JPH0954943A - 磁気ディスクおよび磁気ディスクの処理方法 - Google Patents

磁気ディスクおよび磁気ディスクの処理方法

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JPH0954943A
JPH0954943A JP22698495A JP22698495A JPH0954943A JP H0954943 A JPH0954943 A JP H0954943A JP 22698495 A JP22698495 A JP 22698495A JP 22698495 A JP22698495 A JP 22698495A JP H0954943 A JPH0954943 A JP H0954943A
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magnetic disk
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magnetic recording
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Katsumi Ryomo
克己 両毛
Masaaki Fujiyama
正昭 藤山
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定して100MB以上の記録容量を保持さ
せた磁気記録層を有する磁気ディスクおよびそれを得る
ための処理方法を提供すること。 【解決手段】 可撓性支持体に少なくとも磁気記録
層を厚み1μm以下で設けた磁気ディスクにおいて、前
記磁気記録層の表面の任意のA方向とA方向に垂直なB
方向におけるRaがいずれも4.1nm以下であり、か
つその差が0.3nm以下であることを特徴とする磁気
ディスク、 可撓性支持体に磁気記録層を厚み1μm
以下で設けた磁気ディスクの表面を、ディスク円周方向
に、研磨層のRaが0.20μm以下の研磨テープでバ
ーニッシュ処理することを特徴とする磁気ディスクの処
理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録容量を向上させ
た磁気ディスクおよびそのための磁気ディスクの処理方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクは、従来2HDと称される
フロッピーディスクが主流で、1.44MB(メガバイ
ト)の記録容量である。磁気ディスクは、一般に下記の
如き製造方法により製造されている。即ち、帯状の非磁
性支持体をその長手方向に連続移送させ、且つ該支持体
上に有機溶剤により溶解された結合剤中に強磁性微粉末
粒子を分散した磁性液を塗着し、次いで、前記磁性液を
乾燥固化させたいわゆる塗布型および非磁性支持体上に
蒸着やスパッタリング等により金属磁性薄膜を形成する
金属磁性薄膜型があり、前記支持体を打ち抜きあるいは
裁断して製造するものである。
【0003】以下、塗布型について述べるが、原理的に
は金属磁性薄膜型にも当てはまるものである。磁気ディ
スクの製造中に、一般的に針状である前記強磁性微粉末
粒子が特定方向に配列されて磁気記録媒体に異方性が生
じると、種々の磁気特性に関しても、前記方向に対する
異方性が生じる。例えば、前記針状強磁性微粉末粒子が
塗布時の応力により、磁性液塗布方向(即ち、非磁性支
持体の移送方向)に沿って配列され、ディスク状に打ち
抜いて、一周の再生出力を測定すると、塗布方向の再生
出力信号が他方のそれに比べて高くなってしまう。
【0004】その結果、該磁気ディスクからの読み取ら
れる再生出力信号レベルは、磁気記録ディスクの回転に
伴って、不所望にレベル変化するようになる(この現象
は、当業者においてモジュレーションと称されてい
る。)。特に、磁性液塗布層の塗布厚を薄くしたり、或
いは塗布スピードを速くした場合には前記強磁性微粉末
粒子が機械的影響を受け易く、前記特定方向に配向処理
されたような状態が高い割合で発生する。
【0005】このような不具合を防止するため、従来は
前記磁気ディスクの製造にあたっては、例えば、特開昭
57−198545号公報、特開昭59−124039
号公報、特開昭63−148417号公報、特開平1−
300428号公報に記載されているような、永久磁石
や交流磁場による磁界を作用させ前記強磁性微粉末粒子
の配向を無配向化(無秩序化、ランダマイズ化)させる
ものである。磁気ディスクの場合、針状強磁性微粉末粒
子がヘッド走行方向即ち円周方向に配向しているのが、
再生出力が最も大きくなる。しかし、帯状非磁性支持体
上に磁性液を連続塗布する場合、円周方向の配向は不可
能である。このような背景から、前述の無秩序化を行
い、円周の出力を極力均一にしようとしているが、充分
ではない。
【0006】一方、近年、磁気ディスク装置に対してそ
の記憶容量を高めることが強く要望されている。
【0007】記憶容量を高めるには、磁気ディスクの単
位面積あたりの情報記録密度を高めることが必要である
ことは言うまでもない。また、記録密度を高めるには、
磁気ヘッドから発生する書き込み磁束を微小な面積に集
中しなければならず、磁気ヘッドギャップが狭くなり、
発生磁束量も減少する。このように減ぜられた微小量の
磁束で磁化の方向を反転することができる磁性層の体積
も減ぜられ、従って磁性層の厚さを減少させなければ完
全な磁化反転を生じさせることは出来ない。
【0008】また、磁気ディスクは記録波長の異なる記
録信号の重ね書き(オーバーライト)が不可欠であり、
高密度記録になればなるほど短波長になり、重ね書き
(オーバーライト)特性を確保するためには磁性層の抗
磁力を低下させるか、薄層化にしなければならない。磁
性層の抗磁力を低下させることは、記録信号の分解能や
再生出力が低下するので、高密度の記録が不可能であっ
た。これらの特性からも、磁性層の薄層化が必要とな
り、本出願人等により、磁性層の薄層化が種々提案され
ている。
【0009】即ち、本出願人は100MBの記録容量を
有する厚み1μm以下の塗布型薄膜磁気層を開発してき
たが更なる記録容量、例えば、200〜300MBへの
向上が望まれている。一方、磁気ディスク装置において
は、磁気ヘッドと磁気ディスクとの分離長を小さくする
ために磁気ヘッドの浮上量は年々低下が進んでいる。こ
の低下が進むと磁気ヘッドと磁気記録層表面に存在する
突起との衝突による障害、例えば、データの破壊、ヘッ
ド損傷による出力低下等の問題がある。
【0010】そこで、これら問題を解決するために、特
開平5−318303号公報は、磁気ディスク表面を砥
粒面平均粗さが1.0μm以上のラッピングテープでバ
ーニッシュする方法を提案している。また、特開平3−
88122号公報は、特定のバック層を保持した研磨テ
ープを開示し、磁気ディスクの表面粗度のバラツキを低
減し、電磁変換特性を良好にするとしている。
【0011】即ち、磁気ディスクの表面粗さを均一にす
れば、高出力が得られ、ひいては高容量化が達成される
ことは周知であるが、上記200〜300MBへの記録
容量化はこれら従来技術を組み合わせるだけでは見出せ
ず、それを達成する手段が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安定して1
00MB以上の記録容量を保持させた磁気記録層を有す
る磁気ディスクおよびそれを得るための処理方法を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、 可
撓性支持体に少なくとも磁気記録層を厚み1μm以下で
設けた磁気ディスクにおいて、前記磁気記録層の表面の
任意のA方向とA方向に垂直なB方向におけるRaがい
ずれも4.1nm以下であり、かつその差が0.3nm
以下であることを特徴とする磁気ディスク、 可撓性
支持体に磁気記録層を厚み1μm以下で設けた磁気ディ
スクの表面を、ディスク円周方向に、研磨層のRaが
0.20μm以下の研磨テープでバーニッシュ処理する
ことを特徴とする磁気ディスクの処理方法により達成さ
れる。
【0014】本発明の磁気記録層とは、塗布型磁気ディ
スクまたは金属磁性薄膜型磁気ディスクの各磁性層を意
味する。本発明において、A方向におけるRaとは、
磁気ディスクの磁気記録層表面に任意に描くことができ
る特定の方向性を有した直線に沿ったRa(即ち、表面
粗さ)を意味し(以下、A方向のRaをRaaとも言
う)、B方向におけるRaとは、前記決定されたA方向
の直線と直交する直線に沿ったRaを意味する(以下、
B方向のRaをRabとも言う)。
【0015】RaaもしくはRabとして、塗布型磁気
ディスクにあっては、磁気記録層の塗布方向を、金属磁
性薄膜型磁気ディスクで特に斜め蒸着法によるものにあ
っては結晶成長方向を選定すれば、品質管理上、有利で
ある。ここで、塗布方向および結晶成長方向として、磁
気ディスクの中心を通るものを選定すると品質の評価が
安定して得られる。
【0016】また、本発明においては、それらRaaと
Rabの差(ΔRa)、即ちΔRa=|Raa−Rab
|≦0.3nmを満足する。本発明において、Raaお
よびRabは好ましくは、0.5〜4.1nm、更に好
ましくは、1.0〜4nmの範囲であり、また、好まし
くはΔRa≦0.2nmの範囲である。RaaおよびR
abは、3Dミロー(WYKO社製)を用いて測定した
値である。
【0017】また、特に磁気記録層が金属磁性薄膜の場
合、AFMで測定して、その表面の測定長1000μm
2 当たり50nmを越える突起が好ましくは6個以下、
更に好ましくは、5個以下である。本発明の磁気記録層
は厚さが1μm以下、好ましくは0.01〜0.7μm
という薄層の磁気記録層表面のRaaおよびRabを上
記の通り、規定したことにより磁気記録層表面の任意の
点における表面粗さが一様均一となり、出力の変動幅が
極力小さくでき、かつ高出力が実現できるので、高容量
化が可能となる。
【0018】本発明は上記条件を実現する手段は制限な
いが、好ましくは本発明の手段を用いる。即ち、上記
厚みを有する磁気ディスクのディスク円周方向に、研磨
層のRaが0.20μm以下の研磨テープでバーニッシ
ュ処理することにより本発明の磁気ディスクを製造す
ることができる。ここで、ディスク円周方向における円
周とは、ディスク中心を共有する同心円を含む概念であ
り、必ずしも同心円でなくともよい。
【0019】具体的なバーニッシュ方法としては、以下
の方法が挙げられる。 磁気ディスクの中心を軸に回転させて磁気記録層表
面に研磨テープを当接させ所望により移動させること。
ここで、該当接の方向は基本的に任意であり、その接線
が磁気ディスクの中心を通るようにしてもよいしそうで
なくともよいが、好ましくは中心を通るようにするとよ
い。また、研磨テープの移動方向、移動速度、当接圧等
は適宜選定され得る。例えば、移動方向としては、磁気
ディスクの回転方向と同方向か逆方向かの選定、あるい
は磁気記録層の結晶成長方向と同方向か逆方向かの選定
等が挙げられる。 磁気ディスクを固定し、研磨テープを磁気ディスク
に当接し、円周方向および所望により磁気ディスクの径
方向に移動させること。 およびの併用。
【0020】において、磁気ディスクの回転速度、当
接条件、研磨テープの移動速度、研磨テープの仕様等は
適宜選定される。具体的には、図1に示す構成の研磨方
法が挙げられる。この構成は、磁気ディスク1を矢印方
向に回転させ、研磨テープ2の背面をバックアップロー
