JPH0975309A - 動脈血酸素飽和度測定値と脈拍測定値の変化による患者容態の自動解析による判定方法 - Google Patents

動脈血酸素飽和度測定値と脈拍測定値の変化による患者容態の自動解析による判定方法

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JPH0975309A
JPH0975309A JP7255533A JP25553395A JPH0975309A JP H0975309 A JPH0975309 A JP H0975309A JP 7255533 A JP7255533 A JP 7255533A JP 25553395 A JP25553395 A JP 25553395A JP H0975309 A JPH0975309 A JP H0975309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 在宅酸素療法の療養患者自ら測定の動脈血酸
素飽和度(SpO2 値)等を病院側等のコンピュータに
送信することで、SpO2 値データを自動解析して専用
オペレータなしに、容態変化の報知と敏速な対応を可能
とする。 【解決手段】 前月にコンピュータへ入力のSpO2
全データの平均と偏差により平均±Pa(2〜3)×偏
差を求め、この範囲外のデータがあれば、これを除外し
て更正平均と更正偏差を算出し、患者個人差による測定
値のばらつきを是正する。当該平均と偏差で前月のSp
2 下限値=平均−Pb(2〜3)×偏差を算出した
後、この下限値と本月の送信SpO2 値をコンピュータ
で比較し、測定値が上記下限値を下回るときSpO2
の急激な低下と判定し、警報等により病院側に容態の変
化を即刻報知可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、在宅酸素療法を受
けている在宅療養患者が、自ら測定する動脈血酸素飽和
度(SpO2 )と脈拍値を、病院側が即時把握し得るよ
うに、これらの測定値が入力されるコンピュータを用い
て、上記SpO2 値等のデータが変化する状況を自動解
析することで、専用オペレータなしで当該在宅療養患者
の容態を判定できるようにした方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人体の酸素運搬系、すなわち肺、呼吸
器、あるいは脳、神経、気道につき、その閉塞等による
換気の障害などを有する患者に対しては、在宅のまま治
療を継続して行う在宅酸素療法(HOT)なるものが知
られている。このような場合には、在宅療養患者の動脈
血酸素飽和度(SpO2 )すなわち、動脈血中のヘモグ
ロビンと結合した酸素量のその血液の酸素容量(O2
に対する百分比と、脈拍数とにつき、主治医はこれを継
続的に把握しなければならない。しかし、かつては、在
宅療養患者に月1〜2回の外来診療を行い、この際血液
ガス検査を実施して、上記の如き変化するSpO2 や脈
拍値を測知していたが、このような手段では、外来日間
における容態の把握ができず、かつ、在来療養患者の容
態は数日で急変することがあるため、充分な容態把握と
は言えなかった。
【0003】そこで、このような難点を解消するため、
既に在宅療養患者の自宅等にSpO2 や脈拍を手軽に測
定できるパルスオキシメータを用意し、当該患者自身が
測定した、これらに係る測定値データを電話回線の利用
により主治医の病院におけるコンピュータなどに伝送す
るといったことも開発されている。しかし、上記の如き
手段によるときも、SpO2 値や脈拍値が、コンピュー
タへ入力されて来ても、これらの伝送データに基づき、
当該患者の容態を判断するためには、その専用オペレー
タが常時待機していることが必要であり、しかも、この
ようなオペレータが付いていても、上記測定データに微
妙な変化があったときなどは、当該オペレータにとって
も患者の容態に対する判断が困難となって来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明では上記従来の
難点に鑑み、当該在宅療養患者のSpO2 値と脈拍値
が、その平均レベルやばらつきについて個人差を有して
いること、そして容態悪化時における測定値データの変
化態様としては、(1)SpO2 値の急激な低下、
(2)脈拍値の急激な上昇、(3)SpO2 値の緩やか
な下降、および(4)脈拍値の緩やかな上昇の4パター
ンに分かれていることを踏え、請求項1にあっては、コ
ンピュータを用いて所定近時期間のSpO2 値全データ
に係る平均と偏差を適切な手法により求め、これらを用
いてSpO2 値の下限値を予め算出し、当該下限値より
もコンピュータへの送信SpO2 値が下回ったとき、前
記(1)の急激な低下ありと判定する自動解析を当該コ
ンピュータにより行わせることにより、専用オペレータ
なしで当該SpO2 値データの変化を的確に知り得るよ
うにし、在宅療養患者の容態を即時判断して、主治医に
よる敏速な対応を可能にしようとするのが、その目的で
ある。
【0005】請求項2に係る判定方法にあっては、前記
(2)の脈拍値が急激に上昇したことを判定しようとし
ており、上記請求項1の場合と同様にして、脈拍値に係
る所定近時期間の平均と偏差から、脈拍値の上限値を算
出し、当該上限値よりもコンピュータに入力される送信
脈拍値が上回ったとき、上記の急激な上昇があったと判
定することで、前記請求項1と同等の目的を達成しよう
としている。
【0006】請求項3にあっては、前記(3)における
SpO2 の緩やかな下降を判定するもので、前記の請求
項1について説示した如くSpO2 値の平均と偏差を求
めておくが、これは送信SpO2 値の判定日よりも少し
前である所定近時前期間におけるものであり、さらに別
途この所定近時前期間とは全く重畳することのない上記
判定日以前の所定直前期間の始期を時間軸の原点とし
て、当該期間のSpO2値全データに対し最小二乗法に
よりY切片と傾きを求める。そして当該傾きが負であ
り、しかも当該傾きの検定により、その有意性が認めら
れたことを前提として、平均−パラメータ×偏差>傾き
×所定直前期間の日数+Y切片の不等判定式が満足され
たとき、前記SpO2 値の緩やかな下降があったと判定
