JPH0973001A - 反射防止膜 - Google Patents

反射防止膜

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JPH0973001A
JPH0973001A JP8164528A JP16452896A JPH0973001A JP H0973001 A JPH0973001 A JP H0973001A JP 8164528 A JP8164528 A JP 8164528A JP 16452896 A JP16452896 A JP 16452896A JP H0973001 A JPH0973001 A JP H0973001A
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JP
Japan
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layer
antireflection film
wavelength
refractive index
film
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JP8164528A
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English (en)
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Ritsupii Baretsuto
リッピー バレット
Hiroichi Ishikawa
博一 石川
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、導電性が高く、広い周波数帯
域においても反射防止効果が高い反射防止膜を提供す
る。 【解決手段】 隣り合う2つの層を支持層11に、ある
いは支持層11上のハードコート層12上に被着させた
ものであり、支持層11に近い方の第1の層1を光を吸
収する導電性の材料から構成し、他の第2の層2を屈折
率が2.0以下である材料から構成する。上記第1の層
1の短波長側の波長λv における屈折率をnv 、消衰係
数をkv とし、長波長側の波長λr における屈折率をn
r 、消衰係数をkr とするとき、nv はnr より大きく
かつkv はkr より小さい(nv >nr かつkv <k
r )ものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持層に被着さ
れ、反射防止特性を有すると共に、電磁波のもれや静電
気の帯電等を防止する光学膜としての反射防止膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、反射防止膜は、例えば空気とガラ
スとの光学的境界面における屈折率を減少させることが
好ましかったり、また、その必要がある光学や電気光学
の分野で広く使われている。これらの応用分野として
は、カメラのレンズ、コピー機械のプラテン(原稿
台)、機器用のカバーガラス、陰極線管いわゆるCRT
(cathode-ray tube)用パネル、その他の表示装置等が
ある。
【0003】各種の応用分野で使われる光学的な薄膜コ
ーティングには、マグネシウムフッ化物から成る膜等の
単一層コーティングや、1つの波長領域における屈折率
を最小にする2層のコーティングや、比較的広い波長領
域例えば可視光領域の範囲にわたって低い屈折率を生じ
る多層の広帯域コーティング等がある。ここで、上記2
層のコーティングについて説明する。
【0004】先ず、米国特許第4422721号に開示
された2層膜で構成される反射防止膜(以下、反射防止
膜A)は、少なくとも1つの低屈折率の材料から成る層
例えばマグネシウムフッ化物から成る層と、薄い透明な
高屈折率で導電性を有する材料から成る層、例えばイン
ディウム錫酸化物(ITO:indium tin oxide)、カド
ミウム錫酸塩、あるいは錫アンチモン酸化物から成る層
とから構成され、光学基材の表面から順に低屈折率の材
料から成る層、薄い透明な高屈折率で導電性を有する材
料から成る層が被着されて成るものである。また、上記
導電性材料から成る層は、1.0nmから30.0nm
の光学厚さを有しており、また、上記低屈折率材料から
成る層は、上記導電性材料から成る層が劣化しないよう
に、導電性材料から成る層の厚さに応じた厚さを有す
る。
【0005】上記反射防止膜Aは、一方が低い屈折率で
もう一方が高い屈折率である2層膜にて、電気的に直接
接続できCRTやコピー機械等に最適な導電性のある反
射防止膜を提供する。
【0006】また、米国特許第4732454号に開示
された2層膜で構成される反射防止膜(以下、反射防止
膜B)は、透明なプラスティックから成る基板と、堅く
てかつ引っかき傷に耐性であって上記基板に被着される
第1の層と、上記第1の層に密着するとともに酸素原子
存在下及び150℃以下における高周波放電によるスパ
ッタ法あるいは真空蒸着法で構成される導電性材料から
成る第2の層と、上記第2の層に密着するとともに上記
