JP4315507B2 - 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4315507B2
JP4315507B2 JP00349999A JP349999A JP4315507B2 JP 4315507 B2 JP4315507 B2 JP 4315507B2 JP 00349999 A JP00349999 A JP 00349999A JP 349999 A JP349999 A JP 349999A JP 4315507 B2 JP4315507 B2 JP 4315507B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
resin composition
compound
group
photocurable resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP00349999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000204125A (ja
Inventor
順一 田村
恒夫 萩原
信 大竹
稔 篠田
利治 鈴木
龍彦 尾崎
靖 石濱
高之 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Nabtesco Corp
Original Assignee
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Nabtesco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Nakamura Chemical Co Ltd, Nabtesco Corp filed Critical Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Priority to JP00349999A priority Critical patent/JP4315507B2/ja
Priority to US09/478,462 priority patent/US6413698B1/en
Publication of JP2000204125A publication Critical patent/JP2000204125A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4315507B2 publication Critical patent/JP4315507B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/0037Production of three-dimensional images
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B33ADDITIVE MANUFACTURING TECHNOLOGY
    • B33YADDITIVE MANUFACTURING, i.e. MANUFACTURING OF THREE-DIMENSIONAL [3-D] OBJECTS BY ADDITIVE DEPOSITION, ADDITIVE AGGLOMERATION OR ADDITIVE LAYERING, e.g. BY 3-D PRINTING, STEREOLITHOGRAPHY OR SELECTIVE LASER SINTERING
    • B33Y70/00Materials specially adapted for additive manufacturing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/67Unsaturated compounds having active hydrogen
    • C08G18/675Low-molecular-weight compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L75/00Compositions of polyureas or polyurethanes; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L75/04Polyurethanes
    • C08L75/14Polyurethanes having carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C08L75/16Polyurethanes having carbon-to-carbon unsaturated bonds having terminal carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/027Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性樹脂組成物、該光硬化性樹脂組成物の製造方法、該光硬化性樹脂組成物を用いる立体造形物の製造方法および該光硬化性樹脂組成物で用いるウレタン化アクリル化合物に関する。より詳細には、本発明は、光硬化時の体積収縮率が小さくて寸法精度に優れており、しかも熱変形温度が高くて耐熱性に優れ、透明性、引張強度などの力学的特性に優れる成形品や立体造形物などを得ることのできる光硬化性樹脂組成物、該光硬化性樹脂組成物の製造方法、該光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形法によって造形物を製造する方法、並びに該光硬化性樹脂組成物で用いるウレタン化アクリル化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液状の光硬化性樹脂組成物は被覆剤(特にハードコート剤)、ホトレジスト、歯科用材料などとして広く用いられているが、近年、三次元CAGに入力されたデータに基づいて光硬化性樹脂組成物を立体的に光学造形する方法が特に注目を集めている。光学的立体造形技術に関しては、液状の光硬化性樹脂に必要量の制御された光エネルギーを供給して薄層状に硬化させ、その上に更に液状光硬化性樹脂を供給した後に制御下に光照射して薄層状に積層硬化させるという工程を繰り返すことによって立体造形物を製造する光学的立体造形法が特開昭56−144478号公報によって開示され、そしてその基本的な実用方法が更に特開昭60−247515号公報によって提案された。その後、光学的立体造形技術に関する多数の提案がなされており、例えば、特開昭62−35966号公報、特開平1−204915号公報、特開平2−113925号公報、特開平2−145616号公報、特開平2−153722号公報、特開平3−15520号公報、特開平3−21432号公報、特開平3−41126号公報などには光学的立体造形法に係る技術が開示されている。
【0003】
立体造形物を光学的に製造する際の代表的な方法としては、容器に入れた液状光硬化性樹脂組成物の液面に所望のパターンが得られるようにコンピューターで制御された紫外線レーザーを選択的に照射して所定の厚みに硬化させ、次にその硬化層の上に1層分の液状樹脂組成物を供給して同様に紫外線レーザーを照射して前記と同じように硬化させて連続した硬化層を形成させるという積層操作を繰り返して最終的な形状を有する立体造形物を製造する方法が挙げられ、一般に広く採用されている。この方法による場合は、造形物の形状がかなり複雑であっても簡単に且つ比較的短時間で目的とする立体造形物を製造することが出来るために近年特に注目を集めている。
【0004】
被覆剤、ホトレジスト、歯科用材料などに用いられる光硬化性樹脂組成物としては、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステルモノマーなどの硬化性樹脂に光重合開始剤を添加したものが広く用いられている。
また、光学的立体造形法で用いる光硬化性樹脂組成物としては、光重合性の変性(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、オリゴエステルアクリレート系化合物、エポキシアクリレート系化合物、エポキシ系化合物、ポリイミド系化合物、アミノアルキド系化合物、ビニルエーテル系化合物などの光重合性化合物の1種または2種以上を主成分としこれに光重合開始剤を添加したものが挙げられ、最近では、特開平1−204915号公報、特開平1−213304号公報、特開平2−28261号公報、特開平2−75617号公報、特開平2−145616号公報、特開平3−104626号公報、特開平3−114732号公報、特開平3−1147324号公報などに各種の改良技術が開示されている。
【0005】
光学的立体造形法で用いられる光硬化性樹脂組成物としては、取り扱い性、造形速度、造形精度などの点から、低粘度の液状物であること、硬化時の体積収縮が小さいこと、光硬化して得られる立体造形物の力学的特性が良好であることなどが必要とされている。近年、光学的立体造形物の需要および用途が拡大する傾向にあり、それに伴って用途によっては前記した諸特性と併せて、高い熱変形温度を有していて耐熱性に優れ、しかも透明性にも優れる立体造形物が求められてようになってきた。例えば、複雑な熱媒回路の設計に用いられる光学的立体造形物、複雑な構造の熱媒挙動の解析に用いられる光学的立体造形物などでは、光硬化時の体積収縮が小さく、熱変形温度が高く且つ透明性に優れるものが重要視されている。
【0006】
従来、耐熱性の向上した光学的立体造形物を得ることを目的として、光硬化性樹脂の分子中にベンゼン環を導入する方法や、光硬化物における架橋密度を増加させる方法などが検討されてきた。しかし、その場合でも高荷重下における熱変形温度が高くても70〜80℃程度であり、その耐熱性は充分なものではない。しかも、光硬化物の耐熱性を向上させようとすると、その一方で硬化時の体積収縮が大きくなって寸法精度の低下を招いており、耐熱性の向上および硬化時の体積収縮の低減という両方の性質を同時に満足する光硬化性樹脂組成物が求められている。一般的には、光硬化性樹脂組成物における架橋密度を増加すると耐熱性の向上が期待できるが、同時に架橋密度を増すことによって硬化時の体積収縮が大きくなるという傾向があり、耐熱性の向上と硬化時の体積収縮の低減とは二律背反の関係にあり、上記した従来の光硬化性樹脂組成物は二律背反の関係を十分には解消し得ないものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そのような状況下に、本発明者らは、耐熱性の向上と硬化時の体積収縮の低減との間の上記した二律背反の関係を打ち破るべく研究を続け、特定の充填材を特定の光硬化性樹脂組成物中に配合すると前記二律背反の関係が解消されることを見出して先に出願した(特開平9−227640号公報)。そして、この発明を踏まえて更に検討を重ねたところ、耐熱性の向上および硬化時の体積収縮の低減と併せて、強度および伸度が高くて靭性の一層向上した硬化物を与える光硬化性樹脂組成物の開発が実用上からも急務であることが判明した。
したがって、本発明の目的は、低粘度の液状を呈していて取り扱い性に優れ、短い光硬化時間で硬化でき、光で硬化した際に体積収縮が小さくて寸法精度に優れ、熱変形温度が高くて耐熱性に優れ、しかも透明性に優れると共に、より高い引張強度および伸度を有していて靭性に優れる成形品、立体造形物、その他の硬化物を生成することのできる光硬化性樹脂組成物およびその製造法を提供することである。
そして、本発明の目的は、上記の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形法によって造形物を製造する方法を提供することである。
更に、本発明の目的は、上記の光硬化性樹脂組成物で用いる新規なウレタンアクリル化合物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者らが研究を重ねた結果、特定の化学構造を有する新規なウレタン化アクリル化合物が上記の目的の達成に極めて有効であることを見出した。すなわち、該新規なウレタン化アクリル化合物に他のラジカル重合性化合物および光重合開始剤を加えると、粘度が低くて取り扱い性に優れる液状の光硬化性樹脂組成物が得られること、その光硬化性樹脂組成物に光を照射すると短い時間で硬化させ得ること、硬化時の体積収縮が小さくて所望の形状および寸法を有する立体造形物を高い寸法精度で製造できること、さらにその光硬化物は100℃を超える高い熱変形温度を有していて耐熱性に優れ、また透明性にも優れていること、しかも該光硬化物は極めて高い引張強度および伸びを有していて、極めて高い靭性を有することを見出した。
【0009】
さらに、本発明者らは、そのような新規なウレタン化アクリル化合物を含む光硬化性樹脂組成物において、それに固体微粒子およびウイスカーから選ばれる少なくとも1種の充填材を含有させると、それを光硬化して得られる成形品や造形物は、その良好な機械的強度を保ちながら、剛性を増し、且つより高い熱変形温度を有していて耐熱性に一層優れ、しかも光硬化時の体積収縮が一層低減されて寸法精度により優れることを見出した。
【0010】
そして、本発明者らは、前記した光硬化性樹脂組成物は光学的立体造形法だけではなく、光照射による硬化を伴う成形品の製造や他の用途にも有効に使用できることを見出した。
また、本発明者らは、前記した光硬化性樹脂組成物の製造に当たっては、その製造の初期の反応工程を、イソシアネート基と反応しないラジカル重合性化合物を希釈剤として用いて行うと、その製造反応を極めて円滑に行うことができ、しかもそれにより得られる生成物を該希釈剤を除去することなく本発明の光硬化性樹脂組成物の調製にそのまま直接使用できることを見出し、上記した種々の知見に基づいて本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、(i)下記の一般式(I);
