JPH10120418A - 超微細酸化亜鉛の製造方法 - Google Patents

超微細酸化亜鉛の製造方法

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JPH10120418A
JPH10120418A JP27218696A JP27218696A JPH10120418A JP H10120418 A JPH10120418 A JP H10120418A JP 27218696 A JP27218696 A JP 27218696A JP 27218696 A JP27218696 A JP 27218696A JP H10120418 A JPH10120418 A JP H10120418A
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zinc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紫外線に対する優れた遮蔽能力及び可視光線に
対する高い透過率を有し、特に貯蔵安定性、分散性に優
れた超微細酸化亜鉛、好ましくは比表面積が30〜10
0m2/gである超微細酸化亜鉛を容易に且つ安価に製造
すること。 【解決手段】亜鉛塩水溶液とアルカリ水溶液とを亜鉛:
アルカリの当量比が1:1〜1:3となる量比で、それ
ぞれ別々にかつ同時に、連続的に又は半連続的に反応槽
に装入し、反応槽を連続的に2000〜20000rp
mの回転速度で高速撹拌し、反応で生じる中和生成物を
連続的に又は半連続的に反応槽から取り出し、その後濾
過、洗浄し、次いで乾燥、焼成すことからなる超微細酸
化亜鉛の製造方法、並びにこのようにして超微細酸化亜
鉛を得た後、シリコーンオイル又は脂肪酸で表面処理す
ることを特徴とする被覆超微細酸化亜鉛の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紫外線遮蔽性及び可
視光線透過性に優れた超微細酸化亜鉛の製造方法に関す
るものであり、さらに詳しくは、樹脂製品、化粧品、塗
料、インキ等に配合して用いるのに適した、紫外線遮蔽
性及び可視光線透過性に優れた超微細酸化亜鉛の製造方
法、或いはその上に貯蔵安定性、分散性に優れた被覆超
微細酸化亜鉛の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紫外線、特に300〜400nmの波長
を有する紫外線は皮膚に対して日焼け現象を引き起し、
黒色化や炎症等の原因となる。また、この紫外線は樹脂
製品、化粧品、塗料、インキ等中に含まれるマトリック
ス樹脂、油脂を分解したり、また色素を分解し退色させ
たり、あるいは油脂、香料を酸化させ、変質、変臭を生
じさせることもある。
【0003】そこで、これらの問題を解決するために紫
外線遮蔽剤を用いることが試みられている。従来、この
紫外線遮蔽剤として超微細酸化チタンが知られている。
酸化チタンは紫外線領域ではその遮蔽効果が優れている
ものの、可視光線領域では酸化チタンの屈折率(2.6
1〜2.90、ルチル型)が酸化亜鉛の屈折率(2.0
0〜2.02)よりも大きいため、透過率が劣る。その
ため、この酸化チタンを樹脂製品、塗料、化粧品等の透
明性材料に配合した場合に、不透明な白色を呈すること
となる。この他、酸化亜鉛に比べて紫外線照射によりマ
トリックスが変質しやすいという欠点を有する。
【0004】また、その他の遮蔽剤として超微細酸化亜
鉛を用いることが報告されている。即ち、特開平2−2
08369号公報には、金属亜鉛蒸気に空気を吹き付け
て酸化して得た比表面積が25m2 /gの酸化亜鉛を紫
外線遮蔽剤として用いることが提案されており、その紫
外線領域における遮蔽効果と可視光線領域での透過率に
ついて言及している。しかし、そのような製造方法は高
