JPH0979338A - 転動疲労強度に優れたトロイダル式無段変速機用転動体材料および転動体 - Google Patents

転動疲労強度に優れたトロイダル式無段変速機用転動体材料および転動体

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JPH0979338A
JPH0979338A JP23571595A JP23571595A JPH0979338A JP H0979338 A JPH0979338 A JP H0979338A JP 23571595 A JP23571595 A JP 23571595A JP 23571595 A JP23571595 A JP 23571595A JP H0979338 A JPH0979338 A JP H0979338A
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Yoshitake Matsushima
島 義 武 松
Toyofumi Hasegawa
豊 文 長谷川
Satoshi Abe
部 聡 安
Noriko Uchiyama
山 典 子 内
Nobuo Kino
野 伸 郎 木
Takashi Matsumoto
本 隆 松
Shunzo Umegaki
垣 俊 造 梅
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Kobe Steel Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Kobe Steel Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/06Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
    • F16H15/32Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
    • F16H15/36Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
    • F16H2015/383Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces with two or more sets of toroid gearings arranged in parallel

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転動疲労強度に優れたトロイダル式無段変速
機用転動体を提供する。 【解決手段】 金属製転動体(入力ディスク5,出力デ
ィスク9,パワーローラー10)を用いたトロイダル式
無段変速機1において、転動体の素材として特定成分の
転動体材料を用い、浸炭窒化処理により、転動面のN量
が重量%で0.2%以上0.6%以下、面接触により転
動体内部に発生する最大剪断応力の発生深さをZstと
したときに深さd≦0.2Zstの位置でC+N量が重
量%で0.9%以上1.3%以下、残留オーステナイト
量が体積%で20%以上40%以下、硬さがHV650
以上、直径1.0μm以下の炭窒化物が面積率で1%以
上であり、深さ0.5Zst≦d≦1.4Zstの位置
でCおよびN量が重量%で0.6%≦C+N≦1.2
%、硬さがHV700以上、深さd=Zstの位置で硬
さがHV760以上であるトロイダル式無段変速機用転
動体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの車両
や回転動力源等において、無段変速機として使用可能な
トロイダル式(転がり式)無段変速機に関し、とくに、
トロイダル式無段変速機を構成する転動体および転動体
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両において使用される変
速機としては、歯車列における噛み合わせ状態を手動や
自動で切り替える有段変速機が多く用いられているが、
無段変速機を採用する試みもなされている。
【0003】この無段変速機は、連続的に変速するた
め、燃費が向上すること、変速ショックが無いこと等の
特徴をもっているが、その構造によって、ベルト式とト
ロイダル式の2つに大別される。
【0004】その中で、トロイダル式(転がり式)の無
段変速機は、図1に示すように、潤滑油を介して接触す
る金属製転動体を用いた構造を有するものであって、こ
のトロイダル式無段変速機1は、入力軸2に接続したロ
ーディングカム3および連結軸4を介して一体で回転す
る入力ディスク5,5を備えていると共に、歯車6,7
を介して出力軸8を回転させる出力ディスク9,9をそ
なえ、入力ディスク5,5と出力ディスク9,9との間
にパワーローラー10,10,10,10を設け、各パ
ワーローラー10はボールベアリング11を介して各々
支持体12により支持された構造を有するものである。
【0005】そして、このトロイダル式無段変速機1で
は、入力ディスク5と出力ディスク9との間で挟まれた
パワーローラー10の傾きを変化させ、入出力ディスク
5,9の相対回転速度を変えて変速しつつ、入力軸2か
ら出力軸8へと動力を伝達する仕組みになっている(特
開平1−229158号公報など)。
【0006】そのため、このような金属製転動体よりな
る入力ディスク5,出力ディスク9およびパワーローラ
ー10は、エンジントルクの入力によって、転動面にお
いては面圧入力を受けることとなるので、面疲労強度
(転動疲労強度)に優れていることが要求され、高い表
面硬度と深い硬化層深さを有していることが必要となる
(例えば、特開平7−71555号等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のトロイダル式無段変速機1の金属製転動体
(5,9,10)においては、トルクを伝達するために
入力ディスク5にローディングカム3にて荷重をかけ、
転動面に高い面圧を負荷する必要があるため、転動体内
部に高い剪断応力が発生し、最大剪断応力の発生深さ付
近を起点とする亀裂が生成され、ピッティング剥離に至
る故障が生じることがあった。また、剥離に至らない場
合でも、内部の塑性変形に伴い転動面が陥没し、変速性
能が損なわれることがあった。
【0008】さらに、使用中のトロイダル式無段変速機
1の潤滑油中には、種々の摺動部品から生じる夾雑物が
あり、このような夾雑物が転動面に噛み込むと圧痕が出
来、その周囲に形成される応力集中により、表面起点の
亀裂が発生し、ピッティング剥離に至ることがあった。
【0009】そして、パワーローラー10の背面は、ボ
ールベアリング11を介して各々支持体12により支持
されているが、入力ディスク5に荷重が負荷される際
に、やはり高い面圧が発生するため、夾雑物を噛み込む
と表面起点の亀裂および剥離が発生することがあった。
【0010】したがって、このような内部起点の亀裂お
よび剥離が生じがたく、また、表面起点の亀裂および剥
離が発生しがたいものとすることが課題であった。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記の課題にかんがみてなさ
れたものであって、耐ピッティング性および転動疲労強
度に優れ、長寿命のものとすることが可能であるトロイ
ダル式無段変速機用転動体材料および転動体を提供する
ことを目的としているものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係わるトロイダル式無段変速機用転動
体材料の構成は、以下の通りである。
【0013】すなわち、重量%で、C:0.1〜0.6
%、Si:0.05〜1.5%、Mn:0.2〜2.0
%、V:0.03〜1.0%、P:0.02%以下、A
l:0.005〜0.10%、Ti:0.005%以
下、N:0.004〜0.03%、O:0.002%以
下、場合によってはさらに他の成分として、Ni:0.
