JPH0948922A - 透明熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

透明熱可塑性樹脂組成物

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JPH0948922A
JPH0948922A JP21957595A JP21957595A JPH0948922A JP H0948922 A JPH0948922 A JP H0948922A JP 21957595 A JP21957595 A JP 21957595A JP 21957595 A JP21957595 A JP 21957595A JP H0948922 A JPH0948922 A JP H0948922A
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英明 拝野
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 透明熱可塑性樹脂中に、ガラス転移温度
が0℃以下のゴム相を有するコア−シェル型多層構造粒
子が分散された透明熱可塑性樹脂組成物であって、それ
ぞれ単独で測定したときの23℃におけるゴム相の屈折
率と樹脂相の屈折率との差が特定の範囲にあり、かつそ
れぞれ単独で測定したときの23〜70℃におけるゴム
相の屈折率の温度変化量と樹脂相の屈折率の温度変化量
との差が特定の範囲にあることを特徴とする透明熱可塑
性樹脂組成物。 【効果】 本発明によれば、従来のゴム変性透明熱可塑
性樹脂の持つ耐衝撃性や成形加工性を維持し、かつ加熱
によるヘイズの増加や透明性の減少等の欠点が改良され
た透明熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明熱可塑性樹脂
組成物に関するものであって、さらに詳しくは、透明
性、耐衝撃性に優れ、温度変化によるヘイズ値の温度変
化が低減された透明熱可塑性樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の耐衝撃性を改善する方法
として、弾性を有するゴム相を硬質樹脂中に不連続的に
分散させることが一般的に行われている。その際、ジエ
ン系エラストマーの導入が一般的であるが、耐侯性の観
点からアクリル系エラストマーの導入についても種々検
討されている。アクリル系エラストマーを用いた改質樹
脂としては、コア−シェル構造を基本とする、軟質層と
硬質層を組み合わせた多層構造重合体が種々検討されて
いる(特公昭54−18298号公報、特公昭55−2
7576号公報、特公昭62−41241号公報等)。
これらは耐衝撃性の改善効果は優れているものの、加熱
等の温度変化によるヘイズの増加が大きく、耐衝撃性透
明アクリル樹脂に代表されるゴム変性透明熱可塑性樹脂
の応用範囲が限定される問題点があった。
【0003】また、加熱によるヘイズの増加を改善する
方法も幾つか検討されている(特開昭63−19925
8号公報等)。この方法は樹脂層とゴム層とのグラフト
率を高めることにより加熱によるヘイズの増加を低減さ
せるというものであるが、実用に供するには十分満足で
きる物性を有していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、透明熱可塑性樹脂の優れた透明性に加え、耐衝
撃性に優れ、加熱等の温度変化によるヘイズの増加の低
減された透明熱可塑性樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
現状に鑑み鋭意検討した結果、ゴム相と樹脂相が特定の
温度において特定の屈折率の差を有し、さらにゴム相と
樹脂相との屈折率の温度変化量の差を限定することによ
り上記問題点が解決されることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、透明熱可塑性樹脂中
に、ガラス転移温度が0℃以下のゴム相を有するコア−
シェル型多層構造粒子が分散された透明熱可塑性樹脂組
成物であって、それぞれ単独で測定したときの23℃に
おけるゴム相の屈折率(nR23)と樹脂相の屈折率
(nP23)が下記の式(I)の関係にあり、かつそれ
ぞれ単独で測定したときの23〜70℃におけるゴム相
の屈折率の温度変化量(dnR/dT)と樹脂相の屈折
率の温度変化量(dnP/dT)とが下記の式(II)の
関係を有することを特徴とする透明熱可塑性樹脂組成物
である。
【0007】 0.01>nR23−nP23>0 (I) 0.00025>|dnR/dT−dnP/dT| (II)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、上記の通り、
それぞれ単独で測定したときの23℃におけるゴム層の
屈折率(nR23)と樹脂層の屈折率(nP23)が上
