JPH09324827A - 車両のクラッチ装置 - Google Patents

車両のクラッチ装置

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JPH09324827A
JPH09324827A JP8142010A JP14201096A JPH09324827A JP H09324827 A JPH09324827 A JP H09324827A JP 8142010 A JP8142010 A JP 8142010A JP 14201096 A JP14201096 A JP 14201096A JP H09324827 A JPH09324827 A JP H09324827A
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shift
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の走行状態に拘わらずエンジンストール
を常に確実に防止可能な車両のクラッチ装置を提供す
る。 【解決手段】 クラッチ装置は、エンジンから変速機へ
の動力伝達を断接するクラッチと、車両が停止への移行
状態にあることを車速情報NCLと判定基準(NCL1また
はNCL2)との比較に基づき判定する判定手段(S26,S30)
と、判定手段により車両の停止への移行状態が判定され
たとき、クラッチを自動的に断状態にする切断制御手段
(S32)と、車両の減速度を検出する減速度検出手段と、
減速度検出手段により検出された減速度に応じて判定基
準をNCL1またはNCL2に可変する可変手段(S22)とを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のクラッチ装
置に係り、詳しくは、車両が停止への移行状態のとき自
動的にクラッチが切断される機能を有したクラッチ装置
に関する。
【0002】
【関連する背景技術】従来より、車両用の変速機とし
て、変速操作を自動化した自動変速機が多用されてい
る。この自動変速機は、小型車の場合にあっては、クラ
ッチに代えてトルクコンバータを採用したものが主流に
なっている。しかしながら、バスやトラック等の大型車
にあっては、駆動トルクの伝達量が大きいため、トルク
コンバータではその駆動トルクを充分に伝達するのが困
難となっている。
【0003】そこで、手動変速機と同様の機械式の変速
機を用い、この変速機に自動的に断接可能なクラッチ装
置を接続した構成の自動変速機が大型車用に開発されて
いる。これにより、伝達駆動トルクが大きい場合であっ
ても、変速タイミングに合わせてクラッチを自動制御
し、変速を自動で行うことが可能とされている。そし
て、このようなクラッチ装置にあっては、車速が低下し
てエンジン回転数が低下し、車両が停止への移行状態と
されたときには、エンジンストールを回避すべく、クラ
ッチを自動的に切断するようにしている。
【0004】さらには、車両状態や走行状態等に応じて
クラッチの自動切断を取りやめるような構成のクラッチ
装置が特開平7−96778号公報等に開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報等
に開示された構成のクラッチ装置では、通常は車両の車
速が所定値以下に低下し或いはエンジン回転数が所定値
以下に低下したときに車両が停止への移行状態と判定し
てクラッチを自動的に切断するようにしている。つま
り、クラッチを自動的に切断するための判定値を一定に
している。
【0006】しかしながら、このようにクラッチを切断
する判定閾値を車速が所定の車速となったとき或いはエ
ンジン回転数が所定のエンジン回転数となったときのよ
うに一定に固定していると、車両が急制動を行うような
場合にあっては、車両の減速度にクラッチの切断が追従
できず、エンジンストールを起こす虞がある。また、一
般に、変速段が高速段になるほど比較的高いエンジン回
転数、即ちクラッチ回転数において駆動トルクが小さく
なる傾向にあるため、変速段が高速段の場合にも、やは
り、エンジンストールを起こす虞がある。
【0007】本発明は、上述した事情に基づきなされた
もので、その目的とするところは、車両の走行状態に拘
わらずエンジンストールを常に確実に防止可能な車両の
クラッチ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、エンジンと変速機との間に設
けられ、前記エンジンから前記変速機への動力伝達を断
接するクラッチと、車両が停止への移行状態にあること
を車速情報と判定基準との比較に基づき判定する判定手
段と、前記判定手段により車両の前記停止への移行状態
が判定されたとき、前記クラッチを自動的に断状態にす
る切断制御手段と、車両の減速度を検出する減速度検出
手段と、前記減速度検出手段により検出された前記減速
度に応じて前記判定基準を可変する可変手段とを備える
ことを特徴としている。
【0009】従って、車両が停止への移行状態にあるこ
とが判定されると、クラッチが自動的に断状態とされる
が、停止への移行状態の判定は、減速度検出手段により
検出された減速度に応じて変化するような判定基準に基
づいて行われる。これにより、例えば、減速度が急激な
場合であっても、この急激な減速度に応じた判定基準に
よって車両の停止への移行状態が判定されてクラッチが
良好に断状態とされ、減速度に拘わらずエンジンストー
ルが好適に防止される。
【0010】また、請求項2の発明では、前記クラッチ
の回転数を検出するクラッチ回転数検出手段をさらに備
え、前記可変手段は、前記判定基準としての基準クラッ
チ回転数を前記減速度が大きいほど高い値とし、前記判
定手段は、前記基準クラッチ回転数と前記クラッチ回転
数検出手段により検出される前記クラッチの回転数とを
比較して前記停止への移行状態を判定することを特徴と
している。
【0011】従って、停止への移行状態の判定は、減速
