JPH10114293A - 電動補助動力装置付自転車 - Google Patents

電動補助動力装置付自転車

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JPH10114293A
JPH10114293A JP27007996A JP27007996A JPH10114293A JP H10114293 A JPH10114293 A JP H10114293A JP 27007996 A JP27007996 A JP 27007996A JP 27007996 A JP27007996 A JP 27007996A JP H10114293 A JPH10114293 A JP H10114293A
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JP
Japan
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vehicle speed
pedaling force
force
moving average
power
Prior art date
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JP27007996A
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Yasushi Morimoto
康司 森本
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TEC CORP
Original Assignee
TEC CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、車速に応じるとともに補助する動
力を平滑化して乗り味のよい補助動力装置付自転車を提
供することにある。 【解決手段】本発明は、クランク軸を介してペダルの踏
力を各周期毎に所定時間内に所定回数検出し、これら検
出された各踏力を記憶手段210に記憶するとともに、
算出手段220によって前記記憶された踏力から所定の
標本数を取り出し踏力の移動平均値を求め、この移動平
均値に基づいてモータ40の出力を制御し、踏力に対応
した動力を補助する電動補助動力装置付自転車におい
て、車速検出手段(スピードセンサー160)によって
自転車の車速を検出するとともに、前記移動平均値を算
出する標本数を車速が大きいときは車速が小さいときよ
りも少なくし補助する動力を平滑化して乗り味のよい電
動補助動力装置付自転車としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人力走行におい
て電動補助動力装置からの動力の補助を受けて走行する
電動補助動力装置付自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】自転車にモータと減速機構からなる電動
補助動力装置を設けて、上り坂等での走行時に前記電動
補助動力装置から動力を供給して楽な走行ができるよう
にした電動補助動力装置付自転車は広く知られている。
そして、走行中に動力を補助する方法は、走行中にクラ
ンク軸に伝達される回転トルクつまりペダルを踏み込む
ことによって生じる踏力値(以下踏力という)の大きさ
をトルク検出手段で検出し、このトルク検出手段の出力
つまり踏力の大きさに応じて前記モータの出力を増減す
るように制御して、踏力に対応した動力を補助して楽な
走行ができるようにしているものである。
【0003】一方、走行中にクランク軸に伝達されるペ
ダルの踏力は、ペダルを踏み込んでいる状態であっても
この踏み込む力は一定とはならないことから常に変動し
ているものであり、また、トルク検出手段はこの変動す
る踏力を検出して出力するものであることから、この検
出出力により直接モータを制御することは、変動する踏
力に即応して動力を補助できるものであることから、踏
み込み時の踏力に対した応答性のよい動力の補助ができ
るという利点がある。しかし、上述のように走行中にペ
ダルに加わる踏力は常に変動するものであり、また踏力
の検出周期(ある時点で検出した後次ぎの踏力を検出す
るまでの時間的間隔)に比べて踏力の変動周期(ペダル
を踏み込んでいる時に踏力が変動する時間的間隔)は極
めて長いことから、短い検出周期で検出される踏力をそ
のまま用いてモータを制御し補助する動力を増減させる
ように制御すると、補助される動力の平滑性が損なわれ
るためにペダルを踏んでいる際にペダルが断続的に重く
なったり軽くなったりするという現象が生じるため運転
者は違和感(ガクガクとした感)を覚えいわゆる乗り味
が良くないものとなる。このことは車速が大きい状態で
は比較的踏力が安定していることから、補助される動力
も安定つまり平滑状態となり前記違和感は低減されるか
が、低速つまり走り始めには踏力が安定しないため補助
される動力の平滑性が損なわれ乗り味が良くないという
現象が顕著となる。
【0004】このように従来の電動補助動力装置付自転
車は、低速走行状態においては補助される動力の平滑性
が損なわれ乗り味がよくないという問題がある。
【0005】そこで、この点つまり走行中に動力を補助
する際に走行を滑らかにするために、補助動力の変動幅
を少なくするような工夫がなされている。その方法の一
つとして、トルク検出手段で走行中に変動しているペダ
ルに加わる踏力を、マイクロコンピューター等からなる
制御装置によって、一定周期でこの周期内において所定
の時間間隔で読み取り、この各時間毎に読み取った踏力
を記憶手段に順次記憶し、この記憶された各踏力のうち
所定数を標本数として取り出して平均して踏力の移動平
均値を算出し、この移動平均値に対応して定めた大きさ
の動力を補助するようにモータを制御し、補助動力の平
滑性を得るようにすることが考えられる。つまり変動す
る踏力を所定時間毎に検出し、これら踏力から取り出し
た所定の標本数に基づいて算出した踏力の移動平均値
は、実際の踏力に比べ平均化されるという性質を有する
ため、この移動平均値を用いてモータを制御することに
より始動時等の低速走行においては、供給される補助動
力は平滑化され乗り味は改善されるものである。
【0006】そして、補助動力の平滑性を高めるには、
移動平均値を求めるための標本数をより多くすればよい
ものであるが、一方この標本数を多くすると、標本数を
得るために時間を要するため、移動平均値の推移とペダ
