JPH0978132A - 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH0978132A
JPH0978132A JP7234522A JP23452295A JPH0978132A JP H0978132 A JPH0978132 A JP H0978132A JP 7234522 A JP7234522 A JP 7234522A JP 23452295 A JP23452295 A JP 23452295A JP H0978132 A JPH0978132 A JP H0978132A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低鉄損一方向性電磁鋼板を工業的
に安定して製造する方法を提供するものである。 【解決手段】 1回または2回冷延法による低鉄損一方
向性電磁鋼板の製造に際し、特定成分を含有するスラブ
の1200℃以上の高温域の加熱を5℃/分以上の昇温
速度で行うと共に、最終冷間圧延前焼鈍の冷却過程にお
いて700℃〜150℃の間を8℃/秒以上で冷却し、
最終冷間圧延における複数パスのパス間の少なくとも1
回に鋼板を200℃〜350℃の温度範囲で1分以上の
時間保持することを特徴とする。また、上記スラブの1
200℃以上の高温域の加熱前に、50%以下の圧下率
で熱間変形を加えてもよい。更に、2回法においては、
熱延板焼鈍を施しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変圧器等の鉄心に使
用される低鉄損一方向性電磁鋼板を工業的に安定して製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は主に変圧器や発電機
の鉄心材料に使用されるが、省エネルギー化が要求され
ている昨今、更に磁束密度が高く、鉄損の少ない鋼板が
市場から要求されている。一般的に、低鉄損を達成する
ためには、鋼板のSi含有量を極力高め素材の固有抵抗
を上げて渦電流損を下げる方法と、製品板厚を極力薄く
し渦電流損を下げる方法が知られている。更に、低鉄損
を図るにはインヒビター、鋼板の組織、集合組織を高度
に制御する必要がある。この中の1つであるインヒビタ
ー分散形態のコントロールは、熱間圧延に先立つスラブ
高温加熱中にインヒビターを一旦溶体化させ、その後適
当な冷却パターンの熱間圧延を施すことが必要である。
【0003】インヒビター溶体化のためのスラブ高温加
熱をガス燃焼型加熱炉で行うと、スラブ表面から熱せら
れるのでスラブ表層で温度が高く、スラブ中心部で温度
が低い状態になる。よって、スラブ中心部まで目的の温
度に達するためには、スラブ表層温度は、スラブ中心部
よりもかなり高い温度となり、またガス燃焼型加熱炉で
は昇温速度も1200℃以上で約1℃/分と遅いために
1200℃以上の高温域に滞留する時間がかなり長くな
り、スラブ高温加熱後の結晶粒径は粗大化してしまい、
線状細粒と呼ばれる2次再結晶不良を製品にもたらす原
因となっていた。この対策として、特公昭56−186
54号公報に提案されているようなスラブ急速加熱方式
を用いると、スラブ加熱の短時間化が可能となった。
【0004】一方、熱延板焼鈍を施した後、一段の強冷
延を行い一方向性電磁鋼板を製造する方法において、強
圧下冷間圧延時に時効処理を施すことにより磁気特性が
向上することが報告されている(特公昭54−1384
6号公報参照)。また、2回以上の冷間圧延を行い一方
向性電磁鋼板を製造する方法において、最終冷間圧延時
に時効処理を施すこと、ならびにこの時効処理に関連し
て最終冷間圧延前の工程である中間焼鈍の冷却速度をコ
ントロールすることによって磁気特性が向上することが
報告されている(特公昭56−3892号公報参照)。
しかし、これら2つの技術では、低鉄損という点で満足
できるものではなかった。
【0005】そこで、本発明者らは、2回冷延法で一方
向性電磁鋼板を製造する方法において、スラブ高温加熱
で、1200℃以上の高温域の加熱を5℃/分以上と
し、かつ、最終冷間圧延工程で、150℃〜350℃の
温度範囲でパス間時効を施した場合にのみ、著しく鉄損
特性が向上することを新たに見いだし提案した(特願平
6−110092号)。また、1回冷延法では、スラブ
高温加熱で1200℃以上の高温域の加熱を5℃/分以
上とし、かつ、冷間圧延工程で、180℃〜350℃の
温度範囲でパス間時効を施した場合にのみ、著しく鉄損
特性が向上することを新たに見いだし提案した(特願平
6−324453号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記提案法で得られる
製品は、板厚の薄い製品を製造した場合に安定性という
点では充分に満足できるものではなく、鉄損値が高い製
品が発生する場合もあった。本発明は、スラブ加熱時の
結晶粒の成長を抑制し、かつ、最終冷延前焼鈍での冷却
速度を規制し、かつ、冷間圧延時のパス間時効温度およ
びパス間時効時間をある範囲に制御することにより、工
業的に安定して鉄損の低い製品を得られる方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)重量%で、C :0.015〜0.100%、S
i:2.0〜4.0%、Mn:0.03〜0.12%、
Sol.Al:0.010〜0.065%、N :0.
