JP2005042188A - 異物混入環境下での転動疲労寿命に優れた浸炭窒化軸受鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】異物混入環境下においてもSUJ2,SCr420,SCM420に代表される従来鋼に浸炭窒化処理をしたものに較べて更に優れた転動疲労寿命を有する浸炭窒化軸受鋼を提供することを目的とする。
【解決手段】浸炭窒化軸受鋼を重量%でC:0.1〜0.4%,Si:≦1.0%,Mn:1.5超〜3%,P:≦0.03%,S:≦0.03%,Cr:0.3〜2.5%,Al:0.005〜0.050%,Ti:≦0.003%,O:≦0.0015%,N:≦0.025%,残部不可避的不純物及びFeからなる組成を有するものとなし且つ浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20〜50%とする。
【選択図】 なし

Description

この本発明は異物混入潤滑環境下で優れた転動疲労寿命を有する浸炭窒化軸受鋼に関する。
従来、機械構造部品等の軸受鋼としてJIS SUJ2,SCr420,SCM420等に代表される軸受鋼が用いられてきた。
しかしながら通常の軸受使用環境では長寿命を示すものでも、異物混入潤滑環境下では極端に寿命低下を生じることが知られている。
代表的な例として、自動車のトランスミッションやデファレンシャルに用いられる軸受においてバリ,摩耗粉などの異物が潤滑油中に混入する。このためそのような個所に用いられる軸受の長寿命化には、異物混入環境下での使用に適した耐異物軸受鋼の開発が求められていた。
異物混入環境下では、混入異物による圧痕を起点とした表面起点型剥離が転動疲労寿命を支配する。
そこで寿命改善のためには圧痕の生成抑制、圧痕部の応力集中の低減、亀裂発生抵抗の向上等が効果があると考えられる。
そこでSUJ2鋼に浸炭窒化処理を施し、表面硬さ及び破壊抵抗を向上するとともに、表面残留オーステナイト量を増加し、圧痕による応力集中を緩和する方法がとられている。
しかしSUJ2,SCr420,SCM420鋼に浸炭窒化処理を施しても、異物混入環境下での転動疲労寿命はたかだか2〜3倍程度の向上に止まる。
近年軸受の使用環境はますます厳しくなってきており、そのような中で軸受のより一層の長寿命化が求められている。
異物混入環境下での転動疲労寿命を高めることを目的としたものとして、下記特許文献1に開示のものが従来公知である。
しかしながらこの特許文献1に開示のものは、高温環境下で使用される耐熱浸炭転がり軸受部品に関するもので、高温で使用される軸受にあっては高温焼戻しする必要があることから、そのような高温焼戻しをしても硬さが大幅に低下せず、また寸法安定性を確保できるようにしたものであって、本願発明とはその目的とするところが異なった別異のものである。
特開2002−60847号公報
本発明はこのような事情を背景とし、異物混入環境下においてもSUJ2,SCr420,SCM420に代表される従来鋼に浸炭窒化処理をしたものに較べて更に優れた転動疲労寿命を有する浸炭窒化軸受鋼を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、重量%で、C:0.1〜0.4%,Si:≦1.0%,Mn:1.5超〜3%,P:≦0.03%,S:≦0.03%,Cr:0.3〜2.5%,Al:0.005〜0.050%,Ti:≦0.003%,O:≦0.0015%,N:≦0.025%,残部不可避的不純物及びFeからなる組成を有し、浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20〜50%であることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1に規定する合金成分に加え、更にNi,Moの何れか1種若しくは2種を重量%で、Ni:0.25〜3.5%,Mo:0.03〜2.5%で含有する組成を有し、残部不可避的不純物及びFeからなる組成を有し、浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20〜50%であることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかに規定する合金成分に加え、更にVを重量%で、V:0.05〜1.0%で含有する組成を有し、残部不可避的不純物及びFeからなる組成を有し、浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20〜50%であることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかに規定する合金成分に加え、更にNbを重量%で、Nb:≦0.1%で含有し、残部不可避的不純物及びFeからなる組成を有し、浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20〜50%であることを特徴とする。