【0012】
【化11】
(A)a−C−(R)4−a (I)
[式中、Rは水素原子またはアルキル基、aは3または4を示し、Aは下記の一般式(II)で表される基を示す;
【0013】
【化12】
Figure 0004315507
{式中、Dは式:−CH2CH2O−、式:−CH2CH(CH3)O−、式:−CH2CH2COO−または式:−(CH26COO−で表される基、Eは式:−CH2CH2O−、式:−CH2CH(CH3)O−、式:−COCH2CH2O−または式:−CO(CH26O−で表される基、Gは炭素数2〜5の脂肪族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族トリオールおよび脂環族トリオールから選ばれるジオールまたはトリオールのジオール残基またはトリオール残基、Jは2価または3価の非置換または置換された炭化水素基、Lは式:−(CH2CH2O)h−(式中hは1〜4の整数を示す)、式:−[(CH2CH(CH3)O]j−(式中jは1〜4の整数を示す)または式:−(CH2CH2O)k−[(CH2CH(CH3)O]m−(式中kおよびmはそれぞれ1〜3の整数であって、k+mが2、3または4である)で表される基を示し、bは0または1、cは0または1、dは0または1、eは0、1または2、fは0または1、gは1または2で、b+c+dが1、2または3であり、且つe+fが1または2である。}]
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)の少なくとも1種;
(ii) 前記のウレタン化アクリル化合物(I)以外のラジカル重合性化合物;
および、
(iii) 光重合開始剤;
を含有する光硬化性樹脂組成物であって、前記ウレタン化アクリル化合物(I):前記ラジカル重合性化合物の含有割合が80:20〜10:90(重量比)であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
【0014】
そして、本発明は、固体微粒子およびウイスカーから選ばれる少なくとも1種の充填材を更に含有することを特徴とうする上記(1)の光硬化性樹脂組成物である。
さらに、本発明は、 上記した光硬化性樹脂組成物からなる光学的立体造形用樹脂組成物である。
また、本発明は、上記の光学的立体造形用樹脂組成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造形物を製造する方法を包含する。
【0015】
そして、本発明は、下記の一般式(III);
【0016】
【化13】
Figure 0004315507
(式中、D、EおよびGはそれぞれ上記と同じ基を示し、b、c、d、eおよびfそれぞれは上記と同じ数を示し、b+c+dが1、2または3で、且つe+fが1または2である。)
で表される(メタ)アクリル酸エステル(III)および下記の一般式(IV);
【0017】
【化14】
J−(NCO)g+1 (IV)
(式中、Jは上記と同じ基を示し、gは1または2である。)
で表されるポリイソシアネート化合物(IV)を、ポリイソシアネート化合物(IV)における1個のイソシアネート基が残存するような量比で用いて、イソシアネート基に対して反応性を示さない他のラジカル重合性化合物からなる希釈剤の存在下または不存在下で、反応させて、下記の一般式(V);
【0018】
【化15】
Figure 0004315507
(式中、D、E、GおよびJはそれぞれ上記したと同じ基を示し、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれ上記と同じ数を示し、b+c+dが1、2または3で、且つe+fが1または2である。)
で表されるモノイソシアネート化合物(V)からなる反応生成物、または該モノイソシアネート化合物(V)と共に前記のラジカル重合性化合物を含む反応生成物を製造する工程;
(2) 前記の工程(1)で得られる反応生成物に対して、下記の一般式(VI);
【0019】
【化16】
(H−O−L−CH2)a−C−(R)4−a (VI)
(式中、RおよびLは上記と同じ基を示し、aは上記と同じ数を示す。)
で表されるポリオール化合物(VI)を、モノイソシアネート化合物(V)中の残存イソシアネート基とポリオール化合物(VI)中の水酸基が1:1で反応する割合で混合し、反応させて、下記の一般式(I);
【0020】
【化17】
(A)a−C−(R)4−a (I)
[式中、Rは前記と同じ基を示し、aは前記と同じ数を示し、Aは下記の一般式(II)で表される基を示す;
【0021】
【化18】
Figure 0004315507
(式中、D、E、G、JおよびLはそれぞれ上記と同じ基を示し、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれ前記と同じ数を示し、b+c+dが1、2または3で、且つe+fが1または2である。)]
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)からなる反応生成物、または該ウレタン化アクリル化合物(I)と共に前記のラジカル重合性化合物を含む反応生成物を製造する工程;および
(3) 前記の工程(2)で得られる反応生成物に対して、ラジカル重合性化合物を含まない場合またはラジカル重合性化合物の含有量が少ない場合は更に前記の工程(1)で用いたのと同じかまたは異なるラジカル重合性化合物の1種以上を混合してウレタン化アクリル化合物(I):全ラジカル重合性化合物=80:20〜10:90(重量比)にし、そして光重合開始剤を添加する工程;
からなることを特徴とする請求項1の光硬化性樹脂組成物の製造方法である。
【0022】
また、本発明は、下記の一般式(I);
【0023】
【化19】
(A)a−C−(R)4−a (I)
[式中、Rは上記と同じ基を示し、aは上記と同じ数を示し、Aは下記の一般式(II)で表される基を示す;
【0024】
【化20】
Figure 0004315507
(式中、D、E、G、JおよびLはそれぞれ上記と同じ基を示し、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれ前記と同じ数を示し、b+c+dが1、2または3で、且つe+fが1または2である。)]
で表されるウレタン化アクリル化合物である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の光硬化性樹脂組成物で用いる上記の一般式(I)で表されるウレタン化アクリル化合物(I)について説明する。
上記の一般式(I)で表されるウレタン化アクリル化合物(I)において、Rは水素原子またはアルキル基であり、Rがアルキル基である場合は炭素数1〜3のアルキル基であることが、耐熱性の点から好ましい。
また、ウレタン化アクリル化合物(I)において、aは3または4であり、したがってウレタン化アクリル化合物(I)は、基Aを1分子当たり3個または4個有し、バルキーな化合物である。
【0026】
ウレタン化アクリル化合物(I)において、基Aは上記の一般式(II)で表される基である。
ウレタン化アクリル化合物(I)中の基Aにおいて、基Dは、上述のように式:−CH2CH2O−で表される基(エチレンオキサイド基)、式:−CH2CH(CH3)O−で表される基(プロピレンオキサイド基)、式:−CH2CH2COO−で表される基(ヒドロキシプロピオン酸残基)または式:−(CH26COO−で表される基(カプロラクトン残基)である。また、基Eは、式:−CH2CH2O−で表される(エチレンオキサイド基)、式:−CH2CH(CH3)O−で表される基(プロピレンオキサイド基)、式:−COCH2CH2O−で表される基(ヒドロキシプロピオン酸残基)または式:−CO(CH26O−で表される基(カプロラクトン残基)である。
【0027】
ウレタン化アクリル化合物(I)中の基Aにおいて、b、cおよびdはそれぞれ0または1であって且つb+c+d=1、2または3である。それによって[すなわちウレタン化アクリル化合物(I)の基A中に基DおよびEが少なくとも1個、最大で3個存在することによって]、基DおよびEを持たない類似したウレタン化アクリル化合物を用いた場合に比べて、引張強度および伸びが一層高くて靭性に一層優れる光硬化物を得ることができる。
ウレタン化アクリル化合物(I)の基Aにおいて、b+c+dが2または3の場合は、基Aは2個の基D、1個の基Dと1個の基E、または2個の基Dと1個の基Eを有するが、それらの基は同じであってもまたは異なっていてもよい。
【0028】
基Aにおいて、eは0、1または2であり、fは0または1であって且つe+fが1または2である。そのため、1個の基Aは反応性の(メタ)アクリロイル基を1〜4個有し、ウレタン化アクリル化合物(I)全体では3〜16個の(メタ)アクリロイル基を有する。そのうちでも、e+fが2で、gが1または2、特に1で、aが3または4、特に4であるウレタン化アクリル化合物(I)が、耐熱性、高靭性の点から好ましく用いられる。
上記の一般式(II)においてeが0で且つfが2であるような基を有するウレタン化アクリル化合物は、合成上極めて有毒な、発癌性、皮膚刺激性のあるグリセリンジアクリレートを経由しなければならないために実質的に使用できず、そのためそのようなウレタン化アクリル化合物は、本発明のウレタン化アクリル化合物(I)の範疇から排除されている。
【0029】
一般的には、重合性化合物中にエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ヒドロキシプロピオン酸残基またはカプロラクトン残基が導入されると、それを重合して得られた重合物の耐熱性が低下するものと従来考えられてきたが、本発明では、ウレタン化アクリル化合物(I)における基A中に、基Dまたは基Eとして、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ヒドロキシプロピオン酸残基またはカプロラクトン残基を前記した所定の位置に且つ所定の数で導入することによって、耐熱性を維持しながら、強度および伸度の向上した光硬化物を生成することのできるウレタン化アクリル化合物(I)を得ることができたのであり、そのような効果は全く予想外のことであった。そのような効果が得られた理由は明確ではないが、基Dおよび/または基Eを構成するエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ヒドロキシプロピオン酸残基またはカプロラクトン残基による(メタ)アクリロイル基に対する重合活性化作用と光硬化物の分子構造の剛直性との競合によってもたらされたものと推測される。
一方、本発明のウレタン化アクリル化合物(I)の範囲から外れて、基Aにおいて、b、cおよびdのいずれかが2以上である場合は、そのような基を有するウレタン化アクリル化合物から得られる光硬化物は耐熱性が著しく低下し、目的とする光硬化物を得ることが困難になる。
【0030】
ウレタン化アクリル化合物(I)中の基Aにおける基Gは炭素数2〜5の脂肪族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族トリオールおよび脂環族トリオールから選ばれるジオールまたはトリオールのジオール残基またはトリオール残基(すなわち前記したジオールまたはトリオールから水酸基を除いた後の基)である。そのうちでも、基Gは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、スピログリコールなどのジオール残基、グリセリン、トリメチロールプロパン、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールなどのトリオール残基であるのが好ましく、エチレングリコールまたはグリセリンのアルコール残基であるのがより好ましく、グリセリンのアルコール残基であるのが更に好ましい。
【0031】
ウレタン化アクリル化合物(I)中の基Aにおける基Jは2価または3価の非置換または置換された炭化水素基であり、基Jが炭素原子数6〜20の非置換または置換された脂肪族、芳香族または脂環式の2価または3価の炭化水素基であるのが好ましい。
ウレタン化アクリル化合物(I)は、以下で詳述するように、上記の一般式(III)で示した(メタ)アクリル酸エステル(III)と上記の一般式(IV)で示したポリイソシアネート化合物(Iv)を用いて好ましく製造することができ、かかる点から、基Jはウレタン化アクリル化合物(I)を製造するのに用いたポリイソシアネート化合物、すなわちジイソシアネート化合物またはトリイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた2価または3価の残基であるのが好ましい。より具体的には、基Jの好ましい例としては、イソホロン基、トリレン基、4,4’−ジフェニルメタン基、ナフチレン基、キシリレン基、フェニレン基、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメタン基、トルイレン基、ヘキサメチレン基、4,4’−ジシクロヘキシルメタン基、水添化キシリレン基、水添化ジフェニルメタン基、トリフェニレンメタン基、テトラメチルキシレン基などを挙げることができる。そのうちでも、基Jがイソホロン基および/またはトリレン基であるのがより好ましく、その場合にはウレタン化アクリル化合物(I)を含む本発明の光硬化性樹脂組成物から得られる立体造形物や成形品などの光硬化物の硬化時の体積収縮率と耐熱性のバランスがとり易くなる。
【0032】
ウレタン化アクリル化合物(I)において、基Jが2価の炭化水素基である場合はg=1であり、また基Jが3価の炭化水素である場合はg=2になる。すなわち、ウレタン化アクリル化合物(I)を調製するのに、ポリイソシアネート化合物(III)として一般式;J−(NCO)2(式中Jは前記と同じ)で表されるジイソシアネート化合物を用いた場合はg=1となり、また一般式;J−(NCO)3(式中Jは前記と同じ)で表されるトリイソシアネート化合物を用いた場合はg=2となる。
