JP3308377B2 - 歯面強度の優れた歯車およびその製造方法 - Google Patents

歯面強度の優れた歯車およびその製造方法

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JP3308377B2 JP03828294A JP3828294A JP3308377B2 JP 3308377 B2 JP3308377 B2 JP 3308377B2 JP 03828294 A JP03828294 A JP 03828294A JP 3828294 A JP3828294 A JP 3828294A JP 3308377 B2 JP3308377 B2 JP 3308377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機械や自動車の変
速機用歯車等のごとく高面圧下の過酷な条件で使用され
るのに好適な歯面強度の優れた歯車に関し、さらにま
た、このような歯面強度の優れた歯車を製造するのに好
適な歯面強度の優れた歯車の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機に使用される歯車を例に
とると、従来は、JIS SCr 420H,SCM
420H等のはだ焼用クロム鋼またはクロムモリブデン
鋼を用いて歯車形状に成形した後、浸炭焼入れ焼戻しを
行って使用に供する場合が多かった。
【0003】しかし、これら従来の材料および熱処理に
よって製造された歯車では、ヘルツ面圧で2000MP
aを超えるような高面圧を受ける過酷な環境下では、噛
み合い中に繰り返し加わる面圧およびすべりによって、
歯面の表面または表面近傍より疲労亀裂が発生し、ピッ
ト状の剥離が生じるピッティングや、歯面の金属接触に
よる摩耗(スコーリング)や、転動疲労による硬化層内
部からの剥離であるスポーリング、等の歯面損傷が発生
することにより、十分な歯車寿命が得られない場合が多
く見られた。
【0004】また、これら歯面損傷への対応策として、
浸炭処理時のカーボンポテンシャルを高めに設定するこ
とにより、表面に微細な炭化物を析出分散させる高濃度
浸炭法や、素材の合金成分の調整、あるいは浸炭窒化に
よるNの浸入等によりMs点を低下させ、表面層に残留
オーステナイトを多量に形成し、噛み合い接触時の面圧
による残留オーステナイトのマルテンサイト変態に伴う
硬化を利用した方法や、二硫化モリブデン等の固体潤滑
被膜の形成により、噛み合いによる接触応力,摩擦力を
緩和する方法、などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の方法では、浸炭処理に長時間を要したり、熱処理
歪が増大したり、表面への炭化物分散による靭性の低下
や研削加工性の悪化を来したり、安定した残留オーステ
ナイト量を確保するための品質管理が難しかったり、処
理コストが増大したりするなどといった問題点があっ
た。
【0006】また、素材自体の耐ピッティング性や耐摩
耗性を向上させるために、合金成分を多量に含有させる
試みもなされているが、素材の硬さが増加することか
ら、鍛造性が悪化したり、旋削,ドリル,歯切り等に使
用する切削工具の寿命が低下したりすることがあるとい
う問題点もあった。
【0007】したがって、これらの問題点を解決するこ
とが課題であった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、このような従来の問題点に鑑
みてなされたものであって、本発明者らは、ピッティン
グ,スコーリングなどといった歯面損傷が歯車素材の表
層部における焼戻し軟化抵抗に関係が深いことに着目
し、特に、ヘルツ面圧で2000MPaを超えるような
高面圧下では、噛み合いにより歯面の表層部で300℃
以上もの準高温下となる場合もあることを踏まえて、鋭
意、調査を行った結果、適量のSi,Crを添加するこ
とで、素材の鍛造性,被削性の極端な悪化を抑えなが
ら、通常の浸炭または浸炭窒化処理によっても、そのよ
うな温度での素材の焼戻し軟化を低く抑えることがで
き、ピッティング寿命および耐摩耗性を高めることが可
能であることを見いだした。
【0009】図1は、本発明による成分範囲の鋼、およ
