JPH0938816A - ドリル - Google Patents

ドリル

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JPH0938816A
JPH0938816A JP19687895A JP19687895A JPH0938816A JP H0938816 A JPH0938816 A JP H0938816A JP 19687895 A JP19687895 A JP 19687895A JP 19687895 A JP19687895 A JP 19687895A JP H0938816 A JPH0938816 A JP H0938816A
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JP
Japan
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drill
cutting edge
edge portion
peripheral side
tip
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JP19687895A
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Inventor
Hiroshi Kasuya
博 糟谷
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穴明け加工における切削抵抗の低減を図ると
ともに、特にドリル回転中心における損傷を防いでその
寿命の延長を図る。 【解決手段】 軸線O回りに回転されるドリル本体1の
先端に、そのドリル回転中心Cからドリル外周側に向け
て延びる切刃4が形成されている。この切刃4は、軸線
O方向先端視において、ドリル外周側に位置して直線状
に延びる第1の切刃部4Aと、この第1の切刃部4Aの
内周側に連なってドリル回転方向側に膨らむ凸曲線状を
なす第2の切刃部4Bと、この第2の切刃部4Bのさら
に内周側に連なり、ドリル回転中心Cの近傍においてド
リル回転方向の後方側に凹む凹曲線状をなす第3の切刃
部4Cとから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリル本体の先端
に切刃が形成されて穴明け加工に用いられるドリルに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】このようなドリルによる穴明け加工にお
いては、ドリル本体先端のドリル回転中心の部分では、
ドリル本体の回転に関わらず周速が0となり、従って切
削速度も0となって理論上は切削は行われないことが知
られている。このため、このドリル回転中心における切
削は、加工材を削り取ると言うよりは、むしろ加工材に
ドリル本体が押し込まれ、これにより加工材が押し潰さ
れてえぐられた部分がドリル回転中心近傍の切刃によっ
て削られるという切削形態となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、このような
切削形態では、ドリル本体を加工材に押し込むための押
し込み力によって切削抵抗が増大することが避けられな
い。また、このドリル回転中心の近傍では、上述のよう
にドリル本体が加工材を押し潰すような状態となるた
め、ドリル本体側において逃げ面摩耗が著しく促進され
てしまったり、過大な切削負荷が作用することによって
マイクロチッピングが発生したりして、ドリル寿命を損
なうおそれがあった。
【0004】本発明は、このような事情を鑑みて、穴明
け加工における切削抵抗の低減を図るとともに、特にド
リル回転中心における損傷を防いでその寿命の延長を図
ることが可能なドリルを提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、か
かる目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転
されるドリル本体の外周に、このドリル本体の先端から
基端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑
排出溝のドリル回転方向側を向く壁面と上記ドリル本体