記の式(I)の関係にあることが必要である。
【0009】耐衝撃性アクリル樹脂に代表されるゴム変
性透明熱可塑性樹脂は、加熱によるヘイズの増加が大き
いため応用範囲が限定される問題点があったが、この現
象は、高いガラス転移温度(以下Tgと記する場合があ
る)を有し一般的な使用温度においてガラス状態である
アクリル樹脂等の樹脂相と、低いTgを有し一般的な使
用温度においてはゴム状態であるゴム相が混在すること
に起因する。
【0010】Tgを境として、高分子の物性が異なるこ
とはよく知られているが、屈折率の温度変化に伴う変化
量もTg以上とTg以下では大きく異なる。Tgより高
温側ではミクロブラウン運動が解放され、分子の各部分
は相当大きな範囲に熱振動することができるため、線膨
張係数は大きく、Tg以下ではミクロブラウン運動が凍
結されているため、線膨張係数は相対的に小さい。屈折
率の温度変化量は、分子屈折の温度変化と線膨張係数か
ら近似的に見積もることができるが、分子屈折の温度変
化は線膨張係数による影響と比較してほとんど無視でき
ることから、屈折率の温度変化は単純に線膨張係数から
算出される。よってTg以上では屈折率の温度変化量は
大きく、Tg以下では小さいこととなる。以上から、あ
る温度において樹脂相とゴム相の屈折率が等しくても、
温度変化によりそれらの屈折率に差異が生じ、温度変化
によるヘイズの増加が生ずることとなる。しかしながら
驚くべきことに、ある一定の屈折率範囲では室温におけ
るヘイズの増加を最低限としながら、加熱によるヘイズ
の増加を大きく抑制させることが可能であることが判明
した。すなわち、加熱によるヘイズ増加を抑制できるの
は、nR23−nP23(以下、nR23−nP23を
Δn23と記す)が0.01>Δn23>0の場合であ
り、より好ましくは0.008>Δn23>0の場合で
ある。Δn23が0.01以上になると、室温でのヘイ
ズが急激に増大し、透明性樹脂としての実用性が大きく
損なわれるため好ましくなく、Δn23が0以下の場
合、加熱時に樹脂相とゴム相の屈折率差が大きくなり、
ヘイズが増大し実用性を損なうため好ましくない。
【0011】本発明においては、上記式(I)の関係に
あると同時に、上記の式(II)の関係も満たすことが必
要である。
【0012】すなわち、ゴム相の屈折率の温度変化量
(dnR/dT)と樹脂相の屈折率の温度変化量(dn
P/dT)の差が0.00025/Kより小さいこと、
好ましくは0.0002/Kより小さいことが室温及び
加熱時も透明性を良好に保つ方法として必要である。
【0013】一般に、非晶質樹脂のTg以下の屈折率の
温度変化量は、ほとんどが1〜2×10-4/Kであるの
に対し、Tg以上のそれが3〜5×10-4/Kと増加す
ることが知られている。ゴム変性熱可塑性樹脂は、室温
においてTg以下である樹脂相中に、室温においてTg
以上であるゴム相を分散させた構造であるため、屈折率
の温度変化量が異なる成分が混在していることになる。
室温における透明性と、加熱時における透明性を兼備す
るためには、樹脂相とゴム相の屈折率の温度変化量の差
が小さいこと、すなわち、その値が0.00025/K
より小さいことが必要となる。
【0014】本発明における透明熱可塑性樹脂として
は、例えばメチルメタクリレートを主成分とするメタク
リル樹脂、スチレンを主成分とするスチロール樹脂、メ
チルメタクリレート及びスチレンを主成分とするメチル
メタクリレート−スチレン樹脂、アクリロニトリル及び
スチレンを主成分とするアクリロニトリル−スチレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げら
れる。この透明熱可塑性樹脂は懸濁重合、溶液重合、乳
化重合、塊状重合等の公知の方法により得られる。
【0015】本発明に用いる透明熱可塑性樹脂のガラス
転移温度は、耐熱性の点から50℃以上であることが好
ましい。
【0016】本発明の透明熱可塑性樹脂組成物は、上記
の透明熱可塑性樹脂中に、コア−シェル型多層構造粒子
が分散されたものである。このコア−シェル型多層構造
粒子は2層以上の構造粒子であれば良いが、本発明にお
いては3層の構造粒子であることが好ましい。従って以
下、3層のコア−シェル型構造粒子について説明する。
【0017】本発明におけるコア−シェル型3層構造粒
子の第1層(コア)を構成する単量体としては、例えば
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、ア
クリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル、スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル
化合物、N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロ
ロフェニルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミ
ド等のN−置換マレイミド化合物、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げら
れ、それらは単独または2種以上が用いられる。また、
多官能性単量体として、例えばメタクリル酸アリル、ア
クリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸アリ
ル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタル酸
ジアリル、フマル酸ジアリル、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼ
ン等の多官能性単量体が挙げられ、それらは単独または
2種以上が用いられる。
【0018】第1層は、そのガラス転移温度が50℃以
上の樹脂層であることが好ましい。ガラス転移温度が5
0℃以下であると、透明熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が
不十分になるほか、透明熱可塑性樹脂組成物のヘイズの
温度依存性が大きくなり、加熱時のヘイズが増大する傾
向がある。また、第1層は耐衝撃性及びヘイズの温度依
存性のために架橋構造体であることが好ましい。第1層
を構成する多官能性単量体としては、メタクリル酸アリ
ルが特に好ましく、その添加量としては第1層の0.0
1〜1重量%用いるのが好ましい。また第1層の屈折率
は、透明熱可塑性樹脂の屈折率に出来る限り近いことが
好ましい。
【0019】本発明におけるコア−シェル型3層構造粒
子の第2層(中間層)を構成する単量体としては、例え
ばアクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル
等のアクリル酸アルキルエステルと、スチレン、ビニル
トルエン等の芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル化合物が挙げられ、それらは単独または2種以上が
用いられる。また、多官能性単量体として、例えばメタ
クリル酸アリル、アクリル酸アリル、シアヌル酸トリア
リル、桂皮酸アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジ
アリル、フタル酸ジアリル、フマル酸ジアリル、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、
1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジビニルベンゼン等の多官能性単量体が挙げられ、それ
らは単独または2種以上が用いられる。
【0020】第2層は、そのガラス転移温度が0℃以下
の架橋ゴム層であることが好ましい。ガラス転移温度が
0℃を超えると、透明熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が
不十分になり、また、第2層が非架橋構造であると、衝
撃強度が低くなる上、透明熱可塑性樹脂組成物の透明性
が悪化し、更に透明熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が悪化
する傾向がある。第2層を構成する単量体としては、ア
クリル酸アルキルエステルとしてアクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ベンジル、
他の単量体としてスチレン、メタクリル酸ベンジルを適
宜選択し併用して用いる方法が特に好ましい。第2層を
構成する多官能性単量体としては、メタクリル酸アリル
が特に好ましく、第2層の0.01〜1重量%用いるの
が好ましい。
【0021】なお、一般的にゴム変性樹脂のゴム相に用
いる成分として、1,3−ブタジエン、イソプレン等の
共役ジエン、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル等のアクリル酸エステル等が主成分として
用いられている。しかるに、1,3−ブタジエン、イソ
プレン等の共役ジエンは優れたゴムとしての機能を有す
る一方、熱膨張率がアクリル酸エステル等と比較して大
きいため、屈折率の温度変化量も大きい。ゴム相または
樹脂層の組成が不適当でdnR/dTとdnP/dTの
差が0.00025/K以上の場合、室温と加熱時での
ゴム相と樹脂層の屈折率の差が大きくなりすぎ、従っ
て、室温におけるヘイズが少ないときは加熱時のヘイズ
が高くなり、逆に加熱時のヘイズが少ないときは室温に
おけるヘイズが高くなる。そのため透明性を有する樹脂
としての価値が喪失される傾向がある。よって本発明に
おいては、ゴム相に用いる成分としてアルキル基の炭素
数が1〜8であるアクリル酸アルキルエステル59.9
〜99.9重量%と、他の共重合性単量体0〜40重量
