JPH0953025A - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物

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JPH0953025A
JPH0953025A JP22754995A JP22754995A JPH0953025A JP H0953025 A JPH0953025 A JP H0953025A JP 22754995 A JP22754995 A JP 22754995A JP 22754995 A JP22754995 A JP 22754995A JP H0953025 A JPH0953025 A JP H0953025A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた硬化塗膜物性と永久帯電防止性とを有
する塗布層を形成する活性エネルギー線硬化性組成物を
得る。 【解決手段】 イオン性部分と非イオン性部分とが一定
の繰り返し構造を有する(メタ)アクリロイル基含有化
合物と、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基
を有するモノマーとを必須成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は帯電防止能を有する
活性エネルギー線硬化性組成物に関する。さらに詳しく
は、合成樹脂成形品、フィルム、シートなどの表面にコ
ーティングし、活性エネルギー線で硬化させたときに、
優れた永久帯電防止能を有する被覆層(ハードコート層
等)を与える活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂成形品、シート、フィルムなど
は、軽量性、強靱性などの特性に優れているばかりでな
く、安価で成形加工が容易であるなどの利点があり、広
い分野で使用されている。しかしながら、これらの合成
樹脂成形品、シート、フィルムなどは、その絶縁性のた
めに表面が静電気等により帯電し、塵や埃が付着しやす
く、また比較的柔らかいため傷つきやすいという欠点が
ある。
【0003】これらの欠点を改良する方法として、 コーティング剤にカチオン性、アニオン性、両性等の
イオン型界面活性剤やノニオン型界面活性剤を添加する
方法; コーティング剤にポリエチレングリコールのような親
水性基を導入した(メタ) アクリル酸エステルを添加
する方法; コーティング剤に4級アンモニウム塩基を含有する
(メタ)アクリルアミドやマレイミドを1成分として共
重合する方法;などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法のうち、の活性剤を添加する方法は、経時的に添
加した界面活性剤が合成樹脂成形品、シート、フィルム
などに施した塗膜からブリードアウトし、水洗や表面の
拭き取りにより徐々に帯電防止能が低下するという致命
的な欠点があり、の方法では、帯電防止効果が低いた
め、親水性基を導入した(メタ)アクリル酸エステルを
高濃度で使用する必要があり、その結果ハードコート成
分の濃度が低下して、硬化反応後の樹脂の耐水性や強靱
性、硬度等、本来の物性が悪くなるという問題点があ
る。また、のようにカチオン性基をランダム状でかつ
側鎖に導入した場合もの場合と同様に帯電防止効果が
低い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、従来の活性エネル
ギー線硬化性樹脂組成物の主鎖にイオン性基を組み込
み、且つ、一定の間隔をあけてこれらのイオン性基が繰
り返して位置させたものを塗膜中に含有させることによ
り大きな帯電防止効果のあるコーティングが得られるこ
とを見いだし、本発明に到達した。すなわち本発明は、
1分子中に、1個以上の(メタ)アクリロイル基(a)
および3個以上のイオン性基(b)を有し、該イオン性
基(b)が、炭素原子、酸素原子および窒素原子の合計
数が2〜30個の非イオン性分子鎖(c)で隔てられて
いる化合物(A)と、1分子中に2個以上の(メタ)ア
クリロイル基を有するモノマー(B)とからなることを
特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物(第一発
明);1分子中に、1個以上の(メタ)アクリロイル基
(a)および3個以上のイオン性基(b)を有し、該イ
オン性基(b)が、炭素原子、酸素原子および窒素原子
の合計数が2〜30個の非イオン性分子鎖(c)で隔て
られている化合物(A)と、1分子中に2個以上の(メ
タ)アクリロイル基を有するモノマー(B)と、1分子
中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し分子量が
800〜4000のオリゴマー(C)とからなることを
特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物(第二発
明);ならびにこれらの組成物の活性エネルギー線硬化
物で表面を被覆してなる合成樹脂成形体(第三発明)に
関するものである。
【0006】本発明において、化合物(A)を構成する