することで、これまた請求項1と同等の目的を達し得る
ようにしている。
【0007】そして、請求項4の場合には、前記(4)
の脈拍値が緩やかに上昇したことを判定しようとしてお
り、請求項2と同様にして脈拍値の平均と偏差を求める
のは、送信脈拍値の判定日より少し前の所定近時前期間
の脈拍値全データについてであり、さらに当該所定近時
前期間とは全く重畳することのない所定直前期間の始期
を時間軸の原点として、請求項3と同様に、脈拍値全デ
ータに対し最小二乗法でY切片と傾きを求めることにな
る。そして、この傾きが正で有意性が是認されたとき、
前同様に、平均+パラメータ×偏差<傾き×所定直前期
間の日数+Y切片の不等判定式で示される条件が満たさ
れることで、脈拍値に緩やかな上昇があったと判定し、
これにより前同請求項1に説示したと同等の目的を達成
しようとしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、請求項1にあっては、在宅酸素療法を受け
ている在宅療養患者が、パルスオキシメータにより測定
した自己の動脈血酸素飽和度(SpO2 値)を、所要箇
所におけるコンピュータへ継続的に送信するようにし、
当該送信SpO2 値につき、上記のコンピュータによっ
て、所定近時期間におけるSpO2 値全データの平均と
偏差とを求め、これらの平均と偏差からPa=2〜3を
パラメータとする平均±Pa×偏差を求めて、この平均
±Pa×偏差の範囲内に、上記SpO2 値全データが、
すべて含まれていれば、当該平均と偏差によって、前記
所定近時期間のPb=2〜3をパラメータとしたSpO
2下限値である平均−Pb×偏差を求め、上記のSpO2
値全データ中に平均±Pb×偏差の範囲内でないデー
タが含まれているときは、当該データが含まれなくなる
まで、そのSpO2 値を除外したSpO2 値データの更
正平均と更正偏差を求めて、前記のSpO2 下限値であ
る更正平均−Pb×更正偏差を算出し、このようにして
得られたSpO2 下限値と、前記所定近時期間後にあっ
て前記コンピュータに入力されて来る送信SpO2 値を
比較することにより、当該送信SpO2 値が上記のSp
2 下限値を下回ることの検知により、当該在宅療養患
者のSpO2 値に急激な低下が発生したと判ずるように
したことを特徴とする動脈血酸素飽和度測定値の変化に
よる患者容態の自動解析による判定方法を提供しようと
している。
【0009】請求項2にあっては、在宅酸素療法を受け
ている在宅療養患者が、パルスオキシメータにより測定
した自己の脈拍値を、所要箇所におけるコンピュータへ
継続的に送信するようにし、当該送信脈拍値につき、上
記のコンピュータによって、所定近時期間における脈拍
値全データの平均と偏差を求め、これらの平均と偏差か
らPc=2〜3をパラメータとする平均±Pc×偏差を
求めて、この平均±Pc×偏差の範囲内に、上記脈拍値
全データが、すべて含まれていれば、当該平均と偏差に
よって、前記所定近時期間のPd=2〜3をパラメータ
とした脈拍上限値である平均+Pd×偏差を求め、上記
脈拍値全データ中に平均±Pc×偏差の範囲内でないデ
ータが含まれているときは、当該データが含まれなくな
るまで、その脈拍値を除外した脈拍値データの更正平均
と更正偏差を求めて、前記の脈拍上限値である更正平均
+Pd×更正偏差を算出し、このようにして得られた脈
拍上限値と、前記所定近時期間後にあって前記コンピュ
ータに入力されて来る送信脈拍値を比較することによ
り、当該送信脈拍値が上記の脈拍上限値を上回ることの
検知により、当該在宅療養患者の脈拍値に急激な上昇が
発生したと判ずるようにしたことを特徴とする脈拍測定
値の変化による患者容態の自動解析による判定方法を提
供しようとしている。
【0010】請求項3に係る判定方法の場合には在宅酸
素療法を受けている在宅療養患者が、パルスオキシメー
タにより測定した自己の動脈血酸素飽和度(SpO2
値)を、所要箇所におけるコンピュータへ継続的に送信
するようにし、当該送信SpO2 値につき、上記のコン
ピュータによって、所定近時前期間におけるSpO2
全データの平均と偏差とを求め、これらの平均と偏差か
らPe=2〜3をパラメータとする平均±Pe×偏差を
求めて、この平均±Pe×偏差の範囲内に、上記SpO
2 値全データが、すべて含まれていれば、当該平均と偏
差を後述の判定時に採択し、上記SpO2 値全データ中
に平均±Pe×偏差の範囲内でないデータが含まれてい
るときは、当該データが含まれなくなるまで、そのSp
2 値を除外したSpO2 値データの更正平均と更正偏
差を求めて、当該更正平均と更正偏差を後述の判定時に
採択するようにし、一方前記した所定近時前期間後であ
って判定日以前の所定直前期間における始期を時間軸の
原点として、当該所定直前期間にわたる全SpO2 値に
対して、最小二乗法によりY切片と傾きを求め、この傾
きが正であればSpO2 値に緩やかな下降傾向なしと判
定し、上記の傾きが負であるときは、当該傾きについ
て、その有意性の検定を行い、その結果が有意性なしで
あるときはSpO2 値に緩やかな下降傾向なしと判定
し、上記の結果が有意性ありであるときは、前記の平均
または更正平均と偏差または更正偏差およびY切片と傾
きを採択し、かつ、Pf=2〜3をパラメータとして、
平均または更正平均−Pf×偏差または更正偏差>傾き
×所定直前期間の日数+Y切片の不等判定式が成立しな
いときは、SpO2 値に緩やかな下降傾向はないと判定
し、当該不等判定式が成立したときは、SpO2 値が緩
やかな下降にあると判定するようにしたことを、その内
容としている。
【0011】さらに、請求項4の判定方法にあっては在
宅酸素療法を受けている在宅療養患者が、パルスオキシ
メータにより測定した自己の脈拍値を、所要箇所におけ
るコンピュータへ継続的に送信するようにし、当該送信
脈拍値につき、上記のコンピュータによって、所定近時
前期間における脈拍値全データの平均と偏差とを求め、
これらの平均と偏差からPg=2〜3をパラメータとす
る平均±Pg×偏差を求めて、この平均±Pg×偏差の
範囲内に、上記脈拍値全データが、すべて含まれていれ
ば、当該平均と偏差を後述の判定時に採択し、上記脈拍
値全データ中に平均±Pg×偏差の範囲でないデータが
