JPH0971796A - 冷凍機用作動媒体およびそれを用いた冷凍装置 - Google Patents

冷凍機用作動媒体およびそれを用いた冷凍装置

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JPH0971796A
JPH0971796A JP7229046A JP22904695A JPH0971796A JP H0971796 A JPH0971796 A JP H0971796A JP 7229046 A JP7229046 A JP 7229046A JP 22904695 A JP22904695 A JP 22904695A JP H0971796 A JPH0971796 A JP H0971796A
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catalyst
epoxy group
working medium
compound
refrigerator
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JP7229046A
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Akira Ota
亮 太田
Yutaka Ito
伊藤  豊
Kenichi Kawashima
憲一 川島
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】フッ化炭化水素系冷媒と、ポリオールエステル
系潤滑油と、エポキシ基を有する化合物と、エポキシ基
を活性化させる触媒とを含む冷凍機用作動媒体であっ
て、前記エポキシ基を活性化させる触媒がアミン系,金
属塩系,リン系の触媒の少なくとも一種を含むことを特
徴とする冷凍機用作動媒体。 【効果】本発明の冷凍機用作動媒体は圧縮機などの腐
食、摩耗の促進、または、金属石鹸による冷凍サイクル
の閉塞を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、ルームエアコ
ン、パッケージエアコンおよび空気調和機等の圧縮式冷
凍装置の作動媒体並びにそれを用いた冷凍装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、冷凍装置の冷媒としては、CFC
12(ジクロロジフルオロメタン)やHCFC22(モ
ノクロロジフルオロメタン)が用いられているが、これ
らクロロフルオロカーボン系冷媒は環境保護の観点から
全廃されることになった。
【0003】これらの代替冷媒として考えられるもの
は、分子中に塩素を含まず、上記の冷媒と近い沸点を持
つHFC(ハイドロフルオロカーボン)系冷媒、また
は、これらを二種以上混合した混合冷媒が挙げられてい
る。
【0004】一方、冷凍機の冷凍圧縮機の摺動部の潤
滑、密封、冷却等の役割を果たす冷凍機油としては、ナ
フテン系やパラフィン系の鉱油またはアルキルベンゼン
が、CFC系、HCFC系冷媒との相溶性が良いことか
らこれまで広く用いられてきた。しかし、これらの冷凍
機油は、前記HFC系冷媒には全く溶解しない。
【0005】そこで、前記HFC系冷媒に相溶する冷凍
機油として、分子中に極性基を持つ脂肪族系合成油であ
るポリオールエステルが開発された(特開昭62−13
912号、特開平3−505602号、特開平4−18
3788号公報)。
【0006】ところが、ポリオールエステルは、水と共
存することで加水分解を起し、アルコールと脂肪酸とに
分解する。この脂肪酸が、金属を腐食させ、特に、圧縮
機摺動部などの摩耗を促進し、あるいは金属石鹸を生成
して冷凍サイクルの閉塞現象を起し、圧縮機や冷凍装置
の信頼性を低下させる。このため、一般にポリオールエ
ステルには、加水分解により生成された脂肪酸を捕捉す
る目的で酸捕捉剤が添加されている。
【0007】ポリオールエステルの酸捕捉剤としてエポ
キシ基を有する化合物が、特開平5−5098号、特開
平5−17792号、特開平5−105896号公報な
どに開示されている。しかし、これらの酸捕捉剤では効
果が不十分であり、圧縮機などの腐食、または、金属石
鹸による冷凍サイクルの閉塞を十分防止できなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】冷凍機の冷媒圧縮機に
はスクロール,レシプロ,スクリュ,ロータリ式等の容
積型圧縮機と、ターボ式等の体積型圧縮機がある。その
一例としてロータリ式圧縮機の概略構造を図1に示し
た。
【0009】図1に示すように、圧縮機はモータ1のシ
ャフト2に直結されたクランク3の外周にローラ4が組
み込まれており、ローラ4の一部が接触するようにシリ
ンダブロック5が設置されている。従って、シャフト2
の回転によってローラ4はクランク3と相対的に滑り運
動すると同時に、ローラ4とシリンダブロック5の内周
面とは接触点を変えながらシリンダ内で揺動回転する。