【0033】
ウレタン化アクリル化合物(I)中の基Aにおいて、基Lは式:−(CH2CH2O)h−(式中hは1〜4の整数を示す)で表される(ポリ)エチレンオキサイド基、式:−[(CH2CH(CH3)O]j−(式中jは1〜4の整数を示す)で表される(ポリ)プロピレンオキサイド基または式:−(CH2CH2O)k−[(CH2CH(CH3)O]m−(式中kおよびmはそれぞれ1〜3の整数であってk+mが2、3または4である)で表される(ポリ)エチレンオキサイド−(ポリ)プロピレンオキサイド基である。基Lが前記の式で表される(ポリ)エチレンオキサイド基または(ポリ)プロピレンオキサイド基ではhまたはjがそれぞれ1〜3の整数であるのが好ましく、1または2であるのがより好ましい。また、基Lが前記の式で表される(ポリ)エチレンオキサイド−(ポリ)プロピレンオキサイド基である場合は、k+mが2または3であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。
特に、ウレタン化アクリル化合物(I)中の基Aにおける基Lが、式:−[(CH2CH(CH3)O]j−で表される(ポリ)プロピレンオキサイド基であって、jが1〜4、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2であるウレタン化アクリル化合物(I)を用いる場合は、比較的低粘度で取り扱い性に優れ、しかも硬化時の体積収縮がより小さく、且つ熱変形温度がより高くて耐熱性により優れる光硬化物を与える光硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0034】
基Lにおけるhまたはjが4よりも大きいウレタン化アクリル化合物(I)を使用する場合は、他のラジカル重合性化合物として適当なものを選択したとしても、光硬化物の熱変形温度が充分に高くならず、耐熱性が所望の水準に達しない。一方、基Lにおけるhおよび/またはjが0の場合は、耐熱性の向上は認められるものの、光硬化時の体積収縮が大きくて目的とする光硬化物を高い寸法精度で製造することができない。しかも、ウレタン化アクリル化合物を合成する際にゲル化が生じやすくなり、また得られるウレタン化アクリル化合物の粘度が異常に高くなって、本発明の光硬化性樹脂組成物に用いることができなくなる。
【0035】
限定されるものではないが、本発明の光硬化性樹脂組成物で用い得るウレタン化アクリル化合物(I)の例としては、次のものを挙げることができる。
▲1▼ 下記の式(VII):
【0036】
【化21】
{CH2=C(R1)COO−CH2CH2O−G−OOC−NH−J−NH−COO−L−CH24−C (VII)
(式中、R1は水素原子またはメチル基、G、J、Lは前記と同じ基を示す。)で表されるウレタン化アクリル化合物[1分子当たり4個の(メタ)アクリロイル基を含有]。
▲2▼ 下記の式(VIII):
【0037】
【化22】
{CH2=C(R1)COO−CH2CH2O−G−OOC−NH−J−NH−COO−L−CH23−C−R (VIII)
(式中、R1は水素原子またはメチル基、G、J、LおよびRは前記と同じ基を示す。)
で表されるウレタン化アクリル化合物[1分子当たり3個の(メタ)アクリロイル基を含有]。
▲3▼ 下記の式(IX):
【0038】
【化23】
Figure 0004315507
(式中、R1およびR2は水素原子またはメチル基、但しR1とR2が同時に水素原子ではない、G、JおよびLは前記と同じ基を示す。)
で表されるウレタン化アクリル化合物[1分子当たり8個の(メタ)アクリロイル基を含有]。
▲4▼ 下記の式(X):
【0039】
【化24】
[{CH2=C(R1)COO}2−G−O−CH2CH2O−OC−NH−J−NH−COO−L−CH24−C (X)
(式中、R1は水素原子またはメチル基で、2つのR1が同時に水素原子ではない、G、JおよびLは前記と同じ基を示す。)
で表されるウレタン化アクリル化合物[1分子当たり8個の(メタ)アクリレート基を含有]。
▲5▼ 下記の式(XI):
【0040】
【化25】
Figure 0004315507
(式中、R1およびR2は水素原子またはメチル基、但しR1とR2が同時に水素原子ではない、G、JおよびLは前記と同じ基を示す。)
で表されるウレタン化アクリル化合物[1分子当たり16個の(メタ)アクリロイル基を含有]。
▲6▼ 下記の式(XII):
【0041】
【化26】
Figure 0004315507
(式中、R1およびR2は水素原子またはメチル基、但しR1とR2が同時に水素原子ではない、G、J、LおよびRは前記と同じ基を示す。)
で表されるウレタン化アクリル化合物[1分子当たり12個の(メタ)アクリロイル基を含有]。
【0042】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記したウレタン化アクリル化合物(I)と共に、ウレタン化アクリル化合物(I)以外のラジカル重合性化合物(他のラジカル重合性化合物)(以下単に「ラジカル重合性化合物」ということがある)を含有する。ラジカル重合性化合物としては、光照射を行った際にウレタン化アクリル化合物(I)と反応して、またラジカル重合性化合物同士が反応して硬化物を形成することのできる炭素−炭素間不飽和結合を有するラジカル重合性化合物であればいずれも用いることが可能であるが、アクリル系化合物、アリル系化合物および/またはビニルラクタム類が好ましく用いられる。
【0043】
ラジカル重合性化合物は、単官能性化合物または多官能性化合物のいずれであってもよく、或いは単官能性化合物と多官能性化合物の両方を併用してもよい。さらに、ラジカル重合性化合物は低分子量のモノマーであっても、オリゴマーであっても、また場合によってはある程度分子量の大きいものであってもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物として、1種類のラジカル重合性化合物のみを含有していてもまたは2種以上のラジカル重合性化合物を含有していてもよい。
【0044】
限定されるものではないが、本発明の光硬化性樹脂組成物でラジカル重合性化合物として用い得るラジカル重合性化合物の例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)メタアクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類、モルホリン(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、N−ビニルカプロラクトン、スチレンなどの単官能性ラジカル重合性化合物;トリメチロープロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートなどの多官能性ラジカル重合性化合物を挙げることができる。
【0045】
また、上記したラジカル重合性化合物以外にも、光学的立体造形用樹脂組成物などで従来から用いられているエポキシ化合物、ウレタン化アクリル化合物(I)以外のウレタン化アクリル化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、他のエステル(メタ)アクリレートなどをラジカル重合性化合物として用いることができる。
【0046】
本発明の光硬化性樹脂組成物では、上記したラジカル重合性化合物を単独で用いてもまたは2種以上併用してもよい。そして、上記した種々のラジカル重合性化合物のうちでも、本発明の光硬化性樹脂組成物では、モルホリン(メタ)アクリルアミド、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタムがより好ましく用いられ、その場合には、光で硬化した際に、体積収縮率がより小さくて寸法精度により優れ、熱変形温度が高くて耐熱性に優れ、しかも透明性、剛性に優れる成形品や立体造形物、更にはその他の硬化物にすることのできる光硬化性樹脂組成物が得られる。
【0047】
本発明の光硬化性樹脂組成物では、ウレタン化アクリル化合物(I):ラジカル重合性化合物の含有割合が、重量比で、80:20〜10:90であることが必要であり、65:35〜25:75であるのが好ましく、60:40〜35:65であるのがより好ましい。光硬化性樹脂組成物において、ウレタン化アクリル化合物(I)の割合がウレタン化アクリル化合物(I)とラジカル重合性化合物の合計重量に基づいて10重量%未満であると、光で硬化した際に耐熱性および剛性に優れる成形品や立体造形物などの硬化物が得られなくなり、一方80重量%を超えると光硬化時の体積収縮率が大きくなって寸法精度が低下し、しかも光硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、取り扱い性、成形性、造形性が低下し、特に光学的立体造形法で用いる場合に目的とする立体造形物を円滑に製造できなくなる。
【0048】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記したウレタン化アクリル化合物(I)および他のラジカル重合性化合物と共に、光重合開始剤を含有している。光重合開始剤としては光硬化性樹脂組成物において従来から用いられている光ラジカル重合開始剤であればいずれも使用でき特に制限されない。限定されるものではないが、本発明の光硬化性樹脂で用い得る光重合開始剤の例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトノ、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラースケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾールなどを挙げることができる。
【0049】
ラジカル重合性化合物として、ラジカル重合性の基と共にエポキシ基などのカチオン重合性の基を有する化合物を用いる場合は、上記した光ラジカル重合開始剤と共に光カチオン重合開始剤を併用してもよく、その場合の光カチオン重合開始剤の種類も特に制限されず、従来既知のものを使用することができる。
【0050】
光重合開始剤の使用量は、ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物の種類、光重合開始剤の種類などに応じて変わり得るが、一般に、ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物の合計重量に基づいて、0.1〜10重量%であるのが好ましく、1〜5重量%であるのがより好ましい。
【0051】
本発明のウレタン化アクリル化合物(I)の製法、および該ウレタン化アクリル化合物(I)を含む本発明の光硬化性樹脂組成物の製造法は特に限定されないが、本発明のウレタン化アクリル化合物(I)およびそれを含む光硬化性樹脂組成物は以下の方法で好ましく製造することができる。
【0052】
《ウレタン化アクリル化合物(I)およびそれを含む光硬化性樹脂組成物の代表的な製法例》
工程(1)
まず、下記の一般式(III);
【0053】
【化27】
Figure 0004315507
[式中、D、EおよびGは上記と同じ基を示し、b、c、d、eおよびfは上記と同じ数であって、b+c+dが1、2または3であり且つe+fが1または2である。]]
で表される(メタ)アクリル酸エステル(III)および下記の一般式(IV);
【0054】
【化28】
J−(NCO)g+1 (IV)
(式中、Jは上記と同じ基を示し、gは1または2を示す。)
で表されるポリイソシアネート化合物(IV)を、ポリイソシアネート化合物(IV)における1個のイソシアネート基が残存するような量比で用いて、イソシアネート基に対して反応性を示さない他のラジカル重合性化合物からなる希釈剤の存在下または不存在下で、反応させて、下記の一般式(V);
【0055】
【化29】
Figure 0004315507
(式中、D、E,GおよびJはそれぞれ上記したと同じ基を示し、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれ上記したと同じ数であり、b+c+dが1、2または3で、且つe+fが1または2である。)
で表されるモノイソシアネート化合物(V)を製造する。
【0056】
この工程(1)において、ポリイソシアネート化合物(IV)がジイソシアネート化合物である場合は、ジイソシアネート化合物1モルに対して、(メタ)アクリル酸エステル(III)を約1.0〜1.2モル程度の割合で反応させると、上記一般式(V)においてg=1であるモノイソシアネート化合物(V)を得ることができる。また、ポリイソシアネート化合物(IV)がトリイソシアネート化合物である場合は、トリイソシアネート化合物1モルに対して(メタ)アクリル酸エステル(III)を2.0〜2.4モル程度の割合で反応させると、上記一般式(V)においてg=2であるモノイソシアネート化合物(V)を得ることができる。
【0057】
そして、この工程(1)で用いるポリイソシアネート化合物(IV)は上記の一般式(IV)の範疇に包含されるジイソシアネート化合物またはトリイソシアネート化合物であればいずれでもよく特に制限されない。そのうちでも、ポリイソシアネート化合物(IV)の好ましい例としては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げることができ、これらのイソシアネート化合物は単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよい。上記したイソシアネート化合物のうちでも、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが特に好ましく用いられ、その場合には本発明の光硬化性樹脂組成物より得られる立体造形物などの光硬化物における光硬化時の体積収縮率と耐熱性のバランスがとり易くなる。
【0058】
