JPH10112423A - アルミ電解コンデンサ用陽極箔の化成方法 - Google Patents
アルミ電解コンデンサ用陽極箔の化成方法Info
- Publication number
- JPH10112423A JPH10112423A JP26587996A JP26587996A JPH10112423A JP H10112423 A JPH10112423 A JP H10112423A JP 26587996 A JP26587996 A JP 26587996A JP 26587996 A JP26587996 A JP 26587996A JP H10112423 A JPH10112423 A JP H10112423A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 漏れ電流がより低いアルミ電解コンデンサ用
陽極箔の化成方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 エッチング処理がなされたアルミ箔に、
交流電流により化成皮膜を形成するようにしたものであ
る。
陽極箔の化成方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 エッチング処理がなされたアルミ箔に、
交流電流により化成皮膜を形成するようにしたものであ
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミ電解コンデン
サ用陽極箔の化成方法に関するものである。
サ用陽極箔の化成方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、アルミ電解コンデンサは、高純
度のアルミ箔に電解エッチング処理を行ってその実効表
面積を拡大させたアルミ電極箔の表面に、陽極化成処理
によって誘電体となる陽極化成皮膜を形成して陽極箔と
し、そして、この陽極箔と陰極箔をその間にセパレータ
を介在させて巻回することによりコンデンサ素子を構成
し、さらにこのコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸さ
せた後、コンデンサ素子をケース内に収納してケースの
開口部を封止することにより構成している。
度のアルミ箔に電解エッチング処理を行ってその実効表
面積を拡大させたアルミ電極箔の表面に、陽極化成処理
によって誘電体となる陽極化成皮膜を形成して陽極箔と
し、そして、この陽極箔と陰極箔をその間にセパレータ
を介在させて巻回することによりコンデンサ素子を構成
し、さらにこのコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸さ
せた後、コンデンサ素子をケース内に収納してケースの
開口部を封止することにより構成している。
【０００３】近年、アルミ電解コンデンサはより一層の
高信頼性化が要求されており、それに伴いアルミ電解コ
ンデンサ用陽極箔においてもさらなる漏れ電流の低減が
要求されている。
高信頼性化が要求されており、それに伴いアルミ電解コ
ンデンサ用陽極箔においてもさらなる漏れ電流の低減が
要求されている。
【０００４】以下に従来のアルミ電解コンデンサ用陽極
箔の化成方法について説明する。一般にこの種の陽極箔
は電解エッチング処理されたアルミ箔に、燐酸や硼酸、
有機酸等を含む水溶液中で、直流電流を印加することに
より陽極酸化皮膜を形成して、所望耐圧の化成皮膜を得
るようにし、その後、陽極酸化皮膜の欠陥を減少させて
漏れ電流の低減を図るため、皮膜中の欠陥部を暴露する
工程（熱処理、化学溶解等による減極処理）と修復化成
工程を繰り返していた。
箔の化成方法について説明する。一般にこの種の陽極箔
は電解エッチング処理されたアルミ箔に、燐酸や硼酸、
有機酸等を含む水溶液中で、直流電流を印加することに
より陽極酸化皮膜を形成して、所望耐圧の化成皮膜を得
るようにし、その後、陽極酸化皮膜の欠陥を減少させて
漏れ電流の低減を図るため、皮膜中の欠陥部を暴露する
工程（熱処理、化学溶解等による減極処理）と修復化成
工程を繰り返していた。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来の技術では、市場の要求に対して不十分であった。
すなわち、漏れ電流を低下させるためには、陽極酸化皮
膜内部の欠陥を減少させなければならないが、上記した
従来技術の欠陥暴露工程−修復化成工程の組み合わせで
は繰り返し回数が限られており、暴露−修復されない欠
陥が残るという問題点を有していた。
従来の技術では、市場の要求に対して不十分であった。
すなわち、漏れ電流を低下させるためには、陽極酸化皮
膜内部の欠陥を減少させなければならないが、上記した
従来技術の欠陥暴露工程−修復化成工程の組み合わせで
は繰り返し回数が限られており、暴露−修復されない欠
陥が残るという問題点を有していた。
【０００６】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、漏れ電流がより低いアルミ電解コンデンサ用陽極箔
の化成方法を提供することを目的とするものである。
で、漏れ電流がより低いアルミ電解コンデンサ用陽極箔
