JPH10106037A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

Info

Publication number
JPH10106037A
JPH10106037A JP8275580A JP27558096A JPH10106037A JP H10106037 A JPH10106037 A JP H10106037A JP 8275580 A JP8275580 A JP 8275580A JP 27558096 A JP27558096 A JP 27558096A JP H10106037 A JPH10106037 A JP H10106037A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
substrate
recording layer
optical information
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8275580A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP8275580A priority Critical patent/JPH10106037A/ja
Priority to EP19970116651 priority patent/EP0831473B1/en
Priority to CNB971214492A priority patent/CN1190785C/zh
Priority to US08/937,010 priority patent/US5989669A/en
Priority to DE1997631705 priority patent/DE69731705T2/de
Publication of JPH10106037A publication Critical patent/JPH10106037A/ja
Priority to US09/427,264 priority patent/US6238764B1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 二枚の基板の外側端部において高い接着性を
実現することにより、剥れの生じにくい構造の光情報記
録媒体を提供する。 【解決手段】 それぞれ、記録層、反射層及び保護層が
この順で設けられた中央に孔部を持つ二枚の円盤状基
板、もしくは記録層、反射層及び保護層がこの順で設け
られた中央に孔部を持つ円盤状基板と該基板と同一の形
状を持つ円盤状保護板とをそれぞれ記録層側が内側とな
るように接着剤層を介して貼り合わされてなるサンドイ
ッチ型光情報記録媒体において、基板の外側端部の表面
から基板の側面に至る領域に表面加工を施すことによ
り、その領域の表面積を増大させ、該表面加工が施され
た領域に記録層を接合させた光情報記録媒体。記録層と
反射層の外側端部を内側に後退させて露出面を作り、こ
の面から基板の側面に至る領域に表面加工を施し、該領
域に保護層を接合させた態様が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それぞれ、記録
層、反射層及び保護層をこの順に有する二枚の円盤状基
板、もしくは該基板と、該基板と同一の形状を持つ円盤
状保護板とをそれぞれ記録層側が内側となるように接着
剤層を介して貼り合わされてなるレーザ光により情報の
記録と読み出しが可能なサンドイッチ型光情報記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】一回限り情報の記録が可能であるが、一
旦書き込んだ情報の消去はできないと言う追記型光情報
記録媒体(CD−R)が実用化されている。この追記型
光情報記録媒体は、数枚から数十枚程度の少量の単位で
情報が記録されたCDを、手頃な価格でかつ迅速に提供
できるとのニーズに対応したものとして利用されてい
る。この媒体の一般的な構造は、円盤状基板上に色素か
らなる記録層及び金属からなる反射層をこの順に設け、
更に樹脂からなる保護層が塗布により反射層上にこれを
覆うように設けられた構造である。なお、基板の表面
(基板と記録層との界面)には通常、照射されるレーザ
光の走査を案内し、レーザ光が照射予定位置を正確にた
どるように予め凹状の案内溝(一般にプレグループと称
する)が形成されている。しかし上記の構造は、充分高
い耐久性を有しているとは言えず、また昨今の高い記録
容量の要望に対しては充分対応できないと言う問題があ
る。
【0003】上記のような要望に対し、大記録容量を持
つ光情報記録媒体として最近、追記型DVD(ディジタ
ル・ビデオ・ディスク:DVD−R)の開発が進められ
ている。この追記型光情報記録媒体は、例えば、医療用
カルテ、美術館や図書館の電子ライブライリー、公文書
などの大量の情報の保存に極めて有用性の高いものと期
待されている。DVD−Rの基本構造としては、例え
ば、図17に示す構造のものが提案されている(「日経
ニューメディア」別冊「DVD]、1995年発行)。
即ち、DVD−Rは、トラッキングのための案内溝(プ
レグループ)が形成された円盤状基板171a、該円盤
状基板上にスピンコート法で形成した有機色素層(記録
層)173a、更にその上に反射層174a及び保護層
175aを順に有するディスクを二枚(もう一方のディ
スクの符号の説明は省略)、接着剤層176により記録
層側を内側にして貼り合わせた構造からなっている。上
記のDVD−Rへの情報の書き込み(記録)及び読み取
り(再生)は、ディスクの基板の両面側から行うことが
できるために、それだけでも前記CD−Rに比べて単純
に二倍の情報の保存が可能となる。また、図17で示さ
れるDVD−Rの別の態様として、上記文献には、一方
のディスクを円盤状保護板に代えて、一方の基板のみに
記録層、反射層及び保護層を順に設けた構成の光情報記
録媒体の開示もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記のよ
うに二枚の円盤状基板を接着剤層により貼り合わせてな
る光情報記録媒体の性能について検討した。それによる
と、二枚の基板の端部では剥れが生じ易く、また保存安
定性(耐久性)も充分でないことが判明した。そして剥
れの問題は、以下の理由により生じることを見出した。
即ち、二枚の円盤状基板を貼り合わせてなる光情報記録
媒体の一つの態様としては、例えば、図16に示すよう
に、記録層163および反射層164がこの順で設けら
れ、更にこれらの上に反射層164を覆うようにして保
護層165が設けられた円盤状基板161と円盤状保護
板162とを接着剤層166を介して接合された構造の
ものが考えられる。そしてこの光情報記録媒体は、一般
に下記の工程により製造されている。まず記録層163
を円盤状基板161の上に形成する。記録層163は、
