JP3718076B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光により情報の記録と読み取りが可能なDVD−R型の光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光による一回限りの情報の記録が可能とされている追記型光情報記録媒体(所謂CD−R型の光ディスク)が実用化されている。CD−R型の光ディスクは、一般に円盤状基板上に色素からなる記録層及び金属からなる反射層をこの順に設け、更に樹脂からなる保護層が塗布により反射層上にこれを覆うように設けられた構造を有している。
【0003】
CD−R型の光ディスクは、昨今の大きな記録容量の要望に対しては充分対応できない。このため、より大きな記録容量を有する光情報記録媒体が求められており、例えば、CD−R型の光ディスクより短波長のレーザ光を用いて記録再生を行うことができる光ディスクとして、追記型DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク:DVD−R)が提案されている(例えば、「日経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発行)。この文献には、DVD−R型の光ディスクとして、照射されるレーザ光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−R型の光ディスクに比べて半分以下と狭く形成された透明な円盤状基板上に、有機色素からなる記録層、そして通常は記録層の上に更に反射層および保護層を設けてなる二枚の積層体を、それぞれの該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造のものが記載されている。上記文献には、二枚で構成される積層体のうち、その一枚を円盤状保護板に代えて、一方の基板のみに記録層、反射層及び保護層を順に設けた構成のDVD−R型の光ディスクの開示もある。
【0004】
DVD−Rへの情報の書き込み(記録)及び読み取り(再生)は、可視レーザ光(通常は600〜700nmの波長の範囲のレーザ光)を照射することにより行なわれる。即ち、上記のレーザ光を光ディスクに照射すると、色素記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的に変化(例えば、ピットなどの生成)し、その光学的特性が変化することにより情報の記録が行われる。一方、情報の読み取りも通常は、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を光ディスクに照射することにより行われ、色素記録層の光学的特性が変化した部位(ピットなどの生成による記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより実施される。
【0005】
DVDーR型の光ディスクの基板の記録層が設けられる側の表面には、一般にその内周側から外周側に所定のトラックピッチでスパイラル状に凹状の溝(トラッキングガイド、プレグルーブ)が形成されている。この凹状の溝は、通常ポリカーボネートに代表される基板樹脂材料をスタンパ(金型)を用いて射出成型あるいは圧縮成型する際に、スタンパの表面に、予め設けられた所定の凹凸模様に対応して形成される。
【0006】
特開平2−78038号公報には、凹状の溝の相対する両隅部及び該凹状の溝の相対する両壁面頂部のいずれもが円弧状を為すように丸められた凹状の溝を持つ基板を用いたCD−R型の光ディスクが提案されている。このような基板を用いることによって高い反射率を示す光ディスクが得られ、又良好なトラッキング特性も確保されるとされている。円弧状に丸められた凹状の溝は、通常の方法に従い樹脂成型した基板上(凹状の溝上)に有機溶剤をスピンコートにより塗布し、溶剤によって該溝の両壁面頂部(縁部)を溶解させることによって形成されている。従って、上記公報に記載の凹状の溝の縁部は、基板の内周側から外周側まで円弧状の丸みが一様に形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
樹脂成型により製造される基板は、特にその外周側において反りなどの変形が生じ易いとの問題がある。基板の変形は、光ディスクの記録再生時(基板の回転時)に面振れを生じさせ、記録再生特性に悪影響を与える。特に、本発明者の検討によると、DVD−R型の光ディスクの場合には、記録速度が高速化されているために、基板の外周側で面振れが生じやすく、また、DVD−R型の光ディスクでは、照射するレーザ光のスポット径(レーザ光をディスクの記録面に照射したときの直径)を比較的小さく絞っているために面振れによる影響を受けやすいことが判明した。このため、記録信号に対して生成するピット形状にずれが生じ易くなるためか、基板外周側でジッター値が上昇し、再生信号にエラーが発生しやすくなることが判明した。尚、上記公報に記載のように、内周側から外周側まで縁部の円弧状の丸みが一様に形成された凹状の溝を有する基板を用いることにより、DVD−R型の光ディスクの場合においても基板外周側でのジッター値の低減は可能であるが、十分ではない。
【0008】
