JPH0995059A - 乾式転写材製造用インクリボン - Google Patents

乾式転写材製造用インクリボン

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JPH0995059A
JPH0995059A JP7253412A JP25341295A JPH0995059A JP H0995059 A JPH0995059 A JP H0995059A JP 7253412 A JP7253412 A JP 7253412A JP 25341295 A JP25341295 A JP 25341295A JP H0995059 A JPH0995059 A JP H0995059A
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JP7253412A
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Takashi Kawaguchi
隆 川口
Mikio Kabashima
三企雄 椛島
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の被転写物上の任意の位置に形成した像
に、手垢等によって、細菌が繁殖することを防ぎ、常に
清潔に保たれた感圧再転写像を形成可能な、乾式転写材
製造用インクリボンを提供する。 【解決手段】 乾式転写材製造用インクリボン10は、
フィルム状リボン基材11の一方の表面上に、インク層
12が形成され、かかるインク層12上に、感熱接着性
の樹脂及び粘着附与性の樹脂を含んで構成された転写性
調整層13が形成されている。インク層12及び転写性
調整層13には抗菌剤15が添加されている。抗菌剤1
5としては、抗菌性イオンをゼオライト等の多孔質の物
質の構造内に取り込んだもの等を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式転写材の製造
に際して用いられる感熱転写インクリボンに係り、特に
感熱転写方式のプリンタ、タイプライタ、ワードプロセ
ッサ等を用いて、ぬれ性の悪い、剥離性の強い面へも転
写、印字可能と為すと共に、感熱転写して得られる転写
像が、圧力により、目的とする被転写物上へ効果的に感
圧再転写せしめられ得るようにした乾式転写材製造用イ
ンクリボンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、感熱転写方式によるプリンタ、タ
イプライタ、ワードプロセッサ等の印字装置が開発され
て、小型のパーソナルユースからビジネス用途にまで広
く使用されるようになってきている。
【0003】この感熱転写方式による印字は、サーマル
ヘッドにより熱転写インクリボンを所定の印字用紙に密
着させた状態で、サーマルヘッドが有する多数の発熱素
子のうち、所要の発熱素子を発熱せしめることにより、
熱転写リボンの支持体を介して発熱素子に接している熱
溶融性インク部分を溶かして、印字用紙に転写せしめる
ことにより、行われるようになっている。
【0004】この種の熱転写リボンは、従来から、着色
剤とそのバインダ剤とからなる熱溶融性インクを所定の
支持体上に塗工しただけのものであって、かかるバイン
ダ剤はワックスを主成分とするものであった。しかも、
この種の熱転写リボンは被転写物として通常紙を対象と
するに過ぎないものであった。
【0005】ところで、ぬれ性が悪くて、離型性・剥離
性の良い面への転写、印字を可能とすることを目的とし
た感熱転写インクリボンが、特開昭63−128990
号公報、特開昭63−128991号公報、及び特開昭
63−251287号公報に開示されており、また、熱
感度向上を目指したインクリボンについても、特開昭6
3−246280号公報に開示されている。
【0006】而して、従来の感熱転写方式の印字装置に
おいて、リボンの巻き取りは、ヘッドの移動に伴ってリ
ボンのインク面と被転写物である紙との摩擦力により引
き出されて弛んで余ったリボンが巻き取られることによ
り行われている。
【0007】しかしながら、ぬれ性が悪く、離型性・剥
離性の良い面というのは摩擦係数が小さいため、リボン
を引き出す力が弱くなる。それ故に、カセットからリボ
ンを引き出すのに必要な力が大きい場合には、リボン送
りが完全に為されず、リボンの同一個所をヘッドが印字
している状態(スリップ)が起こり、印字不可能となっ
てしまうのである。また、これを防ぐために、カセット