0040〜0.0100%、SおよびSeのうちから選
んだ1種または2種合計:0.005〜0.050%、
さらにSb,Sn,Cu,Mo,Ge,B,Te,A
s、およびBiから選ばれる1種または2種以上を各々
の元素量で、0.003〜0.3%を含有し、残部は実
質的にFeの組成になる連続鋳造スラブを、1320℃
〜1450℃に加熱均熱したのち熱延し、予備冷延し、
中間焼鈍し、複数パスよりなる最終冷延を施し0.25
mm以下の最終板厚とし、脱炭・1次再結晶焼鈍、最終仕
上げ焼鈍によって一方向性電磁鋼板を製造する方法にお
いて、上記スラブの1200℃以上の高温域の加熱を5
℃/分以上の昇温速度で行うと共に、中間焼鈍(最終冷
延前焼鈍)の冷却過程において700℃〜150℃の間
を8℃/秒以上で冷却し、かつ最終冷延工程の少なくと
も1回のパス間で鋼板を200℃〜350℃の温度範囲
で1分以上の時間保持することを特徴とする低鉄損一方
向性電磁鋼板の製造方法であり、(2)熱延板に熱延板
焼鈍を施すことを特徴とする前項(1)に記載した低鉄
損一方向性電磁鋼板の製造方法、また(3)重量%で、
C :0.015〜0.100%、Si:2.0〜4.
0%、Mn:0.03〜0.12%、 Sol.Al:
0.010〜0.065%、N :0.0040〜0.
0100%、SおよびSeのうちから選んだ1種または
2種合計:0.005〜0.050%、さらにSb,S
n,Cu,Mo,Ge,B,Te,As、およびBiか
ら選ばれる1種または2種以上を各々の元素量で、0.
003〜0.3%を含有し、残部は実質的にFeの組成
になる連続鋳造スラブを、1320℃〜1450℃に加
熱均熱したのち熱延し、熱延板焼鈍し、複数パスよりな
る冷間圧延を施し0.25mm以下の最終板厚とし、脱炭
・1次再結晶焼鈍、最終仕上げ焼鈍によって一方向性電
磁鋼板を製造する方法において、上記スラブの1200
℃以上の高温域の加熱を5℃/分以上の昇温速度で行う
と共に、熱延板焼鈍(最終冷延前焼鈍)の冷却過程にお
いて700℃〜150℃の間を8℃/秒以上で冷却し、
かつ冷延工程の少なくとも1回のパス間で鋼板を200
℃〜350℃の温度範囲で1分以上の時間保持すること
を特徴とする低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法であ
り、(4)スラブの1200℃以上の高温域の加熱の前
に、50%以下の圧下率で熱間変形を加えることを特徴
とする前項(1),(2)または(3)の何れかに記載
した低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法である。
【0008】本発明者らは、鉄損の低い一方向性電磁鋼
板を安定して製造する方法を検討したところ、スラブ加
熱時の高温域におけるスラブ加熱を5℃/分以上の昇温
速度で行いスラブ加熱時の結晶粒の成長を抑制し、か
つ、熱延板焼鈍の冷却過程において700℃〜150℃
の間を8℃/秒以上で冷却することにより、固溶C,N
を富化し、かつ、最終冷間圧延時のパス間時効温度およ
びパス間時効時間をある範囲に制御することが非常に有
効であることを見いだした。
【0009】図1は、中間焼鈍の平均冷却速度と製品特
性との関係を示した。すなわち、本発明に従った成分範
囲にあるC:0.070%、Si:3.19%、Mn:
0.071%、S:0.022%、Sol.Al:0.03
1%、N:0.0077%、Sn:0.11%を含有す
る鋳片を、短時間加熱が可能な通電加熱炉により到達温
度1390℃とし、1200℃から1390℃までを1
0℃/分の昇温速度で加熱したスラブを用いて板厚2.