ルの踏力の推移との位相差が大きくなりペダルの踏み込
み時の踏力の変化に即応して動力の補助がされない。こ
のことは車速の大きい高速走行状態では駆動力の力感つ
まり動力が十分に補助されていないように運転者には感
じられることになり満足のいく乗り味とならないもので
ある。つまり、標本数を多くすると移動平均値の推移は
平滑されることから、即応性よりも前述の違和感の解消
を優先させる低速走行では利点があるが、即応性が要求
される高速走行においては補助する動力の供給が遅れ踏
み込みに対する応答性が悪くなるため上述のように力感
が損なわれるという現象が生じるものである。
【0007】そして、ペダルの踏力の推移と標本数を変
化させた場合の移動平均値の推移との関係を示したのが
図11である。この図は自転車Aを略直線的に加速させ
た走行状態とし、そのときのペダルの踏力とこの踏力の
移動平均値との関係を示したものであり、図中曲線A
(実線)はペダルを踏んだ場合におけるペダルの踏力の
変化つまり推移を示すものであり、曲線B(一点鎖線)
は前記踏力の中から取り出す標本数を3個とした場合の
移動平均値の推移を示したものであり、また、曲線C
(破線)は標本数を5個とした場合の推移を示したもの
である。
【0008】同図の各曲線から判るように、移動平均値
を求める標本数が多くなるにつれて平滑つまり曲線が滑
らかになることが判る。また、標本数が多くなるにつれ
て位相(X軸方向に対する位相)はペダルの踏力に対し
て遅れるとともにその位相差も大きくなり、また、波高
値Hも小さくなることが判る。また、トルク検出手段に
よる走行中の踏力の検出は車速に関係なく一定周期で、
この周期内において所定時間間隔つまり所定時間毎に検
出され、この所定時間毎に検出された踏力の中から所定
数を標本数として取り出して平均値を算出するものであ
ることから、上記曲線BおよびCからも判るように車速
が大きくなるにしたがって位相差は大きくなり、また波
高値は小さくなる。
【0009】そして、位相差が大きくなると上述したよ
うに走行時には変動する踏力に対する応答性が悪くなり
上述のように力感が損なわれ、また、波高値が小さくな
ると補助される動力が小さくなりペダルの踏み込みが重
くなるという現象生じる。このことは車速が大きくなる
に連れて顕著となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の電
動補助動力装置付自転車においては、ペダルの踏力に応
じた動力を補助する際に、平滑な補助動力の供給ができ
ないことからペダルの踏み込みが滑らかにならず平滑感
が得られないという問題があり、また、上述したように
踏力の移動平均値に応じて動力を補助することも考えら
れるが、単に移動平均値を用いることとした場合は、低
速走行時における上記従来の問題は解消されるものの、
高速走行においては補助される動力の応答性が悪くなり
力感が得られないことになる。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、請求項1記載の発明は、ペダル
の踏力を所定時間内に所定回数検出しこれら検出された
各踏力を記憶手段に記憶するとともに、算出手段によっ
て前記記憶された踏力から所定の標本数を取り出し踏力
の移動平均値を求め、この移動平均値に基づいてモータ
の出力を制御して踏力に対応した動力を補助する電動補
助動力装置付自転車において、車速検出手段によって自
転車の車速を検出するとともに、前記移動平均値を算出
する標本数の数を車速が大きいとき車速が小さいときよ
りも少なくした電動補助動力装置付自転車としたもので
ある。
【0012】また、請求項2記載の発明は、ペダルの踏
力値を検出する検出手段と、この検出手段によって検出
中に変動する踏力値を一定周期でこの周期内に所定時間
間隔で読み取りこれら踏力値をそれぞれ記憶する記憶手
段と、車速を検出する車速検出手段と、電源から電力の
供給を受けて補助動力を供給するモータと、小さい車速
に対しては多くの標本決定数を、大きな車速に対しては
少ない標本決定数を設定した標本テーブルと、前記車速
検出手段で検出された車速に基づいて前記標本テーブル
から読み出された車速に対応する標本決定数の数だけ最
新の踏力値から遡及して前記記憶手段から読み出された
踏力値の合計から移動平均値を算出する算出手段と、こ
の算出手段の結果に基づいて前記モータを駆動するモー
タ制御回路とを備え、前記算出手段で算出された踏力の
移動平均値に基づいて前記モータの出力を制御して動力
を補助する電動補助動力装置付自転車としたものであ
る。上記のように構成した請求項1および請求項2記載
の発明は、車速が小さいときは多くの標本数に基づいて
踏力の移動平均値を算出して、この移動平均値に基づい
て動力を補助するようにしたことから、踏力が安定しな
い車速の小さい走行状態においては補助される動力は平
滑化されるため滑らかな乗り味が得られ、また車速が大
きくなったときは少ない標本数に基づいて踏力の移動平
均値を算出し、この移動平均値に基づいて動力を補助す
るようにしたため、踏力が安定し動力の平滑性をそれほ
ど要しない車速の大きい走行状態においては、ペダルの
踏力との位相差を小さくして踏み込みに対する応答性を
よくするとともに波高値の低下を少なくし、ペダルの踏
み込みが重くなるということを防止できるという作用を
有するものである。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明において、標本テーブルに設定される標本決定
数を、踏力値の推移と移動平均された踏力値の推移との
位相差に対する踏力値の推移の周期の比を車速に関係な
く略一定となるように設定した電動補助動力装置付自転
車としたものである。
【0014】このように構成した請求項3記載の発明
は、ペダルの踏力の推移と踏力の移動平均値の推移との
位相に対する踏力の推移の周期の比を車速に関係なく略
一定であることから、請求項2記載の発明の作用に加え
て走行中における踏力に対応して供給される補助動力の
応答性は車速に関係なく略一定にできるという作用を有
するものである。
【0015】また、請求項4記載の発明は、ペダルの踏
力値を検出する検出手段と、この検出手段によって検出
中に変動する踏力値を一定周期でこの周期内に所定時間
間隔で読み取りこれら踏力値をそれぞれ記憶する記憶手
段と、車速を検出する車速検出手段と、電源から電力の
供給を受けて補助動力を供給するモータと、最新の踏力
値から遡及して前記記憶手段から読み出された踏力値の
