JPH09322797A - α−ヒドロキシ酸の製造法 - Google Patents
α−ヒドロキシ酸の製造法Info
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- JPH09322797A JPH09322797A JP16663796A JP16663796A JPH09322797A JP H09322797 A JPH09322797 A JP H09322797A JP 16663796 A JP16663796 A JP 16663796A JP 16663796 A JP16663796 A JP 16663796A JP H09322797 A JPH09322797 A JP H09322797A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ニトリルヒドラターゼ活性を有する微生物を用
いる、すなわち、溶解度の低いアミド化合物を経由する
シアンヒドリンからの対応するα−ヒドロキシ酸の製造
を効率的に行う。 【解決手段】水性媒体中、ニトリルヒドラターゼ活性を
有する微生物の作用によりシアンヒドリンをα−ヒドロ
キシアミドに変換後、酸で加水分解してα−ヒドロキシ
酸を製造する方法において、加水分解を該α−ヒドロキ
シアミドが微生物菌体と混合したままの状態で行い、次
いで、アルカリを添加してα−ヒドロキシ酸を可溶性の
塩として分離回収する。
いる、すなわち、溶解度の低いアミド化合物を経由する
シアンヒドリンからの対応するα−ヒドロキシ酸の製造
を効率的に行う。 【解決手段】水性媒体中、ニトリルヒドラターゼ活性を
有する微生物の作用によりシアンヒドリンをα−ヒドロ
キシアミドに変換後、酸で加水分解してα−ヒドロキシ
酸を製造する方法において、加水分解を該α−ヒドロキ
シアミドが微生物菌体と混合したままの状態で行い、次
いで、アルカリを添加してα−ヒドロキシ酸を可溶性の
塩として分離回収する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微生物の作用および
酸加水分解により、シアンヒドリンから対応するα−ヒ
ドロキシ酸を製造する方法に関する。α−ヒドロキシ
酸、特に、その光学活性体は光学分割剤や医薬合成の中
間体として重要な物質である。
酸加水分解により、シアンヒドリンから対応するα−ヒ
ドロキシ酸を製造する方法に関する。α−ヒドロキシ
酸、特に、その光学活性体は光学分割剤や医薬合成の中
間体として重要な物質である。
【0002】
【従来の技術】微生物を用いる反応において、生産され
る物質の反応媒体に対する溶解度が低い場合、一般に生
成物は蓄積濃度の上昇に伴い不溶化し、反応液は微生物
細胞をも含むスラリー状となる。このような反応終了液
から菌体を除去し生成物を回収する方法としては、デカ
ンター型遠心沈降機を用いるL−トリプトファンの分離
法(特開平3−147794号参照)、アミド化合物で
は固液分離機を用いる固定化生体触媒と結晶状アミドの
混合物からの連続的結晶状アミドの抜き出し方法(特開
昭62−267255号参照)、その他、スラリー状生
成物の有機溶媒抽出法、加熱溶解後の熱時ろ過や熱時遠
心分離などによる菌体除去法が知られている。しかし、
これらの操作は菌体の固定化が必要であったり、有機溶
媒を用いたり、熱時ろ過等の煩雑な操作を必要とし、工
業的実施に当たっては様々な問題を含んでいる。
る物質の反応媒体に対する溶解度が低い場合、一般に生
成物は蓄積濃度の上昇に伴い不溶化し、反応液は微生物
細胞をも含むスラリー状となる。このような反応終了液
から菌体を除去し生成物を回収する方法としては、デカ
ンター型遠心沈降機を用いるL−トリプトファンの分離
法(特開平3−147794号参照)、アミド化合物で
は固液分離機を用いる固定化生体触媒と結晶状アミドの
混合物からの連続的結晶状アミドの抜き出し方法(特開
昭62−267255号参照)、その他、スラリー状生
成物の有機溶媒抽出法、加熱溶解後の熱時ろ過や熱時遠
心分離などによる菌体除去法が知られている。しかし、
これらの操作は菌体の固定化が必要であったり、有機溶
媒を用いたり、熱時ろ過等の煩雑な操作を必要とし、工
業的実施に当たっては様々な問題を含んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ニトリルヒ
ドラターゼ活性を有する微生物を用いる、すなわち、溶
解度の低いアミド化合物を経由するシアンヒドリンから
の対応するα−ヒドロキシ酸の製造を効率的に行うこと
を課題とする。
