JP2004030785A

JP2004030785A - 光記録媒体

Info

Publication number: JP2004030785A
Application number: JP2002185544A
Authority: JP
Inventors: Michihiro Shibata; 柴田　路宏
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 2002-06-26
Filing date: 2002-06-26
Publication date: 2004-01-29
Also published as: TW200402052A; EP1376564A2; CN1469363A; US20040037212A1; EP1376564A3

Abstract

【課題】センターホールを有する透明な基板上に、該センターホールの周囲よりも外側に、少なくとも、反射層と、接着層とがこの順に有し、前記接着層と、前記透明な基板と同一形状の別の基板又は前記透明な基板と略同一形状の別の層とが貼り合わせられた貼り合わせ型の光記録媒体において、貼り合わせ強度が強く、かつ見映えが良好な光記録媒体を提供する。
【解決手段】前記反射層の形成領域の内周縁部及び前記接着層の形成領域の内周縁部のうちの前記センターホールに近いいずれか一方の内周縁部と、前記センターホールの縁部との間の基板上にさらに別の接着層が形成されている光記録媒体である。該別の接着層は、センターホールの周囲に接した状態で、その周囲全周に渡って形成されていることが好ましい。
【選択図】　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貼り合わせ型の光記録媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、レーザー光により情報の記録再生が可能な光記録媒体（光ディスク）が知られている。この光ディスクは、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に記録層、金等の金属からなる反射層、接着層、さらに樹脂製の保護層（カバー層）がこの順に積層したものである。前記接着層に関して、その機能及び外観上の課題があり、従来より種々の提案がなされている。
【０００３】
特開平１０−１９９０４２号公報には、基板を貼り合わせる接着層が、記録層あるいは反射層に相当する機能層の外周縁部から内周縁部の範囲内に塗布されていて、接着層の領域を不透明な機能層領域に限定することにより接着剤が外部から見えなくする光記録媒体が提案されている。しかし、内周の透明領域には接着剤が塗られていないため、ディスクの落下に対する強度が弱い。また、ポータブルタイプの録再機など、ディスクのセンターホールをディスク取り付け部に嵌合させてセットする場合や、取り外す場合に、２枚のディスクの隙間が開くような力が加わり接着剤が剥がれてディスクを破壊してしまう場合があった。
【０００４】
また、特開平１０−１４９５８０号公報には、センターホールの周辺に一部接着剤が付着していないマージン領域が形成され、接着剤がセンターホールからはみ出しディスク表面に回りこむことを防止する光記録媒体が提案されている。しかし、ディスクの強度は強いが、内周の透明部分に接着剤が塗布され、接着剤の領域が外部から見えるため、見映えが悪い。
【０００５】
また、特開２００１−１１８２８７号公報には、センターホールを有する基板上の所定範囲内の領域に記録層領域が形成され、該記録層領域が反射層によって被覆されている第１のディスクと、少なくとも前記記録層領域及び前記記録層領域の内周から６ｍｍ以上内側までの領域に対応する領域が接着剤により接着されて第１のディスクに貼り合わされた第２のディスクとを備えた光記録媒体が提案されている。この構成では、反射層を内側まで形成するのが困難である。
【０００６】
接着層に関して、機能（貼り合わせ強度）と良好な外観を両立したものが提案されていないのが現状である。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来の問題に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、貼り合わせ強度が強く、かつ見映えが良好な光記録媒体を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明の光記録媒体は、センターホールを有する透明な基板上に、該センターホールの周囲よりも外側に、少なくとも、反射層と、接着層とをこの順に有し、前記接着層と、前記透明な基板と同一形状の別の基板又は前記透明な基板と略同一形状の別の層とが貼り合わせられた貼り合わせ型の光記録媒体において、前記反射層の形成領域の内周縁部及び前記接着層の形成領域の内周縁部のうちの前記センターホールに近いいずれか一方の内周縁部と、前記センターホールの縁部との間の基板上にさらに別の接着層が形成されていることを特徴としている。
【０００９】
前記別の接着層は、前記反射層の形成領域の内周縁部及び前記接着層の形成領域の内周縁部のうちの前記センターホールに近いいずれか一方の内周縁部と前記センターホールの縁部との間の基板上に部分的であっても形成されていればよいが、センターホールの周囲に接した状態で、その周囲全周に渡って形成されていることが好ましい。
前記別の接着層の幅（径方向）は、０．３〜２．０ｍｍとすることが好ましく、０．５〜１．０ｍｍとすることがより好ましい。
【００１０】
一方、前記接着層（別の接着層を含む）は構成する接着剤は、遅効性紫外線硬化接着剤であることが好ましい。
【００１１】
また、前記接着層（別の接着層を含む）は、スクリーン印刷によって形成することが好ましい。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明の光記録媒体は、センターホールを有する透明な基板上に、該センターホールの周囲よりも外側に、少なくとも、反射層と、接着層とがこの順に有し、前記接着層と、前記透明な基板と同一形状の別の基板又は前記透明な基板と略同一形状の別の層とが貼り合わせられた貼り合わせ型の光記録媒体において、前記反射層の形成領域の内周縁部及び前記接着層の形成領域の内周縁部のうちの前記センターホールに近いいずれか一方の内周縁部と、前記センターホールの縁部との間の基板上にさらに別の接着層が形成されていることを特徴としている。
以下、本発明の光記録媒体について、基板上に、記録層と、反射層と、保護層と、接着層とを有する形態を例にについて説明する。
【００１３】
＜基板＞
基板としては、センターホールを有し透明な基板であれば、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス；ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂；ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂；エポキシ樹脂；アモルファスポリオレフィン；ポリエステル；アルミニウム等の金属；等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。また、第１の基板の材料と第２の基板の材料は同一でも異なっていてもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、０．５〜１．４ｍｍとすることが好ましい。
【００１４】