合計から移動平均値を算出する算出手段と、前記車速検
出手段の検出された車速が所定を超えたか否かを判断す
る車速判断手段と、前記モータを駆動するモータ制御回
路とを備え、前記車速が所定値以下のとき前記踏力値の
移動平均値に基づいて、車速が所定値を超えたときは前
記検出手段で検出された踏力値に基づいてモータの出力
を制御して動力を補助する電動補助動力装置付自転車と
したものである。
【0016】このように構成した請求項4記載の発明
は、車速が所定以下のときは前記請求項2記載の発明と
同様な作用を有するとともに、車速が所定値を超えたと
きは、踏力の移動平均値を算出することなくペダルの踏
力に応じた動力を補助するものであることから、高速走
行時におけるペダル踏力に対応した補助動力の供給の応
答性をさらに良くすることができるという作用を有する
ものである。
【0017】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態を
図1ないし図8に基づいて説明する。図に示すように、
補助動力装置付自転車(以下単に自転車という)Aは、
車体Bとこの車体Bに取り付けられた補助動力装置(以
下単に動力装置という)C等から構成されている。そし
て、前記車体Bは、ハンガラグ1に一端側を固定された
立パイプ2および下パイプ3と、この下パイプ3の他端
側に固定されたヘッドパイプ4に一端側を固定され他端
側を前記立パイプ2の下方部に固定された上パイプ5と
からなるフレーム6、前記ハンガラグ1に一端側を固定
されたチェーンステー7、前記ヘッドパイプ4に取り付
けられた前ホーク8、この前ホーク8の上端に取り付け
られたハンドル9、前記前ホーク8の下端部に取り付け
られた前輪10、前記立パイプ2の上部に一端側を固定
され他端側を前記チェーンステー7の他端側と図示しな
い後つめを介して固定されたバックホーク11、前記チ
ェーンステー7の他端側に取り付けられた後輪12、前
記立パイプ2の上方に取り付けられたサドル13、前記
後輪の上部に設けた荷受台14等から構成されている。
【0018】また、前記ハンガラグ1には後述するクラ
ンク軸80が回動自在に設けられ、このクランク軸80
の両端部にはそれぞれペダル81aと82aが設けられ
た左クランク81と右クランク82が取り付けられてい
る。また、前記荷受台14の上部には電源としてのバッ
テリー14bを収納したバッテリーケース14aが取り
付けられている。また、バッテリー14bは後述するモ
ータ40等とはリード線16を介して電力が供給される
ようになっている。また、走行時の回転力を伝達するス
プロケット17と後輪12の図示しないスプロケット1
7にはチェーン18が架けられている。
【0019】つぎに、前記動力装置Cの構成を図2ない
し図4に基づいて説明する。図に示すように動力装置C
は、ケース本体23と蓋ケース25とからなるケース2
0、このケース20に取り付けられた前記モータ40、
減速機構50から構成されており、また前記ケース20
には軸受を介して取り付けられ前記減速機構50から回
転力が伝達される中空軸70と、この中空軸70を貫通
してクランク軸80が設けられている。また、前記ケー
ス20内には後述するマイクロコンピュータ、ROM、
RAM等からなる制御装置300等が収納されている。
【0020】そして、前記ケース本体23には、減速機
構50と前記制御装置300等が収納されている。前記
減速機構50は、前記モータ40の出力軸41の先端部
に取り付けられた歯車51、この歯車51と噛合する径
大な歯車52、この歯車52と一体に設けられた径小な
歯車53、この歯車53と噛合する径大な歯車54bと
傘歯車54cとからなる歯車54、前記傘歯車54cと
噛合する傘歯車55、この傘歯車55が取り付けられて
いる軸と同じ軸55aに取り付けられた歯車55b、こ
の歯車55bに噛合する駆動歯車56とから構成されて
いる。
【0021】そして、前記歯車55bは前記軸55aに
一方向性クラッチ55fを介して取り付けられている。
この一方向性クラッチ55fは前記モータ40の回転力
を自転車が正規に走行つまり前進方向に走行するように
前記駆動歯車56に伝達するように前記歯車55bを回
転させるが、逆方向には空転するように機能するもので
ある。つまり一方向性クラッチ55fは後述する人力走
行の際にペダル81a、82aが取り付けられているク
ランク81、82が走行方向に回転したときは空転する
ように機能するものである。
【0022】また、前記駆動歯車56の中央部には軸孔
56aが形成されており、この軸孔56aには凹凸条5
6cが形成され、また、駆動歯車56の蓋ケース25側
の側面には軸孔56aの外周に図2、図3に示すように
同心状に配置された複数(実施例では3個、図2、図3
では1個のみ図示)の突起部57が形成されており、こ
の突起部57は図4に示す矢印方向つまり駆動歯車56
が走行時に回転する方向に沿って同図に示すように上方
に向かって次第に上昇する傾斜面57aが形成されてい
る。また、駆動歯車56の前記蓋ケース25側の側面に
は、図3に示すように前記隣接する突起部57の間に位
置して軸孔56aと同心状に配置された複数(実施例で
は3個設けられており、図3では1個のみ図示)の後述
する圧縮ばね60の一端側を規制するL字状の規制部材
58が形成されている。
【0023】また、前記駆動歯車56に形成された軸孔
56aには、減速機構50を介して伝達される前記モー
タ40の動力つまり回転力をスプロケット17に伝達す
る前記中空軸70が嵌合しており、この中空軸70は前
記ハンガラグ1に回転自在に設けられ、内部に貫通孔7
1を有するとともに一端側に前記軸孔56aに形成され
た凹凸条56cと係合する凹凸条72が形成され、前記
軸孔56aに嵌合した状態では両凹凸条56c、72の
係合によって周方向に回り止めされて、中空軸70は駆
動歯車56と一体に回転するようになっている。また、
中空軸70の他端側にはスプロケット17が取り付けら
れている取付部材17aが取り付けられており、また、
この中空軸70は凹凸条72が形成された近傍をボール
ベアリング77の内輪に圧入されて、このボールベアリ
ング77の外輪を前記ケース本体23に設けた軸受取付
部23bに圧入することによって中空軸70はケース本
体23に取り付けられている。
【0024】また、前記中空軸70の貫通孔71を貫通
してクランク軸80が回転自在に設けられ、このクラン
ク軸80の両端に取付部83および取付部84がそれぞ