20〜5.0%,Cr:0.20〜5.0%,Mo:
0.05〜1.0%,W:0.03〜2.0%,Nb:
0.01〜0.10%よりなる群から選択される1種ま
たは2種以上の元素を含有し、同じく場合によっては他
の成分として、S:0.03超〜0.10%,Pb:
0.01〜0.30%,Te:0.005〜0.10
%,Se:0.005〜0.10%,Ca:0.000
5〜0.010%,Zr:0.005〜0.10%より
なる群から選択される1種または2種以上の元素を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、 Veq=(V)+1.2(Si)−1.1(Mn)+
0.1(Ni)+0.3(Cr)+0.4(Mo)+
0.2(W) において、Veq≧0.2であり、かつ、 R*=−(Si)+1.5(Mn)+0.5(Ni)+
1.5(Cr)+(Mo)−0.5(V)−0.2
(W) において、0≦R*≦4.5であり、浸炭窒化処理をし
て鋼材の炭素量:C、窒素量:Nの和であるC+N量を
転動体内部に発生する最大剪断応力の発生深さをZst
としたときに深さd≦0.2Zstの位置において0.
9〜1.3%としたときに残留オーステナイト量が20
〜40体積%になるトロイダル式無段変速機用転動体材
料の構成としたことを特徴としている。
【0014】また、上記課題を解決することのできた本
発明に係わるトロイダル式無段変速機用転動体の構成
は、以下の通りである。
【0015】すなわち、潤滑油を介して接触する複数個
の金属製転動体を用いたトロイダル式無段変速機におい
て、前記転動体の素材として上記トロイダル式無段変速
機用転動体材料を用い、浸炭窒化処理により、転動面に
おけるN量が重量%で0.2%以上0.6%以下、面接
触により転動体内部に発生する最大剪断応力の発生深さ
をZstとしたときに深さd≦0.2Zstの位置にお
いてC+N量が重量%で0.9%以上1.3%以下、残
留オーステナイト量が体積%で20%以上40%以下、
硬さがHV650以上、直径(粒径)1.0μm以下の
炭窒化物が面積率で1%以上であり、かつ、深さ0.5
Zst≦d≦1.4Zstの位置においてCおよびN量
が重量%で0.6%≦C+N≦1.2%、硬さがHV7
00以上、深さd=Zstの位置における硬さがHV7
60以上であるトロイダル式無段変速機用転動体の構成
としたことを特徴としている。
【0016】
【発明の作用】本発明に係わるトロイダル式無段変速機
用転動体材料の成分組成(重量%)の限定理由について
各成分の作用と共に説明する。
【0017】C:0.1〜0.6% Cは浸炭窒化処理した部品に所要の芯部硬さを与えるた
めに欠くことの出来ない元素であり、0.1%以上の添
加が必要である。しかし、0.6%を超えると、被削性
が低下するとともに靭性の劣化を招くので、0.6%を
上限とした。
【0018】Si:0.05〜1.5% 部品の転動疲労強度を向上するためには、使用時の摩
擦、あるいは変形による発熱で部品が軟化しにくくする
ことが必要である。Siは部品の軟化抵抗性を上げる効
果が大きく、このためには欠くことが出来ない元素であ
り、0.05%以上の添加が必要である。しかし、1.