基板には、直径１５ｍｍのセンターホールと、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸（プレグルーブ）が形成される。プレグルーブのトラックピッチは、４００〜９００ｎｍとすることが好ましく、４５０〜８５０ｎｍとすることがより好ましく、５００〜８００ｎｍとすることがさらに好ましい。また、プレグルーブの深さ（溝深さ）は、８０〜１８０ｎｍとすることが好ましく、１００〜１７０ｎｍとすることがより好ましく、１１０〜１６０ｎｍとすることがさらに好ましい。さらに、プレグルーブの半値幅は、２００〜４００ｎｍとすることが好ましく、２３０〜３８０ｎｍとすることがより好ましく、２５０〜３５０ｎｍとすることがさらに好ましい。
【００１５】
また、記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上及び記録層の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、Ｎ−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質；及びシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に０．００５〜２０μｍの範囲、好ましくは０．０１〜１０μｍの範囲で設けられる。
【００１６】
＜記録層＞
記録層は、一般に、追記型の光記録媒体の場合は色素が用いられ、書き換え可能型の光記録媒体の場合は相変化金属が用いられる。追記型の光記録媒体、すなわち色素を用いる場合、使用可能な色素の例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ｎｉ、Ｃｒなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これらの色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ましい。
【００１７】
記録層を形成するための塗布液の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル；メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン；ジクロルメタン、１，２−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素；ジメチルホルムアミドなどのアミド；シクロヘキサンなどの炭化水素；テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル；エタノール、ｎ−プロパノール、イソプロパノール、ｎ−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール；２，２，３，３−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤；エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独又は二種以上を適宜併用することができる。好ましくは、２，２，３，３−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤である。なお、塗布液中には、所望により褪色防止剤や結合剤を添加してもよいし、更に酸化防止剤、ＵＶ吸収剤、可塑剤、そして潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【００１８】
褪色防止剤の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平２−３００２８８号、同３−２２４７９３号、及び同４−１４６１８９号等の各公報に記載されている。
【００１９】
結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質；及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素１００質量部に対して０．２〜２０質量部、好ましくは、０．５〜１０質量部、更に好ましくは１〜５質量部である。
【００２０】
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、ＵＶ吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【００２１】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、色素を用いる場合の記録層の層厚は、一般に２０〜５００ｎｍの範囲にあり、好ましくは３０〜３００ｎｍの範囲にあり、より好ましくは５０〜１００ｎｍの範囲にある。
また、塗布温度としては、２３〜５０℃であれば特に問題はないが、好ましくは２４〜４０℃、さらに好ましくは２５〜３７℃である。
【００２２】
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭５８−１７５６９３号公報、同５９−８１１９４号公報、同６０−１８３８７号公報、同６０−１９５８６号公報、同６０−１９５８７号公報、同６０−３５０５４号公報、同６０−３６１９０号公報、同６０−３６１９１号公報、同６０−４４５５４号公報、同６０−４４５５５号公報、同６０−４４３８９号公報、同６０−４４３９０号公報、同６０−５４８９２号公報、同６０−４７０６９号公報、同６３−２０９９９５号公報、特開平４−２５４９２号公報、特公平１−３８６８０号公報、および同６−２６０２８号公報等の各公報、ドイツ特許３５０３９９号明細書、そして日本化学会誌１９９２年１０月号第１１４１頁等に記載のものを挙げることができる。
【００２３】
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、記録するための化合物の量に対して、通常０．１〜５０質量％の範囲であり、好ましくは、０．５〜３０質量％の範囲、更に好ましくは、１〜２０質量％の範囲、特に好ましくは２〜１０質量％の範囲である。
【００２４】
以上の記録層の説明は、追記型の光記録媒体の場合、すなわち色素を用いた場合であるが、書き換え可能型の光記録媒体、すなわち相変化金属を用いる場合、該相変化金属としては、Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ｇｅ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ｐｄ−Ｇｅ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ｎｂ−Ｇｅ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ｐｄ−Ｎｂ−Ｇｅ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ｐｔ−Ｇｅ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ｃｏ−Ｇｅ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ｉｎ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ａｇ−Ｉｎ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ａｇ−Ｖ−Ｉｎ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ａｇ−Ｇｅ−Ｉｎ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、等が挙げられる。中でも、多数回の書き換えが可能であることから、Ｇｅ−Ｓｂ−Ｔｅ合金、Ａｇ−Ｉｎ−Ｓｂ−Ｔｅ合金が好ましい。
