JPH05222317A - 紫外線遮蔽用複合酸化物およびその製造方法 - Google Patents

紫外線遮蔽用複合酸化物およびその製造方法

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JPH05222317A
JPH05222317A JP9496892A JP9496892A JPH05222317A JP H05222317 A JPH05222317 A JP H05222317A JP 9496892 A JP9496892 A JP 9496892A JP 9496892 A JP9496892 A JP 9496892A JP H05222317 A JPH05222317 A JP H05222317A
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尚男 林
Norisuke Satou
法祐 佐藤
Manabu Hosoi
学 細井
Nobuyori Kasahara
暢順 笠原
Katsuhiko Yoshimaru
克彦 吉丸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紫外線に対する優れた遮蔽能力を有すると共
に、可視光線に対する高い透過率とをバランスよく有
し、しかもこれらの特性が経時劣化せず貯蔵安定性に優
れた白色の紫外線遮蔽材およびその製造方法を提供す
る。 【構成】 酸化亜鉛100重量部に対し、下記(1)〜
(7)から選択される酸化物: (1)酸化ランタン0.001〜5.0重量部、(2)
酸化セリウム0.001〜5.0重量部、(3)酸化鉄
1.0〜10.0重量部、(4)酸化コバルト1.0〜
10.0重量部、(5)酸化ニッケル1.0〜10.0
重量部、(6)酸化チタン0.1〜30.0重量部、
(7)酸化アルミニウム0.1〜30.0重量部、 を少なくとも1種含有し、かつシリコンオイルまたは脂
肪酸で表面処理がされていることを特徴とする紫外線遮
蔽用複合酸化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線遮蔽用複合酸化物
およびその製造方法に関するもので、さらに詳しくは、
塗料、インキ、化粧品等の用途に配合され、紫外線遮蔽
能に優れ、かつ可視光の透過率が高く、しかも貯蔵安定
性に優れた白色の紫外線遮蔽用複合酸化物およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】320〜400nmの波長を有する紫外
線は、皮膚に対して日焼け現象を起こし、黒色化や炎症
等の原因となる。また、この紫外線は、塗料や化粧品中
に含まれるマトリックス樹脂を分解したり、また色素を
分解し退色させたり、あるいは油脂、香料を酸化させ、
変質、変臭を生じさせることがある。
【0003】そこで、紫外線遮蔽材を用い、これらの問
題を解決する試みがなされている。従来、この紫外線遮
蔽材としては、超微粉酸化チタンが知られている。酸化
チタンは紫外線領域ではその遮蔽効果が優れているもの
の、可視光線領域では、酸化チタンの屈折率(2.61
〜2.90、ルチル型)が酸化亜鉛の屈折率(2.00
〜2.02)よりも大きいため、透過率が劣る。そのた
め、この酸化チタンを塗料や化粧品等の透明性材料に配
合した場合に、不透明な白色を呈することとなる。この
他、酸化亜鉛に比べて紫外線照射によりマトリックスが
変質しやすいという欠点を有する。
【0004】また、他の遮蔽材として超微粉酸化亜鉛を
用いる報告がある。すなわち、特開平2−208369
号公報には、比表面積20m2/g以上の超微粉の酸化
亜鉛を紫外線遮蔽材として用いることが提案され、その
紫外線領域における遮蔽効果と可視光線領域での透過率
について言及されている。しかし、このような比表面積
の大きい超微粉の酸化亜鉛を用いた場合にも、可視光線
領域における透過率が不充分であった。
【0005】一方、特開平62−275182号公報に
は、アルミニウムや鉄等の金属と亜鉛との複合酸化物か
らなる紫外線遮蔽材(剤)が記載されている。この紫外