【0010】また、シリンダブロック5のベーン溝内に
はベーン6が設けてある。ベーン6の背面に設置された
ばね7と、吐出圧力下にある油導入路8とにより、高圧
ガスの圧力をベーン6の背面に作用させ、ベーン6が常
にローラ4に押しつけられるように構成されている。
【0011】本圧縮機では冷媒ガスの圧縮反力、各部の
摩擦力、ベーン6からの押しつけ力などシャフト2に作
用するラジアル力は、シリンダブロック5の両端面を覆
うように設置されたサイドプレート9,10によって支
えられる。これらの機構部品は、全てチャンバ11内に
収納されており、冷媒は吸入パイプ12から直接シリン
ダ内に吸い込まれる。
【0012】一方、圧縮されたガスは一度チャンバ11
内に吐き出され、流速の変化およびチャンバ11との衝
突によって油を分離し、冷媒ガスは吐出パイプ13より
熱交換器へ流出される。
【0013】次に、冷凍サイクルについて説明する。冷
暖房兼用のルームエアコンやパッケージエアコンなどの
ヒートポンプ冷凍サイクル構成図を図2に示した。
【0014】室内を冷房する場合、圧縮機14の吐出パ
イプ13より断熱的に圧縮された高温高圧の冷媒ガス
は、四方弁15を通り室外熱交換器16で冷却され、低
温高圧の冷媒液となる。この冷媒液は膨張手段17(例
えば、キャピラリーチューブ、温度式膨張弁など)で断
熱的に膨張され、僅かにガスを含む低温低圧液となって
室内熱交換器18に至り、室内の空気から熱を得て低温
ガスの状態で再び四方弁15を通って圧縮機14に至
る。室内を暖房する場合は、四方弁15によって冷媒の
流れは逆方向に変えられ、逆作用となる。
【0015】ロータリ式圧縮機は、冷凍能力に比べて圧
縮機の寸法的な制約が大きく、圧縮機の摺動条件が厳し
い。このため、ポリオールエステルが加水分解し、生成
した脂肪酸により摺動部の摩耗の促進、金属の腐食、金
属石鹸の生成による閉塞現象などが危惧される。こうし
た点から全酸価の低い冷凍機油が必要とされる。
【0016】本発明の目的は、前記の状況に鑑み、ポリ
オールエステルの加水分解により生成された脂肪酸の捕
捉性に優れた冷凍用機作動媒体とそれを用いた冷凍装置
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
本発明の要旨は次のとおりである。
【0018】〔1〕 フッ化炭化水素系冷媒と、ポリオ
ールエステル系潤滑油と、エポキシ基を有する化合物
と、エポキシ基を活性化させる触媒とを含む冷凍機用作
動媒体であって、前記エポキシ基を活性化させる触媒が
アミン系,金属塩系,リン系の触媒の少なくとも一種を
含むことを特徴とする冷凍機用作動媒体。
【0019】〔2〕 冷凍圧縮機と、該冷凍圧縮機で圧
縮された作動媒体中の冷媒を凝縮する凝縮器と、該凝縮
器で凝縮された前記冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、該
膨張弁により膨張された冷媒の冷熱を交換する熱交換器
を備えた冷凍装置において、前記作動媒体がフッ化炭化
水素系冷媒と、ポリオールエステル系潤滑油基油と、エ
ポキシ基を有する化合物と、エポキシ基を活性化させる
触媒とを含み、前記エポキシ基を活性化させる触媒がア
ミン系,金属塩系,リン系の触媒の少なくとも一種から
なることを特徴とする冷凍装置。
【0020】前記フッ化炭化水素系冷媒としては、1,
1,1,2−テトラフルオロエタン(CF3CH2F;HF
C134a)、ジフルオロメタン(CH22;HFC3
2)、ペンタフルオロエタン(CHF2CF3;HFC1
25)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CHF2
CHF2;HFC134)、1,1,1−トリフルオロエ
タン(CF3CH3;HFC143a)の単体、あるいは
2種以上混合した混合冷媒が挙げられる。
【0021】ポリオールエステル潤滑油としては、多価
アルコールと1価の脂肪酸とから合成されるポリオール
エステル、多価アルコールと2価の脂肪酸、または、2
価および1価の混合脂肪酸とから合成されるコンプレッ
クス型が挙げられる。
【0022】多価アルコールとしては、ネオペンチルグ
リコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトールがある。1価の脂肪酸と
しては、ペンタン酸、ヘキサン酸、エナント酸、カプリ
ル酸、2−メチル酪酸、イソバレリン酸、2−メチルペ
ンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン
酸、イソオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸
等があり、これら単独でも2種類以上の混合脂肪酸を用
いることができる。また、2価の脂肪酸としてはアジピ
ン酸等がある。
【0023】前記エポキシ基を有する化合物としては、
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAFの
ジグリシジルエーテル、水添加ビスフェノールAのジグ
リシジルエーテル、2,2−(4−ヒドロキシフェニル)
ノナデカンのジグリシジルエーテル、4,4−ビス(2,
3−エポキシプロピル)ジフェニルエーテル、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル−(3,4−エポキシ)シク
ロヘキサンカルボキシレート、4−(1,2−エポキシプ
ロピル)−1,2−エポキシシクロヘキサン、2−(3,4
−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エ
ポキシ)−シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4−エ
ポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−4−エポキ
シ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロプルトリメトキシシラン
などがある。
【0024】また、上記エポキシ基を有する化合物の配
合割合は、前記ポリオールエステル系潤滑油100重量
部に対し、0.01〜3重量部である。0.01重量部未
満では脂肪酸の捕捉性が十分ではなく、3重量部よりも
多いとポリオールエステル系潤滑油に完全に溶解せず、
冷凍サイクルの閉塞現象の一因となる。
【0025】前記エポキシ基を活性化させる触媒とし
て、アミン系,金属塩系,リン系等のエポキシ樹脂にお
いてエポキシ環を開環,硬化させる触媒がある。
【0026】上記アミン系触媒としては、2−エチル−
4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾー
ル、2−ヘプチルイミダゾール、1−シアノエチル−2
−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2
−エチル−4−メチルイミダゾール、エチレンジアミ
ン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタ
ン、ヘキサメチレンジアミンなどがある。
【0027】上記金属塩系触媒としては、オクタン酸亜
鉛、オクタン酸マンガン、オクタン酸コバルト、ナフテ
ン酸亜鉛、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルトな
どがある。
【0028】上記リン系触媒としては、ジ(テトラブチ
ルホスホニウム)・フタレート、テトラブチルホスホニ
ウム・無水トリメリット酸塩、トリフェニルホスフィン
・無水マレイン酸塩、トリフェニルホスフィン・フェニ
ルマレイミド塩、トリフェニルホスフィン・マレイミド
塩、テトラフェニルホスホニウム・ブチル、トリフェニ
ルボレート、テトラフェニルビホスフィン・ブチル、ト
リフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テ
トラブチルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テ
トラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、
トリフェニルホスフィン・トリフェニルボロン塩、トリ
フェニルホスフィンなどがある。
【0029】上記触媒の配合割合は、前記エポキシ基を
有する化合物100重量部に対して0.01重量部以
上、好ましくは0.1〜5重量部である。0.01重量部
未満ではエポキシ基を有する化合物の脂肪酸の捕捉性が
十分でなく、5重量部よりも多いとポリオールエステル
系潤滑油に完全に溶解せず、冷凍サイクルの閉塞現象の
一因となる。
【0030】なお、本発明の目的を阻害しない範囲以内
であれば、前記作動媒体に消泡剤、潤滑性向上剤、酸化
防止剤等を添加してもよい。
【0031】
【作用】フッ化炭化水素系冷媒と、ポリオールエステル
系潤滑油と、前記エポキシ基を有する化合物を主成分と
する作動媒体に、前記エポキシ基を活性化させる触媒を
添加することにより、ポリオールエステルの加水分解に
より生成される脂肪酸をエポキシ基を有する化合物が良
好に捕捉し、圧縮機の腐食、または、金属石鹸による冷
凍サイクルの閉塞を防ぐことができ、冷凍装置の信頼性
を向上することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0033】〔実施例 1〜15〕本実施例では、フッ
化炭化水素系冷媒、ポリオールエステル系潤滑油、エポ
キシ基を有する化合物、および、エポキシ基を活性化さ
せる触媒として下記のものを用いた。
【0034】 フッ化炭化水素系冷媒 HFC32(23重量%)、HFC125(25重量
%)、HFC134a(52重量%)の三種混合HFC
系冷媒である。
【0035】 ポリオールエステル系潤滑油 ペンタエリスリトールのカルボン酸エステルで、油中の