びSi,Cr量の低い鋼を歯車形状に成形し、浸炭焼入
れ焼戻しを行った後にショットピーニングを行った歯車
について、300℃×10H焼戻し後の表面から深さ5
0μmでのビッカース硬さ(Hv)と、ピッティング寿
命および歯面の摩耗量との関係を調べた結果を示してい
る。
【0010】図1に示した関係より明らかなように、3
00℃での焼戻し軟化を抑えることによって、良好なピ
ッティング寿命および耐摩耗性を得られることが認めら
れた。
【0011】一方、一般的な歯車の製造方法では、所望
の歯車形状の概略形状に鍛造加工した後、焼ならしや焼
なまし等の軟化および組織調整処理を行い、旋削,歯切
り等の切削加工を行うが、図2に示すように、切削加工
前の素材硬さが増加すると、工具摩耗量は大きく悪化す
ることがわかる。そこで、本発明では、特殊な熱処理を
用いずに、従来の軟化処理によっても、素材硬さを低く
抑えることのできる鋼組成を有する歯車用鋼を提供する
ことも目的の一つとしている。
【0012】そして、以上のことから、本発明では、特
殊な熱処理を必要とせず、かつまた、被削性等の生産性
の低下を抑えながら、高い焼戻し軟化抵抗を得ることの
できる歯車用鋼を素材とし、さらには、ショットピーニ
ング,歯面研削との適宜な組合せにより、生産性の大き
な悪化を招かずに、優れた歯面強度の歯車を得ることを
目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる歯面強度
の優れた歯車は、重量%で、C:0.10〜0.30
%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:
1.50〜5.0%を含み、残部Feおよび不純物から
なる鋼を素材とし、浸炭焼入れ焼戻しまたは浸炭窒化焼
入れ焼戻しによる表面硬化層を有し、表面から深さ0.
1mmまでのC量が0.7〜1.3%であると共に、表
面から深さ0.1mmまでのC,Si,Cr量が5.5
%<3×C(%)+5.2×Si(%)+Cr(%)で
あることを特徴としている。
【0014】また、同じく、本発明に係わる歯面強度の
優れた歯車は、重量%で、C:0.10〜0.30%、
Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:1.
50〜5.0%、Mo:1.0%以下を含み、かつS
i,Mn,Cr,Mo量が7.5%>2.2×Si
(%)+2.5×Mn(%)+Cr(%)+5.7×M
o(%)であり、残部Feおよび不純物からなる鋼を素
材とし、浸炭焼入れ焼戻しまたは浸炭窒化焼入れ焼戻し
による表面硬化層を有し、表面から深さ0.1mmまで
のC量が0.7〜1.3%であると共に、表面から深さ
0.1mmまでのC,Si,Cr量が5.5%<3×C
(%)+5.2×Si(%)+Cr(%)であることを
特徴としている。
【0015】そして、本発明に係わる歯面強度の優れた
歯車の実施態様においては、表面硬化処理後にショット
ピーニングが施された表面肌を有し、表面から深さ50
μmでのビッカース硬さが700〜900であるものと
することができ、あるいは、表面硬化処理後やショット
ピーニング後に研削加工された表面肌を有し、表面から
深さ50μmでのビッカース硬さが700〜900であ
ると共に、表面粗さが最大粗さRmaxで5μm以下、
平均粗さRaで1μm以下であるものとすることができ
る。
【0016】さらに、本発明に係わる歯車強度の優れた
歯車の製造方法は、重量%で、C:0.10〜0.30
%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:
1.50〜5.0%を含み、残部Feおよび不純物から
なる鋼を用いて、鍛造または機械加工等の成形加工によ
り歯車形状に成形を行った後、表面から深さ0.1mm
までのC量が0.7〜1.3%となるように浸炭焼入れ
焼戻しまたは浸炭窒化焼入れ焼戻しの表面硬化処理を行
うことにより、表面から深さ0.1mmまでのC,S
i,Cr量が5.5%<3×C(%)+5.2×Si
(%)+Cr(%)とすることを特徴としている。
【0017】また、同じく本発明に係わる歯面強度の優
れた歯車の製造方法は、重量%で、C:0.10〜0.