含まれているときは、当該データが含まれなくなるま
で、その脈拍値を除外した脈拍値データの更正平均と更
正偏差を求めて、当該更正平均と更正偏差を後述の判定
時に採択するようにし、一方前記した所定近時前期間後
であって、判定日以前の所定直前期間における始期を時
間軸の原点として、当該所定直前期間にわたる全脈拍値
に対して、最小二乗法によりY切片と傾きを求め、この
傾きが負であれば脈拍値に緩やかな上昇傾向なしと判定
し、上記の傾きが正であるときは、当該傾きについて、
その有意性の検定を行い、その結果が有意性なしである
ときは脈拍値に緩やかな上昇傾向なしと判定し、上記の
結果が有意性ありであるときは、前記の平均または更正
平均と偏差または更正平均およびY切片と傾きを採択
し、かつ、Ph=2〜3をパラメータとして、平均また
は更正平均+Ph×偏差または更正偏差<傾き×所定直
前期間の日数+Y切片の不等判定式が成立しないとき
は、脈拍値に緩やかな上昇傾向はないと判定し、当該不
等判定式が成立したときは、脈拍値が緩やかな上昇にあ
ると判定するようにしたことを、その内容としている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る判定方法は、図2に
例示する如き送信用装置例を用いて実施することがで
き、当該図示例では、在宅療養患者側Cにあっては、セ
ンサ1aを導出したパルスオキシメータ1の出力側に、
中継ボックス2を介して家庭用送受信装置3が接続さ
れ、この家庭用送受信装置3の出力側と電話機4とが接
続器4aによって電話回線5に接続されている。図中1
bと1cはパルスオキシメータ1の夫々表示部と電源ス
イッチを、そして2a、2bは、中継ボックス2の夫々
送信用スイッチと計測パイロットランプを夫々示してい
る。
【0013】さらに、上記電話回線5は図示例の場合、
主治医のいる病院側Hに設置された病院用送受信装置6
に接続され、その出力側が、コンピュータ7に接続され
ており、図中8はこのコンピュータ7に接続されたプリ
ンタを、そして9はコンピュータ7の出力側に接続され
た音や光による警報器を示している。
【0014】そこで、在宅療養患者は、既知の如く例え
ば朝、昼、晩の食後など、1日数回安静時に前掲パルス
オキシメータ1のセンサ1aに指を嵌め込んで、SpO
2 や脈拍の測定を行うことになるが、この際表示部1b
に表示される数値が安定したところで、中継ボックス2
の送信用スイッチ2aを閉成すると、計測パイロットラ
ンプ2bが点灯し、家庭用送受信装置3に規定秒数間の
SpO2 値や脈拍値が記録され、当該規定秒数が経過す
ると、計測パイロットランプ2bが消灯して測定完了を
被測定者に知らせ、センサ1aから指を外して測定が完
了する。
【0015】次に、前記の家庭用送受信装置3は、自動
的に病院側Hの電話番号を回して、上記の測定値データ
を当該電話回線5により、病院用送受信装置6を介しコ
ンピュータ7へ送信させることになる。この際、当該コ
ンピュータ7は常に人がいるナースステーション等に設
置され、このコンピュータ7によって以下詳記する本発
明の測定値データに対する自動解析が行われ、これによ
り得れれた患者容態の判定結果により、前記の如くSp
2 値と脈拍値に特定の変化があったと判定されたとき
は、コンピュータ7自体の目視によるとか、図示した警
告器9のアラームによって、主治医や看護婦に当該測定
値データの変化を知らせることになる。
【0016】上記のようにして本発明が実施された場合
には、実際上警報を確認した主治医等は、測定値データ
に特異な変化のあったことにつき、直ちに当該患者に電
話連絡による問診を行うことで、その容態を詳細に把握
し、必要に応じ緊急来院を指示して病院での精密検査を
行ったり、緊急入院させたりする。
【0017】もちろん、本発明は上記のようにして実施
されるだけでなく、コンピュータの如きデータ解析機能
をもった装置を、前同家庭用送受信装置3に搭載して、
データ解析により測定値データに変化があったと判定さ
れたときのみ病院側へ、その旨を伝送するようにし、そ
れ以外は例えば1週間に1度だけ定期的に測定値データ
を、当該病院側へ伝送するといった実施態様の下で、本
発明を実用化するようにしてもよい。
【0018】このようにした場合には、実際上家庭用送
受信装置によってアラームを発するようにし、当該患者
にSpO2 値と脈拍値を連続的に測定させるようにし
て、サンプリング数を増やすことにより、当該測定値デ
ータの変化が、酸素吸入量の間違いとか、安静時でない
ときの測定によるといった一時的なものであるのかどう
かを速やかに判断できるようになり、本発明に係る自動
解析による判定の精度をより向上させ得ることになる。
【0019】そこで、請求項1に係る前記のSpO2
に関する急激な低下を判定する方法につき以下詳記する
と、在宅酸素療法を行っている在宅療養患者には、人夫
々にその平均レベルやばらつきに個人差があることか
ら、当該個人差を無視してSpO2 値の限界値である下
限値を決め、これよりもSpO2 測定値が下回ったとき
に、SpO2 の急激な低下があったと判定しても、正し
い判定結果を得ることはできない。
【0020】本発明では、上記の点を考慮して過去の測
定値データから、平素の個人差を、その平均と偏差とい
う数値でまず表現するようにしており、当該過去の測定
値データとは、あまり遡及しない所定近時期間、例えば
図1の実施例では前月のSpO2 値全データにつき、そ
の第1工程に計算式により明示したように、その平均と
偏差を求めるだけでなく、さらに当該平均と偏差から、
Pa=2〜3をパラメータとして平均±Pa×偏差を求
めて第2工程を終るのである。
【0021】次に、図1のYSiで示されるSpO2
全データが、すべて上記した平均±Pa×偏差の範囲に
含まれているときは、第3工程から次説の第5工程に移
行するのであるが、今もし上記の範囲内にないSpO2
値データが存するときは、当該埓外であるSpO2 を除
外して、再度前同様にしてSpO2 値の更正平均と更正
偏差を第4工程の如く算出し直すのであり、かくして当
該第4工程から第2工程へ移行して更正平均±Pa×更
正偏差を求め、さらに第3工程から第5工程へ移行する
ことになる。そして、このような更正平均、更正偏差の