からリボンを引き出すのに必要な力を小さくすると、今
度はリボンの走行が不安定となり、リボン蛇行が惹起さ
れることとなる。
【0008】更に、リボン引出力は、インクの塗工直後
と何日か経過してからとでは大きく異なり、保存状態の
温度によっても異なるので、保存性、経時変化を考慮に
入れた上で、蛇行、スリップのないリボン走行を達成す
ることは非常に困難なのである。
【0009】このような保存性、リボン走行性の問題を
同時に解決することを目的とした感熱転写インクリボン
は、特開平1−97687号公報、特開平1−9768
8号公報、特開平1−103492号公報及び特開平1
−136782号公報に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような感熱転写方式で得られた転写像は、例えば、電
話の受話器、傘の柄、各種文房具用品等、日常的に手に
ふれる場所に感圧再転写される場合が非常に多い。その
結果、転写像が、手垢等で汚れてしまい、細菌が発生
し、非常に不衛生となる。本発明は前記問題点を解決す
るためになされたものであり、感熱転写方式で得られた
転写像を、日常的に手に触れる場所に感圧再転写した場
合でも、手垢等によって、その転写像に細菌が繁殖する
のを防ぎ、常に清潔に保たれた転写像を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の乾式転写材製造用インクリボン
は、所定のフィルム状リボン基材の片面に、インク層が
形成され、かかるインク層上に、感熱接着性の樹脂及び
粘着附与性の樹脂を含んで構成された転写性調整層が形
成され、前記インク層及び転写性調整層のどちらか一方
もしくは両方に抗菌剤を添加している。このため、前記
乾式転写材製造用インクリボンは、感熱転写方式にて形
成された文字や図形等の転写像及びその転写像を感圧再
転写した転写像にカビ・細菌が繁殖することがなく、前
記それぞれの転写像を常に衛生的且つ清潔に保つことが
できる。
【0012】また、請求項2に記載の乾式転写材製造用
インクリボンは、前記インク層及び転写性調整層のどち
らか一方もしくは両方に、抗菌剤が約0.1乃至10重
量%程度添加されているので、感熱転写方式にて形成さ
れた文字や図形等の転写像及びその転写像を感圧再転写
した転写像にカビ・細菌が繁殖することがなく、前記そ
れぞれの転写像を常に衛生的且つ清潔に保つことができ
る。
【0013】また、請求項3に記載の乾式転写材製造用
インクリボンは、前記インク層及び転写性調整層のどち
らか一方もしくは両方に、抗菌性イオンを多孔質の物質
の構造内に取り込んだ抗菌剤が添加されているので、感
熱転写方式にて形成された文字や図形等の転写像及びそ
の転写像を感圧再転写した転写像にカビ・細菌が繁殖す
ることがなく、前記それぞれの転写像を常に衛生的且つ
清潔に保つことができる。
【0014】また、請求項4に記載の乾式転写材製造用
インクリボンは、前記インク層及び転写性調整層のどち
らか一方もしくは両方に、抗菌性イオンをゼオライトの
構造内に取り込んだ抗菌剤が添加されているので、感熱
転写方式にて形成された文字や図形等の転写像及びその
転写像を感圧再転写した転写像にカビ・細菌が繁殖する
ことがなく、前記それぞれの転写像を常に衛生的且つ清
潔に保つことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0016】本発明の実施の形態における乾式転写材製
造用インクリボン10は、図1に示されるように、フィ
ルム状リボン基材11の一方の表面上に、抗菌剤15が
添加されたインク層12が形成され、更にその上に転写
性調整層13が所定厚さで形成されている。なお、フィ
ルム状リボン基材11の前記インク層12の塗工面とは
反対側の面には、シリコーン樹脂のような耐熱性樹脂か
らなるスティッキング防止層14が設けられている。
【0017】そして、このような乾式転写材製造用イン
クリボン10において、そのインク層12を支持するフ
ィルム状リボン基材11としては、従来から感熱転写イ
ンクリボンの基材として用いられている各種のものが何
れも使用可能であるが、特に感熱転写のためにインクリ
ボンにはサーマルヘッド(印字装置)が接触せしめられ
るものであるところから、耐熱温度が150℃以上の、
ポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリサ
ルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサ
ルファイド等からなる樹脂フィルム、またはコンデンサ
紙、グラシン紙等の紙が好適な材料として用いられ、ま
た、その厚さとしても、材料の種類により適宜に決定さ
れることとなるが、一般に3〜20μmの範囲の厚さの
ものを用いることが望ましい。
【0018】そして、インク層12は、主としてバイン
ダ剤、感圧接着剤により構成されている。
【0019】前記インク層12を構成するバインダ剤と
しては、主として、キャンデリラワックス、カルナバワ
ックス、ライスワックス、木ろう等の植物系ワックス;
蜜ろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;モンタ
ンワックス、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワッ
クスの一種或いは二種以上からなるワックス類と、石油
樹脂、ロジン系樹脂、ケトン樹脂、ポリアミド樹脂、フ
ェノール樹脂等の粘着附与剤とからなるものが、用いら
れているのである。なお、前記のワックス類としては、
α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等の樹脂系ワ
ックスも使用可能であり、また、粘着附与剤は、密着
性、硬度向上、凝集力附与、粘着力附与及び感圧接着剤
の粘着附与の働きを為すものである。また、このバイン
ダ剤を構成するワックスと粘着附与剤とは、一般に、重
量基準で15:1〜3:2程度の割合において配合せし
められることとなる。
【0020】さらに、インク層12を構成する感圧接着
剤としては、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルアセタール、ポリイソブチレン等の
ビニル系高分子;エチルセルロース、ニトロセルロー
ス、酢酸セルロース等の繊維系高分子;塩化ゴム、天然
ゴム等のゴム系高分子の一種或いは二種以上が組み合わ
せて用いられるのである。
【0021】なお、インク層12を構成する前記のバイ
ンダ剤、感圧接着剤とは、一般に40〜93:2〜30
程度の割合において配合せしめられ、好ましくは95℃
の温度下において、3000センチポイズ未満、特に2
00〜1000センチポイズ程度の粘度を与える組成物
とされることとなる。前記のような組成物は、適当な溶
媒に溶解若しくは分散せしめられて塗工液とされ、或い
は加熱混合により塗工液となして、目的とするフィルム
状リボン基材11上に、公知の手法に従って塗工或いは
ホットメルト塗工せしめられることとなる。
【0022】一方、前記インク層12上に形成されるト
ップコート層としての転写性調整層13は、かかるイン
ク層12よりも、粘度が高く(熱転写条件下において)
且つ感熱接着性、硬度及び凝集力の大きな層として構成
されているところから、かかる転写性調整層13は、感
熱転写時にはその接着力が強くされていることによっ
て、ぬれ性の悪い表面への感熱転写性が向上され、そし
て、凝集力、粘度及び硬度が大きくされているために、
潰れ、広がり等の転写不良が効果的に改善され、また、
印字装置のヘッドによるインクの掻き寄せも良好に防止
せしめる働きを有しているのである。
【0023】また、感式転写材の基本シートの背後から
圧力を加えて、乾式転写により作成したインクの像(印
字像)を被転写物に転写せしめる感圧再転写時には、か
かる転写性調整層13は、凝集力及び硬度が大きくされ
ているために、基本シートから、残留インクなく一体と
なって、所定のインク像を転写させることを可能ならし
め、そして、転写したインクも広がり、潰れのない美麗
な像を得ることを可能としているのであり、また、同時
に印字像を保護して強固なものとしているのである。
【0024】そして、かくの如き転写性調整層13は、
膜形成性が大きく、感熱接着性の大きな樹脂、例えばエ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アイオ
ノマー、アクリル系重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアミ
ド、エチルセルロース、ポリオレフィン等の一種或いは
二種以上と、凝集力が大きく、粘着附与性の樹脂、例え
ば石油樹脂、ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、ケ
トン樹脂、フェノール樹脂等の一種或いは二種以上の混