第2の層の屈折率より低い屈折率を有する第3の層とか
ら成り、上記第2の層はITOを含むものである。
【0007】上記反射防止膜Bは、光を伝搬できるとと
もに、プラスティックの保護層に被着させてCRTのフ
ィルタからの電磁波のフィルタとして最適な反射防止膜
を提供する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記反射防
止膜Aは、導電性が低いこと及び広い周波数帯域にわた
り低い反射防止率が問題となり、この点の改善が望まれ
ている。
【0009】また、前記反射防止膜Bにおいても、上記
反射防止膜と同様に、広い周波数帯域にわたり低い反射
防止率が問題となり、この点の改善が望まれている。
【0010】ここで、導電性が低いと、例えば反射防止
膜をCRT用パネル上に装着した場合には静電気の防止
やCRTパネルからの電磁波の出力防止に対する効力が
少ない。
【0011】そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて
なされたものであり、導電性が高く、広い周波数帯域に
おいても反射防止率が高い反射防止膜を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の反射防止膜は、
隣り合う2つの層を例えば可撓性のある支持層やガラス
性の支持層等に被着させたものであり、支持層に近い方
の第1の層を光を吸収する導電性の材料から構成し、他
の第2の層を屈折率が2.0以下である材料から構成し
たものであるとともに、上記第1の層の短波長側の波長
λv における屈折率をnv 、消衰係数をkv とし、長波
長側の波長λr における屈折率をnr 、消衰係数をkr
とすると、nv はnr より大きくかつkv はkr より小
さい、すなわち、nv >nr かつkv <nr 、の式を満
たすことで上述の課題を解決するものである。
【0013】また、上記第1の層を、酸素分圧50%以
下の酸素存在下で生成させると、酸化物の発生を低減す
ることができ、導電性の劣化を低減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の反射防止膜の実施
の形態を図面を参照しながら説明する。
【0015】上記反射防止膜は、光学基材表面に直接被
着して当該光学基材表面からの反射光量を低減するとと
もに、上記光学基材表面上で導電性を有するものであ
る。また、例えばポリエチレンテレフタレラート(poly
ethylene terephthalate:PET)で構成される可撓性
を有する支持層に被着させて反射防止フィルムシートと
し、この反射防止フィルムを陰極線管いわゆるCRT
(cathode-ray tube)を用いた表示装置の画面表面(ガ
ラス面等)に貼り付ける、あるいは直接上記表示装置の
CRTの製造時等に画面表面に被着形成して、上記画面
表面からの眩しい反射光を抑えたり、電磁波の放出や静
電気を最小に抑えるものである。また、2つの薄膜層で
済むため、材料の量が少なくて済み、低価格で供給する
ことが可能になる。
【0016】また、本発明は2つの特徴を有しており、
屈折率n及び吸光係数または消衰係数kである光を吸収
する材料を用いて反射防止特性を有していることと、こ
れにより波長領域における光学特性が広がり、従来の多
層膜と比較してより少ない層の膜構成で広い波長領域の
反射防止膜の実現が可能となることが挙げられる。
【0017】ここで、図1の(A)に示すように、例え
ば上記可撓性を有する支持層を支持層11とし、上記反
射防止膜を構成する層で上記支持層11より近い方から
第1の層1、第2の層2とする。また、図1の(B)に
示すように、支持層11上に硬質被覆いわゆるハードコ
ート層12を形成し、このハードコート層12上に第1
の層1、第2の層2を形成するようにしてもよい。
【0018】上記第1の層1を選択する条件として、安
価であること、光学基材表面に対して密着性が高いこ
と、耐久性が高いこと、ストレスが低いこと、最適な屈
折率nや消衰係数kといった光学特性が得られるように
調整可能であることが挙げられる。また、上記第2の層
2を選択する条件として、安価であること、屈折率が低
いこと、ストレスが低いこと、硬いこと、耐久性が高い
ことが挙げられる。
【0019】そこで、本実施形態の原理として、最適な
光学特性について、アドミッタンスダイアグラム(admi
ttance diagram)の原理を用いて説明する。
【0020】光学アドミッタンスは、一般に複素数で与
えられる。単位を工夫することによって、実部は、光を
通過させる空間あるいは物質の屈折率nと数値的に等し
く、虚部は、上記空間あるいは物質の消衰係数と数値的
に等しくなる。
【0021】また、各アドミッタンスを表す点は、後述
するアドミッタンスダイアグラムに従い、用いる物質に
特徴的であるとともに光を通過させる際の物質の厚さに
依存する。
【0022】例えば、後述するガラス基板上のTiNx
及びSiO2 のアドミッタンスダイアグラムを図2に示
す。なお、波長λ=450nmのときの屈折率をnv
消衰係数をkv とし、波長λ=650nmのときの屈折