温を必要とするので超微細酸化亜鉛を容易に且つ安価に
製造することはできず、またそのような超微細酸化亜鉛
を用いた場合にも、紫外線領域における遮蔽効果及び可
視光線領域における透過率は必ずしも満足できるもので
はなかった。
【0005】一方、特開平62−275182号公報に
は、アルミニウムや鉄等の金属と亜鉛との複合酸化物か
らなる紫外線遮蔽剤が記載されている。これらの紫外線
遮蔽剤を用いることによって紫外線に対する優れた遮蔽
能力と可視光線に対する高い透過率が得られる。しかし
ながら、これらの紫外線遮蔽剤は、初期には紫外線に対
する優れた遮蔽能力と可視光線に対する高い透過率を有
するものの、これらの特性が経時劣化し、貯蔵安定性に
劣るという課題を有する。従って、この紫外線遮蔽剤
は、長期に亘って使用することができず、実用性に欠け
るという問題を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の課題を解決するためになされたものであり、本
発明の目的は、紫外線に対する優れた遮蔽能力を有する
と共に、可視光線に対する高い透過率をもバランスよく
有し、しかもこれらの特性が経時劣化しない超微細酸化
亜鉛、好ましくは比表面積(本明細書において比表面積
はBET法により測定した値である)が30〜100m
2/gである超微細酸化亜鉛を容易に且つ安価に製造する
ことのできる製造方法を提供することにある。本発明の
その他の目的は、紫外線に対する優れた遮蔽能力を有す
ると共に、可視光線に対する高い透過率をもバランスよ
く有し、しかもこれらの特性が経時劣化せず、特に貯蔵
安定性、分散性に優れた超微細酸化亜鉛を容易に且つ安
価に製造することのできる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を達成するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために種々検討の結果、反応槽を連続的に特
定の回転速度で高速撹拌しながら亜鉛塩水溶液とアルカ
リ水溶液とを特定の条件下で反応させ、反応で生じる中
和生成物を濾過、洗浄し、次いで乾燥、焼成するること
により上記目的が達成されること、更に生成酸化亜鉛を
シリコーンオイル又は脂肪酸で表面処理することにより
特に貯蔵安定性、分散性に優れた超微細酸化亜鉛が得ら
れることを見いだし、本発明を完成した。即ち、本発明
の超微細酸化亜鉛の製造方法は、亜鉛塩水溶液とアルカ
リ水溶液とを亜鉛:アルカリの当量比が1:1〜1:3
となる量比で、それぞれ別々にかつ同時に、連続的に又
は半連続的に反応槽に装入し、反応槽を連続的に200
0〜20000rpmの回転速度で高速撹拌し、反応で
生じる中和生成物を連続的に又は半連続的に反応槽から
取り出し、その後濾過、洗浄し、次いで乾燥、焼成する
ことを特徴とする。
【0008】また、本発明の被覆超微細酸化亜鉛の製造
方法は、亜鉛塩水溶液とアルカリ水溶液とを亜鉛:アル
カリの当量比が1:1〜1:3となる量比で、それぞれ
別々にかつ同時に、連続的に又は半連続的に反応槽に装
入し、反応槽を連続的に2000〜20000rpmの
回転速度で高速撹拌し、反応で生じる中和生成物を連続
的に又は半連続的に反応槽から取り出し、その後濾過、
洗浄し、次いで乾燥、焼成した後、シリコーンオイル又
は脂肪酸で表面処理することを特徴とする。
【0009】以下、本発明の製造方法を具体的に説明す
る。本発明で使用する亜鉛塩水溶液は硫酸亜鉛、塩化亜
鉛、硝酸亜鉛等を水に溶解させて調製することができ
る。この水溶液は所望により少量の酸を含有していても
よい。また、本発明で使用するアルカリ水溶液はアルカ
リ金属の水酸化物水溶液、アルカリ金属の炭酸塩水溶
液、アルカリ金属のシュウ酸塩水溶液等である。上記の