モノイソシアネート化合物(V)を製造するためのこの工程(1)は、従来既知のウレタン化触媒、例えば有機錫触媒、3級アミン触媒などを用いて、40〜100℃の温度で(メタ)アクリル酸エステル(III)とポリイソシアネート化合物(IV)を反応させるのが好ましい。
【0059】
更に、この工程(1)は、(メタ)アクリル酸エステル(III)とポリイソシアネート化合物(IV)を希釈剤を用いずにそのまま直接反応させてもまたは希釈剤を用いて反応を行ってもよい。そのうちでも、この工程(1)で原料成分として用いる(メタ)アクリル酸エステル(III)およびこの工程(1)で得られるモノイソシアネート化合物(V)が一般にかなり高い粘度を有していることが多いことから、イソシアネート基と反応しない適当な希釈剤を用いて工程(1)の反応を行うのが好ましく、希釈剤を用いると反応成分の加熱、混合が一層均一に行われて反応が円滑に進行して、目的とするモノイソシアネート化合物(V)を低粘度で得ることができる。希釈剤の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル(III)、ポリイソシアネート化合物(IV)および希釈剤の種類などによって変わり得るが、一般に、(メタ)アクリル酸エステル(III)およびポリイソシアネート化合物(IV)の合計重量に基づいて、約10〜65重量%程度とするのがよい。
【0060】
希釈剤の種類としては、(メタ)アクリル酸エステル(III)およびポリイソシアネート化合物(IV)を溶解することができ且つイソシアネート基と反応しない有機溶媒であればいずれも使用できる。そのうちでも、本発明の光硬化性樹脂組成物で他のラジカル重合性化合物として用いる上記したラジカル重合性化合物のうちから、イソシアネート基と反応しないラジカル重合性化合物を選んで希釈剤として用いるのが特に望ましい。
そして、イソシアネート基と反応しないラジカル重合性化合物を希釈剤として用いる場合は、希釈剤を反応生成物から除去する必要がなくなり、ラジカル重合性化合物からなる希釈剤を含む反応生成物を、ウレタン化アクリル化合物(I)を製造するための次の工程(2)にそのまま使用することができ、該工程(2)においても希釈剤が反応の円滑な進行に寄与するので特に望ましい。そして、次の工程(2)で得られるウレタン化アクリル化合物(I)とラジカル重合性化合物を含む反応生成物も、そのまま本発明の光硬化性樹脂組成物の製造に直接使用することができる。
【0061】
この工程(1)でラジカル重合性化合物を希釈剤として使用する場合は、ラジカル重合性化合物からなる希釈剤の量は、後記する工程(3)で最終的に得られる光硬化性樹脂組成物で用いられるラジカル重合性化合物の一部であってもまたは全量であってもよく、要するに、この工程(1)の反応が円滑に進行し、且つ目的とする光硬化性樹脂組成物におけるラジカル重合性化合物の許容範囲を超えない量とすればよい。
限定されるものではないが、工程(1)で好ましく用いられる希釈剤の例としては、モルホリンアクリルアミド、ジシクロペンタニルジアクリレート、フェノキシジエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタムなどのラジカル重合性化合物を挙げることができ、これらの希釈剤は単独で用いてもまたは2種以上を併用してもよい。そのうちでも、モルホリンアクリルアミド、ジシクロペンタニルジアクリレートがより好ましく用いられる。
【0062】
工程(2)
次に、上記した工程(1)で得られる上記の一般式(V)で表されるモノイソシアネート化合物(V)からなる反応生成物に対して、または該モノイソシアネート化合物(V)と共にラジカル重合性化合物などの希釈剤を含む反応生成物に対して、下記の一般式(VI);
【0063】
【化30】
(H−O−L−CH2)a−C−(R)4−a (VI)
(式中、LおよびRは上記したと同じ基を示し、aは上記したと同じ数を示す。)
で表されるポリオール化合物(VI)を、モノイソシアネート化合物(V)中の残存イソシアネート基とポリオール化合物(VI)中の水酸基が1:1で反応する割合で混合し、反応させて、下記の一般式(I);
【0064】
【化31】
(A)a−C−(R)4−a (I)
[式中、Rは前記と同じ基を示し、aは前記と同じ数を示し、Aは下記の一般式(II)で表される基を示す;
【0065】
【化32】
Figure 0004315507
(式中、D、E G、JおよびLはそれぞれ前記と同じ基を示し、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれ前記と同じ数を示し、b+c+dが1、2または3で、且つe+fが1または2である。)
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)を生成させるかまたはウレタン化アクリル化合物(I)と共にラジカル重合性化合物を含む反応生成物を製造する。
【0066】
この工程(2)において、ポリオール化合物(VI)がトリオール化合物(a=3)である場合は、該トリオール化合物1モルに対してモノイソシアネート化合物(V)を約3.0〜3.6モル程度の割合で反応させると、上記一般式(I)においてa=3であるウレタン化アクリル化合物(I)を得ることができる。また、ポリオール化合物(VI)がテトラオール化合物(a=4)である場合は、該テトラオール化合物1モルに対してモノイソシアネート化合物(V)を約4.0〜4.8モル程度の割合で反応させると、上記一般式(I)においてr=4であるウレタン化アクリル化合物(I)を得ることができる。
【0067】
ポリオール化合物(VI)としては、上記の一般式(VI)を満足するポリオール化合物であればいずれでもよく特に制限されないが、代表例としては、ペンタエリスリトールの4個の水酸基に対してそれぞれ1〜4モルのエチレンオキサイドが付加しているペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールの4個の水酸基に対してそれぞれ1〜4モルのプロピレンオキサイドが付加しているペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールの4個の水酸基に対してそれぞれ1〜4モルのエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加しているペンタエリスリトールエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンの3個の水酸基に対してそれぞれ1〜4モルのエチレンオキサイドが付加しているトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンの3個の水酸基に対してそれぞれ1〜4モルのプロピレンオキサイドが付加しているトリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンの3個の水酸基に対してそれぞれ1〜4モルのエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドが付加しているトリメチロールプロパンエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物などを挙げることができる。
【0068】
ウレタン化アクリル化合物(I)を製造するためのこの工程(2)を、必要に応じてカチオン触媒、アニオン触媒、有機錫触媒などを用いて、一般に40〜100℃の温度で反応を行うと、目的とするウレタン化アクリル化合物(I)を効率よく得ることができる。また場合によっては、上記の工程(1)で用いたのと同様の希釈剤をこの工程(2)でさらに加えて反応を行ってもよい。そして、この工程(2)において、ウレタン化アクリル化合物(I)が得られるか、またはウレタン化アクリル化合物(I)と共にラジカル重合性化合物を含む反応生成物が得られる。
【0069】
この工程(2)で得られるウレタン化アクリル化合物(I)は、ウレタン化アクリル化合物(I)における基AおよびRの種類並びにaの数、特にウレタン化アクリル化合物(I)中の基Aにおける基D、E、G、JおよびLの種類、b、c、d、e、fおよびgの数などによってその性状等が異なってくるが、一般に常温では低粘度の液状〜高粘度の液状を呈しており、特にこの工程(2)においてウレタン化アクリル化合物(I)とラジカル重合性化合物との混合物の形態で得られる反応生成物は、低粘度〜中粘度の液状を呈しており、取り扱い性に優れている。
【0070】
工程(3)
そして、上記の工程(2)で得られるウレタン化アクリル化合物(I)からなる反応生成物、またはウレタン化アクリル化合物(I)と共にラジカル重合性化合物を含む反応生成物を用いて、この工程(3)で本発明の光硬化性樹脂組成物を製造する。その際に、光硬化性樹脂組成物は以下の▲1▼〜▲4▼のいずれかの方法により製造することができる。
【0071】
▲1▼ 前記の工程(2)で得られる反応生成物がラジカル重合性化合物を含んでおらずウレタン化アクリル化合物(I)のみからなる場合は、この工程(3)において、ウレタン化アクリル化合物(I)以外の他のラジカル重合性化合物の1種または2種以上を、ウレタン化アクリル化合物(I):他のラジカル重合性化合物=80:20〜10:90(重量比)になるような量で混合し、そして光重合開始剤を添加して本発明の光硬化性樹脂組成物を製造する。
▲2▼ 前記の工程(2)で得られる反応生成物がウレタン化アクリル化合物(I)と共にラジカル重合性化合物以外の希釈剤を含んでいる場合は、この工程(3)において希釈剤を除去した後、ウレタン化アクリル化合物(I)に他のラジカル重合性化合物の1種または2種以上を、ウレタン化アクリル化合物(I):他のラジカル重合性化合物=80:20〜10:90(重量比)になるような量で混合し、そして光重合開始剤を添加して本発明の光硬化性樹脂組成物を製造する。
▲3▼ 前記の工程(2)で得られる反応生成物がウレタン化アクリル化合物(I)と共にラジカル重合性化合物(希釈剤)を含んでいて且つラジカル重合性化合物の含有量が最終目的とする光硬化性樹脂組成物におけるラジカル重合性化合物の含有量に既になっている場合は、それに光重合開始剤を直接添加して、ウレタン化アクリル化合物(I):他のラジカル重合性化合物=80:20〜10:90(重量比)である本発明の光硬化性樹脂組成物を製造する。
▲4▼ 前記の工程(2)で得られる反応生成物がウレタン化アクリル化合物(I)と共にラジカル重合性化合物(希釈剤)を含んでいるが、ラジカル重合性化合物の含有量が最終目的とする光硬化性樹脂組成物におけるラジカル重合性化合物の含有量よりも少ない場合は、他のラジカル重合性化合物の1種または2種以上を、ウレタン化アクリル化合物(I):全ラジカル重合性化合物=80:20〜10:90(重量比)になるような量で追加混合し、そして光重合開始剤を添加して本発明の光硬化性樹脂組成物を製造する。
【0072】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記した成分と共に、必要に応じて、固体微粒子およびウイスカーから選ばれる少なくとも1種の充填材を含有することができる。固体微粒子およびウイスカーから選ばれる充填材を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物では、その光硬化時の体積収縮が一層低減されて、寸法精度に一層優れる成形品や造形物が得られる。しかも、固体微粒子およびウイスカーから選ばれる少なくとも1種の充填材を含有する光硬化性樹脂組成物を光硬化して得られる成形品および造形物などは、その良好な機械的特性を保ちながら、極めて高い熱変形温度を有する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、固体微粒子およびウイスカーから選ばれる充填材のうちの1種類のみを含有していても、または2種以上を含有していてもよい。すなわち、本発明の光硬化性樹脂組成物は、1種または2種以上の固体微粒子のみを含有していても、1種または2種以上のウイスカーのみを含有していても、或いは1種または2種以上の固体微粒子と1種または2種以上のウイスカーの両方を含有していてもよい。そして、本発明の光硬化性樹脂組成物が固体微粒子とウイスカーの両方を含有する(すなわち1種または2種以上の固体微粒子と1種または2種以上のウイスカーとを含有する)場合には、光硬化時の体積収縮が一層小さくなり、しかも光硬化物の熱変形温度が極めて高くなり、寸法精度および耐熱性に一層優れる成形品や造形物などの光硬化物を得ることができる。
【0073】
光硬化性樹脂組成物中に固体微粒子およびウイスカーから選ばれる充填材を含有させる場合は、充填材の含有量(2種以上を含有する場合はその合計含有量)は、固体微粒子やウイスカーの種類や形態などに応じて調節し得るが、一般には、固体微粒子および/またはウイスカーを含有させる前の光硬化性樹脂組成物の容量に基づいて、3〜70容量%であるのが好ましく、20〜65容量%であるのがより好ましく、30〜60容量%であるのが更に好ましい。
特に、本発明の光硬化性樹脂組成物がウイスカーを含有せずに固体微粒子のみを含有する場合は、固体微粒子の含有量を、それを含有させる前の光硬化性樹脂組成物の容量に基づいて3〜70容量%とするのが好ましい。また、本発明の光硬化性樹脂組成物が固体微粒子を含有せずにウイスカーのみを含有する場合は、ウイスカーの含有量を、それを含有させる前の光硬化性樹脂組成物の容量に基づいて3〜30容量%とするのが好ましい。
光硬化性樹脂組成物中における固体微粒子およびウイスカーの含有量を上記した範囲にすることによって、寸法精度および耐熱性に一層優れる成形品や造形物が得られるようになる。一方、固体微粒子およびウイスカーの含有量が上記した上限範囲を超えると、光硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、取り扱い性、光硬化時の操作性などが不良になるので注意を要する。
【0074】