通常スピンコータを用いて記録層用塗布液を塗布するこ
とにより形成されるため、図のように、該円盤状樹脂基
板161上にほぼ全面に亙って塗布される。次に、金属
からなる反射層164を蒸着、スパッタリングなどの方
法で記録層163上に、該記録層の外周端部より反射層
の外周端部が内側となるように設ける。次いで、紫外線
硬化性樹脂で反射層164を覆うようにして保護層16
5を設けた後、得られた基板161と該基板と同一形状
の保護板(基板)162とを記録層163を内側にして
接着剤(接着剤層166)で貼り合わせる。このように
して図16に示す構造のものを得ることができる。な
お、通常の円盤状基板においては、プレグルーブが存在
する領域以外の領域、即ち、端部表面、及び基板の端面
(基板外周の側面)は、非常に高い精度の表面性を有し
ている。
【0005】一般に上記のようなサンドイッチ型の光情
報記録媒体においては、反射層は、金属からなる層であ
るため、反射層と記録層及び反射層と保護層とのそれぞ
れの界面では充分な接合力を得ることができない。その
ため、二枚の基板の接合力は、反射層の介在しない領
域、即ち、基板の孔部周縁部近傍の外側領域及び基板の
外周端部近傍の内側領域における各層間のそれぞれの界
面での接着力によって主に保持されていることになる。
このことは、例えば、媒体が、衝撃や曲げによる変形を
受けた時には、そのひずみが基板の端部、特に外周端部
に剥れとなって現れることをも意味する。従って二枚の
基板で挟まれた端部の構造はより強固に設計されている
ことが望ましい。しかし、本発明者の更なる検討では、
従来、このタイプの基板の外周端部においては、図16
に示されているように、保護層は基板と直接接触してお
らず、記録層を介して基板と接合した状態にあり、また
記録層自体は色素からなる層であるため、充分な層間の
接着力を得ることができず、従って基板と記録層あるい
は記録層と保護層の界面では剥離が生じ易いことがわか
った。また、保護層が記録層と接した部分においては、
経時的に接着強度が低下して、剥れ易くなり、充分な耐
久性(保存安定性)が得られないことも判明した。その
理由は、明らかではないが、保護層が接する記録層の部
分では、保護層中の成分、例えばラジカル成分などの影
響を受け易く、また記録層の端面(側面)は露出した状
態にあり、酸素などの影響を受け易いため、経時的に記
録層が劣化するためと考えられる。
【0006】本発明の目的は、二枚の基板の外側端部に
おいて高い接着性を実現することにより、剥れの生じに
くい構造の光情報記録媒体を提供することである。ま
た、本発明の目的は、良好な耐久性(保存安定性)が付
与された光情報記録媒体を提供することでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究により、
記録層のある基板の外側端部表面から側面に至る領域に
表面加工を施すことにより、その領域の表面積を増大さ
せ、この領域に記録層(好ましくは記録層と共に保護
層)を接合させることにより、基板端部においてより高
い接着性を実現できることが見出された。特に、本発明
においては、基板上に記録層及び反射層を設ける際に、
これらの層を基板の外側端部までその基板全面に設ける
ことなく、基板の外側端部に基板表面を露出させた領域
を残して記録層及び反射層を設け、かつこの露出面から
基板の側面に至る領域に粗面加工などの表面加工を施す
ことにより、その領域の表面積を増大させ、この表面加
工された領域に保護層を接合させることにより、基板端
部に高い接着力を付与でき、基板端部の剥れにくい構造
の光情報記録媒体を得られることが見出され、本発明を
完成させたものである。
【0008】本発明は、それぞれ、記録層、反射層及び
保護層がこの順で設けられた中央に孔部を持つ二枚の円
盤状基板、もしくは記録層、反射層及び保護層がこの順
で設けられた中央に孔部を持つ円盤状基板と該基板と同
一の形状を持つ円盤状保護板とをそれぞれ記録層側が内
側となるように接着剤層を介して貼り合わされてなるサ
ンドイッチ型光情報記録媒体において、該記録層のある
基板の外側端部の表面から基板の側面に至る領域に表面
加工を施すことにより、その領域の表面積を増大させ、
該表面加工が施された領域に記録層を接合させたことを
特徴とする光情報記録媒体にある。
【0009】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)記録層と反射層の外側端部の双方を内側に後退さ
せることにより、基板の外側端部表面を露出させ、その
露出面から基板の側面に至る領域に表面加工を施すこと
により、その領域の表面積を増大させ、該表面加工が施
された領域に保護層を接合させている。 (2)更に記録層と反射層の内側端部の双方を内側に後
退させることにより、孔部周縁部近傍の外側領域の基板
表面を露出させ、該露出面に表面加工を施すことによ
り、その面の表面積を増大させ、該表面加工が施された
露出面に保護層を接合させている。 (3)上記(1)又は(2)の場合において、表面加工
が施された領域又は露出面に保護層と共に接着剤層を接
合させている。 (4)表面加工が、粗面加工又は面取り加工である。 (5)記録層が、色素記録層である。 (6)保護層が、UV硬化性樹脂からなる層である。 (7)表面加工が、基板の成型用のモールドの該当部分
の加工する方法を利用して行われている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体を添付図
に示す各図を用いて説明する。図1〜図4は、それぞれ
本発明の光情報記録媒体の好ましい例を模式的に示す断
面図である。図1及び図3に示される光情報記録媒体
1、3は、それぞれ、記録層13、33、反射層14、
34及び保護層15、35がこの順で設けられた中央に
孔部10a、30aを持つ円盤状基板11、31と、該
基板と同一の形状を持つ(中央に孔部10b、30bを
持つ)円盤状保護板12、32とをそれぞれ記録層側が
内側となるように接着剤層16、36を介して貼り合わ
されてなるサンドイッチ型の例である。そして図1に示
される態様においては、記録層のある基板の外側端部表
面からその側面に至る領域(両面が交わる角部分)には
面取り加工が施されており、記録層13はその面取り加
工が施された領域17に接合している。また、図3で示
される態様においては、記録層のある基板の外側端部表
面には、基板端部表面を露出させた領域(露出面)38
を有し、その露出面から基板の側面に至る領域(両面が
交わる角部分)には、面取り加工が施されている。そし
て保護層35の端部は、この面取り加工が施された領域
37に密着状態で接合している。なお、円盤状保護板の
内側の外側端部においても面取り加工が施されているこ
とが好ましい。
【0011】また図2及び図4に示される光情報記録媒
体2、4は、それぞれ、記録層23a、23b、43