【００２５】
相変化金属の用いる場合の記録層の層厚としては、１０〜５０ｎｍとすることが好ましく、１５〜３０ｎｍとすることがより好ましい
【００２６】
以上の相変化記録層は、真空蒸着法などの気相薄膜堆積法、スパッタ法等によって形成することができる。
【００２７】
＜反射層＞
記録層の上には特に情報の再生時における反射率の向上の目的で反射層が設けられる。反射層の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Ｍｇ、Ｓｅ、Ｙ、Ｔｉ、Ｚｒ、Ｈｆ、Ｖ、Ｎｂ、Ｔａ、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｗ、Ｍｎ、Ｒｅ、Ｆｅ、Ｃｏ、Ｎｉ、Ｒｕ、Ｒｈ、Ｐｄ、Ｉｒ、Ｐｔ、Ｃｕ、Ａｇ、Ａｕ、Ｚｎ、Ｃｄ、Ａｌ、Ｇａ、Ｉｎ、Ｓｉ、Ｇｅ、Ｔｅ、Ｐｂ、Ｐｏ、Ｓｎ、Ｂｉなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Ｃｒ、Ｎｉ、Ｐｔ、Ｃｕ、Ａｇ、Ａｕ、Ａｌ及びステンレス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わせて用いてもよい。又は合金として用いてもよい。特に好ましくはＡｕ、Ａｇもしくはその合金である。反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には１０〜８００ｎｍの範囲、好ましくは２０〜５００ｎｍの範囲、更に好ましくは５０〜３００ｎｍの範囲で設けられる。
【００２８】
＜保護層＞
保護層は、光記録媒体内部への水分の侵入を防ぐために形成され、透明な材質であれば特に限定されないが、好ましくはポリカーボネート、紫外線硬化樹脂等であり、より好ましくは、２３℃５０％ＲＨでの吸湿率が５％以下の材料である。
なお、「透明」とは、記録光および再生光の光に対して、該光を透過する（透過率：９０％以上）ほどに透明であることを意味する。
【００２９】
保護層の厚さは、１〜３０μｍの範囲であり、好ましくは３〜２０μｍの範囲、より好ましくは３〜１０μｍの範囲である。
【００３０】
前記反射層と保護層とを接着する接着剤としては、光硬化性樹脂が好ましく、なかでもディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業（株）製の「ＳＤ−６４０」、「ＳＤ−３４７」等のＵＶ硬化性樹脂（ＵＶ硬化性接着剤）を挙げることができる。また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、１〜１０００μｍの範囲が好ましく、５〜５００μｍの範囲がより好ましく、１０〜１００μｍの範囲が特に好ましい。
【００３１】
＜接着層＞
接着層は、主に、前述の基板と同一形状の別の基板又は前述の基板と略同一形状の別の層とを貼り合わせる為に形成される層である。別の層とは、例えば、２枚のディスクを貼り合わせて作製する場合、保護層が該当する。
接着層を構成する接着剤としては、遅効性紫外線硬化性接着剤であることが好ましい。遅効性紫外線硬化性接着剤を用いると、両面記録再生型の光記録媒体を作製する場合に有利である。すなわち、速効性の紫外線硬化性接着剤では、硬化させる際に照射する紫外線が反射層で反射してしまい、紫外線が接着剤まで到達しないため接着剤を硬化させることが困難である。これに対して遅効性紫外線硬化性接着剤ではこのようなことがない。
このような遅効性紫外線硬化性接着剤としては、エポキシ樹脂を主成分とするカチオン硬化型の紫外線硬化樹脂が挙げられ、具体的には、例えば、ソニーケミカル（株）製ＳＫ７０００、スリーボンド（株）製３０Ｙ−２９２Ｇ等を挙げることができる。また、接着層の層厚は、１〜１０００μｍの範囲が好ましく、５〜５００μｍの範囲がより好ましく、１０〜１００μｍの範囲が特に好ましい。
【００３２】
本発明の光記録媒体においては、前記反射層の形成領域の内周縁部及び前記接着層の形成領域の内周縁部のうちの前記センターホールに近いいずれか一方の内周縁部と、前記センターホールの縁部との間の基板上にさらに別の接着層（以下、「第２の接着層」と呼ぶ。）が形成されている。図１は、光記録媒体１０の接着層形成領域を示す上面図である。図１のハッチング領域Ａは反射層と同じ領域に形成された接着層（以下、「第１の接着層」と呼ぶ。）であり、ハッチング領域Ｂは第２の接着層である。第２の接着層はセンターホール１２の周囲に接した状態で形成されている。第２の接着層の幅（径方向）は０．３〜２．０ｍｍとすることが好ましく、０．５〜１．０ｍｍとすることがより好ましい。
以上の第２の接着層により、外観を損ねることがなく貼り合わせ強度を強くすることができる。
【００３３】
次いで、本発明を適用した光記録媒体の変形例を２例挙げる。
図２の光記録媒体１０ａは、第２の接着層が部分的に形成された点において図１の光記録媒体とは異なる。図３の光記録媒体１０ｂは、第２の接着層が、第１の接着層の内周とセンターホールの周囲との間に形成されている点において図１の光記録媒体とは異なる。図２、図３のいずれの形態においても、外観を損ねることなく貼り合わせ強度を強くすることができる。
【００３４】
以上の接着層（第１の接着層及び第２の接着層）は、スクリーン印刷により、例えば、図１〜図３のハッチング領域Ａ及びＢの領域に接着剤を印刷し形成することが好ましい。スクリーン印刷によれば、接着剤を塗布する場合等と比較して、図１〜図３のハッチング領域Ａ及びＢの接着層領域を容易に形成することができる。
【００３５】
以上は、記録層を有する光記録媒体について説明したが、本発明はそれに限定されず、記録層のない所謂ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＯＭに適用することもできる。
【００３６】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【００３７】
（実施例１）
射出成形機（住友重機械工業（株）製）を用いて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ（深さ１５６ｎｍ、幅２９０ｎｍ、トラックピッチ０．７４μｍ）を有する厚さ０．６ｍｍ、直径１２０ｍｍの基板に成形した。
【００３８】
下記色素Ａ２．０ｇを２，２，３，３−テトラフルオロプロパノール１００ｃｍ^２に溶解した溶液を、スピンコート法により前記基板のグルーブが形成された面上に塗布し層厚１００ｎｍの記録層を形成した。次に、記録層上に銀をスパッタして約１５０ｎｍ積層し反射層を形成した。このとき反射層形成領域を、内周縁部が直径２７ｍｍ、外周縁部が１１８ｍｍとした。さらに、この反射層上に、紫外線硬化型オーバーコート剤（大日本インキ化学工業（株）製、ダイキュアクリアＳＤ−６４０）をスピンコート法により塗布し、メタルハライドランプで紫外線を照射することにより約２０μｍの保護層を形成し、厚み０．６ｍｍのディスクＡを得た。
同様に、前記基板に色素を塗布せずに銀をスパッタし、その上に保護層を形成し、記録層のない厚み０．６ｍｍのディスクＢを得た。
【００３９】
【化１】