イオン性基(b)は、カチオン性基でもアニオン性基で
もよく、カチオン性基とアニオン性基の両方を含んでい
てもよく、また構造の異なる2種以上の同じイオン性基
を含んでいてもよい。
【0007】カチオン性基としては、第1級アミン塩、
第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム
塩、第4級ホスホニウム塩などの基が挙げられる。カチ
オン性基の対イオンとしては、塩素イオン、硫酸イオ
ン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、カルボン酸
イオンなどが挙げられる。これらのうち好ましいもの
は、第4級アンモニウム塩基および第4級ホスホニウム
塩基である。これらのカチオン性基は側鎖に位置するよ
り主鎖上に位置することが好ましく、好適な化合物の例
としては、下記の分子構造をを有する化合物が挙げられ
る。
【0008】
【化1】
【0009】[式中、R1は水素またはメチル基、R2
炭素数1〜24のアルキル基、フェニル基または炭素数
1〜12のアルキル置換フェニル基である。]
【0010】アニオン性基としては、スルホン酸
(塩)、カルボン(酸)、硫酸エステル(塩)、リン酸
エステル(塩)などの基が挙げられる。アニオン性基の
対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属等の
無機物イオン、アミンなどの有機物イオンが挙げられ
る。これらのアニオン性基を有する化合物としては、例
えば下記の分子構造を有する化合物が挙げられる。
【0011】
【化2】
【0012】[式中、R1は水素またはメチル基、nは
1〜50の整数である。]
【0013】非イオン性分子鎖(c)としては、2価の
非イオン性有機基単独で構成される分子鎖でも2価の非
イオン性有機基が複数結合した2価の分子鎖でもよい。
【0014】該2価の非イオン性有機基としては、例え
ば、2価の炭化水素基[アルキレン基(メチレン基、エ
チレン基など)、芳香族環構造の一部(フェニレン基な
ど)、脂環構造の一部(シクロヘキシレン基など)、ビ
ニレン基など];並びに、窒素および/または酸素原子
を含有する2価の有機基[エーテル基、カルボニル基、
エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、窒素も
しくは酸素原子含有複素環構造の基など]が挙げられ
る。
【0015】この非イオン性分子鎖の長さは、分子主鎖
を構成する炭素原子、酸素原子および窒素原子の合計数
が、通常2〜30個、好ましくは8〜18個の範囲であ
る。各原子の合計数が30個を超えるとイオン性基の濃
度が低くなり帯電防止効果が不十分となる。
【0016】(A)を構成する(メタ)アクリロイル基
(a)は、イオン性基(b)と非イオン性分子鎖(c)
が交互に繰り返される分子鎖構造の末端に水酸基あるい
はハロゲン原子を有する化合物を用いて、例えば下記
〜の方法で導入することができる。 末端基が水酸基である化合物と、(メタ)アクリル酸
あるいは低級アルキル(メタ)アクリレートとを常法に
従ってエステル化反応させる。 末端基が水酸基である化合物と、有機ジイソシアネー
トおよび1分子中に少なくとも1個の水酸基と少なくと
も1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反
応させる。 末端基がハロゲン原子である化合物と、N,N−ジア
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとを反応さ
せる。
【0017】上記有機ジイソシアネートとしては公知の
ものが使用できる。その具体例としては、イソホロンジ
イソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなど
が挙げられる。これらのうち好ましいものは、イソホロ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソ
シアネート基が芳香環に直接結合していないジイソシア
ネートである。
【0018】上記1分子中に少なくとも1個の水酸基と
少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合
物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リセリンジメタクリレート、グリセリンアクリレートメ
タクリレートなどが挙げられる。これらのうち特に好ま
しいものは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
である。
【0019】本発明において、化合物(A)中のイオン
性基(b)は、非イオン性分子鎖(c)に隔てられて位
置し、全体として隣接するイオン性基(b)1個と非イ
オン性分子鎖(c)1個の単位が複数単位繰り返される
構造を持つ。しかし、分子内にこれ以外の分子構造を一
部含有していても差し支えない。
【0020】本発明において、1分子中に2個以上の
(メタ)アクリリロイル基を有するモノマー(B)とし