亜鉛塩及びアルカリはいずれも市販品をそのまま用いる
ことができる。
【0010】本発明においては、これらの亜鉛塩水溶液
は好ましくは0.01〜10M(モル濃度、mol/l )の
濃度で用い、一層良好な生産効率を達成し且つ一層狭い
範囲の粒度分布を有する一層微細な酸化亜鉛を得るため
には、より好ましくは1〜5Mの濃度で用い、また、ア
ルカリ水溶液は好ましくは0.01〜10Mの濃度で用
い、一層良好な生産効率を達成し且つ一層狭い範囲の粒
度分布を有する一層微細な酸化亜鉛を得るためには、よ
り好ましくは0.1〜10Mの濃度で用いる。亜鉛塩及
びアルカリの水溶液の濃度が0.01未満である場合に
は生産効率が低下する傾向があり、また10Mを超える
場合には生成酸化亜鉛粒子が粗大化し易く、超微細粒子
を得ることが困難になる傾向がある。
【0011】本発明においては、流量調整可能なポンプ
を用いて亜鉛塩水溶液とアルカリ水溶液とを亜鉛:アル
カリの当量比が1:1〜1:3となる量比で、それぞれ
別々にかつ同時に、連続的に又は半連続的に反応槽に装
入する。反応槽に装入する亜鉛:アルカリの当量比が
1:1よりも大きい場合、即ち亜鉛の量が当量よりも多
い場合には、酸化亜鉛の粒子が粗大化し易く、超微細粒
子を得ることが困難になる傾向があるので好ましくな
い。また、亜鉛:アルカリの当量比が1:3よりも小さ
い場合、即ち亜鉛の量が当量の3分の1よりも少ない場
合には、生産効率が低下する傾向があるので好ましくな
い。
【0012】本発明においては、亜鉛塩水溶液とアルカ
リ水溶液とをそれぞれ別々にかつ同時に反応槽に装入す
るので、反応温度及びpHはほぼ一定値に保持される。
本発明においては、亜鉛塩水溶液とアルカリ水溶液とを
亜鉛:アルカリの当量比が1:1〜1:3となる量比
で、それぞれ別々にかつ同時に反応槽に装入する限りは
連続的に装入し且つ連続的に取り出してもよく、或いは
反応槽中の中和生成物含有分散液の一定量(例えば半分
量)を取り出し、取り出しを停止した後亜鉛塩水溶液と
アルカリ水溶液とを亜鉛:アルカリの当量比が1:1〜
1:3となる量比で、それぞれ別々にかつ同時に、反応
槽に所定量になるまで徐々に追加装入し、所定時間の後
反応槽中の中和生成物含有分散液の一定量を取り出すこ
とを繰り返し実施しても、即ち半連続的に実施してもよ
い。このように半連続的に実施することにより、反応槽
から中和生成物含有分散液を取り出す際に未反応の亜鉛
塩が一緒に取り出される危険性がなく、従って、取り出
した後に生成粒子が粗大化する危険性はない。
【0013】反応槽では中和反応によって中和生成物が
析出する。この際に、超微細酸化亜鉛を得るためには高
速撹拌を行なうことが必須であり、2000〜2000
0rpmの高速均一撹拌を実施する。中和反応によって
析出した中和生成物がこのような高速撹拌によって瞬時
に拡散され、粒子の粗大化が抑制され、超微細粒子化が
促進される。攪拌速度が2000rpm未満の場合には
粒子の成長が速くなって粗粒子の生成比率が高くなり、
所望の超微細粒子を得ることが困難になる。また、20
000rpmよりも速い場合には反応液の流れが攪拌翼
から離れて攪拌効果が低下するので、20000rpm
よりも速くしても意味がない。このような攪拌は、例え
ばインペラーミルでも、インラインミキサーでもよい。
【0014】上記のような条件下での中和反応によって
中和生成物を析出させることにより安定した操業が可能
であり、大量生産する場合にも品質が安定しており、比
表面積が30〜100m2/gである超微細酸化亜鉛が得
られる。上記のような連続的な又は半連続的な操作にお
いては、中和生成物含有分散液を、例えば反応槽の下部
から連続的に又は半連続的に徐々に取り出す。取り出し
た中和生成物含有分散液を固液分離、濾過、洗浄、乾燥
し、更に300〜1000℃、好ましくは350〜70