【００４０】
前記ディスクＡと前記ディスクＢとを貼り合わせて１枚のディスクとして完成させるため、次の工程を経た。まず、ディスクＡとディスクＢの保護層上に遅効性カチオン重合型接着剤（ソニーケミカル（株）製、ＳＫ７０００）をスクリーン印刷によって図１に示すハッチング領域（幅ｄ：１．０ｍｍ）に印刷し形成した。このとき、スクリーン印刷版のメッシュサイズは３００メッシュを使用した。次いで、メタルハライドランプを使用し紫外線を照射した直後、ディスクＡとディスクＢとをそれぞれの保護層側を貼り合わせ、両面から圧縮した。約５分放置後、接着剤は完全に硬化し厚み１．２ｍｍの実施例１のディスク（光記録媒体）が得られた。
【００４１】
（比較例１）
センターホール周囲における接着層を形成しなかったこと以外は実施例１と同様にして比較例１のディスク（光記録媒体）を作製した。
【００４２】
［ディスクの評価］
（１）落下試験
実施例１及び比較例１のディスクを３枚作製し、各ディスクを１０ｃｍの高さから、厚み２０ｍｍのステンレス製の板の上に垂直に落下させて、ディスクの剥離の有無を確認した。これを繰り返し行い、各ディスクについて剥離が生じるまでの落下回数を計数した。なお、２枚のディスク（ディスクＡ及びディスクＢ）が完全に剥離した場合のみならず、一部しか剥離していなくても、記録層が形成されている部分に剥離が及んでいる場合には剥離ありと認定した。結果を表１に示す。
【００４３】
【表１】