率をnr 、消衰係数をkr とし、アドミッタンスの軌跡
は、実軸上のガラス基板の点(1.52,0)を通過
し、膜厚の増加に伴い、それぞれ(nv ,−kv )、
(nr ,−kr )の点へ収束する。
【0023】上記TiNx において、波長λ=450n
mの場合、点(−nv ,kv )と点(nv ,−kv )と
上記所定の点(1.52,0)とを通過する略円弧状の
曲線21が上記アドミッタンスダイアグラムである。ま
た、同様に波長λ=650nmの場合、点(−nr ,k
r )と点(nr ,−kr )と上記所定の点(1.52,
0)とを通過する略円弧状の曲線22が上記アドミッタ
ンスダイアグラムである。
【0024】また、SiO2 のアドミッタンスダイアグ
ラムは、曲線23として得られる。この曲線23は、
((1.462+1)/2,0)=(1.56,0)を
中心とする半径0.56の円である。
【0025】通常、2層膜を形成する場合のアドミッタ
ンスの軌跡は、曲線21、22、23を組み合わせて作
成することができる。
【0026】ここで、前述の第1の層に二酸化チタン
(TiO2 )膜を用い、第2の層にSiO2 膜を用いた
Vコートと呼ばれる2層膜(TiO2 −SiO2 )であ
る反射防止膜のアドミッタンスダイアグラムを図3に示
す。なお、TiO2 は屈折率が高く、SiO2 はTiO
2 と比較して屈折率が低く、より膜に厚みがある。
【0027】この図3は、上記2層膜(TiO2 −Si
2 )の反射防止膜のアドミッタンスダイアグラムとし
て、外側から順に入射する可視光の波長λが450n
m、550nm、650nmのときをそれぞれ示してい
る。すなわち、例えば波長λ=450nmのとき、n=
1.52付近から始まり、1時の方向にある点aまでは
光がTiO2 を通過する際のアドミッタンスの軌跡を示
し、点aから10時の方向にある点a’までの略円弧状
の軌跡についてはSiO2 を通過する際のアドミッタン
スの軌跡を示している。また、波長λ=550nmの場
合は、同様に出発から点bまではTiO2 を、点bから
点b’まではSiO2 を通過する際のアドミッタンスの
軌跡であり、さらに、波長λ=650の場合は、出発か
ら点cまではTiO2 を、点cから点c’まではSiO
2 を通過する際のアドミッタンスの軌跡を示している。
【0028】上記(TiO2 −SiO2 )反射防止膜の
アドミッタンスダイアグラムによれば、第1の膜と第2
の膜とを通過する際のアドミッタンスの軌跡の移動距離
が入射する光の波長λに応じて異なるため、各軌跡の終
点である点a’、点b’、点c’のn座標が一定でない
ことがわかる。このことは、入射させる光の波長が変化
すると、TiO2 −SiO2 膜の光学的な膜厚QWOT
(Quarter wave of optical thickness :λ/4を単位
として表した光学的な厚さ)は変化すると言える。すな
わち、450nmから650nmまでの可視領域の波長
を有する光を入射すると、波長に応じて反射光が存在す
るとともに、その光量が変化すると予測される。
【0029】この点においても、従来の2層膜で形成さ
れる反射防止膜では、広い範囲の波長の光の反射を防止
することが困難であり、改善が望まれる。
【0030】ここで、本発明の実施の形態として、前述
の第1の層がITO(インディウム錫酸化物:indium t
in oxide)と金(Au)とから構成され、第2の膜がS
iO2 から構成される例を挙げ、この(ITO/Au−
SiO2 )反射防止膜のアドミッタンスダイアグラムを
図4に示す。ここで第1の層は、ITOの屈折率n11
割合が60%、金(Au)の屈折率n12の割合が40%
となるように、すなわち第1層の屈折率n1 =0.6n
11+0.4n12となるように構成され、この第1の層は
例えば12.8nmの厚みを有し、また、上記第2の層
は例えば77.8nmの厚みを有している。
【0031】ここで、上記アドミッタンスダイアグラム
を求める方法について説明する。先ず、多層膜におい
て、各層の効果は以下の(1)式で表される。
【0032】
【数1】
【0033】この(1)式において、δを表す式(δ=
2πNdcosθ/λ) 中のNは各層の複素屈折率であ
り、このNは、各層の屈折率をn、消衰係数をkとする
とき、N=n−ikと表される(iは虚数単位、i2
−1) 。すなわち、光学アドミッタンスyに相当する
値である。また、θは入射角であり、例えば垂直入射の
場合θ=0となる。また、dは膜厚を表す。
【0034】ここで、(1)式を用いて多層膜全体の合
成アドミッタンスを得るために、以下の(2)式で示さ
れる計算がなされる。
【0035】
【数2】
【0036】(2)式において、ym は基板のアドミッ
タンスである。また、合成光学アドミッタンス、または
合成アドミッタンスYは、Y=C/Bで求められる。
【0037】再び、上記2層膜(ITO/Au−SiO
2 )の反射防止膜に戻って、上記第1の層を形成するI
TO/Au層は、金色を有する金属層であるとともに導
電性酸化物が添加された金属であり、入射する光の波長
λに応じて異なる吸光度を示し、図4に示すように、波