a、43b、反射層24a、24b、44a、44b、
及び保護層25a、25b、45a、45bがこの順で
設けられた中央に孔部20a、20b、40a、40b
を持つ二枚の円盤状基板21a、21b、41a、41
bをそれぞれ記録層側が内側となるように接着剤層2
6、46を介して貼り合わされてなるサンドイッチ型の
例である。そして図2に示される態様においては、記録
層のある基板の外側端部表面から基板の側面に至る領域
(両面がが交わる角部分)には面取り加工が施されてお
り、記録層23a、23bはその面取り加工が施された
領域27a、27bに接合している。また、図4で示さ
れる態様においては、記録層のある基板の外側端部表面
には、基板端部表面を露出させた領域(露出面)48
a、48bを有し、この露出面から基板の側面に至る領
域(両面が交わる角部分)には、面取り加工が施されて
いる。そして保護層45a、45bの端部は、この面取
り加工が施された領域47a、47bに密着状態で接合
している。
【0012】なお、図1〜図4で示される態様におい
て、記録層と反射層の基板の内側端部(孔部周縁部の外
側領域)の層構成は、任意であるが、それぞれの図に示
されるように、各態様共に、基板表面を露出させた領域
(露出面)19、29a、29b、39、49a、49
bを有し、保護層15、25a、25b、35、45
a,45bの端部は、それぞれこの露出面19、29
a、29b、39、49a、49bと密着状態で接合し
ていることが好ましい。また、内側端部の基板表面の露
出させた領域(露出面)にも表面加工を施すこともでき
る。
【0013】本発明の光情報記録媒体は、例えば以下の
方法により製造することができる。本発明の光情報記録
媒体として図3に示される態様を例にとって、その製造
方法を図5〜図7を参照しながら詳述する。図5は、中
央に孔部10aを備え、基板表面の外側端部と端面(側
面)とで形成される角部分に面取り加工が施された円盤
状基板11上に、記録層13を塗布により設けた状態を
模式的に示す部分断面図である。面取り加工が施された
基板は、予め所定の角部分が面取りされるように設計さ
れたスタンパあるいはモールド(金型)を用いて成型す
ることにより、得ることができる。また基板を通常の方
法で成型後、機械的な加工を行うことにより、得ること
もできる。通常は前者の方法を利用して得た基板が有利
に用いられる。なお、スタンパあるいはモールドを予め
予定した形状となるように設計変更することにより、種
々の形状の基板を製造することができる。面取りする際
には、その加工領域が、基板のグルーブあるいはピット
エリアに掛からないように設けることが好ましい。例え
ば、面取りは、基板の厚み方向に対しては、基板の厚み
の1%〜50%(更に好ましくは、3%〜30%)の範
囲で、一方基板の直径方向に対しては、基板の直径の
0.05%〜3%(さらに好ましくは、0.1〜2%)
の範囲で形成することが好ましい。
【0014】色素からなる記録層は、円盤状基板上に記
録層形成用塗布液を通常スピンコート法を利用して形成
される。記録層13は、図のように、基板の外側端部の
面取り加工が施された領域17を覆うように形成され
る。またスピンコート法を利用することにより、中央孔
部の周縁部外側領域の塗布位置(記録層の内側端部)を
ある程度制御しながら塗布できる。従って中央孔部の周
縁部外側には、記録層が形成されない領域を作ることが
できる。しかし、この記録層が形成されない領域を充分
確保するためには、記録層を塗布後、記録層の内側端部
の一定の領域を除去することが好ましい。なお、塗布
は、スピンコート法以外にロールコート法やディップコ
ート法などの方法を用いても行うことができるが、スピ
ンコート法に比べて、これらの方法では塗布領域を制御
することは更に困難である。
【0015】次に、記録層上に金属からなる反射層を形
成する。図6は、記録層13の上に更に反射層14を形
成し、記録層と反射層の外側端部の双方を内側に後退さ
せた状態を模式的に示す部分断面図である。図6に示す
ように、記録層13と反射層14とを基板11上に所定
の範囲で設けるには、例えば、以下の方法を利用するこ
とができる。 1)記録層の外側端部(面取りがされた部分の記録層を
含む領域)を所定の位置まで適当な溶剤を用いてスピン
コート法による洗浄(スピン洗浄)により洗い流し、そ
の領域の記録層を除去する。その後、マスキングにより
反射層を形成する。反射層は、蒸着、スパッタリング、
あるいはイオンプレーティングなどの方法を利用して形
成することができる。 2)上記と同様にして反射層をマスキングにより記録層
上に形成した後、反射層からはみ出した部分(記録層の
外側端部)の記録層を上記スピン洗浄により洗い流し、
そのはみ出した部分の記録層を除去する。 3)上記と同様にして反射層をマスキングにより記録層
上に形成した後、次の保護層形成用塗布液を塗布する工
程で、この塗布液をスピンコート法で塗布しながら同時
に外側端部の記録層を洗い流し、その領域の記録層を除
去する。この方法を利用することで、外側端部の記録層
の除去と同時に、保護層を形成するための塗布を行うこ
とができる。
【0016】外側端部の記録層を除去するには、上記の
ようにスピン洗浄の他に、塗布の後記録層が乾燥する前
に、拭き取る方法、あるいはレーザ光により燃焼させる
方法などを利用しても良い。また中央孔部の周縁部外側
領域に、記録層が形成されない領域を作る場合にもこれ
らの方法を組み合わせて利用することができる。なお、
上記のように外側端部の記録層を除去し、所定の範囲に
記録層を形成する方法については、例えば、特開平2−
183442号公報及び同2−236833号公報に記
載されており、これらの方法を利用することができる。
以上の方法により、記録層13と反射層14の外側端部
の双方を内側に後退させることができ、基板端部表面を
露出させた領域(露出面)18を形成することができ
る。そして、上記露出面の形成により、この露出面18
から基板の側面に至る領域には、面取り加工が施された
領域17が現れる。基板端部表面を露出させた領域から
面取り加工が施された領域(Lで示される幅の面積)
は、保護層が直接基板表面と接合する領域となるが、こ
の領域は、基板の全円周の外側端部に沿って0.05m
m〜10mmの範囲の巾で設けられることが好ましい。
更に好ましくは、この領域は、0.2mm〜1.0mm
の範囲の幅で設けられることが好ましい。なお、図6の
場合は、記録層の外側端部から面取り加工された領域1
7までに、基板の露出面18があるが、面取り加工を記
録層の外側端部に接するように行っても良い。なお、基
板表面が露出した領域(露出面)は、色素が完全に除去
されず、一部残るところもあるが、保護層の接合には殆
ど問題とならない。
【0017】記録層及び反射層の上に、次いで、保護層
を形成する。図7は、記録層13及び反射層14上から