算定は、第3工程における上記の範囲に、すべて含まれ
るようになるまで繰り返されることとなる。
【0022】上記のように第2工程−第3工程−第4工
程−第2工程の繰り返し工程を採るようにしたのは、こ
の前月である所定近時期間にあって、飛び抜けて異常な
SpO2 の測定値データを削除しないときは、平素の前
記個人差を表現することになる平均が不本意に上下動し
てしまったり、偏差が増大したりして、当該個人差に対
する誤った表現がなされてしまわないようにするためで
あり、これにより本発明における判定の信頼性を向上し
得ることになる。
【0023】次に、第5工程では、上記のようにして得
たSpO2 値全データの平均または更正平均、偏差また
は更正偏差によって、当月のSpO2 下限値をPb=2
〜3をパラメータとして、平均−Pb×偏差、更正平均
−Pb×更正偏差により求め、今月における判定日の送
信SpO2 値を次々と、上記の下限値と比較して行き、
送信SpO2 値が当該下限値を下回るときに、SpO2
値の急激な低下ありと判定するのであり、図2のような
場合は、コンピュータ7に接続の警報器9が、当該異常
を報知することになる。
【0024】ここで、上記の如く平均と偏差を算出する
所定近時期間を、判定日の前月に選定したのは、1年間
を通して個人差のある平均および偏差は、四季による体
調への気温等による影響や病態の進行、体力の減衰など
で、その値が一定ではなくて、変動するものであること
が確認されているため、最近の在宅療養患者の容態を最
も反映している測定データ区間として、最近におけるデ
ータ算出期間が望ましいからである。しかし、もちろん
前月の1ケ月に限定されなければならないものでなく、
一般論としては、当該患者の平素の容態を一番反映して
いる期間の選定であればよいことになる。
【0025】尚、ここで後に実施例として詳細に説示す
ることになるが、図3が請求項1に係るSpO2 値全デ
ータを、そして図5が次説の請求項2に係る脈拍値全デ
ータを示す図表であり、表1が図3に対応するSpO2
値全データの一覧表で、表2が同じく図5に対応する脈
拍値全データの一覧表を示している。
【0026】次に、請求項2に係る脈拍値の急激な上昇
を判定する方法につき説示すると、その基本的な考え方
は上記請求項1の場合と同じであり、その工程内容は図
4にあって、その一実施例が明示されている。すなわ
ち、所定近時期間として前月を選び、ここで測知した脈
拍値全データの平均と偏差を求め、Pc=2〜3をパラ
メータとした脈拍値に係る平均±Pc×偏差の範囲内
に、上記の脈拍値全データが、すべて含まれているとき
は、脈拍上限値をPd=2〜3をパラメータとして平均
+Pd×偏差で求め、平均±Pc×偏差の範囲外である
脈拍値データがあるときは、これを除外して脈拍値デー
タの更正平均と更正偏差を求め、これによる脈拍上限値
更正平均+Pd×更正偏差を算出する。これにより、図
4の第1、第2、第3工程から第5工程に移行するか、
第1、第2、第3、第4工程そして、さらに第2、第3
工程を経て第5工程に達することになる。もちろん、請
求項1と同じく、上記の範囲から外れる脈拍値データが
存在しなくなるまで、更正平均と更正偏差の算出が繰り
返される。
【0027】そして第6工程にあっては、このようにし
て得られた脈拍上限値と、所定近時期間後にあって、前
記のコンピュータ7に入力されて来る送信脈拍値を逐一
比較することで、送信脈拍数が上記の脈拍上限値を上回
ることの検知で、在宅療養患者脈拍値の急激な上昇発生
を判定することになる。
【0028】さらに、請求項3に係るSpO2 値の緩や
かな下降を判定する方法につき説示すると、ここで重要
なことは、図6に、その一実施例が開示されている如
く、大別して判定に用いる平均、偏差の算出手順と、最
小二乗法による直線近似式の算出手順と、さらに上記前
者の手順結果と後者の手順結果とを用いる判定手順とに
よって構成されている。そして、その重要な着眼点は、
この判定にあっても、前同様にして個人差のあることを
無視しての判定は行い得ないことから、単純にSpO2
値全データの直線近似での傾きだけを判定の基準とする
ことなく、平素の個人差を最近のSpO2 値全データの
平均と偏差で表現し、さらに、送信SpO2 値に対して
最小二乗法で直線近似を行い、上記の平均と偏差および
直線近似式によるY切片と傾きを用いることで、SpO
2 値の緩やかな下降の存否を高精度に判定しようとして
いることである。
【0029】そこで、請求項3にあって重要なことは図
6によって明示の如く、まず個人差を表現する平均と偏
差を算出する所定近時前期間P1 (図7参照)と、前記
の直線近似する所定直前期間P2 (図7参照)とを、夫
々重畳することのない独立した期間として分けるように
するのである。すなわち図6の第1工程に示した実施例
では、SpO2 値の変化に対する判定日を含めて8日間
前から21日間前の14日間を、図7のように所定近時
前期間P1 として選定し、当該P1 におけるSpO2
全データについて、その平均と偏差を求めるのに対し、
図6の第6工程として示されている直線近似式の図7に
示されたY切片Aと傾きBとを求める所定直前期間P2
としては、前記判定日を含む7日間前を時間軸の原点と
して、当該P2 におけるSpO2 値全データに対して、
最小二乗法により、上記の如くY切片Aと傾きBを求め
るのである。
【0030】このように所定近時前期間P1 と所定直前
期間P2 とを分離するようにしたのは、平素時の個人差
を算出する期間部分が、直線近似する期間部分における
測定値データの影響を受けないようにするためであっ
て、具体的には、直線近似する測定値データが下降や上
昇傾向を示しているとき、当該直線近似する期間を、上
記の個人差の算出に選定される期間に含めると、前掲平
均レベルの上下動や偏差の増大を招き、正しい平素時の
個人差を算出し得なくなるからである。
【0031】さて、上記の如くして図6における第1工
程により平均と偏差を求めたならば、請求項3では、そ
の第2工程にあって、前記の請求項1において説示した
通り、上記の平均と偏差からPe=2〜3をパラメータ
として平均±Pe×偏差を求めることになる。そして、
さらに第3、第4、第5工程から理解される通り、請求