度が大きいほど高い値とされる判定基準としての基準ク
ラッチ回転数と、実際に検出されるクラッチの回転数と
の比較によって行われる。これにより、例えば、減速度
が急激な場合であっても、この急激な減速度に応じた高
い基準クラッチ回転数と実際のクラッチの回転数との比
較により車両の停止への移行状態が判定されてクラッチ
が早期に断状態とされ、減速度に拘わらずエンジンスト
ールが好適に防止される。
【0012】また、請求項3の発明では、前記変速機の
現在の変速段を検出する変速段検出手段をさらに備え、
前記可変手段は、前記現在の変速段が高いほど前記基準
クラッチ回転数を高い値とすることを特徴としている。
従って、現在の変速段が大きいほど基準クラッチ回転数
を高い値として停止への移行状態が判定され、比較的高
いクラッチ回転数でエンジンストールする傾向にある高
速段ではクラッチが早期に断状態とされ、これにより、
変速段に拘わらずエンジンストールが好適に防止され
る。
【0013】また、請求項4の発明では、ブレーキペダ
ルの踏込情報を流体を介してブレーキ装置に伝達し制動
を行うブレーキ手段をさらに備え、前記減速度検出手段
は、前記流体の圧力を検出する流体圧検出手段からなる
ことを特徴としている。従って、減速度は、ブレーキペ
ダルの踏込速度に応じた流体の圧力に基づいて容易且つ
確実に検出され、これにより、車両の停止への移行状態
が適正に判定される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態としての実施例を詳細に説明する。図1に
は、本発明に係るクラッチ装置の適用される車両(トラ
ック、バス等)の駆動系の全体構成が示されている。以
下、同図に基づき、車両のクラッチ装置を含む車両の駆
動系の構成を説明する。
【0015】同図を参照すると、ディーゼルエンジン
(以下、エンジンという)1からは、エンジン出力軸2
が延びており、このエンジン出力軸2は、本発明に係る
クラッチ装置3を介して歯車式変速機(以下、単に変速
機という)4に接続されている。これにより、エンジン
1の出力が変速機4に伝達され、この変速機4において
変速が実施される。変速機4は、後退段の他に前進7段
の変速段(1速段〜7速段)を有した自動変速式の変速
機であり、自動変速のみならず手動変速も可能とされて
いる。クラッチ装置3は、変速機4が自動変速される際
には、これに伴い自動的に断接制御されるように構成さ
れており、詳細については後述する。
【0016】エンジン1には、エンジン1に燃料を供給
するための燃料噴射ポンプ(以下、噴射ポンプという)
6が設けられている。この噴射ポンプ6は、ポンプ入力
軸(図示せず)を介して伝達されるエンジン1の出力に
よりポンプを作動させ、燃料を噴射する装置である。こ
の噴射ポンプ6には、燃料噴射量を調節するためのコン
トロールラック(図示せず)が備えられており、さら
に、コントロールラックのラック位置(コントロールラ
ック位置)RWを検出するラック位置センサ9が設けら
れている。また、ポンプ入力軸近傍には、ポンプ入力軸
の回転数を検出し、この回転数に基づきエンジン1の出
力軸2の回転数、即ちエンジン回転数Neを検出するエ
ンジン回転センサ8が付設されている。
【0017】クラッチ装置3は、フライホイール10に
クラッチ板12をプレッシャスプリング11により圧接
させて接続状態とする一方、フライホイール10からク
ラッチ板12を離間させることで切断状態とするような
通常の機械摩擦式クラッチの操作を、手動のみならず自
動でも実施可能としたものである。つまり、クラッチ板
12には、アウタレバー12aを介し、クラッチペダル
13と連動するとともにクラッチ断接用アクチュエータ
として機能するエアシリンダユニット16が接続されて
いる。そして、このエアシリンダユニット16には、エ
ア供給通路であるエア通路30を介してエアタンク34
が接続されている。また、エア通路30には、エアシリ
ンダユニット16へのエアの連通と遮断とを行うマグネ
ットバルブ31が介装されている。従って、マグネット
バルブ31が開弁され、エアタンク34からエア通路3
0を介してエアが供給されると、エアシリンダユニット
16が自動的に作動する。これにより、クラッチ板12
が移動し、クラッチの断接が自動的に実施される。
【0018】詳しくは、エアシリンダユニット16が非
作動状態から作動状態に移行すると、クラッチ板12が
フライホイール10から離間する方向に移動し、これに
より、クラッチ装置3は接続状態から切断状態に変化す
る。一方、エアシリンダユニット16が非作動状態にあ
っては、クラッチ板12はプレッシャスプリング11に
よってフライホイール10に圧接状態とされ、クラッチ
装置3は接続状態に保持される。なお、この自動による
クラッチの断接は、上述したように、変速機4の自動変
速に合わせて行われる。
【0019】クラッチペダル13には、クラッチペダル
13の踏込操作に連動するようにして油圧マスタシリン
ダ13aが接続されており、この油圧マスタシリンダ1
3aには、油路13bが接続されている。そして、油路
13bはエアシリンダユニット16に接続されている。
従って、クラッチペダル13が踏まれると、油圧マスタ
シリンダ13aから作動油が油路13bを介してエアシ
リンダユニット16側に供給され、これにより、クラッ
チ板12がエアシリンダユニット16を介して作動し、
クラッチ装置3は、自動のみならず手動でも作動可能と
されている。
【0020】図1を参照すると、クラッチペダル13に
は、クラッチペダル13の踏込量を検出するクラッチ踏
込センサ15が設けられており、クラッチ装置3には、
クラッチ板12の移動量、即ちクラッチストローク量S
CLを検出するクラッチストロークセンサ17が取付けら
れている。さらには、クラッチ板12とフライホイール
10との接続状態を検出するクラッチタッチセンサ18
が設けられている。また、変速機4の入力軸20には、
入力軸20の回転数、即ちクラッチ回転数NCLを検出す