の先端逃げ面との交差稜線部に、該ドリル本体先端のド
リル回転中心からドリル外周側に向けて延びる切刃が形
成されてなるドリルにおいて、上記切刃に、上記軸線方
向先端視において、ドリル外周側に位置して直線状に延
びる第1の切刃部と、この第1の切刃部の内周側に連な
って上記ドリル回転方向側に膨らむ凸曲線状をなす第2
の切刃部と、この第2の切刃部のさらに内周側に連な
り、上記ドリル回転中心近傍において上記ドリル回転方
向の後方側に凹む凹曲線状をなす第3の切刃部とを具備
せしめたことを特徴とする。
【0006】このような構成のドリルでは、ドリル本体
の軸線方向先端視において上記切刃が、ドリル回転中心
から外周側に向けて、第3の切刃部によりドリル回転方
向後方に凹曲した後、第2の切刃部に連続して逆にドリ
ル回転方向側に凸曲し、さらに直線状の第1の切刃部に
連なるように形成されることとなる。従って、ドリル回
転中心近傍により押し潰されてえぐられた加工材部分
は、凹曲する第3の切刃部に案内されるようにして速や
かに外周側に押し出され、第2の切刃部により削り取ら
れて切屑として生成されるため、このドリル回転中心部
を加工材に押し込むのに要する力を軽減して切削抵抗の
低減を促すことができるとともに、ドリル回転中心近傍
に作用する切削負荷をも軽減してチッピングや逃げ面摩
耗を抑制することが可能となる。
【0007】なお、この第3の切刃部が上記軸線方向先
端視においてなす凹曲線の曲率半径は、これが大きすぎ
ると該第3の切刃部が直線状に近づいて上述の作用が十
分に奏功されなくなり、逆に小さすぎると、ドリル回転
中心によりえぐられた加工材が第3の切刃部によって案
内される際に、急激にその向きを変えられることとな
り、その反力によって却って切刃に作用する負荷の増大
を招く等の不都合が生じるおそれがある。このため、こ
の第3の切刃部がなす凹曲線の曲率半径は、切刃の外径
Dに対して0.1×D〜0.3×Dの範囲に設定されるの
が望ましい。
【0008】また、この第3の切刃部は、短すぎると上
記作用の奏功が不十分となる反面、その径方向すくい角
が正角側に設定されることから、長すぎてもドリル回転
中心近傍において刃先強度の劣化を招くおそれが生じ
る。このような事情から、この第3の切刃部はドリル回
転中心の極近傍のみに形成されていればよく、具体的に
は、上記軸線方向先端視において、第2の切刃部と第3
の切刃部との交点がドリル回転中心回りになす円の直径
dが、切刃の外径Dに対して0.15×D〜0.3×Dの
範囲に設定される程度の長さとされるのが望ましい。
【0009】さらに、この第3の切刃部の外周側に連な
る凸曲線状の第2の切刃部と直線状の第1の切刃部と
は、上記軸線方向先端視において、第1の切刃部が、第
2の切刃部のなす凸曲線に接してその接線方向に延びる
ように形成されていてもよく、また第2の切刃部が、第
1の切刃部の内周側への仮想延長線よりもドリル回転方
向側へ突出するように形成されていてもよい。前者の場
合には、第1、第2の切刃部が滑らかに連なって切刃を
形成するため、特に剪断状の切屑が生成される加工材に
対して切屑が徒に分断され過ぎるのを防ぐことができる
一方、後者の場合には、第1の切刃部に対して第2の切
刃部が盛り上がった山形を呈するため、特に延び気味の
切屑が生成される加工材に対して、適度な応力を切屑に
与えてカールの際に効果的な分断を促すことができ、い
ずれの場合も円滑な切屑処理を図ることが可能となる。
【0010】さらにまた、上記切刃は、上記軸線に対す
る径方向からの側面視において、少なくとも第3の切刃
部から第2の切刃部にかけての部分が、内周側に向かう
に従い軸線方向先端側に膨らむ凸曲線状に形成されるの
が望ましい。このような構成を採ることにより、これら
第2、第3の切刃部の先端角は、ドリル外周側から内周
側に向けて漸次増大してゆき、ドリル回転中心において
最大となるので、このドリル回転中心近傍の第3の切刃
部においてその刃先強度を確保し、チッピング等の発生
をより確実に防止することが可能となる。
【0011】なお、このような構成を採った場合、これ
ら第2、第3の切刃部が側面視になす上記凸曲線の曲率
半径が大きすぎると、該切刃部が直線状に近くなってか
かる作用が十分に奏功されなくなるなどのおそれが生
じ、逆にこの曲率半径が小さすぎても、切刃においてこ