項1の場合と同様にして第1工程におけるSpO2 値全
データが、上記した平均±Pe×偏差の範囲に含まれて
いるときは、当該平均と偏差を第5工程に明示の如く、
後の第10工程において採択することになる。これに対
し、上記の平均±Pe×偏差に含まれないSpO2 値デ
ータがあるときは、これを除外して更正平均と更正偏差
を算出し、その結果を第10工程で後述のように用いる
こととなる。
【0032】一方前記した直線近似式の算出について
は、図6の第6工程として明示し図7によって理解され
る通り、所定直前期間P2 におけるSpO2 値全データ
に基づき最小二乗法によりY切片Aと傾きBが求めら
れ、当該傾きBが正であればSpO2 値の緩やかな下降
傾向はないことを第9工程で判断し、傾きBが負である
ことを検知したときは、第8工程において当該傾きBに
ついて、偶然性の検討のため、有意性の検定を行い、こ
の検定基準範囲内に0を含むときは有意性なしとして、
上記第9工程でSpO2 値に緩やかな下降が生じていな
いと判定する。
【0033】ここで、上記有意性の検定については既知
の手段によって行うようにすればよいが、これを図8に
よって説示すれば、その第1手順による設定により、第
2手順のSb値を求め、さらに、第3手順の傾き±t
0.05×Sbの範囲に0が含まれるか否かを検ずるこ
とで、有意性がないか、あるかを決することになる。
【0034】次に前掲図6の第10工程にあっては、S
pO2 測定値の緩徐な下降判定式としてPf=2〜3を
パラメータとする平均−Pf×偏差と、傾きB×所定直
前期間P2 の日数(7日間)+Y切片Aとを比較し、 平均−Pf×偏差>傾き×所定直前期間の日数+Y切片 の条件が満たされないときは、SpO2 測定値の緩徐な
下降はないと判定し、当該条件が満足されたことで、上
記の緩やかな下降ありと判定するのである。
【0035】尚、ここで後述する実施例の項にあって詳
細に説示するが、図9が請求項3に係るSpO2 値全デ
ータを、そして図11が次説の請求項4に係る脈拍値全
データを示す図表であり、表3が図9に対応するSpO
2 値全データの一覧表で、表4が同じく図11に対応す
る脈拍値全データの一覧表である。
【0036】さらに、請求項4に係る脈拍値の緩やかな
上昇を判定する方法につき説示するが、その基本的な考
え方は前記請求項1と請求項2との関係と近似してい
て、前掲請求項3の場合と同様であり、その内容につい
ては図10において一実施例が示されている。すなわ
ち、判定日を含む8日間前から21日間前までの14日
間を、ここでも所定近時前期間として選定し、この期間
内の脈拍値全データにつき、その平均と偏差を求め、こ
れによりPg=2〜3をパラメータとして平均±Pg×
偏差を知ることで、第1、第2工程を終る。
【0037】さらに、第2、第3、第4、第5工程につ
いても実質的に請求項3の場合と同じ手法が実施され、
平均±Pg×偏差の範囲内に前掲脈拍値全データが含ま
れていれば、その際の平均と偏差が、そのまま採択さ
れ、上記の範囲外である脈拍値全データがあるときは、
これを除いた上で算定された更正平均と更正偏差が用い
られることになる。
【0038】また、直線近似式の算定と判定の手順とし
ては、第6〜第11工程が採択されるのであり、これま
た図6の場合と同様にして、判定日を含む7日間前を所
定直前期間として、その始期を時間軸の原点となし、こ
の期間における脈拍値全データに対して、最小二乗法で
Y切片と傾きを求め、この場合には当該傾きが負である
とき、脈拍値の緩やかな上昇傾向なしと判断し、傾きが
正であれば、これにつき有意性の検定を行い、有意性な
しであれば第9工程に明示の如く、上記と同じく緩やか
な上昇はないと判断する。
【0039】上記の場合、傾きの有意性が是認されたな
らば、第10工程と第11工程として図示の如く、Ph
=2〜3をパラメータとして、前記の請求項3にあって
説示したと同じ考え方から、 平均+Ph×偏差<傾き+所定直前期間の日数+Y切片 なる条件を満たさなければ脈拍値の緩徐な上昇はなく、
当該条件が満足されたならば、脈拍値は緩やかに上昇し
ていると判定するのである。
【0040】ここで、上記した所定近時前期間と所定直
前期間の選定については、請求項3と請求項4の双方と
も、図示例に限定されるものでなく、前者では平素の在
宅療養患者につき、その容態が反映している期間を選定
すればよく、また、後者にあっても、直線近似する測定
値データ数は10個以上あることが望ましいと考えられ
るので、この条件が常に満たせるならば、前記の如く7
日間とせずに、それ以下であってもよい。
【0041】
【実施例】本発明に係る判定方法につき、その理解を深
めるため以下請求項1乃至請求項4の夫々につき、測定
値データの解析を具体例によって説示する。まず請求項
1ではSpO2 値の急激な低下を判定することになる
が、図2と下記の表1を参照して、2月におけるSpO
2 下限値を算出するため、1月中のSpO2 値全データ
(表1のNo.1〜No.91)につき、その平均と偏
差を求めると、図4の第1工程に基づく計算式から 平均 92.8% 偏差 1.86% を算出することができた。
【表1】
【0042】ここで、上記の算出に使用したSpO2
全データ(No.1〜No.91)が、92.8%±3
×1.86%の範囲に含まれているか否かを調べて見る
と、No.10、No.67、そしてNo.77の当該
測定値データが、当該範囲に含まれていなかったので、
これらの上記測定値データを除いた残余全部のSpO2
測定値データをにつき、別途その平均と偏差を求めたと
ころ、 平均 93.0% 偏差 1.50% を算出し得た。
【0043】そこで、再びNo.10、No.67、N
o.77を除いたNo.1〜No.91の当該測定値デ
ータが、93.0%±3×1.50%の範囲に含まれて
いるかどうかにつき調べたところ、当該範囲外のものは
なく、この結果、2月におけるSpO2 下限値として、 93.0%−3×1.50%=88.5% を特定することができた。上記SpO2 下限値と2月に
おける送信SpO2 値とを比較して、この値のうち、上
記の下限値よりも下回るものがあるかどうかにつき検じ
たところ、表1における2月24日(No.160)と
2月25日(No.163)および2月26日(No.