合物とから主として構成されるものである。
【0025】なお、かくの如き感熱接着性の樹脂と粘着
附与性の樹脂とは、前者の10重量部に対して後者の5
〜100重量部、好ましくは8〜70重量部の割合にお
いて混合せしめられる。
【0026】また、かかる転写性調整層13を構成する
前記膜形成性の大きい感熱接着性の樹脂は、インク層1
2と非相溶か、相溶しても混じり難いものであって、イ
ンク層12の上に感熱接着性の大きな膜を形成するもの
であり、粘着附与性の樹脂は、前記膜形成性の大きな樹
脂とインク層12との接着性を良好にして、凝集力、硬
度、粘着性を増し、感熱転写性を調節するために加えら
れるものである。
【0027】そして、かかる膜形成性の大きな感熱接着
性の樹脂及び粘着附与性の樹脂とからなる組成物は、水
溶液若しくは水分散液の形態において、或いはインク層
12を侵さないような汎用の有機溶剤の溶液乃至は分散
液の形態において、通常の塗工手法に従って、インク層
12の上に所定厚さで塗工せしめられるものであるが、
そのようにして形成される転写性調整層13は、感熱転
写条件下においてインク層12よりも粘度が高くされ、
一般に、95℃の温度下において3000センチポイズ
以上、好ましくは10000センチポイズ以上の粘度を
有する層とされるのである。
【0028】また、このようにして形成される転写性調
整層13には、その膜強度を調節し、切れの良いシャー
プな印字像を得るためや、汚れやブロッキング防止のた
めに、カオリン、タルク、ベントナイト、酸化チタン等
の充填剤や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニ
ウム等の金属石鹸の如き有機若しくは無機の粉末を、2
0重量%を越えない割合において配合せしめ、転写性調
整層13内に存在せしめることも可能である。更に、感
圧再転写性の微調整やその経時安定性の向上、保存性、
走行性安定のため、シリコーン化合物やフッ素化合物等
を添加してもよい。
【0029】そして、前記のインク層12及び転写性調
整層13のどちらか一方もしくは両方に添加される抗菌
剤15としては、銀、銅、亜鉛、キトーサン、トロポロ
ン(ヒノキチオール)、ベンザルコニウムクロライド
(ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド)、シリコン第四アンモニウム塩、抗菌性イオン
(銀、銅、亜鉛)をゼオライト等の構造内に取り組んだ
もの等が挙げられる。これらの抗菌剤を、0.1〜10
重量%程度添加すると、抗菌効果が現れるのである。添
加量が0.1重量%以下であると少量過ぎるため抗菌効
果を期待することが出来ず、逆に10重量%以上である
と、添加量が多すぎて凝集力が弱まるため、形成する文
字像が脆いものとなってしまうのである。
【0030】そして、このようにして得られたインクリ
ボン10を用いて、それをヘッド発熱体形状、ヘッド発
熱***置、ヘッド取付け角度、ヘッド押え圧力、巻取り
トルク、ヘッド印加エネルギー、印字スピード等を調節
した熱転写型プリンタ等の印字装置にセットして、印
字、感熱転写せしめることにより、目的とする乾式転写
材が有利に製造されることとなるのである。
【0031】即ち、このようなインクリボン10を用い
ることにより、ぬれ性の悪い表面を有するフィルム(基
本シート)上へ、所望の文字や図形等の転写像を感熱印
字しても、広がり、潰れ、濃淡、ヘッドによる掻き寄
せ、糸引き、柚子肌、転写不足等の問題を何等惹起する
ことなく、良好な印字像を実現することが出来るように
なるのである。
【0032】また、このようにして印字された像を、フ
ィルム(基本シート)の裏側から圧力を加えて、目的と
する紙、プラスチックス、金属等の被転写物上に感圧再
転写せしめても、かかるフィルム上には残留インクはな
く、更に転写した像も、潰れ、広がり、脆さのない、強
固に接着した良好な像と為すことが出来、更にこの感圧
再転写性は、経時と共に変化せず安定と為すことが出来
るのである。
【0033】そして、このようなインクリボン10を、
55℃の状態下で24時間保存した場合であっても、ブ
ロッキング、巻き乱れ等の問題は全く起こらず、リボン
走行性に関しても、リボン蛇行、スリップ等の問題は全
く無く、リボンの最後まで印字、熱転写することが出来
るような、優れた保存性を有することが出来るのであ
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。本発明が、そのような記載によって