ては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ル、ビスフェノールAもしくはその水素化物等の2価ア
ルコールまたはこれらのアルキレンオキサイド付加物の
ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン、グ
リセリン等の3価アルコールまたはこれらのアルキレン
オキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート;ペンタ
エリスリトールまたはそのアルキレンオキサイド付加物
のトリまたはテトラ(メタ)アクリレート;ポリペンタ
エリスリトールまたはそのアルキレンオキサイド付加物
のペンタ−、ヘキサ−またはそれ以上の(メタ)アクリ
レート;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。
【0021】本発明において、(B)と共に、1分子中
に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有し、分
子量が通常800〜4000、好ましくは1000〜2
500のオリゴマー(C)を併用することにより、可撓
性、耐屈曲性等に優れる硬化塗膜を形成させることがで
きる。該(C)の分子量が800未満では耐屈曲性付与
効果が不十分となり、4000を超えると組成物が高粘
度となりすぎ実用に適さなくなる。
【0022】該(C)としては、例えばウレタン(メ
タ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレートおよびこれらの2種
以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいもの
は、ポリエーテルウレタンアクリレート、ポリエステル
ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートおよ
びエポキシアクリレートである。
【0023】上記ウレタンアクリレートは、例えば、ポ
リエーテルポリオール[ポリオキシアルキレン(炭素数
2〜4)グリコールなど]、ポリエステルポリオール
[ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンイソ
フタレートジオール、ポリカプロラクトンポリオール、
ポリカーボネートポリオールなど]などのポリオール成
分と、前述の有機ジイソシアネートと、前述の1分子中
に少なくとも1個の水酸基と少なくとも1個のアクロイ
ル基とを有する化合物(2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートなど)との反応により得られる。
【0024】上記ポリエステルアクリレートは、例え
ば、上記ポリウレタンアクリレートの原料として例示し
たポリエステルポリオールと、アクリル酸またはそのエ
ステル形成性誘導体とを常法によりエステル化反応させ
ることにより得られる。
【0025】上記エポキシアクリレートは、例えば、ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリ
グリシジルエーテルなどの1分子中に2個以上のグリシ
ジル基を有する化合物にアクリル酸を付加させることに
より得られる。
【0026】該(C)の量は、(B)と(C)の合計重
量に基づいて通常80重量%以下、好ましくは50重量
%以下である。80重量%を超えると(メタ)アクリロ
イル基濃度が低くなりすぎて硬化塗膜強度が不十分とな
る。本発明の組成物をハードコート層を形成させること
を目的とするコーティング剤に用いる場合は、通常該
(C)は使用しない。
【0027】本発明において、(A)の量は、(B)と
(C)の合計重量に対して通常1〜20重量%、好まし
くは5〜15重量%である。1重量%未満では帯電防止
性付与効果が不十分となり、20重量%を超えると塗膜
の強度、硬度、耐水性等の硬化塗膜の物性が低下する。
【0028】本発明の組成物を硬化させるために用いら
れる活性エネルギー線として好ましいものは紫外線およ
び電子線である。
【0029】紫外線で硬化させる場合、高圧水銀灯、メ
タルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を
使用することができる。硬化する際の紫外線の照射量
は、好ましくは50〜1,000mJ/cm2である。
照射量が50mJ/cm2未満では硬化が不十分にな
り、1,000mJ/cm2を超えると硬化したコーテ
ィング膜が黄変劣化する可能性がある。
【0030】紫外線で硬化させる場合は、光重合開始剤
が通常用いられる。該光重合開始剤としては、ベンゾイ
ンアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、イソ
プロピルチオキサントンなどが挙げられる。
【0031】光重合開始剤の量は特に限定されないが、
(A)、(B)および(C)の合計重量に対して通常1
〜10重量%、好ましくは2〜6重量%である。
【0032】電子線で硬化する場合、公知の電子線照射
装置を使用することができる。電子線の照射量は、好ま