30%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、C
r:1.50〜5.0%、Mo:1.0%以下を含み、
かつSi,Mn,Cr,Mo量が7.5%>2.2×S
i(%)+2.5×Mn(%)+Cr(%)+5.7×
Mo(%)であり、残部Feおよび不純物からなる鋼を
用いて、鍛造または機械加工等の成形加工により歯車形
状に成形を行った後、表面から深さ0.1mmまでのC
量が0.7〜1.3%となるように浸炭焼入れ焼戻しま
たは浸炭窒化焼入れ焼戻しの表面硬化処理を行うことに
より、表面から深さ0.1mmまでのC,Si,Cr量
が5.5%<3×C(%)+5.2×Si(%)+Cr
(%)とすることを特徴としている。
【0018】そして、本発明に係わる歯面強度の優れた
歯車の製造方法の実施態様においては、表面硬化処理後
にショットピーニングを行い、表面から深さ50μmで
のビッカース硬さを700〜900とするようになすこ
とができ、同じく実施態様において、ショットピーニン
グは、直径0.7mm以下の小径鋼球を使用して、アー
クハイト0.4mm以上の条件で行うものとすることが
でき、同じく実施態様においては、表面硬化処理後また
はショットピーニング後に歯面を研削加工し、表面から
深さ50μmでのビッカース硬さを700〜900と
し、表面粗さを最大粗さRmaxで5μm以下、平均粗
さRaで1μm以下とするようになすことができる。
【0019】本発明に係わる歯面強度の優れた歯車用
鋼,歯車および歯車の製造方法は、上述した構成を有す
るものであり、以下にその限定理由(成分量は重量%)
を説明する。
【0020】C:0.10〜0.30% Cは、歯車の歯元強度を確保するために必要な元素であ
り、0.10%以上、場合によっては0.15%以上含
有することが必要であるが、過剰に加えると素材の被削
性や靭性を低下させるので、上限を0.30%、場合に
よっては0.25%とする。
【0021】Si:1.0%以下 Siは、上記したように、素材のマトリックス中に固溶
し、パーライト変態を抑制することにより焼戻し軟化抵
抗を向上させる元素であるが、場合によっては0.40
%以上とするのが良く、また、1.0%を超えて添加し
ても、得られる効果が飽和し、さらには冷間鍛造性や被
削性の低下およびAc3変態点温度の上昇による浸炭性
の悪化を招くので、上限を1.0%、場合によっては
0.9%とする。
【0022】Mn:1.0%以下 Mnは、溶鋼の脱酸,脱硫元素として有用であるが、
1.0%を超えて含有すると焼入れ性の増加により素材
の被削性を低下させるので、1.0%以下、場合によっ
ては0.50%以下とする。
【0023】Cr:1.50〜5.0% Crは、炭化物の形成により、Siと同様に焼戻し軟化
抵抗を向上させる重要な元素であるが、1.50%未満
では十分な効果が得られないので、1.50%以上、場
合によっては2.0%以上とするのが良いが、5.0%
を超えて含有すると被削性を低下させると共に、経済性
も損なわれるため、5.0%以下、場合によっては4.
0%以下とする。
【0024】表面から深さ0.1mmまでのC量が0.
7〜1.3% 表面のC量は、表面硬さおよび焼戻し軟化抵抗の確保に
対して大きな影響を及ぼし、0.7%未満では十分な表
面硬さが得られないため、ピッティング寿命,耐摩耗性
が低下する。また、1.3%を超えると表面への網状セ
メンタイトの析出が顕著となり、表層部の靭性および研
削性が低下する。そのため、C量の範囲を0.7〜1.