00mmの熱延板を作製した。そして、1.65mmに予備
冷延した。1000℃×2分均熱後、Cの析出温度域と
考えられる700℃〜150℃を種々の冷却温度で冷却
するという中間焼鈍を施し、最終冷間圧延工程で途中板
厚1.00mmと0.50mmの段階で鋼板を300℃で1
0分間保持し、0.22mmの最終仕上げ厚とした。得ら
れた冷延板を公知の方法で脱炭焼鈍し、焼付分離材を塗
布した後、最終仕上げ焼鈍を行いコーティング液を塗布
し製品とした。
【0010】かくして得られた製品n=5の磁束密度、
鉄損と中間焼鈍での700℃〜150℃の冷却速度との
関係について調べた結果を図1に示す。同図より明らか
なように中間焼鈍での700℃〜150℃の冷却速度を
8℃/秒以上とすることにより安定して良好な磁気特性
が得られることが分かる。
【0011】図2は、以下に示す工程で製造した製品の
特性を調べて示した。すなわち、本発明に従った成分範
囲にあるC:0.075%、Si:3.12%、Mn:
0.080%、S:0.020%、Sol.Al:0.02
5%、N:0.0070%、Sn:0.10%を含有す
る鋳片を、短時間加熱が可能な誘導加熱炉により到達温
度1380℃とし、1200℃から1380℃までを1
0℃/分、または1℃/分の昇温速度で加熱したスラブ
を用いて板厚2.20mmの熱延板を作製した。そして、
1.70mmに予備冷延した。1000℃×2分均熱後、
Cの析出温度域と考えられる700℃〜150℃を平均
1℃/秒または8℃/秒または15℃/秒の冷却速度で
冷却するという中間焼鈍を施し、最終冷間圧延工程で途
中板厚1.10mmと0.55mmの段階で鋼板を種々の温
度で10分間保持し、0.22mmの最終仕上げ厚とし
た。得られた冷延板を公知の方法で脱炭焼鈍し、焼付分
離材を塗布した後、最終仕上げ焼鈍を行いコーティング
液を塗布して製品とした。
【0012】かくして得られた製品板の磁束密度、鉄損
と中間焼鈍での700℃〜150℃での冷却速度および
パス間時効温度との関係について調べた結果を図2に示
す。同図より明らかなように中間焼鈍での700℃〜1
50℃の冷却速度を8℃/秒以上とし、最終冷延工程で
200℃〜350℃の温度でパス間時効を施すことによ
り安定して良好な磁気特性が得られることが分かる。
【0013】このようにこの発明は、高温スラブ加熱を
スラブの昇温速度を5℃/分以上とし、かつ、中間焼鈍
の冷却過程において700℃〜150℃の間を8℃/秒
以上で冷却し、かつ、最終冷延工程で200℃〜350
℃の温度で1分以上のパス間時効を施すことにより安定
して良好な磁気特性が得られるという全く新しい知見に
基づいて完成されたものである。
【0014】ここにこの発明によって磁気特性が向上す
る理由については、必ずしも明確に解明されたわけでは
ないが、次の通りと考えられる。スラブ昇温速度を速め
ることによりスラブ加熱中の結晶粒の成長を抑制し、熱
