JPH0999509A - 塩化ビニル系樹脂発泡体積層物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂発泡体積層物

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JPH0999509A
JPH0999509A JP28641095A JP28641095A JPH0999509A JP H0999509 A JPH0999509 A JP H0999509A JP 28641095 A JP28641095 A JP 28641095A JP 28641095 A JP28641095 A JP 28641095A JP H0999509 A JPH0999509 A JP H0999509A
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JP
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vinyl chloride
plasticizer
chloride resin
resin foam
foam
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JP28641095A
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Takuro Suzuki
卓郎 鈴木
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Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目地材、シール材、あるいは粘着テープなど
の基材として好適な多量の可塑剤を含む高発泡倍率の塩
化ビニル系樹脂発泡体を主材とする積層物に関し、詳し
くは、該発泡体を上記のような基材として各種の構造体
や物品に適用する場合に、該発泡体に多量に含まれる可
塑剤がこれら構造体や物品に移行することの無い上記の
積層物を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
フタル酸エステル系可塑剤または/およびトリメリット
酸系可塑剤50〜150重量部が含まれてなる塩化ビニ
ル系樹脂発泡体の少なくとも一方の表面に、厚さ50〜
300μmのウレタン系樹脂皮膜を有してなる。ウレタ
ン系樹脂皮膜と相対する塩化ビニル系樹脂発泡体の表面
に粘着剤の層を有することが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目地材、シール
材、あるいは粘着テープなどの基材として好適な多量の
可塑剤を含む高発泡倍率の塩化ビニル系樹脂発泡体を主
材とする積層物に関し、詳しくは、該発泡体を上記のよ
うな基材として各種の構造体や物品に適用する場合に、
該発泡体に多量に含まれる可塑剤がこれら構造体や物品
に移行することの無い上記の積層物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】目地
材、シール材、あるいは粘着テープなどの基材に塩化ビ
ニル系樹脂発泡体を使用する場合、一般には、発泡剤と
ともに可塑剤を多量に含有させてペーストゾル状態とし
た塩化ビニル系樹脂を、離型紙などの基材上に各種の手
段でコーティングし、ゾル状態のままで加熱発泡させる
言わゆるゾル発泡による塩化ビニル系樹脂発泡体が好適
に使用されている。
【0003】上記の可塑剤を多量に含有する塩化ビニル
系樹脂発泡体は、柔軟性に富むため、曲面への追従性が
良好であると言う利点を有する反面、該発泡体中に含ま
れる多量の可塑剤が、該発泡体と接触する各種塗装が施
された鋼板、あるいはポリエステル系樹脂や不飽和ポリ
エステル系樹脂などをマトリックスとする繊維強化プラ
スチック(FRP)などを素材とする構造体や物品に移
行すると言う懸念がある。
【0004】可塑剤の移行が発生すると、目地材やシー
ル材などとしての本来の機能を著しく損なうばかりか、
構造体や物品の表面浸食、変形、クラッキングなどと言
う深刻な問題を誘発する可能性もある。
【0005】本発明は、以上のような多量の可塑剤の使
用に起因する可塑剤の移行を防止するとともに、塩化ビ
ニル系樹脂発泡体の優れたシール性や耐候性を損なうこ
となく、しかも目地材やシール材などの基材として好適
な柔軟性をそのまま保持し得る塩化ビニル系樹脂発泡体
積層物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の塩化
ビニル系樹脂発泡体積層物は、上記目的を達成するため