光硬化性樹脂組成物中に含有させる固体微粒子としては、滑らかな表面を有していて光照射時(エネルギー線照射時)に乱反射を生じにくく、しかも光硬化して得られる成形品や造形物などの光硬化物が使用される温度で分解や変質などの生じないような無機固体微粒子および有機重合体固体微粒子が好ましく用いられる。特に、固体微粒子として、下記の数式(1)で表される真球度の相対標準偏差値が0.5以下であるような、滑らかな球状を有する固体微粒子、特に真球状の固体微粒子を使用するのが好ましい。前記した相対標準偏差値が0.5以下である固体微粒子を用いた場合には、光硬化性樹脂組成物を光硬化させる際に照射光(照射エネルギー線)が固体微粒子によって乱反射させるのが防止されて光硬化を均一に行われ、寸法精度により優れる光硬化物を得ることができ、しかも光硬化性樹脂組成物の過度の粘度上昇が防止される。
【0075】
【数1】
Figure 0004315507
【0076】
固体微粒子は、強化能、造形性、寸法精度などのバランスの点から、その平均粒径が3〜70μmであるのが好ましく、10〜60μmであるのがより好ましく、15〜50μmであるのが更に好ましい。固体微粒子の平均粒径が3μm未満であると光硬化性樹脂組成物の粘度が過度に高くなり易く、一方70μmを超えると照射時に活性エネルギーの散乱を生じて成形品や造形物などの光硬化物の寸法精度が低いものになり易い。
固体微粒子は透明なものであっても、または不透明なものであってもよく、目的とする成形品や造形物の種類や用途などに応じて選択すればよい。
耐熱性の向上をはかりながら、透明性にも優れる光硬化物を得るためには、固体微粒子をサブミクロンの極めて小さな微粒子状にして、適当な表面処理を施して光硬化性樹脂組成物中に安定に分散せしめ、光硬化性樹脂組成物の粘度の上昇を抑制するようにすることも可能である。
【0077】
本発明で好ましく用い得る固体微粒子としては、例えば、ガラスビーズ、タルク微粒子、酸化ケイ素微粒子などの無機固体微粒子;架橋ポリスチレン系微粒子、架橋型ポリメタクリレート系微粒子、ポリエチレン系微粒子、ポリプロピレン系微粒子などを挙げることができ、これらの固体微粒子は単独で使用しても、2種以上を併用しても、またはウイスカーと併用してもよい。
【0078】
また、固体微粒子として、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシランなどのシラン系カップリング剤の1種または2種以上を用いて処理したものを用いると、光硬化して得られる硬化物の機械的強度が向上する場合が多く好ましい。シランカップリング剤処理を施したポリエチレン系固体微粒子および/またはポリプロピレン系固体微粒子を光硬化性樹脂組成物中に含有させる場合は、アクリル酸系化合物を1〜10重量%程度共重合させたポリエチレン系固体微粒子および/またはポリプロピレン系固体微粒子を用いるとシランカップリング剤との親和性が高くなるので好ましい。
【0079】
上記した固体微粒子を光硬化性樹脂組成物中に配合すると流動粘性的にチキソトロピック性が観察されることがあるが、その場合には、リン酸系界面活性剤を用いることによってチキソトロピック性を排除することができる。その際のリン酸系界面活性剤としては、酸性リン酸エステルとモノアミンとの塩よりなる界面活性剤が好ましく用いられ、例えば、酸性リン酸エステルのモノエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、モルホリン、ピリジン、それらの混合物の塩を挙げることができる。リン酸系界面活性剤の添加量は、固体微粒子の重量に対して0.01〜1重量%程度とするのが好ましい。
【0080】
また、光硬化性樹脂組成物中にウイスカーを含有させる場合は、径が0.3〜1μm、長さが10〜70μmおよびアスペクト比が10〜100であるウイスカーを用いるのが好ましく、径が0.3〜0.7μm、長さが20〜50μmおよびアスペクト比が20〜70のであるウイスカーを用いるのがより好ましい。ウイスカーのアスペクト比が10未満の場合は、ウイスカーを含有させたことによる機械的特性の向上効果、体積収縮の低減効果などが得られにくくなり、しかも光硬化性樹脂組成物の粘度の上昇を招き易い。
一方、ウイスカーのアスペクト比が大きくなれば機械的強度の教条および体積収縮の低減効果が期待されるが、アスペクト比があまり大きくなると光硬化性樹脂組成物の粘度上昇、流体弾性の上昇などを生じて、造形操作などが困難となったり、得られる光硬化物の寸法精度の低下、特に光硬化物における側面の寸法精度の低下などを生じ易くなるので、アスペクト比が100以下であるのが好ましく、70以下であるのがより好ましい。
【0081】
本発明で好ましく用い得るウイスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム系化合物、水酸化硫酸マグネシウム系化合物、酸化アルミニウム、酸化チタン系化合物、酸化珪素系化合物などよりなるウイスカーを挙げることができ、これらのウイスカーは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、ウイスカーを、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシランなどのシラン系カップリング剤のうちの1種または2種以上で処理しておくと、光硬化して得られる硬化物の機械的強度が向上する場合が多く好ましい。
【0082】
本発明の光硬化性樹脂組成物中に固体微粒子およびウイスカーから選ばれる少なくとも1種の充填材を含有させる場合は、上記した工程(3)で得られる光硬化性樹脂組成物中に、固体微粒子およびウイスカーのうちの少なくとも1種を添加して、均一に混合すればよい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外にも、必要に応じて、レベリング剤、界面活性剤、有機高分子改質剤、有機可塑剤などを含有していてもよい。
【0083】
本発明の光硬化性樹脂組成物の粘度は、用途や使用態様などに応じて調節し得るが、一般に、回転式B型粘度計を用いて測定したときに、常温(25℃)において、その粘度が100〜100000センチポイズ(cp)程度であるのが取り扱い性、成形性、立体造形性などの点から好ましく、300〜50000cp程度であるのがより好ましい。特に、本発明の光硬化性樹脂組成物を光学的立体造形に用いる場合は、上記した常温における粘度を300〜50000cpの範囲にしておくのが、光学的に立体造形物を製造する際の取り扱い性が良好になり、しかも目的とする立体造形物を高い寸法精度で円滑に製造することができる点から望ましい。光硬化性樹脂組成物の粘度の調節は、ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物の種類の選択、それらの配合割合の調節などによって行うことができる。
【0084】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光を遮断し得る状態に保存した場合には、通常、10〜40℃の温度で、約6〜18ケ月の長期に亙って、その変性や重合を防止しながら良好な光硬化性能を保ちながら保存することができる。
【0085】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、その特性、特に光で硬化した際に体積収縮率が小さくて寸法精度に優れ、しかも高い熱変形温度を有していて耐熱性に優れ、かつ透明性に優れる成形品、立体造形物、その他の硬化物が得られるという特性を活かして種々の用途に使用することができ、例えば、光学的立体造形法による立体造形物の製造、流延成形法や注型などによる膜状物や型物などの各種成形品の製造、被覆用などに用いることができる。
【0086】
そのうちでも、本発明の光硬化性樹脂組成物は、光学的立体造形法で用いるのに適しており、その場合には、光硬化時の体積収縮率を小さく保ちながら、寸法精度に優れ且つ耐熱性、剛性および透明性に優れる立体造形物を円滑に製造することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行うに当たっては、従来既知の光学的立体造形方法および装置のいずれもが使用できる。そのうちでも、本発明では、樹脂を硬化させるための光エネルギーとして、Arレーザー、He−Cdレーザー、キセノンランプ、メタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯などからは発生される活性エネルギー光線を用いるのが好ましく、レーザー光線が特に好ましく用いられる。活性エネルギー光線としてレーザー光線を用いる場合は、エネルギーレベルを高めて造形時間を短縮することが可能であり、しかもレーザー光線の良好な集光性を利用して、造形精度の高い立体造形物を得ることができる。
【0087】
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行うに当たっては、従来既知の方法や従来既知の光造形システム装置のいずれもが採用でき特に制限されないが、本発明で好ましく用いられる光学的立体造形法の代表例としては、光エネルギー吸収剤を含有する液状の光硬化性樹脂組成物に所望のパターンを有する硬化層が得られるように活性エネルギー光線を選択的に照射して硬化層を形成し、次いでその硬化層に未硬化液状の光硬化性樹脂組成物を供給し、同様に活性エネルギー光線を照射して前記の硬化層と連続した硬化層を新たに形成する積層する操作を繰り返すことによって最終的に目的とする立体的造形物を得る方法を挙げることができる。
それによって得られる立体造形物はそのまま用いても、また場合によっては更に光照射によるポストキュアや熱によるポストキュアなどを行って、その力学的特性や形状安定性などを一層高いものとしてから使用するようにしてもよい。
【0088】
その際に立体造形物の構造、形状、サイズなどは特に制限されず、各々の用途に応じて決めることができる。そして、本発明の光学的立体造形法の代表的な応用分野としては、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、鋳型を制作するための樹脂型、金型を制作するためのベースモデル、試作金型用の直接型などの作製などを挙げることができる。より具体的には、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデルなどの製作を挙げることができる。特にその良好な耐熱性および透明性という特性を活かして、高温部品の試作、例えば複雑な熱媒回路の設計、複雑な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品の製造などに極めて有効に使用することができる。
【0089】
【実施例】
以下で実施例などによって本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例によって何ら限定されない。
【0090】
《合成例1》[ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物を含む反応生成物の製造]
(1) アクリル酸ダイマー(東亞合成株式会社製「アロニックスm−566」)187.2g(1.3モル)およびグリシジルメタクリレート142g(1.0モル)を四つ口フラスコに入れ、触媒としてトリエチルアミンを33g、重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.28gを添加し、80〜85℃にて撹拌しながら5時間反応を行った。反応生成物にトルエン420gを加え、15%苛性ソーダ水溶液88gで洗浄し、次いで水100mlで洗浄を行った。次に、1N塩酸300mlで洗浄し、その後水100mlで中性になるまで洗浄を繰り返した。次に、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧下で溶剤を除去して、下記の化学式(XIII)で表されるグリセリンの(メタ)アクリレート化合物(XIII)を得た。
【0091】
【化33】
Figure 0004315507
【0092】
(2) 攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート888g、モルホリンアクリルアミド906gおよびジブチル錫ジラウレート1.0gを仕込んでオイルバスで内温が80〜90℃になるように加熱した。
(3) 上記(1)で得られたグリセリンの(メタ)アクリレエート化合物(XIII)1161gに、メチルヒドロキノン0.7gを均一に混合溶解させた液を予め50℃に保温しておいた側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(2)のフラスコ中の内容物に、窒素雰囲気下でフラスコ内容物の温度を80〜90℃に保ちながら撹拌下に滴下混合して、同温度で2時間撹拌して反応させた。
【0093】
(4) 次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド4モル付加物(ペンタエリスリトールの4個の水酸基にプロピレンオキサイドをそれぞれ1モル付加したもの)366gを素早く滴下して加え、フラスコ内容物の温度を80〜90℃に保って4時間反応させて、ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物(モルホリンアクリルアミド)を含む反応生成物を製造し、得られた反応生成物を温かいうちにフラスコから取り出した。
(5) その結果得られた反応生成物は、無色で常温(25℃)で粘稠な液状を呈していた。この合成例1で得られた反応生成物中に含まれるウレタン化アクリル化合物(I)は、下記の化学式(XIV)において、J1がイソホロン基であり、nが1であるウレタン化アクリル化合物である。
【0094】
【化34】
Figure 0004315507
【0095】
《合成例2》[ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物を含む反応生成物の製造]