間圧延後、熱延板の組織および析出物の均一化が図られ
ると共に熱延板での結晶粒径が小さくなる。集合組織も
{100}方位粒が減少し、{111}方位粒が増加す
る。冷延前の結晶粒径が小さくなると、1次再結晶後、
粒内から核発生する{110}方位粒は減少し、粒界近
傍から核発生する{111}方位粒が増加する。{11
1}方位粒が増加し、{100}方位粒が減少すること
は、2次再結晶の安定をもたらすが、一方、{110}
方位粒が減少するために、安定して低鉄損を得られな
い。
【0015】そこで、最終冷延前焼鈍の冷却過程で、固
溶C,Nを富化し、パス間時効温度を従来よりも狭い範
囲に限定することで、固溶C,Nが冷間圧延によって形
成された転位等欠陥部に固着する作用によって変形機構
に影響を大きく与え、{110}〈001〉方位粒を増
加させてやると、{110}方位粒、{111}方位粒
が増加し、{100}方位粒が減少し、従来よりも安定
して鉄損の低い一方向性電磁鋼板が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の成分および処理条件
を限定した理由について説明する。Siは、下限2.0
%未満では良好な鉄損が得られず、上限4.0%を超え
ると冷延性が著しく劣化する。Cは、下限0.015%
未満であれば2次再結晶が不安定となり、上限の0.1
00%はこれよりCが多くなると脱炭所要時間が長くな
り経済的に不利となるために限定した。
【0017】Mnは、下限0.03%未満であれば熱間
脆化を起こし、上限0.12%を超えるとかえって磁気
特性を劣化させる。S,Seは、MnS,MnSeを形
成するために必要な元素で、これらの1種または2種の
合計が下限0.005%未満ではMnS,MnSeの絶
対量が不足し、上限0.050%を超えると熱間割れを
生じ、また、最終仕上げ焼鈍での純化が困難となる。
【0018】Sol.Alは、AlNを形成するために必要
な元素で、下限0.010%未満ではAlNの絶対量が
不足し、上限0.065%を超えるとAlNの適当な分
散状態が得られない。Nは、AlNを形成するために必
要な元素で、下限0.0040%未満ではAlNの絶対
量が不足し、上限0.0100%を超えるとAlNの適
当な分散状態が得られない。Sb,Sn,Cu,Mo,
Ge,B,Te,As、およびBiは粒界に偏析させ、
2次再結晶を安定化させるが、各々の元素量で、下限
0.03%未満では偏析量が不足し、上限0.3%は経
済的理由と脱炭性の悪化によるものである。
【0019】スラブ加熱温度は、1320℃〜1450
℃とするが、1320℃未満であると製品の鉄損のバラ
ツキが大きい。1450℃を超えるとスラブが溶融す
る。高温域におけるスラブ加熱に関しては、加熱時の結
晶粒径の粗大化の抑制および組織、集合組織の改善のた
めに、1200℃以上の昇温速度を5℃/分以上とする
が、1200℃未満では粒成長への影響が少ないために
昇温速度を規定する必要はない。昇温速度5℃/分未満