るクラッチ回転センサ(クラッチ回転数検出手段)22
が付設されている。
【0021】エアタンク34には、エア通路30とは異
なった通路であって、下流側で2系統に分岐するエア通
路39,39が接続されている。これら分岐したエア通
路39,39の各先端は、それぞれ電磁弁MVQ44を
介して制動系(エアオーバハイドロリック式)内のエア
マスタ42に接続されている。一対の電磁弁MVQ4
4,44は、ブレーキペダル50の操作に応じて開閉弁
されるものである。詳しくは、ブレーキペダル50に
は、ブレーキペダル50が踏込まれたときにハイレベル
のブレーキ信号を出力するブレーキセンサ52が取付け
られており、電磁弁MVQ44,44は、このブレーキ
センサ52からのブレーキ信号に基づいてECU80を
介し開閉弁される。即ち、電磁弁MVQ44,44が開
弁されることにより、エアマスタ42,42が作動し、
これにより、それぞれに複数接続されたホイールブレー
キ40が作動し、ブレーキがオン状態とされる。
【0022】また、同図に示すように、エア通路39,
39には、それぞれにストップランプ(図示せず)を点
灯させるストップランプスイッチ(減速度検出手段)4
6と急制動検出スイッチ(減速度検出手段)48とが設
けられている。これらストップランプスイッチ46と急
制動検出スイッチ48とは、エア通路39,39内のエ
ア圧を感知してオン信号を出力するものであり、それぞ
れにオン信号を出力する所定のエア圧が設定されてい
る。即ち、ストップランプスイッチ46にあっては、第
1エア圧(例えば、0.3±0.1kg/cm2)でオン信号
を出力し、急制動検出スイッチ48にあっては、第1エ
ア圧よりも高い第2エア圧(例えば、2.2kg/cm2)で
オン信号を出力するようにされている。
【0023】チェンジレバー60は、変速機4のセレク
トレバーであって、図1中の囲み内に示すようなセレク
トパターンを有している。即ち、このチェンジレバー6
0は、セレクト方向及びこのセレクト方向と直交する方
向に移動することができ、さらに、この直交する方向に
移動した位置から上記セレクト方向と平行なシフト方向
に移動することが可能とされている。
【0024】チェンジレバー60のセレクトパターンに
ついて述べると、上記セレクト方向には、N(ニュート
ラル)レンジ、R(リバース)レンジ及び自動変速モー
ドに相当するD(ドライブ)レンジが設定されている。
そして、セレクト方向と直交する方向に移動した位置、
即ちチェンジレバー60がシフト方向に移動可能な範囲
は、手動変速モードに相当するM(マニュアル)レンジ
とされている。
【0025】Mレンジでのシフトパターンについて述べ
ると、上記シフト方向には、チェンジレバー60が上記
DレンジからMレンジに水平移動させられた位置に設定
されたHOLD(ホールド)ポジションを挟むようにし
て、UP(シフトアップ)ポジションとDOWN(シフ
トダウン)ポジションとが設定されている。即ち、シフ
ト方向にあっては、中立位置であるHOLDポジション
を挟んでUPポジションとDOWNポジションとが一列
に配置されており、つまりI型シフトパターンが構成さ
れている。従って、このMレンジでは、UPポジション
側或いはDOWNポジション側にチェンジレバー60が
操作されると、それぞれシフトアップ側またはシフトダ
ウン側に1段ずつ変速段が移行するようにされている。
【0026】このようなセレクトパターン及びシフトパ
ターンでは、Nレンジ、Rレンジ及びDレンジに位置し
たチェンジレバー60は、その位置への操作後にドライ
バの手が離れた場合でもその位置に保持されて停止する
一方、Mレンジが選択された後、HOLDポジションか
らUPポジション或いはDOWNポジションにシフト操
作された場合には、操作後、ドライバの手が離れると、
中立位置、即ちHOLDポジションに向け自動的に復動
しその位置(HOLDポジション)に保持される。
【0027】チェンジレバー60には、変速段選択スイ
ッチ62が接続されている。この変速段選択スイッチ6
2は、チェンジレバー60が操作されたときにチェンジ
レバー60のレンジ及びポジションを検出するものであ
る。変速段選択スイッチ62はECU80に接続されて
おり、また、後述するように、ECU80は、変速機4
のギヤの噛み合い、即ちギヤ位置を切換えるためのギヤ
シフトユニット64に接続されている。これにより、各
レンジ及びポジションの検出信号が変速段選択スイッチ
62からECU80に供給されると、この信号に応じて
ギヤシフトユニット64が作動し、変速機4のギヤ位置
が、選択されたセレクトレンジ及びシフトポジションに
応じて切換えられるようにされている。
【0028】ギヤシフトユニット64は、ECU80か
らの作動信号により作動する複数個の電磁弁(図1では
1つのみ示した)66と、変速機4内のシフトフォーク
(図示せず)を作動させる複数のパワーシリンダ(図示
せず)とを有している。ギヤシフトユニット64のこれ
らのパワーシリンダは、上記電磁弁66、エア通路67
を介して前述のエア通路30に接続されており、従っ
て、エアタンク34から高圧作動エアが供給されること
により作動する。つまり、上記電磁弁66にECU80
から作動信号が与えられると、各パワーシリンダが作動
信号に応じて作動し、これにより歯車式変速機4の噛み
合い状態が適宜変更される。
【0029】変速機4のギヤシフトユニット64近傍に
は、各変速段を検出するギヤ位置センサとしてのギヤ位
置スイッチ(変速段検出手段)68が付設されており、
このギヤ位置スイッチ68からは現在のギヤ位置信号が
ECU80に向けて出力される。アクセルペダル70に
はアクセル開度センサ72が備えられている。また、変
速機4の出力軸76には、車速Vを検出する車速センサ
78が付設されている。
【0030】図1中符号82は、ECU80とは別に設
けられたエンジンコントロールユニットを示している。
エンジンコントロールユニット82は、噴射ポンプ6内
の電子ガバナ(図示せず)に対し、各センサからの情報