167)に、図2の警報器9がアラームを報じた。この
ようなケースでは、主治医が当該患者に適切な指示を与
える必要があり、また、入院をすすめる等の措置がとら
れることになる。
【0044】次に、請求項2に係る脈拍値の急激な上昇
を判定する場合の具体例であるが、図5と下記の表2を
参照して説示すると、ここでは10月の脈拍上限値を算
出するため、まず9月中の脈拍値全データ(No.1〜
No.104)につき、その平均と偏差を図6の第1工
程によって求めて 平均 74.1% 偏差 6.38% を得、当該算出に使用した脈拍値全データが、74.1
%±3×6.38%(Pe=3)の範囲に含まれている
かどうか調べたところ、No.12の94.0が当該範
囲外であることから、これを除いたNo.1〜No.1
04のデータで、再度の算定により、更正平均と更正偏
差を求め、 更正平均 73.9% 更正偏差 6.09% を得た。
【表2】
【0045】そこで、再度73.9%±3×6.09%
の範囲に、No.12を除いたNo.1〜No.104
の脈拍値データが含まれているか否かを検じ、含まれて
いることが確認されたので、10月の脈拍上限値=7
3.9%+3×6.09%=92.2%を得た。この上
限値により図6の第11工程を行った結果、表2にあっ
て、10月7日(No.129)、10月27日(N
o.195)、10月28日(No.198)、10月
29日(No.201)、10月31日(No.20
8)に警報器9が作動し、脈拍値の急激な上昇ありとの
判定を得た。
【0046】次に、請求項3のSpO2 値が緩やかな下
降傾向にあることの判定方法につき、その具体例を図
6、図9そして下記の表3の参照により、これを以下詳
細に説示する。表3の5月10日におけるNo.58に
よる送信SpO2 値がコンピュータ7に入力されてきた
とき、まず5月10日を含む8日間前から21日間前ま
での14日間、すなわち4月20日〜5月3日のSpO
2 値全データ(No.1〜No.39)につき、その平
均と偏差を求めると 平均 89.6% 偏差 1.01% となり、ここで、その算出に使用した上記測定値全デー
タ(No.1〜No.39)が、89.6%±3×1.
01%(Pg=3)の範囲に含まれているかにつき調べ
ると、すべてが当該範囲に含まれているので、上記の平
均と偏差を第10工程における判定のために使用するこ
ととした。
【表3】
【0047】次に、5月10日を含む7日間前まで、す
なわち、5月4日〜5月10日のSpO2 値全データ
(No.40〜No.58)に対して、5月4日の0時
を時間軸の原点とし、単位は日として測定時刻を変換す
ると、例えばNo.45の測定値データまでの時間は
1.825日となるから、これにより最小二乗法でY切
片と傾きを求めると、 Y切片 89.9% 傾き −0.164 となる。従って、この傾きは負であるから、このことに
より、次に傾きに対する95%の信頼区間を求めると、
前記のSbは Sb=0.216 となり、データ数NS=19(No.40〜No.5
8)より、19−2のt分布の有意点=0.05の値は
2.110となるため、95%の信頼区間は、 −0.164±2.110×0.216 となる。
【0048】従って、上記の区間は0を含むことにな
り、前記図6の第8工程における有意性はないと検定で
きるから、SpO2 値の緩やかな下降傾向なしの判定が
下される。そして5月10日(No.60)における送
信SpO2 値がコンピュータ7に送信されて来たとき
は、 平均 89.6% 偏差 1.101% Y切片 90.6% 傾き −0.474 95%の信頼区間 −0.474±2.093×
0.222 とあり、この区間は0を含まないので、第10工程に基
づき不等判定式の成否を算定したところ 89.6%− 2× 1.101%=87.4%>−0.474 × 7+90.6%
=87.3% となって成立したため、当該SpO2 値の緩やかな下降
傾向があると判定され、これにより警報器9がアラーム
を報ずることとなった。
【0049】上記と同様の手順によりNo.61〜N
o.66の判定を行えば、No.61、No.62、N
o.63、No.64、そしてNo.66は、何れもS
pO2値が緩やかな下降にあると判定して警報等を発す
ることになり、No.65は傾きに有意性がないという
ことになる。
【0050】最後に、脈拍値の緩やかな上昇を判定する
場合、すなわち請求項4に係る具体例につき、図10、
図11そして下記の表4を参照して以下説示する。
【表4】 今、上記表4中7月24日におけるNo.79の脈拍値
データが、コンピュータ7に送信されてきたとき、ま
ず、7月24日を含む8日前から21日間前までの14
日間、すなわち、7月4日〜7月17日の脈拍値全デー
タ(No.1〜No.55)の平均と偏差を求めるので
あり、これにより、 平均 92.7% 偏差 3.83% を算定し、この算定に使用した上記No.1〜No.5
5の全データが、92.7%±3×3.83%の範囲に
含まれているか否かを調べ、この結果、当該範囲に、す
べてが含まれているので、上記の平均と偏差を、後述の
判定に使用することとなる。
【0051】次に、7月24日を含む7日間前まで、す
なわち7月18日〜7月24日の脈拍値全データ(N
o.56〜No.79)に対して、7月18日の0時を
時間軸の原点とし、単位を日として測定時刻を変換する
のであり、従って、例えばNo.60の測定値データま
での時間は1.222日となるから、これにより最小二
乗法でY切片と傾きを求めると、 Y切片 91.6% 傾き 0.288 が得られる。従って、この傾きは正であるので、これに
より次の第8工程を行うことになり、傾きに対する95
%の信頼区間を求めると、前記Sbは Sb=0.503 となり、データ数NS24(No.56〜No.79)
より、24−2のt分布の有意点=0.05の値は、
2.074となるため、95%の信頼区間は、 0.288±2.074×0.503 となって、この区間は0を含むことから、有意性はない
と検定でき、これにより脈拍値は緩やかな上昇にないと
判定される。
【0052】同様にして、7月24日のNo.80〜N
o.82に係るコンピュータ7への入力に対しても、有
意性なしとなるので脈拍値全データに緩やかな上昇は認
められない旨の判定が下され、7月25日のNo.83
の場合には、 平均 92.8% 偏差 3.748% Y切片 90.5% 傾き 1.113 95%の信頼区間 1.113±2.074×0.