0℃の温度範囲で、大気圧下又は減圧下(10mmHg
以下)にて2〜3時間の焼成を行なう。
【0015】このようにして得られる超微細酸化亜鉛は
表面が非常に活性であるので、貯蔵安定性、分散性を向
上させ、また樹脂製品、塗料、化粧品等に配合した場合
のマトリックス又は他の添加剤との反応を防止する目的
で、所望により、シリコーンオイルや脂肪酸で表面処理
することができる。具体的な処理方法としては、シリコ
ーンオイルや脂肪酸をメタノール、エタノール等のアル
コール類、もしくはアセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類等の有機溶媒に溶解し、この溶液に酸化亜鉛を
直接浸漬するか、あるいは酸化亜鉛にスプレーすること
により実施できる。このような処理を行なった後、80
〜150℃で酸化亜鉛を再度乾燥させる。
【0016】表面処理に用いることのできるシリコーン
オイルとしてはジメチルシリコーンオイル、メチルフェ
ニルシリコーンオイル、環状シリコーンオイル、ポリエ
ーテルシリコーンオイル、変性シリコーンオイル、メチ
ルハイドロジエンシリコーンオイル等が例示される。ま
た、脂肪酸としてはn−デカン酸、カプリル酸、ラウリ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸等の飽和
脂肪酸やリノール酸、リノレイン酸、オレイン酸等の不
飽和脂肪酸が例示される。これらのシリコーンオイルや
脂肪酸の処理量(被覆量)は酸化亜鉛の重量に基づいて
0.05〜10重量%となるような量が望ましい。
【0017】本発明の製造方法によって得られる超微細
酸化亜鉛は優れた紫外線遮蔽効果を有し、可視光線領域
においての透過率が高く、また表面処理を行なった被覆
超微細酸化亜鉛は、樹脂製品、塗料、化粧品等に配合し
た場合にもマトリックスや添加剤と反応することはな
く、また貯蔵安定性、分散性が向上し、優れた紫外線遮
蔽効果と可視光線領域においての高い透過率を長期に亘
って維持できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 実施例1 3Mの塩化亜鉛水溶液及び1Mの炭酸ナトリウム水溶液
を準備した。その塩化亜鉛水溶液及び炭酸ナトリウム水
溶液を各々流量調整可能なポンプで亜鉛:アルカリの当
量比が1:2になるように流量を調整して反応槽に同時
に別個に連続送液し、反応槽内をインペラーミルで60
00rpmの回転速度で高速攪拌して中和生成物を析出
させた。この間、特に加温は行なわず、pH6〜8に維
持した。また、反応槽への送液量と同量を反応槽から連
続的に取り出した。中和生成物含有分散液の濾過、洗浄
を、その濾液導電率が200μs/cm以下になるまで
繰返し、得られたケーキを150℃で乾燥した。その
後、空気中400℃で3hrの焼成を行なって、比表面
積が50m2/gである超微細酸化亜鉛を得た。
【0019】この酸化亜鉛の粉末をポリエステル系樹脂
に30重量%配合し、ガラスビーズと共にペイントシエ
ーカーで1.5時間分散し、バーコーターにてOHPシ
ートに塗布し、70〜80℃で乾燥して透明塗布膜を得
た。得られた透明塗布膜について、日本電色工業社製濁
度計によって可視光線領域(400〜700nm)の透
過率を測定したところ、92%であった。また、同様に
日立社製分光光度計にて紫外線領域(380nm)の透
過率を測定したところ、6%であった。なお、酸化亜鉛
の粉末を配合しなかった以外は上記と同様にして得た透
明塗布膜について、上記と同様にして可視光線透過率を
測定したところ、98%であった。また、同様に紫外線
透過率を測定したところ、98%であった。
【0020】実施例2 3Mの硫酸亜鉛水溶液及び1Mの炭酸ナトリウム水溶液
を準備した。その塩化亜鉛水溶液及び炭酸ナトリウム水
