JPH10109611A - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

Info

Publication number
JPH10109611A
JPH10109611A JP8267334A JP26733496A JPH10109611A JP H10109611 A JPH10109611 A JP H10109611A JP 8267334 A JP8267334 A JP 8267334A JP 26733496 A JP26733496 A JP 26733496A JP H10109611 A JPH10109611 A JP H10109611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
collision
time
explosive
airbag body
airbag device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8267334A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3550909B2 (ja
Inventor
Hideo Omura
英夫 大村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP26733496A priority Critical patent/JP3550909B2/ja
Publication of JPH10109611A publication Critical patent/JPH10109611A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3550909B2 publication Critical patent/JP3550909B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の前面衝突、側面衝突、後面衝突、ロー
ルオーバ衝突などの種々の衝突状態に応じた展開を行な
わせることを可能とする。 【解決手段】 展開することによって乗員を支え、該乗
員の運動エネルギを吸収するエアバッグ体17と、該エ
アバッグ体17を展開させるインフレータ19及びエア
バッグ体17から排気を行なう排気手段20,21と、
車両の種々の衝突形態、衝突程度の衝突状態を検出する
センサ25と、センサ25からの情報に基づき前記種々
の衝突形態に対してインフレータ19を作動させると共
に、衝突状態に応じた展開を行なわせるようにインフレ
ータ19又は排気手段20,21の少なくとも一方を制
御するコントローラ23とよりなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突時等にお
ける乗員の拘束性能を向上させることのできるエアバッ
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエアバッグ装置としては、例えば
図24に示すようなものがある(特開平4−2545号
公報)。即ち、図24ではエアバッグ装置1がステアリ
ングホイール3の中央部に配設され、該エアバッグ装置
1の展開されるエアバッグ体の内圧を設定する設定圧可
変圧力弁5が設けられ、該弁5はコントローラ7によっ
て制御されるようになっている。コントローラ7にはデ
ータ入力装置9、シートスライド量検出センサ11、シ
ートバック角度検出センサ13、レーザレーダ15から
の信号が入力されるようになっている。
【0003】従って、データ入力装置9により入力され
た乗員各部の長さ、重量、重心位置、慣性モーメント、
関節特性などの乗員関係データ、シートスライド量検出
センサ11、シートバック角度検出センサ13により計
測されたシート位置、シートバック角度などの車両関係
データ、レーザレーダ15より測定された車両衝突に関
係するデータより、コントローラ9にて衝突時の乗員の
挙動を予測し、これに基づき乗員の衝撃を低下させるエ
アバッグ内圧を求め、該特性に基づいてエアバッグ装置
1の設定圧可変圧力弁5を制御することができる。これ
によって、車両の前面衝突時にエアバッグ装置1のエア
バッグ体が衝突時の乗員挙動などに応じて展開され、乗
員の拘束性能をより向上させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
の前面衝突など、主たる衝突形態と、及びその時の乗員
挙動に対して適した状態となるように設定圧可変圧力弁
5をコントローラ7によって制御し、エアバッグ装置1
を作動させるようにしているため、主たる衝突形態及び
乗員挙動に付随して発生する乗員のリバウンドなど予測
困難な乗員挙動など比較的小さな衝撃に対し、更には側
面、後面衝突など他の衝突形態に対し、十分には対応し
た制御にはならず、種々の衝突状態に応じて乗員の拘束
性能を向上させるためにはエアバッグ装置の数を増加す
る必要等があった。
【0005】そこで、本発明は、エアバッグ装置の数を
増加することなく、主たる衝突形態及び、それ以外の衝
突形態など種々の衝突状態に応じて乗員の拘束性能をよ
り向上させることのできるエアバッグ装置の提供を課題
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、展開
することによって乗員を支え、該乗員の運動エネルギを
吸収するエアバッグ体と、該エアバッグ体を展開させる
インフレータ及びエアバッグ体から排気を行なう排気手
段と、車両の種々の衝突形態、衝突程度の衝突状態を検
出するセンサと、該センサからの情報に基づき前記種々
の衝突形態に対して前記インフレータを作動させると共
に、前記衝突状態に応じた展開を行なわせるように前記
インフレータ又は排気手段の少なくとも一方を制御する
コントローラとよりなることを特徴とする。
【0007】従って、車両の種々の衝突形態、衝突程度
の衝突状態をセンサが検出し、コントローラがセンサか
らの情報に基づき種々の衝突形態に対してインフレータ
を作動させると共に、インフレータ又は排気手段の少な
くとも一方を制御してエアバッグ体を衝突状態に応じて
展開させることができる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載のエアバ
ッグ装置であって、前記エアバッグ体は、車室内前部に
備えられたものであることを特徴とする。
【0009】従って、請求項1の発明の作用に加え、車
両前面衝突時にエアバッグ体を衝突程度に応じて展開さ
せることができると共に、その他側面衝突など種々の衝
突形態に対しても衝突状態に応じた展開を行なわせるこ
とができる。
【0010】請求項3の発明は、請求項1記載のエアバ
ッグ装置であって、前記エアバッグ体は、車室内側部に
備えられたものであることを特徴とする。
【0011】従って、請求項1の発明の作用に加え、側
面衝突時に衝突程度に応じてエアバッグ体を展開するこ
とができると共に、前面衝突など種々の衝突形態に対し
ても衝突状態に応じて展開させることができる。