(1) 攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート696g、モルホリンアクリルアミド906gおよびジブチル錫ジラウレート1.0gを仕込んでオイルバスで内温が80〜90℃になるように加熱した。
(2) 合成例1の(1)で得られたグリセリンの(メタ)アクリレート化合物(XIII)1161gに、メチルヒドロキノン0.7gを均一に混合溶解させた液を予め50℃に保温しておいた側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物に、窒素雰囲気下でフラスコ内容物の温度を80〜90℃に保ちながら撹拌下に滴下混合して、同温度で2時間撹拌して反応させた。
(3) 次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド4モル付加物(ペンタエリスリトールの4個の水酸基にプロピレンオキサイドをそれぞれ1モル付加したもの)366gを素早く滴下して加え、フラスコ内容物の温度を80〜90℃に保って4時間反応させて、ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物(モルホリンアクリルアミド)を含む反応生成物を製造し、得られた反応生成物を温かいうちにフラスコから取り出した。
(4) その結果得られた反応生成物は、無色で常温(25℃)で粘稠な液状を呈していた。この合成例2で得られた反応生成物中に含まれるウレタン化アクリル化合物(I)は、上記の化学式(XIV)において、J1がトリレン基であり、nが1であるウレタン化アクリル化合物である。
【0096】
《合成例3》[ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物を含む反応生成物の製造]
(1) 上記の合成例1の(2)および(3)と全く同様に行って、反応物を得た。
(2) 次いで、上記(1)で得られたフラスコ内の反応物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド8モル付加物(ペンタエリスリトールの4個の水酸基にプロピレンオキサイドを平均でそれぞれ2モル付加したもの)578gを素早く滴下して加え、フラスコ内容物の温度を80〜90℃に保って4時間反応させて、ウレタン化アクリル化合物およびラジカル重合性化合物(モルホリンアクリルアミド)を含む反応生成物を製造し、得られた反応生成物を温かいうちにフラスコから取り出した。
(3) その結果得られた反応生成物は、無色で常温(25℃)で粘稠な液状を呈していた。この合成例3で得られた反応生成物中に含まれるウレタン化アクリル化合物は、上記の上記の化学式(XIV)において、J1がイソホロン基であり、nが2であるウレタン化アクリル化合物である。
【0097】
《合成例4》[ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物を含む反応生成物の製造]
(1) 攪拌機、冷却管および側管付き滴下ロートを備えた内容量2リットルの反応器に、グリセリンモノメタクリレートモノアクリレート856g(4モル)と採り、p−ベンゾキノン(安定剤)0.11gと、三フッ化ホウ素トリエーテラート(触媒)3.0gを添加し、撹拌下に40℃まで加温した。ここに、プロピレンオキサイド255g(4.4モル)を内温が90℃を越えないように注意しながら2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに80℃に1時間保ってから60℃に冷却した。ここに、六珪酸マグネシウム水和物(協和化学工業株式会社製「キョーワード600」)30gを添加し、1時間撹拌した後、濾過して、反応物1050gを得た。この反応物の酸価は0.2、水酸基価は205であった。得られた反応物はグリセリンモノメタクリレートモノアクリレートの残りの1個の水酸基に対してプロピレンオキサイドが平均で1.03モルの割合で付加した化合物であった。
【0098】
(2) 攪拌機、冷却管および側管付き滴下ロートを備えた内容量2リットルの反応器に、イソホロンジイソシアネート666g(3モル)、モルホリンアクリルアミド755gおよびジブチル錫ジラウレート0.8gを仕込んで、内温が80℃になるように加熱した。ここに、上記(1)で得られたグリセリンモノメタクリレートモノアクリレートのプロピレンオキサイドの付加化合物821g(3モル)を、内温を80〜90℃に保ちながら滴下し、2時間かけて反応させた。次いで、内温を60℃に下げた後、ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド4モル付加物276gを素早く滴下して、内温を80〜90℃の保って4時間反応させて、ウレタン化アクリル化合物(I)とモルホリンアクリルアミドを含む反応生成物を製造した。
(5) その結果得られた反応生成物は、無色で常温(25℃)で粘稠な液状を呈していた。この合成例4で得られた反応生成物中に含まれるウレタン化アクリル化合物(I)は、下記の化学式(XV)において、J1がイソホロン基であるウレタン化アクリル化合物である。
【0099】
【化35】
Figure 0004315507
【0100】
《合成例5》[ウレタン化アクリル化合物およびラジカル重合性化合物を含む反応生成物の製造]
(1) 攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート888g、モルホリンアクリルアミド906gおよびジブチル錫ジラウレート1.0gを仕込んでオイルバスで内温が80〜90℃になるように加熱した。
(2) グリセリンモノメタクリレートモノアクリレート856gにメチルヒドロキノン0.7gを均一に混合溶解させた液を予め50℃に保温しておいた側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物に、窒素雰囲気下でフラスコ内容物の温度を80〜90℃に保ちながら撹拌下に滴下混合して、同温度で2時間撹拌して反応させた。
(3) 次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド24モル付加物(ペンタエリスリトールの4個の水酸基にプロピレンオキサイドを平均でそれぞれ6モル付加したもの)1520gを素早く滴下して加え、フラスコ内容物の温度を80〜90℃に保って4時間反応させて、ウレタン化アクリル化合物およびラジカル重合性化合物(モルホリンアクリルアミド)を含む反応生成物を製造し、得られた反応生成物を温かいうちにフラスコから取り出した。
(3) その結果得られた反応生成物は、無色で常温(25℃)で粘稠な液状を呈していた。この合成例5で得られた反応生成物中に含まれるウレタン化アクリル化合物は、下記の化学式(XVI)において、J1がイソホロン基であり、nが6であるウレタン化アクリル化合物である。
【0101】
【化36】
Figure 0004315507
【0102】
《合成例6》[ウレタン化アクリル化合物およびラジカル重合性化合物を含む反応生成物の製造]
(1) 上記の合成例5の(1)および(2)と全く同様に行って、イソホロンジイソシアネートとグリセリンモノメタクリレートモノアクリレートの反応物およびモルホリンアクリルアミドを含む反応生成物をフラスコ内に生成させた。
(2) 次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだペンタエリスリトール135gを素早く滴下して加え、フラスコ内容物の温度を80〜90℃に保って4時間反応させて、ウレタン化アクリル化合物およびラジカル重合性化合物(モルホリンアクリルアミド)を含む反応生成物を製造し、得られた反応生成物を温かいうちにフラスコから取り出した。
(3) その結果得られた反応生成物は、無色で常温(25℃)で粘稠な液状を呈していた。この合成例6で得られた反応生成物中に含まれるウレタン化アクリル化合物は、上記の化学式(XVI)において、J1がイソホロン基であり、nが0であるウレタンアクリル化合物である。
【0103】
《実施例1》[光硬化性樹脂組成物の調製、光硬化成形および光学的立体造形]
(1)光硬化性樹脂組成物の調製:
攪拌機、冷却管および側管付き滴下ロートを備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、合成例1で得られたウレタン化アクリル化合物(I)とラジカル重合性化合物を含む反応生成物1500g、モルホリンアクリルアミド900gおよびジシクロペンタニルジアクリレート600gを仕込み、減圧脱気窒素置換した。次いで、紫外線を遮断した環境下に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製「イルガキュアー184」;光ラジカル重合開始剤)118gを添加し、完全に溶解するまで温度25℃で混合攪拌して(混合撹拌時間約1時間)、無色透明な粘稠液体である光硬化性樹脂組成物(常温における粘度約570cp)を得た。
【0104】
(2)光硬化成形:
(i) JIS 7113に準拠するダンベル試験片形状の型キャビテーを有する透明なシリコン型に、上記の(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を注入した後、30Wの紫外線ランプを用いてシリコン型の全面から15分間紫外線照射して樹脂組成物を硬化させて光硬化したダンベル試験片形状の成形品を製造したところ、透明性に優れる成形品(ダンベル形状試験片)が得られた。その成形品を型から取り出して、JIS K 7113に準拠して、その引っ張り特性(引張強度、引張伸度および引張弾性率)を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(ii) また、上記(1)で得られたダンベル形状試験片の熱変形温度をJISK7207に準拠してA法(荷重18.5kg/mm2)で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(iii) 更に、上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物の光硬化前の比重(d1)と、得られた成形品(ダンベル形状試験片)の比重(d2)をそれぞれ測定して、下記の数式(2)によりその体積収縮率(%)を求めたところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0105】
【数2】
体積収縮率(%)={1−(d1/d2)}×100 (2)
【0106】
(3)光学的立体造形:
(i) 上記の(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、超高速光造形システム(帝人製機株式会社製「SOLIFORM500」)を使用して、水冷Arレーザー光(出力500mW;波長333,351,364nm)を表面に対して垂直に照射して、照射エネルギー20〜30mJ/cm2の条件下にスライスピッチ(積層厚み)0.127mm、1層当たりの平均造形時間2分で光造形を行って、JIS 7113に準拠するダンベル試験片形状の立体造形物を製造した。得られた立体造形物をイソプロピルアルコールで洗浄して立体造形物に付着している未硬化の樹脂液を除去した後、3KWの紫外線を10分間照射してポストキュアしたところ、透明性に優れる立体造形物が得られた。その立体造形物(ダンベル形状試験片)の引っ張り特性(引張強度、引張伸度および引張弾性率)をJIS K 7113に準拠して測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(ii) また、上記(i)で得られたポストキュア後のダンベル形状試験片(立体造形物)の熱変形温度を上記(2)の(ii)と同様にして測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(iii) 更に、この立体造形法に用いた光硬化前の光硬化性樹脂組成物の比重(d1)と、ポストキュア後の立体造形物の比重(d2)をそれぞれ測定して、上記の数式(2)によりその体積収縮率(%)を求めたところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0107】
《実施例2》[光硬化性樹脂組成物の調製および光学的立体造形]
(1)光硬化性樹脂組成物の調製:
攪拌機、冷却管および側管付き滴下ロートを備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、合成例2で得られたウレタン化アクリル化合物(I)とラジカル重合性化合物を含む反応生成物2000g、モルホリンアクリルアミド600gおよびジシクロペンタニルジアクリレート1400gを仕込み、減圧脱気窒素置換した。次いで、紫外線を遮断した環境下に、実施例1の(1)で使用したのと同じ1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン133gを添加し、完全に溶解するまで温度25℃で混合攪拌して(混合撹拌時間約1時間)、無色透明な粘稠液体である光硬化性樹脂組成物(常温における粘度約900cp)を得た。
(2)光学的立体造形:
上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形、未硬化樹脂の洗浄およびポストキュアを行って、透明性に優れる立体造形物(ダンベル形状試験片)を製造した。その結果得られたダンベル形状試験片(立体造形物)の引っ張り特性、熱変形温度および体積収縮率を実施例1と同様にして測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0108】
《実施例3》[光硬化性樹脂組成物の調製および光学的立体造形]
(1)光硬化性樹脂組成物の調製:
ウレタン化アクリル化合物(I)として合成例3で得られたウレタン化アクリル化合物(I)とラジカル重合性化合物を含む反応生成物を用いた以外は実施例1の(1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製したところ、無色透明な粘稠液体である光硬化性樹脂組成物(常温における粘度約800cp)が得られた。