の凸曲線状をなす部分が小さくなりすぎ、やはり上記作
用が確実に得られなくなるおそれが生じる。このため、
これらの切刃部が側面視になす上記凸曲線の曲率半径
は、上記切刃の外径Dに対して0.1×D〜3.0×Dの
範囲に設定されるのが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、本発明の一実
施形態を示すものである。これらの図において、ドリル
本体1の外周には、その先端側を向く先端逃げ面2から
基端側に向けてドリル回転方向(図1において反時計回
り方向)の後方側に向けてねじれる一対の切屑排出溝
3,3がドリル本体1の回転軸線Oに対して対称に形成
されている。そして、これらの切屑排出溝3,3のドリ
ル回転方向側を向く壁面3A,3Aと上記先端逃げ面2
との交差稜線部に、該先端逃げ面2と上記軸線Oとの交
点、すなわちドリル本体1の先端におけるドリル回転中
心Cからドリル外周に延びる切刃4,4が形成されてい
る。
【0013】しかるに、本実施形態ではこの切刃4は、
外周側からドリル回転中心Cに向けて連なる第1、第
2、および第3の3つの切刃部4A,4B,4Cから構
成されている。このうち、ドリル外周側に位置する第1
の切刃部4Aは、上記軸線O方向先端視において図1に
示すように直線状に形成されており、ドリル回転中心C
に対して僅かに芯上がりに配置されている。また、この
第1の切刃部4Aの内周側に連なる第2の切刃部4B
は、本実施形態では上記軸線O方向先端視において、第
1の切刃部4Aの内周側への仮想延長線Lに対してドリ
ル回転方向側へ突出する凸曲線状に形成されており、す
なわち第1の切刃部4Aから内周側に向けて、円弧状の
山形をなして盛り上がった後ドリル回転中心Cに向かう
ように形成されている。なお、本実施形態ではこの第2
の切刃部4Bがなす凸曲線の曲率半径R2は、上記第1
の切刃部4Aの外周端がドリル回転中心C回りになす円
の直径、すなわち当該ドリルの切刃4の外径Dに対し
て、0.5×D〜4.0×Dの範囲に設定されている。
【0014】そして、この第2の切刃部4Bのさらに内
周側に形成される第3の切刃部4Cは、第2の切刃部4
Bとは逆に上記軸線O方向先端視においてドリル回転方
向後方側に凹む凹曲線を描くように形成され、第2の切
刃部4Bとの交点Pから上記ドリル回転中心Cに至って
いる。なお、ドリル本体1の先端に形成される一対の切
刃4,4の両第3の切刃部4C,4Cは、このドリル回
転中心Cにおける接線が一致するように、滑らかに連続
している。ここで、この第3の切刃部4Cが上記軸線O
方向先端視においてなす凹曲線の曲率半径R3は、本実
施形態では上記切刃4の外径Dに対して0.1×D〜0.
3×Dの範囲に設定されている。また、この第3の切刃
部4Cが形成される範囲は、上記ドリル回転中心Cの極
近傍のみであり、本実施形態では、軸線O方向先端視に
おいて、上記交点Pがドリル回転中心C回りになす円の
直径d(第3図参照)が、上記切刃4の外径Dに対し
て、0.15×D〜0.30×Dの範囲となるように設定
されている。
【0015】なお、本実施形態では上記第2の切刃部4
Bと第3の切刃部4Cとは、上記交点Pにおける互いの
接線が一致するように、滑らかに連続して形成されてい
る。また、第1の切刃部4Aと第2の切刃部4Bとは、
両切刃部4A,4Bに接する凹曲部4Dを介して接続さ
れている。さらに、ドリル本体1の外周には、切屑排出
溝3のドリル回転方向を向く壁面3Aの外周側の稜線部
に沿うようにして、上記切刃の外径Dと等しい外径の円
筒面上に延びるようにマージン5が形成されている。ま
た、このマージン5からドリル回転方向後方側のヒール
に至る部分は、上記円筒面に対して僅かに内周側に凹ん
だ外周逃げ面6とされている。
【0016】一方、直線状の第1の切刃部4Aを含む軸
線Oに平行な面に直交する、軸線Oに対する径方向(図
1における矢線X方向)からの側面視においては、図2
に示すように上記切刃4は、その内周側の第2および第
3の切刃部4A,4Bが、ドリル回転中心C側に向かう
に従い軸線O方向先端側に円弧をなすようにして突出す
る凸曲線状に形成されている。一方、これに対して第1
の切刃部4Aは、側面視においてもドリル外周側に向か
うに従い軸線O方向基端側に向かって傾斜する直線状に