ル3、ガイドロール4および5に当てると共にスリット
エアノズル6からのエアー圧により磁気ディスクの磁気
記録層表面を研磨テープ2の研磨層に当接させると共に
ロール3〜5により矢印方向へ研磨テープを移動させ、
磁気記録層を研磨するものである。この構成において、
該磁気ディスクの回転速度としては通常、1000〜3
000rpm、好ましくは1000〜3000rpmの
範囲である。バーニッシュ時間は1枚(P)当たり通
常、0.2〜2秒、好ましくは0.5〜1.5秒、研磨
テープの対ディスクの移動速度(磁気ディスクの回転方
向と同方向で当接部は同位置の場合)は通常、0.1〜
100mm/P(1枚当たり)、好ましくは3〜20m
m/Pである。また、研磨テープの磁気ディスクへの当
接をエアー圧により制御する場合のエアー圧は、通常、
0.1〜5Kg/cm2 、好ましくは0.5〜2Kg/
cm2 である。
【0021】研磨テープとしては、研磨層表面のRaが
0.20μm以下、好ましくは0.2〜0.005μ
m、更に好ましくは、0.18〜0.02μmの範囲で
ある。また、研磨テープの砥粒素材、テープの機械的特
性、幅、長さ等のサイズ等の仕様は適宜選定され得る。
研磨テープの選定に関しては、(色材、66(3)、4
76−486(1993);総説「研磨フィルムによる
精密加工」)を参照することができる。
【0022】また、本発明において好ましい研磨テープ
は、具体的には、粒度が8000番を越える研磨テープ
を挙げることができる。このような研磨テープとして
は、MA20000(20000番相当、0.6μm相
当)、KX20000(20000番相当、0.6μm
相当)、CF16000(16000番相当、0.8μ
m相当)、12K10000(10000番相当、1.
1μm相当)、23K10000(10000番相当、
1.1μm相当)、37K10000(10000番相
当、1.1μm相当)、7MA20000(20000
番相当、0.6μm相当)、10MA20000(20
000番相当、0.6μm相当)、30MA20000
(20000番相当、0.6μm相当)、12MS20
000N(20000番相当、0.6μm相当)、23
MS20000N(20000番相当、0.6μm相
当)、27KM10000(20000番相当、1.1
μm相当)、50KM10000(10000番相当、
1.1μm相当)、75KM10000(10000番
相当、1.1μm相当)、27KX20000(200
00番相当、0.6μm相当)、30KX20000
(20000番相当、0.6μm相当)(以上、富士写
真フィルム(株)製)等が挙げられる。
【0023】また、図1に示すような研磨装置として
は、HITECH社製FB35、ESCORP社製等を
挙げることができる。上記研磨手段またはの場合の
磁気ディスクの回転速度、当接条件、研磨テープの移動
速度、研磨テープの仕様等は適宜選定される。また、こ
の場合は、所望により可撓性支持体をディスクに打ち抜
く前に研磨手段またはによる研磨処理を施してよ
い。
【0024】また、本発明の研磨処理の後、クリーニン
グを施すことが好ましい。この時の処理条件は、研磨テ
ープをワイピング材料に置き換えた以外は上記と同じと
することが好ましい。クリーニングは、磁気記録層をワ
イピングすることにより行う。このようなワイピングの
材料としては例えば日本バイリーン製の各種バイリーン
や東レ製のトレシー、エクセーヌ、商品名キムワイプ、
富士写真フィルム製各種研磨テープ、また不織布はナイ
ロン製不織布、ポリエステル製不織布、レーヨン製不織
布、アクリロニトリル製不織布、混紡不織布など、ティ
ッシュペーパー等が使用できる。これらは例えば特公昭
46−39309号、特公昭58−46768号、特開
昭56−90429号、特公昭58−46767号、特
開昭63−259830号、特開平1−201824号
等にも記載されている。
【0025】また、該ディスクを打ち抜く前に公知のバ
ーニッシュ、更にクリーニングを磁気ディスクの磁気記
録層、バック層、エッジ端面、ベース面等に施してもよ
い。該ディスクは、バーニッシュの前に所定の大きさに
裁断、更に所望により巻き取っておいてもよい。このバ
ーニツシュは具体的にはサファイア刃、剃刀刃、超硬材
料刃、ダイアモンド刃、セラミックス刃のような硬い材
料により磁気記録層表面の突起部分をそぎおとすもので
ある。これら材料のモース硬度は8以上が好ましいが特
に制限はなく突起を除去できるものであれば良い。これ
ら材料の形状は特に刃である必要はなく、角型、丸型、
ホイール(回転する円筒形状の周囲にこれらの材質を付
与しても良い)のような形状でも使用できる。
【0026】クリーニングは、磁気ディスク表面の汚れ
や余分な潤滑剤等を除去するためワイピング材料で磁気
記録層表面、バック層面、エッジ端面、バック側のベー
ス面をワイピングすることにより行う。本発明で用いる
研磨テープは、砥粒を結合剤で混練分散し、支持体上に
塗設したものである。
【0027】本発明の研磨テープに使用する砥粒として
は平均粒子径は0.05μm〜50μm、好ましくは
0.1〜1.5μmであり、更に好ましくは、0.2〜
1.2μmであり、その素材として好ましくは酸化クロ
ム、α−アルミナ、炭化珪素、非磁性酸化鉄、ダイヤモ
ンド、γ−アルミナ、α,γ−アルミナ、熔融アルミ
ナ、コランダム、人造ダイヤモンドで1〜4種類の組合
わせで使用される。これらの併用される砥粒のpHは2
〜10のものが使用され,特に好ましくは5〜10のも
のが用いられる。これらの砥粒は研磨層の主たる構成物
質として用いられる。
【0028】研磨層に使用されるカーボンブラック、バ
インダ−、ポリイソシアネ−ト、潤滑剤、防錆剤、酸化
防止剤、錆どめ剤、油性剤、極圧剤、清浄分散剤、粘度
指数向上剤、流動点降下剤、泡どめ剤、分散剤、分散助
剤、防黴剤、カーボンブラック以外の帯電防止剤、湿潤
剤、硬化促進剤、分散促進剤、分散,混練,塗布の際に
使用する有機溶媒、支持体等は後述する塗布型磁気記録
層の形成に用いるものと同様なものを使用できる。また
分散、混練の方法、塗布、後処理、裁断についても同様
である。
【0029】次に塗布型磁気ディスクについて説明す
る。本発明においては、強磁性粉末として磁気特性の高
い強磁性金属粉末を使用することが好ましい。本発明の
磁気記録層は、1400Oe以上、好ましくは1500
Oe以上の抗磁力を確保させると、電磁変換特性の高い
高記録密度記録に適した磁気ディスクを提供できる。
【0030】さらに、本発明の磁気ディスクは、特に可
撓性支持体の上に設けた非磁性層の上に薄層の磁気記録
層を形成すると比較的表面性の良好な磁気記録層を得る
ことができ、特に、両層が湿潤状態の間に同時塗布され
るウエット・オン・ウエット塗布方式を行うと、非磁性
層が緩衝層となり、磁気記録層表面の平滑性は非常に良
好になる。
【0031】この場合、湿潤状態の内に無配向化処理を
行うことが好ましく、特に上層の磁気記録層の塗布及び
無配向化処理を行う第一工程と、次に斜め配向化処理を
行う第二工程からなる配向処理を行うとリング型ヘッド
に好適な磁気ディスクを提供でき、好ましい。
【0032】ところで、リング型磁気ヘッドによる記録
再生出力と磁化の向きの関係は、研究報告があり理論的
な考察及び実験的な確認がなされており、例えば、manh
attan vista effect(例えば、IEEE Trans. Mag.M
ag-20 、No.1、90(1984)に記載) と名付けられた、磁性
体粒子先端の高さが不揃いになり磁気記録層の表面性低
下による電磁変換特性の低下が知られている。
【0033】本発明では、特にウエット・オン・ウエッ
ト塗布方式を用いると上記manhattan vista effectを効
果的に防止し、良好な表面性が得られ、出力、モジュレ
ーション等を改善できる。
【0034】なお、この緩衝層である非磁性層が磁気記
録層であると下層の磁性体の磁界の影響を受け、上記の
効果は得られにくい。本発明の磁気ディスクにおける前
記磁気記録層の磁化容易軸の方向は、前記可撓性支持体
面に対して、通常、10〜80度、好ましくは20〜7
0度、特に好ましくは30〜65度の角度を為す方向で
ある。
【0035】この磁化容易軸の方向の角度が余り小さい
と従来の非磁性支持体の面内方向に磁化した場合と変わ
らず、記録減磁の低減の効果は余りなく、短波長領域で
の出力を向上させることができない。また、逆に角度が
余り大きくなると、磁気記録層の表面性が低下して出力
は低下する傾向がある。
【0036】なお、ここでいう磁気記録層の磁化容易軸
の方向とは、振動試料型磁束計で非磁性支持体に対する
角度を変化させて、抗磁力を測定し、その測定値が最小
となる角度を磁化困難軸の方向とし、その磁化困難軸の
方向から90度差し引いた角度をもって定義される方向
のことである。本発明の磁気ディスクの磁気記録層の厚
さは、1μm以下であり、好ましくは0.05〜0.8
0μm、特に好ましくは0.1〜0.45μmである。
【0037】磁気記録層の厚さが余り厚くなると強磁性
金属粉末を斜め方向に配向したとしても自己減磁損失、
記録減磁損失が大きくなって出力が低下するので好まし
くなく、また、余り薄くすると、磁束密度が低下して、
十分な出力がとれなくなるので好ましくない。非磁性層
の厚みに関しては、特に制限はなく0.5〜10μmで
あることが望ましい。
【0038】なお、上記の磁気記録層の厚みは、磁気デ
ィスクの断面の倍率が一万倍から十万倍の透過電子顕微
鏡写真上で磁気記録層表面及び磁気記録層と非磁性層ま
たは非磁性支持体の界面の縁取りをして、それを画像解
析装置にかけて、その縁取り線の間隔を200〜300
点測定して、その測定値の加算平均値をもって定義す
る。
【0039】本発明の磁気記録ディスクは、無配向化処
理、更に所望により斜め配向化処理を行うことが望まし
い。無配向化処理、斜め配向化処理は、従来公知の永久
磁石や電磁石による方法を適用できる。
【0040】無配向化処理は、強磁性金属粉末の配向を
ランダマイズ化するもので、通常、永久磁石の磁極の配
置、組み合わせおよび/または電磁石による交流磁場を
印加することにより実施できる。斜め配向化処理は、無
配向化処理によりランダマイズ化した強磁性金属粉末に
印加して斜め配向化した強磁性金属粉末を形成できるの
であれば磁場の印加方法、例えば、印加方向、印加強度
等は任意に設定可能である。通常、斜め配向化処理は、
無配向化処理された磁気記録層に垂直方向乃至準垂直方
向に磁場印加し、磁力線の方向は磁気記録層面に対し2
0〜80度の範囲から選択されることが好ましい。
【0041】上記無配向化処理および/または斜め配向
化処理は、所望により乾燥処理、好ましくは徐乾燥処理
と同時工程で行ってもよい。該乾燥方法としては、温風
を印加する方法、非磁性支持体を加熱する方法等任意の
方法を挙げることができる。従って、該乾燥条件(例え
ば、温度、風量、搬送速度等)および各配向処理条件
(磁場強度、印加方向、等)を種々選択することにより
磁気記録層に所望の磁気特性を付与することができる。
【0042】該磁気記録層の水平方向の配向度比は、
0.85以上が好ましく、特に0.9以上の範囲であ
る。この水平方向の配向度比は、振動試料型磁束計を使
用しHm10Oeの磁場をかけ測定サンプルの水平方向
に磁場を印加し、10度おきに0度〜360度まで磁場
を回転させ角型比を求め、その角型比の最小値を最大値
で割った値とする。