【0012】請求項4の発明は、請求項2記載のエアバ
ッグ装置であって、前記コントローラは、車両の側面、
後面、ロールオーバ衝突時に、前記インフレータの点火
時間を前面衝突時の点火時間に対して延長させることを
特徴とする。
【0013】従って、請求項2の発明の作用に加え、車
両の側面、後面、ロールオーバ衝突時にコントローラは
インフレータの点火時間を前面衝突時の点火時間に対し
て延長させ、エアバッグ体の形状を長時間保持すること
ができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項2記載のエアバ
ッグ装置であって、前記インフレータを、前記エアバッ
グ体を略1気圧で展開させる第1火薬部及びα気圧を付
加する第2火薬部で形成し、前記排気手段は、前記エア
バッグ体に設けられた(1+α)気圧で破れる膜を備え
た排気孔であり、前記コントローラは、車両の前面衝突
時に前記第1,第2火薬部を同時に点火させると共に、
側面、後面、ロールオーバ衝突時に第1火薬部の点火後
時間差をもって第2火薬部を点火させることを特徴とす
る。
【0015】従って、請求項2の発明の作用に加え、車
両の前面衝突時には第1,第2火薬部を同時に点火さ
せ、エアバッグ体の内圧が(1+α)気圧となって排気
手段が破れ、排気を行ないながら乗員の前方への運動エ
ネルギを吸収することができる。又、側面、後面、ロー
ルオーバ衝突時には第1火薬の点火後に時間差をもって
第2火薬部を点火させるため、長時間エアバッグ体の展
開状態を維持することができる。
【0016】請求項6の発明は、請求項2記載のエアバ
ッグ装置であって、前記エアバッグ体に前記排気手段の
破断圧力と同等の1気圧を上回る圧力で作動し該エアバ
ッグ体の展開状態を可変とするヒューズ機構を設け、前
記インフレータを、前記エアバッグ体を略1気圧で展開
させる第1火薬部及び、気圧を増加させる複数の第2火
薬部とで形成し、前記コントローラは、車両の前面衝突
時に前記第1,第2火薬部を同時に点火させると共に、
側面、後面、ロールオーバ衝突時に第1火薬部の点火後
に時間差をもって複数段に第2火薬部を点火させること
を特徴とする。
【0017】従って、請求項2の発明の作用に加え、車
両の前面衝突時に第1,第2火薬部を同時に点火させる
とエアバッグ体の内圧が1気圧を上回り、ヒューズ機構
が作動すると共に排気手段が破断する。従って、エアバ
ッグ体を大きく展開して排気を行ないながら乗員の前方
への運動エネルギを吸収することができる。又、側面、
後面、ロールオーバ衝突時には第1火薬部の点火後に時
間差をもって複数段に第2火薬部を点火するため、第1
火薬部の点火によりヒューズ機構が作動しない比較的容
量の小さな状態でエアバッグ体を展開させ、その後のガ
スの漏れなどに対して複数段のガスの補給によってエア
バッグ体の前記展開状態をより長く維持することができ
る。
【0018】請求項7の発明は、請求項2記載のエアバ
ッグ装置であって、前記排気手段は、開閉制御可能であ
り、前記コントローラは、車両の前面衝突時に前記排気
手段を全開とし、側面、後面、ロールオーバ衝突時に全
閉とすることを特徴とする。
【0019】従って、請求項2の発明の作用に加え、車
両の前面衝突時は排気手段を全開とし、ガスを排気しな
がら乗員の運動エネルギを吸収することができる。又、
側面、後面、ロールオーバ衝突時には排気手段を全閉と
することによってエアバッグ体の展開状態を維持するこ
とができる。
【0020】請求項8の発明は、請求項6記載のエアバ
ッグ装置であって、前記コントローラは、乗員条件に応
じて第1,第2火薬部を点火することを特徴とする。
【0021】従って、乗員の体格などに応じて第1,第
2火薬部を点火し、体格の大きい場合には大きなバック
反力で乗員を確実に拘束し、小さな体格の時には小さな
バック反力で拘束するなど乗員条件に応じてエアバッグ
体を展開することができる。
【0022】請求項9の発明は、請求項7記載のエアバ
ッグ装置であって、前記コントローラは、乗員条件に応
じて排気手段の開閉度を制御することを特徴とする。
【0023】従って、請求項7の発明の作用に加え、乗
員の体格などに応じて排気手段の開閉度を制御すること
により、請求項8と同様な作用効果を奏することができ
る。
【0024】請求項10の発明は、請求項3記載のエア
バッグ装置であって、前記コントローラは、車両の前
面、後面、ロールオーバ衝突時に、前記インフレータの
点火時間を側面衝突時の点火時間に対して延長させるこ
とを特徴とする。
【0025】従って、請求項3の発明の作用に加え、車
両の前面、後面、ロールオーバ衝突時にコントローラは
インフレータの点火時間を側面衝突時の点火時間に対し
て延長させ、エアバック体の形状を長時間保持すること
ができる。
【0026】請求項11の発明は、請求項3記載のエア
バッグ装置であって、前記インフレータを、前記エアバ
ック体を略1気圧で展開させる第1火薬部及びα気圧を
付加する第2火薬部とで形成し、前記排気手段は、前記
エアバッグ体に設けられ(1+α)気圧で破れる膜を備
えた排気孔であり、前記コントローラは、車両の側面衝
突時に前記第1,第2火薬部を同時に点火させると共
に、前面、後面、ロールオーバ衝突時に第1火薬部の点
火後時間差をもって第2火薬部を点火させることを特徴
とする。
【0027】従って、請求項3の発明の作用に加え、車
両の側面衝突時には第1,第2火薬部を同時に点火さ
せ、エアバッグ体の内圧が(1+α)気圧となって、排
気手段が破れ、排気を行ないながら乗員の側方への運動
エネルギを吸収することができる。又、前面、後面、ロ
ールオーバ衝突時には第1火薬の点火後に時間差をもっ
て第2火薬部を点火させるため、長時間エアバッグ体の
展開状態を維持することができる。
【0028】請求項12の発明は、請求項3記載のエア
バッグ装置であって、前記エアバッグ体に展開状態を可
変とするヒューズ機構を設け、前記インフレータを、前
記エアバッグ体を略1気圧で展開させる第1火薬部及
び、気圧を付加する複数の第2火薬部とで形成し、前記
コントローラは、車両の側面衝突時に前記第1,第2火
薬部を同時に点火させると共に、前面、後面、ロールオ
ーバ衝突時に第1火薬部の点火後に時間差をもって複数
段に第2火薬部を点火させることを特徴とする。従っ
て、請求項3の発明の作用に加え、車両の側面衝突時に
第1,第2火薬部を同時に点火させるとエアバッグ体の
内圧が1気圧を上回り、ヒューズ機構が作動すると共に
排気手段が破断する。従って、エアバッグ体を大きく展
開して排気を行ないながら乗員の側方への運動エネルギ
を吸収することができる。又、前面、後面、ロールオー
バ衝突時には第1火薬部の点火後に時間差をもって複数
段に第2火薬部を点火するため、第1火薬部の点火によ
りヒューズ機構が作動しない比較的容量の小さな状態で
エアバッグ体を展開させ、その後のガスの漏れなどに対
して複数段のガスの補給によってエアバッグ体の前記展
開状態をより長く維持することができる。
【0029】請求項13の発明は、請求項3記載のエア
バッグ装置であって、前記排気手段は、開閉制御可能で