5%を超えると炭窒化処理時のCの侵入を妨げたり、加
工性を悪くしたりするので、上限を1.5%にした。
【0019】Mn:0.2〜2.0% Mnは鋼材の溶製時において脱酸を目的として添加す
る。しかし、0.2%未満では脱酸が不十分となり、鋼
材の内部品質を劣化させる。また、浸炭層部の焼き入れ
性が確保できず、硬化層深さが浅くなり、強度の低下を
まねくので、0.2%以上とした。
【0020】一方、2.0%を超えると素材硬さの上昇
をもたらし、被削性を劣化させるので、上限を2.0%
にした。
【0021】V:0.03〜1.0% Vは浸炭窒化処理で微細な炭窒化物を表面硬化処理層に
析出し、硬度の上昇、転動疲労強度の向上に有効であ
り、その硬化を確保するために0.03%以上の添加と
した。しかし、1.0%を超えると焼き入れ時に芯部で
フェライトが多く生成し、芯部硬さが低下し、静的強
度、疲労強度が低下するので、1.0%以下とした。
【0022】P:0.02%以下 Pは粒界強度を劣化させ、磁性を阻害するので、0.0
2%を上限とした。
【0023】Al:0.005〜0.10% Alは鋼材の溶製時において脱酸を目的として添加す
る。また、浸炭窒化処理の加熱時にオーステナイト結晶
粒の成長を抑制する元素であり、0.005%未満では
効果が得られない。また、0.10%を超えて添加して
も結晶粒成長を抑制する効果が飽和するとともに、過剰
の添加により硬質の非金属介在物を多数生成して転動疲
労寿命を低下させるので、0.10%を上限とした。
【0024】Ti:0.005%以下 Tiは硬質の介在物を生成し、転動疲労寿命に悪影響を
与えるので、0.005%を上限とした。
【0025】N:0.004〜0.03% NはAlNを生成してオーステナイト結晶粒を微細化
し、転動疲労寿命を向上させる。しかし、0.004%
未満ではその効果は期待できず、0.03%超過では鋳
造や熱間圧延時の割れ不良の原因となるので、上限は
0.03%にした。
【0026】O:0.002%以下 O量が多いとAlやSiO等の酸化物系介在物
が多く生成し、疲労強度、特に転動疲労寿命に悪影響を
及ぼすので、上限を0.002%にした。
【0027】Ni:0.20〜5.0% Niは焼き入れ性、靭性の向上に有効であるので場合に
よっては添加する。しかし、添加するとしても0.20
%未満ではその効果は期待できず、また、5.0%を超
えると加工性が悪くなるので、5.0%を上限とした。
【0028】Cr:0.20〜5.0% Crは焼き入れ性、浸炭窒化性の向上に有効である。ま
た、炭窒化物を形成して軟化抵抗の向上に寄与するので
場合によっては添加する。しかし、添加するとしても
0.20%未満ではその効果は期待できず、また、5.
0%を超えると加工性が悪くなるので、5.0%を上限
とした。
【0029】Mo:0.05〜1.0% Moは焼き入れ性の向上に有効であるとともに、炭窒化
物の形成で軟化抵抗の向上に寄与するので場合によって
は添加する。しかし、添加するとしても0.05%未満
ではその効果は期待できず、また、1.0%を超えて添
加すると加工性が劣化するので、1.0%を上限とし
た。
【0030】W:0.03〜2.0% Wは炭化物を生成し、表面硬さおよび軟化抵抗性を上げ
るのに効果がある。また、芯部硬さを上げる効果もある
ので場合によっては添加する。しかし、添加するとして
も0.03%未満ではその効果は期待できず、2.0%
超過では素材硬さが高くなり、鍛造性、被削性に悪影響
を及ぼすので、上限を2.0%と規定した。
【0031】Nb:0.01〜0.10% Nbは鋼中のCやNと結合して炭窒化物を生成し結晶粒
を微細化させて靭性を増大させるのに有効な元素である
ので場合によっては添加する。しかし、添加するとして
も0.01%未満ではその効果は期待できず、0.10
%を超えて添加しても効果が飽和するので、0.10%
を上限とした。
【0032】S:0.03超〜0.10% Sは被削性を向上する元素であるので、場合によっては
添加する。そして、このような効果を得るには0.03
%超過の添加とすることが必要であるが、多すぎるとM
nS組成の非金属介在物量が増加して転動寿命に悪影響
を及ぼすので、0.10%を上限とした。
【0033】Pb:0.01〜0.30% Te,S
e:0.005〜0.10% Pbは被削性向上元素であるので場合によっては添加す
る。そして、被削性を向上させるためには0.01%以
上添加する必要がある。ただし、0.30%を超えて添
加すると転動疲労寿命が低下するため、0.30%を上
限とした。
【0034】Te,Seも被削性向上元素であるので場
合によっては添加する。そして、被削性を向上させるた
めには0.005%以上添加する必要がある。ただし、
0.10%を超えて添加すると転動疲労寿命が低下する
ため、0.10%を上限とした。
【0035】Ca:0.0005〜0.010%,Z
r:0.005〜0.10% CaはAlの周囲にCaOとして生成し、熱間圧
延時にMnSの変形を抑制して、MnSの粒状化に寄与
することによって、転動疲労寿命を低下させずに被削性
を向上させるので場合によっては添加する。しかし、そ
の効果は0.005%未満では期待できず、0.010
%超過では効果が飽和する。また、Zrも熱間圧延時に
MnSの変形を抑制してMnSの粒状化に寄与すること
によって、転動疲労寿命を低下させずに被削性の向上を
図ることができるので場合によっては添加する。しか
し、その効果は0.005%未満では期待できず、0.