では、磁気特性の改善効果が少ないためである。
【0020】中間焼鈍(最終冷延前焼鈍)での700℃
〜150℃の冷却速度は、図1に示すように8℃/秒未
満だと磁気特性の改善効果が少ない。700℃〜150
℃としたのは、その温度域が、Cの析出温度域と考えら
れるためである。
【0021】最終冷間圧延時のパス間時効温度は、図2
に示すように、200℃より低温だと磁気特性の改善効
果に乏しく、また350℃を超えても磁気特性の改善効
果が少ない。時効処理は1回でも効果があるが、圧延と
時効処理を交互に繰り返すと製品の磁気特性が一層向上
する。パス間時効時間は、1分未満だと磁気特性の改善
効果が少ない。
【0022】1200℃以上の高温域のスラブ加熱前に
50%以下の圧下で熱間変形を加えることは、柱状晶を
破壊し、熱延板の組織の均一化に有効で製品の磁気特性
のバラツキを少なくする。圧下率の上限を50%とした
のは、これ以上圧下率を高くしても、磁気特性の値に変
化がないからである。
【0023】製品板厚を0.25mm以下と限定したの
は、最近の需要ニーズに対応して低鉄損な製品を得るた
めである。2回冷延法では、熱延板焼鈍は必要に応じて
実施する。熱延板の組織や析出物の均一化に有効で、製
品の磁気特性のバラツキを少なくする。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕〔C〕0.072%、〔Si〕3.21
%、〔Mn〕0.088%、〔S〕0.025%、〔So
l.Al〕0.022%、〔N〕0.0089%、〔S
n〕0.10%、〔Cu〕0.06%を含有する鋳片の
予備加熱をガス燃焼型加熱炉で鋳片中心部の温度が12
00℃の温度域に達するまで加熱し、その後、試料番号
7,8については25%の圧下率で熱間変形を加え、そ
れ以外の試料については、熱間変形を加えることなく、
誘導加熱炉に導き、その後1380℃まで昇温速度1℃
/分または、10℃/分の条件でスラブ高温加熱を行っ
た鋳片を熱間圧延し、1.8mm厚の熱延板とした。そし
て、1100℃×2分の均熱後、700℃〜150℃の
温度域を種々の冷却速度で冷却する熱延板焼鈍を施し、
冷間圧延工程の途中板厚1.2mmと0.6mmの段階で、
250℃×3分間のパス間時効を施して0.22mmの最
終仕上げ厚とした。得られた冷延板を公知の方法で脱炭
焼鈍し焼付分離材を塗布した後最終仕上げ焼鈍を行いコ
ーティング液を塗布し製品とした。
【0025】この時の鋳片昇温速度、熱延板焼鈍での7
00℃〜150℃での冷却速度、鋳片高温加熱前の鋳片
圧下の有無および得られた製品n=10の平均の磁束密
度B8 、鉄損W17/50 、鉄損のバラツキを表1に示す。
これより、本発明例は比較例と比べ安定して低鉄損材料
が得られることが分かる。
【0026】
【表1】
【0027】〔実施例2〕〔C〕0.073%、〔S
i〕3.22%、〔Mn〕0.070%、〔Se〕0.