面取り加工が施された領域17に至る領域に保護層の端
部が接触するように保護層15を設けた状態を模式的に
示す部分断面図である。保護層は、後述するように、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、あるいはUV(紫外線)硬
化性樹脂などからなる樹脂を用いて反射層上から面取り
加工が施された領域まで塗布することにより形成するこ
とができるが、生産性や得られる媒体の強度などの点か
ら、UV(紫外線)硬化性樹脂の使用が好ましい。UV
硬化性樹脂を用いた場合には、この樹脂液をスピンコー
ト法などを利用して塗布した後、UV光を照射させるこ
とにより、保護層を形成することができる。なお、基板
の内側端部においては、図のように、保護層15は、そ
の端部が、中央孔部の周縁部外側領域の記録層が形成さ
れない領域(露出面)19に接触するように設けること
が好ましい。
【0018】図5〜図7に示したように、記録層13、
反射層14及び保護層15をこの順に設けた基板11を
次に、別に用意したこの基板と同一の形状を持つ円盤状
保護板(基板)12に記録層を内側にして重ね合わせ、
接着剤により貼り合わせる。二枚の基板の貼り合わせ
は、一方、あるいは双方の基板上(あるいは保護層上)
に接着剤を塗布した後、この基板同士の接着面を重ね合
わせ、例えば、図8に示す圧着装置80の加圧板81
a、81bの間に挟み、加圧処理することにより、行う
ことができる。接着剤は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、あるいはUV(紫外線)硬化性樹脂などの接着剤か
ら適宜選択して利用できる。但し、図2及び図4に示す
ような光情報記録媒体を作成する場合には、双方の基板
上に記録層を有するため、UV硬化性樹脂接着剤の使用
は困難になる。このため図2及び図4に示されるタイプ
の場合には、UV硬化性樹脂接着剤以外のものが用いら
れる。なお、UV硬化性樹脂を用いる場合には、加圧処
理をしながらUV光を照射するため、加圧板は、透明な
材料が用いられる。例えば、白板ガラス、石英ガラス、
青板ガラスを好ましいものとして挙げることができる。
接着剤層は、その端面(側面)が通常両基板の端面(側
面)とほぼ同じ面(面一)か、あるいは若干内側となる
ように形成されるが、この側面形状は、幾分凹状であっ
ても凸状であっても特に問題とならない。
【0019】本発明の光情報記録媒体は、マスキングの
位置を調節することにより、例えば、図9(a)に示す
ように、記録層13を全面に覆った形状の反射層14と
することもできる。また図9(b)に示すように、記録
層13を中間層50を介して二層構成(記録層13A、
13B)にすることもできる。更に、図9(c)に示す
ように、記録層13を中間層50を介して二層構成(記
録層13A、13B)にすると共に、上に位置する各層
が、下層に位置する層を全体に覆うように構成すること
もできる。これらの光情報記録媒体も前述した製造方法
を利用することにより、製造することができる。
【0020】本発明の光情報記録媒体において、表面加
工された基板(外側端部表面から基板の側面に至る領
域)の形状の他の例を以下に挙げる。図10〜図14
は、それぞれ図3に示される態様の光情報記録媒体にお
いて、その基板の外側端部表面から基板の側面に至る領
域に種々の形状の表面加工を施した例を模式的に示す部
分断面図である。なお、図10〜図14において、表面
加工が施された領域は17で示す。図10(a)に示さ
れるように、基板の外側端部(露出面)と基板の側面と
が交わる角部分にアール状となるように表面加工されて
いる。また、図10(b)〜(d)に示されるように、
記録層側に施した表面加工を、同様にこれと対称的に基
板の反対側(記録層が設けられていない側)に施しても
良い。このように、基板の記録層が設けられていない側
に面取り加工を行うことにより、基板の製作時、その角
部分に生じがちなバリの発生を抑えることができる。
【0021】また図11に示されるように、基板が粗面
加工されていても良い。粗面加工としては、図11
(b)に示されるように、一方の基板と他方の基板(保
護板)とに異なった粗面状態で行うことができる。保護
層は、粗面加工された領域に接合するように設けられる
が、図11(d)に示されるように、基板の端面(側
面)が粗面加工されている場合には、保護層は、この面
にも接合するように設けられることが好ましい。また図
11(e)に示されるように、基板の角部分を予め面取
り加工し、更にこの領域に粗面加工をすることもでき
る。このような表面加工を組み合わせることで、基板端
部の接着力を更に高めることができる。粗面加工は、そ
の平均粗さが、0.01μm〜1mmの範囲(更に好ま
しくは、0.1μm〜100μmの範囲)となるように
行うことが好ましい。
【0022】図12は、基板の外側端部表面から基板の
側面に至る領域が突起、あるいは切欠などで表面加工さ
れた例を示すもので、突起、切欠の形状、大きさなどは
適宜設定することができる。また、上記図11において
も説明したように、基板の端面(側面)に突起が形成さ
れている場合(図12(e)及び(f))には、保護層
は、この面にも接合するように設けられることが好まし
い。
【0023】図13(a)、(b)及び(d)は、基板
の外側端部表面の形状を端部に向かってなだらかな傾斜
にしたり、なだらかな凹状にしたり、あるいはなだらか
な凸状に表面加工した例を示すものである。このような
形状によっても基板の表面積を増大させることができ
る。また図13(c)に示すように、基板の側面の断面
形状が、基板の外側端部表面に対して鈍角となるように
表面加工をすることもできる。図14に示されるよう
に、表面加工として、基板の外周縁の外側端部に沿って
放射状にジグザグを形成することもできる。本発明にお
いては、基板は、図10に示される面取り加工又は図1
1に示す粗面加工がされていることが好ましい。なお、
以上説明した基板の形状は、前述したように基板の成型
段階における設計変更により、所望の形状とすることが
できる。また粗面加工は、例えば、基板を成型後、基板
の表面に例えば、溶剤による処理方法、ヤスリなどを用
いて傷をつけ、表面を荒くする方法、サンドブラストな
どを利用して行うことができる。
【0024】本発明の光情報記録媒体は、図15に示す
ように、保護層15を表面加工した領域17の基板の外
側端部の一部分にのみ接触するように設け、残りの部分
の領域には、接着剤層16が接触するように構成するこ
ともできる。接着剤層16が接触する表面加工がされた
領域17の形成は、保護層を塗布後、前述したスピン洗
浄などの方法で必要な領域の保護層を溶解させ、表面加
工が施された領域から洗い流すことにより行うことがで
きる。
【0025】以上の光情報記録媒体の製造方法の説明
は、図3に示されるサンドイッチ型の例についてのもの