10%超過ではZrO等の非金属介在物が多く生成
し、転動疲労寿命を低下させるので上限を0.10%と
した。
【0036】Veq:0.2以上 部品の転動疲労寿命を向上するためには、使用時の摩
擦、あるいは変形による発熱で部品が軟化しにくいよう
にすることが必要である。そこで、それぞれの元素が軟
化抵抗に及ぼす効果を把握し、 Veq=(V)+1.2(Si)−1.1(Mn)+
0.1(Ni)+0.3(Cr)+0.4(Mo)+
0.2(W) において、Veq≧2とすることにより、転動疲労寿命
の大幅な向上が達成し得ることを見いだした。
【0037】R*:0以上4.5以下 表層に適正量の残留オーステナイト(γR)を生成する
ことにより転動疲労寿命を向上し得る。そこで、それぞ
れの元素が残留オーステナイト量に及ぼす影響を明らか
にし、 R*=−(Si)+1.5(Mn)+0.5(Ni)+
1.5(Cr)+(Mo)−0.5(V)−0.2
(W) おいて、0≦R*≦4.5であり、浸炭窒化処理をして
鋼材の炭素量:C、窒素量:Nの和であるC+N量を転
動体内部に発生する最大剪断応力の発生深さをZstと
したときに深さd≦0.2Zstの位置において0.9
〜1.3%としたときに残留オーステナイト量が20〜
40体積%になるようにすることにより、転動疲労寿命
の大幅な向上が達成し得ることを見いだした。
【0038】本発明によるトロイダル式無段変速機用転
動体材料は、上記した成分組成を有するものであり、以
下に、上記した転動体材料よりなる本発明によるトロイ
ダル式無段変速機用転動体の浸炭窒化処理によるCおよ
びN量、残留オーステナイト量、硬さおよび炭窒化物量
を定めた理由を各々の作用と共に順次説明するが、以下
の説明において、Zstは転動面における荷重により転
動体内部に発生する最大剪断応力の発生深さであり、C
およびN量は重量%、残留オーステナイト量は体積%、
炭窒化物量は面積%にて表わす。
【0039】転動面におけるN量:重量%で0.2%以
上0.6%以下 潤滑油中の夾雑物が転動面に噛み込むと、表面に微小な
陥没が生じ、陥没周囲の応力集中部に亀裂が生成する。
この亀裂生成を阻止するためには、応力集中を緩和する
とともに、金属組織を強化する必要がある。応力集中の
緩和には延性に優れる残留オーステナイトが必要である
が、N量が0.2%未満では、その量が不十分で、か
つ、残留オーステナイトに固溶しているN量が不足して
強度不足となるため、容易に亀裂が生成するので、0.
2%以上とした。しかし、N量が0.6%を超えると、
残留オーステナイトが多すぎ、硬度が低下するため、亀
裂生成が容易となる。また、N量が0.6%を超える
と、焼き入れ時にベイナイトが生成され、所望の残留オ
ーステナイト量が得られないこともあるので、0.6%
以下とした。
【0040】深さd≦0.2Zstの位置におけるC+
N量:重量%で0.9%以上1.3%以下 この部分は、潤滑油中の夾雑物が転動面に噛み込み、転
動表面で生成したクラックが伝播しやすい。それを阻止
するためには、転動体の金属組織が十分な靭性を有する
ことが必要であるが、C+N量が0.9%未満では亀裂
の生成および伝播を阻止するのに十分な高い靭性を有す
る残留オーステナイトが得られず、炭窒化物量も少ない
ため、硬度が低下し、塑性変形による転動面の陥没を生
じるので、0.9%以上とした。しかし、C+N量が
1.3%を超えると結晶粒界に網状に炭(窒)化物が生
成し、かえって亀裂の生成および伝播を助長するので、
1.3%以下とした。
【0041】深さd≦0.2Zstの位置における残留
オーステナイト量:体積%で20%以上40%以下 残留オーステナイトは靭性に優れた組織であって、亀裂
先端の応力を緩和し、その伝播を阻止する作用がある。
しかし、この深さの部分においてその量が20%未満で
は、亀裂の伝播を阻止するには不十分であるので、20
%以上とした。一方、その量が40%を超えると、硬度
が低下し大きな陥没が生じるので、40%以下とした。
【0042】深さd≦0.2Zstの位置における硬
さ:ビッカース硬さでHV650以上 この深さの部分における硬さがHV650を下回ると繰
り返し荷重による亀裂の生成および伝播が容易となり、
塑性変形による転動面の陥没の原因となるので、HV6
50以上とした。
【0043】深さd≦0.2Zstの位置における直径
(粒径)1.0μm以下の炭窒化物:面積率で1%以上 炭窒化物の直径(粒径)が1.0μmを超える炭窒化物
は硬度を維持するためには有効であるが、転動疲労過程
で、亀裂の伝播を抑制する効果がない。従って、直径
1.0μm以下の炭窒化物が、亀裂の伝播抑制には必要
となる。しかし、直径1.0μm以下の炭窒化物が面積
率で1%未満では、硬度が低下し、塑性変形による転動
面の陥没とそれにともなう表面亀裂の生成を誘発させる
ので、1%以上とした。
【0044】0.5Zst≦d≦1.4Zstの位置に
おけるCおよびN量:重量%で0.6%≦C+N≦1.