ドラターゼ活性を有する微生物を用いる、すなわち、溶
解度の低いアミド化合物を経由するシアンヒドリンから
の対応するα−ヒドロキシ酸の製造を効率的に行うこと
を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記製造
法において、如何にして菌体を除去しα−ヒドロキシ酸
を効率よく製造し得るかについて鋭意検討を重ねた結
果、ニトリルヒドラターゼ活性を有する微生物によるア
ミドへの変換後の反応液に直接酸を添加し加水分解を行
うことが、本課題の解決に有効であることを見いだし本
発明を完成した。
法において、如何にして菌体を除去しα−ヒドロキシ酸
を効率よく製造し得るかについて鋭意検討を重ねた結
果、ニトリルヒドラターゼ活性を有する微生物によるア
ミドへの変換後の反応液に直接酸を添加し加水分解を行
うことが、本課題の解決に有効であることを見いだし本
発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、水性媒体中、ニトリ
ルヒドラターゼ活性を有する微生物の作用により一般式
〔1〕で示されるシアンヒドリンを一般式〔2〕で示さ
れるα−ヒドロキシアミドに変換後、酸で加水分解して
一般式〔3〕で示されるα−ヒドロキシ酸を製造する方
法において、加水分解を該α−ヒドロキシアミドが微生
物菌体と混合したままの状態で行い、次いで、アルカリ
を添加してα−ヒドロキシ酸を可溶性の塩として分離回
収することを特徴とするα−ヒドロキシ酸の製造法、で
ある。 〔式中、R1 は置換または無置換のフェニル基、ピリジ
ル基またはフリル基、該置換基はヒドロキシル基、炭素
数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、
フェノキシ基、ハロゲン原子、アミノ基またはニトロ
基、nは0〜2の整数を表す〕
ルヒドラターゼ活性を有する微生物の作用により一般式
〔1〕で示されるシアンヒドリンを一般式〔2〕で示さ
れるα−ヒドロキシアミドに変換後、酸で加水分解して
一般式〔3〕で示されるα−ヒドロキシ酸を製造する方
法において、加水分解を該α−ヒドロキシアミドが微生
物菌体と混合したままの状態で行い、次いで、アルカリ
を添加してα−ヒドロキシ酸を可溶性の塩として分離回
収することを特徴とするα−ヒドロキシ酸の製造法、で
ある。 〔式中、R1 は置換または無置換のフェニル基、ピリジ
ル基またはフリル基、該置換基はヒドロキシル基、炭素
数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、
フェノキシ基、ハロゲン原子、アミノ基またはニトロ
基、nは0〜2の整数を表す〕
【0006】
【発明の実施の形態】一般式〔1〕で示されるシアンヒ
ドリンは、例えば、マンデロニトリル、2−、3−およ
び4−メチルマンデロニトリル、2−、3−および4−
ヒドロキシマンデロニトリル、2−、3−および4−メ
トキシマンデロニトリル、2−、3−および4−クロル
マンデロニトリル、2−、3−および4−ブロムマンデ
ロニトリル、2−、3−および4−フルオルマンデロニ
トリル、4−アミノマンデロニトリル、4−ニトロマン
デロニトリル、3−フェノキシマンデロニトリル、フェ
ニルラクトニトリル、4−フェニル−α−ヒドロキシブ
チロニトリル、α−ヒドロキシ−α−(2−ピリジル)
アセトニトリル、α−ヒドロキシ−α−(3−ピリジ
ル)アセトニトリル、α−ヒドロキシ−α−(4−ピリ
ジル)アセトニトリル、α−ヒドロキシ−α−(2−フ
リル)アセトニトリルならびにα−ヒドロキシ−α−
(3−フリル)アセトニトリル等であり、これらを変換
して得られる一般式〔2〕で示されるα−ヒドロキシア
ミドの溶解度は4〜0.2g/水100g程度と低く、
通常反応液はスラリー状である。一般式〔3〕で示され
るα−ヒドロキシ酸はマンデル酸等、それぞれ上記シア
ンヒドリンおよびアミドに対応する酸である。
ドリンは、例えば、マンデロニトリル、2−、3−およ
び4−メチルマンデロニトリル、2−、3−および4−
ヒドロキシマンデロニトリル、2−、3−および4−メ
トキシマンデロニトリル、2−、3−および4−クロル
マンデロニトリル、2−、3−および4−ブロムマンデ
ロニトリル、2−、3−および4−フルオルマンデロニ
トリル、4−アミノマンデロニトリル、4−ニトロマン
デロニトリル、3−フェノキシマンデロニトリル、フェ
ニルラクトニトリル、4−フェニル−α−ヒドロキシブ
チロニトリル、α−ヒドロキシ−α−(2−ピリジル)
アセトニトリル、α−ヒドロキシ−α−(3−ピリジ
ル)アセトニトリル、α−ヒドロキシ−α−(4−ピリ