【0043】また、反磁界補正後の垂直方向の角型比は
通常、0.3〜0.65、好ましくは0.4〜0.60
の範囲内である。即ち磁気記録層中の強磁性金属粉末の
磁化の向き(磁化容易軸の向き)が磁気記録層面に対し
て斜め方向なので、従来から水平磁化用として使用され
たきた通常のリング型磁気ヘッドを使用しても高出力が
得られる。
【0044】反磁界補正後の垂直方向角型比は、振動試
料型磁束計を使用しHm10kOeの磁場をかけ測定サ
ンプルの垂直成分のB−Hを測定し、反磁界補正を行っ
た後の垂直成分の角型比を指す。ここで、反磁界補正の
方法は、以下の通り行う。前記振動試料型磁束計で垂直
成分の磁化を測定し、得られた磁化曲線から、X軸(磁
界)と平行に飽和磁化量を通る平行線を引く。この平行
線上をY軸(磁束密度)との交点から右へ、飽和磁化分
に相当する磁界分(即ち、反磁界を受けた分)の点と0
点とを結び直線を引き、この直線と磁化曲線と交差する
点を通りX軸と平行線を引く。この平行線とY軸の交点
の磁束密度を反磁界補正後の残留磁化量とし、飽和磁化
量で除すことにより反磁界補正後の角型比とする。
【0045】この垂直方向の配向度比は、振動試料型磁
束計を使用しHm10kOeの磁場をかけ円盤状ディス
クから、測定サンプルを10度おきに0度〜360度ま
で36個準備し、それぞれの垂直成分のB−Hを測定
し、前記反磁界補正を行った後、垂直成分の角型比を求
め、その角型比の最小値を最大値で割った値とする。本
発明で適用できる公知の配向方法としては、例えば、特
開昭48−88910号公報に開示されているように異
極対向磁石を斜めにする方法、放射線硬化型の樹脂を用
いる特開昭62−6442号公報に見られる方法、異極
対向磁石の配置を変更する特開昭62−50888号公
報、特開昭62−239426号公報に記載された方
法、対向磁石の出口の形状を工夫した特開昭58−18
5031号公報に記載された方法、また、複数の多段配
向を組み合わせる特開平2−312017号公報に記載
されている方法、配向中に乾燥を加える特公平3−38
653号公報に記載されている方法等が利用できる。
【0046】本発明の磁気ディスクにおいて、磁気記録
層は、非磁性層上にウェット・オン・ウェット塗布方式
により行われることが好ましい。以下、単に磁気記録層
を上層、非磁性層を下層ともいう。
【0047】このウエット・オン・ウエット塗布方式
は、各塗布液を時間的に実質的に同時に塗布しても、異
なる時間間隔で塗布しても各塗布液が湿潤状態であれば
よい。また、磁気記録層あるいは非磁性層が2層以上か
ら構成されたものであっても上記塗布の基本概念は同じ
である。ウエット・オン・ウエット塗布方式は、上記効
果の他、厚さが均一な極薄の磁気記録層が得られ且つ磁
気記録層の厚さが薄いと問題となる非磁性層/磁気記録
層の密着性が改良される。この塗布方式は、磁気記録層
全厚が1μm以下の磁気記録層の剥がれを防止し、ドロ
ップアウトが生じにくい走行耐久性の優れた磁気ディス
クを得ることができる。非磁性層の塗布液を塗布、乾燥
して非磁性層を形成してからその上に磁気記録層を塗布
する方式では、磁気記録層が極めて薄いためか、非磁性
層と磁気記録層との密着性が充分でなく非磁性支持体上
に形成された層として、各層が一体的な構造になり難い
のである。
【0048】ウエット・オン・ウエット方式で留意すべ
きこととして、塗布液の粘弾性特性(チクソトロピック
性)を互いに近づけることが好ましい。
【0049】本発明の磁気ディスクを得るための具体的
な塗布方法としては、例えば、 (1)磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層が湿潤状態に
あるうちに特公平1−46186号公報、特開昭60−
238179号公報,特開平2−265672号公報に
開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装
置により上層を塗布する方法。 (2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17
971号公報,特開平2−265672号公報に開示さ
れているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つ
の塗布ヘッドにより上層及び下層をほぼ同時に塗布する
方法。 (3)特開平2−174965号公報に開示されている
バックアップロール付きエクストルージョン塗布装置に
より上層及び下層をほぼ同時に塗布する方法。
【0050】なお、磁性体粒子の凝集による磁気ディス
クの電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62
−95174号公報や特開平1−236968号公報に
開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布
液に剪断力を付与することが望ましい。さらに、塗布液
の粘度については、特願平1−312659号公報に開
示されている数値範囲を満足することが望ましい。
【0051】本発明の磁気ディスクの磁気記録層に使用
する強磁性金属粉末としては、FeまたはNiまたはC
oを主成分(75%以上)とする強磁性金属単体粉末ま
たは強磁性合金微粉末などの公知のものが使用できる。
中でも、高密度記録に適した磁気ディスクとするために
は、磁気特性が良好な強磁性合金粉末が最も望ましい。
そして、さらにその長軸長が0.05乃至0.3μm、
針状比が5乃至20であって、且つ結晶子サイズが10
0乃至300Åであることが望ましい。ここで、結晶子
サイズは、(1,1,0)面と(2,2,0)面の回折
線の半値巾の広がりから求められる。
【0052】本発明で使用できる上記の強磁性金属粉末
には、所定の原子以外に重量比で20重量%以下の割合
でAl、Si、S,Sc、Ti、V,Cr、Cu,Y,
Mo,Rh,Pd,Ag、Sn、Sb、Te、Ba、T
a、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、
Pr、Nd、P,Co,Mn,Zn、Ni、Sr、Bな
どの原子を含んでもかまわない。
【0053】また、強磁性金属粉末には後述する分散
剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあ
らかじめ処理を行うこともできる。具体的には、特公昭
44−14090号公報、特公昭45−18372号公
報、特公昭47−22062号公報、特公昭47−22
513号公報、特公昭46−28466号公報、特公昭
46−38755号公報、特公昭47−4286号公
報、特公昭47−12422号公報、特公昭47−17
284号公報、特公昭47−18509号公報、特公昭
47−18573号公報、特公昭39−10307号公
報、特公昭48−39639号公報、米国特許3026
215号、同3031341号、同3100194号、
同3242005号、同3389014号などに記載さ
れている。
【0054】強磁性金属粉末は、少量の水酸化物、また
は酸化物を含んでもよい。強磁性金属粉末としては、公
知の製造方法により得られたものを用いることができ、
例えば、下記の方法をあげることができる。 (1)複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素など
の還元性気体で還元する方法、(2)酸化鉄を水素など
の還元性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子な
どを得る方法、(3)金属カルボニル化合物を熱分解す
る方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウ
ム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添
加して還元する方法、(4)金属を低圧の不活性気体中
で蒸発させて微粉末を得る方法などである。
【0055】このようにして得られた強磁性金属粉末は
公知の徐酸化処理により、化学的に安定な者とするため
にその粒子表面に酸化被膜を形成せしめられる。その徐
酸化処理法としては、通常、(1)有機溶剤に浸漬した
のち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成した
のち乾燥させる方法、(2)有機溶剤を用いず酸素ガス
と不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成す
る方法のいずれかで行われることが多い。
【0056】本発明の磁気ディスクの磁気記録層の強磁
性金属粉末をBET法による比表面積で表せば25乃至
80m2/gであり、好ましくは35乃至70m2/gで
ある。25m2/g以下ではノイズが高くなり、80m2/
g以上では表面性得にくく好ましくない強磁性金属粉末
の抗磁力は1400Oe以上、好ましくは1400乃至
2000Oeである。針状比は18以下が好ましく、更
に好ましくは12以下である。
【0057】強磁性金属粉末の含水率は0.01乃至2
重量%とするのが望ましい。後述する結合剤の種類によ
って強磁性金属粉末の含水率は最適化するのが望まし
い。強磁性金属粉末のタップ密度は0.2乃至0.8g
/ccが望ましい。0.8g/cc以上であると磁性体
の圧密過程で酸化が進みやすく、充分なσsを得ること
が困難になる。0.2cc/g以下では分散が不十分に
なりやすい。
【0058】強磁性金属粉末のpHは用いる結合剤との
組合せにより最適化することが望ましい。その範囲は4
乃至12であるが、好ましくは6乃至10である。強磁
性金属粉末は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれら
の酸化物などで表面処理を施すこともできる。その量は
強磁性金属粉末に対し0.1乃至10重量%であり表面
処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/
2 以下になり望ましい。強磁性金属粉末には可溶性の
Na、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む
場合があるが500ppm以下であれば特に特性に影響
を与えない。
【0059】また、強磁性金属粉末は空孔が少ないほう
が好ましくその値は20容量%以下、さらに好ましくは
5容量%以下である。また形状については前記の粒子サ
イズについての特性を満足すれば針状、粒状、米粒状、
板状いずれでも使用できる。本発明の磁気ディスクの非
磁性層は、無機質非磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とす
るものである。非磁性層は、無機質非磁性粉末(カーボ
ンブラックは除く)の他、導電性粉末としてカーボンブ
ラックを含むことが好ましい。また、所望により有機質
非磁性粉末を用いてもよい。
【0060】非磁性層におけるカーボンブラックの含有
量は、非磁性層に含まれる非磁性粉末全量(カーボンブ
ラックも含める)の3〜90重量%が好ましい。3重量
%以下では十分に表面固有抵抗値を低減できず、また9
0重量%以上では十分な表面固有抵抗値の低減はできる
が、十分に平滑な磁気記録層の表面性を得ることが出来
ない。比表面積は、5〜1500m2 /gが好ましく、
更に好ましくは、100〜1000m2 /gの範囲であ
る。