あり、前記コントローラは、車両の側面衝突時に前記排
気手段を全開とし、前面、後面、ロールオーバ衝突時に
全閉とすることを特徴とする。
【0030】従って、請求項3の発明の作用に加え、車
両の側面衝突時は排気手段を全開とし、ガスを排気しな
がら乗員の運動エネルギを吸収することができる。又、
前面、後面、ロールオーバ衝突時には排気手段を全閉と
することによってエアバッグ体の展開状態を維持するこ
とができる。
【0031】請求項14の発明は、請求項12記載のエ
アバッグ装置であって、前記コントローラは、乗員条件
に応じて第1,第2火薬部を点火することを特徴とす
る。
【0032】従って、乗員の体格などに応じて第1,第
2火薬部を点火し、体格の大きい場合には大きなバッグ
反力で乗員を確実に拘束し、小さな体格の時には小さな
バッグ反力で拘束するなど乗員条件に応じてエアバッグ
体を展開することができる。請求項15の発明は、請求
項13記載のエアバッグ装置であって、前記コントロー
ラは、乗員条件に応じて排気手段の開閉度を制御するこ
とを特徴とする。
【0033】従って、乗員の体格などに応じて排気手段
の開閉度を制御し、体格の大きい場合には大きなバッグ
反力で乗員を確実に拘束し、小さな体格の時には小さな
バッグ反力で拘束するなど乗員条件に応じてエアバッグ
体を展開することができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明では、車両の種々の衝突
形態、衝突程度の衝突状態に応じてエアバッグ体を適切
に展開させることができる。従って、車両の前面衝突時
において乗員の前方への運動エネルギを吸収するように
展開するエアバッグ体の場合には、側面、後面、ロール
オーバ衝突時においても展開させることができ、また側
面衝突時において乗員の側方への運動エネルギを吸収す
るように展開するエアバッグ体の場合には、前面、後
面、ロールオーバ衝突時においても展開させることがで
き、安全性をより向上させることができる。
【0035】請求項2の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、エアバッグ体の展開によって車両の前面衝突
時において乗員の前方への運動エネルギを確実に吸収す
ることができる。又、側面、後面、ロールオーバ衝突時
においてもエアバッグ体を展開させることができ、側
面、後面、ロールオーバ衝突時においても乗員の運動エ
ネルギを確実に吸収することができる。
【0036】請求項3の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、エアバッグ体の展開によって側面衝突時にお
いて乗員の側方への運動エネルギを吸収することができ
る。又、車両の前面、後面、ロールオーバ衝突時におい
てもエアバッグ体を展開させることができ、前面、後
面、ロールオーバ衝突時にも乗員の運動エネルギを確実
に吸収することができる。
【0037】請求項4の発明では、請求項2の発明の効
果に加え、インフレータの点火時間を前面衝突時の点火
時間に対して遅延させることにより、車両の側面、後
面、ロールオーバ衝突時におけるエアバッグ体の展開時
間を前面衝突時に対し長時間保持することができる。従
って、主たる衝突形態である前面衝突時の乗員挙動に付
随して発生する乗員のリバウンドなど予測困難な乗員挙
動など比較的小さな衝撃に対してもこれに応じてエアバ
ッグ体を適切に展開させることができ、より安全性を向
上することができる。
【0038】請求項5の発明では、請求項2の発明の効
果に加え、前面衝突時に同時に点火させる第1,第2火
薬部を側面、後面、ロールオーバ衝突時に時間差をもっ
て点火させることによって点火時間を確実に延長させる
ことができる。従って、前面衝突時に対し車両の側面、
後面、ロールオーバ衝突時のエアバッグ体の展開を確実
に長時間保持することができる。
【0039】請求項6の発明では、請求項2の発明の効
果に加え、第1火薬部の点火後に時間差をもって複数段
に第2火薬部を点火させることによってバッグ容量の相
対的に小さな状態でエアバッグ体の展開状態を長時間確
実に維持することができる。
【0040】請求項7の発明では、請求項2の発明の効
果に加え、排気手段の開閉制御によって側面、後面、ロ
ールオーバ衝突時にエアバッグ体の展開状態を前面衝突
時に対し長時間維持することができる。
【0041】請求項8の発明では、請求項6の発明の効
果に加え、乗員の体格など乗員条件に応じてエアバッグ
体を適切に展開させることができ、体格に応じてより安
全性を向上させることができる。
【0042】請求項9の発明では、請求項7の発明の効
果に加え、コントローラにより排気手段の開閉度を制御
することにより乗員の体格などの乗員条件に応じてエア
バッグ体を適切に展開させることができ、より安全性を
向上させることができる。
【0043】請求項10の発明では、請求項3の発明の
効果に加え、インフレータの点火時間を側面衝突時の点
火時間に対して延長させることにより、車両の前面、後
面、ロールオーバ衝突時におけるエアバッグ体の展開時
間を前面衝突時に対し長時間保持することができる。従
って、主たる衝突形態である側面衝突時の乗員挙動に付
随して発生する乗員のリバウンドなど予測困難な乗員挙
動など比較的小さな衝撃に対してもこれに応じてエアバ
ッグ体を適切に展開させることができ、より安全性を向
上することができる。
【0044】請求項11の発明では、請求項3の発明の
効果に加え、側面衝突時に同時に点火させる第1,第2
火薬部を前面、後面、ロールオーバ衝突時に時間差をも
って点火させることによって点火時間を確実に延長させ
ることができる。従って、側面衝突時に対し車両の前
面、後面、ロールオーバ衝突時のエアバッグ体の展開を
確実に長時間保持することができる。
【0045】請求項12の発明では、請求項3の発明の
効果に加え、第1火薬部の点火後に時間差をもって複数
段に第2火薬部を点火させることによってバッグ容量の
相対的に小さな状態でエアバッグ体の展開状態を長時間
確実に維持することができる。
【0046】請求項13の発明では、請求項3の発明の
効果に加え、排気手段の開閉制御によって前面、後面、
ロールオーバ衝突時にエアバッグ体の展開状態を側面衝
突時に対し長時間維持することができる。
【0047】請求項14の発明では、請求項11の発明
の効果に加え、乗員の体格など乗員条件に応じてエアバ
ッグ体を適切に展開させることができ、体格に応じてよ
り安全性を向上させることができる。
【0048】請求項15の発明では、請求項13の発明
の効果に加え、コントローラにより排気手段の開閉度を
制御することにより乗員の体格などの乗員条件に応じて
エアバッグ体を適切に展開させることができ、より安全
性を向上させることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係るエ
アバッグ装置の全体概略構成図を示している。図1のエ
アバッグ装置はエアバッグ体17を車室内前部に備えた
ものである。エアバッグ体17はステアリングホイール
3の中央部に設けられ、通常は中央のパッド内部に収納