2% この深さの部位は、大きな剪断応力の繰り返しを受ける
ため、内部亀裂の起点となることが多く、また、塑性変
形が生じて転動面が大きく陥没する原因ともなる。そし
て、この部位でC+N量が0.6%未満であると、マル
テンサイトの硬さが低下するとともに、炭窒化物の析出
が少なく、塑性変形が容易に生じ、転動面の大きな陥没
の原因となるので、0.6%以上とした。また、C+N
量が1.2%を超えると、炭窒化物の成長に伴い、その
周囲に不完全焼き入れ組織が形成され、そこを起点とす
る亀裂が生成するので、1.2%以下とした。
【0045】0.5Zst≦d≦1.4Zstの位置に
おける硬さ:ビッカース硬さでHV700以上 この深さ範囲での硬さがHV700未満となると、この
部位の塑性変形に起因する転動面の陥没が大きくなり、
トロイダル式無段変速機用転動体としての変速性能を阻
害するので、硬さはHV700以上とする必要があり、
とくに、d=Zstの位置において硬さがHV760以
上であるようにすることが必要である。
【0046】
【実施例】表1および表2に発明鋼(No.1〜19)
および表3に比較鋼(No.20〜29)の化学成分を
示す。これら供試鋼を小型炉にて溶製し、熱間鍛造後焼
きならし処理を施し、試験片を加工した。試験片形状に
機械加工した後、浸炭窒化処理を行った。そのときの熱
処理条件を図2および表4に示す。そして、表4中N
o.1のH/T熱処理条件でローラーピッチング試験片
を作製した。その後、ローラーピッチング試験を表5に
示す試験条件のもとで行った。それらの試験片の材質調
査結果およびローラーピッチング試験結果を表6,表7
(発明鋼)および表8(比較鋼)に示す。
【0047】No.1〜19は本発明の規定要件をすべ
て充足する実施例であり、直径が1μm以下の微細な析
出物が均一に分散していると共に、適当量の残留オース
テナイト(γR)が生成しており、転動面の高温硬さが
大で硬さの低下が小さいことから軟化抵抗性も高く、ロ
ーラーピッチング試験回数が大であることから転動疲労
強度が高いものとなっている。
【0048】これに対して、No.20〜29は、成分
組成の一部が本発明の規定要件を満たしておらず、転動
疲労強度が低く、本発明の目的を果たすものとはいえな
いものとなっている。
【0049】すなわち、No.20鋼はV無添加のため
化合物の析出が極くわずかであり、軟化抵抗性が弱いも
のとなっており、No.21鋼はSi量が少なく、軟化
抵抗性が低いものとなっており、No.22鋼はMn量
が多すぎるために残留オーステナイト量が多く、軟化抵
抗性が低いものとなっており、No.23鋼はNi量が
多すぎるため残留オーステナイト量が多いものとなって
おり、No.24鋼はCr量が多すぎるため残留オース
テナイト量が多くものとなっており、No.25鋼はM
o量が多すぎるため残留オーステナイト量が多いものと
なっていることが認められた。
【0050】また、No.26鋼はV量が多すぎるため
芯部のフェライトが多く、芯部硬さ不足のため疲労寿命
が短いものとなっており、No.27鋼はSi量が多す
ぎるため芯部のフェライトが多く、芯部硬さ不足のため
疲労寿命が短いものとなっており、No.28鋼はC量
が少なすぎるために芯部硬さが不足して疲労寿命が短い
ものとなっており、No.29鋼は規格鋼であるSCM
420であるが、化合物の析出が少なく軟化抵抗性が低
い等のため疲労寿命が短いものとなっていることが認め
られた。
【0051】そして.No.22〜24鋼はR*値が大
きすぎるものであり、残留オーステナイト量を高める添
加元素であるMn,Ni,Crの添加量が過大なものと
なっているため、残留オーステナイトが多すぎるものと
なっており、また、No.21〜23鋼はVeq値が小
さすぎるものであり、軟化抵抗向上作用の大きいSiの
添加量が少ないため、軟化抵抗性が低いものとなってい
ることが認められた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】次に、材質調査およびローラーピッチング
試験結果で本発明の目的を満足することが確かめられた
鋼No.1〜19の中から4つを選び、図1に示したト
ロイダル式無段変速機1に適用した場合について述べ
る。
【0061】すでに説明したように、図1に示すトロイ