やアクセル開度情報VA等に応じたECU80からの信
号を供給する装置であり、エンジン1の駆動制御を行う
ものである。即ち、エンジンコントロールユニット82
から電子ガバナに指令信号が供給されると、コントロー
ルラックが作動して燃料の増減操作が実施され、エンジ
ン回転数Neの増減が制御される。
【0031】そして、図中符号99は、ECU80やエ
ンジンコントロールユニット82等の電気系の主電源ス
イッチ、即ちイッグニッションキースイッチであり、符
号94は、警報音等の音声を発するブザー94であり、
符号96は、車両の種々の走行状態を表示するディスプ
レイユニットである。図2を参照すると、ディスプレイ
ユニット96が拡大して示されている。同図に示すよう
に、ディスプレイユニット96には、各種メータ類の他
に、ギヤ位置スイッチ68からの情報に基づき、現在の
ギヤ段の数字を電光表示するギヤ段表示盤97が設けら
れている。このギヤ段表示盤97の数字表示部98は、
後述するように、点灯のみならず点滅も可能とされてい
る。
【0032】ECU80は、マイクロコンピュータ(C
PU)、メモリ及び入力出力信号処理回路としてのイン
タフェイスとで構成されている。ECU80の入力側に
は、上述のエンジン回転センサ8、ラック位置センサ
9、クラッチ踏込センサ15、クラッチストロークセン
サ17、クラッチタッチセンサ18、クラッチ回転セン
サ22、ストップランプスイッチ46、急制動スイッチ
48、ブレーキセンサ52、変速段選択スイッチ62、
ギヤ位置スイッチ68、アクセル開度センサ72、車速
センサ78及びイグニションキースイッチ99等がそれ
ぞれ接続されており、これら各センサ等からの情報が入
力される。
【0033】一方、ECU80の出力側には、上述のマ
グネットバルブ31、電磁弁44,66、エンジンコン
トロールユニット82、ブザー94及びディスプレイユ
ニット96等が接続されている。ところで、ECU80
のメモリは、図示しないフローチャートをプログラムや
データとして書き込んだ読み出し専用のROMと書き込
み可能なRAMとで構成されている。
【0034】例えば、ROMには、セレクト位置がDレ
ンジとされているとき、車速V、アクセル開度VAやエ
ンジン回転数Neの各値に基づいて目標変速段を決定す
るためのシフトマップが記憶されており、このシフトマ
ップから車速V、アクセル開度VA或いはエンジン回転
数Neに基づいて目標変速段が決定される。そして、E
CU80は、この目標変速段に応じたシフト信号をギヤ
シフトユニット64の各電磁弁66に与え、目標変速段
にギヤを合わせることになる。これにより、自動変速制
御が実施される。
【0035】このように、変速機4のギヤが上記目標変
速段に切換えられて変速が完了すると、ギヤ位置スイッ
チ68からギヤ位置信号が出力される。これにより、シ
フト信号に対して各ギヤの切換えが確実に行われたか否
か、即ち噛み合いが正常な状態であるか否かの判別が実
施される。ところで、上記のようにして、手動変速制
御、自動変速制御によらず目標変速段が決定されると、
ECU80は、目標変速段に応じたシフト信号をギヤシ
フトユニット64の各電磁弁66に与えるとともに、マ
グネットバルブ31に駆動信号を供給する。つまり、シ
フト信号が供給されて変速が開始されると、これと同期
してマグネットバルブ31が開弁される。具体的には、
マグネットバルブ31は、ここでは、シフト信号に替え
てシフト信号を発生させるアクセル開度情報VA及びエ
ンジン回転数情報Neに基づいて作動させられる。
【0036】これにより、変速の開始と同時にエアシリ
ンダユニット16が自動的に作動してクラッチ板12が
フライホイール10から離れ、クラッチ装置3が切断状
態とされる。そして、変速が略達成されると、マグネッ
トバルブ31は良好に制御されて、クラッチ板12が徐
々にフライホイール10に圧接され、クラッチ装置3は
再び接続状態とされる。
【0037】図3を参照すると、ECU80が実行す
る、変速機4及びクラッチ装置3の主制御ルーチン(メ
インルーチン)のフローチャートが示されており、以
下、同図に基づき、変速機4及びクラッチ装置3の制御
手順について説明する。ECU80が行う変速機4及び
クラッチ装置3の制御としては、Dレンジにおいてシフ
トマップに基づき変速機4とクラッチ装置3とを完全に
自動で作動させて変速を達成する上記自動変速制御と、
チェンジレバー60を手動で操作してセレクトレンジ或
いはMレンジでのポジションを決定して変速機4とクラ
ッチ装置3とを作動させ変速を達成する手動変速制御
と、車両が停止或いは停止に近い状態にあるときに、エ
ンジン1を不用意にストール(エンジンストール)させ
ないようクラッチ装置3を自動で切断操作(以下、自動
クラッチ切断という)する停止制御(切断制御手段)と
がある。ここでは、主として、本発明に係るクラッチ装
置3の停止制御について説明する。
【0038】ステップS10では、イグニションキース
イッチ99がオンとされてエンジン1が始動されること
に伴い制御電源がオンにされる。これにより、変速機4
及びクラッチ装置3の主制御が開始されることになる
が、ここでは、特に、エンジン1の始動後、ある程度時
間が経過し車両が走行状態にある場合を想定して説明す
る。
【0039】次のステップS12では、車速Vが所定値
V1(例えば、30km/h)以下であるか否かが判別され
る。この判別は、即ち、自動変速制御や手動変速制御を
実施するか或いは車両が停止への移行状態にあり上記停
止制御を実施する必要があるかの判別を意味している。
判別結果が偽(No)で、車速Vが所定値V1よりも大
きい場合には、車両は通常の走行状態にあり、車両が停
止する可能性は低く、停止制御を実施する必要はないと
判定できる。従って、この場合には、次にステップS1
4に進む。
【0040】ステップS14では、セレクトレンジがD
レンジであって、自動変速が実施されているか否かが判
別される。判別結果が真(Yes)でセレクトレンジが