溶液を各々流量調整可能なポンプで亜鉛:アルカリの当
量比が1:2になるように流量を調整して反応槽に同時
に別個に連続送液し、反応槽内をインペラーミルで60
00rpmの回転速度で高速攪拌して中和生成物を析出
させた。この間、特に加温は行なわず、pH6〜8に維
持した。また、反応槽への送液量と同量を反応槽から連
続的に取り出した。中和生成物含有分散液の濾過、洗浄
を、その濾液導電率が200μs/cm以下になるまで
繰返し、得られたケーキを150℃で乾燥した。その
後、空気中400℃で3hrの焼成を行なって、比表面
積が65m2/gである超微細酸化亜鉛を得た。
【0021】この酸化亜鉛の粉末をポリエステル系樹脂
に30重量%配合し、ガラスビーズと共にペイントシエ
ーカーで1.5時間分散し、バーコーターにてOHPシ
ートに塗布し、70〜80℃で乾燥して透明塗布膜を得
た。得られた透明塗布膜について、実施例1と同様にし
て可視光線透過率を測定したところ、93%であった。
また、同様に紫外線透過率を測定したところ、5%であ
った。
【0022】実施例3 3Mの塩化亜鉛水溶液及び1Mのシュウ酸ナトリウム水
溶液を準備した。その塩化亜鉛水溶液及び炭酸ナトリウ
ム水溶液を各々流量調整可能なポンプで亜鉛:アルカリ
の当量比が1:2になるように流量を調整して反応槽に
同時に別個に連続送液し、反応槽内をインペラーミルで
6000rpmの回転速度で高速攪拌して中和生成物を
析出させた。この間、特に加温は行なわず、pH6〜8
に維持した。また、反応槽への送液量と同量を反応槽か
ら連続的に取り出した。中和生成物含有分散液の濾過、
洗浄を、その濾液導電率が200μs/cm以下になる
まで繰返し、得られたケーキを150℃で乾燥した。そ
の後、空気中400℃で3hrの焼成を行なって、比表
面積が100m2/gである超微細酸化亜鉛を得た。
【0023】この酸化亜鉛の粉末をポリエステル系樹脂
に30重量%配合し、ガラスビーズと共にペイントシエ
ーカーで1.5時間分散し、バーコーターにてOHPシ
ートに塗布し、70〜80℃で乾燥して透明塗布膜を得
た。得られた透明塗布膜について、実施例1と同様にし
て日本電色工業社製濁度計によって可視光線領域(40
0〜700nm)の透過率を測定したところ、94%で
あった。また、同様に日立社製分光光度計にて紫外線領
域(380nm)の透過率を測定したところ、4%であ
った。
【0024】実施例4 実施例1に記載の方法を半連続的に実施した。即ち、反
応槽中の中和生成物含有分散液の半分量を取り出し、取
り出しを停止した後3Mの塩化亜鉛水溶液及び1Mの炭
酸ナトリウム水溶液を各々流量調整可能なポンプで亜
鉛:アルカリの当量比が1:2になるように流量を調整
してそれぞれ別々にかつ同時に、反応槽に所定量になる
まで連続送液し、反応槽内をインペラーミルで6000
rpmの回転速度で高速攪拌して中和生成物を析出さ
せ、反応槽への送液の停止から2分後に反応槽中の中和
生成物含有分散液の半分量を取り出した。この間、特に
加温は行なわず、pH6〜8に維持した。この操作を繰
り返し実施した。得られた超微細酸化亜鉛は実施例1で
得られたものと同一であった。
【0025】実施例5 実施例1で得た酸化亜鉛の超微細粉末をシリコーンオイ
ルで表面処理した。即ち、シリコーンオイルとして東レ
・ダウ・コーニング社製の塗料添加用シリコーンオイル
DC−3PA(純度10%)を用い、このシリコーンオ
イル135gをトルエン5リットルに添加し、5分間撹
拌してそのシリコーンオイルのトルエン溶液を調製し
た。この溶液に実施例1で得た酸化亜鉛の超微細粉末
2.7Kgを添加し、さらに30分間撹拌した。濾過
し、120℃で乾燥して得た粉末は撥水性であり、シリ
コーンオイルが充分に被覆されていることが判った。ま
た、シリコーンオイルの被覆量は酸化亜鉛に対して0.