発明の作用・効果
かかる本発明は、SCr420鋼に代表される浸炭鋼をベースとして種々の合金元素の組合せについて検討した結果、適正な範囲でのMnの添加がMs点を下げて表面残留オーステナイト量を増加させる効果を有すること、またMnはそれ以外に単独で次の効果、即ちマトリックスの靭性を高め、切欠感受性を低減することにより異物混入環境下で生成する圧痕からの亀裂発生を抑制する働きをなすこと、更に浸炭窒化処理後若しくはその後の2次焼入れ焼戻し後において表面残留オーステナイト量を20〜50%としておくこと等の組合せによって、異物混入環境下での転動寿命が効果的に改善される知見を得、完成されたものである。
このような本発明によれば、従来に増して異物混入環境下で優れた転動疲労寿命を有する浸炭窒化軸受鋼を提供することができる。
本発明においては、上記に規定する合金成分に加え、必要に応じてNi,Moの1種若しくは2種をNi:0.25〜3.5%,Mo:0.03〜2.5%の範囲で含有させることができ(請求項2)、またVをV:0.05〜1.0%の範囲で(請求項3)、更にNbをNb:≦0.01%の範囲でそれぞれ含有させることができる(請求項4)。
これらによって、浸炭窒化軸受鋼の異物混入環境下での転動疲労寿命をより一層向上させることができる。
次に本発明における各合金成分の限定理由を以下に詳述する。
C:0.1〜0.4%
Cは浸炭窒化処理後の芯部硬さに影響する。転がり軸受として必要な強度を得るために必要な芯部硬さを確保する上で、Cの含有量を0.1%以上にする必要がある。
但し、Cの含有量が0.4%を超えると靭性や熱間加工性ならびに被削性が低下するので、Cの含有量の上限値を0.4%とする。
Si:≦1.0%
Siは鋼溶製時に脱酸作用を有するとともに、焼戻し軟化抵抗を向上させるので、それらのために含有する元素であるが、多くなると効果が飽和するとともに、鋼の変態点を上昇させるために熱処理温度を高くする必要が生じ、また鍛造性や被削性を低下させるのでその含有量の上限を1.0%とする。
Mn:1.5超〜3%
Mnは本発明にとって重要な成分であって、鋼のマルテンサイト変態の開始温度(Ms点)を下げ、焼入れ時の残留オーステナイトを増加し、また鋼の熱間加工性を高めるので、それらのために含有させる元素である。
Mnはまたマトリックスの靭性を高め、切欠感受性を低減することにより異物混入環境下で生成する圧痕からの亀裂発生を抑制し、転動疲労寿命を向上させる働きがある。
それらの作用効果を得るためには1.5%超含有させる必要があるが、多くなりすぎると素材の軟化焼鈍しが困難になるとともに、被削性も低下させるので、その含有量の上限を3%とする。
P:≦0.03%
Pは鋼のオーステナイト粒界に偏析し、靭性や転動疲労寿命の低下を招くので0.03%以下とする必要がある。
S:≦0.03%
Sは鋼の熱間加工性を害し、鋼中で非金属介在物を形成して靭性や転動疲労寿命を低下させるので、その含有量を0.03%以下とする。
尚Sは前記のような有害な面をもつ反面、切削加工性を向上させる効果も有しているので、少なくすることが望ましいものの0.03%以下の範囲内で積極的に添加することもある。
Cr:0.3〜2.5%
Crは焼入れ性の改善や焼戻し軟化抵抗の向上、寿命改善の効果を有する。これらの効果を得るためには0.3%以上が必要である。しかし2.5%を超えて添加すると、大型の炭化物が生成して転動疲労寿命を低下させてしまう。
Al:0.005〜0.050%
0.050%を超えてAlが多量に含有されると、硬質の酸化物系介在物を生成して顕著な転動疲労寿命の低下が生じる。なおAlはこのような問題点を有するものの、AlNを形成して結晶粒を微細化する効果もあるので、鋼の製造コストの上昇を招かない0.005%以上の範囲で含有させる。
Ti:≦0.003%
Tiは窒化物を形成して非金属介在物となり、転動疲労破壊の起点となる可能性があるので、その含有量を0.003%以下に規制する。
O:≦0.0015%