3%とする。さらに、浸炭処理に替えて浸炭窒化処理に
よれば、上記のC量の加えて0.2%以上のNを分散さ
せることにより、焼戻し軟化抵抗を向上させ、より一層
高い歯面強度を得ることができる。
【0025】表面から深さ0.1mmまでのC,Si,
Cr量が5.5%<3×C(%)+5.2×Si(%)
+Cr(%) 本発明では、ピッティング,スコーリング等の歯面強度
が素材の焼戻し軟化抵抗に依存するという従来の研究成
果に着目して調査を行った結果、特に、ヘルツ面圧で2
000MPa以上の高面圧下では歯面最表層の噛い合い
摩擦温度が300℃程度となる場合もあり得ることが明
かとなった。そこで、本発明者らは、300℃までの温
度域における素材の焼戻し軟化抵抗の向上に重点を置い
て調査した結果、上記のCに加えて、合金元素であるS
i,Crの各々が上記限定範囲内であり、かつ、5.5
%<3×C(%)+5.2×Si(%)+Cr(%)を
満たす場合には素材の鍛造性,被削性等の生産性を極端
に悪化させることなく焼戻し軟化抵抗を飛躍的に向上さ
せうることを見いだした。そこで、表面から深さ0.1
mmまでのC,Si,Cr量は5.5%<3×C(%)
+5.2×Si(%)+Cr(%)とした。
【0026】1.0%以下のMo量を含有し、7.5%
>2.2×Si(%)+2.5×Mn(%)+Cr
(%)+5.7×Mo(%) Si,Mn,Crを含有する鋼素材に浸炭処理を行う場
合は、雰囲気ガスによりそれらの合金元素が酸化される
ことによって、最表層のオーステナイト粒界に不完全焼
入れ層が生成し、歯車の衝撃強度に代表される歯元曲げ
強度を低下させることがわかっている。そこで、高い歯
元曲げ強度を必要とする場合は、不完全焼入れ層の増加
を防ぐと共に、浸炭層の靭性を向上させる合金元素であ
るMoを添加することが望ましい。
【0027】しかしながら、Moは高価な元素であり、
また、多量に加えた場合は、素材の被削性を悪化させる
ので、単独での含有量は1.0%以下とする。さらに、
他の合金元素とのバランスより、7.5%>2.2×S
i(%)+2.5×Mn(%)+Cr(%)+5.7×
Mo(%)を満たさない場合は、焼ならしあるいは焼な
まし後にベイナイト組織となり、被削性が大きく低下す
るため、7.5%>2.2×Si(%)+2.5×Mn
(%)+Cr(%)+5.7×Mo(%)とする。
【0028】ショットピーニングにより、表面から深さ
50μmでの硬さがビッカース硬さで700〜900 ショットピーニングによる表面硬さ,圧縮残留応力の増
加は、疲労亀裂の発生・進展を抑制し、ピッティングお
よびスポーリング寿命の向上に有効であるが、表面から
深さ50μmでの硬さがビッカース硬さで700未満の
ときはピッティング寿命の向上が十分でなく、900を
超える場合は表面層の靭性が低下し、歯車使用中に歯先
や歯幅方向のエッジ部の欠損が生じ易いため、表面から
深さ50μmでの硬さがビッカース硬さで700〜90
0とすることが望ましい。そして、上記効果を得るため
には、ショットピーニングをアークハイト0.4mm以
上の条件で行うことが望ましい。
【0029】歯車の表面粗さは、噛み合いによる歯面間
の微視的な面圧分布,油膜厚さ等の潤滑条件に影響を及
ぼし、歯面強度を左右する重要な要因であるが、ショッ
トピーニングを行うと一般的に悪化する傾向にある。そ
こで、表面粗さの悪化を抑えるためには、なるべく直径
0.7mm以下の小径の鋼球を使用してショットピーニ
ングを行うことが好ましい。
【0030】歯面を研削加工した後において、表面から
深さ50μmでの硬さをビッカース硬さで700〜90
0、表面粗さを最大粗さRmaxで5μm以下、平均粗
さRaで1μm以下 歯面強度は、歯車精度や、組付け剛性の不足に伴う歯面
の片当りによって、大きく低下することは周知の事実で
あるが、本発明のような表面硬化歯車の場合は、浸炭焼
入れまたは浸炭窒化焼入れ時の熱処理歪の発生による精
度低下は避けられない。そこで、歯面の研削加工によ
り、歯車精度および表面粗度の向上を図ることは、歯面
強度の向上に有効である。しかしながら、研削取り代が
過大となって表面硬さが低下すると、歯面強度の向上が
得られないため、表面から深さ50μmでのビッカース
硬さを700〜900とすることが望ましい。また、表
面粗さは、上記理由により、最大粗さRmaxで5μm
以下、平均粗さRaで1μm以下とすることが望まし
い。
【0031】
【発明の作用】本発明に係わる歯面強度の優れた歯車で
は、重量%で、C:0.10〜0.30%、Si:1.