水分量は約100ppm、40℃における動粘度は32
cStのものである。
【0036】 エポキシ基を有する化合物 A:ビスフェノールA型のジグリシジルエーテル:式
〔1〕 B:ビスフェノールF型のジグリシジルエーテル:式
〔2〕 C:ビスフェノールAF型のジグリシジルエーテル:式
〔3〕 D:脂環式エポキシ(3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシ
レート):式〔4〕 E:エポキシ基を有するオルガノシラン(γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン):式〔5〕
【0037】
【化1】
【0038】 エポキシ基を活性化させる触媒 F:アミン系触媒:2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル:式〔6〕 G:金属塩系触媒:オクタン酸亜鉛:式〔7〕 H:リン系触媒:ジ(テトラブチルホスホニウム)・フ
タレート:式〔8〕
【0039】
【化2】
【0040】上記のフッ化炭化水素系冷媒とポリオール
エステル系潤滑油とに、酸捕捉剤としてエポキシ基を有
する化合物とエポキシ基を活性化させる触媒とを所定の
配合割合で混合した作動媒体について、酸捕捉剤と脂肪
酸との反応性を次の手法により評価した。
【0041】ここでの配合割合は、エポキシ基を有する
化合物は、ポリオールエステル100重量部に対して
0.5重量部、エポキシ基を活性化させる触媒はエポキ
シ基を有する化合物100重量部に対して0.5重量部
である。
【0042】まず、ポリオールエステル系潤滑油の原料
脂肪酸である2−エチルヘキサン酸を油に対し1.0重
量部添加し、初期全酸価が4.42mgKOH/gと高
い試験油を作成する。
【0043】この試験油をガラスアンプル管中に2g採
取し、真空排気する。次に冷媒を2g導入し、先端をガ
スバーナにより封管する。このガラスアンプル管を13
0℃の恒温槽で所定時間加熱した後、試験油を取り出し
でその全酸価を測定した。酸捕捉剤と脂肪酸との反応性
の評価結果を表1に示す。
【0044】〔比較例 1〜5〕前記エポキシ基を活性
化させる触媒を添加しない以外は実施例1〜15と同様
にして、各エポキシ基を有する化合物の脂肪酸との反応
性を測定し、結果を表1に併せて示す。
【0045】表1から明らかなように、前記実施例1〜
15の作動媒体は、比較例のものに比べて、加熱後のポ
リオールエステルの全酸価が低いことから、脂肪酸の捕
捉性が優れていることが分かる。
【0046】
【表1】
【0047】〔実施例 16〜30〕実施例1〜15と
同様にして、作製した試験油のガラスアンプル管を、7
0℃で所定時間加熱し、酸捕捉剤と脂肪酸との反応性を
実施例1と同様に評価した。但し、本実施例において
は、エポキシ基を活性化させる触媒の配合量をエポキシ
基を有する化合物100重量部に対し0.5重量部とし
た。
【0048】〔比較例 6〜10〕前記エポキシ基を活
性化させる触媒を添加しない以外は実施例16〜30と
同様にして、各エポキシ基を有する化合物の脂肪酸との
反応性を測定し、結果を表2併せて示す。
【0049】表2から明らかなように、加熱温度70℃
の比較的低温においても、前記実施例16〜30の作動
媒体は、比較例のものに比べ、加熱後のポリオールエス
テルの全酸価が低く、脂肪酸の捕捉性が優れていること
が分かる。
【0050】
【表2】
【0051】〔実施例 31〜75〕次に、前記エポキ
シ基を有する化合物A〜Eに対し、エポキシ基を活性化
させる触媒F〜Hの配合割合を変えて、実施例1と同様
の試験を行った。なお、エポキシ基を活性化させる触媒
をエポキシ基を有する化合物100重量部に対し0.0
1〜5.0重量部の間で変えたものについて行なった。
【0052】表3,表4の結果から明らかなように、い
ずれもポリオールエステル中の脂肪酸を良好に捕捉し、
全酸価を低減している。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】〔実施例 76〕実際のロータリ式圧縮機
が組み込まれた冷凍サイクルに、 酸捕捉剤が添加されていない冷凍機油、 酸捕捉剤としてエポキシ基を有する化合物が添加さ
れている冷凍機油、 酸捕捉剤としてエポキシ基を有する化合物とエポキ
シ基を活性化させる触媒との混合物が添加されている冷
凍機油、 のそれぞれ用い、一定条件、一定時間で運転し、ローラ
外周の摩耗量を比較した。
【0056】なお、フッ化炭化水素系冷媒としてHFC
134aを使用し、前記実施例10の作動媒体を用い
た。なお、作動媒体の油中の水分量を変えたもので実機
運転試験を行なった。
【0057】このロータリ式圧縮機で最も苛酷な摺動面
は、ローラとベーンとの間である。脂肪酸生成における
ローラの腐食、および、摩耗状況をローラ外周の摩耗量
を測定することにより評価した。ローラ外周摩耗量と油
中水分量との関係を図3に示す。