に、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、フタル酸エ
ステル系可塑剤または/およびトリメリット酸系可塑剤
50〜150重量部が含まれてなる塩化ビニル系樹脂発
泡体の少なくとも一方の表面に、厚さ50〜300μm
のウレタン系樹脂皮膜を有してなることを特徴とする。
【0007】このとき、ウレタン系樹脂皮膜と相対する
塩化ビニル系樹脂発泡体の表面に粘着剤の層を有してい
ることが望ましい。
【0008】本発明における発泡体の塩化ビニル系樹脂
としては、塩化ビニルの単独重合樹脂、塩化ビニルと他
の単量体、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、エ
チレン、塩化ビニリデンとの共重合樹脂を使用すること
ができ、これらは単独でまたは複数を混合して使用する
ことができる。
【0009】上記の塩化ビニル系樹脂は、可塑剤を配合
してペーストゾル状にするが、この可塑剤としては、フ
タル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ
−i−ノニル(DINP)、フタル酸ジ−i−デシル
(DIDP)、フタル酸ジ−ブチル(DBP)、フタル
酸ジ−2−エチルヘキシル(DEP)、フタル酸ブチル
ベンジル(BBP)、フタル酸ジ−ウンデシル(DU
P)などに代表される一般のフタル酸エステル系可塑
剤;トリメリット酸トリオクチル(TOTM)などに代
表されるトリメリット酸エステル系可塑剤である。これ
らは単独でまたは複数を混合して使用することができ
る。
【0010】上記のフタル酸エステル系可塑剤または/
およびトリメリット酸エステル系可塑剤の配合量は、塩
化ビニル系樹脂100重量部に対し50〜150重量部
とする。50重量部未満であると、目地材、シール材、
あるいは粘着テープなどの基材に適した柔軟性を得るこ
とができず、150重量部を超えると、得られる発泡体
の強度が低すぎて、これらの基材としての使用が困難に
なる。
【0011】また、上記のフタル酸エステル系可塑剤、
およびトリメリット酸エステル系可塑剤に、アジピン酸
ジオクチル(DOA)、セバシン酸ジオクチル(DO
S)、アゼライン酸ジオクチル(DOZ)などに代表さ
れる脂肪酸エステル系可塑剤、リン酸トリクレジル(T
CP)などに代表されるリン酸エステル系可塑剤;エポ
キシ系可塑剤、ポリプロピレンアジペートなどに代表さ
れるポリエステル系可塑剤などの高分子系可塑剤;塩素
化パラフィンなどの可塑剤を少量混合して使用すること
もできる。
【0012】また、上記のペーストゾルには発泡剤が配
合され、この発泡剤としては、通常の塩化ビニル系樹脂
に使用される通常の発泡剤、例えば、アゾジカルボンア
ミド(ADCA)、オキシビスベンゼンスルフォンヒド
ラジド(OBSH)、ジアゾアミノアゾベンゼン、アゾ
ビスブチロニトリル(AIBN)などが挙げられ、これ
らは単独でまたは複数を混合して使用することができ
る。
【0013】さらに、上記のペーストゾルには、上記の
可塑剤および発泡剤とともに、必要に応じて、通常の塩
化ビニル系樹脂に使用される安定剤、充填剤、顔料など
の添加剤を、通常の塩化ビニル系樹脂に配合する場合の
量で配合することができる。
【0014】以上の可塑剤、発泡剤、その他の各成分を
配合した塩化ビニル系樹脂ペーストゾルは、充分に混練
・攪拌してこれらを均一に分散させた後、離型紙などの
上に各種手段によりコーティングし、加熱・発泡させる
ことにより、発泡体に成形される。
【0015】上記の塩化ビニル系樹脂発泡体の少なくと
も一方の表面に設けられるウレタン系樹脂皮膜は、塩化
ビニル系樹脂発泡体中の可塑剤が該発泡体と接触する構
造体や物品へ移行するのを防ぐことを目的するものであ
る。この目的を達成するために、ウレタン系樹脂として
は、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ト
リレンジイソシアネート(TDI)、イソフォロンジイ
ソシアネート(IPDI)などのイソシアネートと、ポ
リエチレンアジペート(PEA)、ポリジエチレンアジ
ペート(PDA)、ポリテトラメチレングリコール(P
TMG)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリプロピ
レングリコール(PPG)、ポリエチレンエーテルグリ
コール(PEEG)などの長鎖ポリオールとの共縮合反
応により生成される樹脂が好ましく使用でき、これらは
単独でまたは複数を混合して使用することができる。
【0016】これらのウレタン系樹脂であれば、特に架
橋反応を伴うポリマーである必要はなく、直鎖状のポリ