%及び多官能性単量体0.05〜5重量%からなり、た
だし他の共重合性単量体に上記ジエン系化合物を含まな
いものであることが望ましい。
【0022】本発明におけるコア−シェル型3層構造粒
子の第3層を構成する単量体としては、例えばメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸
ベンジル等のアクリル酸エステル、スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、
N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニ
ルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のN
−置換マレイミド化合物、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、それ
らは単独または2種以上で用いられる。また、必要に応
じて連鎖移動剤を用いることができるが、その際連鎖移
動剤としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシ
ルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、s
ec−ブチルメルカプタン等を第3層の0.01〜1重
量%用いるのが好ましい。
【0023】また第3層は非架橋樹脂層であることが好
ましく、第3層が架橋構造であると、透明熱可塑性樹脂
への分散性が不十分となり、衝撃強度が低下する傾向が
ある。さらに第3層の屈折率は、透明熱可塑性樹脂の屈
折率に出来る限り近いことが好ましく、第3層は、透明
熱可塑性樹脂と相溶性のあることが望ましい。
【0024】本発明のコア−シェル型多層構造粒子は、
公知の乳化重合法により製造することができる。製造方
法としては、まず所望の単量体混合物を乳化重合させて
芯粒子を作った後、他の単量体混合物をその芯粒子の存
在下において乳化重合させて周りに殻を作る。更に該粒
子の存在下において他の単量体混合物を乳化重合させて
別の殻を作る。このような反応を繰り返して所望のゴム
層含有多層構造粒子を得る。各層の重合体又は共重合体
を形成させるための適切な重合温度は、各層とも0〜1
20℃、好ましくは5〜90℃の範囲である。
【0025】また本発明においては、コア−シェル型多
層構造粒子を乳化重合により製造する際、重合系の液相
全体の溶存酸素濃度が0.2〜10mg/リットルの時
に第一層の重合を開始することが好ましい。この方法に
より、加熱によるヘイズが低下する上に、重合系の窒素
置換を厳密に行う必要がなく、重合操作が簡便になり生
産性が大幅に向上するという予期せぬ効果も得られる。
溶存酸素濃度が0.2mg/リットル未満の場合、加熱
によるヘイズの低下効果が少なくなり、10mg/リッ
トルを超える場合、重合速度の低下や、樹脂の着色が生
じる場合がある。
【0026】乳化重合に使用される乳化剤の種類と量
は、重合系の安定性、目的とする粒子の粒子径等によっ
て選択されるが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活
性剤、ノニオン界面活性剤等の公知の乳化剤を単独で又
は2種以上で使用されるが、特にアニオン界面活性剤が
好ましく用いられる。アニオン界面活性剤としては、例
えばステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウ
ム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム等のカルボ
ン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、ラ
ウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、モノ−n−
ブチルフェニルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウム
等のリン酸エステル塩等が挙げられる。上記乳化剤は樹
脂に対して0.01〜15重量%を用いることができ
る。
【0027】また乳化重合に使用される重合開始剤は特
に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の無機過酸化物、過酸化水素−第一鉄塩系、過硫酸
カリウム−酸性亜硫酸ナトリウム系、過硫酸アンモニウ
ム−酸性亜硫酸ナトリウム系等の水溶性レドックス系開
始剤、クメンハイドロパーオキシド−ナトリウムホルム
アルデヒドスルホキシレート系、tert−ブチルハイ
ドロパーオキシド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート系等の水溶−油溶レドックス系の開始剤が用