0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:1.50〜5.
0%を含み、残部Feおよび不純物からなる鋼を素材と
し、浸炭焼入れ焼戻しまたは浸炭窒化焼入れ焼戻しによ
る表面硬化層を有し、表面から深さ0.1mmまでのC
量が0.7〜1.3%であると共に、表面から深さ0.
1mmまでのC,Si,Cr量が5.5%<3×C
(%)+5.2×Si(%)+Cr(%)であるものと
しているので、良好なピッティング寿命および耐摩耗性
を有する歯面強度の優れた歯車となる。
【0032】また、本発明に係わる歯面強度の優れた歯
車では、重量%で、C:0.10〜0.30%、Si:
1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:1.50〜
5.0%、Mo:1.0%以下を含み、かつSi,M
n,Cr,Mo量が7.5%>2.2×Si(%)+
2.5×Mn(%)+Cr(%)+5.7×Mo(%)
であり、残部Feおよび不純物からなる鋼を素材とし、
浸炭焼入れ焼戻しまたは浸炭窒化焼入れ焼戻しによる表
面硬化層を有し、表面から深さ0.1mmまでのC量が
0.7〜1.3%であると共に、表面から深さ0.1m
mまでのC,Si,Cr量が5.5%<3×C(%)+
5.2×Si(%)+Cr(%)であるものとしている
ので、前記の歯面強度の優れた歯車の作用に加え、Mo
が適量含有されているので、より高い歯元曲げ強度を有
するものとなる。
【0033】そしてまた、ショットピーニングが施され
た表面肌を有し、表面から深さ50μmでのビッカース
硬さが700〜900であるものとすることによって、
表面硬さおよび圧縮残留応力の増加が得られ、疲労亀裂
の発生・進展が抑制されて、ピッティング寿命およびス
ポーリング寿命がより一層向上した歯車となる。
【0034】さらにまた、研削加工された表面肌を有
し、表面から深さ50μmでのビッカース硬さが700
〜900であると共に、表面粗さが最大粗さRmaxで
5μm以下、平均粗さRaで1μm以下であるものとす
ることによって、歯車精度および表面粗度の向上がもた
らされることとなり、歯面強度がより一層向上した歯車
となる。
【0035】また、本発明に係わる歯面強度の優れた歯
車の製造方法では、重量%で、C:0.10〜0.30
%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:
1.50〜5.0%を含み、残部Feおよび不純物から
なる鋼を用いて、鍛造または機械加工等の成形加工によ
り歯車形状に成形を行った後、表面から深さ0.1mm
までのC量が0.7〜1.3%となるように浸炭焼入れ
焼戻しまたは浸炭窒化焼入れ焼戻しの表面硬化処理を行
うことにより、表面から深さ0.1mmまでのC,S
i,Cr量が5.5%<3×C(%)+5.2×Si
(%)+Cr(%)とするようにしたから、良好なピッ
ティング寿命および耐摩耗性を有する歯面強度の優れた
歯車が製造されることとなる。
【0036】また、同じく、本発明に係わる歯面強度の
優れた歯車の製造方法では、重量%で、C:0.10〜
0.30%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以
下、Cr:1.50〜5.0%、Mo:1.0%以下を
含み、かつSi,Mn,Cr,Mo量が7.5%>2.