何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもな
いところである。
【0035】また、本発明には、以下の実施例の他に
も、更には前記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々
なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、
理解されるべきである。
【0036】実施例1 抗菌剤15を含んだインク層12及び転写性調整層13
を形成するために、下記の如き組成のインク層12形成
用塗工液及び転写性調整層13形成用塗工液をそれぞれ
調製した。
【0037】尚、インク層12形成用塗工液の粘度は、
400〜800センチポイズ(95℃)であり、転写性
調整層13形成用塗工液の粘度は、5万〜7万センチポ
イズ(95℃)であった。また、抗菌剤15として使用
した品川燃料株式会社製の抗菌性ゼオミックは、抗菌性
イオンを多孔質の物質であるゼオライトの構造内に取り
込んだものである。
【0038】 インク層12形成用塗工液 重量部 α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体 7 [三菱化成工業株式会社製 ダイヤカルナ30] キャンデリラワックス 5 [中京油脂株式会社製 キャンデリラロウ2698] ロジンエステル 2 [荒川化学工業株式会社製 スーパーエステルA−100] エチレン−酢酸ビニル共重合体 3 [三井デュポンポリケミカル株式会社製 EVAFLEX−210] 抗菌剤15 1 [品川燃料株式会社製 抗菌性ゼオミック] トルエン 82 転写性調整層13形成用塗工液 アイオノマー 22 [三井石油化学工業株式会社製 ケミパールSA−100] 水添ロジン 12 [荒川化学工業株式会社製 SE−50] 抗菌剤15 1 [品川燃料株式会社製 抗菌性ゼオミック] 水 45 そして、フィルム状リボン基材11として4.5μmの
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用
い、かかるフィルム上に、前記インク層12形成用塗工
液を乾燥膜厚:3〜4μmとなるように塗工し、90℃
で乾燥することにより、インク層12を形成せしめた
後、その上に前記転写性調整層13形成用塗工液を塗工
し、100℃で乾燥せしめることにより、目的とする乾
式転写材製造用インクリボン10を得た。
【0039】次いで、かくして得られたインクリボン1
0を用いて、それを、調節された感熱転写型の印字装置
(ブラザー工業株式会社製P−touch)にセットせ
しめ、シリコーン樹脂を塗工したポリエチレンフィルム
(厚さ100μm)上に、10℃〜35℃で印字したと
ころ、充分に美麗な且つ良好な品質の青色の印字像を得
ることが出来た。そのような印字された前記ポリエチレ
ンフィルムを、その裏側から擦り、圧力を加えることに
より、かかる印字像を紙、プラスチック、あるいは金属
の所望の位置へ感圧再転写せしめたところ、良好な品質
の青色の印字像を得ることが出来た。
【0040】次に、出来上がった再転写像に、黒コウジ
カビを接種し、48時間、常温で放置しておいたとこ
ろ、目視判断において、黒コウジカビは完全に消滅し
た。これは、インク像表面に露出した抗菌剤15の抗菌
性により、黒コウジカビの生育が阻害されたためと考え
られる。
【0041】比較例1 抗菌剤15を含まないインク層12及び転写性調整層1
3を形成するために、下記の如き組成のインク層12形
成用塗工液及び転写性調整層13形成用塗工液をそれぞ
れ調製して、実施例1と同様にして、インクリボン10
を製造した。
【0042】尚、下記組成のインク層12の粘度は、4
00〜800センチポイズ(95℃)であり、同様に下
記組成の転写性調整層13の粘度は、5万〜7万センチ
ポイズ(95℃)であった。
【0043】 インク層12形成用塗工液 重量部 α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体 7 [三菱化成工業株式会社製 ダイヤカルナ30] キャンデリラワックス 5 [中京油脂株式会社製 キャンデリラロウ2698] ロジンエステル 2 [荒川化学工業株式会社製 スーパーエステルA−100] エチレン−酢酸ビニル共重合体 3 [三井デュポンポリケミカル株式会社製 EVAFLEX−210] トルエン 83 転写性調整層13形成用塗工液 アイオノマー 22 [三井石油化学工業株式会社製 ケミパールSA−100] 水添ロジン 12 [荒川化学工業株式会社製 SE−50] 水 46 そして、次に、実施例1と同様に印字試験及び感圧再転
