JPH0932705A - 内燃機関における電磁式空気制御弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁体を含む可動コア全体の重量を軽減し、電
磁式空気制御弁を小型化するとともにその消費電流を低
減し、更に耐久性の向上を図るとともに微小な空気量の
制御を正確に行なう。 【構成】 弁本体１の２次側流路２Ｂ内に配置される連
結杆２１の一端２１Ａに弁体２２を備え、他端２１Ｂに
可動コア２３が配置され、可動コア２３の固定コア側対
向端２３Ａから連結杆２１内に向けて長手軸心Ｘ−Ｘに
沿ってガイド孔２１Ｃが穿設される。固定コア２０の可
動コア側対向端２０Ｂにはガイド孔２１Ｃ内に移動自在
に挿入配置されるガイド杆２０Ｃが突出して形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スロットルボデーの吸
気路内に配置されたスロットル弁を迂回して形成される
補助空気通路内を流れる補助空気量を電気信号に応じて
制御する内燃機関における電磁式空気制御弁に関する。
この電磁式空気制御弁は常閉型をなし、主に機関のアイ
ドリング空気量を調整する。

【０００２】

【従来の技術】従来の内燃機関における電磁式空気制御
弁は、図２に示される。１は内部に空気流路２が穿設さ
れ、該空気流路が弁座３によって１次側流路２Ａと２次
側流路２Ｂとに区分される弁本体であり、弁本体１の他
端１Ａには２次側流路２Ｂに臨むハウジング収納孔１Ｂ
が開口して形成され、さらに弁本体１の一端１Ｃには１
次側流路２Ａに臨むメネジ孔１Ｄが穿設される。Ｓは電
磁装置であって以下よりなる。４は上部が開口した有底
筒状をなすハウジングであり、ハウジング４内にはその
両端に鍔部が形成された筒状のコイルボビン５が収納配
置されるとともに、コイルボビン５の外周にはコイル６
が巻回される。７は固定コアであり、コイルボビン５の
内筒内に配置されるとともにコイルボビン５の他端より
突出する環状部７Ａはハウジング４の係止段部４Ａ上に
固定配置される。そして、固定コア７の一端７Ｂ（図に
おいて左方端であって後述する可動コアに対向する端面
である）から他端７Ｃ（図において右方）に向かう長手
軸心にはガイド孔７Ｄが穿設される。このガイド孔７Ｄ
は固定コア７の一端７Ｂに開口する。かかる電磁装置Ｓ
のハウジング４が弁本体１のハウジング収納孔１Ｂ内に
向けて固定配置される。

【０００３】８は、２次側流路２Ｂ内に配置される連結
杆であり、連結杆８の一端８Ａには弁座３を開閉する弁
体９が一体的に配置され、連結杆８の他端８Ｂには、固
定コア７の一端７Ｂに対向する可動コア１０が一体的に
配置される。そして、可動コア１０の固定コア側対向端
１０Ａには、固定コア７のガイド孔７Ｄ内に移動自在に
挿入配置されるガイド杆１０Ｂがその長手軸心に沿って
他側方Ｂに向かって突出して形成される。

【０００４】尚１１は弁体９の背面に圧力キャンセル室
１２を形成する為のダイヤフラムよりなる区画体であ
り、圧力キャンセル室１２は弁体９に穿設される圧力孔
９Ａを介して１次側流路２Ａと連通される。１３は、弁
体９の背面とハウジング４との間に縮設され、弁体９を
弁座３に向けて弾性的に押圧する第１スプリングであ
り、１４はメネジ孔１Ｄに螺着されたネジ１５と弁体９
の前面との間に縮設された第２スプリングであり、ネジ
１５を螺動することによって第２スプリング１４のバネ
力を調整し、これによって第１スプリング１３による弁
体９の弁座３に対する閉塞力を調整する。

【０００５】そして電磁装置Ｓのコイル６に通電される
と、その電気信号に応じて電磁装置Ｓには磁力が生起す
るもので、弁体９、連結杆８を含む可動コア１０は、磁
力に応じて固定コア７側に吸引されて移動し、これによ
って弁体９が弁座３を開放保持して弁体９の移動に応じ
た所望の空気を１次側流路２Ａから２次側流路２Ｂに向
けて供給するものである。そして、かかる可動コア１０
の移動時において、ガイド杆１０Ｂはガイド孔７Ｄによ
って摺動案内されるので、弁体９を含む可動コア１０及
び区画体１１はそれぞれセンタリング支持されるもので
ある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の内燃機関
における電磁式空気制御弁によると、可動コアは連結
杆、弁体、ガイド杆を有するので、この可動コア全体の
重量が増加傾向にある。以上によると、可動コアを動作
させる為の電磁装置Ｓの吸引力を増す必要があり、電磁
装置が大型化し（具体的にはコイル６）電磁式空気制御
弁を小型にまとめることが困難であった。このことは、
特に車輌に、かかる電磁式空気制御弁を搭載する際、配
置の自由度が阻害されて好ましいものでない。又、コイ
ル６が大型化することは消費電流が増して好ましいもの
でない。又、かかる電磁式空気制御弁を車輌に搭載した
際、電磁式空気制御弁は内燃機関及び車輌より振動を受
けるもので、この時可動コア全体の重量が増したことに
よると、ガイド杆１０Ｂがガイド孔７Ｄによって案内さ
れてはいても可動コアは大きく振動する。このうち可動
コア全体が長手軸心方向に振動すると、弁体による微小
な空気量の制御が困難となる。更には可動コアと他の部
位との摺動部分にタタカレ摩耗が生じ耐久性が損なわれ
る恐れがある。又、一端が弁体に係止される第１スプリ
ング、第２スプリングにあってはスプリングが共振する
恐れがあり、このことも微小な空気量の制御に対して好
ましいものでない。