線遮蔽材によって、紫外線に対する優れた遮蔽能力と可
視光線に対する高い透過率が得られる。
【0006】しかしながら、この紫外線遮蔽材は、初期
の紫外線に対する優れた遮蔽能力と可視光線に対する高
い透過率を有するものの、これらの特性が経時劣化し、
貯蔵安定性に劣るという課題を有する。従って、この紫
外線遮蔽剤は、長期に亘って使用することができず、実
用性に欠けるという問題を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の課題を解決すべくなされたもので、紫外線に
対する優れた遮蔽能力を有すると共に、可視光線に対す
る高い透過率とをバランスよく有し、しかもこれらの特
性が経時劣化せず貯蔵安定性に優れた白色の紫外線遮蔽
材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を達成するための手段】本発明の上記目的は、酸
化亜鉛に、ドーピング剤として一定の元素の酸化物を所
定量含有させると共に、複合酸化物をシリコンオイルま
たは脂肪酸で表面処理することによって達成される。
【0009】すなわち、本発明の紫外線遮蔽用複合酸化
物は、酸化亜鉛100重量部に対し、下記(1)〜
(7)から選択される酸化物: (1)酸化ランタン0.001〜5.0重量部、(2)
酸化セリウム0.001〜5.0重量部、(3)酸化鉄
1.0〜10.0重量部、(4)酸化コバルト1.0〜
10.0重量部、(5)酸化ニッケル1.0〜10.0
重量部、(6)酸化チタン0.1〜30.0重量部、
(7)酸化アルミニウム0.1〜30.0重量部、 を少なくとも1種含有し、かつシリコンオイルまたは脂
肪酸で表面処理がされていることを特徴とする。
【0010】本発明では、酸化亜鉛100重量部に、上
記した(1)〜(7)から選択される酸化物が含有され
る。この際の酸化亜鉛に対する各添加元素の酸化物の含
有量は上述のように各元素によって異なる。これら各添
加元素の酸化物の含有量が下限未満では紫外線遮蔽効果
が小さく、逆に上限を超えた場合には紫外線遮蔽効果が
頭打ちとなり、むしろ可視光線領域において透明性に問
題が生じ好ましくない。本発明では、上記した(1)〜
(7)から選択される酸化物を2種以上含有してもよい
ことは勿論である。この場合には、少なくとも1種の酸
化物の含有量が上記範囲にあればよく、他の酸化物の含
有量は上記範囲未満でもよい。例えば酸化亜鉛に、酸化
ランタンと酸化鉄を含有させる場合に、酸化亜鉛100
重量部に対して酸化ランタンを0.001〜5.0重量
部の範囲で含有させる場合には、酸化鉄の含有量は1.
0重量部未満でもよい。
【0011】本発明の紫外線遮蔽用複合酸化物は、表面
が非常に活性であるため、貯蔵安定性を保ち、塗料、化
粧品等に配合した時に、マトリックスまたは他の添加剤
との反応を防止する目的で、シリコンオイルまたは脂肪
酸で表面処理することが必要である。ここで用いられる
シリコンオイルはジメチルシリコンオイル、メチルフェ
ニルシリコンオイル、環状シリコンオイル、ポリエーテ
ルシリコンオイル、変性シリコンオイル、メチルハイド
ロジエンシリコンオイル等が例示される。また、脂肪酸
としてはn−デカン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ステ
アリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸やリ
ノール酸、リノレイン酸、オレイン酸等が例示される。
これらのシリコンオイルや脂肪酸の処理量(被覆量)は
複合酸化物の0.05〜10重量%となるような量が望
ましい。
【0012】次に、本発明の紫外線遮蔽用複合酸化物の
製造方法は、亜鉛とランタン、セリウム、鉄、コバル
ト、ニッケル、チタン、アルミニウムから選ばれる少な
くとも1種とを含有する酸性溶液とアルカリ溶液とを反
応槽に別々にかつ同時に送液し、撹拌した後、濾過、洗
浄を繰り返し、次いで乾燥、焼成した後、シリコンオイ
ルまたは脂肪酸で表面処理することを特徴とする。
【0013】以下、この製造方法を具体的にかつ詳細に