ダル式無段変速機1は、金属製転動体である入力ディス
ク5、出力ディスク9およびパワーローラー10を1組
とし、動力伝達能力により1組ないしは複数組(本実施
例の場合は2組)から構成されている。
【0062】これらの金属製転動体である入力ディスク
5,出力ディスク9およびパワーローラー10におい
て、この実施例では、表1および表2に示した本発明鋼
材のうち、No.1,3,6,8を選択し、それらの鋼
材を部品形状に機械加工を行った後、表4(H/T 2
〜H/T 6)の中から浸炭窒化条件を適宜選択して熱
処理を行い、研磨加工を行って、入出力ディスク5,9
およびパワーローラー10の作製を行った。
【0063】次いで、ディスク5,9およびパワーロー
ラー10の表面および特定深さの位置におけるビッカー
ス硬さ、C量、N量、残留オーステナイト(γR)量、
直径1.0μm以下の炭窒化物の析出量を測定したとこ
ろ、表9〜表13に示す結果であった。なお、表9〜表
13中のZstは、Hertz接触(面接触)により転
動体内部に発生する最大剪断応力の発生深さ(mm)を
示すものである。
【0064】次に、各入力ディスク5,出力ディスク9
およびパワーローラー10に対し、表14に示す条件下
で耐久試験を実施した。この結果を同じく表9〜表13
に示す。
【0065】
【表9】
【0066】
【表10】
【0067】
【表11】
【0068】
【表12】
【0069】
【表13】
【0070】
【表14】
【0071】表9ないし表13に示すように、本発明実
施例1〜10によれば、比較例1〜4のものと比べて剥
離寿命回数が多く、転動疲労特性に優れたものとなって
いると共に、剥離形態がすべて内部となっていて、表面
起点の剥離がなく、かつまた転動面の陥没などの変形も
生じないものとなっていることが確かめられた。
【0072】このように、本発明実施例において確認さ
れたところからもわかるように、 (1)転動体材料の構成成分が本発明で規定する範囲に
ある場合、硬化層でV,Cr,Mo等の炭窒化物を適量
析出したものとすることにより、硬さを増大すると共に
高温での硬さ低下が小さく軟化抵抗性を向上するため、
転動疲労寿命を向上する。
【0073】(2)表面におけるN量が0.2〜0.6
%で、かつ、深さd≦0.2Zstの位置におけるC+
N量が0.9〜1.3%、残留オーステナイト量が20
〜40%の範囲であると、Nの固溶により、微小陥没部
の応力集中を緩和する残留オーステナイトを強化し、表
面からの亀裂の生成を抑制するため、耐ピッチング性を
向上する。
【0074】(3)深さd≦0.2Zstの位置におけ
る直径が1.0μm以下の炭窒化物が面積率で1%以上
で、かつ、硬さがHV650以上であると、繰り返し荷
重による表面からの亀裂の生成および伝播を抑制するた
め、耐ピッチング性を向上する。
【0075】(4)深さ0.5Zst≦d≦1.4Zs
tの位置においてC+N量が0.6%≦C+N≦1.2
%でかつ、硬さがHV700以上、深さd=Zstの位
置において硬さがHV760以上であると、マルテンサ
イト+炭窒化物の析出により、内部の塑性変形による転
動面陥没を抑制し、最大剪断応力の発生深さZst近傍
での剪断応力の繰り返しによる亀裂の発生および伝播を
抑制するため、面疲労強度を向上する。
【0076】など、それぞれ必要とする特性を兼ね備え
ていることから、転動疲労特性が改善され、耐久寿命が
向上した転動体となる。
【0077】さらに、実施例1〜4のように、浸炭拡散
時に少量のNHガスを流すような熱処理法(表4に示
したH/T No.2)であると、Nが深くまで拡散し
ていくため、より高い転動疲労強度を得ることが出来
る。
【0078】さらにまた、実施例1,4,5,7,10
のように、深さd=Zstの位置に置けるC+N量が
0.85〜0.91%であると、その位置でほぼ最高硬
さがHV800以上となり、より高い転動疲労強度を得
ることが出来る。
【0079】これに対して、比較例1,4で示すよう
に、表面のN量が0.6%より多く、かつ、深さd≦
0.2Zstの位置おけるC+N量が1.3%より多
く、残留オーステナイト量が40%より多く、硬さがH
V650未満のものは、表層の強度不足のため、表面起
点の剥離および陥没を生じ、寿命も短くなってしまう。
【0080】さらに、比較例2,3のように、深さ0.