長λ=450nmのときは点dまで、波長λ=550n
mのときは点eまで、波長λ=650nmのときは点f
までそれぞれアドミッタンスは異なる軌跡を描く。な
お、点d、点e、点fはそれぞれ異なる位置に存在する
とともに、第1の層に用いる物質、第1の層の厚さ等の
第1の層の物性や第1の層に入射する光の波長に応じて
変化する点である。
【0038】また、点d、点e、点fの各点から点gま
では、SiO2 層のアドミッタンスの軌跡を示す。な
お、点gは(1,0)であり、このことからも、上記
(ITO/Au−SiO2 )反射防止膜は、少なくとも
可視光領域の範囲のどの波長を有する光が入射されて
も、屈折率が1すなわち反射を完全に防止していること
がわかる。
【0039】このように、第1の層を光を吸収する層と
して、この第1の層の物性を第2の層のアドミッタンス
ダイアグラムに基づいて決定することで、第1の層と第
2の層の2層のみで形成され、可視光領域の光の反射を
ほぼ完全に防止する反射防止膜が実現される。
【0040】また、このときの第1の層を形成する材料
の条件としては、図2に示したようなアドミッタンスダ
イアグラムを描くことの可能なもの、すなわち選出され
た2つの波長で短波長側を波長λv 、長波長側を波長λ
r とするとき、上記第1の層において、波長λv での屈
折率をnv 、消衰係数をkv とし、波長λr での屈折率
をnr 、消衰係数をkr とすると、波長λと屈折率nと
の関係は、例えば図5のAに示すように傾きが負の直線
に、また、波長λと消衰係数kとの関係は、例えば図5
のBに示すように傾きが正の直線になる。すなわち、以
下の(3)式を満たす。
【0041】 nv >nr かつ kv <nr … (3) なお、波長λと屈折率nとの関係及び波長λと消衰係数
kとの関係は、上記図5のA、Bに示すような直線関係
である必要はなく、上記(3)式を満たしていればよ
い。
【0042】また、(3)式を満たす他の材料として
は、金(Au)、銅(Cu)、チタンの窒化物(TiN
x )が挙げられる。ここで、x>0である。
【0043】
【表1】
【0044】また、上記第1の層は、チタンの窒化物
(TiNx )、ジルコニウムの窒化物(ZrNx )、チ
タンの窒化物とジルコニウムの窒化物との混合物の少な
くとも1つで構成されることが挙げられる。ここで、x
>0である。
【0045】また、第1の層は、チタンの酸窒化物(T
iNxy)、ジルコニウムの酸窒化物(ZrNxy)、
チタンの酸窒化物及びジルコニウムの酸窒化物の混合物
の少なくとも1つから構成されてもよい。これらのx,
yは、x>0、y>0である。
【0046】次に、本発明の他の実施の形態の反射防止
膜として、上記第1の層には不純物としてタングステン
(W)を導入した窒化チタン(TiNx(W) )膜を用
い、第2の層にはSiO2 膜を用いて成る2層膜(Ti
x(W) −SiO2 ) の反射防止膜について、図面を
参照しながら説明する。第1の層のxは、0<x≦1の
範囲内とすることが好ましい。この2層膜(TiNx(W)
−SiO2 ) から成る反射防止膜のアドミッタンスダ
イアグラムを図6〜図9に示す。なお、第1の層(Ti
x(W))は、スパッタリングにより形成する際のフロ
ーガス中のアルゴン(Ar)と窒素(N2) の各分圧を
それぞれ87%、13%(この条件は、装置による。)
とし、ターゲットとなるチタン(Ti)上にタングステ
ン(W)を貼り付けてスパッタリングすることで、Ti
に対するWの割合が0.6原子%となるようにしてい
る。
【0047】これらの図6〜図8は、入射する可視光の
波長λが互いに異なる場合を示し、図6はλ=405n
m、図7はλ=546nm、図8はλ=633nmのと
きのアドミッタンスダイアグラムをそれぞれ示してい
る。この2層膜(TiNx(W)−SiO2 )から成る反射
防止膜は、屈折率n0 =1.52、消衰係数k0 =0の
ガラス基板上に、上記第1の層(TiNx(W))が9.9
3nmの厚みで、また上記第2の層(SiO2 )が8
2.81nmの厚みで順次被着形成されている。図6の
λ=405nmのときには、第1の層の屈折率n1
2.5、消衰係数k1=0.73であり、図7のλ=5
46nmのときには、第1の層の屈折率n1 =1.5
8、消衰係数k1 =1.49であり、図8のλ=633
nmのときには、第1の層の屈折率n1 =1.16、消
衰係数k1 =1.74である。また、第2の層について
は、いずれの波長のときも屈折率n2 =1.45、消衰
係数k2 =0である。これらの図6〜図8において、そ
れぞれ点aから点bまの曲線は、光が上記第1の層(T
iNx(W) )を通過する際のアドミッタンスの軌跡を示
し、同様に点bから点cまでの曲線が上記第2の層(S
iO2 )のアドミッタンスの軌跡を示している。
【0048】これらの図6〜図8において、入射光波長
λ=405nmの図6では、反射率Rが0.48%、λ
=546nmの図7ではR=0.015%、λ=633
nmの図8ではR=0.014%となっている。すなわ
ち、可視光領域の範囲のどの波長を有する光が入射され
ても、反射率Rが低く抑えられている。