ジル)アセトニトリル、α−ヒドロキシ−α−(2−フ
リル)アセトニトリルならびにα−ヒドロキシ−α−
(3−フリル)アセトニトリル等であり、これらを変換
して得られる一般式〔2〕で示されるα−ヒドロキシア
ミドの溶解度は4〜0.2g/水100g程度と低く、
通常反応液はスラリー状である。一般式〔3〕で示され
るα−ヒドロキシ酸はマンデル酸等、それぞれ上記シア
ンヒドリンおよびアミドに対応する酸である。
【0007】立体特異的なニトリルヒドラターゼ活性を
有する微生物を使用した場合には、一般式〔1〕で示さ
れるシアンヒドリンの全てを一方の光学活性を有する一
般式〔2〕で示されるα−ヒドロキシアミドに変換する
ことができ、さらに、この光学活性アミドは酸による加
水分解においてもその立体構造が保持されるため、最終
的にも一方の光学活性を有する一般式〔3〕で示される
α−ヒドロキシ酸を得ることができる。
有する微生物を使用した場合には、一般式〔1〕で示さ
れるシアンヒドリンの全てを一方の光学活性を有する一
般式〔2〕で示されるα−ヒドロキシアミドに変換する
ことができ、さらに、この光学活性アミドは酸による加
水分解においてもその立体構造が保持されるため、最終
的にも一方の光学活性を有する一般式〔3〕で示される
α−ヒドロキシ酸を得ることができる。
【0008】本発明に用いられる微生物は、シアンヒド
リンを水和してアミドに変換する活性を有するものであ
れば特に制限されず、例えば、ロドコッカス(Rhodococ
cus)属およびシュードモナス(Pseudomonas)属に属する
微生物である。
リンを水和してアミドに変換する活性を有するものであ
れば特に制限されず、例えば、ロドコッカス(Rhodococ
cus)属およびシュードモナス(Pseudomonas)属に属する
微生物である。
【0009】具体的には、Rhodococcus sp. HN6-1 (微
工研菌寄第11773号)、Rhodococcus sp. HT40-6
(FERM BP−5231)、Rhodococcus sp. PN42
-2(微工研菌寄第11775号)および Pseudomonas c
hlororaphis B 23(微工研条寄第187号)の菌株が挙
げられる。これらの菌学的性質は各々特開平4−222
591号および特公昭59−37951号公報に記載さ
れている。
工研菌寄第11773号)、Rhodococcus sp. HT40-6
(FERM BP−5231)、Rhodococcus sp. PN42
-2(微工研菌寄第11775号)および Pseudomonas c
hlororaphis B 23(微工研条寄第187号)の菌株が挙
げられる。これらの菌学的性質は各々特開平4−222
591号および特公昭59−37951号公報に記載さ
れている。
【0010】加水分解に用いる酸としては、通常、硫
酸、硝酸等の鉱酸が使用される。これらの酸は併用する
こともできる。
酸、硝酸等の鉱酸が使用される。これらの酸は併用する
こともできる。
【0011】また、加水分解後に添加するアルカリとし
ては、通常、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、
アンモニア水、アンモニアガスなどを用いることができ
る。
ては、通常、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、
アンモニア水、アンモニアガスなどを用いることができ
る。
【0012】次に本発明の実施態様について説明する。
本発明に使用される微生物の培養は資化し得るグルコー
ス、グリセロール、サッカロースなどの炭素源、尿素、
硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの窒素源、生
育に必須の塩化マグネシウム、りん酸一ナトリウム、塩
化鉄等の無機栄養素を含有した通常の培地を用いて行わ
れる。これらの培地に酵母エキス、肉エキス、糖蜜など
の天然培地を添加してもよく、また培養初期から中期に
生育を大きく阻害しない濃度のベンゾニトリル、ベンジ
ルシアニド、イソブチロニトリルなどのニトリル類、イ
ソブチルアミド、フェニルアセトアミドなどのアミド
類、ε−カプロラクタムなどのラクタム類を酵素の誘導
物質として添加することにより高い酵素活性が得られる
ので好ましい。
本発明に使用される微生物の培養は資化し得るグルコー
ス、グリセロール、サッカロースなどの炭素源、尿素、
硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの窒素源、生