(2)光学的立体造形:
上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形、未硬化樹脂の洗浄およびポストキュアを行って、透明性に優れる立体造形物(ダンベル形状試験片)を製造した。その結果得られたダンベル形状試験片(立体造形物)の引っ張り特性、熱変形温度および体積収縮率を実施例1と同様にして測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0109】
《実施例4》[光硬化性樹脂組成物の調製および光学的立体造形]
(1)光硬化性樹脂組成物の調製:
ウレタン化アクリル化合物(I)として合成例4で得られたウレタン化アクリル化合物(I)とラジカル重合性化合物を含む反応生成物を用いた以外は実施例1の(1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製したところ、無色透明な粘稠液体である光硬化性樹脂組成物(常温における粘度約800cp)が得られた。
(2)光学的立体造形:
上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形、未硬化樹脂の洗浄およびポストキュアを行って、透明性に優れる立体造形物(ダンベル形状試験片)を製造した。その結果得られたダンベル形状試験片(立体造形物)の引っ張り特性、熱変形温度および体積収縮率を実施例1と同様にして測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0110】
《実施例5》[光硬化性樹脂組成物の調製および光学的立体造形]
(1)光硬化性樹脂組成物の調製:
実施例1の(1)で得られた光硬化性樹脂組成物2800gを万能撹拌機(ダルトン株式会社製;内容積10リットル)に入れ、これにアクリルシラン系カップリング剤[東芝シリコーン社製;γ(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン]で処理したガラスビーズ[平均粒径=15μm、上記の数式(1)による真球度の相対標準偏差値=0.3]を3310g(充填剤を添加する前の光硬化性樹脂組成物の容量に基づいて32容量%)、および同じアクリルシラン系カップリング剤で処理したホウ酸アルミニウムウイスカー(四国化成工業株式会社製「アルボレックスYS−4」;径0.5〜0.7μm、アスペクト比50〜70)を993g(充填剤を添加する前の光硬化性樹脂組成物の容量に基づいて8容量%)を添加し、一日撹拌し、脱泡処理して、充填剤を含有する光硬化性樹脂組成物(25℃における粘度約20,000cp)を得た。
(2)光学的立体造形:
上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形、未硬化樹脂の洗浄およびポストキュアを行って、透明性に優れる立体造形物(ダンベル形状試験片)を製造した。その結果得られたダンベル形状試験片(立体造形物)の引っ張り特性、熱変形温度および体積収縮率を実施例1と同様にして測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0111】
《比較例1》[光硬化性樹脂組成物の調製および光学的立体造形]
(1)光硬化性樹脂組成物の調製:
ウレタン化アクリル化合物として合成例5で得られたウレタン化アクリル化合物とラジカル重合性化合物を含む反応生成物を用いた以外は実施例1の(1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製したところ、無色透明な粘稠液体である光硬化性樹脂組成物(常温における粘度約2000cp)が得られた。
(2)光学的立体造形:
上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1の(3)と同様にして光学的立体造形、未硬化樹脂の洗浄およびポストキュアを行って、透明性に優れる立体造形物(ダンベル形状試験片)を製造した。その結果得られたダンベル形状試験片(立体造形物)の引っ張り特性、熱変形温度および体積収縮率を実施例1と同様にして測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0112】
《比較例2》[光硬化性樹脂組成物の調製および光重合成形]
(1)光硬化性樹脂組成物の調製:
ウレタン化アクリル化合物として合成例で得られたウレタン化アクリル化合物(I)とラジカル重合性化合物を含む反応生成物を用いた以外は実施例1の(1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製したところ、無色透明な粘稠液体である光硬化性樹脂組成物(常温における粘度約200000cp)が得られた。
(2)光学的立体造形:
上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物は粘度が高すぎて光学的立体造形に用いることが困難であったので、実施例1の(2)におけるのと同様にして透明なシリコン型を用いてJIS 7113に準拠するダンベル試験片形状の成形品を光硬化成形で製造した。その結果得られたダンベル形状試験片(モールド成形品)の引っ張り特性、熱変形温度および体積収縮率を実施例1と同様にして測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0113】
【表1】
Figure 0004315507
【0114】
上記の表1の結果から、実施例1〜4の場合には、本発明のウレタン化アクリル化合物(I)の範疇に包含されるでウレタン化アクリル化合物を含む合成例1〜4で得られたウレタン化アクリル化合物(I)とラジカル重合性化合物を含む反応生成物を用いて光硬化性樹脂組成物を調製し、該光硬化性樹脂組成物を使用して光重合成形または光学的立体造形を行っていることによって、そこで得られたモールド成形品および立体造形物は、100℃を大幅に超える高い熱変形温度を有していて耐熱性に極めて優れていること、しかも光硬化時の体積収縮率が小さくて寸法安定性にも優れており、その上引張強度および引張弾性率も高く力学的特性にも優れていることがわかる。
また、実施例5の結果から、固体微粒子およびウィスカーを含有する本発明の光硬化性樹脂組成物を用いる場合は、極めて高い熱変形温度を有していて耐熱性に極めて優れ、しかも光硬化時の体積収縮率が極めて小さくて寸法安定性に優れ、その上引張強度および引張弾性率も高く力学的特性にも優れていることがわかる。
【0115】
それに対して、比較例1の場合には、上記の一般式(I)で表されるウレタン化アクリル化合物中の基Aにおいてb、cおよびdがいずれも0で且つ基Lが式:−{CH2CH(CH3)O}6−で表される基であって、本発明のウレタン化アクリル化合物(I)の範疇に包含されないウレタン化アクリル化合物を含む合成例5で得られたウレタン化アクリル化合物とラジカル重合性化合物を含む反応生成物を用いて光硬化性樹脂組成物を調製し、該光硬化性樹脂組成物を使用して光学的立体造形を行っていることによって、そこで得られた立体造形物は、熱変形温度が58℃と極めて低くて耐熱性に劣っていること、しかも引張強度が極めて小さく、且つ引張弾性率も低くて力学的特性にも劣っていることがわかる。
【0116】
更に、上記の一般式(I)で表されるウレタン化アクリル化合物中に基Aにおいてb、cおよびdがいずれも0で且つ基Lを持たず、本発明のウレタン化アクリル化合物(I)の範疇に包含されないウレタン化アクリル化合物を含む合成例6で得られたウレタン化アクリル化合物とラジカル重合性化合物を含む反応生成物を用いて光硬化性樹脂組成物を調製し、該光硬化性樹脂組成物を使用して光学的立体造形を行っている比較例2の場合は、光硬化性樹脂組成物の粘度が高過ぎて液状を呈さず、光学的立体造形法には使用できないこと、しかも光硬化時の体積収縮率が大きくて寸法精度に劣ること、その上、得られるモールド成形品は引張強度が極めて小さくて強度に劣り且つ引張伸度が極めて小さく、靭性に欠けることがわかる。
【0117】
【発明の効果】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、低粘度の液状を呈していて取り扱い性に優れ、短い硬化時間で硬化できるので、光照射法による各種の成形品、立体造形物、その他の製品の製造に有効に使用することができる。
そして、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いた場合には、光硬化時の体積収縮率が小さいために、寸法精度に優れる成形品や立体造形物を得ることができる。
さらに、本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化させて得られる成形品や立体造形物などの光硬化物は、100℃を超える高い熱変形温度を有していて耐熱性に極めて優れており、しかも引張強度、引張弾性率などが高く、力学的特性にも優れている。
そして、本発明の光硬化性樹脂組成物中に固体微粒子およびウイスカーから選ばれる少なくとも1種の充填剤を含有させたものでは、得られる光硬化物の熱変形温度が一層向上し、光硬化時の体積収縮が一層低減され、耐熱性および寸法精度の点で一層優れる成形品や造形物などの光硬化物を得ることができる。

Claims (13)

  1. (i) 下記の一般式(I);
    【化1】
    (A)a−C−(R)4−a (I)
    [式中、Rは水素原子またはアルキル基、aは3または4を示し、Aは下記の一般式(II)で表される基を示す;
    Figure 0004315507
    {式中、Dは式:−CH2CH2O−、式:−CH2CH(CH3)O−、式:−CH2CH2COO−または式:−(CH26COO−で表される基、Eは式:−CH2CH2O−、式:−CH2CH(CH3)O−、式:−COCH2CH2O−または式:−CO(CH26O−で表される基、Gは炭素数2〜5の脂肪族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族トリオールおよび脂環族トリオールから選ばれるジオールまたはトリオールのジオール残基またはトリオール残基、Jは2価または3価の非置換または置換された炭化水素基、Lは式:−(CH2CH2O)h−(式中hは1〜4の整数を示す)、式:−[(CH2CH(CH3)O]j−(式中jは1〜4の整数を示す)または式:−(CH2CH2O)k−[(CH2CH(CH3)O]m−(式中kおよびmはそれぞれ1〜3の整数であって、k+mが2、3または4である)で表される基を示し、bは0または1、cは0または1、dは0または1、eは0、1または2、fは0または1、gは1または2で、b+c+dが1、2または3であり、且つe+fが1または2である。}]
    で表されるウレタン化アクリル化合物(I)の少なくとも1種;
    (ii) 前記のウレタン化アクリル化合物(I)以外のラジカル重合性化合物;
    および、
    (iii) 光重合開始剤;
    を含有する光硬化性樹脂組成物であって、前記ウレタン化アクリル化合物(I):前記ラジカル重合性化合物の含有割合が80:20〜10:90(重量比)であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. ウレタン化アクリル化合物(I)およびラジカル重合性化合物の合計重量に基づいて、光重合開始剤の含有割合が0.1〜10重量%である請求項1の光硬化性樹脂組成物。
  3. 固体微粒子およびウイスカーから選ばれる少なくとも1種の充填材を更に含有する請求項1または2の光硬化性樹脂組成物。
  4. 固体微粒子およびウイスカーの両方を含有する請求項3の光硬化性樹脂組成物。
  5. 固体微粒子が球状固体微粒子である請求項3または4の光硬化性樹脂組成物。
  6. 径が0.3〜1μm、長さが10〜70μm、およびアスペクト比が10〜100のウイスカーを用いる請求項3〜5のいずれか1項の光硬化性樹脂組成物。
  7. 固体微粒子およびウイスカーから選ばれる少なくとも1種の充填材がシラン系カップリング剤で処理されている請求項3〜6のいずれか1項の光硬化性樹脂組成物。
  8. 固体微粒子およびウイスカーから選ばれる少なくとも1種の充填材の合計含有量が、それらを含有させる前の光硬化性樹脂組成物の容量に基づいて、3〜70容量%である請求項3〜7のいずれか1項の光硬化性樹脂組成物。
  9. 光学的立体造形用樹脂組成物である請求項1〜8のいずれか1項の光硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項の光硬化性樹脂組成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造形物を製造する方法。
  11. (1) 下記の一般式(III);
    Figure 0004315507
    [式中、Dは式:−CH2CH2O−、式:−CH2CH(CH3)O−、式:−CH2CH2COO−または式:−(CH26COO−で表される基、Eは式:−CH2CH2O−、式:−CH2CH(CH3)O−、式:−COCH2CH2O−または式:−CO(CH26O−で表される基、Gは炭素数2〜5の脂肪族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族トリオールおよび脂環族トリオールから選ばれるジオールまたはトリオールのジオール残基またはトリオール残基を示し、bは0または1、cは0または1、dは0または1、eは0、1または2、fは0または1で、b+c+dが1、2または3であり、且つe+fが1または2である。]
    で表される(メタ)アクリル酸エステル(III)および下記の一般式(IV);
    【化4】
    J−(NCO)g+1 (IV)