されている。又、エアバッグ体17は同じくパッド内部
に収納されたインフレータ19の点火によって展開する
ようになっている。尚、エアバッグ体17はステアリン
グホイール3のパッドの易破断部を破断しながら展開す
る。そして、図1のように展開するとエアバッグ体17
は乗員Pを支え、その運動エネルギを吸収する。
【0050】前記エアバッグ体17にはエアバッグ体1
7から排気を行なう排気手段として(1+α)気圧で破
れる膜21を備えた排気孔20が設けられている。前記
インフレータ19はコントローラ23からの出力信号に
よって点火制御される。コントローラ23にはセンサ2
5からの信号が入力されるようになっている。センサ2
5は車両の前面、側面、後面、ロールオーバ衝突の衝突
形態を識別して、コントローラ23に識別信号を入力す
るようになっている。
【0051】前記インフレータ19は、図2のように第
1火薬部27と第2火薬部29との2分割構造とされて
いる。第1火薬部27はエアバッグ体17を1気圧(大
気圧)で展開させるものである。第2火薬部29はエア
バッグ体17に更にα気圧を付加するものである。従っ
て、第1,第2火薬部27,29を同時に点火した時、
前面衝突時のエネルギ吸収に必要な内圧となるように設
定されている。そして、前記コントローラ23は車両の
側面、後面、ロールオーバ衝突時にインフレータ19の
点火時間を前面衝突時の点火時間に対して延長させるも
のである。即ち、車両の前面衝突時に前記第1,第2火
薬部27,29を同時に点火させると共に、側面、後
面、ロールオーバ衝突時に第1火薬部27の点火後時間
差をもって第2火薬部29を点火させる構成となってい
る。
【0052】なお、図1において31は乗員Pが着座す
るシート、32はヘッドレスト、33は3点式シートベ
ルト、35は緊急ロック式シートベルトリトラクタであ
る。
【0053】次に図3のフローを用いて作用を説明す
る。
【0054】車両衝突時にセンサ25が前面衝突である
ことを検知すると(ステップS1YES)、コントロー
ラ23は第1,第2火薬部27,29を同時に点火して
エアバッグ体17を(1+α)気圧の内圧で展開させる
(ステップS2〜S6)。又、側面、後面、ロールオー
バ衝突であることが検知された時には(ステップS1N
O、ステップS7YES)、第1火薬部27の点火後
(ステップS8〜S12)時間差をもって第2火薬部2
9を点火する(ステップS13〜S15)。
【0055】更に具体的には、例えば、第1,第2火薬
部27,29を同時に点火した時には70リットルのエ
アバッグ体17を1.2気圧まで高めることのできるガ
ス発生量を有するものとする。第1火薬部27は1気圧
でエアバッグ体17を展開するに必要なガスを発生する
ものとする。又、第2火薬部29は1気圧からさらに
1.2気圧まで高めるのに必要なガス、即ち0.2気圧
を発生させるものとする。1気圧の状態で考えると、第
1火薬部27は70リットル、第2火薬部29は14リ
ットルのガスを発生する能力があることになる。
【0056】センサ25により前面衝突であると検知さ
れた時には(ステップS1YES)、第1,第2火薬部
27,29を同時に点火するため(ステップS2)、エ
アバッグ体17の内圧波形は図4のラインLabに示す
ように、(1.0+α)気圧を越えることになる。この
結果、排気孔20の膜21が破れ(ステップS4)、排
気を行ないながら乗員の前方への運動エネルギを確実に
吸収することができる(ステップS6)。
【0057】一方、センサ25により側面、後面、ロー
ルオーバ衝突であると検知された時には(ステップS1
NO、ステップS7YES)、第1火薬部27のみを点
火させるため(ステップS8)、エアバッグ体17の内
圧は図4のラインLaに示すように1.0気圧付近のバ
ッグ内圧となり、排気孔20の膜21は破れることなく
排気孔20からのガスの排気を防止することができる
(ステップS10)。
【0058】エアバッグ体17の容量としては図5に示
すように、第1火薬部27の点火のみにより70リット
ルとなり全展開状態となる。その後、排気孔20からの
ガスの排気が防止されてもエアバッグ体17内のガス温
度の低下、エアバッグ体17の縫い目からのガスの逃げ
などによりガス容量が全展開時よりラインVaのように
減少する(ステップS13)。この時第2火薬部29の
点火により(ステップS15)再び70リットルに復帰
可能な略56リットルまで減少する前にバッグ内温度を
上昇させると共にガス容量を補給してバッグ容量を再び
増大させ、ラインVbのように展開させ、長時間全展開
状態を維持することができる。
【0059】次に、各衝突形態時の乗員の衝撃低減効果
について説明する。
【0060】車両の前面衝突時には乗員は前方への大き
な運動エネルギをもっているため、これに起因する衝撃
が最も大きい場合が多く、このためエアバッグ体17を
直ちに全展開状態とし、排気を行ないながら乗員の運動
エネルギを吸収する。
【0061】一方、後面衝突時には後方からの乗員の衝
撃が最も大きいため、シート31のヘッドレスト32な
どで乗員の衝撃を低下させるのが一般的であり、該乗員
Pの前方にあるエアバッグ体17はこの後方衝撃に対し
ては必ずしも作用するものではない。しかし、この場合
には、エアバッグ体17を上記制御により長時間全展開
状態を維持させ、衝突状態によっては図6の乗員PのB
状態に示すようにA状態からリバウンドなどにより前方
に移動してきたときにはエアバッグ体17が乗員Pとス
テアリングホイール3などのインテリアなどとの干渉に
対してクッションとして作用できる場合もある。この時
は、乗員Pへの主たる衝撃ではないため、エネルギ吸収
をする必要がなく、エアバッグ体17としては1気圧程
度で形状を保持しているだけで充分である場合が多い。
従って、かかる後面衝突時のエアバッグ体17の全展開
状態の長時間維持によってエアバッグ体17を有効に作
用させることができ、乗員の安全性を向上させることが
できる。
【0062】又、ロールオーバ衝突時には上下左右の衝
撃が大きく、これに起因する衝撃が主であると推定され
るが、車両の挙動としては極めて不安定であり、乗員挙
動も不安定であるため、この場合にもエアバッグ体17
を上記制御により長時間全展開状態を維持させる。
【0063】従って、図7に示すように、乗員Pが前方
に移動してきたときには、エアバッグ体17がステアリ
ングホイール3などのインテリアなどの干渉に対してク
ッションとして作用させることができ、ロールオーバ衝
突時にも安全性を向上させることができる。
【0064】同様に側面衝突時には側方からの衝撃が大
きく、これに起因する衝撃が主であるため、車体等で衝
撃を低下させることが一般的であるが、車両及び乗員の
挙動としては不安定であるため、この場合にもエアバッ
グ体17を上記制御により長時間全展開状態を維持させ
る。
【0065】従って、例えば図8のように助手席乗員P
´が運転席側の斜前方に移動してきた時には、エアバッ
グ体17をステアリングホイール3などのインテリアな
どと助手席乗員P´との干渉に対しクッション材として