形成されている。ここで、本実施形態では、この第2、
第3の切刃部4B,4Cが上記側面視になす凸曲線の曲
率半径RSは、上記切刃4の外径Dに対して0.1×D〜
3.0×Dの範囲に設定されている。また、一対の切刃
4,4の両第3の切刃部4C,4Cは、この側面視にお
いてもドリル回転中心Cにおいて滑らかに接するように
形成されており、従ってこのドリル回転中心Cにおける
切刃4の接線は軸線Oに直交することとなる。
【0017】なお、このように第2、第3の切刃部4
B,4Cが側面視に凸曲線状をなすことにより、ドリル
本体1の先端逃げ面2のうち、これらの切刃部4B,4
Cのドリル回転方向側に連なる部分も、ドリル回転中心
C側に向かうに従い軸線O方向に突出するように膨らむ
凸曲面状に形成されることとなる。ただし、先端逃げ面
2には逃げ角が付されているので、この凸曲面は、軸線
O上に中心を有する球面状とはならず、切刃部4B,4
Cから離間してドリル回転方向後方側に向かうに従い軸
線O方向基端側に漸次後退し、しかも逃げ角が漸次大き
くなる曲面状に形成されることとなる。
【0018】しかるに、このように構成されたドリルに
おいては、切刃4のドリル内周側に位置してドリル回転
中心Cに連なる第3の切刃部4Cが、ドリル回転方向後
方側に凹む凹曲線状に形成されているので、穴明けの際
に周速が0となるドリル回転中心Cが押し込まれること
によりえぐられた加工材部分は、この凹曲線状の第3の
切刃部4Cに案内されるようにして速やかに外周側へ流
れ出て第2の切刃部4Bに達し、切屑として生成されて
排出される。このため、えぐられた加工材部分がドリル
回転中心C近傍に滞留してドリル本体1先端の押し込み
に抗するような事態を防止し、これにより押し込みに要
する力を減じて切削抵抗の低減を図ることが可能とな
る。また、このようにドリル回転中心C近傍においてえ
ぐられた加工材部分を速やかに排除することが可能とな
ることから、このドリル回転中心C近傍に作用する切削
負荷の軽減をも図ることができ、これによりチッピング
の発生や逃げ面摩耗が促進されるような事態をも効果的
に防止することが可能となる。従って、上記構成のドリ
ルによれば、ドリル本体1の、特に先端のドリル回転中
心C近傍における損傷を防いで、その寿命の延長を図る
ことができる。
【0019】ところで、このように凹曲線状に形成され
た第3の切刃部4Cにおいては、この凹曲線の曲率半径
3が大きすぎると、該第3の切刃部4Cが軸線O方向
先端視に直線状に近くなり、ドリル回転中心Cにおいて
えぐられた加工材部分を外周側に案内する際の案内性が
損なわれるおそれが生じる。その一方で、この曲率半径
3が小さすぎると、上記えぐられた部分が第3の切刃
部4cによって案内されて流出する際に、急激にその流
出方向を変えられることとなり、その反力によって却っ
て切刃部4Cに作用する負荷の増大を招いてしまうおそ
れが生じる。しかるに、これに対して本実施形態では、
上記曲率半径R3を上述のように切刃4の外径Dに対し
て0.1×D〜0.3×Dの範囲に設定することにより、
このような不都合が生じるのを防いで、確実に切削抵抗
を抑え、かつドリル本体1の損傷を防止しているのであ
る。
【0020】加えて、このように曲率半径R3が適当に
設定されていても、この第3の切刃部4Cが短すぎると
上記の案内性が十分に奏功されなくなるおそれが生じる
反面、逆に該第3の切刃部4Cが徒に長すぎても、この
第3の切刃部4Cはその径方向すくい角が正角側に設定
されることから切刃4の刃先強度を損なうおそれが生じ
る。しかるに、これに対して本実施形態では、軸線O方
向先端視において該第3の切刃部4Cと第2の切刃部4
Bとの交点Pがドリル回転中心C回りになす円の直径d
を、切刃4の外径Dに対して0.15×D〜0.3×Dの
範囲として、この第3の切刃部4Cの長さを適正化する
ことにより、上記案内性を十分に確保しつつ切刃4の刃
先強度の劣化を防いで、より確実にドリル寿命の延長を
図っている。
【0021】また、本実施形態では、この第3の切刃部
4Cの外周側に連なる第2の切刃部4Bは、そのさらに
外周側の直線状の第1の切刃部4Aに対し、軸線O方向
先端視において第1の切刃部4Aの内周側への仮想延長
線Lよりもドリル回転方向側へ突出する凸曲線状に形成
されていて、第2の切刃部4Bが第1の切刃部4Aから