【0061】これにより磁気記録層中のカーボンブラッ
クの添加量を低減することができる。該カーボンブラッ
クは、ストラクチャーを形成するため低い表面電気抵抗
を得る事ができる。このため磁気記録層の表面固有電気
抵抗値も低く抑えることができ、走行耐久性におけるド
ロップアウトの発生を低減できる。
【0062】特に好ましいカーボンブラックとしては、
平均粒径が40mμ以下でかつDBP吸油量が300m
L(ミリリットル)/100gのカーボンブラックが挙
げられる。これにより、平均粒径が40mμ以下のため
下層/上層の平滑な表面性が得られ記録/再生ヘッドと
のスペーシングロスを少なくでき高い再生出力が得られ
る。さらにDBP吸油量が300mL/100g以上の
カーボンブラックはストラクチャーを形成しやすく結果
として低い表面電気抵抗を得ることができ、走行耐久性
におけるドロップアウトの発生を特に低減でき好まし
い。
【0063】カーボンブラックのDBP吸油量は、カー
ボンブラック粉末にジブチルフタレートを少しづつ加
え、練り合わせながらカーボンブラックの状態を観察
し、ばらばらに分散した状態から一つの塊をなす点を見
出し、その時のジブチルフタレートの添加量(mL)を
DBP吸油量とした。カーボンブラックは、磁気ディス
クに導電性を付与して磁気ディスクの帯電を防止するた
めに有効であると共に磁気記録層と非磁性層の物理的強
度を調整するための素材としても使用される。また、カ
ーボンブラックは、非磁性層用塗布液の粘弾性特性を調
整する機能も有する。更に、カーボンブラックは、摩擦
係数の調整、遮光性付与等種々の機能を有する非常に有
用な素材である。従って、上記と同様の主旨でカーボン
ブラックは磁気記録層にも含ませることが好ましい。
【0064】また、本発明は非磁性層に使用することが
できるカーボンブラックとしては、あらゆる製法のもの
が使用できる。例えば、ファーネスブラック、サーマル
ブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、
ランプブラック等を使用することができる。具体的な例
として、三菱化成工業社製#3950B、ライオンアク
ゾ社製ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックE
CDJ−500、ケッチェンブラックECDJ−600
などが挙げられる。
【0065】カーボンブラックを分散剤などで表面処理
したり、樹脂でグラフト化して使用しても表面の一部を
グラファイト化したものを使用しても構わない。また、
カーボンブラックを非磁性塗料に添加する前にあらかじ
め結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブ
ラックは単独、または組み合わせて使用することができ
る。
【0066】本発明で使用できるカーボンブラックは例
えば(「カーボンブラック便覧」、カーボンブラック協
会編)を参考にすることができる。本発明の非磁性層に
使用できる無機質非磁性粉末は、例えば、金属、金属酸
化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化
物、金属硫化物等が挙げられる。具体的にはTiO
2 (ルチル、アナターゼ)、TiOX 、酸化セリウム、
酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2 、Si
2 、Cr2 3 、α化率90%以上のαアルミナ、β
アルミナ、γアルミナ、α酸化鉄、ゲータイト、コラン
ダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウ
ム、窒化硼素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgC
3 、CaCO3 、BaCO3 、SrCO3 、BaSO
4 、CaSO4 、炭化珪素などが単独または組み合わせ
て使用される。これら無機質非磁性粉末の形状、サイズ
は針状、球状、サイコロ状等で任意であり、これらは必
要に応じて異なる無機質非磁性粉末を組み合わせたり、
単独の無機質非磁性粉末でも粒径分布等を選択すること
もできる。粒子サイズとしては、0.01〜2μmから
選択される。無機質非磁性粉末としては、次のものが好
ましい。
【0067】タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率
は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30
2 /gが好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜10
0ml/100g、好ましくは10〜80ml/100
g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。
上記の無機質非磁性粉末は必ずしも100%純粋である
必要はなく、目的に応じて表面を他の化合物、例えば、
Al、Si、Ti、Zr、Sn、Sb、Zn等の各化合
物で処理し、それらの酸化物を表面に形成してもよい。
その際、純度は70%以上であれば効果を減ずることに
はならない。強熱減量は20%以下であることが好まし
い。
【0068】本発明に用いられる無機質非磁性粉末の具
体的な例としては、住友化学社製AKP−20、AKP
−30、AKP−50、日本化学工業社製G5、G7、
S−1、戸田工業社製TF−100、TF−120、T
F−140などが挙げられる。本発明に使用される有機
質非磁性粉末は、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾ
グアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシア
ニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉
末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、
ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末が
使用される。その製法は、特開昭62−18564号、
同60−255827号の各公報に記載されているよう
なものが使用できる。
【0069】本発明の磁気記録層、非磁性層に使用され
る結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑
性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150
℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましく
は10000〜100000、重合度が約50〜100
0程度のものである。このような例としては、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アク
リル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ス
チレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビ
ニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として
含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴ
ム系樹脂がある。
【0070】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
てはフエノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。
【0071】これらの樹脂については朝倉書店発行の
「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されてい
る。また、公知の電子線硬化型樹脂を非磁性層、または
磁気記録層に使用することも可能である。これらの例と
その製造方法については特開昭62−256219号に
詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せ
て使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、
塩化ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニ
ルアルコール樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン
酸共重合体、ニトロセルロースの群から選ばれる少なく
とも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらに
ポリイソシアネートを組合せたものがあげられる。
【0072】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、COO
M、SO3 M、OSO3 M、P=O(OM)2 、O−P
=O(OM)2 、(以上につきMは水素原子、またはア
ルカリ金属)、OH、NR2 、N+ 3 、(Rは炭化水
素基)、エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少
なくとも一つ以上の極性基を共重合または付加反応で導
入したものを用いることが好ましい。このような極性基
の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10
-2〜10-6モル/gである。
【0073】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としてはユニオンカーバイト社製:VAGH、V
YHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、V
YES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、P
KHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業
社製:MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TA
L、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、
MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製:100
0W、DX80、DX81、DX82、DX83、10
0FD、日本ゼオン社製:MR105、MR110、M
R100、400X110A、日本ポリウレタン社製:
ニッポランN2301、N2302、N2304、大日
本インキ社製:パンデックスT−5105、T−R30
80、T−5201、バーノックD−400、D−21
0−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社
製:バイロンUR8200、UR8300、UR860
0、UR5500、UR4300、RV530、RV2
80、大日精化社製:ダイフエラミン4020、502
0、5100、5300、9020、9022、702
0、三菱化成社製:MX5004、三洋化成社製:サン