いられる。この中でも、無機過酸化物系開始剤、水溶−
油溶レドックス系の開始剤が好ましく用いられる。
【0028】乳化重合においては、単量体、乳化剤、開
始剤、連鎖移動剤等を、一括添加法、分割添加法、連続
添加法等公知の任意の方法で添加してよいが、ゴム層の
粒子径が所定の範囲内となるよう、乳化剤、開始剤の種
類や量、重合温度等の重合条件を厳密に定めることが望
ましい。
【0029】すなわち、第2層の粒子径(r)としては r(μm)=0.05〜0.30 (III) の範囲であって、かつrと第1層と第2層における第2
層の重量比率(N)(第2層重量/(第1層重量+第2
層重量))とが N≦0.1/r−0.1 (IV) の関係を有することが好ましい。
【0030】第2層の粒子径が0.05μm未満である
と、加熱時のヘイズは非常に低くなるが衝撃強度が低下
するし、0.30μmを越えると加熱時のヘイズが増大
するようになる。またN値が加熱時のヘイズに影響する
理由は次の通りである。すなわち、コア−シェル型多層
構造粒子は、透明熱可塑性樹脂中に分散されているとき
は、第3層は透明熱可塑性樹脂と相溶化し一体となって
いるため、実質的に透明熱可塑性樹脂組成物中では第1
層と第2層のみでコア−シェル型多層構造粒子を形成す
ることとなる。そこで本発明者らはそれら第1層と第2
層のみでの相互作用を考察した上で、加熱時のヘイズが
生ずる原因である第2層は第1層と比較して少ない重量
比率になるほど加熱時のヘイズが低下することを認め
た。そこでそれらの重量比率で表した場合、上記の式(I
V)に該当する場合、特にヘイズの温度依存性が抑えられ
ることが判明した。
【0031】乳化重合法により得られたラテックスは、
必要に応じて他の樹脂ラテックス、安定剤等を加えた
後、噴霧乾燥法、酸添加法、塩添加法、凍結凝固法など
公知の方法により重合体等の取り出しを行うことができ
る。この中でも、光学物性が最も優れる凍結凝固法によ
り凝固させることが好ましい。凝固された重合体等は水
又は温水で洗浄した後、乾燥することが好ましい。この
ようにして得られた重合体等の粉体は、乾燥後透明熱可
塑性樹脂及び必要に応じ安定剤、滑剤、可塑剤、充てん
剤、染料、顔料等の公知の添加剤を加え、ヘンシェルミ
キサー等で混合後、押出機を用いて熔融混練する等の公
知の方法で透明熱可塑性樹脂中にゴム相を分散させた透
明熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。かくし
て得られた組成物は、押出成形法、射出成形法等の公知
の方法により賦形することができる。
【0032】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例に示した諸特性の測定は下記の方法に従って
実施した。なお、部は重量部、%は重量%をそれぞれ表
す。 (1)アイゾット衝撃強度;ASTM−D256 (2)全光線透過率,ヘイズ;ASTM−D1003 また、実施例中、以下のとおり()内の略称を用いた。 ・メタクリル酸メチル(MMA) ・アクリル酸メチル(MA) ・アクリル酸ブチル(BA) ・スチレン(ST) ・メタクリル酸アリル(ALMA) ・メタクリル酸ベンジル(BZMA) ・アクリル酸2−エチルヘキシル(2−EHA) ・1,3−ブタジエン(BD) ・n−オクチルメルカプタン(n−OM) ・ステアリン酸ナトリウム(SS) ・N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム(LSS) ・過硫酸カリウム(KPS)
【0033】実施例1 (第1層の重合)還流冷却器付き反応容器に、イオン交
換水300部、SS1.0部、LSS0.1部を投入
し、撹拌しながら空気雰囲気中70℃に昇温し、30分
間撹拌して乳化剤を溶解させた。その後、窒素雰囲気と
した後、すぐに5%KPS水溶液1.2部を投入し、M
MA50部、MA2部、ALMA0.15部からなる単
量体混合物(1)を続けて投入した。開始剤を投入する
直前の水系及びモノマー系をサンプリングし、溶存酸素
濃度を溶存ガス発生装置(ガスクロ工業社製 DGA−
MU型)を使用して測定したところ、水系の溶存酸素濃
度は2.4mg/リットルであり、またモノマー系の溶
存酸素濃度は32mg/リットルであった。よって、重
合を開始する直前の反応系全体の溶存酸素濃度は約6.
5mg/リットルであった。モノマー系投入後、発熱ピ
ークを過ぎてから80℃に昇温し60分保持した。 (第2層の重合)次いでこのラテックスの存在下に、5
%KPS水溶液0.6部を投入し、BA55.部、ST
12.6部、ALMA1.6部からなる単量体混合物
(2)を60分かけて連続的に添加し、添加終了後30
分間保持した。このラテックスを希釈し、電子顕微鏡で
観察して粒子径を測定したところ、0.14μmであ
り、また粒子径のばらつきはほとんど無かった。仕込み
組成から第2層までのゴム層の重量比を計算すると0.