5Zst≦d≦1.4Zstの範囲での硬さがHV70
0以下であると、硬さ不足による臨界剪断強度不足のた
め、Zst近傍で塑性変形を起こし、転動面が陥没し、
短寿命で内部起点の剥離を生じてしまう。
【0081】さらに、比較例3のように、表面のN量が
2.0%未満で、かつ、深さd≦0.2Zstの位置
で、C+N量が0.8%未満、残留オーステナイト量が
20%未満、析出物が面積率が1%未満であると、表層
で、圧痕などによる応力集中を緩和する効果が少なくな
るため、表面起点の剥離を生じやすくなり、著しく短寿
命になる。
【0082】さらに、比較例4のように、深さ0.5Z
st≦d≦1.4Zstの範囲で、C+N量が1.2%
より多いと、残留オーステナイトを生成し、硬さが低下
してしまうため、深さZstでHV750未満となり、
Zst近傍で塑性変形を生じ、転動面が陥没してしま
う。
【0083】以上のことから、本発明によると、面疲労
強度に優れ、かつ転動面の陥没を抑制しうる転動体とな
る。
【0084】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、潤滑油を介して接触する複数個の金属製転動体を用
いたトロイダル式無段変速機用転動体材料において、重
量%で、C:0.1〜0.6%、Si:0.05〜1.
5%、Mn:0.2〜2.0%、V:0.03〜1.0
%、P:0.02%以下、Al:0.005〜0.10
%、Ti:0.005%以下、N:0.004〜0.0
3%、O:0.002%以下、場合によってはさらに他
の成分として、Ni:0.20〜5.0%,Cr:0.
20〜5.0%,Mo:0.05〜1.0%,W:0.
03〜2.0%,Nb:0.01〜0.10%よりなる
群から選択される1種または2種以上の元素を含有し、
同じく場合によっては他の成分として、S:0.03超
〜0.10%,Pb:0.01〜0.30%,Te:
0.005〜0.10%,Se:0.005〜0.10
%,Ca:0.0005〜0.010%,Zr:0.0
05〜0.10%よりなる群から選択される1種または
2種以上の元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不
純物からなり、 Veq=(V)+1.2(Si)−1.1(Mn)+
0.1(Ni)+0.3(Cr)+0.4(Mo)+
0.2(W) において、Veq≧0.2であり、かつ、 R*=−(Si)+1.5(Mn)+0.5(Ni)+
1.5(Cr)+(Mo)−0.5(V)−0.2
(W) において、0≦R*≦4.5であり、浸炭窒化処理をし
て鋼材の炭素量:C、窒素量:Nの和であるC+N量を
深さd≦0.2Zstの位置において0.9〜1.3%
としたときに残留オーステナイト量が20〜40体積%
になる構成としたから、転動疲労強度に優れたトロイダ
ル式無段変速機用転動体材料を提供することが可能であ
るという著しく優れた効果がもたらされる。
【0085】また、本発明によるトロイダル式無段変速
機用転動体は、上記したトロイダル式無段変速機用転動
体材料を用い、浸炭窒化処理により、転動面におけるN
量が重量%で0.2%以上0.6%以下、面接触により
転動体内部に発生する最大剪断応力の発生深さをZst
としたときに深さd≦0.2Zstの位置においてC+
N量が重量%で0.9%以上1.3%以下、残留オース
テナイト量が体積%で20%以上40%以下、硬さがH
V650以上、直径1.0μm以下の炭窒化物が面積率
で1%以上であり、かつ、深さ0.5Zst≦d≦1.