【0058】エポキシ基を有する化合物とエポキシ基を
活性化させる触媒とを配合したものは、腐食による摩耗
の促進もほとんどなく、冷凍サイクルの膨張手段である
キャピラリーチューブの目詰りも認められなかった。
【0059】以上の結果から、本発明のエポキシ基を活
性化させる触媒を0.01重量%以上を添加することに
よって、エポキシ基を有する化合物と脂肪酸との反応性
を著しく向上することが確かめられた。
【0060】
【発明の効果】フッ化炭化水素系冷媒とポリオールエス
テル系潤滑油とを主要構成成分とする冷凍機用作動媒体
に、エポキシ基を有する化合物と、該エポキシ基を活性
化させる触媒を添加することにより、エポキシ化合物と
脂肪酸との反応を著しく向上できると云う効果がある。
【0061】上記冷凍機用作動媒体を用いることによっ
て、冷凍サイクル内の脂肪酸を有効に捕捉し、圧縮機摺
動部などの腐食,摩耗の抑制と冷凍サイクルの閉塞を防
ぐことができ、信頼性の高い冷凍装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータリ型圧縮機の模式断面図であ
る。
【図2】冷凍装置の冷凍サイクルを説明図である。
【図3】本発明の冷凍機用作動媒体を用いた冷凍装置の
摩耗量と作動媒体中の水分との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】 1…モータ、2…シャフト、3…クランク、4…ロー
ラ、5…シリンダブロック、6…ベーン、7…ばね、8
…油導入路、9,10…サイドプレート、11…チャン
バ、12…吸入パイプ、13…吐出パイプ、14…圧縮
機、15…四方弁、16…室外熱交換器、17…膨張手
段、18…室内熱交換器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105:18 137:04 133:46 129:32) C10N 10:04 30:00 30:06 40:30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化炭化水素系冷媒と、ポリオールエ
    ステル系潤滑油と、エポキシ基を有する化合物と、エポ
    キシ基を活性化させる触媒とを含む冷凍機用作動媒体で
    あって、前記エポキシ基を活性化させる触媒がアミン
    系,金属塩系,リン系の触媒の少なくとも一種を含むこ
    とを特徴とする冷凍機用作動媒体。
  2. 【請求項2】 前記エポキシ基を活性化させる触媒が前
    記エポキシ基を有する化合物100重量部に対し、0.
    01〜5重量部含む請求項1に記載の冷凍機用作動媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記アミン系触媒がイミダゾール系化合
    物である請求項1に記載の冷凍機用作動媒体。
  4. 【請求項4】 前記金属塩系触媒がオクタン酸亜鉛であ
    る請求項1に記載の冷凍機用作動媒体。
  5. 【請求項5】 前記リン系触媒がジ(テトラブチルホス
    ホニウム)フタレートである請求項1に記載の冷凍機用
    作動媒体。
  6. 【請求項6】 冷凍圧縮機と、該冷凍圧縮機で圧縮され
    た作動媒体中の冷媒を凝縮する凝縮器と、該凝縮器で凝
    縮された前記冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、該膨張弁
    により膨張された冷媒の冷熱を交換する熱交換器を備え
    た冷凍装置において、 前記作動媒体がフッ化炭化水素系冷媒と、ポリオールエ
    ステル系潤滑油基油と、エポキシ基を有する化合物と、
    エポキシ基を活性化させる触媒とを含み、前記エポキシ
    基を活性化させる触媒がアミン系,金属塩系,リン系の
    触媒の少なくとも一種からなることを特徴とする冷凍装
    置。
  7. 【請求項7】 前記エポキシ基を活性化させる触媒が前
    記エポキシ基を有する化合物100重量部に対し、0.
    01〜5重量部含む請求項6に記載の冷凍装置。
  8. 【請求項8】 前記アミン系触媒がイミダゾール系化合
    物である請求項6に記載の冷凍装置。
  9. 【請求項9】 前記金属塩系触媒がオクタン酸亜鉛であ
    る請求項6に記載の冷凍装置。
  10. 【請求項10】 前記リン系触媒がジ(テトラブチルホ
    スホニウム)フタレートである請求項6に記載の冷凍装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20150252281A1 (en) * 2012-08-30 2015-09-10 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Lubricant composition

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