57であるが、この粒子径から計算した重量比の上限値
は0.61であり、範囲内であった。なお、この単量体
混合物(2)を用いてゴム層の重合のみを行い、23℃
における屈折率を測定したところ、nd=1.4905
であり、70℃における屈折率を測定したところ、nd
=1.4783であった。よって23〜70℃でのゴム
相の屈折率の温度変化量はdnR/dT=(1.490
5−1.4783)/(70−23)〓0.00026
であった。 (第3層の重合)次いでこのラテックスの存在下に、5
%KPS水溶液0.6部を投入し、MMA29部、MA
1部、n−OM0.06部からなる単量体混合物(3)
を30分かけて連続的に添加し、添加終了後60分間保
持して三層構造重合体ラテックスを得た。
【0034】このようにして得られたラテックスをステ
ンレス製容器に入れ、凍結し、70℃で融解させた後、
瀘別して重合体を分離した。さらに70℃温水で水洗脱
水を3回繰り返した後、80℃で10時間乾燥した。得
られたアクリル系多層構造重合体(B)の粉体とアクリ
ル樹脂(A)ビーズ(パラペットHR−L;(株)クラ
レ製品;Tg=102℃)を2対3の割合で混合し、ペ
レット押出機(VSK型40m/mベント式押出機:中
央機械製作所製)で250℃でペレット化後、射出成形
機(N70A型射出成形機:日本製鋼所製)を用いて成
形温度250℃、金型温度50℃の条件で所定の試験片
を製作し、物性測定を行った。なお、第1層を重合後、
第2層を重合せずに第3層を重合して得た重合体と、ア
クリル樹脂ビーズを1.09対3の割合(試験片のゴム
層を除いた成分に相当する)で混合して同様にゴム層不
含試験片を作成後、23℃における屈折率を測定したと
ころ、nd=1.4896であり、70℃における屈折
率を測定したところ、nd=1.4856であった。よ
って23から70℃での樹脂相の屈折率の温度変化量は
dnP/dT=(1.4896−1.4856)/(7
0−23)〓0.00009となり、dnR/dT−d
nP/dTは0.00017であった。結果を表1に示
す。
【0035】実施例2 ゴム層の重合の際に用いる単量体混合物として、BA5
4部、ST13.6部、ALMA1.6部を用いた以外
は、全て実施例1と同様に操作して重合し物性測定を行
った。得られた試験片の評価結果を表1に示す。なお、
この単量体混合物を用いてゴム層の重合のみを行い、2
3℃における屈折率を測定したところ、nd=1.49
26であり、70℃における屈折率を測定したところ、
nd=1.4804であった。
【0036】実施例3 ゴム層の重合の際に用いる単量体混合物として、BA5
3部、ST14.6部、ALMA1.6部を用いた以外
は、全て実施例1と同様に操作して重合し物性測定を行
った。得られた試験片の評価結果を表1に示す。なお、
この単量体混合物を用いてゴム層の重合のみを行い、2
3℃における屈折率を測定したところ、nd=1.49
47であり、70℃における屈折率を測定したところ、
nd=1.4825であった。
【0037】実施例4 還流冷却器付き反応容器に、イオン交換水300部、S
S1部、LSS0.1部を投入し、250rpmの回転
数で撹拌しながら窒素雰囲気中70℃に昇温し、5%K
PS水溶液3部を投入した。次いでMMA144部、M
A6部、n−OM0.3部からなる単量体混合物を投入
し、80℃に昇温し90分保持してアクリル樹脂ラテッ
クスを得た。ラテックスに含まれるアクリル樹脂のTg
は102℃であった。得られたアクリル樹脂ラテックス
と、実施例1で得られた三層構造重合体ラテックスを3
対2の割合で混合し、実施例1と同様に凍結、融解、瀘
別、洗浄、乾燥を行った。なお、このアクリル樹脂ラテ
ックスと実施例1に示した第1層を重合後、第2層を重
合せずに第3層を重合して得た重合体とを1.09対3
の割合(試験片のゴム層を除いた成分に相当する)で混
合し、23℃における屈折率を測定したところ、nd=
1.4893であり、70℃における屈折率を測定した
ところ、nd=1.4852であった。得られた粉体を
そのまま実施例1と同条件にてペレット化・射出成形に
より試験片を作成し、物性測定を行った。得られた試験
片の評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例5 ゴム層の重合の際に用いる単量体混合物として、2−E
HA54部、BZMA13.6部、ALMA1.6部を