作用させることができ、安全性を著しく向上させること
ができる。
【0066】要するに、車両の前面衝突時には第1,第
2火薬部27,29を同時に点火して、排気を行ないな
がら乗員の前方への大きな運動エネルギを吸収し、後
面、側面、ロールオーバ衝突時には第1火薬部27に対
し、第2火薬部29を時間差をもって点火することによ
って、エアバッグ体の全展開状態を長時間維持すること
により作用させることができる。即ち、種々の衝突状態
に対してエアバッグ体17を適切に展開させ、安全性を
より向上させることができる。
【0067】(第2実施形態)図9は第2実施形態に係
るエアバッグ体17の説明図であり、(a)はバッグ容
量の相対的に小さな展開状態、(b)はバッグ容量の相
対的な大きな全展開状態を示している。図10は第2実
施形態に係るインフレータ19を示している。
【0068】本実施形態では、エアバッグ体17にヒュ
ーズ機構37を設け、エアバッグ体17の展開状態を可
変としている。ヒューズ機構37は排気孔20に設けた
膜21の破断圧力と同等の1気圧を上回る(1+α)気
圧の圧力で作動するもので、吊り紐39で構成してい
る。
【0069】インフレータ19はエアバッグ体を略1気
圧で展開させる第1火薬部27及び気圧を増加させる第
2火薬部29で形成されている。第2火薬部29はさら
に第1部41,第2部43,第3部45の複数に分割さ
れている。尚、膜21は第1,第2火薬部27,29を
同時に点火したときに破れ、第1火薬部27のみを点火
した時には破れないものである。
【0070】そして、図11のフローチャートのように
コントローラ23はセンサ25により前面衝突であると
検知された時には(ステップS111YES)、第1,
第2火薬部27,29を同時に点火させ(ステップS1
13〜S117)、側面、後面、ロールオーバ衝突であ
ると検知された時には(ステップS111NO、ステッ
プS118YES)第1火薬部27のみを点火させ(ス
テップS119〜S123)、その後時間差をもって第
2火薬部29の第1部41,第2部43,第3部45を
複数段に点火する(ステップS124〜S126)。
【0071】ここで、第1,第2火薬部27,29を同
時に点火した時には70リットルのエアバッグ体17を
1.2気圧まで高めることのできるガス発生量を有する
ものとする。第1火薬部27は吊り紐39のヒューズ機
構37が作用しない容量が相対的に小さなエアバッグ体
17を1気圧で全展開にするに必要なガスを発生する。
第2火薬部29は吊り紐39を破断し、容量が相対的に
拡大したエアバッグ体17を全展開にし、更にバッグ内
圧を1気圧から1.2気圧にまで高めるに必要なガスを
発生するものとする。又、1気圧の状態で考えると、第
1火薬部27は42リットル、第2火薬部29の第1部
41,第2部43,第3部45はそれぞれ14リットル
のガスを発生する能力があるものとする。
【0072】センサ25により前面衝突であると検知さ
れた時には第1,第2火薬部27,29を同時に点火す
るため(ステップS111YES、ステップS11
2)、エアバッグ体17の内圧は図12のラインLhi
jkに示すように1.0+α気圧を越える。この結果、
排気孔20の膜21が破れて排気を行ない(ステップS
114)、同時にヒューズ機構37の吊り紐39が破断
し(ステップS114)、図9(b)に示すようにエア
バッグ体17の容量は大きくなり乗員の前方への運動エ
ネルギを充分に吸収することができる(ステップS11
5〜S117)。
【0073】一方、センサ25により側面、後面、ロー
ルオーバ衝突であると検知された時には(ステップS1
11NO、ステップS118YES)、第1火薬部27
のみを点火させるため(ステップS119)、ヒューズ
機構37の吊り紐39は破断せず(ステップS12
1)、バッグ容量は図9(a)のように相対的に小さな
ものとなるが、バッグ内圧は図12ラインLh,Li,
Lj,Lkに示すように1.0+α気圧を上回らないも
のとなり、この結果排気孔20の膜21が破れることが
なく、排気孔20からのガスの排気を防止することがで
きる。
【0074】エアバッグ体17の容量としては、図13
に示すように、第1火薬部27のみによる42リットル
の全展開状態となる。その後、エアバッグ体17のバッ
グ内ガス温度の低下及びバッグ縫い目からのガスの逃げ
によりバッグ内のガス容量が全展開時より低減するため
(ステップS124)、第1部41,第2部43,第3
部45の点火により(ステップS126)再び42リッ
トルに復帰可能な略28リットルまで減少する前に時間
差で複数段に点火させて、バッグ内温度を上昇させると
共にガス容量の補給を3回行なうことにより、より長時
間バッグ全展開状態を維持することができる。
【0075】従って、本実施形態においても第1実施形
態と略同様な作用効果を奏することができる。又、本実
施形態では側面、後面、ロールオーバ衝突時において不
安定な乗員挙動に対してより長時間、インテリアとの干
渉に対するクッション材として作用させることができる
ため、乗員の衝撃に対しより有効に作用する機会を増大
させることができる。
【0076】尚、エアバッグ体17の容量は第1実施形
態のものより小さくなるが、車両の側面、後面、ロール
オーバ衝突時には前面衝突時に対してエネルギ吸収量が
少ないと考えられ、クッションとしての機能があれば良
いため、問題はないと考えられる。
【0077】又、図8(a)のようにエアバッグ体17
の軸方向長が短く、その結果直径を容量70リットルの
全展開時の(b)より大きくすることができ、ステアリ
ングホイール3をより充分覆うことができるため、特に
側面衝突時に助手席乗員の横方向からの干渉に対してよ
り有効にクッション材として作用させることができる。
【0078】(第3実施形態)図14は第3実施形態に
係る概略全体構成図を示している。
【0079】本実施形態では、図14のように展開され
ているエアバッグ体17は通常はインストルメント47
内に収納されている。又、インフレータ19はケーシン
グ49で覆われた構成となっている。インフレータ19
は特に複数に分割されることなく、また例えば、70リ
ットルのエアバッグ体17を1.2気圧まで高めること
のできるガス発生量を有する。更に、排気手段としては
排気パイプ51と該排気パイプ51に介設した開閉自在
なバルブ53とで構成している。バルブ53はコントロ
ーラ23によって開閉制御されるようになっている。
【0080】そして、図15のフローチャートのように
車両の前面衝突時(ステップS151YES)にはバル
ブ53が全開され(ステップS152)、ガスを排気し
ながら乗員の運動エネルギを吸収する(ステップS15
4、S155)。一方、側面、後面、ロールオーバ衝突
時(ステップS151NO、ステップS156YES)
にはバルブ53を閉じ(ステップS157)、ガスの排
気を防止し、クッションとして長時間作用させるもので
ある(ステップS159、S160、S161)。
【0081】即ち、車両の前面衝突時(ステップS15
1YES)にはバルブ53を開いた状態(ステップS1
52)でインフレータ19を点火すると(ステップS1