【0049】この実施の形態においても、第1の層を光
を吸収する層として、この第1の層の物性を第2の層の
アドミッタンスダイアグラムに基づいて決定すること
で、第1の層と第2の層の2層のみで形成され、可視光
領域の光の反射をほぼ完全に防止する反射防止膜が実現
される。
【0050】次に、本発明のさらに他の実施の形態とし
て、上記第1の層にはジルコニウムの酸窒化物(ZrN
xy)膜を用い、第2の層にはSiO2 膜を用いて成る
2層膜(ZrNxy −SiO2 ) の反射防止膜につい
て、図9及び図10のアドミッタンスダイアグラムを参
照しながら説明する。なお、第1の層(ZrNxy)の
x,yは、0<x≦1、0<y≦2であって、次に例示
したような光学特性を示す材料を用いている。
【0051】図9は、入射光の波長λ=405nm、図
10はλ=633nmのときのアドミッタンスダイアグ
ラムをそれぞれ示している。この実施の形態において
は、屈折率n0 =1.52、消衰係数k0 =0のガラス
基板上に、上記第1の層(ZrNxy)が9.59nm
の厚みで、また上記第2の層(SiO2 )が90.37
nmの厚みで順次被着形成されている。図9のλ=40
5nmのときには、第1の層の屈折率n1 =2.4、消
衰係数k1 =0.4であり、図10のλ=633nmの
ときには、第1の層の屈折率n1 =1.72、消衰係数
1 =1.75である。また、第2の層については、い
ずれの波長のときも屈折率n2 =1.45、消衰係数k
2 =0である。これらの図9、図10において、それぞ
れ点aから点bまの曲線は、光が上記第1の層(ZrN
xy)を通過する際のアドミッタンスの軌跡を示し、同
様に点bから点cまでの曲線が上記第2の層(SiO
2 )のアドミッタンスの軌跡を示している。
【0052】これらの図9、図10において、入射光波
長λ=405nmの図9では、反射率Rが0.39%、
λ=633nmの図10ではR=0.081%となって
いる。すなわち、可視光領域の範囲のどの波長を有する
光が入射されても、反射率Rが低く抑えられている。
【0053】次に、上記第1の層にチタンの窒化物(T
iNx )を用い、第2の層に二酸化シリコン(SiO
2 )を用いた2層の(TiNx −SiO2 )反射防止膜
の例について説明する。
【0054】TiNx は、上記表1に示したように、4
50nmの光に対する屈折率nv は2.4、消衰係数k
v は1.2であり、650nmの光に対する屈折率nr
は1.7、消衰係数kr は1.8であり、図2に示した
ようなアドミッタンスダイアグラムを示すものである。
【0055】また、TiNx は、一般にチタンの酸化物
が混在すると導電性が下がるとともに、工業的にTiN
x を形成するために完全に酸素を抜いた安定した系を作
ることが困難であるため、本実施形態で用いるTiNx
は、酸素分圧が50%以下の酸素存在下で形成させたも
のを用いている。
【0056】また、このような2層の(TiNx −Si
2 )反射防止膜の波長(nm)と反射率(%)との関
係を計算値で求めた結果を図11に示し、また波長(n
m)と透過率(%)との関係を計算値で求めた結果を図
12に示す。この場合の反射率や透過率を求めるための
計算式としては種々の式が知られているが、原理的に
は、波長λに対する反射率Rは次の(4)式に基づいて
求めることができ、波長λに対する透過率Tは次の
(5)式に基づいて求めることができる。
【0057】
【数3】
【0058】これらの(4)式、(5)式中で、B,C
は、上記(2)式により求めることができ、例えば2層
膜の場合には、次の(6)式により求められる。
【0059】
【数4】
【0060】(6)式において、δ=2πNdcosθ/
λ であり、今回の計算ではθ=0としている。また、
第2の層の複素屈折率N2 は、n2 =1.45であり、
これはy2 に相当する。また、第1の層の複素屈折率N
1 は、n1 −ik1 で表され、これはy1 に相当する。
また、ym は基板の光学アドミッタンスであり、例えば
ガラス基板の場合1.52である。
【0061】ここで、(6)式において、短波長側の入
射波長λv において反射率が0となる膜厚を誘導する。
上記第1、第2の各層の膜厚は、それぞれd1 、d2
定義される。
【0062】反射率が0となる条件は、(7)式で示さ
れる。
【0063】 Y(d1 ,d2 )=C2/B2=1 … (7) この(7)式中で、d1 が上記第1の層の膜厚、d2
上記第2の層の膜厚であり、C2 ,B2 は、C=C2
B=B2 を(6)式に代入して求められる値である。上
記(6)式中の第1の層のδ1 及び第2の層のδ2 は、
以下の(8)式及び(9)式にて表される。
【0064】 δ1 =2πy11/λ … (8) δ2 =2πy22/λ … (9) 図11、図12の例では、上記図1のBに示したような
構造を想定しており、例えば、支持層11としての厚さ
188μmのPET(ポリエチレンテレフタラート)フ
ィルム上に、ハードコート層12となるアクリル系樹脂
を厚さ6μm程度コーティングし、その上に第1の層1
となるTiNx 層を10nmの厚みに被着形成し、その