2×Si(%)+2.5×Mn(%)+Cr(%)+
5.7×Mo(%)であり、残部Feおよび不純物から
なる鋼を用いて、鍛造または機械加工等の成形加工によ
り歯車形状に成形を行った後、表面から深さ0.1mm
までのC量が0.7〜1.3%となるように浸炭焼入れ
焼戻しまたは浸炭窒化焼入れ焼戻しの表面硬化処理を行
うことにより、表面から深さ0.1mmまでのC,S
i,Cr量が5.5%<3×C(%)+5.2×Si
(%)+Cr(%)とするようにしたから、上記の製造
方法に加えて素材中にMoが適量含有されているので、
より高い歯元曲げ強度を有する歯車が製造されることと
なる。
【0037】そしてまた、表面硬化処理後にショットピ
ーニングを行い、表面から深さ50μmでのビッカース
硬さを700〜900とすることによって、表面硬さお
よび圧縮残留応力の増加が得られ、疲労亀裂の発生・進
展が抑制されることとなり、ピッティング寿命およびス
ポーリング寿命がより一層向上した歯車が製造されるこ
ととなる。
【0038】さらにまた、ショットピーニングは、直径
0.7mm以下の小径鋼球を使用して、アークハイト
0.4mm以上の条件で行うことによって、上記ショッ
トピーニングによる効果が得られると共に、表面粗さの
悪化が防止されることとなる。
【0039】さらにまた、表面硬化処理後またはショッ
トピーニング後に歯面を研削加工し、表面から深さ50
μmでのビッカース硬さを700〜900とし、表面粗
さを最大粗さRmaxで5μm以下、平均粗さRaで1
μm以下とすることによって、歯車精度および表面粗度
の向上がもたらされることとなり、歯面強度がより一層
向上した歯車が製造されることとなる。
【0040】
【実施例】表1に示す化学成分の各歯車用鋼を溶製した
のち造塊し、熱間圧延によって直径80mmの歯車素材
を製造した。次いで、前記各歯車素材を図3に示す工程
に従って熱間鍛造,焼ならし(900℃×1H)、旋削
および歯切り加工、浸炭焼入れ焼戻しまたは浸炭窒化焼
入れ焼戻し、ショットピーニング,粗研削,仕上研削を
行い、表3に示すように、一部の工程を採用しないで、
表2に示す仕様の耐ピッティング試験用歯車および繰返
し衝撃試験用歯車を製造した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】図4には、浸炭焼入れ焼戻し条件を示し、
図5には、浸炭窒化焼入れ焼戻し条件を示す。また、シ
ョットピーニングは、エアーノズル式ピーニングマシン
により、硬さがHRC60の鋼球(直径:0.7mm)
を用いてカバレージ300%の条件で、投射速度を変更
することにより狙いの表3に示すアークハイト値を設定
して処理を行った。
【0045】さらに、歯面研削は、粗研削にライスハウ
エル式研削盤を用い、仕上げ研削にフェスラー式研削盤
を用いて、いれずれもWA(溶融アルミナ系)研削砥石
により研削を行った。
【0046】表1に示すように、比較鋼Eは、2.2×
Si(%)+2.5×Mn(%)+5.7×Mo(%)
の値が大きすぎるため、本発明鋼A〜Dに比較して、焼
ならし硬さが著しく高く、被削性が悪化することがわか
る。
【0047】上記のような工程(ただし、表3に示すよ
うに一部採用せず)によって表2の諸元形状に製作した
2種類の試験用歯車対を用いて、耐ピッティング試験お
よび繰返し衝撃試験を行った。
【0048】このうち、耐ピッティング試験は、動力循
環式歯車疲労試験機を用いて、歯車ピッチ点のヘルツ面
圧が2019MPa、試験歯車回転数が1000rpm
であるものとし、潤滑油には自動変速機用オイルを使用
して実施した。そして、ピッティング寿命は、試験歯車
歯面上のピッティングにより剥離した部分の面積が、試
験歯車全歯の噛み合い有効面積の3%に相当する累計回
転数を用いた。また、耐摩耗性評価のため、図6に示す
ような歯形形状の測定データより、上記試験条件での累
計回転数100万回での歯面の摩耗量も測定した。
【0049】また、繰返し衝撃試験は、図7に示す落錘
形繰返し衝撃試験機に試験歯車1と相手歯車2とを噛合
わせた試験歯車対をそれぞれ入力軸3と出力軸4とに固
定し、入力軸3に固定したトルクアーム5に繰返し重錘
を落下させ、衝撃トルクを加えることにより行った。こ
こで、寿命は試験歯車1が破損するまでの落下回数と