山形に盛り上がるように形成されている。これにより、
これらの切刃部4A,4Bによって切屑が生成される際
に、この切屑に適当な応力が与えられることとなり、か
かる切屑が切屑排出溝2内に送られてカールさせられる
ときに、この応力によって切屑を適度な長さに分断する
ことが可能となる。このため、本実施形態によれば、例
えばアルミニウム材など特に切屑が伸び気味となる加工
材に対して、その切屑の処理を円滑に行うことが可能と
なり、切屑詰まりの発生等を防止してより一層の切削抵
抗の低減等を促すことが可能となる。
【0022】ただし、本実施形態ではこのように第2の
切刃部4Bを第1の切刃部4Aの延長線Lに対して突出
させて上記の効果を得ているが、例えばこれを、図4に
示すように第1の切刃部4Aが、凸曲線状をなす第2の
切刃部4Bに接してその接線方向に延びるように形成し
てもよい。しかるに、このような構成を採った場合に
は、上記実施形態の場合に比べて切屑生成時に切屑に作
用する応力を抑えることができるので、例えば鋳鉄に穴
明け加工を施す場合など、分断されやすい剪断状の切屑
が生成される場合において、徒に切屑が分断され過ぎて
却って切屑排出性などが損なわれるような事態を未然に
防止することが可能となる。
【0023】一方、本実施形態では、軸線Oに対する上
記側面視において、切刃4は第3の切刃部4Cから第2
の切刃部4Bにかけての部分が軸線O方向先端側に突出
する凸曲線状に形成されており、これによりこれら第
2、第3の切刃部4B,4Cの先端角は、ドリル外周側
から内周側に向けて漸次増大してゆき、ドリル回転中心
Cにおいて最大となる。従って、本実施形態によれば、
このドリル回転中心C近傍の第3の切刃部4Cにおい
て、その刃先強度を確保してチッピング等の発生をより
確実に防止することが可能となるという利点を得ること
ができる。
【0024】また、このように切刃部4B,4Cが側面
視においても曲線状に形成されることから、これらによ
って生成される切屑に対して、より大きな応力を与える
ことが可能となるので、特に上述の伸び気味となる切屑
が生成される場合などにおいて、その分断を確実にコン
トロールすることが可能となり、一層円滑な切屑処理を
促すことができるという利点も得られる。しかも、本実
施形態では、このように第2、第3の切刃部4B,4C
が凸曲線状に形成されているのに対し、第1の切刃部4
Aは側面視においても直線状に形成されているので、こ
れらの間においても切屑に応力を与えることができ、切
屑処理のさらに確実なコントロールを図ることが可能で
あるという利点をも得ることができる。
【0025】なお、これら第2、第3の切刃部4B,4
Cが上記側面視になす凸曲線の曲率半径RSは、これが
大きすぎると該切刃部4B,4Cが直線状に近くなって
上述の効果が得られなくなるおそれがあるほか、これら
の切刃部4B,4Cの先端角が、特にドリル回転中心C
近傍において大きくなりすぎて、切刃4の食いつきが不
安定となったり、上記押し込み力が却って増大してしま
ったりするおそれも生じるため、好ましくない。その一
方で、この曲率半径RSが小さすぎると、この側面視に
凸曲線状をなす部分が小さくなりすぎ、やはり上述の効
果が得られなくなるおそれが生じる。このため、この切
刃4が側面視になす凸曲線の曲率半径RSは、上述のよ
うに切刃の外径Dに対して0.1×D〜3.0×Dの範囲
に設定されるのが望ましい。
【0026】また、本実施形態では、上述のようにドリ
ル本体1の先端に一対の切刃4,4が軸線Oに関して対
称に形成され、かつ切屑排出溝3,3が軸線O回りにね
じれて形成された、いわゆる2枚刃のツイストドリルに
本発明を適用した場合について説明したが、本発明の切
刃の形状は切刃が1枚のドリルに適用することも可能で
ある。また、切屑排出溝についても、ねじれることなく
軸線Oに平行に形成されたものであってもよく、従っ
て、例えば従来知られた1枚刃、ストレート溝のガンド
リルなどに本発明を適用することも可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ドリル本体先端のドリル回転中心が加工材に押し込まれ
ることによりえぐられた部分を、切刃のドリル回転中心
側に形成された第3の切刃部によって速やかに外周側に
案内し、切屑として排除することにより、かかるドリル