育に必須の塩化マグネシウム、りん酸一ナトリウム、塩
化鉄等の無機栄養素を含有した通常の培地を用いて行わ
れる。これらの培地に酵母エキス、肉エキス、糖蜜など
の天然培地を添加してもよく、また培養初期から中期に
生育を大きく阻害しない濃度のベンゾニトリル、ベンジ
ルシアニド、イソブチロニトリルなどのニトリル類、イ
ソブチルアミド、フェニルアセトアミドなどのアミド
類、ε−カプロラクタムなどのラクタム類を酵素の誘導
物質として添加することにより高い酵素活性が得られる
ので好ましい。
【0013】使用する培地のpHは4〜10、培養温度
は10〜40℃の範囲で選べばよく、培養は1〜14日
程度好気的に行い活性が最大となるまで継続すればよ
い。
は10〜40℃の範囲で選べばよく、培養は1〜14日
程度好気的に行い活性が最大となるまで継続すればよ
い。
【0014】水和反応は、シアンヒドリンと微生物の菌
体または菌体処理物(菌体の破砕物、粗・精製酵素、固
定化菌体等)を水または緩衝液等の水性媒体中で混合、
攪拌して行われる。
体または菌体処理物(菌体の破砕物、粗・精製酵素、固
定化菌体等)を水または緩衝液等の水性媒体中で混合、
攪拌して行われる。
【0015】シアンヒドリンの濃度は各種のシアンヒド
リンの溶解度や酵素のシアンヒドリンに対する感受性に
より一概に特定し得ないが、通常、反応液中のシアンヒ
ドリン濃度は0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜
5重量%の濃度範囲であればよい。
リンの溶解度や酵素のシアンヒドリンに対する感受性に
より一概に特定し得ないが、通常、反応液中のシアンヒ
ドリン濃度は0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜
5重量%の濃度範囲であればよい。
【0016】シアンヒドリンに対する微生物等の使用量
は乾燥菌体として0.01〜5.0重量%、反応温度は
0〜50℃、好ましくは10〜30℃の範囲、反応pH
は4〜11、好ましくは6〜10の範囲である。
は乾燥菌体として0.01〜5.0重量%、反応温度は
0〜50℃、好ましくは10〜30℃の範囲、反応pH
は4〜11、好ましくは6〜10の範囲である。
【0017】加水分解反応は、スラリー状の水和反応終
了液に直接酸を添加して行われる。酸の濃度は該反応終
了液中のアミドのモル数に対して当量比で1.05〜
2.0の範囲、処理温度は50〜90℃、処理時間は2
〜6時間である。
了液に直接酸を添加して行われる。酸の濃度は該反応終
了液中のアミドのモル数に対して当量比で1.05〜
2.0の範囲、処理温度は50〜90℃、処理時間は2
〜6時間である。
【0018】アルカリの添加は、加水分解反応終了液を
40℃〜50℃に冷却し中和熱を除きながら行えばよ
く、また、添加量は該反応終了液のpHを3〜7.5に
調整する量であればよい。
40℃〜50℃に冷却し中和熱を除きながら行えばよ
く、また、添加量は該反応終了液のpHを3〜7.5に
調整する量であればよい。
【0019】かくして、可溶化された高濃度のα−ヒド
ロキシ酸と菌体の分離は、一般に使用される遠心分離、
ろ過、泡沫分離等の方法により行うことが可能となり、
高濃度のアミドと菌体の混合物の微生物反応終了液か
ら、工業的に容易な方法で菌体を分離除去し効率的にα
−ヒドロキシ酸を回収することができる。
ロキシ酸と菌体の分離は、一般に使用される遠心分離、
ろ過、泡沫分離等の方法により行うことが可能となり、
高濃度のアミドと菌体の混合物の微生物反応終了液か
ら、工業的に容易な方法で菌体を分離除去し効率的にα
−ヒドロキシ酸を回収することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
る。
【0021】実施例1 (1)培養 下記培地に Rhodococcus sp. HT40-6 菌株を接種し30
℃で96時間好気的に培養した。 培地 グルコース 27g ポリペプトン 4g 酵母エキス 2g 硫酸アンモニウム 0.2g 硝酸アンモニウム 2g MgCl2 0.2g CaCl2 40mg MnSO4 ・4H2 O 4mg FeCl3 ・7H2 O 0.7mg ZnSO4 ・7H2 O 0.1mg ε−カプロラクタム 4g CoCl2 ・6H2 O 30mg 30mMりん酸緩衝液(pH7.4) 1000ml
℃で96時間好気的に培養した。 培地 グルコース 27g ポリペプトン 4g 酵母エキス 2g 硫酸アンモニウム 0.2g 硝酸アンモニウム 2g MgCl2 0.2g CaCl2 40mg MnSO4 ・4H2 O 4mg FeCl3 ・7H2 O 0.7mg ZnSO4 ・7H2 O 0.1mg ε−カプロラクタム 4g CoCl2 ・6H2 O 30mg 30mMりん酸緩衝液(pH7.4) 1000ml