Dレンジである場合には、次にステップS16に進み、
シフトマップに基づいて上記自動変速制御を実施する。
一方、ステップS14の判別結果が偽(No)でセレク
トレンジがDレンジ以外、即ち、自動変速が実施されて
いないような場合には、次にステップS18に進み、上
記手動変速制御を実施する。
【0041】ところで、これら自動変速制御や手動変速
制御については公知であり、その詳細についてはここで
は説明を省略する。一方、ステップS12の判別結果が
真で、車速Vが所定値V1(例えば、30km/h)以下で
あって、停止制御を実施する必要があると判定される場
合には、次にステップS20に進む。なお、以下、ステ
ップS20乃至ステップS30は、停止制御の実施可否
判別を行うステップである(判定手段)。
【0042】ステップS20では、ブレーキがオン状態
とされているか否かが判別される。つまり、車両が制動
状態にあり、停止しようとしている状況か否かが判別さ
れる。この判別は、ブレーキペダル50の踏込操作に基
づくブレーキセンサ52からの情報に基づいて行われ
る。判別結果が偽で、ブレーキペダル50が踏込まれて
おらず、ブレーキセンサ52からブレーキ信号が出力さ
れていない場合には、次にステップS21に進む。
【0043】ステップS21では、後述の停止制御ステ
ップ(ステップS32)において実施される自動クラッ
チ切断がオン状態、つまり自動クラッチ切断が実施され
ている最中であるか否かが判別される。判別結果が偽で
自動クラッチ切断が実施されていない場合には、上述の
ステップS14に進み、自動変速制御(ステップS1
6)或いは手動変速制御(ステップS18)が実施され
る。
【0044】一方、ステップS20の判別結果が真であ
って、ブレーキペダル50が踏込まれ、ブレーキセンサ
52からブレーキ信号が出力されている場合には、次に
ステップS22に進む。ステップS22では、制動状態
が急ブレーキ状態であるか否かの判別を行う。ここで
は、上記ストップランプスイッチ46と急制動検出スイ
ッチ48からの情報に基づいて判別が行われる。即ち、
エア通路39内のエア圧が第1エア圧(例えば、0.3
±0.1kg/cm2)以上であって且つ第2エア圧(例え
ば、2.2kg/cm2)以上であるか否かが判別される(可
変手段)。
【0045】通常のブレーキペダル50の踏込みにあっ
ては、ブレーキペダル50が踏込まれてブレーキセンサ
52からブレーキ信号が出力されると、エア通路39内
のエア圧は少なくとも第1エア圧(例えば、0.3±
0.1kg/cm2)以上になる一方、第2エア圧(例えば、
2.2kg/cm2)以上のような高圧になることはない。従
って、このような場合には、ステップS22の判別結果
は偽とされ、制動状態は通常の緩やかな制動状態とみな
すことができ、次にステップS24に進む。
【0046】ステップS24では、車速Vがさらに低下
して所定値V2(判定基準:V2<V1)未満であるか否
かが判別される。判別結果が偽で車速Vが所定値V2以
上の場合には、停止制御を実施する必要がないと判定で
き、上述のステップS21に進む。一方、判別結果が偽
で車速Vが所定値V2未満である場合には、停止制御を
実施する必要があると判定でき、次にステップS26に
進む。
【0047】ステップS26では、クラッチ回転センサ
22からの情報に基づき、クラッチ回転数(車速情報)
NCLが所定値(判定基準としての基準クラッチ回転数)
NCL1以下であるか否かが判別される。この所定値NCL1
は、エンジン1のアイドリング回転数NIに近いか或い
はこれよりも低い回転数であり、クラッチ回転数NCLが
この所定値NCL1よりも低くなるとエンジン1がストー
ルする可能性のある回転数である。
【0048】ステップS26の判別結果が偽で、クラッ
チ回転数NCLが所定値NCL1よりも高い場合には、停止
制御を実施する必要がないと判定でき、上述のステップ
S21に進む。一方、ステップS26の判別結果が真
で、クラッチ回転数NCLが所定値NCL1以下の場合に
は、エンジン1がストールする可能性があり停止制御を
実施する必要があると判定でき、次にステップS32に
進み停止制御を行う。
【0049】一方、上記ステップS22の判別結果が真
で、エア通路39内のエア圧が第1エア圧(例えば、
0.3±0.1kg/cm2)以上であって、且つ第2エア圧
(例えば、2.2kg/cm2)以上である場合には、ブレー
キペダル50が強く踏まれた状況とみなすことができ
る。即ち、この場合には、制動状態は急な制動状態、即
ち急ブレーキ状態とみなすことができ、次にステップS
28に進む。
【0050】ステップS28では、車速Vが所定値(判
定基準)V3未満であるか否かが判別される。この判別
は、上述のステップS24と同様の判別である。しかし
ながら、ここでは、判別閾値を上記通常の緩やかな制動
の場合の所定値V2よりも大きな所定値V3としている
(V2<V3)。これは、エアシリンダユニット16が、
マグネットバルブ31に駆動信号を供給してもすぐには
追従できず、つまり作動遅れを有していることに基づい
ている。即ち、制動状態が急ブレーキ状態である場合に
は、車両の減速率ΔVが大きく車速Vが急速に低下する
ため、通常の緩やかな制動の場合よりも停止制御を早い
時点で実施し、これにより、エンジンストールが起こる
前に確実にクラッチ装置3を切断状態とするようにして
いるのである。
【0051】ステップS28の判別結果が偽で車速Vが
所定値V3以上である場合には、停止制御を必要として
いないと判定でき、ステップS24の場合と同様にして
上述のステップS21に進む。一方、ステップS28の
判別結果が偽で車速Vが所定値V3未満の場合には、停
止制御を必要としていると判定でき、次にステップS3
0に進む。
【0052】ステップS30では、クラッチ回転センサ
22からの情報に基づき、クラッチ回転数NCLが所定値
(判定基準としての基準クラッチ回転数)NCL2以下で
あるか否かが判別される。この判別も、上述のステップ