れ形成されている。
【0025】また、前記クランク軸80には、前記中空
軸70に取り付けられた駆動歯車56に接近した部位に
一方向性クラッチ85が取り付けられ、この一方向性ク
ラッチ85を介してクランク軸80には駆動板90が取
り付けられている。そして、前記一方向性クラッチ85
はクランク軸80が人力走行の際にペダル81a、82
aが取り付けられたクランク81、82によって走行方
向に回転させられる場合は前記駆動板90を回転させ、
これとは逆にクランク軸80が回転したときは空転し、
前記駆動版90を回転させないように機能するものであ
る。また、前記駆動板90の前記蓋ケース25側には前
記駆動歯車56の側面との間に空間を形成するように所
定距離離間して形成された円盤形のフランジ部91が形
成され、このフランジ部91の駆動歯車56側の面に
は、図3に示すように前記圧縮ばね60の他端側に当接
して圧縮する圧縮部92が形成されている。そして、前
記L字状の規制部材58と前記圧縮部92との間に前記
圧縮ばね60が配設されている。
【0026】そして、この圧縮ばね60の付勢力の大き
さは、人力走行の際に前記クランク軸80、一方向性ク
ラッチ85を介して駆動板90に加えられる回転力に応
じて圧縮するように設定されている。つまり、人力走行
の際には、前記クランク軸80の回転に伴って一方向性
クラッチ85とともに回転する駆動板90の回転力に応
じて駆動歯車56と相対移動が生じるように設定されて
いるものである。
【0027】また、駆動板90のフランジ部91には、
図2、図4に示すように前記駆動歯車56の側面に形成
した突起部57に対応させた部位に貫通孔93が3個
(図2、図5では1個のみ図示)形成されている。
【0028】また、このフランジ部91と対向して接離
可能に環状板からなる偏位プレート95が配設されてお
り、この偏位プレート95には前記それぞれの貫通孔9
3に対応した位置に一端側先端部を前記貫通孔93に貫
通するように一体的に固着されたスライド軸96が設け
られている。また、このスライド軸96の他端側先端に
は球状突起96aが形成され、この球状突起96aは前
記駆動歯車56に形成された突起部57の傾斜面57a
に、前記偏位プレート95との間に配設したコイルスプ
リング97によって圧接するように付勢されている。つ
まり、前記偏位プレート95はこの偏位プレート95に
固着されたスライド軸96を前記フランジ部91の貫通
孔93に貫通させるとともにコイルスプリング97によ
って付勢されて球状突起96aを前記傾斜面57aに圧
接された状態で駆動歯車56と駆動板90の間にクラン
ク軸80の軸方向に移動可能に配設されているものであ
る。
【0029】そして、ペダル81a、82aの踏力がク
ランク81、82を介して前記クランク軸80に加わる
と、この回転力はクランク軸80に取り付けられている
一方向性クラッチ85を介して駆動板90に伝達され駆
動板90は回転し、そして、走行中に登り坂を走行する
等の加速状態となった場合には、それまで以上にペダル
81a、82aは強く踏み込まれるため、このペダル8
1a、82aの踏力によって回転するクランク軸80に
一方向性クラッチ85を介して取り付けられている駆動
板90と、中空軸70と一体に回転する駆動歯車56と
の間に踏力に応じた相対移動が生じることになる。つま
り、自転車Aを加速するためにペダル81a、82aを
強く踏み込み踏力を増加させることにより、駆動板90
と駆動歯車56との間に設けた圧縮ばね60は圧縮さ
れ、前記駆動板90は前記踏力に応じた量だけ駆動歯車
56より先行して回転することになり、その結果偏位プ
レート95に固着したスライド軸96の球状突起96a
は駆動歯車56に設けた突起部57の傾斜面57aに沿
って上方に移動し、この移動に伴ってコイルスプリング
97は圧縮され、偏位プレート95は駆動歯車56から
離反する方向に移動つまり偏位することになる。
【0030】そして、偏位プレート95が駆動歯車56
から離反する方向に偏位すると、この偏位プレート95
の偏位量に応じて後述する回転力検出手段としてのトル
クセンサー100の作動杆140が動作し、トルクセン
サー100は踏力に応じた電気的出力を出力し、この電
気的出力は周知のA/D(アナログ/デジタル値)変換
器によってデジタル値に変換されて前記制御装置300
に送られるようになっている。
【0031】また、前記動力装置Cの蓋ケース25には
図1に示すように始動スイッチ15が設けられており、
この始動スイッチ15にはキー挿入孔15aが設けられ
ており、このキー挿入孔15aに図示しないキーを挿入
して閉成・開成操作することにより、前記バッテリー1
4bからモータ40等に電力の供給・停止がなされるよ
うになっている。そして、始動スイッチ15が閉成され
たときは動力装置Cからの回転力の補助により楽な走行
ができるものであり、また開成された時は人力のみによ
る人力走行となるものである。
【0032】つぎに、前記トルクセンサー100の構成
を図5、図6に基づいて説明する。図5に示すようにト
ルクセンサー100は、下部ケース110とこの下部ケ
ース110に取り付けられる上部ケース120とからな
るケース本体101、このケース本体101内に配設さ
れるセンサーとしての歪みゲージ130、被検出トルク
であるペダルの踏力つまりクランク軸80の回転トルク
の作用力を受ける作動杆140およびこの作動杆140
が受けた作用力を歪みゲージ130に伝達するコイルス
プリング150等から構成されている。
【0033】また、前記上部ケース120には、底壁1
21にそれぞれ内側および外側に突出した筒部125が
形成され、また、この筒部125には外側端部から略中
間部までの部位にはガイド孔126が形成されるととも
に、前記中間部から内側端部までの部位にはガイド孔1
26より径大な孔127が形成されている。
【0034】そして、前記センサーつまり歪みゲージ1
30は、例えばアルミニウム等からなる起歪体131の
表面に絶縁被膜を介して薄膜からなる4個の抵抗体R1
ないしR4(図5では不図示)を貼着あるいはいわゆる
半導体技術等により配設するとともに、これら4個の抵
抗体R1ないしR4を導体によって、図6に示すように
ブリッジWを構成するように接続して構成されている。
そして、前記ブリッジWの抵抗体R1とR3との接続点
および抵抗体R4とR2との接続点はリード線132a
および132bを介して電源に接続され、また、抵抗体
R1とR4との接続点および抵抗体R2とR3との接続