マーであってもよいし、また分子量や分岐度も特に限定
されることなく、上記の目的を効果的に達成することが
できるし、また上記の塩化ビニル系樹脂発泡体の表面に
好適に皮膜化することができる。
【0017】また、ウレタン系樹脂は、皮膜化手段とし
て各種のコーティング法が採用可能なように、溶剤にて
溶液にしたものを使用することができる。このときの溶
剤は、特に限定されないが、溶解性、沸点、取扱性など
を考慮すれば、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチ
ルフォルムアミド(DMF)、トルエンなどを使用する
のが好ましい。あるいは、ウレタン系樹脂は、乳化剤に
より水系エマルジョンとしたものを使用してもよい。上
記の溶液あるいは水系エマルジョンの固形分濃度は、特
に限定せず、各種のコーティング法により、所望の厚さ
の皮膜が形成できるものであればよい。
【0018】本発明におけるウレタン系樹脂皮膜の厚さ
は、50〜300μmとする。すなわち、ウレタン系樹
脂皮膜は、塩化ビニル系樹脂発泡体中の可塑剤が該発泡
体と接触する構造体や物品へ移行するのを防ぐことを目
的として設けられるものであり、該皮膜が50μm未満
であると、可塑剤が該皮膜を透過して構造体や物品へ移
行する可能性がある。また、300μmより厚いと、曲
面追従性が低下し、目地材やシール材などとしての性能
が損なわれる。
【0019】以上の塩化ビニル系樹脂発泡体とウレタン
系樹脂皮膜とからなる本発明の積層物は、種々の方法で
製造されるが、塩化ビニル系樹脂発泡体の一方の表面に
ウレタン系樹脂皮膜を有する積層物についての一例を以
下に説明する。
【0020】表面に剥離性が付与されるか剥離性を有す
る紙(すなわち離型紙)やフィルムを、適宜材料からな
るエンドレスベルト上に載置し、この離型性を有する紙
やフィルムの表面に、上記のウレタン系樹脂の溶液ある
いは水系エマルジョンを、乾燥皮膜において上記厚さと
なるようにコーティングする。
【0021】上記のコーティング手段としては、ドクタ
ーナイフコーター、コンマドクターコーター、ロールコ
ーター、グラビアコーター、スプレーコーターなどが使
用できる。コーティング回数は、特に限定されず、1回
で上記の厚さとなるようにコーティングしてもよいし、
複数回でコーティングしてもよい。
【0022】コーティング後、乾燥するが、このときの
乾燥条件は、ウレタン系樹脂の溶液あるいは水系エマル
ジョンが乾燥するのに充分な条件であれば、特に限定さ
れるものではない。
【0023】乾燥したウレタン系樹脂皮膜上に、上記の
塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを適宜の厚さでコーティ
ングする。このときのコーティング手段は、特に限定さ
れず、上記のウレタン系樹脂皮膜と同様のコーティング
手段であってもよいし、その他通常の塩化ビニル系樹脂
ペーストゾルのコーティングの際に適用される適宜の手
段であってもよい。コーティングの後、ゾル状態のまま
で加熱して発泡させれば、ゾル発泡による塩化ビニル系
樹脂発泡体の一方の表面にウレタン系樹脂皮膜を有する
積層物を得ることができる。
【0024】また、本発明の積層物は、上記の製造法に
限らず、例えば、塩化ビニル系樹脂発泡体とウレタン系
樹脂皮膜とを適宜の手法により別々に製造しておき、こ
れらを接着剤を介して積層する方法などにより製造する
こともできる。
【0025】なお、塩化ビニル系樹脂発泡体の両面にウ
レタン系樹脂皮膜を有する積層物の場合も、上記のコー
ティングを重ねる方法、積層による方法などのいずれに
よっても得ることができる。前者の方法による場合は、
先ずウレタン系樹脂皮膜をコーティング・乾燥により形
成し、この皮膜の上に塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを
コーティングし加熱発泡させ、さらにこの発泡体の上に
ウレタン系樹脂皮膜をコーティング・乾燥により形成す
ればよい。後者の場合は、塩化ビニル系樹脂発泡体の両
面に接着剤を介してウレタン系樹脂皮膜を積層すればよ
い。
【0026】また、塩化ビニル系樹脂発泡体の一方の表
面にのみウレタン系樹脂皮膜を設ける場合において、他
方の表面に粘着剤の層を設けることが好ましい。この粘
着剤の層は、本発明の積層物を被着体に被着させるため
と、上記の塩化ビニル系樹脂発泡体中の可塑剤が被着体
に移行するのを防ぐために設けられるもので、粘着剤の
種類は特に限定されず、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系
粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤などの公
知の粘着剤の中から粘着の目的(仮止めするか、永久粘
着するかなど)、被着体(すなわち構造体や物品)の種
類、塩化ビニル系樹脂発泡体に使用されている可塑剤の
種類、使用環境などにより適宜のものを選択して使用す
ればよい。
【0027】ただし、可塑剤の被着体側への移行を防止
するためには、低分子量ポリイソプレン(IP)、スチ
レンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(BR)な
どの合成ゴム系粘着剤、ポリアクリル酸ブチル、ポリア
クリル酸2−エチルヘキシル、ポリアクリル酸などのア
クリル系粘着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種
を使用することが好ましい。
【0028】これらの粘着剤からなる層は、コーティン
グ法などの適宜の手段にて設けることができる。このと
きの厚さは、特に限定されず、上記の被着体への被着と
可塑剤の移行防止を良好に行うことができる程度であれ
ばよい。
【0029】以上の本発明の積層物は、適当な幅の長尺
状のものが、一般の目地材、シール材、粘着テープなど
と同様に、離型性を有する紙やフィルム(ウレタン系樹
脂皮膜形成の際に使用した紙やフィルムを、剥離するこ
となく、そのまま使用することもできる)の介在下で、
紙管などの芯に巻き取られた状態で、保管され、販売さ
れ、使用者はこれを適宜の長さに切断して使用すること
となる。
【0030】
【実施例】
実施例1 離型紙上に、乾燥厚さが100μmとなるように、表1
に示す組成のウレタン系樹脂溶液をコンマドクターコー
ターでコーティングし、90℃で90秒間加熱し乾燥
し、ウレタン系樹脂層を形成した。
【0031】
【表1】
【0032】次いで、このウレタン系樹脂層上に、厚さ
0.2mmとなるように、表2に示す組成のポリ塩化ビ
ニル樹脂ペーストをドクターナイフコーターでコーティ
ングし、195℃で3分間加熱して発泡させ、厚さ2.
0mmのポリ塩化ビニル樹脂発泡体層を形成した。
【0033】
【表2】
【0034】上記のようにして得たポリ塩化ビニル樹脂
発泡体のウレタン系樹脂皮膜と相対する側の表面に、固
形分濃度40%のポリアクリル酸ブチルを主成分とする
アクリル系粘着剤の層を、湿潤状態で70g/mとな
るように、転写法により積層した。
【0035】以上のようにして得られた本発明の積層物
の概略構成を、図1に示す。なお、図1の離型紙は、剥
離せずに、紙管などの芯に巻き取る際の離型紙として使
用した。
【0036】(可塑剤の移行防止性能評価)上記積層物
を幅1cm、長さ20cmに裁断したサンプルにつき、
離型紙を剥離して、不飽和ポリエステル系樹脂をマトリ
ックスとする繊維強化プラスチックス(以下、「FR
P」と称す)板(20×20×1cm)に貼着し、表面
のウレタン系樹脂皮膜に、これと同じFRP板を接触さ
せ、2kgの荷重をかけた。
【0037】これを、60℃のオーブン中に1週間放置
した後、ウレタン系樹脂皮膜に接触させたFRP板の該
皮膜との接触面の状態、および上記サンプルを貼着させ
た側のFRP板の該サンプル周辺の表面状態を観察し
た。これらの結果を表3に示す。
【0038】(シール性能評価《水漏れ防止性能評
価》)また、上記積層物を幅1cm、長さ30cmに裁
断したサンプル2本につき、離型紙を剥離して粘着剤層
側において貼り合わせ、ウレタン系樹脂皮膜を表面に位
置させて、図2に示すように、直径60mmの円弧状に
湾曲させてU字形状となし、このU字形状のサンプルを
2枚の透明スチレン樹脂板で挟持(2本のサンプルのそ
れぞれのウレタン系樹脂皮膜が2枚の透明スチレン樹脂
板にそれぞれ接触するように挟持)し、U字形状サンプ
ルの元の厚さ(すなわち上記の2本のサンプルを貼り合
わせた厚さ)の50%(すなわち1本のサンプルの厚さ
となる)まで、2枚の透明スチレン樹脂板を押圧し、四
隅に設けたボルト(図示省略)で固定した。
【0039】このU字形状のサンプル内に、図2に示す
ように、U字形状の底部から10cmの位置まで水を満
たし、48時間後の水位を観察した。この結果を表3に
合わせて示す。
【0040】比較例1 実施例1におけるウレタン系樹脂皮膜を除いた構成のも
のを調製し、実施例1と同様の可塑剤移行防止性能評価
およびシール性能評価を行った。これらの結果を表3に
合わせて示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3より、比較例1のものでは、ポリ塩化
ビニル樹脂発泡体からの可塑剤の移行がFRP板の表面