しくは1〜10Mradである。照射量が1Mrad未
満では、硬化が不十分になり、10Mradを超えると
硬化したコーティング膜あるいは、基材(合成樹脂成形
品、シート、フィルムなど)が損傷を受け、劣化する可
能性がある。
【0033】本発明の組成物には必要により、消泡剤、
レベリング剤、カップリング剤等、塗料、インキ、コー
ティング剤に通常添加される添加剤を任意に配合するこ
とができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下製造例、実施例および比較例
により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。なお、以下において部は重量部を示
す。
【0035】
【実施例】
製造例1 攪拌機、凝縮器、水分離器および温度計を付した四つ口
フラスコに、N−メチルジエタノールアミン(MEA;
分子量119)357部、アジピン酸ジメチル(AA;
分子量174)348部およびエステル化触媒としてジ
ブチル錫オキサイド0.7部を仕込み、攪拌下に120
℃まで昇温し、メタノールを溜去しながら12時間エス
テル交換反応を行い、MEA:AA=3:2の両末端水
酸基の中間体(I−1)(MEA−AA−MEA−AA
−MEA)を得た。次いでこの中間体(I−1)に水2
00部を加え、ジメチル硫酸378部を40〜50℃で
滴下した。さらに70℃まで昇温し、2時間熟成した後
水を溜去し、4級化された両末端水酸基の化合物(I)
を得た。
【0036】製造例2 製造例1で得られた化合物(I)955部に、アクリル
酸メチル172部を加え、80℃に昇温し、メタノール
を溜去しながら12時間エステル交換反応を行い、両末
端アクリロイル基の化合物(II)を得た。
【0037】製造例3 製造例1と同様にして、ラウリルアミン−エチレンオキ
シド4モル付加物(LAEO4;分子量361)577
部、アジピン酸ジメチル(AA;分子量174)209
部およびジブチル錫オキサイド0.7部を仕込み、攪拌
下に120℃まで昇温し、メタノールを溜去しながら1
2時間エステル交換反応を行い、LAEO4:AA=
4:3の両末端水酸基の中間体(III−1)(LAE
O4−AA−LAEO4−AA−LAEO4−AA−LE
AO4)を得た。この中間体(III−1)に水200
部を加え、ジメチル硫酸202部を40〜50℃で滴下
した。さらに70℃まで昇温し、2時間熟成した後水を
溜去し、4級化された両末端水酸基の化合物(III−
2)を得た。この化合物(III−2)695部にアク
リル酸メチル68部を加え、80℃に昇温し、メタノー
ルを溜去しながら12時間エステル交換反応を行い、両
末端アクリロイル基の化合物(III)を得た。
【0038】製造例4 1Lオートクレーブにポリエチレングリコール300
(PEG300;数平均分子量295)399.7部、
3−スルホイソフタル酸ナトリウム塩ジメチルエステル
(SIPM)300部およびジブチル錫オキサイド0.
7部を仕込み攪拌し、5mmHg減圧下で190℃まで
昇温し、その後190℃にて生成するメタノールを溜去
しながら6時間エステル交換反応を行い、PEG:SI
PM=4:3の化合物(IV−1)(PEG−SIPM
−PEG−SIPM−PEG−SIPM−PEG)を得
た。この化合物(IV−1)775部にアクリル酸メチ
ル68部を加え、80℃に昇温し、メタノールを溜去し
ながら12時間エステル交換反応を行い、両末端アクリ
ロイル基の化合物(IV)を得た。
【0039】製造例5 2Lのガラス製反応容器にプラクセル212AL[アジ
ピン酸変性ポリカプロラクトン、分子量約1250、ダ
イセル(株)製]625部、イソホロンジイソシアネー
ト222部を仕込み、120℃で2時間反応させた。そ
の後、90℃に冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート116部を仕込み90℃で赤外線スペクトルで約2
200cm-1の吸収がほとんどなくなるまで反応を続
け、目的のウレタンアクリレート(V)を得た。
【0040】実施例1 製造例2で得られた化合物(II)5部に、「ライトエ
ステルPE−3A」(ペンタエリスリトールトリアクリ
レート;共栄社化学製)92部および光重合開始剤とし
て「ダロキュア1173」(日本チバガイギー社製)3
部を混合し、この配合液をPMMA板上に塗布厚10μ
で塗布後、80W/cmの高圧水銀ランプの点灯下、ラ
ンプ直下距離8cmの位置で5m/分の速度で通過さ
せ、重合硬化した樹脂(I)を得た。この樹脂のカチオ
ン濃度は0.14ミリ当量/gである。
【0041】実施例2 製造例3で得られた化合物(III)9部に、「ライト
エステルPE−3A」44部、「ネオマーDA−60
0」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;三
洋化成工業製)44部および「ダロキュア1173」3
部を混合し、この配合液をPMMA板上に塗布厚10μ
で塗布後、80W/cmの高圧水銀ランプの点灯下、ラ
ンプ直下距離8cmの位置で5m/分の速度で通過さ
せ、重合硬化した樹脂(II)を得た。この樹脂のカチ
オン濃度は0.14ミリ当量/gである。