用いた以外は、全て実施例1と同様に操作して重合し物
性測定を行った。得られた試験片の評価結果を表2に示
す。なお、この単量体混合物を用いてゴム層の重合のみ
を行い、23℃における屈折率を測定したところ、nd
=1.4915であり、70℃における屈折率を測定し
たところ、nd=1.4793であった。よってdnR
/dT−dnP/dTは0.00017であった。
【0040】実施例6 第1層の重合の際に用いる単量体混合物として、MMA
46.8部、St5.2部、ALMA0.15部を用
い、第2層の重合の際に用いる単量体混合物として、B
A49.5部、ST18.1部、ALMA1.6部を用
い、第3層の重合の際に用いる単量体混合物として、M
MA27部、St3部、n−OM0.09部を用いて、
実施例1と同様に操作して耐衝撃改質樹脂を得た。第2
層まで重合を行ったラテックスを希釈し、電子顕微鏡で
観察して粒子径を測定したところ、0.15μmであ
り、また粒子径のばらつきはほとんど無かった。なお、
第1層の重合を開始するときの反応系全体の溶存酸素濃
度は約3.3mg/lであった。また、第2層単量体混
合物を用いてゴム層の重合のみを行い、ラテックス中の
固形分を取り出し、23℃における屈折率を測定したと
ころ、nd=1.5002であり、70℃における屈折
率を測定したところ、nd=1.4880であった。得
られた粉体とメチルメタクリレート−スチレン共重合体
(MMA:ST=90:10;23℃でのnd=1.4
998,70℃でのnd=1.4955;Tg=105
℃)を1対3の割合で混合し、ペレット押出機(VSK
型40m/mベント式押出機:中央機械製作所製)で2
40℃でペレット化後、射出成形機(N70A型射出成
形機:日本製鋼所製)を用いて成形温度240℃、金型
温度50℃の条件で所定の試験片を製作し、物性測定を
行った。なお、実施例1に示した方法と同様に第1層を
重合後、第2層を重合せずに第3層を重合して得た重合
体とメチルメタクリレート−スチレン共重合体を1.0
9対3の割合(試験片のゴム層を除いた成分に相当す
る)で混合し、23℃における屈折率を測定したとこ
ろ、nd=1.4993であり、70℃における屈折率
を測定したところ、nd=1.4949であった。よっ
てdnR/dT−dnP/dT=0.00017であっ
た。得られた試験片の評価結果を表2に示す。
【0041】実施例7 重合時の操作を、最初から窒素雰囲気下とし、モノマー
系も3分間窒素バブリングを行ったものを用いた。この
ときの水系の溶存酸素濃度は0.1mg/リットルであ
り、またモノマー系の溶存酸素濃度は1.4mg/リッ
トルであった。よって、重合を開始する直前の反応系全
体の溶存酸素濃度は0.3mg/リットルであった。こ
れ以外は全て実施例1と同様に操作して重合し物性測定
を行った。得られた試験片の評価結果を表2に示す。
【0042】実施例8 重合時の操作を、最初から窒素雰囲気下とし、モノマー
系も窒素バブリングを行い十分窒素置換を行った。この
ときの水系の溶存酸素濃度は0.1mg/リットルであ
り、モノマー系の溶存酸素濃度は0.1mg/リットル
であった。よって、重合を開始する直前の反応系全体の
溶存酸素濃度は0.1mg/リットルであった。これ以
外は全て実施例1と同様に操作して重合し物性測定を行
った。得られた試験片の評価結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】比較例1 ゴム層の重合の際に用いる単量体混合物として、BA5
7部、ST10.6部、ALMA1.6部を用いた以外
は、全て実施例1と同様に操作して重合し物性測定を行
った。得られた試験片の評価結果を表3に示す。なお、
この単量体混合物を用いてゴム層の重合のみを行い、2
3℃における屈折率を測定したところ、nd=1.48
79であり、70℃における屈折率を測定したところ、
nd=1.4757であった。
【0045】比較例2 ゴム層の重合の際に用いる単量体混合物として、BA5
8.0部、ST9.6部、ALMA1.6部を用いた以
外は、全て実施例1と同様に操作して重合し物性測定を
行った。得られた試験片の評価結果を表3に示す。な
お、この単量体混合物を用いてゴム層の重合のみを行
い、23℃における屈折率を測定したところ、nd=
1.4859であり、70℃における屈折率を測定した