S26と同様の判別である。しかしながら、ここでは、
判別閾値を上記通常の緩やかな制動の場合の所定値NCL
1よりも大きな所定値NCL2としている(NCL1<NCL
2)。これは、上記車速Vの場合と同様の理由による。
つまり、制動状態が急ブレーキ状態である場合には、ク
ラッチ回転数NCLの減少率ΔNCLが大きくクラッチ回転
数NCLが急速に低下するため、通常の緩やかな制動の場
合よりも早い時点で停止制御を実施するようにしている
のである。
【0053】ステップS30の判別結果が偽で、クラッ
チ回転数NCLが所定値NCL2よりも大きい場合には、停
止制御を実施する必要がないと判定でき、上述のステッ
プS21に進む。一方、ステップS30の判別結果が真
で、クラッチ回転数NCLが所定値NCL2以下の場合に
は、エンジン1がストールする可能性があり停止制御を
実施する必要があると判定でき、次にステップS32に
進み停止制御を行う。
【0054】このように、制動状態が急ブレーキ状態で
ある場合において、通常の緩やかな制動の場合よりも早
い段階、つまりより大きな速度閾値V3及び大きなクラ
ッチ回転数閾値NCL2で停止制御、即ち自動クラッチ切
断が実施されるようにすることにより、急ブレーキ状態
であってもエンジンストールを良好に回避することが可
能となる。
【0055】なお、上記制動状態が通常の緩やかな制動
状態である場合のクラッチ回転数閾値NCL1及び制動状
態が急ブレーキ状態である場合のクラッチ回転数閾値N
CL2は、変速段に応じて変化する値であって、これらの
値は予め設定されている(可変手段)。図5を参照する
と、変速段(1速段〜7速段)とクラッチ回転数閾値N
CL1及びクラッチ回転数閾値NCL2との関係がマップとし
て示されており、ECU80は、このマップより、変速
段に応じてクラッチ回転数NCL1及びクラッチ回転数閾
値NCL2を読み出している。同図から明らかなように、
クラッチ回転数閾値NCL1,NCL2は、変速段が大きくな
るほど値が大きく、つまり、早い時点で停止制御が実施
されるように設定されている。従って、通常、高速段に
なるほど比較的大きなクラッチ回転数NCL、即ち比較的
大きなエンジン回転数Neにして適正な駆動トルクが得
られなくなり、エンジンストールを起こすようになるの
であるが、このようなことが好適に防止され、エンジン
1は、変速段によらず、常に良好な運転状態を保持でき
ることになる。なお、変速段が2速段のときにあって
は、クラッチ回転数閾値NCL1は、例えば550rpmであ
り(NCL1=550rpm)、一方、クラッチ回転数閾値N
CL2は、例えば600rpmである(NCL2=600rpm)。
【0056】また、制動状態が通常の緩やかな制動状態
の車速閾値V2及び制動状態が急ブレーキ状態である場
合の車速閾値V3も、クラッチ回転数閾値NCL1,NCL2
と同様に変速段に応じて変化する値であって、これらに
ついても、図5に示すような関係のマップ(図示せず)
が予め設定されている。ここに、変速段が2速段のとき
には、車速閾値V2は、例えば13Km/hであり(V2=1
3Km/h)、車速閾値V3は、例えば20Km/hである(V3
=20Km/h)。
【0057】ステップS32では、停止制御が実施され
る。この停止制御では、図4のフローチャートに示す停
止制御ルーチンが実行される。以下、図4に基づき、停
止制御、即ち自動クラッチ切断の制御手順について説明
する。ステップS40では、一旦停止制御が行われ、現
時点で自動クラッチ切断がオン状態であるか否かが改め
て判別される。判別結果が偽で自動クラッチ切断が行わ
れていない場合には、次にステップS42に進む。
【0058】ステップS42では、クラッチペダル13
が踏込まれた状態であるか否かが判別される。本実施例
に示すような、クラッチペダル13を有したクラッチ装
置3にあっては、上述したように、クラッチペダル13
を踏込んでもクラッチが切断される。従って、このよう
にクラッチペダル13を踏込んだ場合には、エンジン1
がストールしてしまうことはなく自動クラッチ切断を実
施する必要はない。故に、ステップS42の判別結果が
真で、クラッチペダル13が踏込まれている場合には、
何もせずに当該停止制御ルーチンを抜けて図3のステッ
プS12に戻る。一方、ステップS42の判別結果が偽
で、クラッチペダル13が踏込まれていない場合には、
次にステップS44に進む。
【0059】ステップS44では、セレクトレンジがN
レンジであるか否かが判別される。上記クラッチペダル
13が踏込まれた場合と同様に、Nレンジが選択されて
いるときには、やはり、エンジン1がストールしてしま
うことはなく自動クラッチ切断を実施する必要はない。
従って、ステップS44の判別結果が真で、セレクトレ
ンジがNレンジである場合には、何もせずに当該停止制
御ルーチンを抜けてステップS12に戻る。一方、ステ
ップS44の判別結果が偽で、セレクトレンジがNレン
ジでない場合には、次にステップS46に進む。
【0060】以上のように、図3のステップS24或い
はステップS28の判別結果が真で車速Vが所定値V2
(例えば、13km/h)または所定値V3(例えば、20k
m/h)より小さく、ステップS26或いはステップS3
0の判別結果が真でクラッチ回転数NCLが所定値NCL1
(例えば、550rpm)または所定値NCL2(例えば、6
00rpm)以下であり、且つ、図4のステップS42と
ステップS44の判別結果がともに偽であってクラッチ
ペダル13が踏込まれておらず、セレクトレンジがNレ
ンジでない場合には、自動クラッチ切断をすべき条件が
成立したとみなすことができる。
【0061】しかして、ステップS46では、自動クラ
ッチ切断をオン状態としてクラッチ装置3を自動的に切
断状態とする。即ち、このステップS46が実行される
と、ECU80からマグネットバルブ31に駆動信号が
供給されてエアシリンダユニット16が作動し、これに
より、クラッチ板12が作動してクラッチ装置3が切断