であるが、記録層、反射層及び保護層がこの順で設けら
れた中央に孔部を持つ二枚の円盤状基板をそれぞれ記録
層側が内側となるように接着剤層を介して貼り合わされ
てなるサンドイッチ型の場合(図4)においても同様に
製造することができる。また、図1又は図2に示される
ように、表面加工がされた領域に記録層を接合させた態
様の光情報記録媒体においても同様に製造することがで
きる。この場合、表面加工がされた領域、特に、表面加
工がされた領域が基板の側面にまで及んでいる場合に
は、記録層と共に保護層を接合させることが好ましい。
また、これらの光情報記録媒体の製造に際しては、図9
において説明したように、記録層を中間層を介して二層
構成にすることもできるし、また反射層を記録層を全面
に覆った形状となるように設けることもできる。更に、
前記図10〜図14で説明した種々の形状の基板を使用
することができる(なお、図1又は2に示される光情報
記録媒体に利用する際には、表面加工がされた領域には
記録層が接合した態様になる)。
【0026】本発明の光情報記録媒体の製造に際して
は、従来から光情報記録媒体に用いられていた材料を選
択して用いることができる。以下、簡単にこれらの材料
について説明する。円盤状基板材料としては、例えば、
アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと他のポリ
マーとの共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹
脂;ポリカーボネート樹脂;アモルファスポリオレフィ
ン及びポリエステルを挙げることができる。好ましいも
のは、ポリカーボネート、ポリオレフィン及びセルキャ
ストポリメチルメタクリレートである。円盤状基板の厚
みは、基板の直径の0.1%〜3.0%(好ましくは、
0.2%〜2.5%)の範囲にあることが好ましい。
【0027】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改良、接着性の向上、基板の態様の改良及び記録
層の変質の防止を目的に、下塗り層を設けても良い。下
塗り層を形成するための材料としては、ポリメチルメタ
クリレート、アクリル酸・メタクリ酸共重合体、スチレ
ン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、
N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトル
エン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロ
セルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル、塩化ビニ共重
合体、エチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等
の高分子物質、及び無機酸化物(SiO2 、Al2
3 )、無機フッ化物(MgF2 )などの無機物質を挙げ
ることができる。下塗層は、上記の材料を用いて公知の
方法(スピンコート、ディップコート、エクストルージ
ョンコートなどの塗布法、あるいは蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティングなどの真空製膜法)を利用し
て形成することができる。
【0028】基板(又は下塗り層)上には、トラッキン
グ用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸を形成する
ために、プレグループ層及び/又はプレピット層が形成
されていても良い。プレグループを形成するための材料
としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、ト
リエステル、及びテトラエステルのうちの少なくとも一
種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開始剤との混
合物を用いることができる。プレグループ層は、従来か
ら行われている方法で形成することができる。
【0029】記録層は、色素からなる層で構成されてい
ることが好ましい。用いられる色素は、特に限定されな
い。例えば、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、
イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリ
リウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系
色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン
系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色
素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色
素、トリアリルメタン系色素、メロシアニン系色素、オ
キソノール系色素、アルミニウム系・ジインモニウム系
色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これら
の色素のうちでは、シアニン系色素、フタロシアニン系
色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オ
キソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好
ましい。記録層の形成は、上記の色素、及び必要により
結合剤を溶剤に溶解して塗布液を調製し、この塗布液を
前述した方法で基板上に塗布し、乾燥することによって
行うことができる。記録層は、一般に10〜550nm
の範囲の厚さとなるように設けられる。なお、図9の
(b)及び(c)で示したように、中間層は、前記下塗
層を形成するために用いた材料を用いて形成することが
できる。中間層は、一般に1〜100μmの範囲で設け
られる。
【0030】反射層の材料である光反射性物質は、レー
ザ光に対する反射率が高い物質である。具体的には、反
射層は、金属及び半金属からなる層であることが好まし
い。これらの例としては、Mg、Se、Y、Ti、H
f、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、C
u、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、S
i、Ge、Te、Pb、Po、Sn及びBiなどを挙げ
ることができる。これらのうちでは、Au、Ag、C
u、Pt、Al、Cr及びNiであることが好ましく、
特にAuであることが好ましい。これらは単独で用いて