プレンSP−150、旭化成社製:サランF310、F
210などがあげられる。
【0074】本発明の磁気記録層に用いられる結合剤は
強磁性粉末に対し、また非磁性層に用いられる結合剤は
非磁性粉末に対し、5〜50重量%の範囲、好ましくは
10〜30重量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹
脂を用いる場合は、5〜100重量%、ポリウレタン樹
脂を用いる場合は2〜50重量%、ポリイソシアネート
は2〜100重量%の範囲でこれらを組合せて用いるの
が好ましい。
【0075】本発明において、ポリウレタン樹脂を用い
る場合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸び
が100〜2000%、破断応力は0.05〜10Kg
/cm2 、降伏点は0.05〜10Kg/cm2 が好ま
しい。本発明の磁気記録ディスクを磁気記録層単層、非
磁性層と磁気記録層の二層から構成した場合、磁気記録
層、非磁性層を各々複数の層で形成してもかまわない。
ここで、各層の塗布液組成は、同一でも異なってもよ
く、粉体の種類、サイズ等を種々選択できる。これら各
層塗布液のウエット・オン・ウエット塗布方式による塗
布法は、基本的には前記した方法を準用すればよい。
【0076】従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化
ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネー
ト、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁気記録層を形成す
る各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂
の物理特性などを必要に応じ各層塗布液で変えることは
もちろん可能である。本発明に用いるポリイソシアネー
トとしては、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジ
フエニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、トリフエニル
メタントリイソシアネート等のイソシアネート類、ま
た、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生
成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成した
ポリイソシアネート等を使用することができる。これら
のイソシアネート類の市販されている商品名としては、
日本ポリウレタン社製:コロネートL、コロネートH
L、コロネート2030、コロネート2031、ミリオ
ネートMR、ミリオネートMTL、武田薬品社製:タケ
ネートD−102、タケネートD−110N、タケネー
トD−200、タケネートD−202、住友バイエル社
製:デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジ
ュールN、デスモジュールHL等があり、これらを単独
または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上
の組合せで各層に用いることができる。
【0077】本発明の磁気記録層あるいは非磁性層に用
いられる研磨剤としては、α化率90%以上のα−アル
ミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セ
リウム、α−酸化鉄、コランダム、人造コランダム、エ
メリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)、人造ダイアモ
ンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チ
タン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬
度5以上の公知の材料が単独または組合せで使用され
る。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他
の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これ
らの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれ
る場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわ
りはない。
【0078】これら研磨剤の平均粒径は0.05〜2μ
mび大きさのものが効果があり、好ましくは0.2〜
1.0μmである。特に磁気記録層に使用する場合は少
なくとも0.5μmが好ましい。必要に応じて粒子サイ
ズの異なる研磨剤を組合せたり、単独の研磨剤でも粒径
分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。タ
ップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5
%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2 /g、が
好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球
状、サイコロ状、のいずれでも良い。
【0079】これら研磨剤は非磁性層、磁気記録層の各
結合剤樹脂100重量部に対して3〜20重量部の範囲
で添加される。3重量部より少ないと十分な耐久性が得
られず、又20重量部より多すぎると充填度が減少し、
十分な出力が得られない。これら研磨剤は、非磁性層に
おいては、含有する非磁性粉末の量、種類、磁気記録層
のおいては強磁性粉末の量、種類に応じてその組合せを
変え、目的に応じて使い分けることはもちろん可能であ
る。例えば、磁気記録層表面の耐久性を向上させる場合
は、非磁性層の研磨剤量を多くする、磁気記録層端面の
耐久性を向上させる場合は磁気記録層の研磨剤量を多く
するなどの工夫を行うことができる。これらの研磨剤は
あらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料、非磁性
塗料中に添加してもかまわない。本発明の磁気ディスク
の磁気記録層表面および磁気記録層端面に存在する研磨
剤は5個/100μm2 以上が好ましい。
【0080】本発明に用いられる研磨剤の具体的な例と
しては、住友化学社製:AKP−20,AKP−30,
AKP−50,HIT−50、日本化学工業社製:G
5,G7,S−1、戸田工業社製:TF−100、TF
−140、100ED、140EDなどがあげられる。
本発明に使用する分散剤(顔料湿潤剤)としては、カプ
リル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等
の炭素数12〜18個の脂肪酸(R1 COOH、R1
炭素数11〜17個のアルキルまたはアルケニル基);
前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、Na、K等)また
はアルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba)からなる金属
石鹸;前記の脂肪酸エステルの弗素を含有した化合物;
前記脂肪酸のアミド;ポリアリキレンオキサイドアルキ
ルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオレフ
ィンオキシ第4級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1
〜5個、オレフィンはエチレン、プロピレン等);等が
使用される。この他に炭素数12以上の高級アルコー
ル、及びこれらの他に硫酸エステル等も使用可能であ
る。これらの分散剤は縮合剤樹脂100重量部に対して
0.5〜20重量部の範囲で添加される。
【0081】潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサ
ン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシ
ロキサン(アルコキシ基は炭素数1〜4個)、モノアル
キルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数
1〜5個、アルコキシ基は炭素数1〜4個)、フェニル
ポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(アル
キル基は炭素数1〜5個)などのシリコンオイル;グラ
ファイト等の導電性微粉末;二硫化モリブデン、二硫化
タングステン等の無機粉末;ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフ
ルオロエチレン等のプラスチック微粉末;α−オレフィ
ン重合物;常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オ
レフィン二重結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素
数約20);炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と炭
素数3〜12個の一価のアルコールから成る脂肪酸エス
テル類、フルオロカーボン類等は使用できる。
【0082】中でも脂肪酸エステルが最も好ましい。脂
肪酸エステルの原料となるアルコールとしては、エタノ
ール、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、
2−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシルアル
コール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、s−ブチルアルコール等のモノアル
コール類、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソルビタン
誘導体等の多価アルコールが挙げられる。
【0083】同じく脂肪酸としては、酢酸、プロピオン
酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン
酸、アラキン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、エライジン酸、パルミトレイン酸等の脂肪族カルボ
ン酸またはこれらの混合物が挙げられる。脂肪酸エステ
ルとしての具体例は、ブチルステアレート、s−ブチル
ステアレート、イソプロピルステアレート、ブチルオレ
エート、アミルステアレート、3−メチルブチルステア
レート、2−エチルヘキシルステアレート、2−ヘキシ
ルデシルステアレート、ブチルパルミテート、2−エチ
ルヘキシルミリステート、ブチルステアレートとブチル
パルミテートの混合物、ブトキシエチルステアレート、
2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロピレ
ングリコールモノブチルエ−テルをステアリン酸でエス