Oは鋼中に酸化物を形成し、非金属介在物として転動疲労破壊の起点となる可能性があり、転動疲労寿命の低下を招くので、その含有量を0.0015%以下とする。
N:≦0.025%
NはAlと結合してAlNを形成し、結晶粒を微細化させる効果を有している。しかし多量に含有させると却って鋼の強度を劣化させるので、Nの含有量の上限値を0.025%とする。
Ni:0.25〜3.5%
Niは焼入れ時の残留オーステナイト量を増加させるとともに焼入れ性を向上し、転動疲労過程での白色組織や炭化物組織の生成を抑制して軸受の寿命を長くするので、それらのために含有させる。その作用効果を得るためには0.25%以上含有させる必要があるが、多くなると効果が飽和するとともにコスト面で不利になるので含有量の上限値を3.5%とする。
Mo:0.03〜2.5%
Moは焼入れ時の残留オーステナイト量を増加させるとともに焼入れ性を向上させるので、それらのために含有させる。その作用効果を得るためには0.03%以上含有させる必要があるが、多くなると効果が飽和するとともにコスト面で不利になるので含有量の上限を2.5%とする。
V:0.05〜1.0%
Vは炭化物を形成して軸受の耐磨耗性を向上させる働きがある。その作用効果を得るためには0.05%以上含有させる必要があるが、多くなり過ぎると巨大炭化物を生成して強度を低下させるので、その含有量の上限値を1.0%とする。
Nb:≦0.1%
Nbは結晶粒の微細化に寄与する元素であるが、含有量が多過ぎると結晶粒微細化効果が小さくなるため、0.1%以下の範囲で含有させる。
浸炭窒化処理後若しくは2次焼入れ後の表面硬さ:58HRC以上
軸受は、使用環境下での寸法を安定させるために使用環境温度以上の温度で焼戻し処理を施すのが一般的である。更に、異物混入下では異物の硬さより高い表面硬さを有することが転動寿命の向上に有効である。
また硬さが58HRC未満になると転動寿命が急激に低下する傾向があり、転動寿命のバラツキも大きくなる。そこで本発明では焼入れ焼戻し処理後の表面硬さを58HRC以上とする。
表面残留オーステナイト量:20〜50%
表面残留オーステナイトは、異物混入環境下での転動疲労において靭性に優れているとともに、軸受として使用中にマルテンサイト変態し、その変態により高い加工硬化を生じることのみならず、表面残留オーステナイトが柔らかいために、異物によって生じる圧痕形状が繰返し負荷により変化するので、応力の集中を緩和する作用があり、疲労寿命を向上する効果がある。
因みに図1は横軸に表面残留オーステナイト量を、縦軸にL10をとってそれらの関係を表したもので、この図1から明らかなように、表面残留オーステナイト量20〜50%の範囲でL10が良好な値を示している。
尚ここでL10は寿命を表す指標であって、累積破損確率が10%となる破損繰返し回数である。
上記の作用効果を得るためには、図1に示すように20%以上の表面残留オーステナイト量が必要である。しかし多過ぎると所定の焼入れ焼戻し硬さが得られないことにより、逆に疲労寿命が低下し、また軸受使用中に表面残留オーステナイトが分解することによる寸法変化も大きくなるので、その上限を50%とする。
次に本発明の実施形態を以下に詳しく説明する。
表1に示す化学組成の軸受鋼を溶製し、熱間圧延鋼材を試験用の素材とした。
この素材から試験部直径63mmのスラスト型転動疲労試験片(図5中10)を削り出し、図2に示す条件(カーボンポテンシャルCP:0.8%)で浸炭処理を行った後、図3に示す条件で浸炭窒化処理を施した。
尚この浸炭窒化処理ではCP:1.1%,NH:5%の条件で処理を行った。
Figure 2005042188
この後、機械加工およびラッピング加工によって表面研磨を行い転動疲労試験に供した。
また一部試験片については同様に浸炭窒化処理した後、図4に示す条件で2次焼入れ焼戻し処理を行い、この後機械加工及びラッピング加工によって表面研磨を行い、転動疲労試験に供した。
なお、ここでは浸炭窒化処理を浸炭処理と浸炭窒化処理とに分けて行ったが、処理温度の適正化によって1回の処理で浸炭と浸炭窒化(つまり浸炭窒化処理)を行うことも可能である。
同試験片のラッピング面をロックウェル硬さ計を用いて、5点平均でHRC表面硬さを測定した。
また、同ラッピング面より5mm角で厚さ1mmの試料をミクロカッターで切り出し、X線回析により表層の表面残留オーステナイト量を測定した。
転動疲労試験は、表2に示す条件で行った。具体的には異物として硬さ約750Hv,粒度100〜180μmに分級した高速度鋼ガスアトマイズ粉12を用いた。