も良いし、あるいは二種以上を組み合わせて用いても良
い。反射層は、一般に10〜300nmの範囲の厚さと
なるように設けられる。
【0031】保護層の形成、あるいは接着剤層の形成に
用いられる材料(接着剤)としては、熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、UV(紫外線)硬化性樹脂、あるいはこれ
らの樹脂からなる接着剤を挙げることができる。保護層
の形成に際しては、特にUV硬化性樹脂の使用が好まし
い。UV硬化性樹脂の例としては、ウレタン(メタ)ア
クリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエス
テル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートの
オリゴマー類、(メタ)アクリル酸エスエル等のモノマ
ー類等、更に光重合開始剤等の通常UV硬化性樹脂を使
用することができる。保護層は、一般に0.1〜100
nmの範囲、好ましくは、1〜15nmの範囲の厚さと
なるように設けられる。また接着剤層は、その平均厚み
が、一般に0.1μm〜100μmの範囲、好ましく
は、20〜80μmの範囲、更に好ましくは、30〜7
0μmの範囲となるように設けられる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を記載す
る。 [実施例1]下記の構造式で示される色素
【0033】
【化1】
【0034】を2,2,3,3−テトラフロロプロパノ
ールに溶解して色素記録層形成用塗布液(色素2.65
重量%)を調製した。トラッキングガイドが設けられ、
外側端部に面取り加工が施された円盤状のポリカーボネ
ート基板(外径:120mm、厚さ:0.6mm、内径
15mm、グルーブの幅:0.4μm、深さ:200n
m、面取りの形状:厚み方向0.2mm×直径方向0.
5mm)上に、上記塗布液をスピンコート法により回転
数を1000rpmの速度で塗布した。続いて、孔部周
縁部近傍の外側の一定の領域を拭き取り、記録層の内側
端部を外側に後退させて、基板表面の露出した領域(内
側端部の露出面)を形成した。その後、該塗布層を70
℃の温度で10分間乾燥して膜厚が、120nmの記録
層を形成した(図5参照)。上記色素記録層上にマスク
を用いてAuを蒸着して膜厚が100nmの反射層を形
成した。この操作によって、反射層は、その外周端部が
記録層の外周端部から内側に位置するように設けられ
た。上記反射層が設けられた基板表面に、2,2,3,
3−テトラフロロプロパノールの溶剤をスピンコート法
にて噴射して、該反射層が設けられた領域以外の領域に
塗布されている記録層を除去した。これにより、基板の
外側端部に基板表面が露出した領域(外側端部の露出
面)を形成した。この露出面は、基板の円周の外側端部
に沿って0.7mmの幅で形成された(図6参照)。な
お、記録層の除去により、基板には面取りされた領域が
現れた。上記反射層上に、UV硬化性樹脂液(商品名:
3070、(株)スリーボンド製)をスピンコート法に
より回転数1500rpmの速度で塗布した。そして塗
布層の上から高圧水銀灯にて紫外線を照射して硬化さ
せ、層厚が5μmとなるように保護層を形成した(図7
参照)。次に、保護層上に、UV硬化性接着剤(商品
名:3070、(株)スリーボンド製)をスピンコート
法により回転数1500rpmの速度で塗布した。そし
て接着剤が塗布された基板と、別に用意した円盤状のポ
リカーボネート基板(保護板)(外径:120mm、厚
さ:0.6mmで上記の基板と同様にその外側端部に面
取り加が施されている)とを接着剤が塗布された面を内
側にして重ね合わせ、図8に示す圧着装置の加圧板(石
英ガラス)の間に挟み、セットした。そして加圧した状
態(0.2kg/cm2 )で、保護板と接触した加圧板
の上から高圧水銀灯にて紫外線を照射して硬化させ、層
厚が8μmとなるように接着剤層を形成した。このよう
にして、図3に示す構造を持つ光情報記録媒体を製造し
た。
【0035】[実施例2]実施例1において、円盤状の
ポリカーボネート基板として、外側端部に粗面加工が施
された基板(外径:120mm、厚さ:0.6mm、内
径15mm、グルーブの幅:0.4μm、深さ:200
nm、粗面の平均粗さ:1μm)及び外側端部に粗面加
工が施された円盤状のポリカーボネート基板(保護板)
(外径:120mm、厚さ:0.6mm、粗面の平均粗
さ:1μm))を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して光情報記録媒体を製造した。このようにして、図3
に示す構造を持つ光情報記録媒体を製造した。
【0036】[比較例1]実施例1において、円盤状の
ポリカーボネート基板として、外側端部に面取り加工が
施されていない基板(外径:120mm、厚さ:0.6
mm、内径15mm、グルーブの幅:0.4μm、深
さ:200nm)を、また保護板として、外側端部に面
取り加工が施されていない基板をそれぞれ用い、かつ反
射層を形成後、該反射層が設けられた領域以外の領域に
塗布されている記録層の除去を行わなかったこと以外
は、実施例1と同様にして光情報記録媒体を製造した。
このようにして、図16に示す構造を持つ光情報記録媒
体を製造した。
【0037】[光情報記録媒体としての評価]上記のよ
うにして得られた光情報記録媒体について、(1)落下
テスト、及び(2)基板の外側端部のC/Nの測定を行
い、それぞれ評価した。 (1)落下テスト コンクリート床に20回、1mの高さから落下させ、基
板の外側端部の剥れを観察した。評価基準は、下記の通
りである。 A:基板外側端部の剥れが殆ど観察されなかった。 B:基板外側端部の剥れがわずかに観察された。 C:基板外側端部の剥れがかなり観察された。 (2)基板の外側端部(グルーブの最外周部分)のC/
Nの測定 DDU1000(パルステック社製)を用い、1.2m
/秒で11T記録を行った後、再生し、スペクトラムア
ナライザTR4135(アドバンテスト(株)製)で測
定した。また製造後、80℃、85%RH条件下で24
0時間保存後に得られた媒体に対して、上記と同じよう
に落下テスト、及び基板外側端部でのC/Nの測定を行
い、同様な基準でそれぞれ評価した。結果を表1に示
す。
【0038】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 保存後の 保存後の 落下テスト 端部C/N 落下テスト 端部C/N ──────────────────────────────────── 実施例1 A 56dB A 53dB 実施例2 A 56dB A 53dB 比較例1 C 53dB C 49dB ────────────────────────────────────
【0039】上記表1の結果から、それぞれ、外側端部