点は出力端部となっており、この出力端部から踏力の大
きさに応じた電気的出力が出力され、この電気的出力は
リード線133aおよび133bを通して、図示しない
A/D変換器を介して制御装置200に送られるように
なっている。
【0035】また、前記下部ケース110と上部ケース
120とに固定端を挾持して固定された起歪体131の
自由端131aは前記筒部125の内側端部の下方に位
置するとともにガイド孔126に対応する部位まで延出
されており、この先端部にはガイド孔126の軸心と一
致する軸心を有するピン134が取り付けられている。
【0036】また、前記作動杆140は前記ガイド孔1
26に案内されて軸方向にスライド自在に嵌合する軸部
141と、この軸部141の一端部に形成され摩擦を低
減するために鋼球142aが回動可能にはめ込まれてい
る径大なストッパー部142とから構成され、また、作
動杆140と前記ピン134との間に前記コイルスプリ
ング150が所定量圧縮された状態で配設されている。
【0037】そして、このトルクセンサー100の動作
は従来周知の歪みゲージを用いたトルクセンサーと同一
の原理で動作するものである。つまりペダル81a、8
2aの踏力は前記クランク軸80に伝えられ、このクラ
ンク軸80の回転力の大きさに応じて変化する偏位プレ
ート95の偏位量に応じた曲げ力を起歪体131に付与
し、前記抵抗体R1ないしR4の抵抗値の変化に応じた
電気的出力をブリッジWから出力させるものである。な
お、この実施の形態においては、偏位プレート95が偏
位しないとき起歪体131に最大曲げ力が加えられるよ
うに構成されている。
【0038】また、前記ケース20の内部には図3に示
すように自転車Aの車速を検出する車速検出手段として
のスピードセンサー160が設けられており、このスピ
ードセンサー160は周知の磁気センサーが用いられ、
このスピードセンサー160の図示しない検出部は前記
駆動歯車56の歯部に近接して配置され、前記駆動歯車
56が回転することにより検出部に駆動歯車56の各歯
が近接する毎に、発生するパルス信号の単位時間当たり
のパルス数に基づいて車速を検出するものである。
【0039】つぎに、前記モータ40の駆動力の後輪1
2への伝達について説明する。
【0040】人力走行において登り坂等を走行する場合
のよう自転車Aを加速するようにペダル81a、82a
を踏み込むと、上述したようにペダル81a、82aの
踏力が大きくなり所定値を超え、前記駆動歯車56に対
して駆動板90が先行して回転して両者に踏力に応じた
量の相対移動が生じ、その結果偏位プレート95のスラ
イド軸96の先端部は駆動歯車56に設けた突起部57
の傾斜面57aを上方に移動し、偏位プレート95は踏
力の大きさに応じた偏位量だけ駆動歯車56から離反す
る方向に偏位する。その結果作動杆140、コイルスプ
リング150を介して起歪体131に加えられていた最
大曲げ力が減少し、起歪体131は復元し、この復元に
伴いブリッジWの抵抗R1ないしR4の抵抗値が変化し
て、この変化に応じた電気的出力が制御装置200に送
られる。そして、制御装置200によって後述するよう
にモータ40が駆動されてモータ40の動力は出力軸4
1に設けられた歯車42から、前記減速機構50を介し
て駆動歯車56に伝達され、この駆動歯車56を介して
中空軸70に伝達され、この中空軸70に取り付けられ
ているスプロケット17、チェーン18を介して後輪1
2に伝達されるものである。つまりペダル81a、82
aを踏み込むことによってクランク軸80に伝達される
人力による回転力に前記モータ40の回転力つまり動力
が付加つまり補助されて自転車は走行するものである。
【0041】つぎに、この実施の形態における自転車A
の踏力に応じた動力を補助する制御を、図7に示す制御
ブロック図に基づいて説明する。
【0042】同図に示すように制御装置200には、メ
モリーからなる記憶手段210、移動平均値を算出する
算出手段220、メモリーからなる標本テーブル23
0、モータ制御回路240および図示しないが制御手段
等が設けられている。そして、前記記憶手段210は複
数の記憶エリア211(1)ないし211(n)を有し
ており、前述したように図示しないA/D変換器を介し
て前記トルクセンサー100に接続されており、一定周
期でこの周期内において所定時間間隔毎に前記トルクセ
ンサー100で検出されているペダルの踏力は記憶エリ
ア211(1)から順次211(n)に記憶つまり格納
されるようになっている。なお、この格納は前記図示し
ない制御手段によって制御される図示しない読取・書込
手段によってなされるものである。
【0043】また、前記記憶手段210には踏力の移動
平均値を算出する算出手段220が接続され、また、こ
の算出手段220にはスピードセンサー160が接続さ
れており、スピードセンサー160で検出される車速が
逐次前記算出手段220送られるようになっている。ま
た、算出手段220には標本テーブル230が接続され
ており、この標本テーブル230には、それぞれあらか
じめ定めた車速に対応して、踏力の移動平均値を算出す
るための標本数を決定するための標本決定数が格納つま
り設定されている。なお、前記算出手段220には図示
しないが記憶手段210から踏力を読み出す踏力読出手
段、標本テーブル230から標本決定数を読み出す標本
読出手段を有しているものである。
【0044】そして、前記算出手段220は、前記スピ
ードセンサー160から出力される車速に応じた標本決
定数を前記標本テーブル230読み出し、前記記憶手段
210の各記憶エリア221(1)ないし211(n)
に記憶されている踏力の中から最新の踏力つまり記憶手
段210の記憶エリア221(1)ないし211(n)
に格納された最も新しい踏力から、前記読み出した標本
決定数の数だけ、遡及した踏力を読み出しこれら踏力の
合計値を前記標本決定数で除して、前記車速に対応した
移動平均値を算出するものである。また、算出手段22
0にはモータ制御回路240が接続されており、また、
このモータ制御回路240にはバッテリー14bとモー
タ40が接続されている。このモータ制御回路240は
前記算出手段220で算出された踏力の移動平均値に基
づいてバッテリー14bから供給される電流を制御して
モータ40の出力つまり回転力を制御するものである。
【0045】つぎに、踏力に応じてモータ40の動力つ
まり回転力を補助する制御について説明する。
【0046】まず、自転車Aに乗り停止状態からペダル