またスラスト試験機14(図5参照)のハウジング16は内面に湾曲状の斜度を施し、試験中に異物撹拌が十分に行われ、転走面に適性に異物の噛込みが生じるように構成した。
Figure 2005042188
表3に浸炭窒化処理した場合の、表4に浸炭窒化後に更に2次焼入れ焼戻し処理した場合の表面残留オーステナイト量、表面硬さ及び異物混入環境下での転動疲労寿命試験でのL10,L50寿命を示している。
Figure 2005042188
Figure 2005042188
これらの結果に見られるように、浸炭窒化処理した場合、本発明例はMn添加の効果により比較例に較べて表面残留オーステナイト量は30%以上と高く、L10,L50寿命ともに優れている。
一方比較例23,45に示したようにMn量が3%を超えると(鋼種U)表面残留オーステナイト量は増加するが表面硬さの低下が大きく、L10,L50寿命も劣っている。
また、比較例17,18に示すように鋼種O,Pについて浸炭処理しただけの場合には、表面残留オーステナイト量は約30%ないしそれ以上であるにも拘わらず、L10,L50寿命は浸炭窒化した場合(発明例15,16)に較べて劣っている。
これは、窒素固溶による硬さ向上とともに、焼戻し軟化抵抗の改善及び表面残留オーステナイトの安定化によるものと考えられる。
なお、表1の鋼種QはJIS SCr420である。
本発明例において、浸炭窒化処理した後に2次焼入れを行った場合には、浸炭窒化処理だけの場合に比べて表面残留オーステナイト量はやや低下するものの表面硬さは上昇し、L10,L50寿命ともに優れている。
比較例でも浸炭窒化処理後に2次焼入れを行った場合は浸炭窒化処理だけの場合に比べてL10,L50寿命は優れるが、その向上程度は比較的小さく、本発明例の浸炭窒化処理だけの場合にも及ばない。
以上本発明の実施の形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
各種条件で熱処理した際の表面残留オーステナイト量と異物混入環境下での転動疲労試験におけるL10寿命との関係を示した図である。 本発明の実施形態において供試材に行った浸炭処理の温度,保持時間及び冷却条件を示す図である。 本発明の実施形態において供試材に行った浸炭窒化処理の温度,保持時間及び冷却条件を示す図である。 本発明の実施形態において供試材に行った2次焼入れ処理の温度,保持時間及び冷却条件を示す図である。 異物混入条件下での転動疲労寿命試験のために用いたスラスト試験機をハウジング形状,試験片等とともに示した図である。

Claims (4)

  1. 重量%で、
    C :0.1〜0.4%
    Si:≦1.0%
    Mn:1.5超〜3%
    P :≦0.03%
    S :≦0.03%
    Cr:0.3〜2.5%
    Al:0.005〜0.050%
    Ti:≦0.003%
    O :≦0.0015%
    N :≦0.025%
    残部不可避的不純物及びFeからなる組成を有し、浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20〜50%であることを特徴とする浸炭窒化軸受鋼。
  2. 請求項1に規定する合金成分に加え、更にNi,Moの何れか1種若しくは2種を重量%で、
    Ni:0.25〜3.5%
    Mo:0.03〜2.5%
    で含有する組成を有し、残部不可避的不純物及びFeからなる組成を有し、浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20〜50%であることを特徴とする浸炭窒化軸受鋼。
  3. 請求項1,2の何れかに規定する合金成分に加え、更にVを重量%で、
    V :0.05〜1.0%
    で含有する組成を有し、残部不可避的不純物及びFeからなる組成を有し、浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20〜50%であることを特徴とする浸炭窒化軸受鋼。
  4. 請求項1〜3の何れかに規定する合金成分に加え、更にNbを重量%で、
    Nb:≦0.1%
    で含有し、残部不可避的不純物及びFeからなる組成を有し、浸炭窒化処理若しくはその後の2次焼入れ焼戻し処理後の表面硬さが58HRC以上で、且つ表面残留オーステナイト量が20〜50%であることを特徴とする浸炭窒化軸受鋼。
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