【0042】実施例3 実施例1において、製造例2で得られた化合物(II)
の代わりに、製造例4で得られた化合物(IV)5部を
用いた以外は実施例1と同様にして配合液を作製し、こ
れをPMMA板上に塗布厚10μで塗布後、80W/c
mの高圧水銀ランプの点灯下、ランプ直下距離8cmの
位置で5m/分の速度で通過させ、重合硬化した樹脂
(III)を得た。この樹脂のアニオン濃度は0.24
ミリ当量/gである。
【0043】比較例1 「ライトエステルPE−3A」97部および「ダロキュ
ア1173」3部を混合し、この配合液をPMMA板上
に塗布厚10μで塗布後、80W/cmの高圧水銀ラン
プの点灯下、ランプ直下距離8cmの位置で5m/分の
速度で通過させ、重合硬化した樹脂を得た。
【0044】比較例2 実施例1において、製造例2で得られた化合物(II)
の代わりに、分子内にカチオン基を1個だけ含有するア
クリロオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド
5部(AETMA)を使用し対外は実施例1と同様にし
て配合液を作製し、これをPMMA板上に塗布厚10μ
で塗布後、80W/cmの高圧水銀ランプの点灯下、ラ
ンプ直下距離8cmの位置で5m/分の速度で通過さ
せ、重合硬化した樹脂を得た。この樹脂のカチオン濃度
は0.25ミリ当量/gであり、実施例3の樹脂(II
I)よりカチオン濃度は高い。
【0045】実施例4 製造例2で得られた化合物(II)5部に、「ライトエ
ステルPE−3A」46部、製造例5のウレタンアクリ
レート(V)42部および「ダロキュア1173」3部
を混合し、この配合液を厚さ200μmのPETフィル
ム上に塗布厚10μで塗布後、80W/cmの高圧水銀
ランプの点灯下、ランプ直下距離8cmの位置で5m/
分の速度で通過させ、重合硬化した樹脂(IV)を得
た。この樹脂のカチオン濃度は0.14ミリ当量/gで
ある。
【0046】実施例5 製造例3で得られた化合物(III)9部に、「ライト
エステルPE−3A」40部、製造例5のウレタンアク
リレート(V)28部、「ネオマーDA−600」20
部および「ダロキュア1173」3部を混合し、この配
合液を厚さ200μmのPETフィルム上に塗布厚10
μで塗布後、80W/cmの高圧水銀ランプの点灯下、
ランプ直下距離8cmの位置で5m/分の速度で通過さ
せ、重合硬化した樹脂(V)を得た。この樹脂のカチオ
ン濃度は0.14ミリ当量/gである。
【0047】実施例6 実施例4において、製造例2で得られた化合物(II)
の代わりに、製造例4で得られた化合物(IV)5部を
用いた以外は実施例4と同様にして配合液を作製し、こ
れを厚さ200μmのPETフィルム上に塗布厚10μ
で塗布後、80W/cmの高圧水銀ランプの点灯下、ラ
ンプ直下距離8cmの位置で5m/分の速度で通過さ
せ、重合硬化した樹脂(VI)を得た。この樹脂のアニ
オン濃度は0.24ミリ当量/gである。
【0048】比較例3 「ライトエステルPE−3A」48部、製造例5のウレ
タンアクリレート(V)49部および「ダロキュア11
73」3部を混合し、これを厚さ200μmのPETフ
ィルム上に塗布厚10μで塗布後、80W/cmの高圧
水銀ランプの点灯下、ランプ直下距離8cmの位置で5
m/分の速度で通過させ、重合硬化した樹脂を得た。
【0049】比較例4 実施例4において、製造例2で得られた化合物(II)
の代わりに、分子内にカチオン基を1個だけ含有するア
クリロオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド
5部(AETMA)を使用した以外は実施例4と同様に
して配合液を作製し、これを厚さ200μmのPETフ
ィルム上に塗布厚10μで塗布後、80W/cmの高圧
水銀ランプの点灯下、ランプ直下距離8cmの位置で5
m/分の速度で通過させ、重合硬化した樹脂を得た。こ
の樹脂のカチオン濃度は0.25ミリ当量/gであり、
実施例6の樹脂(VI)よりカチオン濃度は高い。
【0050】性能試験例1 実施例1〜3および比較例1〜2の塗布板について、帯
電防止性および鉛筆硬度を評価した。帯電防止性の評価
は、試験片を20℃、相対湿度50%雰囲気下に24時
間放置後、表面抵抗値を測定することにより行なった。
これらの結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例1〜3の本発明の組成物をPMMA
板に塗布硬化したものは、高い鉛筆硬度を維持したまま
で、良好な帯電防止効果を示した。また、比較のカチオ
ン性アクリルモノマーとの共重合物より少ないカチオン
濃度でもこれをはるかに上回る帯電防止効果を発揮し
た。
【0053】性能試験例2 実施例4〜6および比較例3〜4の塗布フィルムについ
て、帯電防止性、鉛筆硬度および屈曲性を評価した。屈
曲性は、直径2〜10mmの金属製円筒に塗布フィルム
を巻き付け、塗膜がひび割れない最小の直径を測定する
ことにより行った。これらの結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】実施例4〜6の本発明の組成物をPETフ