し、衝撃トルクは相手歯車2を介した出力軸4上のねじ
りトルク測定により求めた。なお、本実施例中の衝撃強
度は、重錘落下による繰返し数が100回に相当する衝
撃トルクを用いた。
【0050】表3に示す試験結果より明らかなように、
本発明例であるNo.1〜5は、Si,Crの適量添加
による焼戻し軟化抵抗向上効果により、ピッティング寿
命,摩耗量のいずれもが良好であり、特にNo.5は、
Moの適量添加により、衝撃強度も向上していることが
わかる。
【0051】一方、比較例のNo.6,7では、Si,
Crの添加量が少なく、耐ピッティング性,耐摩耗性が
劣っている。また、比較例のNo.8は、浸炭時のカー
ボンポテンシャルが増加していることにより表面近傍に
網状セメンタイトが析出し、ピッティング寿命は比較的
長いものの、衝撃強度が大きく低下している。
【0052】さらに、本発明例のNo.9は、ショット
ピーニングによる表面硬さ向上のため良好な歯面強度が
得られているのに対し、No.10はピーニング条件が
苛酷であるため、歯面の面粗度の悪化が著しく、摩耗量
が増加していることに加えて、表面硬さが過大なため、
エッヂ部の靭性低下による歯面の欠損が発生し短寿命で
あった。
【0053】さらにまた、本発明例のNo11〜13
は、歯面研削による歯車精度,表面粗度の向上により、
寿命が大きく向上している。これに対して、比較例のN
o.14は、歯面研削によっても長寿命を得ることがで
きないことがわかる。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明による
歯車は、Si,Cr含有量の適性添加および浸炭または
浸炭窒化処理による表面C量の適正化によって、素材の
切削性,鍛造性といった生産性の悪化を招かずに、高負
荷での噛み合いで発生する300℃前後での発熱に際し
て軟化抵抗が高いものとなって、良好なピッティング寿
命および耐摩耗性を有する歯面強度に優れた歯車を提供
することができるという著しく優れた効果がもたらさ
れ、素材中にMoを添加することによってより高い歯元
曲げ強度を有する歯車を提供することが可能であるとい
う著しく優れた効果がもたらされ、さらには、ショット
ピーニング,歯面研削処理と組合わせることによって、
より一層高い歯面強度を有する歯車を提供することが可
能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0055】さらに、本発明による歯車の製造方法で
は、上述した歯面強度の優れた歯車を提供することが可
能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】材料の300℃×10Hの焼戻し後硬さとピッ
ティング寿命および歯面摩耗量との関係を示す説明図で
ある。
【図2】自動変速機用ピニオンギアにおける素材の焼な
らし後硬さと加工数量30個当たりのホブ摩耗量との関
係を示す説明図である。
【図3】試験歯車の製作工程を示すフローチャートであ
る。
【図4】本発明の実施例で採用した浸炭焼入れ焼戻し条
件を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例で採用した浸炭窒化焼入れ焼戻
し条件を示す説明図である。
【図6】歯面摩耗量の測定例を示す説明図である。
【図7】繰返し衝撃試験方法の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 55/06 F16H 55/06 (72)発明者 岡 田 義 夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (72)発明者 松 本 隆 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭63−60257(JP,A) 特開 平2−173241(JP,A) 特開 昭63−62859(JP,A) 特開 平4−201128(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.10〜0.30%、
    Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:1.