上に第2の層2となるSiO2 を80nmの厚みに被着
形成している。
【0065】図11において、製造時の上記TiNx
びSiO2層の厚さのばらつきを考慮して、上記厚さに対
して1σすなわち2%の範囲のガウス分布に従う厚さの
100個のサンプルについて、波長λ(nm)に対する
反射率R(%)の計算を行い、上限値、下限値及び平均
値を求めたものが、上限値カーブ31、平均値カーブ3
2、下限値カーブ33である。すなわち、製造時にTi
x 層の厚さが2%程度ばらついても、反射防止膜の光
学特性は図11の上限値カーブ31と下限値カーブ33
との間の範囲内に収まる、という設計マージンを表して
いる。なお、平均値カーブ32については、上記ハード
コート層の厚さに応じた光の多重干渉による凹凸が表れ
ている。
【0066】図12においても、図11と同様に上記T
iNx 層の厚さに応じて透過率は異なる値をとるため、
100サンプルについての1σの範囲のガウス分布にお
ける上限値カーブ41、平均値カーブ42、下限値カー
ブ43を示している。
【0067】図11及び図12によれば、(TiNx
SiO2 )反射防止膜は、極端に低い反射率や極端に平
坦な(波長−透過率)カーブが要求されないCRTの反
射防止膜として適用するのに充分であり、CRTの反射
防止膜が2層の膜で実現可能であることが示される。
【0068】ここで、(TiNx −SiO2 )反射防止
膜における波長(nm)と反射率(%)との関係を実測
値で求めた結果を図13に示す。
【0069】図13によれば、図11に示した上記計算
値と同様のカーブが得られているため、(TiNx −S
iO2 )反射防止膜は好ましい実施形態であることがわ
かる。また、このTiNx 層の抵抗値(シート抵抗値)
を求めると237オーム/スクエアであり、この値はC
RTの前面から出る虞のある電磁波や静電気を抑える典
型的な抵抗値である1000オーム/スクエアの略1/
4であるため、より改善された反射防止膜となることが
わかる。
【0070】ここで、上記(3)式に示した関係におい
て、上記反射防止膜の実用化の範囲を検討する。この検
討のために、以下の(10)式及び(11)式に示すよ
うな関係を用いる。
【0071】 nv > nr + D … (10) kr > kv + D … (11) これらの(10)式、(11)式中の“D”は、nv
びnr 、あるいはkv及びkr の隔たりを示す値であ
り、このDと実際得られた反射率との関係を図14に示
す。この図14は、上述した短波長側の波長λv での屈
折率nv 、消衰係数kv に対して、長波長側の波長λr
での屈折率nr をnv −Dとし、消衰係数kr をkv
Dとするとき、これらのnv 、kv 、Dをいくつか選ん
で反射率を求め、同じDの値について平均をとったもの
である。
【0072】具体的には、λv =450nm、λr =6
50nmとし、波長λv での屈折率nv として0.7、
1.5、2.5を、消衰係数kv として1.0、4.0
をそれぞれ設定し、これらの短波長側の各屈折率nv
消衰係数kv に対して、Dを0.2としたときには、長
波長側での屈折率nr は、nv −0.2よりそれぞれ
0.5、1.3、2.2とされ、消衰係数kr は、kv
+0.2よりそれぞれ1.2、4.2とされる。これら
の組み合わせの6組についてそれぞれ反射率を求め、平
均をとることにより、D=0.2のときの平均反射率
0.28を得る。同様にして、D=0.4としたときの
平均反射率0.19、D=0.6としたときの平均反射
率0.13を求め、Dと反射率との関係をプロットした
ものが図14である。
【0073】図14によれば、上記反射率を抑える効果
が0.2以下である場合が上記反射防止膜の実用化の範
囲とすると、Dが0.4より大きい、すなわち、以下の
(12)式及び(13)式を満たすような屈折率nと消
衰係数kとを有するもので上記反射防止膜の第1の層を
構成することが、本発明の効果をより顕著に得ることが
わかる。すなわち、 nv > nr + 0.4 … (12) kr > kv + 0.4 … (13) の条件を満足するように短波長側の屈折率nv 、消衰係
数kv 及び長波長側での屈折率nr 、消衰係数kr を設
定して2層膜を設計すればよい。
【0074】以上のように構成することで、上記反射防
止膜によれば、2層膜という簡単な構成で、導電性が高
く、可視光の広い周波数帯域においても反射防止率が高
い反射防止膜を提供することができるため、装着する光
学基材、例えば、CRTの表面の静電気の防止や電磁波
出力防止に対する効力が向上する。
【0075】次に、上記図6〜図8と共に説明したよう
な2層膜、すなわち、第1の層に不純物としてタングス
テン(W)を導入した窒化チタン(TiNx(W) )膜を
用い、第2の層にはSiO2 膜を用いて成る2層膜(T
iNx(W) −SiO2 ) の反射防止膜の光学的特性につ
いて、図15〜図17を参照しながら説明する。この例
では、PET(ポリエチレンテレフタラート)層上にア
クリル系樹脂のハードコート層を介して上記2層膜を被
着形成したものを用いている。PET層の光学的特性と