5重量%であった。
【0026】この表面処理した酸化亜鉛の粉末をポリエ
ステル系樹脂に30重量%配合し、ガラスビーズと共に
ペイントシエーカーで1.5時間分散し、バーコーター
にてOHPシートに塗布し、70〜80℃で乾燥して透
明塗布膜を得た。得られた透明塗布膜について、実施例
1と同様にして可視光線透過率を測定したところ、90
%であった。また、同様に紫外線透過率を測定したとこ
ろ、6%であった。また、この透明塗布膜について、温
度40℃、相対湿度90%の条件で240時間の耐環境
加速試験を行った後に、実施例1と同様にして可視光線
透過率を測定したところ、90%であった。また、紫外
線透過率を測定したところ、6%であった。
【0027】実施例6 実施例4で用いたシリコーンオイル135gとトルエン
5リットルの代わりにn−デカン酸300gとメチルア
ルコール30リットルを用いた以外は、実施例5と同様
に表面処理して酸化亜鉛の粉末を得、さらに透明塗布膜
を調製した。この透明塗布膜について、実施例1と同様
にして可視光線透過率を測定したところ、92%であっ
た。また、同様に紫外線透過率を測定したところ、6%
であった。また、この透明塗布膜について、温度40
℃、相対湿度90%の条件で240時間の耐環境加速試
験を行った後に、実施例1と同様にして可視光線透過率
を測定したところ、90%であった。また、紫外線透過
率を測定したところ、7%であった。
【0028】実施例7 実施例6で用いたn−デカン酸300gをラウリン酸3
00gに変えた以外は実施例6と同様に表面処理した酸
化亜鉛の粉末を得、さらに透明塗布膜を調製した。この
透明塗布膜について、実施例1と同様にして可視光線透
過率を測定したところ、92%であった。また、同様に
紫外線透過率を測定したところ、6%であった。また、
この透明塗布膜について、温度40℃、相対湿度90%
の条件で240時間の耐環境加速試験を行った後に、実
施例1と同様にして可視光線透過率を測定したところ、
90%であった。また、紫外線透過率を測定したとこ
ろ、8%であった。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の製造方
法によって超微細酸化亜鉛が安定且つ均一に工業的規模
で得られ、これらの超微細酸化亜鉛は紫外線に対する優
れた遮蔽能力を有すると共に、可視光線に対する高い透
過率をもバランスよく有しており、また表面処理されて
いる場合には、貯蔵安定性が一層改善され、これらの特
性が長期に亘って維持される。また、樹脂製品、塗料、
化粧品等に配合した場合にもマトリックス等と反応を生
じることもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 9/04 C08K 9/04 9/06 9/06 C09C 1/04 C09C 1/04 C09D 5/00 C09D 5/00 Z 7/12 7/12 Z C09K 3/00 104 C09K 3/00 104Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛塩水溶液とアルカリ水溶液とを亜鉛:
    アルカリの当量比が1:1〜1:3となる量比で、それ
    ぞれ別々にかつ同時に、連続的に又は半連続的に反応槽
    に装入し、反応槽を連続的に2000〜20000rp
    mの回転速度で高速撹拌し、反応で生じる中和生成物を
    連続的に又は半連続的に反応槽から取り出し、その後濾
    過、洗浄し、次いで乾燥、焼成することを特徴とする超
    微細酸化亜鉛の製造方法。
  2. 【請求項2】比表面積が30〜100m2/gである超微
    細酸化亜鉛を製造することを特徴とする請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】亜鉛塩水溶液とアルカリ水溶液とを亜鉛:
    アルカリの当量比が1:1〜1:3となる量比で、それ
    ぞれ別々にかつ同時に、連続的に又は半連続的に反応槽
    に装入し、反応槽を連続的に2000〜20000rp
    mの回転速度で高速撹拌し、反応で生じる中和生成物を
    連続的に又は半連続的に反応槽から取り出し、その後濾
    過、洗浄し、次いで乾燥、焼成した後、シリコーンオイ
    ル又は脂肪酸で表面処理することを特徴とする被覆超微
    細酸化亜鉛の製造方法。
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