526 となるから、この区間は0を含まず有意性ありと検定さ
れ、さらに不等判別式の成否は、 92.8%+ 2× 3.748%= 100.3%> 1.113× 7+90.5%
=98.3% となるため、脈拍値全データは緩やかな上昇にないと判
定できることになり、同様にして、No.84とNo.
85の判定も、有意性はあるが、緩やかな上昇にないと
判定される。
【0053】さらに、7月26日のNo.86の場合に
あっては 平均 92.9% 偏差 3.834% Y切片 90.1% 傾き 1.635 95%の信頼区間 1.635±2.080×0.
504 となり、この区間は0を含まないため有意性ありとなる
ので、判定のための不等判定式により、 92.9%+2 × 3.834%= 100.6%< 1.635× 7+90.1%
= 101.5% となることから、脈拍値に緩やかな上昇ありと判定し警
報を鳴らすことになる。同様にして、No.87とN
o.88の判定結果は、これまた何れも上記のNo.8
6と同じく警報を発するものとなった。
【0054】
【発明の効果】本発明は以上のようにして実施できるも
のであるから、在宅酸素療法を受けている在宅療養患者
につき、単に、SpO2 値や脈拍値につき、定期的に送
信されてくる測定値データを検ずることで、当該患者の
容態を把握できるというだけでなく、コンピュータによ
り当該測定データにつき、請求項1ではSpO2 値の急
激な低下、請求項2では脈拍値の急激な上昇、請求項3
ではSpO2 値の緩徐な下降、そして請求項4にあって
は脈拍値の緩徐な上昇につき、夫々を自動解析により、
高い信頼性をもって判定可能としたから、解析専用オペ
レータが不要となると共に、人為的解析手段の優劣や誤
操作の問題を解消でき、しかも速やかに誰にでも測定値
データの変化を警報等により認識させ得ることになり、
同上患者に対しての緊急対応が敏速化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】在宅療養患者SpO2 値につき、その急激な低
下を判定するための請求項1に係る方法例を示したフロ
ーチャートである。
【図2】本発明に係る判定方法の実施に用いられる測定
値データの送信用装置例を示した構成説明図である。
【図3】本願の請求項1に係るSpO2 値と脈拍値の各
データを示したトレンドグラフである。
【図4】在宅療養患者脈拍値につき、その急激な上昇を
判定するための請求項2に係る方法例を示したフローチ
ャートである。
【図5】本願の請求項2に係る脈拍値とSpO2 値の各
データを示したトレンドグラフである。
【図6】在宅療養患者SpO2 値につき、その緩やかな
下降を判定するための請求項3に係る方法例を示したフ
ローチャートである。
【図7】本願の請求項3に係るSpO2 値データにつ
き、その直線近似式を算定して得られる傾きの有意性検
定方法説示用の説明図である。
【図8】本願の請求項3と請求項4における傾きの有意
性検定手順を示したフロチャートである。
【図9】本願の請求項3に係るSpO2 値と脈拍値の各
データを示したトレンドグラフである。
【図10】在宅療養患者脈拍値につき、その緩やかな上
昇を判定するための請求項4に係る方法例を示したフロ
ーチャートである。
【図11】本願の請求項4に係る脈拍値とSpO2 値の
各データを示したトレンドグラフである。
【符号の説明】
1 パルスオキシメータ 7 コンピュータ A Y切片 B 傾き P1 所定近時前期間 P2 所定直前期間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 在宅酸素療法を受けている在宅療養患者
    が、パルスオキシメータにより測定した自己の動脈血酸
    素飽和度(SpO2 値)を、所要箇所におけるコンピュ
    ータへ継続的に送信するようにし、当該送信SpO2
    につき、上記のコンピュータによって、所定近時期間に
    おけるSpO2 値全データの平均と偏差とを求め、これ
    らの平均と偏差からPa=2〜3をパラメータとする平
    均±Pa×偏差を求めて、この平均±Pa×偏差の範囲
    内に、上記SpO2 値全データが、すべて含まれていれ
    ば、当該平均と偏差によって、前記所定近時期間のPb
    =2〜3をパラメータとしたSpO2 下限値である平均
    −Pb×偏差を求め、上記のSpO2 値全データ中に平
    均±Pb×偏差の範囲内でないデータが含まれていると
    きは、当該データが含まれなくなるまで、そのSpO2
    値を除外したSpO2 値データの更正平均と更正偏差を
    求めて、前記のSpO2 下限値である更正平均−Pb×
    更正偏差を算出し、このようにして得られたSpO2
    限値と、前記所定近時期間後にあって前記コンピュータ
    に入力されて来る送信SpO2 値を比較することによ
    り、当該送信SpO2 値が上記のSpO2 下限値を下回
    ることの検知により、当該在宅療養患者のSpO2 値に
    急激な低下が発生したと判ずるようにしたことを特徴と
    する動脈血酸素飽和度測定値の変化による患者容態の自
    動解析による判定方法。
  2. 【請求項2】 在宅酸素療法を受けている在宅療養患者
    が、パルスオキシメータにより測定した自己の脈拍値
    を、所要箇所におけるコンピュータへ継続的に送信する
    ようにし、当該送信脈拍値につき、上記のコンピュータ
    によって、所定近時期間における脈拍値全データの平均