ところ、nd=1.4738であった。
【0046】比較例3 ゴム層の重合の際に用いる単量体混合物として、BA4
9.5部、ST18.1部、ALMA1.6部を用いた
以外は、全て実施例1と同様に操作して重合し物性測定
を行った。得られた試験片の評価結果を表3に示す。な
お、この単量体混合物を用いてゴム層の重合のみを行
い、23℃における屈折率を測定したところ、nd=
1.4999であり、70℃における屈折率を測定した
ところ、nd=1.4877であった。
【0047】比較例4 ゴム層の重合の際に用いる単量体混合物として、BA4
0.6部、BD27.0部を用い、ゴム層の開始剤系と
してクメンハイドロパーオキシド0.07部、ロンガリ
ット0.5部、硫酸第一鉄0.01部を用い、オートク
レーブ中で55℃で6時間重合を行った以外は、全て実
施例1と同様に操作して重合し物性測定を行った。得ら
れた試験片の評価結果を表4に示す。なお、この単量体
混合物を用いてゴム層の重合のみを行った後、ラテック
ス中の固形分を取り出し、23℃における屈折率を測定
したところ、nd=1.4908であり、70℃におけ
る屈折率を測定したところ、nd=1.4612であっ
た。よってdnR/dT−dnP/dTは0.0005
4であった。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明の透明熱可塑性樹脂組成物によれ
ば、従来のゴム変性透明熱可塑性樹脂の持つ耐衝撃性や
成形加工性を維持し、かつ加熱によるヘイズの増加や透
明性の減少等の欠点が改良された透明熱可塑性樹脂組成
物を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明熱可塑性樹脂中に、ガラス転移温度
    が0℃以下のゴム相を有するコア−シェル型多層構造粒
    子が分散された透明熱可塑性樹脂組成物であって、それ
    ぞれ単独で測定したときの23℃におけるゴム相の屈折
    率(nR23)と樹脂相の屈折率(nP23)が下記の
    式(I)の関係にあり、かつそれぞれ単独で測定したと
    きの23〜70℃におけるゴム相の屈折率の温度変化量
    (dnR/dT)と樹脂相の屈折率の温度変化量(dn
    P/dT)とが下記の式(II)の関係を有することを特
    徴とする透明熱可塑性樹脂組成物。 0.01>nR23−nP23>0 (I) 0.00025>|dnR/dT−dnP/dT| (II)
  2. 【請求項2】 ゴム相が、アルキル基の炭素数が1〜8
    であるアクリル酸アルキルエステル59.9〜99.9
    重量%、他の共重合性単量体0〜40重量%及び多官能
    性単量体0.05〜5重量%からなり、他の共重合性単
    量体に共役ジエン系化合物を含まないものであることを
    特徴とする、請求項1に記載の透明熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 コア−シェル型多層構造粒子が、乳化重
    合法に際し、重合系の液相全体の溶存酸素濃度が0.2
    〜10mg/リットルの時に第1層の重合を開始して得
    られたものであることを特徴とする、請求項1または2
    に記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 透明熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が
    50℃以上の透明熱可塑性樹脂であり、コア−シェル型
    多層構造粒子が、第1層がそのガラス転移温度が50℃
    以上の樹脂層、第2層が架橋ゴム層、第3層が透明熱可
    塑性樹脂と相溶性のある非架橋樹脂層の三層からなり、
    かつ第2層の粒子径(r)が下記の式(III)の範囲であ
    って、rと第1層と第2層における第2層の重量比率
    (N)(第2層重量/(第1層重量+第2層重量))と
    が下記の式(IV)の関係を有することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の透明熱可塑性樹脂組成
    物。 r(μm)=0.05〜0.30 (III) N≦0.1/r−0.1 (IV)
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