ィルムに塗布硬化したものは、良好な屈曲性と帯電防止
効果を示した。また、比較のカチオン性アクリルモノマ
ーとの共重合物より少ないカチオン濃度でもこれをはる
かに上回る帯電防止効果を発揮した。
【0056】
【発明の効果】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物
は、イオン性部分と非イオン性部分とが一定の繰り返し
構造を構成し、かつイオン性基が主鎖に組み込まれた反
応性(重合性)帯電防止性化合物をからなるので、硬化
塗膜のハードコート性能が損なわれることなく優れた帯
電防止性を発現する。また、ウレタンアクリレート等の
オリゴマーを含有させることにより、高い帯電防止性と
耐屈曲性とを有する硬化塗膜が得られる。さらに、イオ
ン性基を有する化合物が架橋構造内に組み込まれるので
硬化塗膜からのブリードアウトがない。また、光学レン
ズの表面に適用した場合は防曇性の効果も示す。上記の
効果を奏することから本発明の組成物は、合成樹脂成形
品、シート、フィルムなどのハードコート剤、コーティ
ング剤、印刷インキバインダー等の工業用途に極めて有
用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子中に、1個以上の(メタ)アクリロ
    イル基(a)および3個以上のイオン性基(b)を有
    し、該イオン性基(b)が、炭素原子、酸素原子および
    窒素原子の合計数が2〜30個の非イオン性分子鎖
    (c)で隔てられている化合物(A)と、1分子中に2
    個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー
    (B)とからなることを特徴とする活性エネルギー線硬
    化性組成物。
  2. 【請求項2】非イオン性分子鎖(c)が、2価の炭化水
    素基、またはエーテル基、カルボニル基、エステル基、
    アミド基、ウレタン基、ウレア基ならびに窒素および/
    または酸素原子含有複素環構造の基からなる群から選ば
    れる1種以上の基を有する2価の有機基である請求項1
    記載の組成物。
  3. 【請求項3】イオン性基(b)が、4級アンモニウム
    (塩)基である請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】イオン性基(b)が、スルホン酸(塩)基
    および/またはカルボン酸(塩)基である請求項1また
    は2記載の組成物。
  5. 【請求項5】1分子中に、1個以上の(メタ)アクリロ
    イル基(a)および3個以上のイオン性基(b)を有
    し、該イオン性基(b)が、炭素原子、酸素原子および
    窒素原子の合計数が2〜30個の非イオン性分子鎖
    (c)で隔てられている化合物(A)と、1分子中に2
    個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー
    (B)と、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル
    基を有し分子量が800〜4000のオリゴマー(C)
    とからなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組
    成物。
  6. 【請求項6】(C)が、ポリエーテルウレタンアクリレ
    ート、ポリエステルウレタンアクリレート、ポリエステ
    ルアクリレートおよびエポキシアクリレートからなる群
    から選ばれる1種以上のオリゴマーである請求項5記載
    の組成物。
  7. 【請求項7】(B)が、エチレングリコールジアクリレ
    ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペン
    タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
    ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペン
    タアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサア
    クリレートからなる群より選ばれる1種以上のモノマー
    である請求項1〜6いずれか記載の組成物。
  8. 【請求項8】(A)の量が、(B)または(B)と
    (C)の合計重量に対して1〜20重量%である請求項
    1〜7いずれか記載の組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか記載の組成物の硬
    化塗膜で表面を被覆してなる合成樹脂成形体。
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WO2019031116A1 (ja) * 2017-08-10 2019-02-14 リケンテクノス株式会社 汚れ除去性塗膜形成用塗料、及びこれを用いた化粧シート

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