本体の押し込みに要する力を低減するとともに、切刃に
作用する切削負荷の軽減を図ってチッピングや逃げ面摩
耗を抑えることができる。このため、このドリル本体先
端の、特にドリル回転中心近傍における損傷を確実に防
いで、ドリル寿命の延長を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す先端側からの正面図
である。
【図2】図1に示す実施形態の矢線X方向視の側面図で
ある。
【図3】図1に示す実施形態のドリル回転中心C近傍の
拡大図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す先端側からの正面
図である。
【符号の説明】
1 ドリル本体 2 先端逃げ面 3 切屑排出溝 4 切刃 4A 第1の切刃部 4B 第2の切刃部 4C 第3の切刃部 O ドリル本体1の回転軸線 C ドリル回転中心 D 切刃4の外径 P 第2、第3の切刃部4B,4Cの交点 d 交点Pがドリル回転中心C回りに描く円の直径 R2 第2の切刃部4Bの曲率半径 R3 第3の切刃部4Cの曲率半径

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転されるドリル本体の外周
    に、このドリル本体の先端から基端側に向けて延びる切
    屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向
    側を向く壁面と上記ドリル本体の先端逃げ面との交差稜
    線部に、該ドリル本体先端のドリル回転中心からドリル
    外周側に向けて延びる切刃が形成されてなるドリルにお
    いて、 上記切刃が、上記軸線方向先端視において、ドリル外周
    側に位置して直線状に延びる第1の切刃部と、この第1
    の切刃部の内周側に連なって上記ドリル回転方向側に膨
    らむ凸曲線状をなす第2の切刃部と、この第2の切刃部
    のさらに内周側に連なり、上記ドリル回転中心近傍にお
    いて上記ドリル回転方向の後方側に凹む凹曲線状をなす
    第3の切刃部とを備えていることを特徴とするドリル。
  2. 【請求項2】 上記第3の切刃部が上記軸線方向先端視
    においてなす凹曲線の曲率半径が、上記切刃の外径Dに
    対して0.1×D〜0.3×Dの範囲に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 【請求項3】 上記軸線方向先端視において、上記第2
    の切刃部と第3の切刃部との交点が上記ドリル回転中心
    回りになす円の直径dが、上記切刃の外径Dに対して
    0.15×D〜0.3×Dの範囲に設定されていることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載のドリル。
  4. 【請求項4】 上記軸線方向先端視において、上記第1
    の切刃部は、上記第2の切刃部がなす凸曲線に接してそ
    の接線方向に延びるように形成されていることを特徴と
    する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のドリ
    ル。
  5. 【請求項5】 上記軸線方向先端視において、上記第2
    の切刃部は、上記第1の切刃部の内周側への仮想延長線
    よりも上記ドリル回転方向側へ突出するように形成され
    ていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載のドリル。
  6. 【請求項6】 上記軸線に対する径方向からの側面視に
    おいて、少なくとも上記第3の切刃部から第2の切刃部
    にかけては、内周側に向かうに従い上記軸線方向先端側
    に膨らむ凸曲線状に形成されていることを特徴とする請
    求項1ないし請求項5のいずれかに記載のドリル。
  7. 【請求項7】 上記側面視において上記第3の切刃部が
    なす凸曲線の曲率半径が、上記切刃の外径Dに対して
    0.1×D〜3.0×Dの範囲に設定されていることを特
    徴とする請求項6に記載のドリル。
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