しては、波長λが400nm、430nm、550n
m、650nm、700nm、750nmのときの屈折
率nがそれぞれ1.50、1.48、1.46、1.4
7、1.48、1.50で、消衰係数kはいずれの波長
でも0となっている。上記ハードコート層の厚みは65
00nmで、波長λが380nm、430nm、550
nm、650nm、780nmのときの屈折率nがそれ
ぞれ1.51、1.50、1.50、1.52、1.5
5で、消衰係数kはいずれの波長でも0となっている。
上記第1の層(TiNx(W) )は、厚みが9.72nm
で、波長λ=405nmのときの屈折率nが2.50、
消衰係数kが0.73で、λ=632.8nmのときn
=1.155、k=1.735となっている。また上記
第2の層(SiO2 )は、厚みが84.28nm、波長
λ=546nmのときn=1.45、k=0となってい
る。
【0076】図15は、入射光波長λに対する反射率R
の関係を、例えば上記(4)式に基づいて求めた計算値
であり、図16は、例えば上記(5)式に基づいて求め
た計算値である。
【0077】また、図17は、上記条件で試作された2
層の反射防止膜の波長λに対する反射率Rの実測値であ
る。この図17によれば、上記TiNx にタングステン
をドーピングした2層膜は、略450nmから650n
mまでの広域に亘る波長の光の反射を防止することが分
かる。
【0078】膜厚を調整することにより、反射光は青が
強調され、赤が減衰されることになる。このことは、こ
の2層膜をCRTの反射防止膜として用いたとき、CR
Tディスプレイの反射光は、青あるいは紫を帯びた白に
なることが分かる。この色はCRTの反射色として好ま
れるものである。
【0079】以上のように構成することで、上記反射防
止膜によれば、2層膜という簡単な構成で、導電性が高
く、広い周波数帯域においても反射防止率が高い反射防
止膜を提供することができるため、装着する光学基材、
例えばCRTの表面からの静電気の防止や電磁波出力防
止についての効力が向上する。
【0080】例えば、図18は、CRT51上に上記2
層膜から成る反射防止膜を被着形成した例を示してい
る。この図18において、CRT51の表示面のガラス
板上にUV(紫外線)硬化レジン52を介してPETフ
ィルム53が設けられ、このPETフィルム53上に、
ハードコート層54を介して上記2層膜より成る反射防
止膜55が被着形成されている。この反射防止膜55上
には、汚染防止コート層56が必要に応じて被着形成さ
れている。このような構造により、画面表面での反射光
57を略々0にまで抑え、CRT内部からの電磁波58
の放射を防止することができる。この場合、反射防止膜
55の導電性を有する層を接地線59により電気的に接
地することにより、静電気の防止や電磁波シールド効果
をより高めることができる。
【0081】なお、本実施形態では、PETに被着させ
た後、このPETをCRTを用いた表示装置の画面表面
に密着させてCRTの表面の反射防止膜として用いる例
を示したが、これに限定されることはなく、CRTの表
面に直接被着させて使用してもよいし、他にはカメラの
レンズ、コピー機械のプラテン(原稿台)、機器用のカ
バーガラス等の光学基材表面に用いてもよい。なお、上
記反射防止膜をPETに一旦被着させてからこのPET
を上記光学基材表面に密着させても、光学基材表面に直
接被着させても差し支えない。
【0082】また、本実施形態において、支持層として
PETを用いて、上記反射防止膜をPETに被着させて
用いる例を挙げたが、これに限定されることはなく、ガ
ラス性の支持層を用いてもよい。
【0083】また、本実施形態において、第1の層に導
電性酸化物が添加された金属として、ITO/Au層を
用いた例を示したが、これに限定されることはなく、他
の導電性酸化物が添加された金属を用いてもよい。
【0084】また、本実施形態において、第2の層に、
二酸化硅素(SiO2 )層を用いた例を示したが、こち
らもこれに限定されることはなく、屈折率が2.0以下
である例えば二フッ化マグネシウム(MgF2 、屈折率
n=1.38)等を用いても、本発明の効果を得ること
はいうまでもない。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の反射防止
膜によれば、支持層に近い第1の層を光を吸収する導電
性の材料から構成し、上記第1の層の外側に被着される
第2の層を屈折率が2.0以下である材料から構成し、
さらに、上記第1の層の短波長側の波長λv における屈
折率をnv 、消衰係数をkv とし、長波長側の波長λr
における屈折率をnr 、消衰係数をkr とすると、nv
はnr より大きくかつkv はkr より小さくすること
で、簡単な構成で、導電性が高く、広い周波数帯域にお
いても反射防止率が高い反射防止膜を提供することがで
きるため、装着する光学基材からの静電気の防止や電磁
波出力防止に対する効力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の反射防止膜の要部の構成
を示す図である。
【図2】上記反射防止膜の第1の層の選出原理を説明す