【００４４】
表１より、実施例１のディスクは５０回落下させても剥離が生じなかったが、比較例１のディスクは２〜３回で剥離が生じたことが分かる。
【００４５】
（２）再生機への取り付け耐久試験
実施例１位及び比較例１のディスクに対し、ポータブル型の再生機（ディスクのセンターホールを取り付け部に嵌合させるタイプ）の取り付け部に、取り付け・取り外しを１００回繰り返してディスクの剥離を確認した。実施例１のディスクは１００回取り付け・取り外しを繰り返しても剥離を生じなかったが、比較例１は反射層と記録層との界面で剥離を生じた。
【００４６】
以上の実施例１と比較例１とにより、本発明の光記録媒体は、貼り合わせ強度が強く、かつ第２の接着層の領域も狭く見映えも良好である。
【００４７】
【発明の効果】
本発明によれば、貼り合わせ強度が強く、かつ見映えが良好な光記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を適用した光記録媒体の接着層形成領域を示す上面図である。
【図２】図１の光記録媒体の別の形態を示す上面図である。
【図３】図１の光記録媒体のさらに別の形態を示す上面図である。
【符号の説明】
１０　光記録媒体
１２　センターホール
Ａ　第１の接着層
Ｂ　第２の接着層

Claims

センターホールを有する透明な基板上に、該センターホールの周囲よりも外側に、少なくとも、反射層と、接着層とをこの順に有し、前記接着層と、前記透明な基板と同一形状の別の基板又は前記透明な基板と略同一形状の別の層とが貼り合わせられた貼り合わせ型の光記録媒体において、
前記反射層の形成領域の内周縁部及び前記接着層の形成領域の内周縁部のうちの前記センターホールに近いいずれか一方の内周縁部と、前記センターホールの縁部との間の基板上にさらに別の接着層が形成されていることを特徴とする光記録媒体。