テル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテー
ト、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でエステル
化してジエステルとしたもの、グリセリンのオレエート
等の種々のエステル化合物を挙げることができる。
【0084】さらに、磁気記録ディスクを高湿度下で使
用する時、しばしば生ずる脂肪酸エステルの加水分解を
軽減すために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直
鎖、シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択する
ことがなされる。潤滑剤としては、更に以下の化合物を
使用することもできる。即ち、シリコンオイル、グラフ
アイト、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、
フッ素アルコール、ポリオレフィン、ポリグリコール、
アルキル燐酸エステル、二硫化タングステン等である。
【0085】これらの潤滑剤は、結合剤樹脂100重量
部に対して0.2〜20重量部の範囲で添加される。本
発明で使用されるこれらの潤滑剤等は磁気記録層、非磁
性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができ
る。例えば、各層で融点の異なる脂肪酸を用い表面への
にじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類
を用い表面へのにじみ出しを制御する、潤滑剤の添加量
を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考え
られ、無論ここに示した例のみに限られるものではな
い。
【0086】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加しても
かまわない、例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合す
る場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添
加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加す
る場合、塗布直前に添加する場合などがある。本発明で
使用されるこれら潤滑剤の商品例としては、日本油脂社
製:NAA−102,NAA−415,NAA−31
2,NAA−160,NAA−180,NAA−17
4,NAA−175,NAA−222,NAA−34,
NAA−35,NAA−171,NAA−122,NA
A−142,NAA−160,NAA−173K,ヒマ
シ硬化脂肪酸,NAA−42,NAA−44,カチオン
SA,カチオンMA,カチオンAB,カチオンBB,ナ
イミーンL−201,ナイミーンL−202,ナイミー
ンS−202,ノニオンE−208,ノニオンP−20
8,ノニオンS−207,ノニオンK−204,ノニオ
ンNS−202,ノニオンNS−210,ノニオンHS
−206,ノニオンL−2,ノニオンS−2,ノニオン
S−4,ノニオンO−2,ノニオンLP−20R,ノニ
オンPP−40R,ノニオンSP−60R,ノニオンO
P−80R,ノニオンOP−85R,ノニオンLT−2
21,ノニオンST−221,ノニオンOT−221,
モノグリMB,ノニオンDS−60,アノンBF,アノ
ンLG,ブチルステアレート,ブチルラウレート,エル
カ酸、関東化学社製:オレイン酸、竹本油脂社製:FA
L−205,FAL−123、新日本理化社製:エヌジ
エルブLO,エヌジエルブIPM,サンソサイザーE4
030、信越化学社製:TA−3,KF−96,KF−
96L,KF−96H,KF410,KF420,KF
965,KF54,KF50,KF56,KF−90
7,KF−851,X−22−819,X−22−82
2,KF−905,KF−700,KF−393,KF
−857,KF−860,KF−865,X−22−9
80,KF−101,KF−102,KF−103,X
−22−3710,X−22−3715,KF−91
0,KF−3935、ライオンアーマー社製:アーマイ
ドP,アーマイドC,アーモスリップCP、ライオン油
脂社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41
G、三洋化成社製:プロフアン2012E,ニューポー
ルPE61,イオネットMS−400,イオネットMO
−200,イオネットDL−200,イオネットDS−
300,イオネットDS−1000,イオネットDO−
200などがあげられる。
【0087】本発明に用いられる可撓性支持体は、バラ
ンスタイプの支持体が好ましく、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル
類、ポリオレフイン類、セルローストリアセテート、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アラミ
ド、芳香族ポリアミド、シンジオタクチックポリスチレ
ンなどの公知のフイルムが使用できる。一般的にはポリ
エチレンテレフタレートが好ましい。可撓性支持体の厚
味は、ヤング率により異なるが、一般には10〜100
μmが適し、好ましくは30〜80μmであり、高記録
密度として更に好ましくは50〜75μmである。これ
らの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処
理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなって
も良い。
【0088】本発明の目的を達成するには、可撓性支持
体として中心線平均表面粗さ(Ra)(カットオフ値
0.25mm)が0.03μm以下、好ましくは0.0
2μm以下、さらに好ましくは0.01μm以下のもの
を使用するのが望ましい。また、これらの可撓性支持体
は単に中心線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μ
m以上の粗大突起がないことが好ましい。また、表面の
粗さ形状は、必要に応じて支持体に添加されるフィラー
の大きさと量により自由にコントロールされるものであ
る。これらのフィラーの一例としてはCa、Si、Ti
などの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉
末が挙げられる。
【0089】本発明に用いられる可撓性支持体のウエブ
走行方向(長手方向)のF−5値は好ましくは5〜50
Kg/mm2 、ウエブ幅方向のF−5値は好ましくは3
〜30Kg/mm2 であり、ウエブ長手方向のF−5値
がウエブ幅方向のF−5値より高いのが、一般的である
が、特に幅方向の強度を高くする必要があるときはその
限りでない。
【0090】また、本磁気ディスクの厚味構成は、可撓
性支持体が好ましくは30〜80μm、非磁性層が0.
5〜10μm、磁気記録層が1μm以下である。また、
可撓性支持体と非磁性層の間に密着性向上のための下塗
り層を設けてもかまわない。この厚味は0.01〜2μ
m、好ましくは0.05〜0.5μmである。また、可
撓性支持体の磁気記録層側と反対側にバックコート層を
設けてもかまわない。この厚みは0.1〜2μm、好ま
しくは0.3〜1.0μmである。これらの下塗り層、
バックコート層は公知のものが使用できる。本発明磁気
記録ディスクは、両面もしくは片面に磁気記録層を設け
ることができる。また、磁気記録層表面に樹脂および/
または潤滑剤の層を保護層として設けてもよい。
【0091】また、可撓性支持体のウエブ走行方向およ
び幅方向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3
%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分
での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは
0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜100
Kg/mm2 、弾性率は100〜2000Kg/mm2
が好ましい。
【0092】本発明の磁気ディスクの磁気記録層塗布
液、非磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練
工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応
じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2
段階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使用す
る強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラッ
ク、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原
料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわな
い。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加
してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、
分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割し
て投入してもよい。
【0093】各塗布液の混練分散に当たっては、各種の
混練機が使用される。例えば、二本ロールミル、三本ロ
ールミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サン
ドグラインダー、ゼグバリ(Szegvari)、アト
ライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、
高速衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、
ホモジナイザー、超音波分散機などを用いることができ
る。
【0094】本発明の目的を達成するためには、従来の
公知の製造技術を一部の工程として用いることができる
ことはもちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加
圧ニーダなど強い混練力をもつものを使用することによ
り本発明の磁気ディスクの高いBrを得ることができ
る。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合は強磁性
粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤
の30重量%以上が好ましい)および強磁性粉末100
部に対し15〜500部の範囲で混練処理される。これ
らの混練処理の詳細については特開平1−106338
号、特開昭64−79274号に記載されている。ま
た、非磁性層塗布液を調製する場合には高比重の分散メ
ディアを用いることが望ましく、ジルコニアビーズ、金
属ビーズが好適である。
【0095】本発明では、特開昭62−212933号