るアドミッタンスダイアグラムの一例を示すグラフであ
る。
【図3】従来の(TiO2 −SiO2 )反射防止膜のア
ドミッタンスダイアグラムを示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態となる(ITO/Au−S
iO2 )反射防止膜のアドミッタンスダイアグラムを示
すグラフである。
【図5】上記反射防止膜の第1の層の屈折率あるいは消
衰係数と波長との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態となる(TiNx(W) −S
iO2 ) 反射防止膜の波長λが405nmのときのア
ドミッタンスダイアグラムを示すグラフである。
【図7】上記(TiNx(W) −SiO2 ) 反射防止膜の
波長λが546nmのときのアドミッタンスダイアグラ
ムを示すグラフである。
【図8】上記(TiNx(W) −SiO2 ) 反射防止膜の
波長λが633nmのときのアドミッタンスダイアグラ
ムを示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態となる(ZrNxy −S
iO2 ) 反射防止膜の波長λが405nmのときのア
ドミッタンスダイアグラムを示すグラフである。
【図10】上記(ZrNxy −SiO2 ) 反射防止膜
の波長λが633nmのときのアドミッタンスダイアグ
ラムを示すグラフである。
【図11】本発明の実施の形態となる(TiNx −Si
2 )反射防止膜における反射率と波長との関係を計算
値で求めたグラフである。
【図12】上記(TiNx −SiO2 )反射防止膜にお
ける透過率と波長との関係を計算値で求めたグラフであ
る。
【図13】上記(TiNx −SiO2 )反射防止膜にお
ける反射率と波長との関係を実測値で求めたグラフであ
る。
【図14】本発明の反射防止膜の反射率と、低域側の屈
折率/消衰係数と高域側の屈折率/消衰係数との隔たり
との関係を説明するグラフである。
【図15】本発明の実施の形態となる(TiNx(W) −
SiO2 ) 反射防止膜における反射率と波長との関係
を計算値で求めたグラフである。
【図16】上記(TiNx(W) −SiO2 ) 反射防止膜
における透過率と波長との関係を計算値で求めたグラフ
である。
【図17】上記(TiNx(W) −SiO2 ) 反射防止膜
における反射率と波長との関係を実測値で求めたグラフ
である。
【図18】本発明の実施の形態となる反射防止膜の応用
例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 第1の層、 2 第2の層、 11 支持層、 1
2 ハードコート層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持層に被着される反射防止膜におい
    て、 上記支持層に近い方から第1の層と第2の層の2つの隣
    り合う層から構成され、上記第1の層は光を吸収する導
    電性の材料から成り、上記第2の層は屈折率が2.0以
    下である材料から成るとともに、 任意に選出した2つの波長の短波長側を波長λv 、長波
    長側を波長λr とし、 上記第1の層の波長λv における屈折率をnv 、消衰係
    数をkv とし、上記波長λr における屈折率を屈折率n
    r 、消衰係数をkr とするとき、 nv はnr より大きくかつkv はkr より小さいことを
    特徴とする反射防止膜。
  2. 【請求項2】 上記第1の層は、プラスティック性の支
    持層に被着されることを特徴とする請求項1記載の反射
    防止膜。
  3. 【請求項3】 上記第1の層は、プラスティック性の支
    持層上に被着されたハードコート層上に被着されること
    を特徴とする請求項1記載の反射防止膜。
  4. 【請求項4】 上記第1の層は、酸素分圧が50%以下
    の酸素存在下で生成された層であることを特徴とする請
    求項1記載の反射防止膜。
  5. 【請求項5】 上記第1の層は、導電性酸化物が添加さ
    れた金属から成ることを特徴とする請求項1記載の反射
    防止膜。
  6. 【請求項6】 上記第1の層は、チタンの窒化物から成
    ることを特徴とする請求項1記載の反射防止膜。
  7. 【請求項7】 上記第1の層は、不純物としてタングス
    テンが混合されたチタンの窒化物から成ることを特徴と
    する請求項1記載の反射防止膜。
  8. 【請求項8】 上記第1の層は、ジルコニウムの酸窒化
    物から成ることを特徴とする請求項1記載の反射防止
    膜。
  9. 【請求項9】 上記第2の層は、二酸化硅素から成るこ
    とを特徴とする請求項1記載の反射防止膜。
  10. 【請求項10】 上記第1の層のnv は(nr +0.
    4)よりも大きく、かつkr は(kv +0.4)よりも
    大きいことを特徴とする請求項1記載の反射防止膜。
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