52)、図16ラインLgのようにエアバッグ体17の
内圧は1.2気圧まで上昇し、排気を行ないながら乗員
の運動エネルギを吸収することができる(ステップS1
53〜S155)。又、側面、後面、ロールオーバ衝突
時(ステップS151NO、ステップS156YES)
にはバルブ53が閉じられるため(ステップS15
7)、ラインLpのようにエアバッグ体17の内圧は
1.2気圧まで上昇するが、バッグのコーティングを充
分行なって温度低下によるガス圧の減少のみとすると、
バルブ53を開いた時のラインLgに対しバッグ内圧の
低減は緩やかとなり、図17のラインVpに示すように
かなり長時間にわたりエアバッグ体17の全展開状態を
維持することができる。
【0082】従って、本実施形態においても第1実施形
態と略同様な作用効果を奏することができる。又、本実
施形態ではインフレータ19を特に複数に分割し、かつ
時間差点火をしなくてもバルブ53の制御によって略同
様の効果を得ることができ、構造が簡単となる。
【0083】(第4実施形態)図18は、第4実施形態
に係る全体概略構成図を示している。
【0084】本実施形態では、後面衝突時のリバウンド
による乗員の前方への移動など乗員とインテリアとの干
渉時間が実験解析により推定でき、かつ安定しているも
のについて適用するものである。
【0085】本実施形態において、インフレータ19は
例えば70リットルのエアバッグ体17を1.2気圧ま
で高めることのできるガス発生量を有する。そして、イ
ンフレータ19の点火時間をコントローラ23によって
延長制御させる構成となっている。即ち、センサ25に
よって後面衝突が検知された後、乗員Pがシート31で
衝撃を抑えられた後、前方に移動してきたときにエアバ
ッグ体17を全展開させる。
【0086】これにより限定された衝突形態及び乗員挙
動だけではあるが複雑なハードを必要とすることなくコ
ントローラ23のソフト調整だけで衝突状態に応じた適
切な展開を行ない、安全性を向上させることができる。
【0087】(第5実施形態)図19は第5実施形態に
係る全体概略構成図を示している。本実施形態の全体的
な構成は第2実施形態と同様である。但し、前面衝突時
において常に第1,第2火薬部27,29のすべてを同
時に点火させるのではなく、乗員体格などの乗員状態、
衝突程度などに応じて点火を制御する構成としたもので
ある。即ち、センサ25により計測される衝突時の衝撃
が大きく、乗員Pの体格も極めて大きいとコントローラ
23が判断した場合は、第1,第2火薬部27,29の
すべてを点火し、バッグ内圧特性を図20ラインLbの
ように大きくし、大きなバッグ反力で確実に乗員を拘束
する。一方、センサ25により計測される衝突時の衝撃
が小さく、乗員Pの体格も極めて小さいと判断した場合
には、第1火薬部27及び第2火薬部29の第1部41
のみを点火してバッグ内圧特性を図20ラインLsと小
さくし、小さなバッグ反力で柔らかく乗員を拘束する。
又、いずれでもない場合には第1火薬部27及び第2火
薬部29の第1部41,第2部43を点火し、図20ラ
インLmとし、乗員を適度に拘束する。
【0088】このような制御により本実施形態において
も、第2実施形態と略同様な作用効果を奏することがで
きる他、より各状態に適した反力で乗員への衝撃をより
優しくすることができる。又、本実施形態では第2実施
形態のように側面、後面、ロールオーバ衝突時に時間差
を設けて複数段に点火することもできるため、1つのエ
アバッグ装置を1つの衝突形態にのみ用いるのではな
く、全衝突形態に合わせて最大限に活用することができ
る。
【0089】尚、同様に第3実施形態の構造を用いてバ
ルブ53を開閉面積制御構造とすることにより、バッグ
反力を制御し、第5実施形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0090】(第6実施形態)図21は第6実施形態の
概略構成図を示している。
【0091】本実施形態では、例えば車室内側部にもエ
アバッグ体55を備えている。エアバッグ体55は通常
はシート31のヘッドレスト32やシートバック31a
内に収納され、インフレータ57の点火によりドア内面
に沿って前方へ展開する構造となっている。インフレー
タ57はコントローラ23によって点火制御される。そ
して、エアバッグ体55は側面衝突時において乗員への
側方からの衝撃を主たる衝撃として吸収するものであ
り、このエアバッグ体55を前面、後面、ロールオーバ
衝突時にも展開させる構成としたものである。各エアバ
ッグ体55及びインフレータ57の構成は第1実施形態
に係るエアバッグ体17及びインフレータ19と同様な
ものである。
【0092】従って、図22のように車両の側面衝突時
にはインフレータ57を全て点火させ、側面衝突時の衝
撃を低減するに充分なバッグ内圧で展開させることがで
きる。又、前面、後面衝突時においてインフレータは第
1,第2火薬部が時間差をもって点火されることによっ
て長時間全展開状態を維持し、乗員Pが車幅方向外側斜
前方に移動したような時、車両ドアなど側面インテリア
59に対するクッションとして作用させることができ
る。
【0093】一方、図23のようにロールオーバ衝突時
においても全展開状態を長時間維持することによって乗
員Pと側面インテリア59との間のクッションとして作
用させることができ、更には車両ドアのウインドウパネ
ルが下ろされているような時には、地面61との間のク
ッションとして作用させることもできる。
【0094】従って、本実施形態においても第1実施形
態と略同様な作用効果を奏することができる。又、本実
施形態においては側面衝突を主たる衝突形態とし、その
他の衝突である前面、後面、ロールオーバ衝突に対して
有効に作用させることができる。又、車室内側部に備え
られるエアバッグ体55に対し第2〜第5実施形態のよ
うな構造を適用することもできる。即ち、車室内側部に
備えられるエアバッグ体55についても種々の衝突状態
に対し適切な展開を行なわせることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る概略全体構成図で
ある。
【図2】第1実施形態に係るインフレータの構成図であ
る。
【図3】第1実施形態のフローチャートである。
【図4】バッグ内圧変化を示すグラフである。
【図5】バッグ容量変化を示すグラフである。
【図6】後面衝突の説明図である。
【図7】ロールオーバ衝突の説明図である。
【図8】側面衝突の説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るエアバッグ体の説
明図であり、(a)はヒューズ機構の作動前の展開状態
を示す説明図であり、(b)はヒューズ機構の作動後の
展開状態を示す説明図である。
【図10】第2実施形態に係るインフレータの構成図で
ある。
【図11】第2実施形態のフローチャートである。
【図12】バッグ内圧変化を示すグラフである。
【図13】バッグ容量変化を示すグラフである。
【図14】第3実施形態に係る概略全体構成図である。
【図15】第3実施形態のフローチャートである。