本発明の目的は、面振れに伴う基板外周側におけるジッター値の上昇を抑制して、エラーの発生が低減されたDVD−R型の光情報記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者の研究により、少なくとも基板外周端面近傍の凹状の溝の開口の縁部を、基板半径の1/2の位置近傍の凹状の溝の開口の縁部よりなだらかな円弧状の丸みとなるように形成することで、エラーの少ない信頼性の高いDVD−R型の光情報記録媒体を製造できることが見出された。凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを基板外周側領域においてよりなだらかにすることで、外周側で大きな面振れが生じた場合でも凹状の溝内におけるレーザ光の半径方向の広がりによる影響を溝方向(円周方向)では受けにくくなるため、記録信号に対して溝方向の信号がずれにくくなり、その結果、記録信号に忠実なピットの形成が可能になるためと考えられる。
【0010】
本発明は、表面の内周側から外周側にスパイラル状に形成された凹状の溝を有する透明な円盤状基板上に、レーザ光による情報の記録が可能な記録層及びこの上に反射層を有するDVD−R型の光情報記録媒体において、
該基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域における凹状の溝の開口の両側の縁部の内の少なくとも一方の縁部が、円弧状の丸みを有しており、かつ該円弧状の丸みが、該領域において少なくとも基板外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL2の方が、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL1より大きくなるように形成されている(ただし、L2=(W290−W250)/2を、L1=(W190−W150)/2をそれぞれ表し、W290は、基板外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の底面から溝の深さの90%の位置における溝の幅を表し、W250は、その位置における該溝の半値幅を表し、W190は、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の底面から溝の深さの90%の位置における溝の幅を表し、そしてW150は、その位置における該溝の半値幅を表す)ことを特徴とする光情報記録媒体にある。
【0011】
また、本発明は、それぞれ表面の内周側から外周側にスパイラル状に形成された凹状の溝を有する透明な円盤状基板上に、レーザ光による情報の記録が可能な記録層及びこの上に反射層を有する二枚の積層体、もしくは表面の内周側から外周側にスパイラル状に形成された凹状の溝を有する透明な円盤状基板上に、レーザ光による情報の記録が可能な記録層及びこの上に反射層を有する積層体と、上記円盤状基板に略等しい形状の円盤状保護板とを、それぞれ記録層側が内側となるように接着剤層を介して貼り合わされてなるDVD−R型の光情報記録媒体において、
該基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域における凹状の溝の開口の両側の縁部の内の少なくとも一方の縁部が、円弧状の丸みを有しており、かつ該円弧状の丸みが、該領域において少なくとも基板外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL2の方が、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL1より大きくなるように形成されている(ただし、L2=(W290−W250)/2を、L1=(W190−W150)/2をそれぞれ表し、W290は、基板外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の底面から溝の深さの90%の位置における溝の幅を表し、W250は、その位置における該溝の半値幅を表し、W190は、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の底面から溝の深さの90%の位置における溝の幅を表し、そしてW150は、その位置における該溝の半値幅を表す)ことを特徴とする光情報記録媒体にもある。
【0012】
本発明のDVD−R型の光情報記録媒体は以下の態様であることが好ましい。
(1)基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域における凹状の溝の開口の両側の縁部の内の少なくとも一方の縁部の円弧状の丸みが、外周側に向けてなだらかな上昇勾配となるように形成されている光情報記録媒体。
(2)基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域における凹状の溝の開口の両側の縁部が、円弧状の丸みを有している光情報記録媒体。
(3)反射層の上に更に樹脂製保護層が設けられている光情報記録媒体。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のDVD−R型の光情報記録媒体(以下、単にDVD−Rと称する場合がある)を添付した図面を参照しながら説明する。本発明のDVD−R型の光情報記録媒体は、透明な円盤状基板上に記録層及びこの上に反射層を有する。図1は、本発明の光情報記録媒体の円盤状基板の断面模式図である。但し、光情報記録媒体は、回転軸(中心)に対して対称の関係にあるため、図1の図面ではその片側のみを示してある。図1において、1は円盤状基板、2は円孔、3は本発明に係る凹状の溝(プレグルーブ)をそれぞれ示す。凹状の溝は、基板の表面の内周側から外周側に0.2〜1.0μm(好ましくは、0.3〜0.9μm、更に好ましくは、0.4〜0.8μm)の範囲のトラックピッチでスパイラル状に形成されている。反射層の上には、保護層が形成されていることが好ましい。
【0014】
本発明の光情報記録媒体は、基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域において、凹状の溝の開口の両側の縁部農地の少なくとも一方の縁部が円弧状の丸みを有している。本発明では、高速記録時には、遠心力によって凹状の溝の外周側にピットが広がりやすいことを考慮すると凹状の溝の開口の少なくとも外周側の縁部が円弧状の丸みを有していることが好ましく、更に好ましくは、凹状の溝の開口の両側の縁部が円弧状の丸みを有していることである。そして本発明に係る円弧状の丸みは、少なくとも上記の領域において、外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL2の方が、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL1より大きくなるように形成されていることを特徴とする。なお、外周端面から基板半径の1/20の位置に凹状の溝が形成されていない場合には、凹状の溝の最外周から1mmの位置における凹状の溝の開口の縁部が円弧状の丸みを有していることが好ましい。そして基板外周端面から基板半径の1/2乃至凹状の溝の最外周から1mmの領域においては、この円弧状の丸みを表す値が、上記円弧状の丸みを表すL1より大きくなるように形成されていることが好ましい。
【0015】
図2は、本発明に係る好ましい凹状の溝の拡大断面図を示す。(a)は、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の拡大断面図を示し、(b)は、外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の拡大断面図を示す。図2に示すように、凹状の溝の開口の両方の縁部が円弧状の丸みを有しており、該円弧状の丸みは、L2の方がL1より大きくなるように形成されている。即ち、L1及びL2は、それぞれ円弧状の丸みの程度(大きさ)を表すもので、この値が大きいほど凹状の溝の開口の縁部がなだらかな円弧状の丸みを有している。即ち、溝の開口はより開いた状態で形成される。ここで、L2=(W290−W250)/2を表し、L1=(W190−W150)/2を表す。W290は、外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の底面から溝の深さhの90%の位置h90における溝の幅を表す。W250は、外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の幅(半値幅)を表す。W190は、外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の底面から溝の深さhの90%の位置h90における溝の幅を表す。そしてW150は、外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の幅(半値幅)を表す。
【0016】
本発明では、基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域内における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みの程度はいずれにも設定することができるが、基板外周端面から基板半径の1/2の位置での凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL1を基準として上記領域の全領域においてL1より大きくなるように形成されていることが好ましい。例えば、図3に見られるように、円弧状の丸みは、A、B、及びCで示される曲線のように、外周側に向けて上昇勾配となるように形成されていることが好ましい。特にAで示される曲線のように、外周側に向けてなだらかに上昇するように円弧状の丸みの大きさを調整することが好ましい。本発明において、L1は、10nm〜100nm(更に好ましくは、20nm〜90nm、特に好ましくは、30nm〜80nm)の範囲に設定することが好ましい。また、L2は、20nm〜110nm(更に好ましくは、30nm〜100nm、特に好ましくは、40nm〜90nm)の範囲に設定することが好ましい。円弧状の丸みの値が、上記範囲の上限値を超えると溝に対する応答信号(溝信号)が得られにくくなるため、トラッキング性が低下し易くなり、一方、その範囲の下限値より更に小さな値になると反射率が低下しやすくなる。L2−L1の値(差)は、3〜60nm(更に好ましくは、5〜50nm、特に好ましくは、7〜40nm)の範囲にあることが好ましい。L2−L1の値が、大きくなりすぎると溝信号や反射率のディスク内での変動が大きくなり、安定した再生が行われにくくなる。
【0017】
以下に、本発明のDVD−R型の光情報記録媒体の製造法を説明する。本発明のDVD−Rは、所定のトラックピッチでかつ前記の外周側の領域において、基板の凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みが本発明に従い外周側でなだらかに形成されたプレグルーブを有する基板を用いること以外は基本的に従来のDVD−Rの製造と同様にして製造することができる。即ち、DVD−Rは、本発明の特徴とする基板上に、記録層、及び反射層、そして所望により保護層を順に形成した積層体を二枚作成し、該記録層を内側にしてこれらを接着剤等により接合することにより、あるいはまた、該積層体と、該積層体の基板と略同じ寸法の円盤状保護基板とを同様にして接着剤等により接合することにより、製造することができる。以下に詳述する。
【0018】
基板(保護基板も含む)は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えば、ガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。基板は、その直径が120±3mmで厚みが0.6±0.1mm、あるいはその直径が80±3mmで厚みが0.6±0.1mmのものが一般に用いられる。
【0019】
色素記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善および接着力の向上および記録層の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0020】
基板(または下塗層)上には、前述のように開口の縁部が円弧状の丸みを有する凹状の溝(プレグルーブ)が形成されている。本発明に係る凹状の溝は、基板を射出成形あるいは押出成形する際に、予めこのような円弧状の丸みを持つように加工された樹脂成型用のスタンパ(金型)を用いて形成することができる。例えば、このようなスタンパは、スタンパの作製工程において、加工用のレーザビームの照射条件(光学的な調整、照射パワー)を調整することによって縁部がなだらかな円弧状の丸みを持つように加工することで得ることができる。あるいは、本発明に係る凹状の溝は、従来のスタンパを用いて、該スタンパへの樹脂の転写率を下げる方法を利用することにより、形成することができる。スタンパへの樹脂の転写率を下げる方法を利用する場合には、樹脂成型時の圧力や温度を調節して樹脂の流動性を変化させることで(溝への樹脂の充填率を調整することで)本発明の円弧状の丸みの凹状の溝を持つ基板を得ることができる。
【0021】
凹状の溝の形成は、プレグルーブ層を設けることにより行っても良い。プレグルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルのうちの少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパ)上に上記のアクリル酸エステルおよび重合開始剤からなる混合液を塗布し、更にこの塗布液層上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線を照射することにより塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離することにより得ることができる。プレグルーブ層を設ける場合にも、上記のように、予め本発明に係る円弧状の丸みを持つように加工されたスタンパ(金型)を用いることや、スタンパへの樹脂の転写率を下げる方法を利用することにより、本発明に係る円弧状の丸みを有する凹状の溝を形成することができる。プレグルーブ層の層厚は一般に、0.05〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
【0022】
凹状の溝の深さは50〜250nm(更に好ましくは、80〜220nm、特に好ましくは、100〜200nm)の範囲にあることが好ましく、また凹状の溝の幅(半値幅)は、100〜450nm(更に好ましくは、150〜400nm、特に好ましくは、200〜350nm)の範囲にあることが好ましい。また凹状の溝の深さを150〜200nmの範囲にすることにより反射率を殆ど低下させることなく感度を向上させることができ、特に好ましい。従ってこのような光ディスクは、高い感度を有することから低いレーザパワーでも記録が可能となり、これにより安価な半導体レーザの使用が可能となる、あるいは半導体レーザの使用寿命を延ばすことができる。
【0023】
本発明に係る凹状の溝が形成された基板上には記録層が設けられる。記録層の形成材料は特に限定されないが、製造が容易である、比較的高い感度を得ることができるなどの点から、色素を用いることが好ましい。記録層に用いる色素は、特に制限はないが、前記短波長のレーザ光の波長に対し、高い吸収特性を示す色素を選択して使用することが好ましい。色素は従来から光情報記録媒体に使用されていたものを利用することができる。このような色素の例としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、ナフトアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これらの色素のうちでは、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ましい。特に好ましいものは、シアニン系色素である。
【0024】
色素記録層を設ける場合の記録層の形成は、例えば、色素を溶剤に溶解して塗布液を調製し、この塗布液を基板の前記プレグルーブが形成されているその表面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより、行うことができる。塗布液の調製に際しては、退色防止剤を加えることや、更に所望により結合剤を加えることもできる。
【0025】
色素記録層形成用の塗布液の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する化合物の溶解性を考慮して単独または二種以上を組み合わせて用いることができる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤などの各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0026】
退色防止剤の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯体、ジアンモニウム塩、及びアミニウム塩などを挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平2−300288号、同3−224793号、あるいは同4−146189号等の各公報に記載されている。退色防止剤を使用する場合には、その使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50重量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45重量%の範囲、更に好ましくは、3〜40重量%の範囲、特に5〜25重量%の範囲である。
【0027】
結合剤の例としては、例えばゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素100重量部に対して0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、更に好ましくは1〜5重量部である。このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は一般に0.01〜10重量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にある。
【0028】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。色素記録層は単層でも重層でもよい。色素記録層の層厚(乾燥後の厚み)は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは、50〜300nmの範囲にある。
【0029】
上記記録層の上に、特に情報の再生時における反射率の向上の目的で、反射層が設けられる。反射層の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わせで、または合金として用いてもよい。特に好ましくは、Au、Ag、及びこれらの金属を含む合金である。反射層は、例えば上記反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。反射層の層厚は一般には10〜800nmの範囲にあり、好ましくは20〜500nmの範囲、更に好ましくは50〜300nmの範囲である。
【0030】
反射層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層が設けられていることが好ましい。この保護層は、基盤の記録層が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられてもよい。保護層に用いられる材料としては、例えば、SiO、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si3 4 などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は樹脂で形成されていることが好ましい。
【0031】
保護層は、たとえばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを、接着層を介して反射層上及び/または基板上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により保護層を設けてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによって保護層を形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって保護層を形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。
【0032】
以上の工程により、基板上に記録層、及び反射層、そして所望により保護層を設けた積層体を作製することができる。そして得られた二枚の積層体を各々の記録層が内側となるように接着剤等で貼り合わせることにより、二つの記録層を持つDVD−R型の光情報記録媒体を製造することができる。また得られた積層体と、該積層体の基板と略同じ寸法の円盤状保護基板とを、その記録層が内側となるように接着剤等で貼り合わせることにより、片側のみに記録層を持つDVD−R型の光情報記録媒体を製造することができる。接着には、前記保護層の形成に用いたUV硬化性樹脂を用いてもよいし、あるいは合成接着剤を用いてもよい。あるいはまた両面テープなどを用いて行ってもよい。接着剤層は、通常は0.1〜100μm(好ましくは、5〜80μm)の範囲の厚みで設けられる。尚、いずれの態様のDVD−R型の光情報記録媒体においてもその全体の厚みは、1.2±0.2mmとなるように調製することが好ましい。
【0033】
光情報記録媒体に記録した情報をタイトルや図柄を用いて表示しておくことは管理上便利である。そのためには、媒体の表面(記録再生用のレーザ光が照射される側とは反対側の表面)がそのような表示をするのに適した表面であることが必要になる。近年、インクジェットプリンタによる印字法が一般に利用されている。インクジェットプリンタを用いて光情報記録媒体の表面に印字を施す場合には、インクは水性であるために、媒体の表面は親水性であることが必要になる。しかし、光情報記録媒体の表面は通常疎水性である。このため、光情報記録媒体の表面を水性インクが定着し易いように親水性の表面に改良することが必要になる。このような親水性の印刷面(親水性表面層)を持つ光情報記録媒体については、例えば、特開平7−169700号、同10−162438号などの各公報に種々提案されている。本発明の光情報記録媒体についても親水性表面層を設けることができる。そして、親水性樹脂表面層を設ける場合、該表面層は、紫外線硬化性樹脂(バインダ)中にタンパク質粒子などの親水性有機高分子からなる粒子を分散させた層として構成することが有利である。
【0034】
親水性の表面層の下層(保護層など)は通常透明であるため、表面層には、反射層の金属による光沢が現れる。親水性の表面層に印刷を施した場合には、この金属光沢に妨げられて印刷画面が不鮮明になったり、印刷の色相がインク本来の色相で印刷できないなどの問題が伴う。このような問題に対しては、金属光沢を遮蔽することが有効である。金属光沢を遮蔽する方法としては、例えば、親水性表面層に白色、有色の各種の無機顔料や有機顔料を含有させる方法や、親水性表面層の下面に紫外線硬化性樹脂などのバインダ中に上記顔料を分散させた光遮蔽層を別に設ける方法などが知られており、本発明の光情報記録媒体についてもこれらの方法を利用することができる。
【0035】
上記のような親水性表面層には黴の発生を防止するために、防黴剤を含有させてもい。防黴剤は特に制限はなく、例えば、特開平3−73429号公報、あるいは特開平10−162438号公報に記載のものを使用することができる。代表的な防黴剤の例としては、ベンズイミダゾール系化合物を挙げることができる。防黴剤を使用する場合、その使用量は、通常層1グラム当たり0.2〜2.0ミリグラムの範囲の量である。
【0036】
本発明のDVD−Rを用いた情報の記録再生方法は、例えば、次のように実施される。DVD−Rを所定の定線速度(CDフォーマットの場合は1.2〜1.4m/秒の1倍速)または所定の定角速度にて回転させながら、基板側から半導体レーザ光などの記録用のレーザ光を光学系を通して集光し、照射する。DVD−Rでは、通常2倍速以上の高速回転をさせながらレーザ光が照射される。レーザ光の照射により、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変化が生じてその光学特性を変えることにより、情報が記録される。記録光としては、可視域のレーザ光、通常600nm〜700nm(好ましくは620〜680nm、更に好ましくは、630〜660nm)の範囲の発振波長を有する半導体レーザービームが用いられる。また記録光は、NAが0.55〜0.7の光学系を通して集光されることが好ましい。最小記録ピット長は、通常0.05〜0.7μm(好ましくは、0.1〜0.6μm、更に好ましくは、0.2〜0.4μm)の範囲である。上記のように記録された情報の再生は、DVD−Rを所定の定線速度で回転させながら記録時と同じ波長を持つ半導体レーザ光を基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を記載する。
[実施例1]
円盤状基板の作製
予め所定のトラックピッチで所定の溝形状となるように作製したスタンパを内部に備えた射出成型機にポリカーボネート樹脂(樹脂商品名:パンライトAD5503、帝人(株))を注入し、125℃の成型温度で成型し、ポリカーボネート製の円盤状樹脂基板を作製した。得られた円盤状樹脂基板は、直径120mm、厚さ0.6mmで、その表面にスパイラル状の凹状の溝(プレグルーブ)が形成されていた。
【0038】
凹状の溝のトラックピッチは、0.74μmであり、基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域内における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みは、図3で示される曲線Aに従い形成されており、その溝形状は下記の通りである(図2参照)。
【0039】
(1)基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の形状
凹状の溝の幅(半値幅:W150):300nm、
凹状の溝の深さ(h):150nm、
円弧状の丸みを表すL1=(W190−W150)/2:40nm(W190は、外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の底面から溝の深さhの90%の位置h90における溝の幅を表す。)
【0040】
(2)外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の形状
凹状の溝の幅(半値幅:W250):300nm、
凹状の溝の深さ(h):150nm、
円弧状の丸みを表すL2=(W290−W250)/2:60nm(W290は、外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の底面から溝の深さhの90%の位置h90における溝の幅を表す。)
【0041】
【化1】
Figure 0003718076
【0042】
上記式で示されるシアニン色素2.7gを、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mLに溶解し、記録層形成用塗布液を調製した。
この塗布液を、上記で得た円盤状ポリカーボネート基板のそのプレグルーブが設けられている表面に、最初300rpmで塗りつけ、その後回転数を2000rpmまで上げ、スピンコート法により塗布し、乾燥して色素記録層(グルーブ内の厚さ:約150nm)を形成した。
【0043】
次いで、記録層上にAgをDCマグネトロンスパッタ装置を用いてスパッタして、厚さ約100nmのAgからなる反射層を形成した。更に反射層上に、UV硬化性樹脂(商品名:SD318、大日本インキ化学工業(株)製)を回転数を300rpm〜4000rpmまで変化させながらスピンコート法により塗布した。塗布後、その上から高圧水銀灯により紫外線を照射して、硬化させ、層厚8μmの保護層を形成した。このようにして基板上に、色素記録層、反射層及び保護層が順に設けられた積層体を得た。
【0044】
別に、ポリカーボネート製の円盤状保護基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)を用意した。
上記で得た積層体の保護層の表面及び上記ポリカーボネート製の円盤状保護基板表面のそれぞれに、遅効性UV硬化性樹脂(商品名:SK7000、ソニーケミカル株(製))を接着後の厚さが約10μmとなるようにスクリーン印刷により塗布した。そして塗布面に紫外線を照射し、速やかに上記積層体と円盤状保護基板を記録層が内側となるように接着して接着剤層を形成した。
以上の工程により、本発明に従うDVD−R型の光情報記録媒体(光ディスク)を製造した。
【0045】
[比較例1]
実施例1において、円盤状基板を射出成型機を用いて作製する際の成型温度を130℃に変更したこと以外は同様にして比較用のDVD−R型の光情報記録媒体を製造した。
得られた基板の凹状の溝のトラックピッチは、0.74μmであり、基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域内における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みは、ほぼ同じ形状で一様に形成されており、その溝形状は下記の通りである。
【0046】
基板外周端面から基板半径の1/2の位置(基板半径の1/20の位置)における凹状の溝の形状
凹状の溝の幅(半値幅:W150):300nm、
凹状の溝の深さ(h):150nm、
円弧状の丸みを表すL1=(W190−W150)/2(=L2):40nm(W190は、外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の底面から溝の深さhの90%の位置h90における溝の幅を表す。)
【0047】
[光情報記録媒体としての評価]
得られた実施例及び比較例の光ディスクに、OMT2000(パルステック社製)を用いて波長635nmのレーザ光をNA0.60のピックアップを用い、定線速度4.5m/秒で、8−16変調信号を記録パワーを3〜10mWまで変化させて最適記録パワーで記録した。その後、DDU1000(パルステック社製)を用いて波長650nmのレーザ光をNA0.60のピックアップを用い、定線速度4.5m/秒、0.5mWのレーザパワーで記録信号を再生し、基板外周端面から基板半径の1/2の位置及び基板外周端面から基板半径の1/20の位置におけるジッターをTIA(ヒューレットパッカード社製)を用いて測定した。ジッター(%)値は小さいほど記録信号が均一であることを示す。評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003718076
【0049】
表1の結果から、基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域内における凹状の溝の開口の縁部が、外周側に向かってなだらかに上昇するような円弧状の丸みで形成された本発明に従うDVD−R型の光ディスク(実施例1)の場合には、基板外周側においてもジッター値の上昇が殆どないことがわかる。一方、基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域内における凹状の溝の開口の縁部が、ほぼ同じような円弧状の丸みで形成された比較用のDVD−R型の光ディスク(比較例1)の場合には、基板の外周側においてジッター値が比較的高くなることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明に従い、外周側の領域において凹状の溝の開口の縁部がよりなだらかな円弧状の丸みで形成された基板を用いることにより、面振れによるジッター値の上昇を低減させることができる。従って、記録信号に対応して忠実なピットの形成が可能となり、エラーの発生の少ない高い信頼性を有するDVD−R型の光情報記録媒体を製造することができる。また本発明に係る基板の製造は、前述のようにスタンパへの樹脂の転写率を低下させて基板を作る場合でも又、凹凸の形状を加工することで製造したスタンパを用いる場合でもスタンパからの剥ぎ取りが容易になるため、基板の生産性が高められる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のDVD−R型の光情報記録媒体の円盤状基板の断面模式図を示す。