    50〜5.0%を含み、残部Feおよび不純物からなる
    鋼を素材とし、浸炭焼入れ焼戻しまたは浸炭窒化焼入れ
    焼戻しによる表面硬化層を有し、表面から深さ0.1m
    mまでのC量が0.7〜1.3%であると共に、表面か
    ら深さ0.1mmまでのC,Si,Cr量が5.5%<
    3×C(%)+5.2×Si(%)+Cr(%)である
    ことを特徴とする歯面強度の優れた歯車。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.10〜0.30%、
    Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:1.
    50〜5.0%、Mo:1.0%以下を含み、かつS
    i,Mn,Cr,Mo量が7.5%>2.2×Si
    (%)+2.5×Mn(%)+Cr(%)+5.7×M
    o(%)であり、残部Feおよび不純物からなる鋼を素
    材とし、浸炭焼入れ焼戻しまたは浸炭窒化焼入れ焼戻し
    による表面硬化層を有し、表面から深さ0.1mmまで
    のC量が0.7〜1.3%であると共に、表面から深さ
    0.1mmまでのC,Si,Cr量が5.5%<3×C
    (%)+5.2×Si(%)+Cr(%)であることを
    特徴とする歯面強度の優れた歯車。
  3. 【請求項3】 ショットピーニングが施された表面肌を
    有し、表面から深さ50μmでのビッカース硬さが70
    0〜900である請求項1または2に記載の歯面強度の
    優れた歯車。
  4. 【請求項4】 研削加工された表面肌を有し、表面から
    深さ50μmでのビッカース硬さが700〜900であ
    ると共に、表面粗さが最大粗さRmaxで5μm以下、
    平均粗さRaで1μm以下である請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の歯面強度の優れた歯車。
  5. 【請求項5】 重量%で、C:0.10〜0.30%、
    Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:1.
    50〜5.0%を含み、残部Feおよび不純物からなる
    鋼を用いて、鍛造または機械加工等の成形加工により歯
    車形状に成形を行った後、表面から深さ0.1mmまで
    のC量が0.7〜1.3%となるように浸炭焼入れ焼戻
    しまたは浸炭窒化焼入れ焼戻しの表面硬化処理を行うこ
    とにより、表面から深さ0.1mmまでのC,Si,C
    r量が5.5%<3×C(%)+5.2×Si(%)+
    Cr(%)とすることを特徴とする歯面強度の優れた歯
    車の製造方法。
  6. 【請求項6】 重量%で、C:0.10〜0.30%、
    Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:1.
    50〜5.0%、Mo:1.0%以下を含み、かつS
    i,Mn,Cr,Mo量が7.5%>2.2×Si
    (%)+2.5×Mn(%)+Cr(%)+5.7×M
    o(%)であり、残部Feおよび不純物からなる鋼を用
    いて、鍛造または機械加工等の成形加工により歯車形状
    に成形を行った後、表面から深さ0.1mmまでのC量
    が0.7〜1.3%となるように浸炭焼入れ焼戻しまた
    は浸炭窒化焼入れ焼戻しの表面硬化処理を行うことによ
    り、表面から深さ0.1mmまでのC,Si,Cr量が
    5.5%<3×C(%)+5.2×Si(%)+Cr
    (%)とすることを特徴とする歯面強度の優れた歯車の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 表面硬化処理後にショットピーニングを
    行い、表面から深さ50μmでのビッカース硬さを70
    0〜900とする請求項5または6に記載の歯面強度の
    優れた歯車の製造方法。
  8. 【請求項8】 ショットピーニングは、直径0.7mm
    以下の小径鋼球を使用して、アークハイト0.4mm以
    上の条件で行う請求項7に記載の歯面強度の優れた歯車
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 表面硬化処理後またはショットピーニン
    グ後に歯面を研削加工し、表面から深さ50μmでのビ
    ッカース硬さを700〜900とし、表面粗さを最大粗
    さRmaxで5μm以下、平均粗さRaで1μm以下と
    する請求項5ないし8のいずれかに記載の歯面強度の優
    れた歯車の製造方法。
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