状態とされる。
【0062】ところで、本実施例に示すような、クラッ
チペダル13を有したクラッチ装置3にあっては、車両
が停止への移行状態となり一旦自動クラッチ切断が実施
されると、再び車両を発進させたい場合には、クラッチ
ペダル13を踏込んで通常のクラッチ操作をしないと発
進できないようにされている。そこで、次のステップS
48では、ステップS46で自動クラッチ切断をオンと
したことに伴い、ブザー94から音声を発するととも
に、現在のギヤ段が電光表示されているディスプレイユ
ニット96上のギヤ段表示盤97の数字表示部98を点
滅させる。これにより、運転者は、自動クラッチ切断が
実施されていることを音声のみならず視覚的にも良好且
つ確実に認知することができ、発進、加速時にあって
は、アクセルペダル70だけを踏んでエンジン1を意思
に反して空ぶかししてしまうことなく、確実にクラッチ
ペダル13を踏込んでから発進、加速するようになる。
【0063】このように、自動クラッチ切断が実施され
ると、次回、図3のステップS12,S20等を経てス
テップS21が実行されたときには、ステップS21の
判別結果は真となり、再びステップS32において停止
制御を実行することになる。そして、この場合には、図
4のステップS40の判別結果は真で自動クラッチ切断
がオン状態と判定され、次にステップS50に進む。
【0064】ステップS50以降は、自動クラッチ切断
の解除に係るステップである。本実施例に示すような、
クラッチペダル13を有したクラッチ装置3にあって
は、上述したように、一旦自動クラッチ切断が実施され
ると、再び車両を発進させる場合には、クラッチペダル
13を踏込まなければならないようにされている。そし
て、このクラッチペダル13の踏込みと同時に自動クラ
ッチ切断の状態が解除されるようにされている。
【0065】そこで、ステップS50では、クラッチペ
ダル13が踏込まれたか否かの判別が行われる。運転者
に発進の意思があり、判別結果が真の場合には、次にス
テップS62に進み、自動クラッチ切断を解除しオフと
する。これにより、クラッチ装置3を接続可能な状態と
する。そして、さらに、次のステップS64において、
上記ステップS48の実行により実施していたブザー9
4からの音声とディスプレイユニット96上のギヤ段表
示盤97の数字表示部98の点滅とを停止する。これに
より、自動クラッチ切断が解除されたことが良好且つ確
実に運転者に伝達される。
【0066】一方、ステップS50の判別結果が偽でク
ラッチペダル13が踏込まれておらず運転者に発進の意
思がない場合には次にステップS52に進む。ステップ
S52では、セレクトレンジがNレンジであるか否かが
判別される。判別結果が真の場合には、上記クラッチペ
ダル13が踏込まれた場合と同様に次にステップS62
に進む。即ち、セレクトレンジがNレンジとされた場合
には、上述したように、もはや自動クラッチ切断を継続
する必要はないと判定でき、この場合にも自動クラッチ
切断を解除してクラッチ装置3を接続可能な状態とする
のである。
【0067】また、ステップS52の判別結果が偽で、
即ち、上記ステップS50においてクラッチペダル13
が踏込まれていないと判定され且つセレクトレンジがN
レンジとされていないと判定された場合には、次に上記
ステップS62に進み、自動クラッチ切断を解除してク
ラッチ装置3を接続可能な状態とし、ステップS64に
おいて、ブザー94からの音声とディスプレイユニット
96上のギヤ段表示盤97の数字表示部98の点滅とを
停止する。
【0068】そして、次のステップS66において、イ
グニッションキー99がオフとされたか否かを判別す
る。上記ステップS50或いはステップS52の判別結
果が偽、即ちエンジン1が運転中でありながらステップ
S62において自動クラッチ切断が解除されたような場
合には、ステップS66の判別結果は偽であり、この場
合にはそのままステップS12に戻る。
【0069】一方、ステップS66の判別結果が真で、
イグニッションキー99がオフとされている場合には、
次にステップS68に進み、上記図3のステップS10
でオンとした制御電源をオフとする。以上、詳細に説明
したように、本発明のクラッチ装置3では、車速Vやク
ラッチ回転数NCLが低下し車両が停止への移行状態とな
ったときには停止制御を実施するようにし、このとき、
クラッチペダル3が踏込まれておらず、または、セレク
トレンジがNレンジでない場合には、自動クラッチ切断
を行うようにしている。これにより、車両が停止への移
行状態となったときでも、エンジンストールすることな
くエンジン1の運転状態を良好に保持することが可能と
なる。
【0070】そして、本発明のクラッチ装置3では、停
止制御を行うか否かの判定条件とされる上記車速Vやク
ラッチ回転数NCLの判定閾値を、制動状態の度合い、即
ち制動状態が急ブレーキ状態か否かによって異なった値
にしている。つまり、ここでは、制動状態が急ブレーキ
状態ではなく通常の緩やかな制動状態の場合にあって
は、車速Vやクラッチ回転数NCLの判定閾値をそれぞれ
所定値V2(例えば、13Km/h)及び所定値NCL1(例え
ば、550rpm)とし、制動状態が急ブレーキ状態であ
る場合には、判定閾値をそれぞれ所定値V3(例えば、
20Km/h)及び所定値NCL2(例えば、600rpm)とし
ている。従って、制動状態が急ブレーキ状態である場合
には、通常の緩やかな制動状態の場合よりも早い時点で
停止制御を実施して自動クラッチ切断を行うことがで
き、エンジンストールをより確実に防止してエンジン1
の運転状態をさらに良好に保持することが可能となる。
【0071】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
請求項1の車両のクラッチ装置によれば、エンジンと変
速機との間に設けられ、エンジンから変速機への動力伝
達を断接するクラッチと、車両が停止への移行状態にあ
ることを車速情報と判定基準との比較に基づき判定する