の化成方法を提供することを目的とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のアルミ電解コンデンサ用陽極箔の化成方法
は、エッチング処理がなされたアルミ箔に、交流電流に
より化成皮膜を形成するようにしたもので、この化成方
法によれば、漏れ電流がより低いアルミ電解コンデンサ
用陽極箔が得られるものである。
に本発明のアルミ電解コンデンサ用陽極箔の化成方法
は、エッチング処理がなされたアルミ箔に、交流電流に
より化成皮膜を形成するようにしたもので、この化成方
法によれば、漏れ電流がより低いアルミ電解コンデンサ
用陽極箔が得られるものである。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、エッチング処理がなされたアルミ箔に、交流電流に
より化成皮膜を形成するようにしたもので、この化成方
法によれば、皮膜にアノード電流が流れる際に皮膜は形
成（ないしは修復）され、一方、カソード電流が流れる
際に皮膜の欠陥が暴露されるもので、すなわち、皮膜形
成（欠陥修復）と欠陥の暴露を多数回繰り返すことが可
能となるため、従来の欠陥暴露工程−修復化成工程では
修復しきれなかった欠陥を修復することができるもので
ある。
は、エッチング処理がなされたアルミ箔に、交流電流に
より化成皮膜を形成するようにしたもので、この化成方
法によれば、皮膜にアノード電流が流れる際に皮膜は形
成（ないしは修復）され、一方、カソード電流が流れる
際に皮膜の欠陥が暴露されるもので、すなわち、皮膜形
成（欠陥修復）と欠陥の暴露を多数回繰り返すことが可
能となるため、従来の欠陥暴露工程−修復化成工程では
修復しきれなかった欠陥を修復することができるもので
ある。
【０００９】以下、本発明の一実施の形態と比較例につ
いて説明する。純度９９．９９％、箔厚１００μｍのア
ルミ箔に電解エッチング処理を行ってその実効表面積を
拡大させたアルミエッチング箔を液温が８０℃で、かつ
濃度が１００ｇ／ｌのアジピン酸アンモニウム水溶液
（化成液）中に浸漬し、電流密度１００ｍＡ／ｃｍ2の
アノード電流６０sec、電流密度１００ｍＡ／ｃｍ2のカ
ソード電流３０secを１サイクルとし、１５０ｖの定電
圧で３５分印加した。
いて説明する。純度９９．９９％、箔厚１００μｍのア
ルミ箔に電解エッチング処理を行ってその実効表面積を
拡大させたアルミエッチング箔を液温が８０℃で、かつ
濃度が１００ｇ／ｌのアジピン酸アンモニウム水溶液
（化成液）中に浸漬し、電流密度１００ｍＡ／ｃｍ2の
アノード電流６０sec、電流密度１００ｍＡ／ｃｍ2のカ
ソード電流３０secを１サイクルとし、１５０ｖの定電
圧で３５分印加した。
【００１０】（比較例）本発明の一実施の形態と同様の
アルミエッチング箔を液温が８０℃で、かつ濃度が１０
０ｇ／ｌのアジピン酸アンモニウム水溶液（化成液）中
に浸漬し、電流密度１００ｍＡ／ｃｍ2の直流電流で１
５０ｖの定電圧を３０分印加した。その後、４００℃で
１分間熱処理をし、次いで、液温が８０℃で、かつ濃度
が１００ｇ／ｌのアジピン酸アンモニウム水溶液中で１
５０ｖの電圧を５分間印加して再化成を行った。
アルミエッチング箔を液温が８０℃で、かつ濃度が１０
０ｇ／ｌのアジピン酸アンモニウム水溶液（化成液）中
に浸漬し、電流密度１００ｍＡ／ｃｍ2の直流電流で１
５０ｖの定電圧を３０分印加した。その後、４００℃で
１分間熱処理をし、次いで、液温が８０℃で、かつ濃度
が１００ｇ／ｌのアジピン酸アンモニウム水溶液中で１
５０ｖの電圧を５分間印加して再化成を行った。
【００１１】上記した本発明の一実施の形態と、比較例
におけるアルミ電解コンデンサ用陽極箔について、漏れ
電流を測定した結果を（表１）に示す。なお、漏れ電流
は液温が８０℃で、かつ濃度が１００ｇ／ｌのアジピン
酸アンモニウム水溶液（化成液）中で、１５０ｖの電圧
を１分間保持したときに流れる電流値を測定した。
におけるアルミ電解コンデンサ用陽極箔について、漏れ
電流を測定した結果を（表１）に示す。なお、漏れ電流
は液温が８０℃で、かつ濃度が１００ｇ／ｌのアジピン
酸アンモニウム水溶液（化成液）中で、１５０ｖの電圧
を１分間保持したときに流れる電流値を測定した。
【００１２】
【表１】
【００１３】（表１）から明らかなように、本発明の一
実施の形態におけるアルミ電解コンデンサ用陽極箔は、
比較例におけるアルミ電解コンデンサ用陽極箔と比較し
て、漏れ電流が約１５％良化しているものである。
実施の形態におけるアルミ電解コンデンサ用陽極箔は、
比較例におけるアルミ電解コンデンサ用陽極箔と比較し
て、漏れ電流が約１５％良化しているものである。
【００１４】なお、上記本発明の一実施の形態は従来の
欠陥暴露工程−修復化成工程を行っていないが、これら
の工程を組み合わせることによって、さらに漏れ電流を
低減させることが可能となるものである。
欠陥暴露工程−修復化成工程を行っていないが、これら
の工程を組み合わせることによって、さらに漏れ電流を
低減させることが可能となるものである。
【００１５】
【発明の効果】以上のように本発明のアルミ電解コンデ
ンサ用陽極箔の化成方法によれば、エッチング処理がな