を浸食して深さ0.7mmもの剔りを生じさせ、また透
明スチレン板に挟持させた場合のシール性能評価におい
ても、12mmまで水位を低下させたことから、透明ス
チレン板においても、可塑剤の移行が生じ、剔りを生じ
ていることが分かる。これに対し、本発明の積層物で
は、FRP板の浸食は生じておらず、また透明スチレン
板に挟持させた場合の水位は98mmであり、透明スチ
レン板においても浸食は生じていないことが分かる。
【0043】実施例2 実施例1のウレタン系樹脂皮膜を表4に示す組成のもの
とし、乾燥厚さを50μmとする以外は、実施例1と全
く同様にして、可塑剤の移行防止性能評価およびシール
性能評価を行った。この結果は、実施例1と全く同様で
あり、優れた可塑剤移行防止性および水漏れ防止性が得
られることが分かる。
【0044】
【表4】
【0045】実施例3 実施例1のポリ塩化ビニル樹脂発泡体を表5に示す組成
のものとする以外は、実施例1と全く同様にして、可塑
剤の移行防止性能評価およびシール性能評価を行った。
この結果は、実施例1と全く同様であり、優れた可塑剤
移行防止性および水漏れ防止性が得られることが分か
る。
【0046】
【表5】
【0047】実施例4 実施例1の粘着剤として低分子量ポリイソプレンを主成
分とするゴム系粘着剤を使用する以外は、実施例1と全
く同様にして、可塑剤の移行防止性能評価およびシール
性能評価を行った。この結果は、実施例1と全く同様で
あり、優れた可塑剤移行防止性および水漏れ防止性が得
られることが分かる。
【0048】比較例2 実施例1のウレタン系樹脂層の乾燥厚さを10μmとす
る以外は、実施例1と全く同様にして、可塑剤の移行防
止性能評価およびシール性能評価を行った。結果を表7
に合わせて示す。
【0049】比較例3 実施例1のポリ塩化ビニル樹脂発泡体を表6に示す組成
のものとする以外は、実施例1と全く同様にして、可塑
剤の移行防止性能評価およびシール性能評価を行った。
結果を表7に合わせて示す。
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の積層物に
よれば、該積層物の主体をなしている塩化ビニル系樹脂
発泡体が本来有している優れた柔軟性、シール性、ある
いは耐候性などを損なうことなく、該塩化ビニル系樹脂
発泡体中に多量に含まれる可塑剤が、該積層物に接触し
ている構造体や物品へ移行するのを効果的に防止するこ
とができる。この結果として、本発明の積層物は、目地
材、シール材、粘着テープなどの基材として優れたもの
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層物の構成の概略を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の実施例における積層物のシール性能評
価の際に採用した試験態様を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/40 B32B 27/40

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    フタル酸エステル系可塑剤または/およびトリメリット
    酸系可塑剤50〜150重量部が含まれてなる塩化ビニ
    ル系樹脂発泡体の少なくとも一方の表面に、厚さ50〜
    300μmのウレタン系樹脂皮膜を有してなることを特
    徴とする塩化ビニル系樹脂発泡体積層物。
  2. 【請求項2】 ウレタン系樹脂皮膜と相対する塩化ビニ
    ル系樹脂発泡体の表面に粘着剤の層を有してなることを
    特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系樹脂発泡体積層
    物。
JP28641095A 1995-10-06 1995-10-06 塩化ビニル系樹脂発泡体積層物 Pending JPH0999509A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015066889A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 共和レザー株式会社 合成樹脂表皮材及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015066889A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 共和レザー株式会社 合成樹脂表皮材及びその製造方法

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