【図16】バッグ内圧変化を示すグラフである。
【図17】バッグ容量変化を示すグラフである。
【図18】第4実施形態に係る概略構成図である。
【図19】第5実施形態に係る概略構成図である。
【図20】バッグ内圧変化を示すグラフである。
【図21】第6実施形態に係る概略全体構成図である。
【図22】前面、後面衝突時の説明図である。
【図23】ロールオーバ衝突時の説明図である。
【図24】従来例に係る概略全体構成図である。
【符号の説明】
17,55 エアバッグ体 19,57 インフレータ 20 排気孔(排気手段) 21 膜(排気手段) 23 コントローラ 25 センサ 27 第1火薬部 29 第2火薬部 37 ヒューズ機構 53 バルブ P 乗員 P´ 助手席乗員

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 展開することによって乗員を支え、該乗
    員の運動エネルギを吸収するエアバッグ体と、 該エアバッグ体を展開させるインフレータ及びエアバッ
    グ体から排気を行なう排気手段と、 車両の種々の衝突形態、衝突程度の衝突状態を検出する
    センサと、 該センサからの情報に基づき前記種々の衝突形態に対し
    て前記インフレータを作動させると共に、前記衝突状態
    に応じた展開を行なわせるように前記インフレータ又は
    排気手段の少なくとも一方を制御するコントローラとよ
    りなることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記エアバッグ体は、車室内前部に備えられたものであ
    ることを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記エアバッグ体は、車室内側部に備えられたものであ
    ることを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記コントローラは、車両の側面、後面、ロールオーバ
    衝突時に、前記インフレータの点火時間を前面衝突時の
    点火時間に対して延長させることを特徴とするエアバッ
    グ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記インフレータを、前記エアバッグ体を略1気圧で展
    開させる第1火薬部及びα気圧を付加する第2火薬部で
    形成し、 前記排気手段は、前記エアバッグ体に設けられ、(1+
    α)気圧で破れる膜を備えた排気孔であり、 前記コントローラは、車両の前面衝突時に前記第1,第
    2火薬部を同時に点火させると共に、側面、後面、ロー
    ルオーバ衝突時に第1火薬部の点火後時間差をもって第
    2火薬部を点火させることを特徴とするエアバッグ装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記エアバッグ体に前記排気手段の破断圧力と同等の1
    気圧を上回る圧力で作動し該エアバッグ体の展開状態を
    可変とするヒューズ機構を設け、 前記インフレータを、前記エアバッグ体を略1気圧で展
    開させる第1火薬部及び、気圧を増加させる複数の第2
    火薬部で形成し、 前記コントローラは、車両の前面衝突時に前記第1,第
    2火薬部を同時に点火させると共に、側面、後面、ロー
    ルオーバ衝突時に第1火薬部の点火後に時間差をもって
    複数段に第2火薬部を点火させることを特徴とするエア
    バッグ装置。
  7. 【請求項7】 請求項2記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記排気手段は、開閉制御可能であり、 前記コントローラは、車両の前面衝突時に前記排気手段
    を全開とし、側面、後面、ロールオーバ衝突時に全閉と
    することを特徴とするエアバッグ装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記コントローラは、乗員条件に応じて第1,第2火薬
    部を点火することを特徴とするエアバッグ装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記コントローラは、乗員条件に応じて排気手段の開閉
    度を制御することを特徴とするエアバッグ装置。
  10. 【請求項10】 請求項3記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記コントローラは、車両の前面、後面、ロールオーバ
    衝突時に、前記インフレータの点火時間を側面衝突時の
    点火時間に対して延長させることを特徴とするエアバッ
    グ装置。
  11. 【請求項11】 請求項3記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記インフレータを、前記エアバック体を略1気圧で展
    開させる第1火薬部及びα気圧を付加する第2火薬部で
    形成し、 前記排気手段は、前記エアバッグ体に設けられ(1+
    α)気圧で破れる膜を備えた排気孔であり、 前記コントローラは、車両の側面衝突時に前記第1,第
    2火薬部を同時に点火させると共に、前面、後面、ロー
    ルオーバ衝突時に第1火薬部の点火後時間差をもって第
    2火薬部を点火させることことを特徴とするエアバッグ
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項3記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記エアバッグ体に展開状態を可変とするヒューズ機構
    を設け、 前記インフレータを、前記エアバッグ体を略1気圧で展
    開させる第1火薬部及び、気圧を付加する複数の第2火
    薬部で形成し、 前記コントローラは、車両の側面衝突時に前記第1,第
    2火薬部を同時に点火させると共に、前面、後面、ロー
    ルオーバ衝突時に第1火薬部の点火後に時間差をもって
    複数段に第2火薬部を点火させることを特徴とするエア
    バッグ装置。
  13. 【請求項13】 請求項3記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記排気手段は、開閉制御可能であり、 前記コントローラは、車両の側面衝突時に前記排気手段
    を全開とし、前面、後面、ロールオーバ衝突時に全閉と
    することを特徴とするエアバッグ装置。
  14. 【請求項14】請求項12記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記コントローラは、乗員条件に応じて第1,第2火薬
    部を点火することを特徴とするエアバッグ装置。
  15. 【請求項15】請求項13記載のエアバッグ装置であっ
    て、 前記コントローラは、乗員条件に応じて排気手段の開閉
    度を制御することを特徴とするエアバッグ装置。