判定手段と、判定手段により車両の停止への移行状態が
判定されたとき、クラッチを自動的に断状態にする切断
制御手段と、車両の減速度を検出する減速度検出手段
と、減速度検出手段により検出された減速度に応じて判
定基準を可変する可変手段とを備えるようにしたので、
減速度検出手段により検出された減速度に応じて変化す
るような判定基準に基づいて車両の停止への移行状態の
判定を行うようにでき、例えば、減速度が急激な場合に
は、この急激な減速度に応じた判定基準によって車両の
停止への移行状態を判定してクラッチを良好に断状態に
できる。従って、減速度に拘わらずエンジンストールを
好適に防止できるとともに、走行フィーリングを向上さ
せることができる。
【0072】また、請求項2の車両のクラッチ装置によ
れば、クラッチの回転数を検出するクラッチ回転数検出
手段をさらに備え、可変手段は、判定基準としての基準
クラッチ回転数を減速度が大きいほど高い値とし、判定
手段は、基準クラッチ回転数とクラッチ回転数検出手段
により検出されるクラッチの回転数とを比較して停止へ
の移行状態を判定するので、減速度が大きいほど高い値
とされる判定基準としての基準クラッチ回転数と実際の
クラッチの回転数との比較によって停止への移行状態の
判定を行うことができ、例えば、減速度が急激な場合に
は、この急激な減速度に応じた高い基準クラッチ回転数
と実際のクラッチの回転数との比較により車両の停止へ
の移行状態を判定してクラッチを早期に断状態にでき
る。故に、減速度に拘わらずエンジンストールを好適に
防止し、走行フィーリングを向上させることができる。
【0073】また、請求項3の車両のクラッチ装置によ
れば、変速機の現在の変速段を検出する変速段検出手段
をさらに備え、可変手段は、現在の変速段が高いほど基
準クラッチ回転数を高い値とするので、現在の変速段が
大きいほど基準クラッチ回転数を高い値として停止への
移行状態を判定でき、比較的高いクラッチ回転数でエン
ジンストールする傾向にある高速段ではクラッチを早期
に断状態にでき、変速段に拘わらずエンジンストールを
好適に防止し、走行フィーリングを向上させることがで
きる。
【0074】また、請求項4の車両のクラッチ装置によ
れば、ブレーキペダルの踏込情報を流体を介してブレー
キ装置に伝達し制動を行うブレーキ手段をさらに備え、
減速度検出手段は、流体の圧力を検出する流体圧検出手
段からなるので、ブレーキペダルの踏込速度に応じた流
体の圧力に基づいて容易且つ確実に減速度を検出でき、
車両の停止への移行状態を適正に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ装置が適用される車両の
駆動系の全体構成を示す図である。
【図2】図1中のディスプレイユニットを示す詳細図で
ある。
【図3】変速機及びクラッチ装置のメイン制御ルーチン
を示すフローチャートである。
【図4】図3中の停止制御のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図5】変速段とクラッチ回転数閾値NCL1,NCL2との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 3 クラッチ装置 4 変速機 8 エンジン回転センサ 10 フライホイール 12 クラッチ板 13 クラッチペダル 16 エアシリンダユニット 22 クラッチ回転センサ(クラッチ回転数検出手段) 31 マグネットバルブ 40 ホイールブレーキ 46 ストップランプスイッチ(減速度検出手段) 48 急制動検出スイッチ(減速度検出手段) 50 ブレーキペダル 52 ブレーキセンサ 60 チェンジレバー 62 変速段選択スイッチ 68 ギヤ位置スイッチ(変速段検出手段) 70 アクセルペダル 72 アクセル開度センサ 80 電子制御ユニット(ECU)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと変速機との間に設けられ、前
    記エンジンから前記変速機への動力伝達を断接するクラ
    ッチと、 車両が停止への移行状態にあることを車速情報と判定基
    準との比較に基づき判定する判定手段と、 前記判定手段により車両の前記停止への移行状態が判定
    されたとき、前記クラッチを自動的に断状態にする切断
    制御手段と、 車両の減速度を検出する減速度検出手段と、 前記減速度検出手段により検出された前記減速度に応じ
    て前記判定基準を可変する可変手段と、を備えることを
    特徴とする車両のクラッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッチの回転数を検出するクラッ
    チ回転数検出手段をさらに備え、 前記可変手段は、前記判定基準としての基準クラッチ回
    転数を前記減速度が大 きいほど高い値とし、前記判定手段は、前記基準クラッ
    チ回転数と前記クラッチ回転数検出手段により検出され
    る前記クラッチの回転数とを比較して前記停止への移行
    状態を判定することを特徴とする、請求項1記載の車両
    のクラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記変速機の現在の変速段を検出する変
    速段検出手段をさらに備え、 前記可変手段は、前記現在の変速段が高いほど前記基準
    クラッチ回転数を高い値とすることを特徴とする、請求
    項2記載の車両のクラッチ装置。
  4. 【請求項4】 ブレーキペダルの踏込情報を流体を介し
    てブレーキ装置に伝達し制動を行うブレーキ手段をさら
    に備え、 前記減速度検出手段は、前記流体の圧力を検出する流体
    圧検出手段からなることを特徴とする、請求項1乃至3
    のいずれか記載の車両のクラッチ装置。
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