81a、82aを踏み込み走行を開始すると、ペダル8
1a、82aの踏力はクランク軸80に伝達され、この
クランク軸80の回転力はトルクセンサー100で検出
され、このトルクセンサー100の出力は一定周期毎に
この周期内において所定時間間隔毎に読み取られて、前
記記憶手段210の各記憶エリア211(1)ないし2
11(n)に順次記憶つまり格納される。
【0047】また、走行が開始されるとスピードセンサ
ー160によって車速が検出され、この車速は前記算出
手段220に送られ、算出手段220はこの車速と対応
して設定された標本決定数を標本テーブル230から読
み出すとともに、前記記憶手段210から最新の踏力か
ら前記標本決定数の数だけ遡及して標本数を読み出し、
この合計値を前記標本数で除して移動平均値を算出しモ
ータ制御回路240に送る。モータ制御回路240はこ
の移動平均値に基づいてこの移動平均値に応じた動力を
出力するつまり補助するように前記バッテリー14bか
らモータ40に電流を供給してモータ40を駆動する。
【0048】つまり、走行中に変動するペダル81a、
82aに加わる踏力を順次記憶手段210に記憶し、一
方車速をトルクセンサー100で検出しこの車速に応じ
て決定される標本数の数だけ記憶手段210から踏力が
読み出すととも、この読み出した踏力から移動平均値を
算出し、この算出した移動平均値に応じた動力を補助す
るようにモータ40の出力を制御するものである。
【0049】そして、走行開始時つまり始動時には車速
が小さいことから移動平均値を算出する標本数は多く設
定されているため、踏力の移動平均値の推移は平滑化さ
れることから補助動力も平滑化されており、運転者はペ
ダルを踏み込むときに前述したような違和感を覚えるこ
とがないく、また、車速が大きいときは標本数が少なく
設定されているため、踏力の移動平均値の推移とペダル
の踏力の推移との位相差は小さくなり、踏み込みに対す
る応答性がよいため力感が損なわれることがないもので
ある。
【0050】そして、前記制御によってペダルの踏力と
標本数を変化させた際の移動平均値の推移との関係を示
したのが図8である。この図8はペダルを踏み込み車速
が直線的に加速し、この時のペダルの踏力の変化する状
態つまり推移と、トルク検出手段で検出された前記ペダ
ルの踏力の変化を所定時間毎に読み取り、この時間毎に
読み取った踏力の移動平均値の変化する状態つまり推移
を示したグラフである。そして、グラフにおいて、実線
で示す曲線Dはペダルの踏力の推移を示したものであ
り、破線で示す曲線E1およびE2はそれぞれ移動平均
値の推移を示すもので、曲線E1は標本数を5個とした
場合であり、曲線E2は標本数を3個とした場合であ
る。つまり走行開始から時間T1の間は標本数を5個と
して、この時間T1以降の時間T2は標本数を3個とし
た場合の移動平均値の推移を示したものである。なお、
図8中符号Kは自転車Aの加速状態を示すもので直線的
に加速するものであることから理論的には直線となるも
のであるが実際には図に示すような状態となる。
【0051】この図8のグラフから判るように、走行開
始時のペダルの踏力つまり曲線D最初の立ち上がり部分
Mでは平滑性を欠いているが、移動平均値を示す曲線E
1の前記立ち上がり部分Mに対応する立ち上がり部分m
は直線状つまり平滑化されている。また、車速が大きく
なり時間T1を経過した時点で標本数を3個とした破線
E2からも判るようにペダルの踏力を示す実線Dとの位
相差は標本数5個の場合よりも小さくなっており、踏み
込みに対する動力の供給の応答性がよくなっていること
を示している。また、波高値は標本数が3個の場合も、
標本数5個の場合とほとんど変ることなく、ペダルが重
くなるということがないことを示すものである。
【0052】これを図11に示した標本数を車速に関係
なく一定例えば5個とした場合の曲線Cと比べて見れば
判るように、標本数を5個と固定した移動平均値の曲線
Cは車速が大きくなる連れてペダルの踏力の曲線Aとの
位相差が大きくなり、また波高値も低下しているが、図
8に示すように曲線E2で示されているように車速が大
きくなったとき標本数を少なくすることにより移動平均
値のペダル踏力に対する位相差を小さくでき、また、波
高値の低下を防止できるものである。
【0053】このことによって、車速が小さいときには
ペダルの踏力に対して供給される補助動力の平滑化が図
れ、また、車速が大きくなったときはペダルの踏み込み
に対する補助動力の供給の応答性をよくできるため、良
好な乗り味が得られるものである。
【0054】つぎに、この発明の第二の実施の形態をに
ついて説明する。この実施の形態は請求項3記載の発明
に対応するもので、ペダルの踏力の推移とこの踏力の移
動平均値の推移との位相差と前記踏力の推移の周期との
比を車速に関係なく略一定となるように標本数を可変と
するものである。
【0055】そして、図9はこの場合における踏力の推
移と移動平均値の推移との位相差と、踏力の推移の周期
との関係を示したものである。この図9に示すグラフは
ペダルを踏み込み、車速を曲線Kで示すように略直線的
に加速し、この時のペダルの踏力の変化する状態つまり
推移と、トルク検出手段で検出された前記ペダルの踏力
を所定時間毎に読み取り、この時間毎に読み取った踏力
の移動平均値を算出する標本数を車速が大きくなるに連
れて減少させて、この移動平均値の推移と前記ペダルの
踏力の推移との位相差と、前記踏力の推移の周期との比
を車速に関係なく略一定とするようにした場合の移動平
均値の変化する状態を示したグラフである。そして、グ
ラフにおいて、実線で示す曲線Fはペダルの踏力の推移
を示したものであり、破線で示す曲線G1、G2および
G3は移動平均値の推移を示すものである。つまり走行
開始から時間T1の間は標本数を5個として、時間T1
を経過した後時間T2の間は標本数を3個とし、同様に
して時間T2を経過した後時間T3では標本数を2個と
して算出した移動平均値の推移を示したものである。
【0056】この図9のグラフから判るように、走行開
始時のペダルの踏力つまり曲線Fの最初の立ち上がり部
分Mでは平滑性を欠いているが、移動平均値G1の前記
立ち上がり部分Mに対応する立ち上がり部分mは直線状
つまり平滑化されている。また、走行開始からT1を経
過して次第に車速が大きくなった時間T2に達した時点
で標本数を3個とした曲線G2からも判るように、ペダ
ルの踏力を示す実線Fとの位相差は標本数5個の場合よ
りも小さくなっており、また、さらに車速が大きくなっ