【０００７】本発明は前記課題に鑑み成されたもので、
弁体を含む可動コア全体の重量を軽減することによっ
て、電磁式空気制御弁を小型化すること、電磁式空気制
御弁の消費電流を低減すること、及び微小な空気量の制
御を可能にすること、更には特に可動コアに関連する部
位の耐久性を向上すること、ができる電磁式空気制御弁
を提供することを目的とする。

【０００８】

【実施例】以下、本発明になる内燃機関における電磁式
空気制御弁の一実施例について図１により説明する。
尚、図２と同一構造部分については同一符号を使用して
説明を省略する。本発明のものと、図２に示される電磁
式空気制御弁とは、固定コアと弁体、連結杆を含む可動
コアが異なる。２０は固定コアであって以下よりなる。
固定コア２０は、その中心部に形成される円柱部分がコ
イルボビン５の内筒内に配置され、その他側方Ｂの他端
には、外周に向かってのびる環状部２０Ａが形成され、
この環状部２０Ａの外周部分がハウジング４の係止段部
４Ａ上に固定して配置される。そして、固定コア２０の
可動コア側対向端２０Ｂ（固定コア２０の一側方Ａ側の
端部をいう）から更に一側方Ａ（左方をいう）に向かっ
てガイド杆２０Ｃが一体的に突出して形成される。この
ガイド杆２０Ｃは固定コア２０の長手軸心Ｘ−Ｘと同芯
に形成される。すなわちガイド杆２０Ｃは、可動コア側
対向端２０Ｂから２次側流路２Ｂ内に向かって突出す
る。

【０００９】２１は弁体２２と可動コア２３とを一体的
に備えた連結杆であって、以下よりなる。連結杆２１は
２次側流路２Ｂ内にあって、その一端２１Ａに弁座３を
開閉する弁体２２が一体的に配置され、他端２１Ｂに固
定コア２０に対向する可動コア２３が一体的に配置され
る。そして、可動コア２３の固定コア側対向端２３Ａ
（可動コア２３の他側方Ｂの端面に相当する）から弁体
２２の方向（一側方Ａ）に向けてガイド孔２１Ｃが穿設
される。このガイド孔２１Ｃは、可動コア２３、連結杆
２１の長手軸心Ｘ−Ｘに沿って穿設されるもので、ガイ
ド孔２１Ｃは可動コア２３の固定コア側対向端２３Ａに
開口する。そして、図１と同様にして弁本体１に、弁体
２２、可動コア２３を含む連結杆２１と、固定コア２０
を含む電磁装置Ｓが組みつけられて電磁式空気制御弁が
形成される。この組みつけ状態において、固定コア２０
の可動コア側対向端２０Ｂと、可動コア２３の固定コア
側対向端２３Ａとは対向して配置され、さらに連結杆２
１及び可動コア２３に穿設されたガイド孔２１Ｃ内は固
定コア２０のガイド杆２０Ｃが移動自在に案内配置され
る。

【００１０】そして、コイル６への非通電時において、
電磁装置Ｓには磁力が生ずることがない。これによる
と、弁体２２は、第１スプリング１３のバネ力によって
一側方Ａに押圧されるので、弁体２２が弁座３を閉塞し
て保持する。従って、１次側流路２Ａから弁座３を介し
て２次側流路２Ｂに向けて空気が流れることはない。か
かる状態において、連結杆２１及び可動コア２３のガイ
ド孔２１Ｃ内にはガイド杆２０Ｃが挿入して配置され
る。

【００１１】そして、コイル６に電流が流れると、固定
コア２０、ハウジング４、可動コア２３とにより磁気回
路が形成され、その供給される電流に応じて磁力が発生
して可動コア２３は固定コア２０に吸引される。一方、
第１スプリング１３は、前記可動コアの固定コア２０側
への吸引移動に対して抵抗を与える。従って、電磁装置
Ｓにおける磁力と第１スプリング１３による抗力とがバ
ランスする位置において、可動コア２３の移動位置が決
定され、もって弁体２２による弁座３の開放位置が制御
され、その弁座の開口に応じた空気量が１次側流路２Ａ
から２次側流路２Ｂに向かって流れる。