    (式中、Jは2価または3価の非置換または置換された炭化水素基、そしてgは1または2を示す。)
    で表されるポリイソシアネート化合物(IV)を、ポリイソシアネート化合物(IV)における1個のイソシアネート基が残存するような量比で用いて、イソシアネート基に対して反応性を示さない他のラジカル重合性化合物からなる希釈剤の存在下または不存在下で、反応させて、下記の一般式(V);
    Figure 0004315507
    (式中、D、E,GおよびJはそれぞれ上記したと同じ基を示し、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれ上記したと同じ数であり、b+c+dが1、2または3で、且つe+fが1または2である。)
    で表されるモノイソシアネート化合物(V)からなる反応生成物、または該モノイソシアネート化合物(V)と共に前記のラジカル重合性化合物を含む反応生成物を製造する工程;
    (2) 前記の工程(1)で得られる反応生成物に対して、下記の一般式(VI);
    【化6】
    (H−O−L−CH2)a−C−(R)4−a (VI)
    {式中、Rは水素原子またはアルキル基、Lは式:−(CH2CH2O)h−(式中hは1〜4の整数を示す)、式:−[(CH2CH(CH3)O]j−(式中jは1〜4の整数を示す)または式:−(CH2CH2O)k−[(CH2CH(CH3)O]m−(式中kおよびmはそれぞれ1〜3の整数であってk+mが2、3または4である)で表される基を示し、aは3または4である。}
    で表されるポリオール化合物(VI)を、モノイソシアネート化合物(V)中の残存イソシアネート基とポリオール化合物(VI)中の水酸基が1:1で反応する割合で混合し、反応させて、下記の一般式(I);
    【化7】
    (A)a−C−(R)4−a (I)
    [式中、Rは前記と同じ基を示し、aは前記と同じ数を示し、Aは下記の一般式(II)で表される基を示す;
    Figure 0004315507
    (式中、D、E G、JおよびLはそれぞれ前記と同じ基を示し、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれ前記と同じ数を示し、b+c+dが1、2または3で、且つe+fが1または2である。)
    で表されるウレタン化アクリル化合物(I)からなる反応生成物、または該ウレタン化アクリル化合物(I)と共に前記のラジカル重合性化合物を含む反応生成物を製造する工程;および
    (3) 前記の工程(2)で得られる反応生成物に対して、ラジカル重合性化合物を含まない場合またはラジカル重合性化合物の含有量が少ない場合は更に前記の工程(1)で用いたのと同じかまたは異なるラジカル重合性化合物の1種以上を混合してウレタン化アクリル化合物(I):全ラジカル重合性化合物=80:20〜10:90(重量比)にし、そして光重合開始剤を添加する工程;
    からなることを特徴とする請求項1の光硬化性樹脂組成物の製造方法。
  12. 前記の工程(1)をイソシアネート基に対して反応性を示さない他のラジカル重合性化合物の存在下で行う請求項11の製造方法。
  13. 下記の一般式(I);
    【化9】
    (A)a−C−(R)4−a (I)
    [式中、Rは水素原子またはアルキル基、aは3または4を示し、Aは下記の一般式(II)で表される基を示す;
    Figure 0004315507
    {式中、Dは式:−CH2CH2O−、式:−CH2CH(CH3)O−、式:−CH2CH2COO−または式:−(CH26COO−で表される基、Eは式:−CH2CH2O−、式:−CH2CH(CH3)O−、式:−COCH2CH2O−または式:−CO(CH26O−で表される基、Gは炭素数2〜5の脂肪族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族トリオールおよび脂環族トリオールから選ばれるジオールまたはトリオールのジオール残基またはトリオール残基、Jは2価または3価の非置換または置換された炭化水素基、Lは式:−(CH2CH2O)h−(式中hは1〜4の整数を示す)、式:−[(CH2CH(CH3)O]j−(式中jは1〜4の整数を示す)または式:−(CH2CH2O)k−[(CH2CH(CH3)O]m−(式中kおよびmはそれぞれ1〜3の整数であって、k+mが2、3または4である)で表される基を示し、bは0または1、cは0または1、dは0または1、eは0、1または2、fは0または1、gは1または2で、b+c+dが1、2または3であり、且つe+fが1または2である。}]
    で表されるウレタン化アクリル化合物。
JP00349999A 1999-01-08 1999-01-08 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP4315507B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00349999A JP4315507B2 (ja) 1999-01-08 1999-01-08 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物
US09/478,462 US6413698B1 (en) 1999-01-08 2000-01-06 Photohardenable resin composition providing heat-resistant photohardened product

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00349999A JP4315507B2 (ja) 1999-01-08 1999-01-08 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000204125A JP2000204125A (ja) 2000-07-25
JP4315507B2 true JP4315507B2 (ja) 2009-08-19

Family

ID=11559054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00349999A Expired - Lifetime JP4315507B2 (ja) 1999-01-08 1999-01-08 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6413698B1 (ja)
JP (1) JP4315507B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2384564C (en) * 1999-09-10 2010-11-23 Nagracard S.A. Method and system for transmitting messages for database
JP4611028B2 (ja) * 2002-11-22 2011-01-12 サンメディカル株式会社 歯科用接着性組成物
CN101142252B (zh) 2005-03-15 2011-08-03 昭和电工株式会社 包含(甲基)丙烯酰基的芳族异氰酸酯化合物及其制备方法
US20090004579A1 (en) * 2007-06-27 2009-01-01 Dsm Ip Assets B.V. Clear and colorless three-dimensional articles made via stereolithography and method of making said articles
JP2010241917A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Nippon Kayaku Co Ltd 樹脂組成物
JP2015043793A (ja) 2013-08-27 2015-03-12 ディーダブルエス エス・アール・エル 人工歯の製造方法
ITUB20160408A1 (it) * 2016-01-28 2017-07-28 Dws Srl Composizione di resina fotoindurente per produzioni stereolitografiche, articoli tridimensionali prodotti con detta composizione e relativo metodo di produzione
US10719118B2 (en) 2018-05-11 2020-07-21 International Business Machines Corporation Power level management in a data storage system

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3891523A (en) * 1970-01-19 1975-06-24 Dainippon Ink & Chemicals Photopolymerizable, isocyanate-containing prepolymers
JPS5034964B1 (ja) * 1970-03-30 1975-11-12
US3907865A (en) * 1973-06-20 1975-09-23 Kansai Paint Co Ltd Photopolymerizable vinylurethane monomer
EP0802455B1 (en) * 1996-04-15 2002-10-16 Teijin Seiki Co., Ltd. Use of a photocurable resin composition for the production of a stereolithographed object

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000204125A (ja) 2000-07-25
US6413698B1 (en) 2002-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0802455B1 (en) Use of a photocurable resin composition for the production of a stereolithographed object
JP4282873B2 (ja) 光造形用硬化性組成物および成形品
JP2687082B2 (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物
JP2762389B2 (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物
JP4315507B2 (ja) 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物
JP2554443B2 (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物
JP2007161953A (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP3410799B2 (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物
JP3705511B2 (ja) 光学的立体造形用の光硬化性樹脂組成物
JP2004051665A (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物、及び立体造形物
JP4046398B2 (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物
WO2021205954A1 (ja) 立体造形用光硬化性樹脂組成物
JP4021347B2 (ja) 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物
JP3705508B2 (ja) 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物
JP4307636B2 (ja) 光学的立体造形用の光硬化性樹脂組成物
JP2004059601A (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物、及び立体造形物
JP4007704B2 (ja) 光学的立体造形用の光硬化性樹脂組成物
JP3951344B2 (ja) 感光性樹脂組成物
US6203966B1 (en) Stereolithographic resin composition
JP2006028499A (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP3942224B2 (ja) 真空注型用型
JP2020100107A (ja) 光学的立体造形用組成物、並びに立体造形物、及びその製造方法
JPH10330626A (ja) 光造形用樹脂組成物
JP4150819B2 (ja) ダイラタンシー性を有する光硬化性樹脂組成物
JPH10120739A (ja) 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041013

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080528

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080908

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140529

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term