写試験を行った。
【0044】その結果、充分に美麗な且つ良好な品質の
青色の印字像を得ることができ、そのような印字像を、
所望の被転写物に良好な印字品質の像として感圧再転写
せしめることができた。
【0045】しかし、出来上がった再転写像に、黒コウ
ジカビを接種し、48時間常温で放置しておいたとこ
ろ、目視判断において、黒コウジカビは消滅するどころ
か、若干増加している傾向を示した。
【0046】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項1に記載の乾式転写材製造用インクリボンは、所定
のフィルム状リボン基材の片面に、インク層が形成さ
れ、かかるインク層上に、感熱接着性の樹脂及び粘着附
与性の樹脂を含んで構成された転写性調整層が形成さ
れ、前記インク層及び転写性調整層のどちらか一方もし
くは両方に抗菌剤を添加している。このため、前記乾式
転写材製造用インクリボンは、感熱転写方式にて形成さ
れた文字や図形等の転写像及びその転写像を感圧再転写
した転写像にカビ・細菌が繁殖することがなく、前記そ
れぞれの転写像を常に衛生的且つ清潔に保つことができ
る。
【0047】また、請求項2に記載の乾式転写材製造用
インクリボンは、前記インク層及び転写性調整層のどち
らか一方もしくは両方に、抗菌剤が約0.1乃至10重
量%程度添加されているので、感熱転写方式にて形成さ
れた文字や図形等の転写像及びその転写像を感圧再転写
した転写像にカビ・細菌が繁殖することがなく、前記そ
れぞれの転写像を常に衛生的且つ清潔に保つことができ
る。
【0048】また、請求項3に記載の乾式転写材製造用
インクリボンは、前記インク層及び転写性調整層のどち
らか一方もしくは両方に、抗菌性イオンを多孔質の物質
の構造内に取り込んだ抗菌剤が添加されているので、感
熱転写方式にて形成された文字や図形等の転写像及びそ
の転写像を感圧再転写した転写像にカビ・細菌が繁殖す
ることがなく、前記それぞれの転写像を常に衛生的且つ
清潔に保つことができる。
【0049】また、請求項4に記載の乾式転写材製造用
インクリボンは、前記インク層及び転写性調整層のどち
らか一方もしくは両方に、抗菌性イオンをゼオライトの
構造内に取り込んだ抗菌剤が添加されているので、感熱
転写方式にて形成された文字や図形等の転写像及びその
転写像を感圧再転写した転写像にカビ・細菌が繁殖する
ことがなく、前記それぞれの転写像を常に衛生的且つ清
潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における乾式転写材製造用
インクリボンを示す断面解説図である。
【符号の説明】
10 乾式転写材製造用インクリボン 11 フィルム状リボン基材 12 インク層 13 転写性調整層 15 抗菌剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のフィルム状リボン基材の片面
    に、インク層が形成され、かかるインク層上に、感熱接
    着性の樹脂及び粘着附与性の樹脂を含んで構成された転
    写性調整層が形成され、文字や図形等の転写像を感熱転
    写方式にて中間媒体に転写し、その転写像を最終媒体に
    感圧再転写するために用いられる乾式転写材製造用イン
    クリボンにおいて、 前記インク層及び転写性調整層のどちらか一方もしくは
    両方に抗菌剤を添加したことを特徴とする乾式転写材製
    造用インクリボン。
  2. 【請求項2】 前記抗菌剤は、前記インク層及び転写
    性調整層のどちらか一方もしくは両方に約0.1乃至1
    0重量%程度添加されていることを特徴とする請求項1
    に記載の乾式転写材製造用インクリボン。
  3. 【請求項3】 前記抗菌剤は、抗菌性イオンを多孔質
    の物質の構造内に取り込んだものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の乾式転写材製造用インクリボン。
  4. 【請求項4】 前記多孔質の物質は、ゼオライトであ
    ることを特徴とする請求項3に記載の乾式転写材製造用
    インクリボン。
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