【0022】(2)マンデロニトリルの水和 培地から、遠心分離により菌体を採取し20mMりん酸
緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。基質として10
mMのマンデロニトリルおよびマンデロニトリルの解離
平衡を合成側にシフトさせる目的で添加した30mMの
ベンズアルデヒドを含む600mlの20mMりん酸緩
衝液(pH7.5)に菌体を乾燥菌体として0.6g添
加し、15℃で攪拌しながら反応を行い、HPLC(カ
ラム;SHODEX-ODS-F511A、キャリヤ;0.1M H3 P
O4 :アセトニトリル=4:1、モニター;254n
m)により反応の進行を確認しながら基質を供給し66
時間の蓄積反応を行った。マンデルアミドはスラリー状
態で蓄積した。
緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。基質として10
mMのマンデロニトリルおよびマンデロニトリルの解離
平衡を合成側にシフトさせる目的で添加した30mMの
ベンズアルデヒドを含む600mlの20mMりん酸緩
衝液(pH7.5)に菌体を乾燥菌体として0.6g添
加し、15℃で攪拌しながら反応を行い、HPLC(カ
ラム;SHODEX-ODS-F511A、キャリヤ;0.1M H3 P
O4 :アセトニトリル=4:1、モニター;254n
m)により反応の進行を確認しながら基質を供給し66
時間の蓄積反応を行った。マンデルアミドはスラリー状
態で蓄積した。
【0023】 結果 反応終了液中のマンデルアミド濃度 220g/800ml 反応収率 99%
【0024】(3)マンデルアミドの加水分解 スラリー状態の水和反応終了液に70%硝酸125ml
を添加し、80℃で3時間反応を行った。 結果 マンデルアミドのマンデル酸への変換率(%) =〔マンデル酸(モル)/(マンデル酸(モル)+マンデルアミド(モル))〕×100 97.5%
を添加し、80℃で3時間反応を行った。 結果 マンデルアミドのマンデル酸への変換率(%) =〔マンデル酸(モル)/(マンデル酸(モル)+マンデルアミド(モル))〕×100 97.5%
【0025】(4)マンデル酸の中和 加水分解反応終了液を速やかに40℃まで冷却し中和熱
を除去しながらをアンモニア水を用いてpHを4に調整
しマンデル酸の可溶化を行った。また、加水分解終了液
の1部を採取しアンモニアを用いてpHを2〜8に調整
(マンデル酸濃度 20〜22%(W/W))した後、
氷冷しマンデル酸結晶の析出の有無を肉眼的に調べた。
を除去しながらをアンモニア水を用いてpHを4に調整
しマンデル酸の可溶化を行った。また、加水分解終了液
の1部を採取しアンモニアを用いてpHを2〜8に調整
(マンデル酸濃度 20〜22%(W/W))した後、
氷冷しマンデル酸結晶の析出の有無を肉眼的に調べた。
【0026】マンデル酸結晶の析出の有無 pH2 有り 3 有り 4 無し 5 無し 6 無し 7 無し 8 無し
【0027】(5)菌体の分離 マンデル酸の中和により生成した可溶性のマンデル酸ア
ンモニウムと菌体との混合物から遠心分離により菌体を
除去した。遠心上清中に回収されたマンデル酸アンモニ
ウムの収率は対マンデルアミド換算で95%であった。
ンモニウムと菌体との混合物から遠心分離により菌体を
除去した。遠心上清中に回収されたマンデル酸アンモニ
ウムの収率は対マンデルアミド換算で95%であった。
【0028】(6)マンデル酸の回収 菌体を除去したマンデル酸アンモニウム溶液を濃縮し、
硝酸でpH2とした後、攪拌しながら0℃に冷却して酸
析を行い、遠心分離により粗結晶を得た。これを水で再
結晶し、減圧乾燥してマンデル酸を得た。得られたマン
デル酸の光学特性は99%ee以上のS体であった。
硝酸でpH2とした後、攪拌しながら0℃に冷却して酸
析を行い、遠心分離により粗結晶を得た。これを水で再
結晶し、減圧乾燥してマンデル酸を得た。得られたマン
デル酸の光学特性は99%ee以上のS体であった。
【0029】実施例2 (1)培養 実施例1と同様にして Rhodococcus sp. HT40-6 菌株を
培養した。
培養した。
【0030】(2)4−クロルマンデロニトリルの水和 培地から、遠心分離により菌体を採取し20mMりん酸
緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。10mMの4−