に表面加工(面取り加工(実施例1)、粗面加工(実施
例2))を施した基板を用いて、この表面加工が施され
た領域に保護層を直接接合するように設けた本発明に従
う光情報記録媒体(実施例1及び実施例2)は、外側端
部に表面加工が施されていない基板を用い、かつ保護層
を記録層を介して基板端部と接合するように設けた比較
の光情報記録媒体(比較例1)に比べて、基板外側端部
の剥れが殆どなく、また高い端部C/Nの値を得ること
ができることがわかる。またこれらの光情報記録媒体を
長期間保存(特に、高温高湿下での保存)した後の性能
においても本発明に従う光情報記録媒体の方が、比較例
の光情報記録媒体に比べてその基板端部の剥れも殆どな
く、また同様に高い端部C/N値が維持されている。従
って本発明に従う光情報記録媒体は、高い保存安定性を
も有しているということができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の光情報記録媒体においては、基
板の外側端部から側面に至る領域に表面加工がされてお
り、これによりその領域の表面積が増大するため、この
領域に接合させた記録層との接合力を高めることができ
る。特に、基板上の反射層と記録層の外側端部を後退さ
せることにより、基板外側端部の表面を露出させて、こ
の露出面から基板の側面に至る領域に表面加工を施し、
この表面加工が施された領域に保護層を直接接合するよ
うに設けた態様では、基板の外側端部に高い接着力を付
与できるため、基板端部での剥れは殆ど生じることがな
い。また、この態様では、記録層及び反射層は保護層で
完全に覆われた状態になるため、直接外気とも遮断され
ており、高い保存安定性をも確保することができる。従
って高い耐久性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光情報記録媒体の好ましい例
を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の光情報記録媒体の好ましい別
の例を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の光情報記録媒体の好ましい別
の例を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の光情報記録媒体の好ましい別
の例を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、中央に孔部を備え、基板の外側端部に
面取り加工が施された円盤状樹脂基板上に記録層を塗布
により設けた状態を模式的に示す部分断面図である。
【図6】図6は、記録層の上に更に反射層を形成し、記
録層と反射層の外側端部の双方を内側に後退させ、その
露出面を形成すると共に基板の外側端部に施した面取り
加工を出現させた状態を模式的に示す部分断面図であ
る。
【図7】図7は、記録層及び反射層上から面取り加工が
施された領域まで保護層を設けた状態を模式的に示す部
分断面図である。
【図8】図8は、圧着装置の加圧板の間に二枚の基板を
挟み、加圧処理する状態を模式的に示す図である。
【図9】図9(a)は、記録層を全面に覆った形状の反
射層を持つ光情報記録媒体を模式的に示す部分断面図で
ある。図9(b)は、記録層を中間層を介して二層構成
にした場合の光情報記録媒体を模式的に示す部分断面図
である。図9(c)は、記録層を全面に覆った形状の反
射層とし、かつ記録層を中間層を介して二層構成にした
場合の光情報記録媒体を模式的に示す部分断面図であ
る。
【図10】図10は、基板の外側端部表面から側面まで
の領域に種々の形状の表面加工(面取り加工)を施した
別の例を模式的に示す部分断面図である。
【図11】図11は、基板の外側端部表面から側面まで
の領域に種々の形状の表面加工(粗面加工)を施した別
の例を模式的に示す部分断面図である。
【図12】図12は、基板の外側端部表面から側面まで
の領域に種々の形状の表面加工を施した別の例を模式的
に示す部分断面図である。
【図13】図13は、基板の外側端部表面から側面まで
の領域に種々の形状の表面加工を施した別の例を模式的
に示す部分断面図である。
【図14】図14は、光情報記録媒体において、その基
板の外側端部表面から側面までの領域に外周の外側端部
に沿ってジグザグ状に表面加工を施した例を模式的に示
す図である。図14(a)は、その平面図であり、
(b)は、それを側面から見た図である。
【図15】図15は、表面加工を施した領域に接触する
ように保護層及び接着剤層を設けた状態を模式的に示す
部分断面図である。
【図16】図16は、記録層が、基板の外側端部の先端
まで設けられた従来の光情報記録媒体を模式的に示す部
分断面図である。
【図17】図17は、従来から提案されていた光情報記
録媒体(DVD−R)の基本構造を模式的に示す部分断
面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 光情報記録媒体 10a、10b、20a、20b、30a、30b、4
0a、40b 孔部 11、21a、21b、31、41a、41b、16
1、171a 円盤状基板 12、32、162 円盤状保護板 13、13A、13B、23a、23b、33、43
a、43b、163、173a 記録層 14、24a、24b、34、44a、44b、16
4、174a 反射層 15、25a、25b、35、45a、45b、16
5、175a 保護層 16、26、36、46、166、176 接着剤層 17、27a、27b、37、47a、47b 表面加
工が施された領域 18、19、29a、29b、38、39、48a、4
8b、49a、49b露出面 50 中間層 80 圧着装置 81a、81b 加圧板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ、記録層、反射層及び保護層が
    この順で設けられた中央に孔部を持つ二枚の円盤状基
    板、もしくは記録層、反射層及び保護層がこの順で設け
    られた中央に孔部を持つ円盤状基板と該基板と同一の形
    状を持つ円盤状保護板とをそれぞれ記録層側が内側とな
    るように接着剤層を介して貼り合わされてなるサンドイ
    ッチ型光情報記録媒体において、該記録層のある基板の
    外側端部の表面から基板の側面に至る領域に表面加工を
    施すことにより、その領域の表面積を増大させ、該表面
    加工が施された領域に記録層を接合させたことを特徴と
    する光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 記録層と反射層の外側端部の双方を内側
    に後退させることにより、基板の外側端部表面を露出さ
    せ、その露出面から基板の側面に至る領域に表面加工を
    施すことにより、その領域の表面積を増大させ、該表面