に示されるような同時重層塗布方式を用いることによ
り、より効率的に生産することができる。ウエット・オ
ン・ウエット塗布により可撓性支持体に塗設された非磁
性層及び磁気記録層は、配向処理、乾燥工程を経て、カ
レンダー処理されることが好ましい。カレンダ処理ロー
ルとしてエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミ
ドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールを使用す
る。また、金属ロール同志で処理することもできる。処
理温度は、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは8
0℃以上である。線圧力は好ましくは200kg/c
m、さらに好ましくは300kg/cm以上である。
【0096】磁気記録層の0.5%伸びでの弾性率は走
行方向、幅方向とも好ましくは100〜2000Kg/
mm2 、破断強度は好ましくは1〜30Kg/cm2
磁気ディスクの弾性率は走行方向、幅方向とも好ましく
は100〜1500Kg/mm2 、残留のびは好ましく
は0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収
縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%
以下、もっとも好ましくは0.1%以下である。
【0097】磁気記録層中に含まれる残留溶媒は好まし
くは100mg/m2 以下、さらに好ましくは10mg
/m2 以下であり、磁気記録層に含まれる残留溶媒が非
磁性層に含まれる残留溶媒より少ないほうが好ましい。
磁気記録層、非磁性層が有する空隙率は、ともに好まし
くは30容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下
である。非磁性層の空隙率が磁気記録層の空隙率より大
きいほうが好ましいが、非磁性層の空隙率が5%以上で
あれば小さくてもかまわない。
【0098】本発明の磁気ディスクを複数層で構成する
場合、目的に応じ各層でこれらの物理特性を変えること
ができるのは容易に推定されることである。例えば、非
磁性層の弾性率を磁気記録層の弾性率よりも高くして、
磁気ディスクに対する磁気ヘッド当たりを改善するこ
と、非磁性層及び磁気記録層ともにその弾性率を高くし
て、走行耐久性を向上させること等の効果が容易に予測
できる。
【0099】ウエット・オン・ウエット塗布方式によ
り、支持体上に塗布された磁気記録層は、本発明の配向
処理を施したのち、形成した磁気記録層を乾燥する。
又、必要により表面平滑化加工を施したり、所望の形状
に裁断したりして、本発明の磁気記録媒体を製造する。
【0100】次に本発明の磁気ディスクとして金属磁性
薄膜型ディスクについて説明する。本発明の磁気ディス
クにおける磁気記録層となる金属磁性薄膜は従来より公
知の真空蒸着膜、スパッタ膜等が使用できる。磁気記録
層を高速成膜が可能な連続巻き取り式の真空蒸着法で作
成する場合、組成としてはコバルトを主体とした従来よ
り公知の金属または合金が挙げられ、具体的にはCo、
CoNi、CoFeなどを酸素雰囲気中で蒸着し、膜中
に酸素を含んだものが使用できる。特に電磁変換特性を
改善するため磁気記録層を構成する金属原子の90%以
上、さらに好ましくは95%以上はコバルトであるCo
−O、またはCo−Oを含有するCo−Fe等が好まし
い。磁気記録層の厚みは、100〜300nmとするの
が望ましく、さらに望ましくは120〜200nmであ
る。
【0101】磁気記録層をスパッタ法で作成する場合、
組成としてはコバルトを主体とした従来より公知の金属
または合金が挙げられ、具体的にはCo−Cr、Co−
Ni−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、C
o−Cr−Ta−Pt、Co−Cr−Pt−Si、Co
−Cr−Pt−B等が使用できる。特に電磁変換特性を
改善するためにCo−Cr−Ta、Co−Cr−Ptが
好ましい。磁気記録層の厚みは10〜300nmとする
のが望ましい。
【0102】また、金属磁性薄膜は電磁変換特性を改善
するため重層構成としたり、非磁性下地層や中間層を有
していても良い。金属磁性薄膜を設ける可撓性支持体
は、前記塗布型磁気ディスクで説明したものやそれらに
耐熱処理を施したもの等が使用される。
【0103】本発明の磁気記録媒体においては強磁性金
属薄膜上に保護膜が設けられていてもよく、この保護膜
によってさらに走行耐久性、耐食性を改善することがで
きる。保護膜としてはシリカ、アルミナ、チタニア、ジ
ルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸化物、
窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒化物、炭
化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化物、グラフ
ァイト、無定型カーボンなどの炭素からなる保護膜があ
げられる。
【0104】該保護膜は、本発明の研磨処理の後に設け
られる。即ち、前記保護膜の保護作用に更に潤滑層の効
果が付加されて、苛酷な条件での磁気ヘッドとの摺動に
も充分に耐えて、媒体表面に摩耗がなく、表面の潤滑性
を長期間保持できる磁気ディスクとすることができる。
従って前記保護膜としては、ヘッド材質と同等またはそ
れ以上の硬度を有する硬質膜が好ましく、さらに摺動中
に焼き付きを生じ難く、その効果が安定して持続するも
のが最も好ましく、そのような保護膜としては硬質炭素
膜があげられる。
【0105】前記炭素保護膜は、プラズマCVD法、ス
パッタリング法等で作成したアモルファス、グラファイ
ト、ダイヤモンド構造、もしくはこれらの混合物からな
るカーボン膜であり、特に好ましくは一般にダイヤモン
ドライクカーボンと呼ばれる硬質カーボン膜である。硬
質炭素保護膜の膜厚が厚いと電磁変換特性の悪化や磁気
記録層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が薄いと耐磨
耗性が不足するために、膜厚2.5〜20nmが好まし
く、とくに好ましくは5〜10nmである。
【0106】また、この硬質炭素保護膜上に付与する潤
滑剤との密着をさらに向上させる目的で硬質炭素保護膜
表面を酸化性もしくは不活性気体によって表面処理して
も良い。
【0107】本発明の磁気記録媒体において、走行耐久
性および耐食性を改善するため、上記磁性膜もしくは保
護膜上に潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。
【0108】潤滑剤としては公知の炭化水素系潤滑剤、
フッ素系潤滑剤、極圧添加剤などが使用できる。炭化水
素系潤滑剤としてはステアリン酸、オレイン酸等のカル
ボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類、オクタ
デシルスルホン酸等のスルホン酸類、リン酸モノオクタ
デシル等のリン酸エステル類、ステアリルアルコール、
オレイルアルコール等のアルコール類、ステアリン酸ア
ミド等のカルボン酸アミド類、ステアリルアミン等のア
ミン類などが挙げられる。
【0109】フッ素系潤滑剤としては上記炭化水素系潤
滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑
剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基としては
パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロ
エチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレ
ンオキシド重合体(CF2 CF2 CF2O)n 、パーフ
ルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3
CF2O)nまたはこれらの共重合体等である。
【0110】極圧添加剤としてはリン酸トリラウリル等
のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リン
酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ
亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジベ
ンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。上記潤滑剤
は単独もしくは複数を併用して使用される。これらの潤
滑剤を磁性膜もしくは保護膜上に付与する方法としては
潤滑剤を有機溶剤に溶解し、ワイヤーバー法、グラビア
法、スピンコート法、ディップコート法等で塗布する
か、真空蒸着法によって付着させればよい。
【0111】潤滑剤の塗布量としては1〜30mg/m
2 が好ましく、2〜20mg/m2が特に好ましい。
【0112】本発明で使用できる防錆剤としてはベンゾ
トリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジ
ン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル
側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メル
カプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合
物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環
類およびこの誘導体等が挙げられる。
【0113】本発明磁気ディスクは、高密度の磁気記録
が可能であり、特に、コンピューター情報を保存・読み
出しに使用されるディジタルデータ記録媒体に必須の重
ね書き特性、再生出力等の電磁変換特性が、例えば、最
短記録波長が1.5μm以下であるような高密度記録に
なっても低下せず且つ安定して得られ、しかも走行耐久
性も低下しないという利点を有する。
【0114】また、記録波長が短波長化した場合だけで
なく、トラック密度が高くなった場合にも本発明の磁気
ディスクを使用することにより、信号のクロストークが
少なく、ピークシフトの分離性に優れた記録ができる。
そのため、記録トラック幅が50μm以下、トラック密
度14トラック/mm以上の条件で、最短記録波長が
1.5μm以下の記録をしても重ね書き適性に優れ、走
行耐久性も良好な記録・再生が可能である。
【0115】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分、割合、操作順序等は、本発明
の精神から逸脱しない範囲において変更しうるものであ
ることは本業界に携わるものにとっては容易に理解され
ることである。従って、本発明は下記の実施例に制限さ
れるべきではない。尚、「部」とあるのは全て「重量
部」のことである。
【0116】製造例A 研磨処理に付される塗布型磁気ディスクを以下の要領で
作成した。下記2つの塗料のそれぞれについて、各成分
を連続ニーダーで混練したのち、サンドミルを用いて分
散させた。得られた分散液を1μmの平均孔径を有する
フィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用及び磁気記
録層形成用塗布液を夫々調製した。
【0117】厚さ75μmのポリエステルベース支持体
上に下塗り層を設け、その上に酸化チタン分散層を厚み
5μmで設けた。その上に下記組成で調整した磁性塗布
液を、乾燥後0.3μm厚さとなるようにバーコート塗
布を行った。磁性層がまだ未乾燥の湿潤状態にあるうち
に周波数50Hz、磁場強度200ガウスまた周波数5
0Hz、120ガウスの2つの交流磁場発生装置中を通
過させ、無配向化処理を行い、次いで塗布面に対し垂直
方向に、垂直面上で2000Gになるように永久磁石が
可撓性支持体の上下に設置されたその間を通過させ斜め
配向化処理を行い、その後乾燥処理を行った。巻取り後
7段のカレンダーで温度90℃、線圧300Kg/cm
にて処理を行い、3.5インチサイズに打ち抜き、試料
とした。
【0118】以下の処方で非磁性塗料及び磁性塗料を調
製した。 非磁性塗料 非磁性無機質粉末 90部 粒状TiO2 (石原産業社製 TY50) 平均粒径 0.34μm BET法による比表面積 5.9 m2 /g pH 5.9 カーボンブラック 10部 (ライオンアグゾ社製ケッチェンブラックEC) 平均粒径 30mμ DBP吸油量 350ml/100g BET法による比表面積 950m2 /g 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 14部 −N(CH3 3 + Cl- の極性基を5×10-6eq/g含有 組成比 86:13:1 重合度 400 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1(モル比) −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有 sec−ブチルステアレート 5部 2−ブトキシ−1−プロピルステアレート 5部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 200部 磁性塗料 強磁性金属微粉末 100部 組成 Fe(88%) Hc 1800Oe、BET法による比表面積 45m2 /g 結晶子サイズ 80Å 平均粒径(長軸長)0.1μm 飽和磁化( σS ) 130emu/g 塩化ビニル系共重合体 3部 −SO3 Na基 2×10-2eq/g含有 ポリエステルポリウレタン樹脂 10部 Tg:20℃、スルホン酸基3×10-3当量/g、 エポキシ基 2×10-5当量/g ポリイソシアネート 5部 (トリメチロールプロパン(1モル)のTDI(3モル)付加物) 潤滑剤(2エチルヘキシルステアレート) 3部 希釈剤 200部 (メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1) 希釈剤(トルエン/MIBK) 150部 添加剤(カーボンブラック) 1部 コロンビアカーボン社製コンダクテックスSC 平均粒子径:17nm BET法による比表面積:200m2 /g 製造例B 研磨処理に付される金属磁性薄膜型磁気ディスクを以下
の要領で作成した。
【0119】可撓性支持体の作成 厚み50μmのポリイミドフィルム上に平均粒子径30
nmの球状シリカ粒子を含む下記組成1の溶液をワイヤ
ーバー法で塗布し耐熱性微粒子をフィルム表面に固定し
た後、さらにその上に下記組成2の溶液を乾燥後の層厚
が20nmとなるように塗布してチタニアからなる下塗
層を作成した。この下塗層はシリカ耐熱性微粒子による
高さ約10nmの突起を1mm2 当たり3×106
で、かつ30nm以上の高さの突起を3×103個有し
ていた。
【0120】 組成1 シリカ微粒子(30nm) 0.06wt% テトラnブトキシチタニウム 0.96wt% アセチルアセトン 0.28wt% 水 0.10wt% エチルアルコール 98.60wt% 組成2 テトラnブトキシチタニウム 8.64wt% アセチルアセトン 2.53wt% 水 0.91wt% エチルアルコール 87.92wt% 磁気記録層の形成 上記可撓性支持体をスパッタ装置に取り付け、基板温度
を200℃に加熱し、真空度8×10-7Torrまで排
気した。その後、アルゴンガスを導入し、3×10-5
orrとした後、DCマグネトロンスパッタ法でCr
(非磁性下地層)を150nm成膜し、引き続きその上
にCo74Pt21Cr5 合金(磁気記録層)を30nm成
膜した。その後、この原反を真空槽から取り出し、その
後、磁気記録層上に以下に示すプラズマCVD法で炭素
保護層を作成した。
【0121】メタンを原料として流量150sccmで
供給するとともに、アルゴンをキャリアーとして流量5
0sccmの流量で供給し、600Wの高周波電力を印
加するとともに、パスローラを介して磁性層表面には−
400Vの直流電圧を印加し、気体導入部に設置された
アノードには+500Vの直流電圧を印加し、発生した
プラズマを加速させて搬送速度5m/分で温度20℃の
磁性層表面にダイヤモンド状炭素からなる硬質炭素保護
層を形成した。
【0122】得られた炭素保護層は、層厚8nm、ラマ
ン分光法によって炭素保護層がダイヤモンド状炭素であ
ることを確認した。また、同一の方法で別途作成した保
護層のビッカース硬度は2,200kg/mm2 であっ
た。また、保護層表面に形成された高さ30nm以上の
突起密度は3×103 /mm2 であった。
【0123】その後、炭素保護層上に両末端にカルボキ
シル基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(モ
ンテフルオス社製FOMBLIN Z−DIAC)をフッ
素系溶剤(同社製ZS−100)に溶解してワイヤーバー
法で塗布量10mg/m2 となるように塗布、乾燥し、
これを3.5インチのディスク形状に打ち抜いて試料と
した。
【0124】製造例C:研磨テープ 以下により研磨テープを作成した。50μmのポリエス
テルベース支持体に下塗り層を設け、その上に下記組成
で調整した研磨テープ塗布液を、乾燥後10μm厚さと
なるようにバーコート塗布を行い製造例5の研磨テープ
サンプルを得た。その他の製造例サンプルは、X(研磨
テープの砥粒素材、その平均粒子径)を表1に記載した
ように変更して作成した。得られたサンプルの特性を表
1に示す。Raは、タリステップ(テイラーホプソン社
製)により測定した。製造例1は、砥粒を用いなかっ
た。
【0125】 研磨テープ液組成 X:酸化クロム(平均粒子径0.3μm) 100部 結合剤(塩化ビニル酢酸ビニルマレイン酸共重合体) 3部 Mw:50000、重合度:450、Tg:86℃ 結合剤 6部 (エポキシ樹脂、エポキシ基 2×10-5当量/g) 結合剤(ポリアミド樹脂) 8部 (アルキレンアミンとアジピン酸の重合物) 潤滑剤(レシチン) 0.5部 混練溶剤 200部 (メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/2) 希釈剤(キシレン/MIBK) 150部 添加剤(ケッチェンブラックEC) 1部 実施例1〜5、比較例1〜3 上記製造例Aにより作成した塗布型磁気ディスクを製造
例Cの各種研磨テープで以下の条件にて研磨処理および
クリーニングした結果を表1に示す。
【0126】 バーニッシュ装置:HITECH社製FB35 磁気ディスク回転数:2000rpm バーニッシュ時間:0.8秒 エアー圧(表):1.0Kg/cm2 エアー圧(裏):1.0Kg/cm2 研磨テープスピード:3mm/P クリーニング:上記と同じ ワイピング材;日本バイリーン 実施例6 上記製造例Bにより作成した金属磁性薄膜型磁気ディス
クを製造例6の研磨テープで上記と同様の条件にて研磨
処理およびクリーニングした結果を表1に示す。研磨処
理した表面をAFM(Atomic Force Microscopy)で測定
長1000μm2 測定した所、50nmを越える突起が
2ケであった。
【0127】また、実施例6と同じ金属磁性薄膜型磁気
ディスクを製造例1の研磨テープで実施例6と同様に処
理してAFMにて同様に測定した所、50nmを越える
突起は7ケであった。
【0128】
【表1】
【0129】n=1は、ディスクに対して塗布方向、n
=2は塗布方向に対し垂直方向に測定した値である。光
沢度は、スガ試験機製を用い、黒色ガラス(n=1.5
67)の光沢度を100%とした。ΔLは、n=1とn
=2の各光沢度の差の絶対値である。
【0130】表1により、Raが0.20以下の研磨テ
ープで磁気ディスクを処理した実施例は、Raが4.1
nm以下と小さく、かつΔRaがいずれも0.3nm以
下と表面粗さが円周方向で一様であるが、比較例のよう
に研磨テープのRaが大きいとRaおよびΔRaが共に
大きくなることがわかる。また、本願発明では比較例に
比べ光沢に関しても優れている。
【0131】また、上記研磨処理で得られた実施例の各
磁気ディスクは、200MBの容量を有している。
【0132】
【発明の効果】 Raが0.20μm以下の研磨テープにより研磨す
ることにより、より平滑な磁気記録層表面が得られる。 磁気ディスクの表面が平滑化し、ノイズ低減による
高出力が得られる。 ディスク円周方向によるバラツキが低減し、高出力
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における磁気ディスクの磁気記録層を研
磨処理する具体的方法に用いられる装置構成を説明する
図である。
【符号の説明】
1 磁気ディスク 2 研磨テープ 3 バックアップロール 4、5 ガイドロール 6 スリットエアーノズル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性支持体に少なくとも磁気記録層を
    厚み1μm以下で設けた磁気ディスクにおいて、前記磁
    気記録層の表面の任意のA方向とA方向に垂直なB方向
    におけるRaがいずれも4.1nm以下であり、かつそ
    の差が0.3nm以下であることを特徴とする磁気ディ
    スク。
  2. 【請求項2】 前記A方向が塗布方向であり、前記B方
    向が塗布方向に垂直な方向であることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 前記磁気記録層が少なくとも強磁性金属
    粉末と結合剤を含む磁気記録層であることを特徴とする
    請求項1記載の磁気ディスク。
  4. 【請求項4】 前記磁気記録層が金属磁性薄膜からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク。
  5. 【請求項5】 前記可撓性支持体と前記磁気記録層との
    間に無機質非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク。
  6. 【請求項6】 可撓性支持体に磁気記録層を厚み1μm
    以下で設けた磁気ディスクの表面を、ディスク円周方向
    に、研磨層のRaが0.20μm以下の研磨テープでバ
    ーニッシュ処理することを特徴とする磁気ディスクの処
    理方法。
  7. 【請求項7】 前記研磨テープが8000番を越える精
    密仕上げ用の研磨テープであることを特徴とする請求項
    6記載の磁気ディスクの処理方法。
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