    と偏差を求め、これらの平均と偏差からPc=2〜3を
    パラメータとする平均±Pc×偏差を求めて、この平均
    ±Pc×偏差の範囲内に、上記脈拍値全データが、すべ
    て含まれていれば、当該平均と偏差によって、前記所定
    近時期間のPd=2〜3をパラメータとした脈拍上限値
    である平均+Pd×偏差を求め、上記脈拍値全データ中
    に平均±Pc×偏差の範囲内でないデータが含まれてい
    るときは、当該データが含まれなくなるまで、その脈拍
    値を除外した脈拍値データの更正平均と更正偏差を求め
    て、前記の脈拍上限値である更正平均+Pd×更正偏差
    を算出し、このようにして得られた脈拍上限値と、前記
    所定近時期間後にあって前記コンピュータに入力されて
    来る送信脈拍値を比較することにより、当該送信脈拍値
    が上記の脈拍上限値を上回ることの検知により、当該在
    宅療養患者の脈拍値に急激な上昇が発生したと判ずるよ
    うにしたことを特徴とする脈拍測定値の変化による患者
    容態の自動解析による判定方法。
  3. 【請求項3】 在宅酸素療法を受けている在宅療養患者
    が、パルスオキシメータにより測定した自己の動脈血酸
    素飽和度(SpO2 値)を、所要箇所におけるコンピュ
    ータへ継続的に送信するようにし、当該送信SpO2
    につき、上記のコンピュータによって、所定近時前期間
    におけるSpO2 値全データの平均と偏差とを求め、こ
    れらの平均と偏差からPe=2〜3をパラメータとする
    平均±Pe×偏差を求めて、この平均±Pe×偏差の範
    囲内に、上記SpO2 値全データが、すべて含まれてい
    れば、当該平均と偏差を後述の判定時に採択し、上記S
    pO2 値全データ中に平均±Pe×偏差の範囲内でない
    データが含まれているときは、当該データが含まれなく
    なるまで、そのSpO2 値を除外したSpO2 値データ
    の更正平均と更正偏差を求めて、当該更正平均と更正偏
    差を後述の判定時に採択するようにし、一方前記した所
    定近時前期間後であって判定日以前の所定直前期間にお
    ける始期を時間軸の原点として、当該所定直前期間にわ
    たる全SpO2 値に対して、最小二乗法によりY切片と
    傾きを求め、この傾きが正であればSpO2 値に緩やか
    な下降傾向なしと判定し、上記の傾きが負であるとき
    は、当該傾きについて、その有意性の検定を行い、その
    結果が有意性なしであるときはSpO2 値に緩やかな下
    降傾向なしと判定し、上記の結果が有意性ありであると
    きは、前記の平均または更正平均と偏差または更正偏差
    およびY切片と傾きを採択し、かつ、Pf=2〜3をパ
    ラメータとして、平均または更正平均−Pf×偏差また
    は更正偏差>傾き×所定直前期間の日数+Y切片の不等
    判定式が成立しないときは、SpO2 値に緩やかな下降
    傾向はないと判定し、当該不等判定式が成立したとき
    は、SpO2 値が緩やかな下降にあると判定するように
    したことを特徴とする動脈血酸素飽和度測定値の変化に
    よる患者容態の自動解析による判定方法。
  4. 【請求項4】 在宅酸素療法を受けている在宅療養患者
    が、パルスオキシメータにより測定した自己の脈拍値
    を、所要箇所におけるコンピュータへ継続的に送信する
    ようにし、当該送信脈拍値につき、上記のコンピュータ
    によって、所定近時前期間における脈拍値全データの平
    均と偏差とを求め、これらの平均と偏差からPg=2〜
    3をパラメータとする平均±Pg×偏差を求めて、この
    平均±Pg×偏差の範囲内に、上記脈拍値全データが、
    すべて含まれていれば、当該平均と偏差を後述の判定時
    に採択し、上記脈拍値全データ中に平均±Pg×偏差の
    範囲でないデータが含まれているときは、当該データが
    含まれなくなるまで、その脈拍値を除外した脈拍値デー
    タの更正平均と更正偏差を求めて、当該更正平均と更正
    偏差を後述の判定時に採択するようにし、一方前記した
    所定近時前期間後であって、判定日以前の所定直前期間
    における始期を時間軸の原点として、当該所定直前期間
    にわたる全脈拍値に対して、最小二乗法によりY切片と
    傾きを求め、この傾きが負であれば脈拍値に緩やかな上
    昇傾向なしと判定し、上記の傾きが正であるときは、当
    該傾きについて、その有意性の検定を行い、その結果が
    有意性なしであるときは脈拍値に緩やかな上昇傾向なし
    と判定し、上記の結果が有意性ありであるときは、前記
    の平均または更正平均と偏差または更正平均およびY切
    片と傾きを採択し、かつ、Ph=2〜3をパラメータと
    して、平均または更正平均+Ph×偏差または更正偏差
    <傾き×所定直前期間の日数+Y切片の不等判定式が成
    立しないときは、脈拍値に緩やかな上昇傾向はないと判
    定し、当該不等判定式が成立したときは、脈拍値が緩や
    かな上昇にあると判定するようにしたことを特徴とする
    脈拍値の変化による患者容態の自動解析による判定方
    法。
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