JP26733496A 1996-10-08 1996-10-08 エアバッグ装置 Expired - Fee Related JP3550909B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26733496A JP3550909B2 (ja) 1996-10-08 1996-10-08 エアバッグ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26733496A JP3550909B2 (ja) 1996-10-08 1996-10-08 エアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10109611A true JPH10109611A (ja) 1998-04-28
JP3550909B2 JP3550909B2 (ja) 2004-08-04

Family

ID=17443383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26733496A Expired - Fee Related JP3550909B2 (ja) 1996-10-08 1996-10-08 エアバッグ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3550909B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6386581B1 (en) * 1999-12-13 2002-05-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Controlling deployment of air-bag body of head-protection air-bag device
JP2006123641A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Takata Corp 外面展開型エアバッグ装置
JP2006193036A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Mazda Motor Corp 車両用カーテンエアバッグ装置
WO2007052690A1 (ja) * 2005-11-02 2007-05-10 Takata Corporation 乗員拘束装置
JP2010006237A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Nippon Plast Co Ltd サイドエアバッグ装置
KR101134286B1 (ko) 2010-07-30 2012-04-13 현대자동차주식회사 조수석 에어백 제어시스템

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4604821B2 (ja) * 2005-05-09 2011-01-05 マツダ株式会社 車両の横転対応乗員保護装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6386581B1 (en) * 1999-12-13 2002-05-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Controlling deployment of air-bag body of head-protection air-bag device
JP2006123641A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Takata Corp 外面展開型エアバッグ装置
JP2006193036A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Mazda Motor Corp 車両用カーテンエアバッグ装置
JP4591088B2 (ja) * 2005-01-13 2010-12-01 マツダ株式会社 車両用カーテンエアバッグ装置
WO2007052690A1 (ja) * 2005-11-02 2007-05-10 Takata Corporation 乗員拘束装置
JP2010006237A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Nippon Plast Co Ltd サイドエアバッグ装置
KR101134286B1 (ko) 2010-07-30 2012-04-13 현대자동차주식회사 조수석 에어백 제어시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP3550909B2 (ja) 2004-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2987153B2 (ja) 車体側部のエネルギ吸収構造
US6428041B1 (en) Airbag system for a motor vehicle
JP4645280B2 (ja) 乗員保護装置及び方法
US6536799B2 (en) Safety device with an airbag configuration including multiple airbags for a motor vehicle
JP2963948B2 (ja) 車体側部のエネルギ吸収装置
KR20190068354A (ko) 차량용 헤드레스트 에어백
EP1405772B1 (en) Air bag device
JP4999843B2 (ja) 自動車用サイドエアバッグユニット
JPH03281455A (ja) 車体側部への衝突エネルギ吸収装置
JPH081982Y2 (ja) 車体側部のエネルギ吸収構造
JP2895578B2 (ja) 車体側部のエネルギ吸収装置
JP4591088B2 (ja) 車両用カーテンエアバッグ装置
JP3550909B2 (ja) エアバッグ装置
JP3617184B2 (ja) エアバッグ式乗員保護装置
JP2933894B2 (ja) 車体側部のエネルギ吸収構造
JP2895577B2 (ja) 車体側部のエネルギ吸収装置
JPH0640305A (ja) エアバッグの圧力調整装置
JPH02303952A (ja) 乗員保護用エアバッグ装置
JP2005132153A (ja) エアバッグ装置
JPH0332957A (ja) 自動車のエアバッグ装置
JPH11208413A (ja) 衝突規模検知方法、シートベルト装置及びエアバッグ装置
JPH06239195A (ja) 車両用エアバッグ装置
JPH11278196A (ja) 自動車用エアバッグ装置
JP2922175B2 (ja) 車体側部のエネルギ吸収構造
JP2006182255A (ja) 車両の横転対応保護装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees