JPH10100142A - X線を利用したインゴットの結晶軸方位調整方法及び装置 - Google Patents

X線を利用したインゴットの結晶軸方位調整方法及び装置

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JPH10100142A
JPH10100142A JP25995896A JP25995896A JPH10100142A JP H10100142 A JPH10100142 A JP H10100142A JP 25995896 A JP25995896 A JP 25995896A JP 25995896 A JP25995896 A JP 25995896A JP H10100142 A JPH10100142 A JP H10100142A
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ingot
crystal axis
ray
axis direction
orientation
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JP25995896A
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Masashi Nagatsuka
真史 永塚
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】X線結晶軸方位測定装置と同一機上でインゴッ
トの結晶軸方位調整ができるX線を利用したインゴット
の結晶軸方位調整方法及び装置を提供する。 【解決手段】X線結晶軸方位測定装置160と同一機上
に、スライドテーブル70を設け、このスライドテーブ
ル70に、インゴット54が取り付けられた方位調整機
構60を固定する。スライドテーブル70を検出位置に
移動させ、X線照射部170とX線受光部172とでイ
ンゴット54の垂直方向、及び水平方向の結晶軸を測定
する。そして、方位調整機構60によって、インゴット
54をワイヤ列に対して平行に保持したままで、X線結
晶軸方位測定装置160で測定された結晶軸にインゴッ
ト54の結晶軸を合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線を利用したイン
ゴットの結晶軸方位調整方法及び装置に係り、特にX線
結晶軸方位測定装置と同一機上でインゴットの結晶軸方
位調整ができるX線を利用したインゴットの結晶軸方位
調整方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンインゴットの結晶軸の測定は、
X線結晶軸方位測定装置を利用して行われる。即ち、X
線結晶軸方位軸測定装置上に前記インゴットを載置し、
インゴットの端面にX線を出射し、インゴット端面から
の反射X線を検出し、インゴットの垂直、水平方向の結
晶軸方位を測定する。測定後は、インゴットをワイヤソ
ーのワーク固定部に設けられたチルチング機構に取り付
け、このチルチング機構によって、前記測定した水平方
位及び垂直方位に所定角度傾斜させて結晶方位合わせを
行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インゴ
ットをワイヤ列に対して垂直、水平方位に傾斜させて切
断をおこなうと、図8に示すようにインゴット1は、い
ずれか一方端(図8では左端)から先にワイヤ列2で切
り込まれることになり、ワイヤ列2を構成する溝付ロー
ラ3に片寄った熱分布を生じさせ、切断精度を低下させ
るという欠点がある。符号4はスライスベースで、符号
5はワークブロックである。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、溝付ローラに熱分布を生じさせない結晶軸方位
調整をX線結晶軸方位測定装置と同一機上で行うことが
できるX線を利用したインゴットの結晶軸方位調整方法
及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
するために、インゴットをその軸芯を中心に回転可能で
その軸芯と直交する軸を中心に回動可能な結晶軸方位調
整手段にインゴットを取り付け、結晶軸方位調整手段付
きインゴットを、X線結晶軸方位測定装置の移動テーブ
ル上に載置し、移動テーブル上のインゴットをX線結晶
軸方位測定装置の検出位置まで移動してインゴットの垂
直方向、水平方向の結晶軸方位を検出し、検出されたイ
ンゴットの垂直方向、水平方向の結晶軸方位になるよう
に結晶軸方位調整手段を駆動して調整し、結晶軸の方位
調整が終了したインゴットにスライスベースを接着し、
インゴット切断装置のインゴット固定部に固定されるワ
ークブロックを、前記スライスベースに取り付けること
を特徴とする。
【0006】本発明によれば、先ず、結晶軸方位調整手
段にインゴットを取り付け、そして、結晶軸方位調整手
段ごとインゴットを、移動テーブルでX線結晶軸方位測
定装置の検出位置まで移動する。そして、X線結晶軸方
位測定装置によってインゴットの垂直方向、水平方向の
結晶軸方位を検出し、この検出した各結晶軸方位を表示
部に表示する。そして、結晶軸方位調整手段を駆動し
て、インゴットの結晶軸方位を、表示部に表示された各
結晶軸方位と一致させる。そして、そのインゴットにス
ライスベースを接着したのち、インゴット切断装置のイ
ンゴット固定部に固定されるワークブロックを、スライ
スベースに取り付ける。
【0007】前記結晶軸方位調整手段は、インゴットを
ワイヤ列に対して平行な状態で軸芯を中心に円周方向に
所定角度回転させるとともに、その軸芯と直交する軸線
を中心に所定角度回転させることにより結晶方位を出
す。インゴットは、その後固定部に位置決め固定されて
ワイヤ列で切断される。これにより、インゴットはワイ
ヤ列に対して平行な状態で切断されるので、ワイヤ列を
形成する溝付ローラに片寄った熱分布を生じさせること
がない。よって、本発明では、精度の高いウェーハを得
ることができる。
【0008】また、本発明によれば、X線結晶軸方位測
定装置と同一機上でインゴットの結晶軸方位調整ができ
るので、ワイヤソー外でのインゴットの結晶軸方位調整
が可能となり、インゴットの結晶軸方位調整が容易とな
る。又、調整後の結果を同一機上で確認できる為、軸方
位合わせの精度を格段に向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るX線を利用したインゴットの結晶軸方位調整方法及び
装置の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、
インゴットを切断するワイヤソー10の全体構成図であ
る。一方のワイヤリール12に巻回されたワイヤ14
は、ワイヤ案内装置16、複数の固定ガイドローラ1
8、18、ダンサローラ20を経由して3本の溝付きロ
ーラ22、22、22に順次巻き掛けられてワイヤ列2
4を形成した後、複数の固定ガイドローラ18、18、
ダンサローラ20、ワイヤ案内装置16を経て他方のワ
イヤリール26に巻き取られる。
【0010】前記ダンサローラ20には所定重量の錘4
4が吊設され、走行するワイヤ14に常に所要の張力が
付与される。前記ワイヤ走行路の途中にはワイヤ洗浄装
置46が設けられ、このワイヤ洗浄装置46によってワ
イヤ14に付着した加工液40が除去される。前記ワイ
ヤリール12、26及び3本のうちの1本の溝付きロー
ラ22には、それぞれ正逆回転可能な駆動モータ28、
30、32が連結され、この駆動モータ28、30、3
2に駆動されて、ワイヤ14は一対のワイヤリール1
2、26間を往復走行する。
【0011】前記ワイヤ列24には、砥液貯留タンク3
8に貯留された砥粒(通常、GC♯600〜♯1000
程度のものが使用される)を含む加工液40が砥液供給
ノズル42から供給される。前記ワイヤ列24の下方に
は、被加工物であるインゴット54がワークブロック5
6とスライスベース58を介してワーク送りテーブル4
8に支持される。ワーク送りテーブル48はモータ50
で回動するボールネジ52により上下方位に移動自在に
設けられ、前記インゴット54は、このワーク送りテー
ブル48を上方に移動させることにより高速走行するワ
イヤ列24に押し当てられ、多数の薄板状のウェーハに
切断される。
【0012】インゴット54は、その切断されたウェー
ハの切断面が所定の結晶面を有するように、ワイヤ列2
4に対して位置調整して切断を行う必要がある。図2
は、本実施の形態に係わるX線を利用したインゴットの
結晶軸方位調整装置の構造図である。この結晶軸方位調
整装置150の詳細については後述する。ところで、従
来において、インゴット54のワイヤ列24に対する結
晶方位合わせは、先ず、インゴット54の垂直、水平基
準をワイヤ列24の垂直、水平基準に合わせてワーク送
りテーブル48に位置決め固定し、その後、ワーク送り
テーブル48に備えつけられたチルチング機構により、
インゴット54を垂直、水平方向に所定角度傾斜させて
結晶方位合わせを行う。この場合、図3に示すように、
インゴット54のX軸又はY軸と、ワイヤ列24A又は
ワイヤ列24Bが直行する。そして、図8に示したよう
にインゴット1の一端部が先行して切断される。
【0013】一方、本発明に係るインゴットの切断方法
は、インゴット54のXY軸がワイヤ列24Cに対して
平行な状態で切断される。また、その切断されたウェー
ハの切断面が、所定の結晶面を有するようにインゴット
54をスライスベース58及びワークブロック56に位
置決め固定したのち、そのワークブロック56をワーク
送りテーブル48に固定する。ここで、インゴット54
のスライスベース58及びワークブロック56への位置
決め固定は、次のようにして行う。
【0014】インゴット54がワイヤ列24に対して平
行な状態で切断されるためには、インゴット54がワイ
ヤ列24に対して平行な状態を維持していなければなら
ない。この状態で、ウェーハの切断面が所定の結晶面を
有するように切断されるためには、インゴット54を軸
芯aを中心として円周方向に所定角度回転させること、
及びインゴット54の軸芯と直交する軸線を中心とし
て、インゴット54をワイヤ列24に対して平行に所定
角度回転させることにより結晶方位合わせを行えばよ
い。
【0015】ここで、インゴット54の垂直、水平基準
がワイヤ列24の垂直、水平基準と平行状態にあると仮
定して、インゴット54がワイヤ列24に対して平行な
状態で切断されるように、且つその切断されたウェーハ
の切断面が所定の結晶面を有するようにインゴット54
を軸芯を中心として円周方向に回転させる傾き方向の角
度をθ、インゴット54をインゴット54の軸芯と直交
する軸線を中心として回転させる最大傾き角度をλとす
る。一方、前記従来の結晶方位合わせ方法において、イ
ンゴット54の垂直、水平方位に対する垂直方位及び水
平方位の傾斜角度をそれぞれα、βとすると、θとα、
βとの間には、次式の関係が成り立つ。
【0016】θ=tan-1(tanβ/tanα) 更に、λとα、θとの間には、次式の関係が成り立つ。 λ=tan-1(tanα/cosθ) したがって、インゴット54がワイヤ列24に対して平
行な状態で切断され、且つウェーハの切断面が所定の結
晶面を有するように切断されるためには、インゴット5
4の垂直、水平基準がワイヤ列24の垂直、水平基準と
平行状態にあると仮定した状態で、予めインゴット54
を軸芯を中心に円周方向にθ回転させるとともに、イン
ゴット54の軸芯と直交し、ワイヤ列24により形成さ
れる平面に直行する軸線を中心としてワイヤ列24と平
行にλ回転させてスライスベース58及びワークブロッ
ク56に位置決め固定し、その位置決め固定したインゴ
ット54をワーク送りテーブル48に固定すればよい。
【0017】図4(a)及び(b)には、インゴット5
4の垂直、水平基準がワイヤ列24の垂直、水平基準と
平行状態にあると仮定した状態から、軸芯を中心にθ回
転させるとともに、ワイヤ列24に対して平行にλ回転
させたインゴット54をスライスベース58及びワーク
ブロック56に固定し、更にワーク送りテーブル(図示
せず)に固定した状態が示されている。この場合、スラ
イスベース58は、インゴット54の軸芯と平行に接着
されるが、ワークブロック56はインゴット54の軸芯
に対してλ度傾いた角度でスライスベース58に取り付
けられる。
【0018】この状態でインゴット54の切断を行うこ
とにより、インゴット54は、ワイヤ列24に対して平
行な状態で切断され、且つ切断されたウェーハの切断面
が所定の結晶面となる。したがって、インゴット54を
ワイヤ列24に対して垂直方位にも傾斜させて切断する
従来の方法に比べ、ワイヤ列24を形成する溝付ローラ
22、22、22に片寄った熱分布を生じさせることが
ないので、精度の高い切断を行なうことができる。ま
た、予め位置決め固定したのち、ワーク送りテーブル4
8にインゴット54を固定するため、従来のように、ワ
ーク送りテーブル48にチルチング機構を設ける必要が
ないので、ワイヤソー本体10を簡素化することが出来
る。
【0019】図5(a)及び(b)には、軸芯を中心に
θ回転させたのみのインゴット54をスライスベース5
8及びワークブロック56に固定してワーク送りテーブ
ル(図示せず)に固定し、ワイヤ列24に対して平行な
方位の回転λは、ワーク送りテーブルに備えた水平方位
に揺動するチルチング機構により回転させた状態が示さ
れている。
【0020】この状態でインゴット54の切断を行うこ
とにより、前記と同様にインゴット54は、ワイヤ列2
4に対して平行な状態で切断され、且つその切断された
ウェーハの切断面が所定の結晶面となる。次に、図2に
示した本実施の形態の結晶軸方位調整装置150につい
て説明する。同図に示す結晶軸方位調整装置150は、
方位調整機構60とX線結晶軸方位測定装置160とか
ら構成される。
【0021】X線結晶軸方位測定装置160と同一機上
にはスライドテーブル70がガイド162、162とレ
ール164を介して図上で左右方向に移動自在となって
いる。スライドテーブル70は、モータ166に連結さ
れたねじ軸168を回動することにより左右方向に駆動
される。このように構成されたスライドテーブル70上
に前記方位調整機構60が載置される。この方位調整機
構60には、インゴット54が取り付けられている。
【0022】前記X線結晶軸方位測定装置160は、X
線照射部170とX線受光部172とを有している。X
線照射部170はアーム174の一端部に、そしてX線
受光部172はアーム174の他端部に所定角度傾斜し
て支持されている。前記アーム174は、扇形のプレー
ト176に円弧状レール178を介して揺動自在に支持
されている。このプレート176に回転軸180が固定
され、この回転軸180は軸受182を介してモータ1
84のスピンドル186に連結されている。モータ18
4は、アーム176を90°毎に回転させるように図示
しない制御部によって駆動制御されている。また、X線
照射部170とX線受光部172は、図示しないガイド
及びレール178上をモータによるネジ送り機構で揺動
する。
【0023】次に、方位調整機構60について説明す
る。図6は、方位調整機構60の正面図であり、図7は
その側面図である。図6及び図7に示すように、方位調
整機構60は、主としてワーク受け部62、ガイド部6
4、昇降部66及び位置決め部68とから構成される。
前記ワーク受け部62は、スライドテーブル70上に設
けられた回転盤71と、その回転盤71上にブラケット
72、72、…を介して円弧状に配設されたワーク受け
ローラ74、74、…とから構成される。前記スライド
テーブル70は矩形状に形成され、水平基準と垂直基準
とを有している。前記回転盤71は、前記スライドテー
ブル70上を回動し、ワーク受けローラ74、74、…
で支持したインゴット54をスライドテーブル70に介
して平行に回動させる。また、その時の回転角度は、回
転盤71に設けられた針73でスライドテーブル70上
に形成された回転目盛(図示せず)を読み取ることによ
り設定する。前記ワーク受けローラ74、74、…は、
ベースプレート68に沿って配設されており、インゴッ
ト54は、このワーク受けローラ74、74、…上に載
置される。また、このワーク受けローラ74、74、…
に載置されたインゴット54は、スライドテーブル70
に対して平行に載置される。
【0024】前記ガイド部64は、スライドテーブル7
0に垂直に設けられた支持プレート76と、その支持プ
レート76の両側部に形成されたガイドレール78、7
8とから構成される。前記昇降部66は、前記支持プレ
ート76に形成されたガイドレール78、78上をスラ
イド移動する昇降ブロック80と、前記支持プレート7
6に設けられ、昇降ブロック80を昇降移動させる昇降
機構84とから構成される。前記昇降ブロック80は水
平部80Aと垂直部80Bを有する断面L字状に形成さ
れ、両側部にワークブロック56を支持する支持アーム
82、82が設けられている。また、この昇降ブロック
80には水平方向基準、支持アーム82には垂直基準が
それぞれ設けられており、支持したワークブロック56
の側面を基準駒86、86に、また、下面を支持アーム
82の基準に当接させることにより、位置決めされて支
持される。また、前記昇降ブロック80の背面部には、
ナット部88が形成されており、ナット部88は、支持
プレート76に沿って設置されたボールネジ90に螺合
されている。このボールネジ90は、上端部に連結され
た昇降ハンドル92を回動させることにより回動し、そ
の回動分だけ昇降ブロック80をガイドレール78、7
8に沿って昇降移動させる。
【0025】前記位置決め部68は、支持台94に基準
盤96が固定されるとともに、その基準盤96と同軸上
に回転目盛盤98が回動自在に支持されて構成される。
前記支持台94は、前記ワーク受けローラ74、74上
に載置され、前記基準盤96とインゴット54が同軸上
に位置するように設置される。前記基準盤96は、円盤
状に形成され、その周縁部に後述する回転目盛盤98に
形成された回転目盛102を読み取るための基準目盛1
04が形成されている。前記回転目盛盤98は、円盤状
に形成され、その周縁部の4箇所に後述するインゴット
54の端面に引いたケガキ線(インゴット54の結晶方
位合わせ基準を示す)を合わせるためのケガキ合わせ目
盛100V、100Hが所定の間隔で形成されるてい
る。また、回転目盛盤98には、インゴット54の回転
角度を設定するための回転目盛102が形成されてい
る。この回転目盛102は、中央位置を基準点としてそ
の両側に角度が目盛られており、回転目盛盤98は、前
記基準目盛104でこの回転目盛102を読み取りなが
ら回転させることで、回転角の設定を行う。また、前記
ケガキ合わせ目盛100V、100Hは、前記回転目盛
102の基準点の延長線上に垂直基準となるケガキ合わ
せ目盛100Vが形成され、この垂直基準となるケガキ
合わせ目盛100Vと直交するように水平基準となるケ
ガキ合わせ目盛100Hが形成される。すなわち、基準
盤96の基準目盛104が回転目盛102の基準点を指
している場合は、垂直基準となるケガキ合わせ目盛10
0Vは、前記スライドテーブル70に対して垂直状態と
なり、水平基準となるケガキ合わせ目盛100Hは、ベ
ースプレートに対して平行となっている。したがって、
この状態で、インゴット54の端面に引いた水平ケガキ
線104H及び垂直ケガキ線104Vをそれぞれケガキ
合わせ目盛の水平基準100H及び垂直基準100Vに
合わせることにより、インゴット54は、その垂直、水
平基準がスライドテーブル70の垂直、水平と一致す
る。
【0026】次に前記の如く構成された結晶軸方位調整
装置150の作用について説明する。先ず、X線結晶軸
方位測定装置160でインゴット54の結晶軸方位を測
定する。この場合には、先ず、スライドテーブル70上
に、インゴット54が取り付けられた方位調整機構60
を固定する。次に、スライドテーブル70を図2上で右
方向に移動させ、インゴット54を図中二点鎖線で示す
検出位置に位置させる。次いで、X線照射部170から
インゴット54の端面に向けてX線を照射し、この反射
X線をX線受光部172で受光して、その反射角度に基
づいてインゴット54の垂直方向の結晶軸方位を測定す
る。そして、インゴット54の水平方向の結晶軸方位を
測定する。以上で結晶軸方位の測定が終了する。測定さ
れた垂直方向の結晶軸方位と水平方向の結晶軸方位と
は、モニタ188上で表示される。
【0027】そして、前記測定された二つの結晶軸方位
に基づいて、結晶軸方位調整装置150の図示しない制
御部が、インゴット54を軸芯を中心として円周方向に
回転させる傾き方向の角度θと、インゴット54をイン
ゴット54の軸芯と直交する軸線を中心として回転させ
る最大傾き角度とを算出する。次に、スライドテーブル
70を元の位置に戻し、前記測定された結晶軸方位にな
るようにインゴット54の姿勢を方位調整機構60によ
って調整する。
【0028】先ず、インゴット54の一方側の端面にイ
ンゴット54の水平、垂直基準となるケガキ線104
H、104Vを予め引く。この際、ケガキ線104V
は、インゴット54に形成されたオリフラ面の中心とイ
ンゴット54の軸芯を通る直線を引き、また、ケガキ線
104Hは、前記ケガキ線104Vと直交し、かつイン
ゴット54の軸芯を通る直線を引く。
【0029】次に、ワークブロック56を昇降ブロック
80の支持アーム82、82に支持させる。一方、イン
ゴット54をワーク受けローラ74、74、…上に載置
するとともに、回転目盛104を基準位置にセットす
る。そして、インゴット54を円周方向に回転させて、
その端面に引いたケガキ線104H、104Vをケガキ
合わせ目盛100H、100Vに一致するように合わせ
る。この状態で、インゴット54は、その垂直、水平基
準がスライドテーブル70の垂直、水平基準に一致す
る。このことは、インゴット54の水平、垂直基準がワ
イヤ列24の水平、垂直基準と一致しているとみなすこ
とができる。
【0030】次に、X線結晶軸方位測定装置160で検
出された結晶軸方位のうち、インゴット54の軸芯を中
心とした傾き方向の回転角度θ分だけ、回転目盛盤98
を回転させる。そして、その回転により変更したケガキ
合わせ目盛100H、100Vの位置にケガキ線104
H、104Vが一致するようにインゴット54を円周方
向に回転させる。これにより、インゴット54は、垂直
基準が一致した状態からθ分だけ円周方向に回転したこ
とになる。
【0031】次に、X線結晶軸方位測定装置160で検
出された結晶軸方位のうち、インゴット54のワイヤ列
24と平行な方位の最大傾き角度である回転角度λ分だ
け、回転盤71を回転させる。これにより、インゴット
54は、水平基準が一致した状態からλ分だけ回転した
ことになり、ワイヤ列24に対して平行にλ傾いたこと
になる。
【0032】前記操作により、インゴット54は、走行
するワイヤ列24に対して平行な状態で切断され、且つ
その切断されたウェーハの切断面が所定の結晶面を有す
るように位置決めされるので、ワークブロック56を降
ろし、スライスベース58を挟んで接着することによ
り、インゴット54のスライスベース58及びワークブ
ロック56への取付けは終了する。
【0033】このように、方位調整機構60を使用する
ことにより、インゴット54の結晶軸調整や、インゴッ
ト54のスライスベース58及びワークブロック58へ
の取付けを簡便に行なうことができる。なお、前記方位
調整機構60は、インゴット54を軸芯を中心にθ円周
方向に回転させてスライスベース58及びワークブロッ
ク56に固定する場合にも適用できる。この場合、水平
方位の回転は不要なので回転盤71を省いてもよい。
【0034】また、このようなインゴット54の結晶軸
方位調整作業は、前記の如くインゴット54を図2中実
線で示す元の位置に一旦戻して行っても良く、図中二点
鎖線で示す検出位置で結晶軸方位の調整を行っても良
い。検出位置で調整を行うと、前記元の位置で調整を行
うよりも調整誤差が小さくなる。また、本実施の形態で
は、1本のインゴット54の切断について説明したが、
複数本の短めのインゴットを切断する場合には、これら
のインゴットをワイヤソーに装着して同時に切断するこ
とができる。即ち、前記各々のインゴットの結晶軸方位
を前記装置150で検出し、そして、方位調整機構60
でそのインゴットの結晶軸方位を調整したのち、ワイヤ
ソー側に順に取り付ける。これにより、複数本のインゴ
ットの同時切断が可能となる。
【0035】また、本実施の形態では、インゴットの結
晶軸方位調整を手動で行う内容について説明したが、こ
れに限られるものではなく、自動化することも可能であ
る。即ち、方位調整機構60の水平、垂直移動を、制御
装置で制御されたモータによって行うものとし、そし
て、X線結晶軸方位測定装置160で検出された結晶軸
方位を示す情報が前記制御装置に出力されると、その検
出した結晶軸方位と一致するように制御装置が前記モー
タを駆動制御する。これによって、結晶軸方位調整の自
動化が可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るX線を
利用したインゴットの結晶軸方位調整方法及び装置によ
れば、インゴットをワイヤ列に対して平行となるように
結晶軸方位調整手段、及びX線結晶軸方位測定装置で結
晶軸方位調整を行うことができるので、溝付ローラに熱
分布を生じさせない結晶軸方位調整をX線結晶軸方位測
定装置と同一機上で行うことができる。よって、本発明
では、ワイヤソーの実機上で結晶軸方位を調整する手間
を省くことができ、そして、精度の高いウェーハを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤーソーの全体構成図
【図2】本発明の実施の形態に係るX線結晶軸方位測定
装置の全体図
【図3】インゴットのワイヤ列に対する傾斜状態の説明
【図4】インゴットの切断方法の第1実施例を示す説明
【図5】インゴットの切断方法の第2実施例を示す説明
【図6】結晶軸方位調整装置の正面図
【図7】結晶軸方位調整装置の側面図
【図8】従来のインゴットの切断方法の説明図
【符号の説明】
10…ワイヤーソー 14…ワイヤ 22…溝付ローラ 24…ワイヤ列 54…インゴット 56…ワークブロック 58…スライスベース 60…方位調整機構 150…結晶軸方位調整装置 160…X線結晶軸方位測定装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インゴットをその軸芯を中心に回転可能で
    その軸芯と直交する軸を中心に回動可能な結晶軸方位調
    整手段にインゴットを取り付け、 結晶軸方位調整手段付きインゴットを、X線結晶軸方位
    測定装置の移動テーブル上に載置し、 移動テーブル上のインゴットをX線結晶軸方位測定装置
    の検出位置まで移動してインゴットの垂直方向、水平方
    向の結晶軸方位を検出し、 検出されたインゴットの垂直方向、水平方向の結晶軸方
    位になるように結晶軸方位調整手段を駆動して調整し、 結晶軸の方位調整が終了したインゴットにスライスベー
    スを接着し、 インゴット切断装置のインゴット固定部に固定されるワ
    ークブロックを、前記スライスベースに取り付けること
    を特徴とするX線を利用したインゴットの結晶軸方位調
    整方法。
  2. 【請求項2】インゴットが取り付けられると共に、該イ
    ンゴットをその軸芯を中心に回転可能でその軸芯と直交
    する軸を中心に回動可能な結晶軸方位調整手段と、 前記結晶軸方位調整手段付インゴットが載置され装置本
    体上を移動してインゴットの結晶軸方位測定位置まで移
    動する移動テーブルと、 インゴット端面にX線を出射するX線出射部とインゴッ
    ト端面からの反射X線が入射するX線入射部とを備え装
    置本体上に設けられたX線結晶軸方位測定装置と、 X線結晶軸方位測定装置によって検出されたインゴット
    の垂直方向、水平方向の結晶軸方位を表示する表示部
    と、 前記インゴットにスライスベースを接着するスライスベ
    ース接着手段と、 インゴット切断装置のインゴット固定部に固定されるワ
    ークブロックを、前記スライスベースに取り付けるワー
    クブロック取付手段と、 から成るX線を利用したインゴットの結晶軸方位調整装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011079135A (ja) * 2010-11-29 2011-04-21 Sharp Corp ワークのスライス加工方法およびワイヤソー
JP2017212268A (ja) * 2016-05-24 2017-11-30 信越半導体株式会社 単結晶インゴットの切断方法
CN108943451A (zh) * 2018-02-23 2018-12-07 丹东新东方晶体仪器有限公司 一种半导体级单晶硅晶棒定向测试***
CN113787636A (zh) * 2021-07-09 2021-12-14 麦斯克电子材料股份有限公司 一种用于12寸半导体晶圆的手动粘棒方法

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