クロルマンデロニトリルを含む600mlの20mMり
ん酸緩衝液pH7.5に菌体を乾燥菌体として0.6g
添加し、15℃で攪拌しながら反応を行い、HPLC
(実施例1と同じ条件)により反応の進行を確認しなが
ら、基質を供給し66時間の蓄積反応を行った。4−ク
ロルマンデルアミドはスラリー状態で蓄積した。
緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。10mMの4−
クロルマンデロニトリルを含む600mlの20mMり
ん酸緩衝液pH7.5に菌体を乾燥菌体として0.6g
添加し、15℃で攪拌しながら反応を行い、HPLC
(実施例1と同じ条件)により反応の進行を確認しなが
ら、基質を供給し66時間の蓄積反応を行った。4−ク
ロルマンデルアミドはスラリー状態で蓄積した。
【0031】 結果 反応終了液中の4−クロルマンデルアミド濃度 150g/545ml 反応収率 99%
【0032】(3)4−クロルマンデルアミドの加水分
解 スラリー状態の水和反応終了液に70%硝酸68mlを
添加し、80℃で2時間反応を行った。 結果 4−クロルマンデルアミドの4−クロルマンデル酸への変換率(%) 実施例1の計算式に準ずる 97.0%
解 スラリー状態の水和反応終了液に70%硝酸68mlを
添加し、80℃で2時間反応を行った。 結果 4−クロルマンデルアミドの4−クロルマンデル酸への変換率(%) 実施例1の計算式に準ずる 97.0%
【0033】(4)4−クロルマンデル酸の中和 加水分解反応終了液を速やかに40℃まで冷却し中和熱
を除去しながらをアンモニア水を用いてpHを4に調整
しマンデル酸の可溶化を行った。また、加水分解終了液
の1部を採取しアンモニアを用いてpHを2〜8に調整
(4−クロルマンデル酸濃度 20〜22%(W/
W))した後、氷冷し4−クロルマンデル酸結晶の析出
の有無を肉眼的に調べた。
を除去しながらをアンモニア水を用いてpHを4に調整
しマンデル酸の可溶化を行った。また、加水分解終了液
の1部を採取しアンモニアを用いてpHを2〜8に調整
(4−クロルマンデル酸濃度 20〜22%(W/
W))した後、氷冷し4−クロルマンデル酸結晶の析出
の有無を肉眼的に調べた。
【0034】4−クロルマンデル酸結晶の析出の有無 pH2 有り 3 有り 4 無し 5 無し 6 無し 7 無し 8 無し
【0035】(5)菌体の分離 4−クロルマンデル酸の中和により生成した可溶性の4
−クロルマンデル酸アンモニウムと菌体との混合物から
遠心分離により菌体を除去した。遠心上清中に回収され
た4−クロルマンデル酸アンモニウムの収率は対4−ク
ロルマンデルアミド換算で94%であった。
−クロルマンデル酸アンモニウムと菌体との混合物から
遠心分離により菌体を除去した。遠心上清中に回収され
た4−クロルマンデル酸アンモニウムの収率は対4−ク
ロルマンデルアミド換算で94%であった。
【0036】(6)4−クロルマンデル酸回収工程 菌体を除去した4−クロルマンデル酸アンモニウム溶液
を濃縮し、硝酸でpH2とした後、攪拌しながら0℃に
冷却して酸析を行い、遠心分離により粗結晶を得た、こ
れを水で再結晶し、減圧乾燥して4−クロルマンデル酸
を得た。得られた4−クロルマンデル酸の光学特性は9
9%ee以上のS体であった。
を濃縮し、硝酸でpH2とした後、攪拌しながら0℃に
冷却して酸析を行い、遠心分離により粗結晶を得た、こ
れを水で再結晶し、減圧乾燥して4−クロルマンデル酸
を得た。得られた4−クロルマンデル酸の光学特性は9
9%ee以上のS体であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、溶解度の低いアミド化
合物と菌体との分離が容易となり、ニトリルヒドラター
ゼ活性を有する微生物を用いて、溶解度の低いアミド化
合物を経由するシアンヒドリンからの対応するα−ヒド
ロキシ酸の製造を効率的に行うことが可能である。
合物と菌体との分離が容易となり、ニトリルヒドラター
ゼ活性を有する微生物を用いて、溶解度の低いアミド化
合物を経由するシアンヒドリンからの対応するα−ヒド