【図2】本発明に係る好ましい凹状の溝の拡大断面図を示す。(a)は、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の拡大断面図を示し、(b)は、基板外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の拡大断面図を示す。
【図3】基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の位置の領域における本発明係る凹状の溝の縁部の円弧状の丸みの程度を模式的に表した図である。
【符号の説明】
1 円盤状基板
2 円孔
3 凹状の溝(プレグルーブ)

Claims (5)

  1. 表面の内周側から外周側にスパイラル状に形成された凹状の溝を有する透明な円盤状基板上に、レーザ光による情報の記録が可能な記録層及びこの上に反射層を有するDVD−R型の光情報記録媒体において、
    該基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域における凹状の溝の開口の両側の縁部の内の少なくとも一方の縁部が、円弧状の丸みを有しており、かつ該円弧状の丸みが、該領域において少なくとも基板外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL2の方が、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL1より大きくなるように形成されている(ただし、L2=(W290−W250)/2を、L1=(W190−W150)/2をそれぞれ表し、W290は、基板外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の底面から溝の深さの90%の位置における溝の幅を表し、W250は、その位置における該溝の半値幅を表し、W190は、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の底面から溝の深さの90%の位置における溝の幅を表し、そしてW150は、その位置における該溝の半値幅を表す)ことを特徴とする光情報記録媒体。
  2. それぞれ表面の内周側から外周側にスパイラル状に形成された凹状の溝を有する透明な円盤状基板上に、レーザ光による情報の記録が可能な記録層及びこの上に反射層を有する二枚の積層体、もしくは表面の内周側から外周側にスパイラル状に形成された凹状の溝を有する透明な円盤状基板上に、レーザ光による情報の記録が可能な記録層及びこの上に反射層を有する積層体と、上記円盤状基板に略等しい形状の円盤状保護板とを、それぞれ記録層側が内側となるように接着剤層を介して貼り合わされてなるDVD−R型の光情報記録媒体において、
    該基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域における凹状の溝の開口の両側の縁部の内の少なくとも一方の縁部が、円弧状の丸みを有しており、かつ該円弧状の丸みが、該領域において少なくとも基板外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL2の方が、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の開口の縁部の円弧状の丸みを表すL1より大きくなるように形成されている(ただし、L2=(W290−W250)/2を、L1=(W190−W150)/2をそれぞれ表し、W290は、基板外周端面から基板半径の1/20の位置における凹状の溝の底面から溝の深さの90%の位置における溝の幅を表し、W250は、その位置における該溝の半値幅を表し、W190は、基板外周端面から基板半径の1/2の位置における凹状の溝の底面から溝の深さの90%の位置における溝の幅を表し、そしてW150は、その位置における該溝の半値幅を表す)ことを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域における凹状の溝の開口の両側の縁部の内の少なくとも一方の縁部の円弧状の丸みが、外周側に向けてなだらかな上昇勾配となるように形成されている請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  4. 基板外周端面から基板半径の1/2乃至1/20の領域における凹状の溝の開口の両側の縁部が、円弧状の丸みを有している請求項1乃至3の内のいずれかの項に記載の光情報記録媒体。
  5. 反射層の上に更に樹脂製保護層を有する請求項1乃至4の内のいずれかの項に記載の光情報記録媒体。
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