところ、下記の表
1に示すとおりであった。 (3) 更に、この実施例5のモールド成形に用いた光
硬化性樹脂組成物の光硬化前の比重(d1)と、得られ
たモールド成形品(ダンベル形状試験片)の比重
(d2)をそれぞれ測定して、下記の数式によりその体
積収縮率(%)を求めたところ、下記の表1に示すとお
りであった。
【0054】
【数1】体積収縮率(%)=(d1/d2)×100
【0055】《実施例6》[光学的立体造形法による立
体造形物の製造] 上記の実施例2で得られた光硬化性樹脂組成物を用い
て、超高速光造形システム(帝人製機株式会社製「SO
LIFORM500」)を使用して、水冷Arレーザー
光(出力500mW;波長333,354,364n
m)を表面に対して垂直に照射して、照射エネルギー2
0〜30mJ/cm2の条件下にスライスピッチ(積層
厚み)0.127mm、1層当たりの平均造形時間2分
で光造形を行って、JIS 7113に準拠するダンベ
ル試験片形状の立体造形物を製造した。得られた立体造
形物をイソプロピルアルコールで洗浄して立体造形物に
付着している未硬化の樹脂液を除去した後、3KWの紫
外線を10分間照射してポストキュアしたところ、透明
性に優れる立体造形物が得られた。その結果得られた立
体造形物(ダンベル形状試験片)の引っ張り特性(引張
強度および引張弾性率)をJIS K 7113に準拠し
て測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、上記で得られたポストキュア後のダンベル形状試
験片(立体造形物)の熱変形温度を実施例5と同様にし
て測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
更に、この実施例6の立体造形法に用いた光硬化前の光
硬化性樹脂組成物の比重(d1)と、ポストキュア後の
立体造形物の比重(d2)をそれぞれ測定して、上記の
数式(2)によりその体積収縮率(%)を求めたとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。
【0056】《実施例7》[光学的立体造形法による立
体造形物の製造] 上記の実施例3で得られた光硬化性樹脂組成物を用いた
以外は実施例6と同様にして光学的立体造形、未硬化樹
脂の洗浄およびポストキュアを行って、透明性に優れる
立体造形物(ダンベル形状試験片)を製造した。その結
果得られたダンベル形状試験片(立体造形物)の引っ張
り特性、熱変形温度および体積収縮率を実施例6と同様
にして測定したところ、下記の表1に示すとおりであっ
た。
【0057】《実施例8》[光学的立体造形法による立
体造形物の製造] 上記の実施例4で得られた光硬化性樹脂組成物を用いた
以外は実施例6と同様にして光学的立体造形、未硬化樹
脂の洗浄およびポストキュアを行って、透明性に優れる
立体造形物(ダンベル形状試験片)を製造した。その結
果得られたダンベル形状試験片(立体造形物)の引っ張
り特性、熱変形温度および体積収縮率を実施例5と同様
にして測定したところ、下記の表1に示すとおりであっ
た。
【0058】
【表1】
【0059】上記の表1の結果から、ウレタン化アクリ
ル化合物(I)およびラジカル重合性化合物を含む本発
明の光硬化性樹脂組成物を用いて、光硬化成形および光
造形を行った場合には、100℃以上の高い熱変形温度
を有していて耐熱性に優れ、しかも体積収縮率が小さく
て寸法精度がよく、その上力学的特性にも優れる成形品
および光造形物が得られることがわかる。
【0060】《参考例1》実施例1の(1)の反応にお
いて、モルホリンアクリルアミドを添加しなかった以外
は実施例1の(1)と全く同様にして反応を行い、次に
それにグリセリンアクリル酸メタクリル酸エステル(新
中村化学工業株式会社製「NKエステル701A」)4
28gを加えて、40〜50℃で30分間反応させた
後、さらに80〜90℃の温度で加熱反応させたとこ
ろ、著しいゲルが発生して、目的とするウレタン化アク
リル化合物(I)が得られなかった。この参考例1の結
果から、本発明のウレタン化アクリル化合物(I)を得
るためには、化合物(V)に有機ジイソシアネート(O
CN−A−NCO)を反応させてイソシアネート化合物
(II)を製造する工程をモルホリンアクリアミドなどの
塩基性媒体中で行う必要があることが判明した。
【0061】
【発明の効果】本発明の光硬化性樹脂組成物は、低粘度
の液状を呈していて取り扱い性に優れ、短い硬化時間で
硬化できるので、光照射法による各種の成形品、立体造
形物、その他の製品の製造に有効に使用することができ
る。そして、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いた場合
には、光硬化時の体積収縮率が小さいために、寸法精度
に優れる成形品や立体造形物を得ることができる。さら
に、本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化させて得られ
る成形品や立体造形物などの光硬化物は、100℃以上
の高い熱変形温度を有していて耐熱性に極めて優れてお
り、しかも引張強度、引張弾性率などが高く、力学的特
性にも優れている。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】
【数1】 体積収縮率(%)={(d−d)/d}×100 (1)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石濱 靖 和歌山県和歌山市有本687番地 新中村化 学工業株式会社内 (72)発明者 栢木 實 和歌山県和歌山市有本687番地 新中村化 学工業株式会社内 (72)発明者 中村 高之 和歌山県和歌山市有本687番地 新中村化 学工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i) 下記の一般式(I); 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、aは1〜3の
    整数であって、aが2のときは少なくとも1個のR1
    メチル基であり、Aは非置換のまたは置換された炭化水
    素基、Dは非置換のまたは置換された芳香族炭化水素
    基、R2およびR3はそれぞれ独立してアルキレン基を示
    す)で表されるウレタン化アクリル化合物の少なくとも
    1種; (ii) 前記のウレタン化アクリル化合物以外のラジカ
    ル重合性化合物;および、 (iii) 光重合開始剤;を含有する光硬化性樹脂組成
    物であって、(i)のウレタン化アクリル化合物:(i
    i)のラジカル重合性化合物の含有割合が80:20〜
    10:90(重量比)であることを特徴とする光硬化性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (i)のウレタン化アクリル化合物およ
    び(ii)のラジカル重合性化合物の合計重量に基づい
    て、光重合開始剤の含有割合が0.1〜10重量%であ
    る請求項1の光硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 光学的立体造形用樹脂組成物である請求
    項1または2の光硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項の光硬化性
    樹脂組成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造
    形物を製造する方法。
  5. 【請求項5】 下記の一般式(I); 【化2】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、aは1〜3の
    整数であって、aが2のときは少なくとも1個のR1
    メチル基であり、Aは非置換のまたは置換された炭化水
    素基、Dは非置換のまたは置換された芳香族炭化水素
    基、R2およびR3はそれぞれ独立してアルキレン基を示
    す)で表されるウレタン化アクリル化合物。
  6. 【請求項6】 下記の一般式(II); 【化3】 (式中、Aは非置換のまたは置換された炭化水素基、D
    は非置換のまたは置換された芳香族炭化水素基、R2
    よびR3はそれぞれ独立してアルキレン基を示す)で表さ
    れるイソシアネート化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008038541A1 (fr) * 2006-09-27 2008-04-03 Jsr Corporation Procédé de photofabrication
WO2008038540A1 (fr) * 2006-09-27 2008-04-03 Jsr Corporation Procédé de fabrication d'une coquille de moulage et procédé de fabrication de produit moulé

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