説明する。まず、亜鉛濃度が1〜5モル/lの酸性塩の
水溶液に、上記の添加元素の所定量を加え、酸性溶液と
する。一方、沈殿剤溶液を別途用意する。この沈殿剤溶
液はアルカリ金属の炭酸塩溶液、アルカリ金属の水酸化
物溶液、シュウ酸塩化合物溶液が好ましく用いられる。
沈殿剤溶液の濃度は0.1〜10モル/lの範囲から選
ばれる。
【0014】この酸性溶液と沈殿剤溶液とを流量調整可
能なポンプを用い、反応温度、pHを一定値に保持しな
がら各々別途に反応槽に連続送液する。反応槽では中和
反応によって亜鉛と添加元素の共沈物が得られる。この
間の反応は、当量比で亜鉛と沈殿剤が1:1〜1:3と
なるように流量が調整される。また、この際に撹拌を行
なうことが必要で、2000〜20000rpmの高速
均一撹拌がなされる。このような条件で反応生成物を共
沈させることによって、安定した操業が可能で、大量生
産の場合にも品質が安定した共沈物が得られる。また、
上記の高速撹拌によって、析出した共沈物を瞬時に拡散
し、粒子の粗大化を抑制し、超微粒子化を促進する効果
がある。このような連続的な処理においては、共沈物が
懸濁したスラリーは、例えば反応槽の下部から徐々に抜
き取られる。
【0015】抜き取られた共沈物が懸濁したスラリー
は、固液分離、濾過、洗浄、乾燥した後、300〜10
00℃、好ましくは350〜700℃の温度範囲で、大
気圧下または減圧下(10mmHg以下)にて2〜3時
間の焼成が行なわれる。
【0016】このようにして得られた複合酸化物は、貯
蔵安定性を維持するために、シリコンオイルや脂肪酸で
表面処理する。具体的な処理方法は、上記したシリコン
オイルや脂肪酸をメタノール、エタノール等のアルコー
ル類、もしくはアセトン、MEK、ケトン類等の有機溶
媒に溶解し、この溶液に複合酸化物を直接浸漬するか、
あるいは複合酸化物にスプレーすることによりなされ
る。このような処理を行なった後、80〜150℃で複
合酸化物は再度乾燥される。
【0017】
【作用】以上のような本発明によって、次のような作用
を奏する。
【0018】(1)特定の酸化物を一定量含有させてい
るので、優れた紫外線遮蔽効果を有し、また可視光線領
域においての透過率が高い。
【0019】(2)表面処理を行なっているので、塗
料、化粧品等に配合した場合に、マトリックスや添加剤
と反応することなく、また貯蔵安定性が向上し、優れた
紫外線遮蔽効果と可視光線領域においての高い透過率が
長期に亘って維持できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例等に基づいて具体的に
説明する。
【0021】実施例1 99%の塩化亜鉛5075g(酸化亜鉛換算3Kg)を
純水9リットルに溶解し、さらに24%硫酸チタン3.
13Kg(酸化亜鉛に対するチタン5重量%)をこの溶
液に溶解し、酸性混合溶液とした。この酸化亜鉛濃度は
4.1モル/lであった。また、別に99%炭酸ナトリ
ウム6.4Kgを純水60リットルに溶解した1モル/
lのアルカリ溶液を作成した。
【0022】酸性混合溶液とアリカリ溶液を各々流量調
整可能なポンプでモル比が酸化亜鉛とアルカリ溶液が
1:2になるように流量を調整して反応槽に別個に送液
し、同時添加により中和反応共沈澱析出物を得た。この
間、特に加温は行なわず、pH6〜8に調整し、高速撹
拌による連続反応を行なった。
【0023】反応後のスラリーはその濾液導電率が20
0μs/cm以下になるまで濾過、洗浄を繰返し、得ら
れたケーキを150℃の乾燥を経て、空気中400℃、
3hrの焼成を行ない、超微粉複合酸化物を得た。この
複合酸化物中の酸化チタンの含有量は酸化亜鉛100重
量部に対して8.34重量部であった。
【0024】この複合酸化物の粉末をシリコンオイルを
用いて表面処理した。シリコンオイルとして東レ・ダウ
・コーニング社製の塗料添加用シリコンオイルDC−3
PA(純度10%)135gをトルエン5リットルに溶
解し、5分間撹拌した後、酸化亜鉛2.7Kgをそのシ
リコンオイルのトルエン溶液に添加し、さらに30分間
撹拌した。濾過、乾燥(120℃)を経て得られた粉末
は撥水性であり、シリコンオイルが充分に被覆されてい
ることが判った。また、シリコンオイルの被覆量は複合
酸化物に対して0.5重量%であった。
【0025】この表面処理した複合酸化物の粉末を用
い、ポリエステル系樹脂に30〜40重量%配合し、ガ
ラスビーズと共に、ペイントシエーカーで1.5時間分
散し、バーコーターにてOHPシートに塗布し、70〜
80℃で乾燥を行ない、透明塗布膜を得た。
【0026】得られた透明塗布膜を用い、日本電色工業
社製濁度計によって可視光線領域(400〜700n
m)の透過率を測定した。また、同様に日立社製分光光
度計にて紫外線領域(380nm)の透過率を測定し
た。それぞれの結果を表2に示す。なお、シリコンオイ
ルで表面処理を行なうことによって、可視光線領域での
透過率は92.0%〜90.0%と若干低下した。
【0027】この塗布膜を温度40℃、相対湿度90%
の条件で、240時間耐環境加速試験を行なった。耐環
境加速試験前後の可視光線領域および紫外線領域の透過
率を上記と同様に測定し、結果を表2に示した。
【0028】実施例2 実施例1で用いたシリコンオイル135gとトルエン5
リットルをn−デカン酸300gとメチルアルコール3
0リットルにそれぞれ変えた以外は、実施例23と同様
に表面処理した複合酸化物の粉末を得、さらに透明塗布
膜を調製した。
【0029】この塗布膜について、実施例1と同様に耐
環境加速試験を行ない、その前後の可視光線領域および
紫外線領域の透過率を実施例1と同様に測定し、結果を
表2に示した。
【0030】実施例3 実施例2で用いたn−デカン酸300gをラウリン酸3
00gと変えた以外は、実施例1と同様に表面処理した
複合酸化物の粉末を得、さらに透明塗布膜を調製した。
【0031】この塗布膜について、実施例1と同様に耐
環境加速試験を行ない、その前後の可視光線領域および
紫外線領域の透過率を実施例1と同様に測定し、結果を
表2に示した。
【0032】比較例1 実施例1で得られた表面処理をしていない複合酸化物の
粉末からそのまま透明塗布膜を調製した。
【0033】この塗布膜について、実施例1と同様に耐
環境加速試験を行ない、その前後の可視光線領域および
紫外線領域の透過率を実施例1と同様に測定し、結果を
表2に示した。
【0034】実施例4〜16 表1の組成となるように、添加元素およびその量を変え
た以外は実施例1と同様にして超微粉複合酸化物を得
た。
【0035】これら複合酸化物の粉末を実施例2〜3と
同様の方法によって、n−デカン酸またはラウリン酸で
表面処理した複合酸化物を得、さらに透明塗布膜を調製
した。
【0036】この塗布膜について、実施例1と同様に耐
環境加速試験を行ない、その前後の可視光線領域および
紫外線領域の透過率を実施例1と同様に測定し、結果を
表2に示した。
【0037】比較例2 実施例4で得られた表面処理をしていない複合酸化物の
粉末からそのまま透明塗布膜を調製した。
【0038】この塗布膜について、実施例1と同様に耐
環境加速試験を行ない、その前後の可視光線領域および
紫外線領域の透過率を実施例1と同様に測定し、結果を
表2に示した。
【0039】比較例3 実施例13で得られた表面処理をしていない複合酸化物
の粉末からそのまま透明塗布膜を調製した。
【0040】この塗布膜について、実施例1と同様に耐
環境加速試験を行ない、その前後の可視光線領域および
紫外線領域の透過率を実施例1と同様に測定し、結果を
表2に示した。
【0041】実施例17 98%硫酸亜鉛・7水和物18Kg(酸化亜鉛換算約5
Kg)を純水30リットルに溶解し、さらに24%硫酸
チタン5.22Kg(酸化亜鉛に対するチタン5重量
%)をこの溶液に溶解し、酸性混合溶液として用いた以
外は実施例1と同様にして超微粉複合酸化物を得た。
【0042】この複合酸化物の粉末を実施例2と同様の
方法によって、n−デカン酸で表面処理した複合酸化物
の粉末を得、さらに透明塗布膜を調製した。
【0043】この塗布膜について、実施例1と同様に耐
環境加速試験を行ない、その前後の可視光線領域および
紫外線領域の透過率を実施例1と同様に測定し、結果を
表2に示した。
【0044】実施例18 98%硫酸亜鉛・7水和物3.6Kg(酸化亜鉛換算約
1Kg)を、ランタン17g(酸化亜鉛に対するランタ
ン1.7重量%)が含まれるシュウ酸溶液に添加した酸
性混合溶液を用いた以外は実施例1と同様にして超微粉
複合酸化物を得た。
【0045】この複合酸化物の粉末を実施例2と同様の
方法によって、n−デカン酸で表面処理した複合酸化物
の粉末を得、さらに透明塗布膜を調製した。
【0046】この塗布膜について、実施例1と同様に耐
環境加速試験を行ない、その前後の可視光線領域および
紫外線領域の透過率を実施例1と同様に測定し、結果を
表2に示した。
【0047】実施例19 ランタン17gに代えてセリウム1.72g(酸化亜鉛
に対するセリウム0.17重量%)を用いた以外は実施
例18と同様にして超微粉複合酸化物を得た。
【0048】この複合酸化物の粉末を実施例2と同様の
方法によって、n−デカン酸で表面処理した複合酸化物
の粉末を得、さらに透明塗布膜を調製した。
【0049】この塗布膜について、実施例1と同様に耐
環境加速試験を行ない、その前後の可視光線領域および
紫外線領域の透過率を実施例1と同様に測定し、結果を
表2に示した。
【0050】これら上記した実施例、比較例の添加元素
およびその添加量、並びに表面処理剤およびその被覆量
を表1にまとめて示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】表2の結果から明らかなように、複合酸化
物の表面をシリコンオイルまたは脂肪酸で処理した実施
例1〜19は貯蔵安定性が向上し、優れた紫外線遮蔽効
果と可視光線領域においての高い透過率が長期に亘って
維持できる。これに対して比較例1〜3は、初期には優
れた紫外線遮蔽効果と可視光線領域においての高い透過
率を有するが、貯蔵安定性に劣るため、これらの特性が
経時劣化する。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の紫外線遮
蔽用複合酸化物は、紫外線に対する優れた遮蔽能力を有
すると共に、可視光線に対する高い透過率とをバランス
よく有するのみならず、貯蔵安定性に優れ、これらの特
性が長期に亘って維持される。また、塗料、化粧品等の
用途に配合した場合、マトリックス等と反応を生じるこ
ともない。さらに、本発明の製造方法によって、上記複
合酸化物が安定かつ均一に工業的規模で得られる。
【0055】従って、本発明の紫外線遮蔽用複合酸化物
は、塗料、化粧品等の用途に用いられる紫外線遮蔽材と
して好適に使用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/00 PRB 6904−4J C09K 3/00 104 9049−4H // A61K 7/42 7252−4C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛100重量部に対し、下記
    (1)〜(7)から選択される酸化物: (1)酸化ランタン0.001〜5.0重量部、 (2)酸化セリウム0.001〜5.0重量部、 (3)酸化鉄1.0〜10.0重量部、 (4)酸化コバルト1.0〜10.0重量部、 (5)酸化ニッケル1.0〜10.0重量部、 (6)酸化チタン0.1〜30.0重量部、 (7)酸化アルミニウム0.1〜30.0重量部、 を少なくとも1種含有し、かつシリコンオイルまたは脂
    肪酸で表面処理がされていることを特徴とする紫外線遮
    蔽用複合酸化物。
  2. 【請求項2】 亜鉛とランタン、セリウム、鉄、コバル
    ト、ニッケル、チタン、アルミニウムから選ばれる少な
    くとも1種とを含有する酸性溶液とアルカリ溶液とを反
    応槽に別々にかつ同時に送液し、撹拌した後、濾過、洗
    浄を繰り返し、次いで乾燥、焼成した後、シリコンオイ
    ルまたは脂肪酸で表面処理することを特徴とする紫外線
    遮蔽用複合酸化物の製造方法。
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