ロキシ酸の製造を効率的に行うことが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 59/64 2115−4H C07C 59/64 59/66 2115−4H 59/66 205/12 9450−4H 205/12 205/56 9450−4H 205/56 227/18 9734−4H 227/18 229/42 9734−4H 229/42 231/06 9547−4H 231/06 235/34 9547−4H 235/34 C07D 213/56 C07D 213/56 213/81 213/81 307/54 307/54 C12P 13/00 C12P 13/00 17/04 17/04 17/12 17/12 //(C12P 41/00 C12R 1:01) (C12P 13/00 C12R 1:01) (C12P 17/04 C12R 1:01) (C12P 17/12 C12R 1:01) C07M 7:00
Claims (2)
- 【請求項1】 水性媒体中、ニトリルヒドラターゼ活性
を有する微生物の作用により一般式〔1〕で示されるシ
アンヒドリンを一般式〔2〕で示されるα−ヒドロキシ
アミドに変換後、酸で加水分解して一般式〔3〕で示さ
れるα−ヒドロキシ酸を製造する方法において、加水分
解を該α−ヒドロキシアミドが微生物菌体と混合したま
まの状態で行い、次いで、アルカリを添加してα−ヒド
ロキシ酸を可溶性の塩として分離回収することを特徴と
するα−ヒドロキシ酸の製造法。 〔式中、R1 は置換または無置換のフェニル基、ピリジ
ル基またはフリル基、該置換基はヒドロキシル基、炭素
数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、
フェノキシ基、ハロゲン原子、アミノ基またはニトロ
基、nは0〜2の整数を表す〕 - 【請求項2】 一般式〔2〕で示されるα−ヒドロキシ
アミドおよび一般式〔3〕で示されるα−ヒドロキシ酸
が光学活性である請求項1記載のα−ヒドロキシ酸の製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16663796A JPH09322797A (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | α−ヒドロキシ酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16663796A JPH09322797A (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | α−ヒドロキシ酸の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09322797A true JPH09322797A (ja) | 1997-12-16 |
Family
ID=15834979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16663796A Pending JPH09322797A (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | α−ヒドロキシ酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09322797A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006273725A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | マンデル酸類の精製方法 |
JP2006282546A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | マンデル酸類の製造方法 |
JP2008044856A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | α−ヒドロキシカルボン酸の製造方法 |
-
1996
- 1996-06-07 JP JP16663796A patent/JPH09322797A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006273725A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | マンデル酸類の精製方法 |
JP2006282546A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | マンデル酸類の製造方法 |
JP2008044856A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | α−ヒドロキシカルボン酸の製造方法 |
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