た時間T3に達した時点で標本数を2個とした破線G3
からも判るようにペダルの踏力を示す曲線Fとの位相差
は標本数5個の場合よりもさらに小さくなっている。
【0057】つまり、走行開始から時間の経過とともに
ペダルを踏み込んで車速が次第に大きくなると、図9に
示すようにペダルの踏力の推移を示す曲線Fの周期Wは
次第小さくなるが、一方車速が大きくなるにつれて標本
数を小さくすることにより、曲線Fと各曲線G1ないし
G3とのそれぞれの位相差wも小さくなるため、前記各
位相差wに対するペダルの踏力の推移を示す曲線Fの周
期Wの比は略一定となっているものである。換言すれ
ば、ペダルの踏力の推移を示す曲線Fの周期Wと、この
踏力の推移より位相が遅れる移動平均値の周期との位相
差wとの比を車速に関係なく略一定になるように、車速
が大きくなるにつれて標本数を減少させるようにしたも
のである。
【0058】このことによって、車速が大きくなった際
においても踏み込みに対する動力の供給の応答性がよく
することができるものである。また、波高値は標本数が
いずれの場合も、略同一で大きく変わることがなく、ペ
ダルが重くなるということがないことを示すものであ
る。
【0059】そして、この第二の実施の形態の制御構成
は第一の実施の形態の場合と同様であり、その制御ブロ
ック図は図7に示す制御ブロック図と同様である。な
お、標本テーブル230には、上述したようにペダルの
踏力の推移と踏力の移動平均値の推移との位相差と、踏
力の周期との比が車速に関係なく略一定となるように標
本決定数を実験等によって求め、この標本決定数を車速
に対応させて設定されている。このことによって走行中
の車速に応じた標本決定数に基づいて算出手段220は
記憶手段210から標本決定数の数だけの踏力を標本数
として移動平均値を算出し、この算出した移動平均値に
基づいてモータ制御回路240はモータ40を制御して
動力を補助するものである。
【0060】つぎに、この発明の第三の実施の形態を説
明する。この実施の形態は請求項4記載の発明に対応す
るもので、車速の大きさが所定値以下の場合は踏力の移
動平均値に基づいてモータを制御して動力を補助し、車
速の大きさが所定値を超えたときは踏力(ペダルの踏
力)に基づいてモータを制御して動力を補助するもので
ある。なお、この実施の形態では図10に示す制御ブロ
ック図における車速判断手段250、切換手段260お
よび一時記憶手段270を除いては第一の実施の形態の
場合と同様な構成であることから、同一構成部分につい
ては同一符号を付しその説明は省略する。
【0061】図10の制御ブロック図に示すようにスピ
ードセンサー160には車速判断手段250が接続され
ており、この車速判断手段250はスピードセンサー1
60によって検出された車速の大きさが、あらかじめ定
められた基準値つまり所定値と比較し、所定値以下か超
えたかを判断するものである。この車速判断手段250
には切換手段260が接続されており、この切換手段2
60には一時記憶手段270を介して記憶手段210に
接続されるとともに算出手段220が接続されている。
また、切換手段260にはモータ制御回路240に接続
されている。前記一時記憶手段270はトルクセンサー
100で検出され記憶手段210に記憶された踏力を同
時に一時記憶するものであり、記憶手段210に踏力が
読み込まれる毎に更新されるようになっている。
【0062】そして、前記切換手段260は、車速判断
手段250から出力される車速の大きさが所定値以下で
あるときは、算出手段220で算出された移動平均値が
モータ制御回路240に出力されるように算出手段22
0をモータ制御回路240に接続し、また、所定値を超
えたときは一時記憶手段270に格納された踏力がモー
タ制御回路240に出力されるように一時記憶手段27
0をモータ制御回路240に接続するように機能するも
のである。このことによって、モータ制御回路240に
は一時記憶手段270を介して記憶手段210つまりト
ルクセンサー100から読み込まれた踏力が切換手段2
60によって直接送られるようになっている。
【0063】つぎに、この実施の形態におけるモータ4
0から動力を補助する制御について説明する。
【0064】まず、自転車Aが停止状態からペダル81
a、82aが踏み込まれ走行が開始されると、この時の
踏力はトルクセンサー100で検出されるとともに所定
時間間隔で記憶手段210に順次読み込まれ、この順次
読み込まれた踏力は同時に順次更新されつつ前記一時記
憶手段270に記憶される。また、一方この時の車速は
スピードセンサー160によって検出され、この検出結
果は車速判断手段250に送られてこの車速が所定値以
下か超えたかが判断される。この場合は走行開始直後で
あることから車速は所定値以下で切換手段260は算出
手段220をモータ制御回路240に接続するように動
作する。また、算出手段220はスピードセンサー16
0で検出された車速に対応した標本決定数を標本テーブ
ル230から呼び出だし、この標本決定数の数だけの標
本数を記憶手段210が踏力を呼び出し移動平均値を算
出し、この移動平均値はモータ制御回路240に送ら
れ、モータ制御回路240はこの移動平均値に応じた動
力を出力つまり補助するようにモータ40を制御する。
【0065】つぎに、走行開始から次第に加速されてス
ピードセンサー160で検出される車速が所定値を超え
ると、所定値を超えたことが車速判断手段260によっ
て判断され、切換手段260は算出手段220とモータ
制御回路240との接続を解除するとともに一時記憶手
段270をモータ制御回路240に接続する。この結
果、トルクセンサー100から記憶手段210に読み込
まれると同時に一時記憶手段に記憶された踏力がモータ
制御回路240に送られ、モータ制御回路240はこの
踏力に応じた動力を出力つまり補助するようにモータ4
0を制御する。つまり、車速が所定値を超えた状態にお
ける走行では、ペダル81a、82aの踏み込み時の踏
力に応じた動力が補助され、踏み込みに対する動力補助
の応答性がよいことから力感がえられる走行がなされる
ものである。
【0066】なお、上記各実施の形態においては、説明
を簡単にするために算出手段220で標本テーブル23
0の標本決定数および記憶手段210の踏力を呼び出す
こととしたが、これはマイクロコンピュータからなる制
御手段の介在にによってなされるものである。同様に算
出手段220および一時記憶手段270からそれぞれ出