    加工が施された領域に保護層を接合させた請求項1に記
    載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 更に記録層と反射層の内側端部の双方を
    内側に後退させることにより、孔部周縁部近傍の外側領
    域の基板表面を露出させ、該露出面に表面加工を施すこ
    とにより、その面の表面積を増大させ、該表面加工が施
    された露出面に保護層を接合させた請求項1に記載の光
    情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 表面加工が施された領域又は露出面に保
    護層と共に接着剤層を接合させた請求項2又は3に記載
    の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 表面加工が、粗面加工又は面取り加工で
    ある請求項1に記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 記録層が、色素記録層である請求項1に
    記載の光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 保護層が、UV硬化性樹脂からなる層で
    ある請求項1に記載の光情報記録媒体。
JP8275580A 1996-09-24 1996-09-25 光情報記録媒体 Pending JPH10106037A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8275580A JPH10106037A (ja) 1996-09-25 1996-09-25 光情報記録媒体
EP19970116651 EP0831473B1 (en) 1996-09-24 1997-09-24 Optical information recording disc
CNB971214492A CN1190785C (zh) 1996-09-24 1997-09-24 光信息记录盘
US08/937,010 US5989669A (en) 1996-09-24 1997-09-24 Optical information recording disc
DE1997631705 DE69731705T2 (de) 1996-09-24 1997-09-24 Optische Informationsaufzeichnungsplatte
US09/427,264 US6238764B1 (en) 1996-09-24 1999-10-26 Optical information recording disc

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8275580A JPH10106037A (ja) 1996-09-25 1996-09-25 光情報記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10106037A true JPH10106037A (ja) 1998-04-24

Family

ID=17557444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8275580A Pending JPH10106037A (ja) 1996-09-24 1996-09-25 光情報記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10106037A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7226889B2 (en) 2003-01-08 2007-06-05 Yamaha Corporation Optical information-recording medium

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7226889B2 (en) 2003-01-08 2007-06-05 Yamaha Corporation Optical information-recording medium

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5989669A (en) Optical information recording disc
JP2002092947A (ja) 光情報記録媒体及び光情報記録媒体の製造方法
US7221640B2 (en) Method of manufacturing an optical storage medium and optical storage medium
JP2003281791A (ja) 片面2層光ディスク及びその製造方法及び装置
JPH10106037A (ja) 光情報記録媒体
JP3665687B2 (ja) 光情報記録媒体
JPH10134420A (ja) 光情報記録媒体
JPH10106034A (ja) 光情報記録媒体
JPH10134419A (ja) 光情報記録媒体
EP2045805A1 (en) Optical information recording medium
JP4064871B2 (ja) 光ディスク及び光ディスク製造方法
JP4238518B2 (ja) 光記録媒体及びその製造方法
JP2004288264A (ja) 光記録媒体、光記録媒体の製造方法
JP2663009B2 (ja) 情報記録媒体およびその製造方法
JP2794643B2 (ja) 情報記録媒体
JP2529131B2 (ja) 情報記録媒体
JP3718076B2 (ja) 光情報記録媒体
JPH0449540A (ja) 情報記録媒体
JP4039132B2 (ja) 多層型光ディスクの製造方法
JPH02183442A (ja) 情報記録媒体およびその製造方法
JP4039131B2 (ja) 多層型光ディスクの製造方法
JP2004030785A (ja) 光記録媒体
JP2005267670A (ja) 2層型光記録媒体及びその製造方法
JPH113539A (ja) 情報記録媒体
JP2007066379A (ja) 光記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050428

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050803

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20060407

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061213