されたアルミ箔に、交流電流により化成皮膜を形成する
ようにしているため、皮膜にアノード電流が流れる際に
皮膜は形成（ないしは修復）され、一方、カソード電流
が流れる際に皮膜の欠陥が暴露されるもので、すなわ
ち、皮膜形成（欠陥修復）と欠陥の暴露を多数回繰り返
すことが可能となるため、従来の欠陥暴露工程−修復化
成工程では修復しきれなかった欠陥を修復することがで
き、この結果、漏れ電流がより低いアルミ電解コンデン
サ用陽極箔を実現できるものである。
ンサ用陽極箔の化成方法によれば、エッチング処理がな
されたアルミ箔に、交流電流により化成皮膜を形成する
ようにしているため、皮膜にアノード電流が流れる際に
皮膜は形成（ないしは修復）され、一方、カソード電流
が流れる際に皮膜の欠陥が暴露されるもので、すなわ
ち、皮膜形成（欠陥修復）と欠陥の暴露を多数回繰り返
すことが可能となるため、従来の欠陥暴露工程−修復化
成工程では修復しきれなかった欠陥を修復することがで
き、この結果、漏れ電流がより低いアルミ電解コンデン
サ用陽極箔を実現できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 浩一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 神本 浩司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項１】 エッチング処理がなされたアルミ箔に、
交流電流により化成皮膜を形成するようにしたアルミ電
解コンデンサ用陽極箔の化成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26587996A JPH10112423A (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | アルミ電解コンデンサ用陽極箔の化成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26587996A JPH10112423A (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | アルミ電解コンデンサ用陽極箔の化成方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10112423A true JPH10112423A (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=17423373
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26587996A Pending JPH10112423A (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | アルミ電解コンデンサ用陽極箔の化成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10112423A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009130004A (ja) * | 2007-11-21 | 2009-06-11 | Sanyo Electric Co Ltd | 固体電解コンデンサ |
| CN110718392A (zh) * | 2019-10-23 | 2020-01-21 | 富之庆电子（深圳）有限公司 | 耐大压降和大纹波电流电容 |
| CN112921368A (zh) * | 2021-02-01 | 2021-06-08 | 林元霞 | 一种凹印版辊的制版方法 |
| CN112981516A (zh) * | 2021-02-03 | 2021-06-18 | 广州金立电子有限公司 | 一种铝电解电容器用阳极铝箔腐蚀方法 |
-
1996
- 1996-10-07 JP JP26587996A patent/JPH10112423A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009130004A (ja) * | 2007-11-21 | 2009-06-11 | Sanyo Electric Co Ltd | 固体電解コンデンサ |
| CN110718392A (zh) * | 2019-10-23 | 2020-01-21 | 富之庆电子（深圳）有限公司 | 耐大压降和大纹波电流电容 |
| CN112921368A (zh) * | 2021-02-01 | 2021-06-08 | 林元霞 | 一种凹印版辊的制版方法 |
| CN112981516A (zh) * | 2021-02-03 | 2021-06-18 | 广州金立电子有限公司 | 一种铝电解电容器用阳极铝箔腐蚀方法 |
| CN112981516B (zh) * | 2021-02-03 | 2022-04-05 | 广州金立电子有限公司 | 一种铝电解电容器用阳极铝箔腐蚀方法 |
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