力される移動平均値および踏力を直接モータ制御回路2
40に出力し、このモータ制御回路240によってモー
タ40を制御するように説明したが、これは前記移動平
均値および踏力に基づいて前記制御手段の介在によって
なされるものである。その他車速判断手段260の出力
によって動作する切換手段270等も同様に制御手段の
介在によってなされるものである。
【0067】
【発明の効果】上記のように構成した請求項1および請
求項2記載の発明は、上記のように構成した請求項1お
よび請求項2記載の発明は、車速が大きいときは多くの
標本数に基づいて踏力の移動平均値を算出して、この移
動平均値に基づいて動力を補助するようにしたことか
ら、補助される動力は平滑化されるため滑らかな乗り味
が得られ、また車速が大きくなったときは少ない標本数
に基づいて踏力の移動平均値を算出し、この移動平均値
に基づいて動力を補助するようにしたため、ペダルの踏
力との位相差を小さくして踏み込みに対する応答性をよ
くするとともに波高値の低下を少なくし、ペダルの踏み
込みが重くなるということを防止できるという効果を奏
するものである。
【0068】また、請求項3記載の発明は、ペダルの踏
力の推移と踏力の移動平均値の推移との位相差に対する
踏込値の推移の周期の比が車速に関係なく略一定である
ことから、請求項2記載の発明の作用に加えて走行中に
おける踏み込みに対応して供給される補助動力の応答性
は車速に関係なく略一定にできるという効果を奏するも
のである。
【0069】また、請求項4記載の発明は、車速が所定
値以下のときは前記請求項2記載の発明と同様な作用を
有するとともに、車速が所定値を超えたときは、踏力の
移動平均値を算出することなくペダルの踏力に応じた動
力を補助するものであることから、高速走行時における
ペダル踏力に対応した補助動力の供給の応答性をさらに
良くすることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補助動力装置付自転車の実施の形態の
全体図。
【図2】上記実施の形態の補助動力装置の構成を示す断
面図。
【図3】上記実施の形態の補助動力装置を示す側面図。
【図4】上記実施の形態ペダルの踏力とトルク検出手段
の動作の関係を示す部分図。
【図5】上記実施の形態のトルク検出手段(トルクセン
サー)の断面図。
【図6】上記実施の形態のトルク検出手段(トルクセン
サー)の回路図。
【図7】上記実施の形態の制御ブロック図。
【図8】上記実施の形態の踏力と踏力の移動平均値の関
係を示すグラフ。
【図9】上記第二の実施の形態の踏力と踏力の移動平均
値の関係を示すグラフ。
【図10】本発明の第三の実施の形態の制御ブロック
図。
【図11】踏力の移動平均を一定の標本数で算出した場
合の移動平均値と踏力との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
A 補助動力装置付自転車。 B 車体 C 補助動力装置 80 クランク軸 81a、82a ペダル 100 トルクセンサー(トルク検出手段) 160 スピードセンサー(車速検出手段) 200 制御装置 210 記憶手段 220 算出手段 230 標本テーブル 240 モータ駆動回路 250 車速判断手段 260 一時記憶手段 270 切換手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペダルの踏力を所定時間内に所定回数検出
    しこれら検出された各踏力を記憶手段に記憶するととも
    に、算出手段によって前記記憶された踏力から所定の標
    本数を取り出し踏力の移動平均値を求め、この移動平均
    値に基づいてモータの出力を制御して踏力に対応した動
    力を補助する電動補助動力装置付自転車において、車速
    検出手段によって自転車の車速を検出するとともに、前
    記移動平均値を算出する標本数の数を車速が大きいとき
    車速が小さいときよりも少なくしたことを特徴とする電
    動補助動力装置付自転車。
  2. 【請求項2】ペダルの踏力値を検出する検出手段と、こ
    の検出手段によって検出中に変動する踏力値を一定周期
    でこの周期内に所定時間間隔で読み取りこれら踏力値を
    それぞれ記憶する記憶手段と、車速を検出する車速検出
    手段と、電源から電力の供給を受けて補助動力を供給す
    るモータと、小さい車速に対しては多くの標本決定数
    を、大きな車速に対しては少ない標本決定数を設定した
    標本テーブルと、前記車速検出手段で検出された車速に
    基づいて前記標本テーブルから読み出された車速に対応
    する標本決定数の数だけ最新の踏力値から遡及して前記
    記憶手段から読み出された踏力値の合計から移動平均値
    を算出する算出手段と、この算出手段の結果に基づいて
    前記モータを駆動するモータ制御回路とを備え、前記算
    出手段で算出された踏力の移動平均値に基づいて前記モ
    ータの出力を制御して動力を補助することを特徴とする
    電動補助動力装置付自転車。
  3. 【請求項3】請求項2記載の発明において、標本テーブ
    ルに設定される標本決定数を、踏力値の推移と移動平均
    された踏力値の推移との位相差に対する踏力値の推移の
    周期の比を車速に関係なく略一定となるように設定した
    ことを特徴とする電動補助動力装置付自転車。
  4. 【請求項4】ペダルの踏力値を検出する検出手段と、こ
    の検出手段によって検出中に変動する踏力値を一定周期
    でこの周期内に所定時間間隔で読み取りこれら踏力値を
    それぞれ記憶する記憶手段と、車速を検出する車速検出
    手段と、電源から電力の供給を受けて補助動力を供給す
    るモータと、最新の踏力値から遡及して前記記憶手段か
    ら読み出された踏力値の合計から移動平均値を算出する
    算出手段と、前記車速検出手段の検出された車速が所定
    を超えたか否かを判断する車速判断手段と、前記モータ
    を駆動するモータ制御回路とを備え、前記車速が所定値
    以下のとき前記踏力値の移動平均値に基づいて、車速が
    所定値を超えたときは前記検出手段で検出された踏力値
    に基づいてモータの出力を制御して動力を補助すること
    を特徴とする電動補助動力装置付自転車。
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