014%、〔S〕0.014%、〔Sol.Al〕0.02
4%、〔N〕0.0077%、〔Sb〕0.025%、
〔Mo〕0.03%を含有する鋳片を誘導加熱炉で到達
温度を1370℃とし、1200℃〜1370℃まで1
2℃/秒の昇温速度にて高温加熱を行った鋳片を熱間圧
延し、2.3mm厚の熱延板とした。試料番号1,2につ
いては、100℃×2分の熱延板焼鈍を施し、試料番号
3,4については、熱延板焼鈍を施すことさえなかっ
た。続く予備冷延で、板厚を1.6mmとした後、中間焼
鈍で、1000℃×2分均熱後、700℃〜150℃の
冷却速度を0.2℃/秒と30℃/秒の2水準で冷却し
た。最終冷間圧延工程の途中板厚1.1mmと0.6mmの
段階で300℃×10分のパス間時効を施し、0.17
mmの最終仕上げ板厚とした。得られた冷延板を公知の方
法で脱炭焼鈍し焼付分離材を塗布した後、最終仕上げ焼
鈍を行いコーティング液を塗布し製品とした。得られた
製品n=10の平均の磁束密度B8 、鉄損W17/50 、鉄
損のバラツキを表2に示す。これより、本発明例は比較
例と比べ安定して低鉄損材料が得られることが分かる。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、鉄損の低
い一方向性電磁鋼板を工業的に安定して製造でき、その
工業的効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間焼鈍での700℃〜150℃の平均冷却速
度と製品の磁束密度B8 、鉄損W17/50 の関係図であ
る。
【図2】スラブ高温加熱時のスラブ昇温速度と最終冷間
圧延時のパス間時効時間および中間焼鈍での700℃〜
150℃の冷却速度と製品の磁束密度B8 、鉄損W17/5
0 の関係図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.015〜0.100%、 Si:2.0〜4.0%、 Mn:0.03〜0.12%、 Sol.Al:0.010〜0.065%、 N :0.0040〜0.0100%、 SおよびSeのうちから選んだ1種または2種合計:
    0.005〜0.050%、さらにSb,Sn,Cu,
    Mo,Ge,B,Te,As、およびBiから選ばれる
    1種または2種以上を各々の元素量で、0.003〜
    0.3%を含有し、残部は実質的にFeの組成になる連
    続鋳造スラブを、1320℃〜1450℃に加熱均熱し
    たのち熱延し、予備冷延し、中間焼鈍し、複数パスより
    なる最終冷延を施し0.25mm以下の最終板厚とし、脱
    炭・1次再結晶焼鈍、最終仕上げ焼鈍によって一方向性
    電磁鋼板を製造する方法において、上記スラブの120
    0℃以上の高温域の加熱を5℃/分以上の昇温速度で行
    うと共に、中間焼鈍(最終冷延前焼鈍)の冷却過程にお
    いて700℃〜150℃の間を8℃/秒以上で冷却し、
    かつ最終冷延工程の少なくとも1回のパス間で鋼板を2
    00℃〜350℃の温度範囲で1分以上の時間保持する
    ことを特徴とする低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱延板に熱延板焼鈍を施すことを特徴と
    する請求項1に記載した低鉄損一方向性電磁鋼板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.015〜0.100%、 Si:2.0〜4.0%、 Mn:0.03〜0.12%、 Sol.Al:0.010〜0.065%、 N :0.0040〜0.0100%、 SおよびSeのうちから選んだ1種または2種合計:
    0.005〜0.050%、さらにSb,Sn,Cu,
    Mo,Ge,B,Te,As、およびBiから選ばれる
    1種または2種以上を各々の元素量で、0.003〜
    0.3%を含有し、残部は実質的にFeの組成になる連
    続鋳造スラブを、1320℃〜1450℃に加熱均熱し
    たのち熱延し、熱延板焼鈍し、複数パスよりなる冷間圧
    延を施し0.25mm以下の最終板厚とし、脱炭・1次再
    結晶焼鈍、最終仕上げ焼鈍によって一方向性電磁鋼板を
    製造する方法において、上記スラブの1200℃以上の
    高温域の加熱を5℃/分以上の昇温速度で行うと共に、
    熱延板焼鈍(最終冷延前焼鈍)の冷却過程において70
    0℃〜150℃の間を8℃/秒以上で冷却し、かつ冷延
    工程の少なくとも1回のパス間で鋼板を200℃〜35
    0℃の温度範囲で1分以上の時間保持することを特徴と
    する低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 スラブの1200℃以上の高温域の加熱
    の前に、50%以下の圧下率で熱間変形を加えることを
    特徴とする請求項1,2または3の何れかに記載した低
    鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR19990088437A (ko) * 1998-05-21 1999-12-27 에모또 간지 철손이매우낮은고자속밀도방향성전자강판및그제조방법
JP4954876B2 (ja) * 2005-06-10 2012-06-20 新日本製鐵株式会社 磁気特性が極めて優れた方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP2016089198A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 Jfeスチール株式会社 磁気特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法

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