4Zstの位置においてCおよびN量が重量%で0.6
%≦C+N≦1.2%、硬さがHV700以上、深さd
=Zstの位置における硬さがHV760以上である構
成としたから、転動体における硬化層の硬さが大きなも
のになると共に高温での硬さ低下が少なく軟化抵抗性が
向上し、また、耐ピッチング性もを向上し、かつまた陥
没を抑制するため、転動疲労寿命が更に向上したものと
なり、転動面陥没による変速性能の悪化を改善すること
が可能であって、内部および表面起点の亀裂および剥離
が発生しがたい長寿命のトロイダル式無段変速機用転動
体を提供することが可能であるという著しく優れた効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トロイダル式(転がり式)無段変速機の構造を
例示する断面説明図である。
【図2】本発明の実施例において採用した熱処理条件を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 トロイダル式(転がり式)無段変速機 5 入力ディスク(転動体) 9 出力ディスク(転動体) 10 パワーローラー(転動体)
フロントページの続き (72)発明者 安 部 聡 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2 株式会社神 戸製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 内 山 典 子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 木 野 伸 郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 松 本 隆 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 梅 垣 俊 造 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.1〜0.6%、S
    i:0.05〜1.5%、Mn:0.2〜2.0%、
    V:0.03〜1.0%、P:0.02%以下、Al:
    0.005〜0.10%、Ti:0.005%以下、
    N:0.004〜0.03%、O:0.002%以下、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなり、 Veq=(V)+1.2(Si)−1.1(Mn)+
    0.1(Ni)+0.3(Cr)+0.4(Mo)+
    0.2(W) において、Veq≧0.2であり、かつ、 R*=−(Si)+1.5(Mn)+0.5(Ni)+
    1.5(Cr)+(Mo)−0.5(V)−0.2
    (W) において、0≦R*≦4.5であり、浸炭窒化処理をし
    て鋼材の炭素量:C、窒素量:Nの和であるC+N量を
    転動体内部に発生する最大剪断応力の発生深さをZst
    としたときに深さd≦0.2Zstの位置において0.
    9〜1.3%としたときに残留オーステナイト量が20
    〜40体積%になることを特徴とする転動疲労強度に優
    れたトロイダル式無段変速機用転動体材料。
  2. 【請求項2】 さらに他の成分として、Ni:0.20
    〜5.0%,Cr:0.20〜5.0%,Mo:0.0
    5〜1.0%,W:0.03〜2.0%,Nb:0.0
    1〜0.10%よりなる群から選択される1種または2
    種以上の元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
    物からなり、 Veq=(V)+1.2(Si)−1.1(Mn)+
    0.1(Ni)+0.3(Cr)+0.4(Mo)+
    0.2(W) において、Veq≧0.2であり、かつ、 R*=−(Si)+1.5(Mn)+0.5(Ni)+
    1.5(Cr)+(Mo)−0.5(V)−0.2
    (W) において、0≦R*≦4.5であり、浸炭窒化処理をし
    て鋼材の炭素量:C、窒素量:Nの和であるC+N量を
    深さd≦0.2Zstの位置において0.9〜1.3%
    としたときに残留オーステナイト量が20〜40体積%
    になることを特徴とする請求項1に記載の転動疲労強度
    に優れたトロイダル式無段変速機用転動体材料。
  3. 【請求項3】 さらに他の成分として、S:0.03超
    〜0.10%,Pb:0.01〜0.30%,Te:
    0.005〜0.10%,Se:0.005〜0.10
    %,Ca:0.0005〜0.010%,Zr:0.0
    05〜0.10%よりなる群から選択される1種または
    2種以上の元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不
    純物からなり、 Veq=(V)+1.2(Si)−1.1(Mn)+
    0.1(Ni)+0.3(Cr)+0.4(Mo)+
    0.2(W) において、Veq≧0.2であり、かつ、 R*=−(Si)+1.5(Mn)+0.5(Ni)+
    1.5(Cr)+(Mo)−0.5(V)−0.2
    (W) において、0≦R*≦4.5であり、浸炭窒化処理をし
    て鋼材の炭素量:C、窒素量:Nの和であるC+N量を
    深さd≦0.2Zstの位置において0.9〜1.3%
    としたときに残留オーステナイト量が20〜40体積%
    になることを特徴とする請求項1または2に記載の転動
    疲労強度に優れたトロイダル式無段変速機用転動体材
    料。
  4. 【請求項4】 潤滑油を介して接触する複数個の金属製
    転動体を用いたトロイダル式無段変速機において、前記
    転動体の素材として請求項1または2項または3項のト
    ロイダル式無段変速機用転動体材料を用い、浸炭窒化処
    理により、転動面におけるN量が重量%で0.2%以上
    0.6%以下、面接触により転動体内部に発生する最大
    剪断応力の発生深さをZstとしたときに深さd≦0.
    2Zstの位置においてC+N量が重量%で0.9%以
    上1.3%以下、残留オーステナイト量が体積%で20
    %以上40%以下、硬さがHV650以上、直径1.0
    μm以下の炭窒化物が面積率で1%以上であり、かつ、
    深さ0.5Zst≦d≦1.4Zstの位置においてC
    およびN量が重量%で0.6%≦C+N≦1.2%、硬
    さがHV700以上、深さd=Zstの位置における硬
    さがHV760以上であることを特徴とするトロイダル
    式無段変速機用転動体。
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