【００１２】ここで本発明にあっては、可動コア２３、
連結杆２１の長手軸心Ｘ−Ｘに沿ってガイド孔２１Ｃが
穿設され、このガイド孔２１Ｃ内に固定コア２０に一体
的に形成されるガイド杆２０Ｃが挿入されて配置された
ので、弁体２２が弁座３に対して傾斜することがなく、
弁体２２を弁座３に対して正確に正対して配置すること
ができ、もって弁体２２の弁座３に対する閉塞性を向上
できるものである。

【００１３】又、連結杆２１、可動コア２３に長手軸心
Ｘ−Ｘに沿ってガイド孔２１Ｃが穿設されたことによる
と、特に可動コア２３全体の重量を大きく軽減できたも
のである。以上によると、弁体２２、連結杆２１を含む
可動コア２３の吸引動作力を低減することができるもの
で、これによるとコイル６を小型化することができ、も
って電磁装置Ｓ全体をコンパクトにまとめることができ
るもので、車輌への搭載の自由度を大きく向上すること
ができたものである。又、コイル６を小型化できたこと
は消費電流を減少させることができ、特に車輌のように
総電流が一定の限られた範囲に制限されるものにあって
は有効である。又、機関の運転中において発生する振動
を可動コア２３全体が受けた際において、可動コア２３
がガイド杆２０Ｃによってセンタリング支持されること
及び可動コア２３の全体の重量が軽減されたことによっ
て可動コア２３全体の振動が大きく低減される。以上に
よると、弁体２２、区画体１１、可動コア２３のタタカ
レ摩耗は大きく減少されて耐久性の向上が達成される。
特に弁体２２の長手軸心方向の振動が抑止されたことに
よると、微小空気量の制御域において、弁座３と弁体２
２との間隙を正確に一定に保持することが可能となり、
これによって正確で且つ安定した空気量の制御が可能と
なったものである。更に弁体２２の振動が低減されたこ
とによると、第１スプリング１３及び第２スプリング１
４の共振が解消されるもので、これによると弁体２２の
位置制御を一層正確に行なうことができ、正確な空気量
の制御を行なえるものである。

【００１４】

【発明の効果】以上の如く、本発明になる内燃機関にお
ける電磁式空気制御弁によると、連結杆は、弁体と可動
コアをその両端に一体的に備えるとともに可動コアの固
定コア側対向端から弁体側に向かってその長手軸心にガ
イド孔が穿設され、一方固定コアの可動コア側対向端に
はガイド孔内に挿入配置されるガイド杆が突出して形成
されたので以下の格別なる効果を奏することができる。
電磁装置全体をコンパクトにまとめることができ、車
輌への搭載の自由度を高めることができる。電磁装置
を構成するコイルを小型化でき、電磁装置の消費電流を
低減できる。可動コアの全体重量を低減できて可動コ
アの振動を抑止することができ、弁体、区画体、可動コ
アの耐久性を向上できるとともに特に微小領域における
空気量の制御を安定的で且つ正確に行なうことができ
る。第１スプリング、第２スプリングの共振を抑止で
きて、空気量の制御を正確に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になる内燃機関における電磁式空気制御
弁の一実施例を示す縦断面図。

【図２】従来の電磁式空気制御弁の一実施例を示す縦断
面図。

【符号の説明】

１ 弁本体 ２Ａ １次側流路 ２Ｂ ２次側流路 ３ 弁座 ２０ 固定コア ２０Ｂ 可動コア側対向端 ２０Ｃ ガイド杆 ２１ 連結杆 ２１Ａ 一端 ２１Ｂ 他端 ２１Ｃ ガイド孔 ２２ 弁体 Ｓ 電磁装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁体に穿設された空気流路を弁座によっ
   て１次側流路と２次側流路とに区分し、弁座に対向して
   ２次側流路に臨んで配置された弁体を、電磁装置に加え
   られる電気信号に応じて制御して空気流路を流れる空気
   量を制御する内燃機関における電磁式空気制御弁におい
   て、２次側流路２Ｂ内に配置される連結杆２１は、その
   一端２１Ａに弁座３を開閉制御する弁体２２を備え、他
   端２１Ｂに電磁装置５を構成する固定コア２０に対向す
   る可動コア２３を備え、更に、可動コア２３の固定コア
   側対向端２３Ａから連結杆２１内に向けて、その長手軸
   心Ｘ−Ｘに沿ってガイド孔２１Ｃが穿設され、一方、固
   定コア２０の可動コア側対向端２０Ｂには、ガイド孔２
   １Ｃ内に移動自在に挿入配置されるガイド杆２０Ｃを一
   側方Ａに向けて突出して形成したことを特徴とする内燃
   機関における電磁式空気制御弁。